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廃棄物の適正な処理に向けて 廃棄物の処理及び清掃に関する法律は 昭和 46 年の施行以来 社会情勢に応じて平成 3 年 平成 9 年に大幅に改正されたほか 近年は毎年改正され 最終処分場の不足 不法投棄等の廃棄物処理をめぐる諸問題への対応など 廃棄物の適正な処理を確保するため総合的な対策が展開されて

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(1)

廃 棄 物 の適 正 処 理

排 出 事 業 者 の 皆 様 が

産 業 廃 棄 物 の 処 理 に 関 し

注 意 し な け れ ば な ら な い こ と

北海道環境生活部

平成29年 1月

(2)

廃棄物の適正な処理に向けて

廃棄物の処理及び清掃に関する法律は、昭和46年の施行以来、社会情勢に応じて平成3年、 平成9年に大幅に改正されたほか、近年は毎年改正され、最終処分場の不足、不法投棄等の廃棄 物処理をめぐる諸問題への対応など、廃棄物の適正な処理を確保するため総合的な対策が展開 されています。 この冊子は、主に産業廃棄物に関する法の概要について排出事業者の皆様向けにまとめたも のです。 北海道では、環境にやさしい地域社会として、廃棄物の発生量を抑え、リサイクルを推進する 「循環型社会」の形成を目指しています。廃棄物の減量化やリサイクルにご協力ください。 ◇ 本文中において、「法」又は「廃棄物処理法」とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭 和45年法律第137号)のことを指します。 ◇ また、「道条例」とは、北海道循環型社会形成の推進に関する条例(平成20年北海道条例第 90号)を指します。 ◇ 当該冊子は廃棄物処理法及び道条例を解説したものです。PCB廃棄物に関する規制等に ついては、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成13年6 月22日法律第65号)及び関係通知をご確認ください。 各種様式、最新の情報をホームページで提供しております。是非ご覧ください。 アドレス:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/jss/ も く じ 廃棄物とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 廃棄物の処理に係る排出事業者責任と廃棄物の処理・・・・・・・・・・4 産業廃棄物の保管・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 産業廃棄物の収集運搬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 産業廃棄物の処分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 産業廃棄物の委託処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 産業廃棄物管理票(マニフェスト)について・・・・・・・・・・・・・17 委託した処分の状況の確認・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理責任・・・・・・・・・・・・・・・25 多量排出事業者の産業廃棄物処理計画・・・・・・・・・・・・・・・・30 特別管理産業廃棄物管理責任者の設置・・・・・・・・・・・・・・・・31 「優良産廃処理業者認定制度を活用して適正処理を進めましょう」・・・ 33 廃棄物に関する問合せ先・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34

(3)

廃棄物

とは占有者自らが利用し、又は他人に有償で売却することができないた

めに不要となったものをいい、廃棄物の処理及び清掃に関する法律[略称:

廃棄

物処理法

]等の関係法令によって、その保管、運搬、処分などの方法が規制され

ています。

廃棄物は、「

産業廃棄物

」と「

一般廃棄物

」の2つに大きく分けられます。

産業廃棄物

」は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、

で定められた20

種類と輸入された廃棄物をいい、その処理責任は排出事業者に課せられていま

す。

産業廃棄物

」以外の廃棄物を「

一般廃棄物

」といい、その処理は市町村の責

務となっています(事業系の一般廃棄物については、事業者にも処理責任があり

ます。)。

【解説】

◎ 廃棄物該当性の判断

「廃棄物」に該当するか否かは、①その物の性状、②排出の状況、③通常の取扱い 形態、④取引価値の有無及び⑤占有者(ごみを出す者)の意思等を総合的に勘案し判 断する必要があります。 ● 総合判断5項目(有価物と認められるためには) ①物の性状 :利用用途に要求される品質を満足し、かつ飛散、流出、悪臭の発 生等の生活環境の保全上の支障が発生するおそれのないものである こと。 実際の判断に当たっては、生活環境の保全に係る関連基準(例え ば土壌の汚染に係る環境基準等)を満足すること、その性状につい てJIS規格等の一般に認められている客観的な基準が存在する場 合は、これに適合していること、十分な品質管理がなされているこ と等の確認を行う必要があります。 ②排出の状況:排出が需要に沿った計画的なものであり、排出前や排出時に適切 な保管や品質管理がなされていること。 ③通常の取扱い形態:製品としての市場が形成されており、廃棄物として処理さ れている事例が通常は認められないこと。 ④取引価値の有無:占有者と取引の相手方の間で有償譲渡がなされており、なお かつ客観的に見て当該取引に経済的合理性があること。 実際の判断に当たっては、名目を問わず処理料金に相当する金品

(4)

の受領がないこと、当該譲渡価格が競合する製品や運送費等の諸経 費を勘案しても双方にとって営利活動として合理的な額であるこ と、当該有償譲渡の相手方以外の者に対する有償譲渡の実績がある こと等の確認を行う必要があります。 ⑤占有者の意思:客観的要素から社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思と して、適切に利用し若しくは他人に有償譲渡する意思が認められる こと、又は放置若しくは処分の意思が認められないこと。 よって、占有者と取引の相手方の間における有償譲渡契約の存在のみをもって直ち に廃棄物に該当しない(有価物に該当する)という判断にはなりませんので、注意が 必要です。 排出事業者が他人に有償で売却することができない不要物を自ら処理したり、他人 に無償で譲るときであっても、廃棄物処理法に基づいて処理しなければなりません。 ※ 廃棄物該当性の判断の詳細については、環境省通知「行政処分の指針(平成 25年3月29 日付け環廃産発第1303299号)」及び「建設汚泥処理物の廃棄物該当性の判断指針(平成 17年7月25日付け環廃産発第050725002号)」を参照。 (環境省HPアドレス https://www.env.go.jp/hourei/add/k040.pdf https://www.env.go.jp/hourei/11/000096.html )

◎ 廃棄物の種類

廃棄物処理法では、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿などの汚物又は不要物であっ て固形状及び液状のものを「廃棄物」としており、放射性を有するものや、土砂及び土砂に 準ずるものなどは含まれません。 この廃棄物のうち、事業活動に伴って 発生し、法律で定められた種類に該当す るものが産業廃棄物です。 また、爆発性、毒性、感染性など人の 健康又は生活環境に係る被害を生ずる おそれがある性状を有する産業廃棄物は 「特別管理産業廃棄物」とされており、 その取扱いに当たっては特別な配慮が必 要となります。 * 工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた、普通の(特別管理ではない)産業廃棄 物又は一般廃棄物であって、石綿をその重量の0.1%を超えて含有するものは、それぞ れ、「石綿含有産業廃棄物」、「石綿含有一般廃棄物」とされます。 廃   棄   物 ごみ し尿 家  庭  ご  み 事業系一般廃棄物 特別管理一般廃棄物 産 業 廃 棄 物 特別管理産業廃棄物

産業廃棄物

一般廃棄物

廃   棄   物 ごみ し尿 家  庭  ご  み 事業系一般廃棄物 特別管理一般廃棄物 産 業 廃 棄 物 特別管理産業廃棄物

産業廃棄物

一般廃棄物

産業廃棄物と一般廃棄物

(5)

