北 海 道 トラ ンポ リン競 技 界 の課 題
田 野 有 一
序.
「跳 躍 」 と い う動 き の 形 式 は,身 体 を 分 類 した 場 合,下 肢 の み に 許 さ れ る 動 き で あ る。 こ の跳 躍 運 動 を 主 軸 と して 構 成 さ れ る ト ラ ソ ポ リ ソ 運 動 は,"跳 躍 運 動 は 足(裏)で"… と い う常 識 を 超 え,膝 で,背 で,腰 で,腹 で … の 跳 躍 を 可 能 に し,し か も,こ れ ら の 跳 躍 運 動 を 連 続 して 行 う こ と が で き る とい う 点 で は 他 の ど の ス ポ ー ツに も み られ な い 特 性 が あ る 。 そ し て こ の 特 性 は,ト ラ ン ポ
リソ 運 動 の 最 大 の 魅 力 とな っ て い る。
ト ラ ン ポ リ ン運 動 は い ま ひ とつ,跳 躍 の 高 さ の 点 で 特 性 を も っ て い る 。 人 間 の 欲 求 は 計 り知 れ な い も'のだ が,"空 中 高 く飛(跳)び 上 りた い"… と い う欲 求 は,人 間 自 つ か ら考 案 した 弾 性 に 豊 む 複 数 の バ ネ(ス プ リ ソ グ)ま た は ゴ ム ・
ケ ー ブ ル に よ り充 分 に 満 た さ れ る 。 と くに 競 技 会 等 に お い て,こ の 跳 躍 の 高 さ へ の 挑 戦 は,熟 練 老 と器 具 メ ー カ ー の 両 者 の 手 に よ り さ らに エ ス カ レ ー ト し て ゆ く こ とだ ろ う。
こ れ ら の 特 性 を も っ た ト ラ ソ ポ リ ン 遜 動 の 技 と 力 を 比 較 し合 う 「 ト ラ ソ ポ リ ソ 競 技 」 は,言 っ て み れ ば,規 格 に も とつ い て 作 られ た 器 具 に よ る,跳 躍 運 動 を 基 盤 と した 空 中 に お け る 身 体 の 形 態 的 変 化 と そ の 連 続 性 に 対 し て の ボ デ ィ ・
コ ソ ト ロ ー ル の 競 い 合 い で あ り,正 に 人 間 が 創 り描 け る バ ラ ソ ス 美 の 限 界 を 追 求 した ス ポ ー ツ とい う こ と が で き る 。
トラ ン ポ リ ソ 競 技 の歴 史 は 世 界 的 に み て も 浅 く,1940年 代 に ア メ リ カ で 一 時 (1)
期
行 わ れ て い た こ とに 始 ま る 。 今 日,最 も 大 き な 競 技 会 で あ る 世 界 選 手 権 大 会 原 稿 受領 日1980年4月30日
(1)「 トラ ンポ リン 普 及指 導 員 教 本 」訂 正 版;日 本 トラソ ポ リン協 会 普 及委 員会 編, 26頁
[129]
ヱ30 人 文 研 究 第60輯
に して も本年9月 に 第11回 犬 会 〔ス イ ス;ブ リッ ジシ テ ィ開 催 予 定〕 を 迎 え る と ころ で あ る。 同大 会 の第1回 大 会 は1964年 〔ロン ドン〕 に 開催,1968年 まで の 五年 間 は毎 年 開 催 形 式 が と られ,そ の後 隔年 開 催 形 式 に 改 め られ 今 日に 至 っ
(2)
て い る。 過 去10回 大 会 の演 技 内容 を み る と,世 界 各 国 の競 技 レベ ル は 回 を 追 う ご とに 向 上 して お り,そ の進 度 に はす さ ま じい も のが あ る。
日本 に おけ る トラ ソポ リソ競 技 の歴 史 は,1963年(昭 和38年)に 開 催 され た 第17回 全 日本 体操 競 技 選手 権大 会 〔日本体 操 協会 主催 〕 に おけ る オ ー プソ競 技 を 皮 切 りに,翌1964年(昭 和39年)に は,そ れ まで の実 施 方 法(体 操 競 技 と同時 に 展 開)か ら一 般 体 操 の一 領 域 と して の特殊 種 目に 仲 間 入 り し,体 操 競 技 とは(3) 会 場 を別 に した 形 で 第1回 全 日本 選 手 権 大 会 が 開 催 され,こ こに公 式競 技 会 の ス ター トを 印 して い る。 以 後,1973年(昭 和48年)ま で の 十年 間 は,一 般 体 操 あ るい は 新 体 操(第5回 〜第10回 大 会)の 正 式 種 目 と して 競 技 が 行 わ れ,∫1972 年(昭 和47年)に 「日本 トラン ポ リン協 会 」 が 誕 生 した 翌 年 か ら体操 協 会 よ り
