緒 言 画像誘導放射線治療(image-guided radiotherapy: IGRT)は診断用イメージング技術を用いることで治療 部位を正確に捉え精度の高い放射線照射を可能にした ことから,その有用性は広く認知されている1).当施 設で使用している放射線治療装置(Synergy, Elekta) に搭載された X-ray volume imaging(XVI)では,キロ ボルト(kilovoltage: kV)の X 線を用いた cone-beam
computed tomography (CBCT) シ ス テ ム を 用 い て IGRT を行うことができる.CBCT は CT シミュレー タ装置(Alexion, Toshiba medical Systems)同様に三 次元画像を取得することで,二次元画像では視認する ことが不可能な病変を描出可能であり,高い照合精度 を有する2, 3).そのため腫瘍の局所制御,周辺リスク臓 器の線量低下,そしてセットアップマージンの縮小に 効果的であり1, 4, 5),定位放射線治療や強度変調放射線 1朝日大学歯学部附属村上記念病院放射線室 2総合病院中津川市民病院医療技術部 3岐阜医療科学大学保健科学部 Code Nos. 200 250, 251, 400 500, 520, 524 900, 920
Influence of Acquisition Mode of Cone-beam Computed Tomography on Accuracy of
Image Registration for Image-guided Radiotherapy
Takuya Taniguchi,1*Takanori Hara,2Tomohiro Shimozato,3Katsuhiko Shiraki,1Kousei Ohono,1
and Ryousyuu Maejima1
1Radiology Department, Murakami Memorial Hospital, Asahi University 2Department of Medical Technology, Nakatsugawa Municipal General Hospital 3Faculty of Health Sciences, Gifu University of Medical Science
Received January 31, 2017; Revision accepted June 8, 2017
Code Nos. 200, 250, 251, 400, 500, 520, 524, 900, 920
Summary
Half scan can acquire images at the 200° rotation in image-guided radiation treatment using cone-beam CT and is useful to evaluate the influence of the half-scan-imaging start angle and imaging direction on image registration accuracy. The half-scan-imaging start angle is changed from 180° to 340° in the clockwise direction and from 180° to 20° in the counter clockwise direction to calculate the registration error. As a result, registration errors between -0.37 mm and 0.27 mm in the left and right directions occur because of the difference in the imaging start angle and approximately 0.3° in the gantry rotation direction because of the difference in the imaging direction. Because half scan does not have data for 360° rotation, depending on the subject structure, inconsistency of opposing data can lower reconstruction accuracy and cause a verification error. In addition, in image acquisition during rotation, the slower the shutter speed is, the more the actual gantry angle and angle information of the image are apart, which is considered the cause of rotation errors. Although these errors are very minute, it is thought that there is no influence on the treatment effect, but these errors are considered an evaluation item indispensable for ensuring the accuracy of precision radiation treatment. In addition, these errors need to be considered for ensuring the quality of high-precision radiation treatment.