政令第2条 7 紙くず(建設業[工作物の新築、改築、除去に伴って 生じたものに限る。]、パルプ製造業、紙製造 業、紙加工製品製造業、新聞業、出版業、製本 業、印刷物加工業から生ずる紙くず並びにPC Bが塗布又は染み込んだ紙くずに限る。) 8 木くず(建設業[工作物の新築、改築、除去に伴って 生じたものに限る。]、木材製造業、木製品製造 業、パルプ製造業、輸入木材卸売業及び物品賃 貸業から生ずる木くず並びに貨物の流通のため に使用したパレット(パレットへの貨物の積付 けのために使用した梱包用の木材を含む。)及 びPCBが染み込んだ木くずに限る。) 9 繊維くず(建設業[工作物の新築、改築、除去に伴って 生じたものに限る。]、繊維工業(衣服その他の繊 維製品製造業を除く)から生ずる木綿等の天然 繊維くず並びにPCBが染み込んだ繊維くずに 限る。) 10 動植物性残さ(食料品製造業、医薬品製造業、香 料製造業から生ずる動物又は植物に係る固形状 の不要物に限る。) 11 動物系固形不要物(と畜場、食鳥処理場から 生ずる獣畜、食鳥に係る固形状の不要物) 12 ゴムくず 13 金属くず 14 ガラスくず、コンクリートくず(工作物の 新築、改築、除去に伴って生じたものを除く。)及 び陶磁器くず 15 鉱さい 16 がれき類(工作物の新築、改築、除去に伴って生 ずるコンクリート、レンガの破片等) 17 動物のふん尿(畜産農業に係るものに限る。) 18 動物の死体(畜産農業に係るものに限る。) 19 ばいじん(集じん施設で集められたもの。) 20 1~19又は21を処理したもので1~19に該当し ないもの 法第2条第4項第2号 21 輸入された廃棄物(1~20、航行廃棄物及び 携帯廃棄物を除く。)

産業廃棄物

(国内及び国外の事業活動に伴って生じた廃棄物) 法第2条第4項第1号 1 燃え殻 2 汚泥 3 廃油 4 廃酸 5 廃アルカリ 6 廃プラスチック類

特別管理産業廃棄物

爆発性、毒性、その他人の健康又は生活環境に係る 被害を生ずる恐れがある性状を有する産業廃棄物 (国内で発生したものは排出事業場の限定がある。) 政令第2条の4及び省令第1条の2 ○燃えやすい廃油(廃油のうち揮発油類、灯油類及 び軽油類:引火点 70℃未満) ○廃酸(pH2.0 以下) ○廃アルカリ(pH12.5 以上) ○感染性産業廃棄物 ○特定有害産業廃棄物 ○廃PCB等(廃PCB及びPCBを含む廃油)、 PCB汚染物、PCB処理物等 ○廃石綿等(廃石綿及び石綿が含まれ又は付着している 産業廃棄物のうち、石綿除去事業に係るものなど) ○廃水銀等(特定の施設において生じた廃水銀又は廃水 銀化合物、水銀もしくは水銀化合物が含まれている産 業廃棄物又は水銀使用製品から回収した廃水銀)及び 廃水銀等を処分するために処理したもの(基準を超え ているもの) ○指定下水汚泥(有害物質[アルキル水銀、水銀、カドミウム、鉛、 有機燐化合物、六価クロム、砒素、シアン化合物、PCB、トリクロロエチレ ン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、四塩化炭素、1.2-ジクロロエタン、 1.1-ジクロロエチレン、シス-1.2-ジクロロエチレン、1.1.1-トリクロロエタン、 1.1.2-トリクロロエタン、1.3-ジクロロプロペン、チウラム、シマジン、チオベンカル ブ、ベンゼン、セレン、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類(化合物を含 む。)]の基準を超えているもの) ○汚泥、廃酸、廃アルカリ及びこれらを処分する ために処理したもの( 〃 ) ○鉱さい及び鉱さいを処分するために処理したも の(有害物質[アルキル水銀、水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、砒素、 セレン(化合物を含む。)]の基準を超えているもの) ○燃え殻(有害物質[カドミウム、六価クロム、鉛、砒素、セレン、ダイ オキシン類(化合物を含む。)]の基準を超えているもの) ○ばいじん(有害物質[アルキル水銀、水銀、カドミウム、鉛、六価ク ロム、砒素、セレン、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類(化合物を含 む。)]の基準を超えているもの) ○廃油(有害物質[トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、四 塩化炭素、1.2-ジクロロエタン、1.1-ジクロロエチレン、シス 1.2-ジクロロエチ レン、1.1.1-トリクロロエタン、1.1.2-トリクロロエタン、1.3-ジクロロプロペン、 ベンゼン、1,4-ジオキサン、]の内、特定の施設から排出され たもの)及び当該廃油を処分するために処理したもの (基準を超えているもの) ○廃棄物焼却炉で輸入された廃棄物の焼却に伴 い生じたばいじん・燃え殻、排ガス洗浄施設 を有する廃棄物焼却炉で焼却に伴い生じた汚 泥(ダイオキシン類の基準を超えているもの) ○ばいじん(21「輸入された廃棄物」を処理能力 200kg/h 以上又は火格子面積が2㎡以上の焼却施設 で焼却し発生したもの。) ○ばいじん(21「輸入された廃棄物」のうち集じん施 設によって集められたもの。)

表1

産業廃棄物と特別管理産業廃棄物

(6)

廃棄物処理法上、事業活動に伴う廃棄物の処理は

排出事業者の責任

とされてい

ます。

[排出事業者の処理責任]

① 廃棄物は、廃棄物処理法に基づき排出事業者自らの責任において適正に処理する

こと。

(産業廃棄物だけでなく、事業系一般廃棄物についても同様です。

② 廃棄物の発生抑制及び減量化、再生利用の推進に努めること。

③ 物の製造、加工、販売等に際し、その製品、容器等が廃棄物となったときに適正

な処理が困難とならないような製品、容器等の開発を行うこと。

④ 廃棄物の適正な処理の方法等について情報を提供すること。

⑤ 廃棄物の減量化や適正処理について、国や地方公共団体の施策に協力すること。

【解説】

◎ 廃棄物処理のフロー

排出事業者が「自らの責任において適正に処理する」とは、排出事業者が自ら処理するこ とのほか、廃棄物処理法に基づき定められた基準に従って、適正に処理業者や再生利用業者、 市町村等に委託して適正に処理することが含まれています。 また、産業廃棄物は、産業廃棄物と特別管理産業廃棄物ごとに定められた処理基準に従っ て、適正に処理(分別、保管、収集・運搬、再生又は処分(中間処理及び埋立処分)等)し なければなりません。さらに、その処理を産業廃棄物処理業者など排出事業者以外の者に委 託するときは、委託基準を遵守しなければなりません。

[廃棄物処理フローと主な遵守事項]

廃 棄 物 の 処 理 に 係 る 排 出 事 業 者 責 任 と 廃 棄 物 の 処 理

種類ごとに 分別・保管 廃棄物 の発生 委託 (自己処理 しない場合) 排出事業者 ・委託基準の遵守 ・マニフェストの交付 収集 運搬 中間処理 最終処分 処分 「排出事業者による自己処理」 又は「処理業者による処理(委託処理)」 ・保管基準の遵守 ・保管の届出(要件に該当する 場合) ・処理基準の遵守

(7)

