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1. 気管支喘息とは? 基礎知識 病態 疫学 など 2. 診断 ( 軽く ) 3. 治療 ( 主に薬について ) 長期管理 発作時治療 4. 気管支喘息とのつき合い方継続治療 ( 吸入ステロイド ) が何より大切自己管理 ( ピークフローメーターの使用 ) 日常生活における注意 ( 危険因子を避ける

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(1)

NTT東日本札幌病院

(2)

.気管支喘息とは? 基礎知識・病態・疫学 など 2. 診断(軽く). 治療(主に薬について) 長期管理・発作時治療 4.気管支喘息とのつき合い方 継続治療(吸入ステロイド)が何より大切 自己管理(ピークフローメーターの使用) 日常生活における注意(危険因子を避ける) 5.その他 アスピリン喘息 など

(3)

定義:

気道の慢性炎症

を本態とし、臨床症状として

変動性を持った気道狭窄

(喘鳴、呼吸困難)や

咳で特徴付けられる疾患。

(4)

喘息が起きるのは 気管~気管支

(5)

*喘息では気道が狭窄(せまくなる)し易くなっており、顕著になった状態が発作で す。また気管支は普段からいろいろな刺激に敏感(=気道過敏性)になっています。 *落ち着いている時と症状がある時で気道狭窄に一定以上の差が見られます (=気道可逆性あり)⇒これだけで確定診断。 *喘息を長い間治療せずに気道狭窄が固定化して、ゼーゼー、ヒューヒューがとれ なくなった気管支の状態をリモデリングといい、薬でも治りません。

(6)

炎症を起こす細胞: 好酸球が主役、他に 肥満細胞 など 気道狭窄 粘膜下の神経剥き出し ⇒気道過敏性 粘膜障害物質 ロイコトリエン (平滑筋収縮) ヒスタミン (粘膜浮腫) など

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(8)

定義:

気道の慢性炎症

を本態とし、臨床症状として

変動性を持った気道狭窄

(喘鳴、呼吸困難)や

咳で特徴付けられる疾患。

(喘息予防・管理ガイドライン (JGL2015) )

症状:

発作性の呼吸困難、喘鳴、胸苦しさ、咳(夜間、

早朝に出現しやすい)の反復。

(9)

疫学

(わが国):

①有症率(

≠有病率)

成人

(15歳以上)の6~10%。

長期的に増加傾向(社会的環境に関連)。

②喘息死(

喘息は死ぬ病気です

年間

1547人(2014年)。

治療法の改善に伴い減少(小児においては0に近い)。

高齢者の比率が増加(喘息死の約

90%)

(10)
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(13)

1.喘息は死ぬことがある病気です。

(きちんと管理を継続できれば必ずしも怖くはありません)

2.亡くなる時は窒息死。

(苦しい!! 決して安楽には逝けません)

3.「死に損なう」ことになっても大変です。

(低酸素脳症の後遺症)

4.高齢者は特に注意が必要です。

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喘息診断の目安(喘息予防・管理ガイドライン2015)

1.発作性の呼吸困難、喘鳴、胸苦しさ、咳(夜間、早朝に出現しや すい)の反復 ⇒自覚症状 2.可逆性の気流制限 ⇒肺機能検査(気道可逆性試験)、PEF(ピークフロー)の変動 3.気道過敏性の亢進 ⇒気道過敏性試験 4.アトピー素因の存在 ⇒血液検査・即時型皮膚反応 5.気道炎症の存在 ⇒気道の好酸球増多:喀痰検査・呼気中一酸化窒素(NO)濃度 6.他疾患の除外 ⇒他の一般検査で鑑別 ---*上記1、2、3、6が重要である。 *4、5の存在は症状とともに喘息の存在を支持する。 *5は通常、好酸球性である。

(15)

喘息治療の目標(喘息予防・管理ガイドライン2015)

1.健常人と変わらない日常生活を送ることができる。 2.非可逆的な気道リモデリングへの進展を防ぎ、正常に近い呼吸 機能を保つ。 PEFが予測値の80%以上かつ、PEFの変動が予測値の20%未満。 3.夜間・早朝を含めた喘息発作の予防。 4.喘息死の回避。 5.治療薬による副作用発現回避。

(16)

自己管理

日常生活における注意(危険因子)