Key words: cone-beam computed tomography (CBCT), half scan, image registration
治療のような高精度放射線治療において欠かせない機 能となる.また,高精度放射線治療においては multi-leaf collimator(MLC)のリーフ幅が治療効果に及ぼす 影響も大きい.Monk らはリーフ幅を薄くすることで 線量原体性による線量分布の改善や,リスク臓器に対 する線量低減効果などを報告している6, 7).Synergy ではアイソセンタにおけるリーフ幅が約 10 mm と厚 いことから,2.5 mm 厚の外付け micro multileaf colli-mator(mMLC,Elekta)を装着することでこの影響に 対応している.しかし,mMLC 本体の形状は 740 mm ´360 mm´205 mm あり,ガントリヘッドに装着する ことで寝台や患者等に接触する危険性が増し,その可 動範囲を狭くしている.そのため CBCT を撮像する 際は,360° 回転による投影画像を取得するフルスキャ ン(full-scan: FS)ではなく,200° 回転による投影画像 を取得するハーフスキャン(half-scan: HS)が非常に有 効な手法となる. HS は FS に比べ撮像時間が約半分に短縮されるだ けでなく,被ばく線量も低減できるため患者負担を軽 減することも可能である8, 9).また,任意のガントリ角 度から撮像開始が可能なため mMLC との衝突リスク がより少ない安全なガントリ角度を選択して撮像する ことができる.このように臨床的有用性の高い HS に 関してはいくつかの文献で物理評価がなされているも のの10, 11),任意の角度で撮像した場合にどのような影 響を及ぼすか評価した文献はない.そこでわれわれは mMLC 装着時における HS の撮像開始角度と撮像方 向を任意に変更した場合,画像照合精度に及ぼす影響 を詳細に検討したので報告する. 1.使用機器および方法 1-1 使用装置およびファントム
Synergy に搭載された XVI は kilo-voltage CBCT
(kV-CBCT)を撮像することができ,その投影像収集 角度が 200° となる撮像方法を HS と呼ぶ.本研究で は,HS における照合精度を詳細に評価するため,撮 像開始角度を任意に変化させ,ガントリを時計回りに 回転させながら撮像する clockwise(CW)撮像と,反時 計回りに撮像する counter clockwise(CCW)撮像の 2 方向にて評価を行った.また,使用ファントムは以下 の 2 種類を用いた.一つは ISIS QA-1 ファントム (ISIS,TMG)で,設置の様子を Fig. 1 に示す.形状は 14 cm´14 cm´14 cm の立方体構造,材質はアクリル でできており,アクリル内部には電子密度の異なる 4 種類の物質が挿入されている.また,ファントム外側 には中心を示す十字の溝があり,そこから 5 cm 間隔 で穴が開いている他,ファントムの中央部分を貫く円 柱状の空洞がある.もう一方は頭部 CT ファントム (PH-3,株式会社京都科学)で,設置の様子を Fig. 1 に 示す.PH-3 は人体頭部を模擬した形状であり,右脳 は脳実質を,左脳は脳動脈が造影された状態が模擬さ れているため,左右非対称ではあるが,単純な立方体 構造である ISIS とは異なり,人体における照合精度 を疑似的に評価可能である. これら 2 種類のファントムを使用することで被写体 形状の違いに伴う照合特性も評価することができる. それぞれのファントムは CT シミュレータ装置のアイ ソセンタに設置した後 helical scan を行った.撮影条 件は,管電圧 120 kV,画像標準偏差(standard devia-tion: SD)が 4.0 となるように管電流を自動設定し,腹 部 標 準 関 数 に て ス ラ イ ス 厚 1.0 mm,field of view (FOV)を 500 mm,マトリックスサイズを 512´512 と した.CT で撮像したファントム画像は照合用の参照 画像として treatment planning system version 4.80 (XiO,Elekta)を経由し,XVI version 4.5.1 へ転送し た.XVI では CBCT で取得した三次元画像と参照画
Fig. 1 Photograph of the experimental setup: (left) ISIS QA-1, (right) PH-3. These phantoms were fixed on the HexaPOD robotic treatment couch placed at along the perpendicular axis to the gantry rotation plane.
像を照合することでその位置誤差を評価することが可 能である.
1-2 ファントムの設置方法
Figure 1 に robotic treatment couch (HexaPOD, Elekta)の上にファントムをアイソセンタに設置した 様子を示す.