表2

排出事業者が遵守しなければならない廃棄物の処理に関する責務

項 目 内 容 ① 保管基準 産業廃棄物が運搬されるまでの間は、保管基準に従い、生活環 境の保全上支障のないように保管すること。 ② 保管の届出 建設工事に伴い生ずる産業廃棄物を発生した場所以外の場所 (300 ㎡以上)で排出事業者自らが保管する場合はあらかじめ届 出を行うこと。 上記以外の産業廃棄物の保管は、道条例に基づく届出を行う こと。 ③ 処理基準 産業廃棄物の運搬又は処分を行うときは、処理基準を遵守す ること。 ④ 委託基準 産業廃棄物の運搬又は処分を委託するときは、委託基準に従 い、産業廃棄物処理業者等に委託すること。 ⑤ 産業廃棄物管理票 (マニフェスト)の交付 産業廃棄物の運搬又は処分を委託するときは、委託先の産業 廃棄物処理業者等に対し、産業廃棄物管理票を交付すること。 また、法定期間内に同票(写)が産業廃棄物処理業者等から返 送されない場合は、処理状況を把握し、生活環境保全上の必要な 措置を講じるとともに、当該措置内容を報告すること。 ⑥ 処理状況の確認 産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、その処理の 状況に関する確認を行い、発生から最終処分が終了するまでの 一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な 措置を講じるように努めること。 なお、処分については、道条例により、要件に該当する場合は、 その状況確認を行う義務がある。 ⑦ 帳簿の記録 特別管理産業廃棄物を生ずる事業者、許可不要規模の焼却施 設の設置者、事業場外で自ら産業廃棄物の再生・処分を行う事業 者及び産業廃棄物処理施設業者は、処理の年月日、量、方法等を 毎月帳簿に記載し、1年ごとに閉鎖した後、5年間保存するこ と。 ⑧ 特別管理産業廃棄物 管理責任者の設置・報告 特別管理産業廃棄物を排出する事業場には管理責任者を置き (自ら管理責任者となるときを除く。)、排出状況の把握、処理計 画の立案、適正処理の確保などに努めること。 また、設置、廃止(変更を含む。)後、30 日以内に報告するこ と。 ⑨ 多量排出事業者の 産業廃棄物処理計画 産業廃棄物の多量排出事業者は、毎年、知事に産業廃棄物の減 量化等に関する計画(産業廃棄物処理計画)及び実施状況報告を 提出すること。 産廃:1,000 トン/年以上 特管産廃:50 トン/年以上 * 届出書や報告書の提出先は、各排出事業場等の場所を管轄する都道府県又は政令市です。 (道条例に基づく届出書の提出先は、北海道です。)

(8)

産業廃棄物は、収集運搬又は処分されるまでの間、法で定められている基準に従っ

て適正に保管しなければなりません。

保管後の廃棄物の処分方法、処分先等が決まっておらず、ずさんな管理が行われて

いる場合、不法投棄や不適正処理とみなされることがあるので注意が必要です。

【解説】 保管とは、一時的なものであり、生活環境保全上支障が生じないよう適正な管理を行わな ければなりません。

◎ 保管に係る基準

排出事業場から搬出されるまでの間の一時的な保管については、保管基準に、搬出後の収 集運搬及び処分行程における保管は、処理基準で定める保管の基準に、それぞれ従わなけれ ばなりません。

1 産業廃棄物の保管基準等(排出事業場における保管)

① 産業廃棄物の保管にあたっては、その期間は極力短期間とし、運搬先が定められているこ と。 ② 産業廃棄物の分別を行うとともに、保管の場所から廃棄物が飛散、流出等がないよう所要 の措置を講ずること。 ◇ 産業廃棄物の飛散、流出、地下浸透、悪臭の防止措置を講ずること。 ◇ 産業廃棄物の保管に伴う汚染を防止すること。 汚水が出るおそれがあるときは、公共用水域や地下水の汚染防止のため、必要な排水溝 等を整備し、底面を不浸透性の材料で覆うこと。 ◇ ねずみ、蚊、はえその他の害虫が発生しないようにすること。 ③ 保管の場所の周囲に囲いを設けること。 ◇ 保管する産業廃棄物の荷重が直接囲いにかかるときは、荷重等に耐えうる材質で産業廃 棄物の荷重で変形しない構造耐力上安全な囲いとすること。 ④ 保管の施設の出入り口に掲示板を設けること。 ◇ 見やすい場所に、必要事項を記載した掲示板を表示すること。 ◇ 個々の保管場所の出入り口にも保管場所である旨の表示をすること。 ⑤ 産業廃棄物の保管高さの上限を超えないこと(屋外で容器に入れずに保管するとき)。 ⑥ 石綿含有産業廃棄物を保管する場合、仕切りを設ける等、他の物と混合することのないよ うにすること。また、覆いの設置や梱包を施すなど、飛散防止のために必要な措置を講じる こと。

(9)

【掲示板の例】

100cm 以上※1 120cm 以上※1 ※1 道の「産業廃棄物の保管施設ガイドライン」による。(法では高さ 60cm 以上、幅 60cm 以上) ※2 処分等のための保管の場所に係る掲示については、「処分等のための保管上限」としてください。 ※3 保管する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合は、その旨を表示してください。

【産業廃棄物の保管高さの制限】

屋外で容器に入れずに保管するときの積替え及び処分のための保管高さ制限 ○ 産業廃棄物が囲いに接しない場合 ~ 囲いの下端から勾配 50%(高さ/底辺=1/2の傾き)以下 ○ 産業廃棄物が囲いに接する場合 ~ 囲いの内側2mは、囲い高さより 50cm 以下 2m以内の内側は、2mの地点から勾配 50%以下 (一方が囲いが堅牢である場合の例 ) ※ 高さの上限、50%勾配面を超えている黒色部分は違法 * 囲いの構造耐力上の安全性を確保 ⇒荷重等に耐えうる材質で産業廃棄物の荷重により変形しないこと。 * 公共用水域や地下水の汚染防止 ⇒必要な排水溝等を整備し底面を不浸透性の材料で覆うこと。 ※ 勾配面の傾斜は、50%(1:2.0)以下の勾配であること。 ※ 保管する産業廃棄物は、50%勾配面以下にすること。 地は白色で文字は黒色とする 特別管理産業廃棄物の場合は 「特別管理産業廃棄物保管施設」と記載 屋外で容器を用いないとき記載 排出事業場内における保管の 場合は当該欄の記載不要 産業廃棄物処理業者のみ記載 50%勾配面 50%勾配面を超えている 高さの上限を超えている 高さの上限 50cm 堅牢な 囲い 地盤面 堅牢な囲いに接して いないとき

(10)

2 特別管理産業廃棄物の保管基準等(排出事業場における保管)

特別管理産業廃棄物を保管する場合は、1-①~⑥に追加して、次の事項を遵守しなけれ ばなりません。 ① 特別管理産業廃棄物がその他のものと混合するおそれのないよう、仕切りを設けるなどの 措置を講じること。ただし、感染性産業廃棄物と感染性一般廃棄物のみを混在して保管する 場合はこの限りでない。 ② 特別管理産業廃棄物である廃油、PCB 汚染物又は PCB 処理物は、容器に入れ密封すること など、揮発防止のために必要な措置を講ずるとともに、高温にさらされないために必要な措 置を講ずること。 ③ 特別管理産業廃棄物である廃酸または廃アルカリは、容器に入れて密封するなど、腐食を 防止するための措置を講じること。 ④ PCB 汚染物又は PCB 処理物は、腐食を防止するために必要な措置を講ずること。 ⑤ 廃水銀等は、容器に入れて密封するなど飛散流出防止等のために必要な措置を講じるとと もに、高温にさらされないために必要な措置及び腐食を防止するために必要な措置を講じる こと。 ⑥ 特別管理産業廃棄物である廃石綿等は、梱包するなど飛散防止のために必要な措置を講じ ること。 ⑦ 腐敗するおそれのある特別管理産業廃棄物は、容器に入れて密封するなど、腐敗防止のた めの措置を講じること。

3 処理基準で定める保管の基準(排出事業場の外

における保管)