(4)
独 立 分離 し,第11回 大 会 以 後,今 日まで 独 立 競 技 会 を 開 催 して い る。 同 協 会 は この 全 日本選 手権(本 年 は 第17回 大 会)の ほ か,全 日本 学 生 選 手 権(本 年15回) 全 国 高校 選 手 権(本 年5回),お よび 日本 ジ ュニ ア選 手 権(本 年8回)を 主 催 す る まで に発 展 した。 この 間,全 国各 地 で トラン ポ リソ の競 技 団 体 が 産 ぶ 声 を あ げ,そ れ ぞ れ競 技 会を もつ まで に 成 長 した 。
日本選 手 が世 界 の桧 舞 台 を踏 ん だ の は,1972年(昭 和47年)開 催 の第7回 世 (5)
界選 手権 〔西 ドイ ツ;シ ュ ツ ッ トガ ル ト〕 が 最 初 で,… 名 の ジ ャソ パ ーが 挑 戦 した 。 以 後,毎 回 同大 会 に選 手,役 員 を派 遣 して い る。 年 々,日 本 の競 技 力 は 向 上 し,世 界 の レベ ルへ 近 づ い て い る のが 実 態 だ が,い か んせ ん トヅ プ ・レベ ル に 仲 間 入 りす るに は,か な りの 時 間 を要 す るに ち が い な い と推 察 され る。
(2)(1)に同 じ,26頁
(3)「 トランポ リン」 浜田靖一,竹 本正男,小 田敏彰共著;不 昧堂 出版,123頁 (4)(1)に同 じ,28頁
(5)(1)に同 じ,28頁
北陣 トラとポ リソ競技界の課題 131 研 究 の 動 機 と 目 的
と こ ろ で,北 海 道 に ト ラ ソ ボ リ ン が 導 入 さ れ て か ら 早 十 五 年 が 経 過 した が, こ の 間,道 民 の 健 康 。体 力 づ く り の 一 器 具 と し て 学 校,社 会 体 育 施 設,そ して 医 療 施 設 等 に お い て そ の 導 入 は 高 ま る一 方 で あ る。
筆 者 が 調 査 した 昭 和52年11月 末 時 点 で の 北 海 道 に お け る ト ラ γ ポ リ ソ 導 入 台 (6)
数 は256台(
リ トル サ イ ズ 以 上)で あ っ た が,昨 年(昭 和54年)半 ば に し て300台' を 越 え,こ の 増 台 ぶ りは 他 の 府 県 を は るか に 上 まわ る とい わ れ て い る。 トラ ン
ポ リ ソ ・メ ー カ ー に と つ 陥 北 海 道 は ㌧・わ ぽ 重 要 な マ ー ケ ・ ト ・シ ェ ア 叶 に な っ て い る の か も しれ な い 。
こ の よ うに 増 台 傾 向 の著 しい 北 海 道 に お い て ,ト ラ ン ポ リ ン競 技 レベ ル の 実 態 は 果 して ど うな の で あ ろ うか 。 導 入 後 の活 用 状 況,管 理 体 制,そ し て 問 題 点 等 に つ い て 実 態 調 査 か ら こ れ に 考 察 を く わ え,既 に 報 告 した 。 筆 老 は こ の 報 告
・u(7)
の 中 で,使 用 方 法 と管 理 体 制 に 関 す る意 識 の低 劣 化 を 指 摘 す る と と も に 真 新 し い ま ま 器 具 室 に 眠 る ト ラ ソ ポ リ ソ の 姿 を 浮 彫 りに した 。 一 方,指 導 と愛 好 者 の
(8)
不 正 咬 合 現 象 に つ い て は,そ の 打 開 の 糸 ロ を 提 示 したQ本 稿 で の ね ら い は,そ の タ う な 環 境 の 中 で 育 っ て き た トラ ソ ポ リ ソ競 技 選 手 に 焦 点 を あ て,論 を す す め る こ と と した 。
北 海 道 で 初 め で ト ラ ン ポ リン の 競 技 が 実 施 さ れ た の は,1969年(昭 和44年)
、(9)
鮪 催 の 「第8回 北 海 道 体 操 競 技 選 手 権 大 会 」 新 体 操 の 部 に お い て で あ る。 参 加 選 手 数 も14回 大 会(昭 和50年)ま で1ヶ タ … とい う何 ん と も片 身 の せ ま い も の で あ っ た 。 体 操 競 技 会 場 の 片 隅 で,あ るい は 昼 食 時 間 帯 を ね ら っ て の 競 技 光 景 が 数 年 続 い た 。15回 大 会(昭 和51年)〔 於 ・帯 広 〕 に し て 選 手 数 も や っ と2ケ
⑩
タ(11名)に な り,体 操 競 技 と 同 時 展 開 と い う前 進 が み られ,審 判 員 も こ の 大 (6>「 北 海 道 に お け る トランポ リン考察 」 田野 有 一,藤 田一 郎 共 同研 究;帯 広大 谷短