喘息治療薬

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喘息治療薬の分類

1)目的別 長期管理薬:継続的に使用しコントロールをめざす 発作治療薬:喘息発作治療時に短期的に使用 2)作用別 抗炎症薬:喘息の本態(= 慢性気道炎症)に作用 気管支拡張薬:対症療法 (抗炎症薬 +気管支拡張薬)

=⇒

強力な抗炎症作用をもつ長期管理薬が最も大切

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<長期管理薬>

1.ステロイド薬

1)吸入ステロイド薬(ICS)

2)経口ステロイド薬 2.長時間作用性β2刺激薬(LABA) 1)吸入 2)貼付 3)経口 3.長時間作用性吸入抗コリン薬(LAMA) 4.ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA) 5.テオフィリン徐放剤(SRT) 6.LTRA以外の抗アレルギー剤 7.抗IgE抗体

<発作治療薬>

1.短時間作用性吸入β2刺激薬(吸入SABA) 2.ステロイド薬 1)経口ステロイド薬 2)静注ステロイド薬 3.その他(注射の気管支拡張薬) 抗炎症薬 気管支拡張薬

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ステロイド薬(経口・注射)の副作用 (添付文書より) ここに示したの は 吸入ステロイド薬 の副作用ではあ りません!!

(21)

吸入ステロイド薬の長期継続が喘息治療の土台です!!

①優れた治療効果: *気道の炎症を抑える作用の強力なステロイド薬を吸入の形で直 接気道に作用させるため高い効果があります。 ②全身的副作用がほとんどない(安全⇒長期間使用できる): *薬を直接気道に投与するため、薬の量が微量ですみます。 (全身投与 mg単位 →×1/1000→ 吸入 μg単位) *肺や消化管から吸収された薬の大部分はすぐに肝臓で分解。

(22)

ドライパウダー製剤

(23)

経口 長時間作用性β2刺激薬 (経口LABA) 吸入 長時間作用性β2刺激薬(吸入LABA) テオフィリン徐放剤

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吸入 短時間作用性β2刺激薬(吸入SABA) 速効性に 気管支を拡げる 効果持続は 短時間 ぜんそく発作時の 対症療法薬

(25)

吸入ステロイド薬(ICS)と長時間作用性吸入β2刺激薬(LABA)を 同時に吸入すると、互いに相乗効果がある

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1.個々の患者さんにあった吸入デバイスの選択 1)エアゾール製剤の特徴 利点:操作がシンプル(押して吸うだけ) 粒子が細かい→気道末梢まで病変がある症例に良い 上気道の副作用(嗄声・違和感・口内炎)が軽い 吸う力(吸入流速)が弱くても使用できる 不利:吸入時に同調が必要 握力がないと押せない 2)ドライパウダー製剤の特徴 利点:吸入時の同調が不要 薬残の確認が容易(残数カウンターを持つものが多い) 不利:操作が(相対的に)煩雑 粒子が(相対的に)大きい→上気道の副作用が(相対的に)出やすい ある程度以上の吸入流速が必要 2.治療導入後も吸入手技の定期的な確認が必要(特に高齢者)

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その時の治療内容における コントロール状態に応じて そのつど治療内容を修正 (段階的薬剤投与プラン) 最小限の薬剤 で 最大の効果 をめざす

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<長期管理薬>

1.ステロイド薬

1)吸入ステロイド薬(ICS)

2)経口ステロイド薬 2.長時間作用性β2刺激薬(LABA) 1)吸入 2)貼付 3)経口 3.長時間作用性吸入抗コリン薬(LAMA) 4.ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA) 5.テオフィリン徐放剤(SRT) 6.LTRA以外の抗アレルギー剤 7.抗IgE抗体

<発作治療薬>

1.短時間作用性吸入β2刺激薬(吸入SABA) 2.ステロイド薬 1)経口ステロイド薬 2)静注ステロイド薬 3.その他(注射の気管支拡張薬) + 呼吸管理(酸素吸入 人工呼吸管理) 抗炎症薬 気管支拡張薬

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吸入SABAを使用するタイミング ①最初の1時間まで : 1~2吸入/回 ⇒ 効果不十分のときは20分おきに反復 ②それ以後 : 1~2吸入/回 ⇒ 反復は1時間に1回 SABAは1日4回までが限度 SABA乱用 は危険 *副作用 *依存 ⇒喘息悪化 *受診が遅 れる