排出事業場から産業廃棄物を搬出し、別の場所で産業廃棄物を排出事業者自らが保管す る場合、処理基準で定める保管の基準に従って保管する必要があります。 処理基準で定める保管の基準では、上記1、2に掲げた項目のほか、保管数量の上限が 定められています。 保管数量の上限は、平均的搬出量の7日分です。 保管施設への搬入量に比べて、保管施設からの搬出量が極端に少ない場合など不適正な 保管は、改善命令の対象となります。

(保管数量の上限)=(1日当たりの平均的搬出量)

×

* 保管上限の適用除外 ① 船舶の積載量が平均搬出量の7日分(保管数量の上限)を超える場合 ② 平成17年1月以降に引取業者に引き渡された使用済自動車等を保管する場合

(11)

● 保管の届出(排出事業場の外

における保管の場合)

廃棄物処理法により、建設工事に伴い生ずる産業廃棄物を当該産業廃棄物の生じた場所以 外の場所(面積が 300 ㎡以上の場合に限る。)で排出事業者自らが保管する場合は、あらか じめ保管場所の所在地を管轄する都道府県知事(北海道の場合は、各(総合)振興局)又は政 令市長(道内では、札幌市、函館市、旭川市)に届出を行うことが義務付けられています。 また、北海道循環型社会形成の推進に関する条例により、建設工事に伴い生ずる産業廃棄 物以外の産業廃棄物についても、保管の場所の面積が 300 ㎡以上の場合は、北海道知事に届 出を行うことが義務付けられています(ただし、政令市の区域で保管する場合や、PCB廃 棄物を保管する場合、許可施設で保管する場合には適用されません。)。 なお、それぞれ、届出事項を変更したときや、保管を廃止したときも、届出が必要です。

【保管の届出の期限】

【保管の届出の様式】

届出様式は、以下からダウンロード可能です。 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/jss/top_page/sanpai_yousiki_1haisyutu.htm

4 処理基準で定める保管の基準(処分に係る保管)

産業廃棄物の処分を行う施設において産業廃棄物を保管する場合は、上記1、2に掲げ た項目のほか、保管数量の上限及び保管期間が定められています。

【処分のための保管における保管数量の上限】

産業廃棄物の種類 保管上限 留意点 建設業(工作物の 新築・改築・除去 に係る右のもの) 木くず、コンクリ ートの破片※ 当該処理施設の 1日当たりの 処理能力に 次 の 数 を 乗 じ た もの 28 ・分別されたものに限る ・再生を行う処理施設に おいて再生のために保管 する場合に限る アスファルト・コン クリートの破片 70 その他の産業廃棄物 14 ・建設業に係るものであっても 分別されていないものは当 該種類に含まれる ※ 石綿含有産業廃棄物を除く。 * 次ページのとおり、特例あり 保管する廃棄物の種類 根拠法令 届出期限 新規設置 変更 廃止 建設工事に伴って生じた 産業廃棄物 廃棄物処理法 第12条第3 項、第12条の2第3項 事 前 事 前 廃止から 30日以内 上記以外 北海道循環型社会形成の推進 に関する条例 第31条 保管開始日から 14日前 変更から 10日以内 廃止から 10日以内 北海道 排出事業者 様式 検索

(12)

【処分のための保管期間】

・ 産業廃棄物の処理施設において、適正な処分又は再生を行うためにやむを得ないと認 められる期間 * 処理施設における保管量(基本数量)の特例 ① 処理施設に運搬する船舶の積載量が処理施設の処理能力の 14 日分(基本数量)を超え るとき 船舶の積載量+(処理能力×14)×1/2=保管数量の上限 ② 処理施設の定期点検又は修理期間中に保管するとき 処理能力×点検等の日数+(処理能力×14)×1/2=保管数量の上限 定期点検とは、あらかじめ年間維持管理計画等で定められている定期的な点検 又は修理であって、連続して7日間を超えるものに限る。 ◎点検等終了時に基本数量を超えていたときは、点検等終了後 60 日以内に基本数量 (処理能力の 14 日分)に復帰 ③ 廃タイヤを 11~3月に保管する場合は、処理能力の 60 日分 ④ 使用済自動車の処分又は再生を行う処理施設において保管することができる使用済自 動車等の数量については、積上げ高さの制限を越えない限りにおいて保管できることが できる数量 P:処理能力/日 Y:点検期間(日) P×(Y+7)日分 処理能力の 14 日分 処理能力の7日分 点検開始 点検期 60 日間

(13)

産業廃棄物を発生場所から保管場所や処分場所まで運搬する場合、処理基準で定

める収集運搬の基準に従わなければなりません。

基準の適用は、産業廃棄物処理業者に限らず、排出事業者自らが収集運搬を行う

場合も適用になります。

【解説】

◎ 処理基準(収集運搬に関するもの)

① 産業廃棄物が飛散、流出しないようにすること。 ② 収集運搬に伴う悪臭、騒音、振動によって生活環境の保全上支障が生じないように必 要な措置を講ずること。 ③ 収集運搬施設を設置するときは生活環境保全上の支障が生じないように必要な措置を 講ずること。 ④ 運搬車両、運搬容器等は産業廃棄物が飛散、流出、悪臭が漏れるおそれのないもので あること。 ⑤ 運搬車の車体の外側に、産業廃棄物の運搬車である旨等の表示をし、運搬車に必要な 書面を備え付けること。 ⑥ 石綿含有産業廃棄物の収集運搬を行う場合は、石綿含有産業廃棄物が破砕することの ないような方法により収集又は運搬すること。また、その他の物と混合するおそれのな いように、他の者と区分して収集又は運搬すること。

<書類の備え付け>

次の事項を記載した書類を備え付けます。 ①氏名又は名称及び住所 ②運搬する産業廃棄物の種類、数量 ③積載した日 ④積載した事業場の名称、所在地、連絡先 ⑤運搬先の事業場の名称、所在地、連絡先

<表示>

表示する内容は次のとおりです。 ①産業廃棄物を収集運搬している旨の表示 ②排出事業者名

産 業 廃 棄 物 の 収 集 運 搬

※ 排出事業者が、自ら収集運搬する 場合の内容です。

(14)

産業廃棄物の処分方法には、破砕、焼却、脱水等を行う「

中間処理

」のほか、廃

棄物を埋め立てる「

埋立処分

再生

」などがあります。

中間処理や最終処分を行う場合は、処理基準に従わなければなりません。

排出事業者が自社で行う処分であっても、

処理基準を遵守

する必要があり、一定

の要件の施設については、

産業廃棄物処理施設の設置許可

が必要となります。

処理基準に違反した処理を行った場合は、改善命令の対象となりますし、処理施

設の無許可設置には厳罰が科せられます。

【解説】

◎処理基準(産業廃棄物の中間処理に関するものの内、主要なもの)

① 産業廃棄物が飛散・流出しないようにすること。 ② 悪臭、騒音、振動によって生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置を講ず ること。 ③ 焼却するときは法に規定された構造を有する焼却設備を用いて行うこと。

→ 処理基準を満たさない焼却(いわゆる野焼き)は禁止されています。

◎処理基準(産業廃棄物の埋立処分に関するものの内、主要なもの)