HexaPOD は x,y,z 軸に対する並進方向に pitch, roll,yaw の回転方向を加えた 6 軸位置補正ができる 寝台であり,その制御方法は Fig. 1 に示すリファレン スフレーム上部に取り付けられた 6 個の reflectors と 呼ばれる球体の位置を天井から吊り下げた赤外線カメ ラで探知することで,並進方向に 0.5 mm,回転方向 に 0.1° 以内のシステム精度で寝台位置を補正すること ができる.今回,脳定位放射線治療を想定してガント リヘッドには外付け mMLC を装着しており,それぞ れのファントムは正確なアイソセンタに設置するため CW 方 向 に FS を 行 っ た 後,gray value automatic
registration12)により照合誤差を算出し,HexaPOD に て寝台位置を補正した.これによって目視によるレー ザーセットアップで起こる主観的な誤差のない正確な 画像中心へと設置することが可能である. 1-3 CBCT照合精度の評価 FS は 360° 回転により投影画像を取得することで HS に比べて空間分解能や低コントラスト分解能に優 れているため9),本研究では FS を基準として CBCT の照合精度を評価した.FS の撮像条件は,管電圧,管 電流,撮像時間をそれぞれ 120 kV,25 mA/frame,20 ms/frame として,gantry speed 360°/min にて CW 方 向と CCW 方向それぞれに 660 frame の画像を取得し
た.検出器は amorphous silicon flat panel detector が 搭載されており,マトリックスサイズは 512´512 とな る medium resolution reconstruction の再構成関数を 用い,FOV は 270 mm,体軸方向にも 270 mm の描出 範囲を持つ small collimation を使用した.それぞれの ファントムは CW 方向に 10 回,CCW 方向に 10 回撮 像を繰り返し,gray value automatic registration にお ける照合誤差の平均値と SD を算出し,再現性を確認 した. 1-4 HS撮像方法 HS の撮像条件は管電圧,管電流,撮像時間をそれ ぞれ 120 kV,25 mA/frame,25 ms/frame として画質 の劣化に伴う照合精度の低下を避けるため Amer ら が示す頭頸部の撮像線量13)より高く設定した.また, ターゲットが頭部であるため FOV は 270 mm,体軸 方向にも 270 mm の描出範囲を持つ small collimation を用い,マトリックスサイズは 512´512 となる me-dium resolution reconstruction の再構成関数を使用 し,gantry speed 360°/min にて 366 frame の画像を取 得した. 撮像角度は Table 1 に示す.ここで示す角度はガン トリ角度であり,X 線管球はガントリ角度に対して+ 90° の位置に,フラットパネルディテクタは-90° の位 置に配置されている.撮像範囲は CW 撮像で 180° か ら 330°,CCW 撮像では 30° から 180° の 15° 間隔の開 始位置で 3 回連続撮像を行い,得られた照合誤差の平 均値を結果とした.また,撮像角度については開始角 度と停止角度を二分する中央の角度を代表値として照 合誤差の評価を行った. -20 240-80 -10 90-250 -5 255-95 5 105-265 10 270-110 20 120-280 25 285-125 35 135-295 40 300-140 50 150-310 55 315-155 65 165-325 70 330-170 80 180-340
1-5 照合誤差の算出方法
XVI は HS で 得 ら れ た 366 frame の 投 影 画 像 を Feldkamp Davis Kress algorithm14)を用い三次元画像 に再構成する.得られた画像は Fig. 2 に示す.CBCT はファントム辺縁や角の部分でアーチファクトが発生 しやすいことから立方体構造である ISIS の照合範囲 を辺縁よりやや内側としてアーチファクトが照合精度 へ及ぼす影響を最小限とした.また,PH-3 では骨構 造を正確に捉えるために頭蓋骨全体を囲むような照合 範囲とした.それぞれの画像は gray value automatic registration を行い,参照画像との照合誤差を算出し た.照合誤差は並進方向(Tx,Ty,Tz)と回転(Rx, Ry,Rz)の六つの項目ごとに表示され,その座標シス テムを Fig. 3 に示す.なお,HS の照合誤差を算出す る際にファントムの設置誤差の影響を除外するため に,1-3.CBCT 照合精度の評価で得た CW 方向に 10 回撮像した平均照合誤差を差し引いた値を真の照合誤 差とした. 2.結 果 2-1 CBCTの照合精度 ISIS と PH-3 のそれぞれに対して 10 回連続 FS を行 い,gray value automatic registration による照合誤差 を算出した.照合誤差の平均値と SD を Table 2 に示 す.ファントム位置は HexPOD を用いてアイソセン タに補正した後においても並進方向では 0.09 mm,回 転方向では 0.18° 程度の誤差が生じた.また CBCT の 再現性に関しては ISIS より PH-3 の方がわずかに悪い 結果となったが,その SD は並進誤差で 0.11 mm,回 転誤差で 0.18° 以内の再現性を示した. 2-2 HSの照合誤差 ISIS と PH-3 ファントムに対して撮像開始角度と撮 像方向を変えて HS を行った結果,その照合誤差を Fig. 4 と Fig. 5 に示す.並進方向の照合誤差は Fig. 4 に示し,誤差が最大となった Tx(Fig. 4a)では PH-3 の CCW 撮像を除いて撮像開始角度が大きくなるほど, 照合誤差は徐々に増加する傾向であった.ISIS では -0.2 mm から 0.27 mm まで,PH-3 では-0.37 mm か ら 0.13 mm まで連続的に増加し,撮像角度が 0° 付近 で誤差がなくなる傾向を示した.一方,Tz(Fig. 4c)で は撮像角度が 0° 付近で照合誤差が約 0.3 mm とやや 大きくなる傾向を示した.Ty(Fig. 4b)では照合誤差 が±0.2 mm 以内となり撮像開始角度や撮像方向の違 いによる変化はほとんどみられなかった. 次に回転方向の照合誤差を Fig. 5 に示す.ISIS に 関しては Ry(Fig. 5b)の照合誤差を除いてほぼ±0.1° と 撮像開始角度の違いによる変化はほとんどみられな
Fig. 2 Photograph of the user interface of the software with the collation box for gray value automatic registration: (left) ISIS QA-1, (right) PH-3.