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救急外来受診の目安

①中等度以上 苦しくて横になれない・動くのがかなり困難・かろうじて歩ける・ PEF 60~80%・SpO2 91~95% ②吸入SABAを1~2時間おきに必要とするとき ③気管支拡張薬で3時間以内に症状が改善しないとき ④症状が悪化していくとき (喘息予防・管理ガイドライン2015)

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ぜんそくのコントロールには

吸入ステロイド薬(ICS)

の継続が何より大切

しかし

ぜんそくを

治すことまではできません

ぜんそくとは

一生

のおつき合い

ぜんそくと上手につき合っていくのが治療の目標です

(41)

ぜんそくの長期管理の土台は

吸入ステロイド薬(ICS)の継続です

気管支拡張薬(SABA LABA)だけ

を単独で使用し続けると

気道過敏性を亢進させ

かえって

喘息が悪化

します

喘息死

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継続治療(吸入ステロイド)が何より大切

自己管理

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自覚症状だけでは喘息の状態を正確に知ることはできない

ピークフロー(PEF)測定で喘息の状態を正確・客観的に評価

医師にとってもピークフロー測定結果は重要な情報源

*ピークフローメーター: 自宅でできる簡易的な肺機能検査 息をはき出す力を測定 気道狭窄の程度(=喘息のコントロール状態)を反映

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ピークフロー測定の意義

①自分の喘息の状態を正確・客観的に知ることができる ②発作予知に役立つ ③自己管理に役立つ ④医師にとっても重要な情報源となる 特に望まれるのは以下のような患者さん: *よく発作をおこす *病状が不安定・病状が重い *いつも息苦しさがある *過去に大発作をおこした 治療目標(コントロール良好の目安) PEFが予測値の80%以上かつ、PEFの変動が予測値の20%未満

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継続治療(吸入ステロイド)が何より大切

自己管理

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○かぜ(気道感染):予防が大切(ワクチン予防接種を含む) 各種ウィルス(インフルエンザ含)・マイコプラズマ・クラミジア・百日咳 ○アレルゲン: ダニ・カビ・花粉・動物・ 食物(成人では小麦・そばアレルギーは重症の発作) ○過労・ストレス ○気象(季節の変わり目(春・秋)) ○喫煙(受動喫煙も含む)

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○運動:ランニングは× 最も起きにくいのは水泳 運動前のウォーミングアップ・SABA吸入 (*喘息でも有名なアスリートはいっぱいいる) ○飲酒:アルコールの代謝物質が喘息を誘発 ○入浴:発作時の入浴は厳禁 ○薬物:解熱鎮痛剤(NSAIDs)⇒アスピリン喘息 β遮断薬(心疾患治療薬) 気管支を収縮させる ○添加物 アスピリン喘息では、着色料(黄色4号(タートラジン))・防腐剤(安息 香酸ナトリウム・パラベン)

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○肥満

○鼻炎・副鼻腔炎:

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の治療は喘息の病態を改善させる ○職業

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アスピリン喘息とは:

アスピリン(アセチルサリチル酸)に代表される解熱鎮痛剤(NSAIDs)

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NSAIDsの作用点とアスピリン喘息の発症機序

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誘発作用が弱い~少ないと考えられる薬

(解熱鎮痛剤のごく一部)

○アセトアミノフェン ○塩基性NSAIDs(解熱鎮痛作用は弱い) 塩酸チアラミド(ソランタール) エピリゾール(メブロン) ★エモルファゾン(ペントイル) ○COX-2選択性があるNSAIDs セレコキシブ(セレコックス):選択的COX-2阻害薬 メロキシカム(モービック) エトドラグ(ハイペン) ( ★ 以外は添付文章上はアスピリン喘息への使用禁忌と記載)

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それ以外の解熱鎮痛剤の全て(

NSAIDsの

大部分)で喘息発作を誘発しうる。

内服・注射・坐剤はもちろん、湿布でも発作

を誘発しうる

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アスピリン喘息の患者さんは、医療機関を受診する際には

アスピリン喘息であることを必ず医師に伝えて下さい。

解熱鎮痛剤を多用する診療科(外科系・整形外科・歯科等)

はもちろん

喘息を治療する内科でも

(喘息発作時に一般的に使用するステロイド注射剤でも

発作を誘発する可能性があります)

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特に高齢の患者さんは注意して下さい

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参照

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