埋め立てる量の多少に関わらず、処理基準を遵守しなければなりません。 なお、最終処分場はその規模によらず産業廃棄物処理施設に該当し、都道府県知事又は政 令市長から、事前に、最終処分場の設置許可を受けなければなりません。 【埋立処分基準】 ○ 周囲に囲いをするほか、埋立場所であることを表示すること。 ○ 産業廃棄物が飛び散ったり、流れ出したりしないようにすること。 ○ 産業廃棄物や汚水が河川や地下に浸透しないようにすること。 ○ 悪臭が発生しないようにすること。 ○ ねずみ、蚊、はえその他の害虫が発生しないようにすること。 ○ 廃プラスチック類(石綿含有産業廃棄物を除く)、ゴムくずは概ね15cm 以下に破砕するなどし てから埋め立てること。 ○ 有害な産業廃棄物は、有害物質が溶出しないようにすること。(一部除外あり) ○ 廃油・廃酸・廃アルカリは埋立しないこと。(一部除外あり) ○ 必要な設備を設置すること。(一部除外あり) ・埋立地からの汚水の浸出を防止することができる遮水工を設けること。 ・汚水を有効に集めることができる集水管、浸出液処理設備等を設けること。 ・地表水が埋立地内に流入しないように開渠その他の設備を設けること。 ○ 放流水質を一定の基準に適合させた後、放流すること。(一部除外あり) ○ 周縁地下水の水質を確認し、水質の悪化が認められる場合には、その原因の調査等必要な措置を 講ずること。(一部除外あり) ○ 石綿含有産業廃棄物を最終処分場で埋め立てる場合、一定の場所で分散しないように埋め立て、 飛散・流出しないよう土砂で覆うなどの必要な措置を講ずること。

(15)

産業廃棄物の処理を他人に委託するときは、都道府県知事等の許可を受けた産業

廃棄物処理業者など産業廃棄物の処理を委託できる者に委託して適正に処理しなけ

ればなりません。

また、産業廃棄物の運搬や処分を委託する場合、 排出事業者は、法で定められた

委託基準

を遵守

しなければなりません。

産業廃棄物の処理を委託できる者

産業廃棄物の処理を委託できる者は、主に次のとおりです。

① 産業廃棄物処理業者(産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業の許可を持った業 者) ② 市町村(産業廃棄物の処理を事務として行っている場合に限る。) ③ 国の認定を受けた者 ④ 再生利用指定業者(知事が指定した業者) ⑤ 専ら再生利用の目的となるもののみを取り扱う者(空きビン類、くず鉄(古銅等を 含む)、古紙、古繊維を取り扱う業者)

産業廃棄物処理業者

他人の産業廃棄物を業として収集・運搬又は処分しようとする者は、都道府県知事

又は政令市長の許可を受けなければなりません。

① 産業廃棄物収集運搬業・・・・・産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。)の収集・ 運搬 ② 産業廃棄物処分業・・・・・・・産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。)の中間 処理と最終処分 ③ 特別管理産業廃棄物収集運搬業・特別管理産業廃棄物のみの収集・運搬 ④ 特別管理産業廃棄物処分業・・・特別管理産業廃棄物のみの中間処理と最終処分

産 業 廃 棄 物 の 委 託 処 理

(16)

【解説】

◎ 委託基準

委託しようとする産業廃棄物の処理(収集運 搬、処分又は再生)を受託することができる者 (産業廃棄物処理業者等)に委託しなければな りません。 受託することができる者であることの確認 については、委託しようとする産業廃棄物の処 理が「事業の範囲」に含まれていることの確認 によって行います。 産業廃棄物処理業の「事業の範囲」は、 処理業者から取り寄せた許可証(写)の こちらの欄をご確認ください。

委託契約は書面により行い、当該委託契約書には次の事項が含まれていなければなりま せん。 また、委託契約書には産業廃棄物処理業の許可証(写)等を添付しなければなりません。 なお、委託契約書は、契約の終了の日から5年間保存する義務があります。

<委託契約書の記載事項>

① 委託する産業廃棄物の種類及び数量 ② 運搬の最終目的地の所在地(収集運搬の委託の場合) ③ 処分・再生の場所の所在地、方法、施設の処理能力(処分又は再生の委託の場合) ④ 最終処分の場所の所在地、方法、施設の処理能力(中間処理の委託の場合) ⑤ 契約の有効期間(開始、終了年月日を明らかにすること。) ⑥ 受託者に支払う料金(1か月当たり、単位量当たりなど) ⑦ 受託者が産業廃棄物処理業者である場合には、その事業の範囲 ⑧ 積替え又は保管に関する事項(積替保管を行う場所の所在地、当該場所において保管できる産業 廃棄物の種類、保管上限、安定型産業廃棄物であるときは当該場所で他の廃棄物と混合することの 許否)(収集運搬の委託の場合) ⑨ 適正な処理のために必要な情報 ・当該産業廃棄物の性状及び荷姿に関する事項 ・通常の保管状況の下での腐敗、揮発等当該産業廃棄物の性状の変化に関する事項 ・他の廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項 ・当該産業廃棄物がパソコン、エアコン、テレビ、電子レンジ、衣類乾燥機、冷蔵庫、洗濯機であ ※ 平成 22 年の法改正により、収集運搬業においては、北海道知事の許可のみで政令市(札幌市、函館市、旭川 市)の区域を含む道内全域の収集運搬を行うことができるようになりました(ただし、政令市内で積替保管を行 う場合は、その政令市長の許可が必要です。)。収集運搬に係る委託契約の際には、ご留意ください。

(17)

る場合で含有マーク(JISC0950 号)が付いている場合には、当該含有マークの表示に関する事項 ・当該産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合は、その旨 ・その他当該産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項 ⑩ 契約の有効期間中に⑨の情報に変更があった場合の情報の伝達方法 ⑪ 受託業務終了時の受託者の委託者への報告に関する事項 ⑫ 委託契約を解除した場合の処理されない産業廃棄物の取扱いに関する事項

◎ 処理委託における違反事例

次の例は、全て委託基準違反です。これらの違反を行うと、罰則や命令の対象となります。

×

口約束(

口頭による契約

)で委託している。

×

収集運搬業者、処分業者のいずれも又はいずれかとの契約がされていない。

×

処分業の許可のない収集運搬業者と処分の委託まで契約している。

×

収集運搬業者、処分業者それぞれの

事業の範囲にない産業廃棄物の委託契

約をしている。

【2者契約について】 収集運搬と処分を異なる業者に委託する場合は、それぞれとの契約書を作成し、それ ぞれと2者間で契約を行いましょう(1つの契約書で複数の処理業者と契約すると、委 託内容とそれを委託する相手の紐付けが不明確になり易く、場合によっては、委託基準 違反に該当することから、道では2者契約を推奨しています。)。 このような業者には要注意! 北海道の許可を受けている処理業者であっても、不適正処理や不法投棄、破産等によっ て、毎年十数件の業者が、許可を取り消されたり、自ら廃業したりしています。 処理業者が処理できないと判断される場合には、委託した廃棄物の撤去等の命令が、排 出事業者に対して発出される場合もありますので、遵法意識の高い適正な処理業者を排出 事業者自らが責任をもって選択するようにしてください。 例えば、次のような事業者と委託契約を行う際には、慎重に検討する必要があります。 ● あまりにも低額な処理料金を提示している業者 ● 以前、委託した際に、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の返送が遅れ、排出事業者 から連絡をするまで遅滞の事実や理由等の報告もなかった処理業者 ● 事業場が不衛生であったり、産業廃棄物が散乱していたりする処理業者 ● 「収集運搬を行うほか、処分業者の選定、処分業者との契約事務、マニフェストの交 付事務など一切の業務をお任せください」と言って営業活動を行い、排出事業者に廃棄 物の処理責任を果たさなくて良いことを勧める収集運搬業者 等

(18)

◎ 処理困難通知

(通称「ギブアップ通知」)