Fig. 3 Coordinate system indicating both the translational direction and the rotational direction in XVI system.
かった.また,ISIS に比べ PH-3 の誤差はやや大きく, Rx(Fig. 5a)については最大 0.28°,Rz(Fig. 5c)につい ては撮像開始角度に応じて-0.21° から 0.19° まで連続 的に変化する傾向を示した.Ry では撮像方向が CW と CCW の違いで,撮像開始角度に関係なく常に回転 誤差が生じた.その誤差は ISIS で 0.34±0.03°,PH-3 で 0.32±0.05° となった.Ry 以外については撮像開始角度 による変化はほとんどみられなかった.なお,これら 測定結果に対して SD は非常に小さいため,測定によ るばらつきはほとんどないものとする. 3.考 察 本研究は放射線治療装置に搭載された XVI を用い て,HS による kV-CBCT 撮像を行い,撮像開始角度と 撮像方向を任意に変化させることで,画像照合精度に 及ぼす影響を詳細に評価した.その結果,画像を取得 する角度に依存した照合誤差と,撮像方向に依存した 回転誤差を生じることを明らかにした. 並進方向の照合誤差は,Tx(Fig. 4a)で撮像角度が 0° 付近で照合誤差が 0 に近くなる傾向を示した.誤 差の大きさに関しては 0° から遠ざかるほど大きくな (mm) (degree) (PH-3 phantom) Tx Ty Tz Rx Ry Rz Mean 0.03 0.02 0.01 0.01 0.18 0.08 SD 0.05 0.05 0.11 0.05 0.18 0.04
Fig. 4 The result of the translational registration error under two acquisition direction (clockwise: CW, counter clockwise: CCW) as a function of projection angle.
(a) Tx, (b) Ty, (c) Tz
a b
り,最小-0.37 mm から最大 0.27 mm まで連続的に変 化した.一方,Tz(Fig. 4c)では 0° 付近で約 0.3 mm と誤差が大きくなる結果となった.CBCT ではガン トリの自重によってアイソセンタが変位することが知 られているが15)アイソセンタ補正を行うことで系統 的誤差は減少し画像照合の精度が向上すると Ali らは 報告している16).Synergy の CBCT においてはガン トリ角度毎に画像中心の補正を行うことができる Flexmap と呼ばれる機能があるため,今回の実験にお いても事前に mMLC を装着した状態で Flexmap を 取得しており,精度の高い照合画像を得られると考え られる.また,Meyer らは CBCT の照合精度におい て機械的な再現性は高く,その平均標準偏差は 0.0 か ら 0.2 mm であった17)と報告したのと同様の再現性を 本研究でも得た(Table 2).以上の結果から,今回得 られた HS の照合誤差は FS の照合精度を明らかに超 えているため撮像開始角度の違いで照合精度が低下し た と い え る.CBCT の 画 像 再 構 成 に 用 い ら れ る Feldkamp algorithm は,360° 方向からの完全な投影 データがない場合,不完全なデータによって再構成精 度を損なう可能性があると報告がある18)他,X 線管と 検出器間の被写体構造によっては幾何学的な配置から 対向データの不一致が起こり cone-beam アーチファ クトが発生するとの報告もある19).更に HS における 幾何学的配置は,X 線管側に比べ検出器側に近い物体 ほど解像度が高いとの報告もある20)ことから,HS は FS に対して Tx と Tz において撮像開始角度の変化に 伴って連続的に照合精度が低下する傾向を示し,幾何 学的配置の影響が少ない Ty は比較的照合精度が高い 傾向を示した.また,左右非対称の PH-3 は幾何学的 配置の影響から 0° から 90 の範囲で ISIS に比べ並進 方向の照合誤差がやや異なる傾向を示した.したがっ て,撮像開始角度に伴う照合精度の低下が起こる一つ の要因として画像再構成アルゴリズムによる再構成の 不完全性が考えられる.また,照合アルゴリズムの精 度による影響も少なからずあると考えられるが,本研 究で明らかとなった照合誤差は非常に小さいことか ら,そのわずかな誤差が再構成精度によるものか,照 合アルゴリズムによるものか特定することは困難で あった. 次に回転方向に関する照合誤差について Fig. 5 に 示す.撮像方向は CW と CCW のどちらの方向で撮 像しても照合誤差に及ぼす影響はほとんどない結果と なった.しかし,Ry(Fig. 5b)においてはどの角度で 撮像しても約 0.3° の回転誤差を生じた.同様の現象が FS においても確認でき,Table 2 に示す通り Ry が Rx
Fig. 5 The result of the rotational registration error under two acquisition direction (clockwise: CW, counter clockwise: CCW) as a function of projection angle.