とは

産業廃棄物処理業者は、受託した処理(収集運搬、処分又は再生)を適正に行うことが 困難となるおそれがある場合であって、次の項目に当てはまる場合には、委託元の排出事 業者に対して、処理困難となった事由が生じてから 10 日以内に、その旨を書面により通 知しなければならないこととされています。 当該通知を受け取った場合、排出事業者は、速やかに、委託した産業廃棄物の状況を確 認するとともに、その処理を別の処理業者に委託するなど、生活環境保全上の支障の除去 又は発生の防止のために必要な措置を講じる必要があります。 また、措置内容等報告書(p.18 参照)により、当該通知を受けた日から 30 日以内に、 対応結果を都道府県知事又は政令市長に報告しなければなりません。 <処理困難通知の対象となる事由> ① 産業廃棄物の処理施設において破損その他の事故が発生し、当該処理施設を使用することができ ないことにより、当該処理施設において保管する産業廃棄物の数量が処分等のための保管上限に 達した場合。 ② 産業廃棄物の収集若しくは運搬または処分の事業の全部または一部を廃止したことにより、現に 委託を受けている産業廃棄物の収集運搬または処分がその事業の範囲に含まれなくなった場合。 ③ 産業廃棄物処理施設を廃止し、または休止したことにより、現に委託を受けている産業廃棄物の 処分を行うことができなくなった場合。 ④ 産業廃棄物の最終処分場に係る埋立処分が終了したことにより、現に委託を受けている産業廃棄 物の埋立処分を行うことができなくなった場合。 ⑤ 産業廃棄物処理業許可の欠格要件に該当するに至った場合。 ⑥ 都道府県知事又は政令市長から、事業停止命令を受けた場合。 ⑦ 都道府県知事又は政令市長から、産業廃棄物処理施設の設置許可の取消しを受けた場合。 ⑧ 都道府県知事又は政令市長から、産業廃棄物処理施設に関する改善命令や措置命令を受け、当該 処理施設を使用することができないことにより、当該処理施設において保管する産業廃棄物の数量 が処分等のための保管上限に達した場合。

◎ 処理状況の確認

北海道循環型社会形成の推進に関する条例により、所定の要件に該当する場合は、委託 した処分の状況の確認を行う必要があります(p.21 参照)。

(19)

産業廃棄物の適正処理を確保するために、産業廃棄物の処理(収集運搬・処分)

を他人に委託する場合においては、

産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付が義

務付けられています。

排出事業者は、マニフェストによって、委託した処理の終了を確認します。

中間処理を委託したときは、その中間処理のほか、最終処分(埋立処分、再生等)

についても確認する必要があります。

なお、マニフェストの不交付や虚偽記載に対しては罰則が科せられます。

マニフェスト制度

産業廃棄物の処理を産業廃棄物処理業者等に委託する際に、廃棄物の収集運搬、

処分の流れを排出事業者自らが把握することによって、不法投棄や不適正処理を防

止するための制度です。

この制度は、産業廃棄物の処理を委託した排出事業者がマニフェストを交付した

後、委託した処理が処理業者等において終了したときに、処理業者からその旨を記

載したマニフェストの写しの送付を受け、その処理の終了を確認するものです。

* マニフェストは「紙」のものと、パソコンを使った「電子マニフェスト」の2種類があります。 上図は7枚ものの紙マニフェストを使用した場合の流れです。

産 業 廃 棄 物 管 理 票 ( マ ニ フ ェ ス ト ) に つ い て

(20)

【解説】

◎ マニフェストの主な記載事項

① 交付年月日及び交付番号 ② 委託者の氏名及び住所 ③ 排出事業者の名称及び住所 ④ 産業廃棄物の数量及び荷姿 ⑤ 運搬先の事業場の名称 ⑥ 最終処分を行った場所 など

◎ マニフェストの交付が不要の場合

マニフェストの交付が不要となる場合は主に次のとおりです。 ただし、これらに該当する場合も書面による委託契約が必要となります。 ① 再生利用業者(環境大臣特例認定、知事個別指定等)等に委託するとき ② 国、市町村・一部事務組合に委託するとき ③ パイプラインによる運搬・処理を委託するとき ④ 日本から海外への運搬を委託するときなど

◎ マニフェストの保存期間

交付の日から5年間の保存が必要です。(A票、B2票、D票、(E票)が排出事業者の 手元に残りますので、これらを保存してください。)

◎ マニフェストに関する報告等

マニフェストに関して、次のような報告等の義務が課せられています。 ※ 手続きの詳細及び報告様式のダウンロードについては、以下をご参照ください。 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/jss/sanpai_1/manifesto.htm ① 交付等状況報告書 マニフェストを交付した場合は、前年度の実績(委託した産業廃棄物の種類、数量、 委託先等の情報)を取りまとめ、排出事業場の所在地を管轄する都道府県知事(北海道 の場合は循環型社会推進課)又は政令市(道内では、札幌市、函館市、旭川市)に報告 することとされています。 報告の期限は、毎年、6月 30 日までです。 なお、前年度に紙のマニフェストを1枚でも交付した場合は、報告義務が発生します が、電子マニフェストを利用した実績については、報告の必要はありません。 ② 措置内容等報告書 法律では、処理を受託した産業廃棄物処理業者等は、運搬、処分が終了した日から 10 日以内にマニフェスト(写)を排出事業者に返送しなければならないこととされていま す。 仮に、交付の日から 90 日以内に返送されないときは(特別管理産業廃棄物を委託し マニフェスト 北海道 検索

(21)

た場合は 60 日以内、また、中間処理を委託した場合であって、最終処分、再生を確認す るためのE票については、180 日以内)、排出事業者は、委託した廃棄物の状況を把握し、 必要な措置を講じるとともに、その対応結果を都道府県知事(北海道の場合は、各(総 合)振興局)又は政令市長(道内では、札幌市、函館市、旭川市)に報告しなければな りません。 また、このほか、返送されてきたマニフェスト(写)に必要な事項(運搬・処分者名、 担当者氏名、返送した者が受託した処理(運搬・処分)の終了日、有価物拾集量など) が記載されていないときや、マニフェスト(写)に虚偽の記載があると判断されるときも 同様に、必要な措置を講じることや、都道府県知事等への報告が必要です。 < マニフェストに関する注意事項 > 【交付者】 マニフェストは、産業廃棄物をの排出事業者が、委託する産業廃棄物を引き渡すたびに、必要事項 を記載のうえ交付しなければなりません。受入伝票のように処理業者が産業廃棄物を受けたときに交 付するものではありません。 マニフェストの不交付や虚偽記載には、罰則(6月以下の懲役又は50万円以下の罰金)が科せられる ことがありますので、処理業者任せは止めましょう。 【交付枚数】 処理業者等に引き渡す産業廃棄物の種類ごとに交付することが原則です。 しかし、例えば、シュレッダーダストのように複数の種類の産業廃棄物が発生段階から一体不可分 の状態で混合しているような場合には、1枚の管理票を交付することで差し支えありません。 ただし、運搬過程において、産業廃棄物が種類等ごとに選別され、その後、複数の処分業者等がそ の処理を行う場合には、当該処分業者等の数に対応する管理票を交付しなければなりません。 混合廃棄物 手選別 【交付担当者】 排出事業者が法人である場合、マニフェストの交付事務を行う担当者は、通常、その法人に直接雇 用されている社員等である必要がありますが、産業廃棄物を収集運搬業者等に引き渡すまでの集荷場 所を排出事業者に提供している団体等がある場合であって、かつ、当該産業廃棄物が適正に回収・処 理されるシステムが確立している場合には、当該集荷場所を提供している団体等が自らの名義におい て管理票の交付事務を行っても差し支えありません。ただし、この場合、排出事業者と団体等の間に おいて、排出事業者と団体等の関係が規約等に明記されていることが必要です。 集荷場所の例として、例えば、次のようなケースが考えられます。 ・ 農業協同組合、農業用廃プラスチック類の適正な処理の確保を目的とした協議会又は当該協議会 を構成する市町村が農業者の輩出する廃プラスチック類の集荷場所を提供する場合 ・ ビルの管理者等が当該ビルの賃借人の産業廃棄物の集荷場所を提供する場合 排出事業者 産業廃棄物収集運搬業者 産業廃棄物処理業者1 産業廃棄物処理業者2 産業廃棄物処理業者3 排出事業者段階で3枚 のマニフェストを交付 する必要がある

(22)

◎ 電子マニフェストとは

電子マニフェストは、処理に関する情報を電子情報化して処理の確認を行うものです。 利用にあっては、あらかじめ、電子情報の中継等を行う情報処理センター[公益財団法 人日本産業廃棄物処理振興センター]に、排出事業者、収集運搬業者、処分業者の三者全 てがそれぞれ登録する必要があります。 電子マニフェストを利用すると、管理票の照合や確認の事務が即時にパソコンの端末上 で可能となるほか、産業廃棄物の運搬終了や処分終了のチェック、交付状況の報告などに おいて、業務量の軽減が可能です。 マニフェスト情報 運搬終了 情報 処分終了情報

(23)

北海道循環型社会形成の推進に関する条例により、排出事業者は1年以上にわた

り継続して産業廃棄物の処分を業者に委託するときは、毎年1回以上定期的に、当

該委託に係る

処分の実施の状況などを確認

し、その結果を

記録・保存

しなければな

りません(ただし、札幌市、函館市又は旭川市の区域で排出した産業廃棄物に係る

処分を委託した事業者には適用されません。)。

また、排出事業者は、委託に係る産業廃棄物について、不適正な処分が行われ、

又は行われるおそれがあることを知ったときは、直ちに、産業廃棄物処分業者に対

し、是正の指示、その他産業廃棄物の適正な処分のために必要な措置を講ずるとと

もに、産業廃棄物の不適正な処分の状況及び講じた措置の概要を知事に報告しなけ

ればなりません。

記録は、事務所に据え置き、確認を行った日から5年間保存しなければなりませ

ん。

事業者は、1年以上にわたり継続して産業廃棄物の処分を業者に委託するときは、毎年1回以上定期 的に、当該委託に係る処分の実施の状況などを確認し、その結果を記録・保存しなければなりません。 ・確認は、産業廃棄物の処分が行われている施設において、事業者自ら又は代理人(処分の受託者を 除く)が実地に調査する方法により行う ・確認する事項は、委託した産業廃棄物の処分の実施の状況、施設の状況、産業廃棄物の保管の状況 ・記録は、事務所に据え置き、確認を行った日から5年間保存 ※ただし次の場合は、適用除外です。 ①札幌市、函館市又は旭川市の区域で排出した産業廃棄物に係る処分を委託した事業者 ②電子マニフェストを利用した場合、マニフェストの交付が不要な場合 ③産業廃棄物処理業者の優良性の判断に係る評価基準に適合していると知事等が認めた産業廃棄物 処分業者に処分を委託する場合

委 託 し た 処 分 の 状 況 の 確 認

(24)

産業廃棄物の処分委託に関する実地確認記録様式(例)

○ 「北海道循環型社会形成の推進に関する条例」(以下「条例」という。)では、1年以 上にわたり継続して産業廃棄物の処分を業者に委託するときは、毎年1回以上定期的に その処分の実施状況などを確認し、その結果を記録・保存することとしています。(条例 第32条) ○ 条例では、事業者が行う実地確認において確認すべき事項について、詳細に規定してい ませんが、事業者は廃棄物処理法に規定される基準等を踏まえ、確認する項目を独自に定 めて実地調査を行ってください。 ○ 次ページの実地確認記録様式(例)は、事業者が実地確認において確認する項目を検討 する際に参考となるよう作成したものです。 事業者において必要な事項を追加したり、修正を加えたりして活用してください。ま た、評価欄において、適・否の評価形式をとっていますが、「優・良・可・不可」など独 自に評価形式を定めて活用し、実地確認を行った処分業者が委託先として適切か判断し てください。 ○ なお、実地確認の結果、不適切な処分が行われていた場合における知事への報告につい ては、実地確認の結果記録票の写しを提出願います。 【参考】 産業廃棄物収集運搬及び産業廃棄物処分業者は、廃棄物処理法により次の事項を記載し た帳簿を備え付けなければなりません。書類確認の際の参考としてください。 収集又は運搬 1 収集又は運搬年月日 2 交付されたマニフェストごとの交付者の氏名又は名称、交付年月日及び交付番号 3 受入先ごとの受入量 4 運搬方法及び運搬先ごとの運搬量 5 積替え又は保管を行う場合には、積替え又は保管の場所ごとの搬出量 運搬の委託 1 委託年月日 2 受託者の氏名又は名称及び住所並びに許可番号 3 交付したマニフェストごとの交付年月日及び交付番号 4 運搬先ごとの委託量 処分 1 受入れ又は処分年月日 2 交付又は回付されたマニフェストごとの交付者の氏名又は名称、交付年月日及び 交付番号 3 受け入れた場合には、受入先ごとの受入量 4 処分した場合には、処分方法ごとの処分量 5 処分(埋立処分及び海洋投入処分を除く)後の産業廃棄物の持出先ごとの持出量 処分の委託 1 委託年月日 2 受託者の氏名又は名称及び住所並びに許可番号 3 交付したマニフェストごとの、交付又は回付された受け入れた産業廃棄物に係る マニフェストの交付者の又は名称、交付年月日及び交付番号 4 受託者ごとの委託の内容及び委託量

(25)

実 地 確 認 記 録 様 式 ( 例 )

実施年月日

平成 年 月 日( )

確認を行った者の氏名

確認の方法

自 ら ・ 代 理 人

確 認 先

事業者名

処理施設名

□脱水施設 □乾燥施設 □中和施設 □破砕施設 □焼却施設 □最終処分場 □その他( )

所在地

対応者(職・氏名)

1 処分の実施の状況(書類確認)

項 目

評 価

(1)委託する処理(中間処理又は最終処分)の許可を受けているか。

また、許可の有効期限が満了していないか

□適 □否

(2)処分を委託する産業廃棄物が事業の範囲に含まれているか。

□適 □否

(3)マニフェストは適切に保存(5年間)されているか。

(確認した事業所に保存されていない場合の保存場所はどこか)

□適 □否

( )

(4)委託契約書は適切に保存(契約満了日から5年間)されているか。

(確認した事業所に保存されていない場合の保存場所はどこか)

□適 □否

( )

(5)委託契約書に従った処分をしているか。

□適 □否

(6)委託先が中間処理したあとの産業廃棄物を委託処理している場合

、この中間処理後の産業廃棄物は適正に処理されているか。

(2次マニフェストを交付しているか)

□適 □否

(7)廃棄物処理法施行令第7条に規定される処理施設の場合、設置許

可を受けているか。

□適 □否

2 施設の状況(現地確認)

項 目

評 価

(1)廃棄物の受入に際し、その内容・量を適切に確認しているか。

(トラックスケールでの計量など)

□適 □否

(2)産業廃棄物が飛散・流出していないか。

□適 □否

(3)処分に伴う悪臭、騒音、振動によって生活環境の保全上支障が生

じていないか。

□適 □否

(26)