(a) Rx, (b) Ry, (c) Rz
a b
画像は 1 枚 1 枚に対して取得開始角度から取得終了角 度があり,その中心を画像の角度とすることで正確な 角度情報になるが,今回得られた回転誤差は CW でプ ラス方向に,CCW でマイナス方向に生じる傾向があ ることから,画像取得に伴うシャッタースピードの遅 さによって実際のガントリ角度より少し前の角度情報 が画像情報として紐づけされた可能性が考えられる. また,Ali らはガントリヘッドの重みによって幾何学 的な変位を生じた16)と報告があるように,ガントリ回 転中はその回転方向に応じて実際のガントリ角度と CBCT 画像の角度情報に誤差が生じた可能性が考え られる.しかしながら,これら回転誤差については非 常に小さい誤差であることからその原因の解析までは 至らなかった. われわれの研究では立方体形状と,人体頭部形状の ファントムを用いて照合誤差を評価した結果,並進方 向の照合誤差だけでなく回転成分の誤差も明確にし た.Sharma らが CBCT を用いて HS と FS の画像照 合の精度の違いを評価しているが21),われわれは臨床 で使用することが多い HS に対して更に詳細な評価を 行い,撮像方向の違いによって平均 0.3° の回転誤差を 生じることを明らかとしたことは新たな知見である. この回転誤差は Flexmap で補正することができない ため,CBCT の照合誤差を詳細に評価するために本研 究は重要な報告である.近年,回転原体照射だけでな く回転強度変調放射線治療などガントリを回転しなが ら照射を行う機会は増え CBCT における角度誤差は 直接治療に影響を及ぼすことが考えられる.更に,回 クグループにおいて,1 mm 以内が推奨され ,臨床 実験において CBCT を用いて画像照合を行った場合, ランダムに起こる照合誤差が 0.5 mm 存在するとの報 告から26),本研究で得られた誤差は非常に小さく治療 効果に影響を及ぼすほどではないと考えられる. Synergy 以外のリニアック装置では異なる特性を示す 可 能 性 が あ る 他,体 幹 部 放 射 線 治 療 を 想 定 し て mMLC を 外 し た 場 合 の 幾 何 学 的 な 変 化 に 伴 う Flexmap の変化が CBCT の照合精度に及ぼす影響や, 大きな被写体を CBCT で撮像した場合の画質の変化 に伴う照合精度についても検証を進めることで,更に 精度の高い放射線治療が実現すると考えられる.その ため,今後 CBCT の撮像方法や画質も考慮した詳細 な照合精度の管理が重要である. 4.結 語 画像誘導放射線治療において kV-CBCT 撮像は,撮 像方向の違いによってガントリ回転方向に対して約 0.3° の照合誤差を生じるとともに,HS では撮像開始 角度の違いによって±0.4 mm 以内の照合誤差を生じ ることを明らかにした. 謝 辞 本研究を遂行するにあたり,数々の有益なご指導を いただきました朝日大学の足立誠氏,エレクタ株式会 社の岩井良夫氏に心よりお礼申し上げます.また,多 大なご協力を賜りました朝日大学歯学部附属村上記念 病院の放射線技師諸氏に深謝いたします.
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