(4)処理に伴い、排水を放流する場合は、必要な排水処理設備を設け

ているか。

□適 □否

(5)最終処分場は、周囲に囲いが設けられ、産業廃棄物の処分の場所

であることの表示がされているか。

□適 □否

(6)安定型最終処分場において埋立処分する場合は、安定型産業廃棄

物以外の廃棄物が混入しないよう必要な措置を講じているか。

□適 □否

3 保管の状況(現地確認)

項 目

評 価

(1)保管の場所の周囲に囲いが設けられているか。

□適 □否

(2)産業廃棄物の保管に関し、必要な事項を表示した掲示板が設けら

れているか。

表示が必要な事項:保管する産業廃棄物の種類、保管の場所の管理者の氏名 又は名称及び連絡先、屋外で容器を用いず保管する場合 は最大積上高の上限、保管上限

□適 □否

(3)保管されている産業廃棄物の量は適切か

(保管上限を超えていないかなど)

□適 □否

(4)保管の場所から、産業廃棄物が飛散、流出、地下浸透し、悪臭発

散しないように必要な措置が取られているか

(保管に伴い汚水が生ずるおそれがある場合には、排水溝等の設備を

設けるとともに、底面を不浸透性の材料で覆っているか)

□適 □否

4 不適正な処分の状況及び講じた措置の内容

(1)不適正な処分の状況

(2)講じた措置の内容

この様式例は下記からダウンロード可能です。 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/jss/top_page/kisei.htm

(27)

建設工事 に伴い生ずる廃棄物については、建設工事の注文者から直接建設工事

を請け負った建設業を営む者

(元請業者)が排出事業者

となり、自らの責任におい

て、法に従い適正に処理しなければなりません。

元請業者から建設工事の全部又は一部を請け負った下請業者は、廃棄物処理業の

許可を受けることなしに、また、元請業者からの適法な委託を受けることなしに、

その工事で生ずる廃棄物を、排出事業者として処理したり 、他人に委託すること

はできません。

※ 建設工事とは、土木建築に関する工事のことであり、建築物その他の工作物の全部 又は一部を解体する工事を含みます。 * 条件を満たす場合は、一部、例外として認められる場合があります。 【解説】

◎ 元請業者の処理責任

(法第 21 条の3第1項関係) 平成 22 年の法改正により、建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理については、その建設 工事の元請業者が廃棄物処理法上の排出事業者としての責任を有することとなりました。 建設工事から生ずる廃棄物については、元請業者が、元請業者の廃棄物として自ら処理 するか、その処理(収集運搬、処分又は再生)を許可業者に委託しなければなりません。 下請負業者は、環境省令で定める場合(次ページ参照)を除き、廃棄物処理業の許可が なければ廃棄物の運搬又は処分を行うことはできません。 建設工事に伴い 生ずる廃棄物

建 設 工 事 に 伴 い 生 ず る 廃 棄 物 の 処 理 責 任

※ * 発注者 建設工事の発注 建設工事の請負 下請業者 元請業者 (排出事業者) 施工 自社処理 又は 処理業者に委託

(28)

◎ 下請負人による廃棄物の運搬に係る例外

(法第 21 条の3第3項関係) 次のいずれにも該当する場合において下請負人(下請業者)が自ら運搬を行う場合は、 下請負人を排出事業者とみなすことができます。 この場合、下請負人は収集運搬業の許可を受けている必要はありません(廃棄物の処分 は元請業者が自ら行うか、元請業者の委託を受けた者が行います。)。 ① 廃棄物の運搬を行うことが書面による請負契約で定められていること。 ② 維持修繕工事(解体工事、新築工事又は増築工事以外の建設工事)であって、その請負代金(発 注者からの元請負代金)が 500 万円以下であること、又は引渡しがされた建築物その他の工作物 の瑕疵の補修工事であって、その請負代金相当額が 500 万円以下であること。 ③ 特別管理廃棄物以外の廃棄物であること。 ④ 1回当たりの運搬量が1立方メートル以下であること。 ⑤ 運搬途中で保管を行わないこと。 ⑥ 元請業者が所有権又は使用権原を有する施設(積替保管場所を含む)に運搬されること。 * 元請業者が使用権原を有する施設とは、元請業者が第三者(下請負人又は中間処理業者を含む) から貸借している場所のほか、元請業者と廃棄物処理の委託契約をした廃棄物処理業者の処理施設 (積替保管場所を含む)も含まれます。 当該規定により、下請負人が産業廃棄物の運搬を行う際には、処理基準に従い、産業廃 棄物の運搬車である旨の表示をするとともに、次の書類を運搬車に携行しなければなりま せん。 ① 環境省令で定める廃棄物であることを証する書面(p.28、29 に参考様式があります。) ・ 元請業者及び下請負人の氏名又は名称、住所及び電話番号 ・ 当該廃棄物を生じる事業場の所在地 ・ 発注者の氏名又は名称及び住所 ・ 運搬する廃棄物の種類及び1回当たりの運搬量 ・ 運搬先の施設の所在地 ・ 運搬先の施設について元請業者が所有権又は使用権原を有する旨の元請業者の誓約 ・ 運搬を行う期間 ・ 運搬を行う従業員の氏名 ・ 運搬車の車両番号 ・ 維持修繕工事である場合には、請負代金が 500 万円以下である旨の元請業者の誓約 又は瑕疵補修工事である場合には、建築物等の引渡しがされた年月日及び請負代金相 当額が 500 万円以下である旨の元請業者の誓約 ② 請負契約の基本契約書の写し等 ①が請負契約の基本契約書に基づくものであることが確認できるよう、請負契約の 基本契約書の写しを備え付けなければなりません。 ただし、注文請書等により、①の内容が請負契約の基本契約書に基づくものであるこ とが確認できる場合には、当該注文請書等を備え付けることで替えることができます。

(29)

◎ 発注者が排出事業者となる場合

建設工事の請負契約の中に、建設工事を伴わない業務が含まれている場合、当該業務か ら排出される産業廃棄物(道路維持管理業務で排出される道路清掃汚泥等)については、 元請業者ではなく、発注者が排出事業者となるので注意が必要です。 委託基準や産業廃棄物管理票の交付義務等も排出事業者である発注者が遵守しなけれ ばなりません。

◎ 建設工事現場外での保管

排出事業者(元請業者)は、建設工事に伴い生ずる産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を 含む。)について、その排出事業場以外で自ら保管する場合であって、保管場所の面積が 300 ㎡以上の場合は、あらかじめ都道府県知事又は政令市長に届け出なければなりません (p.9参照)。 なお、当該保管行為は、運搬に伴う保管であり、処理基準で定める保管の基準に従って 保管する必要があります。保管数量の上限が定められていますので、注意してください(p. 8参照)。

(30)

別記様式(参考) (表 面) 年 月 日 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第 21 条の3第3項の規定により、下記の廃棄物について は、下請負人 が自ら運搬することとします。 元請業者 住所 氏名又は名称 印 電話番号 下請負人 住所 氏名又は名称 印 電話番号 下請負人 住所 氏名又は名称 印 電話番号 事 業 場 の 所 在 地 発 注 者 氏名又は名称 住 所 運搬する廃棄物の 種類及び一回 当たりの運搬量 種 類 量 運搬先の施設の所在地 運 搬 先 の 施 設 の 所 有 権 又 は 使 用 権 原 運搬先の施設の を有することを誓約します。 元請業者の 氏名又は名称 印

(日本工業規格 A列4番)

所 有 権 使 用 権 原

参照

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