期大 学 紀 要 第15号,57頁,1978.3 (7)(6)に 同 じ,67頁
(8)(6)に 同 じ,68頁
⑨ 「微光 」 第5号 「KIT沿 革 」よ り;北 見 工 業大 学 トラ ソポ リソ部 発 行,198q1
⑩ 第15回 北海 道 体操 競 技 選 手 権大 会 プ 戸 グラ ム,17頁
ヱ32人 文 研 究 第60輯
⑪ ・
会 か ら 「日本 トラ ンポ リン協会 公 認 審 判 員 」 のみ で 構 成 され,選 手 も実 に 伸 々 と演 技 す るこ とが で きた ので あ る。 生 まれ て初 め て見 る トラソ ポ リソ競 技 の素 晴 しさに 拍 手 を 送 る観 衆 が め だ った の も この大 会 の特 色 で あ り,翌 日 の新 聞 に は トラソポ リン競 技 の模 様 が写 真 入 り(女 子 シ ン ク ロナ イ ズ ドの演 技)で 大 会
⑫ 成 績 と と もに 報 道 ざれ た 。
そ の後,・選 手 数 も次 第 に 増 加 の傾 向 を みせ る一 方 で,1973年(昭 和48年)に 発 足 した 北 海 道 学 生 体操 連 盟 の主催 事業 で あ る 「北 海 道学 生体 操 競 技 選 手権 大 会 」 に お い て も"ト ラ ソポ リソ競 技 の部"を 設 定 し,今 日 まで競 技 を実 施 してk・
㈲
る。 しか し,こ の大 会 で の参 加 選 手 は依 然 と して10名 前後 で あ る。(本 年,第 8回 大 会)
これ らの競 技 会 が毎 年 開 催 され て きた とは い え,前 述 の 日本 の歴 史 同様,体 操 競 技 界 の軒 を借 りな が ら の競 技 は,選 手 を は じめ トラソ ポ リン競 技 関係 老 に
と って 言 われ ぬ苦 し さが あ った 。
1974年(昭 和49年)7月,道 内で は 初 め て の トラン ポ リン団 体 「北 海 道 トラ ソポ リソ指 導 者 連 絡 協 議 会 」 が結 成 され,指 導 著 の養 成 と トラソポ リソ の普 及 に 全 力 が傾 け られ た 。 結 成 方 年 目に して 「第13回 全 日本 学 生 選 手権 」 〔於 ・道 青 少 年 ス ポ ー ツセ ソ タ ー〕 を主 管 で き るまで 自力 をつ け,同 大 会 の最 終 日に は
「第10回 世 界選 手権 大 会 日本 代 表 選 手壮 行 演 技 会 」 を 実 施,道 内 に おけ る明 日 の トラ ソポ リソ競 技 界 を担 う書 少 年 に強 烈 な 印象 を与 え る こ とに 成 功 した 。
公 認 の 「普 及 指 導 員 」 を160余 名,「 審 判 員 」 を30余 名 … とい う同連 絡 協議 会 の地 味 で着 実 な 歩 み が実 り,1979年(昭 和54年)5月,同 会 を発 展 的 解 消, 新 た に 『北海 道 トラ ソポ リン協 会』 が設 立 され た 。 同年11月,競 技 関係 者 の長 い 間 の念 願 で あ った 「第1回 北 海 道 トラ シポ リン競 技 選 手権 大 会 」 〔於 ・北 見〕
を 開 催 す る。 トラ ンポ リン競 技 を 独 立 開 催 す る まで に,実 に十 年 の歳 月 を要 し た わ け で あ る。 こ の間,幾 人 か の道 内選 手 が 全 日本学 生 選 手権,全 日本 選 手権
⑪ ⑩に同 じ,5頁
⑫ 「飛舞」M4;帯 広大谷短期大学 トランポ リソクラブ発行,1976.11
⑬ 第1回 〜第7回 北海道学生体操競技選手権大 会プ ログラム(1973〜1979)
北海道 トランポ リ嚇 技界の課 題133
へ 参 加 出場 し,健 闘 して い た こ と も見 逃 せ ず,こ れ らが 今 日の北 海 道 トラ ソポ⑭ リソ競 技 界 の礎 石 に な って い るとい って も過 言 で な い 。 ・
本 稿 で は,全 道 各地 か ら約70名 の参 加選 手 を迎 え,北 海 道 トラ ソポ リソ協 会 設 立 記 念大 会 と名 打 った 「第1回 道 選 手 権 」 に お け る一般 男 子Aク ラス,Bク
ラス,お よ び女 子 … の三 ク ラ スを 抽 出 し,そ れ ぞ れ 上 位10名 の選 手 に つ い て の 演 技 内 容 を 分 析 す ると と もに,下 積 み 時 代 の 長 か った 北海 道 トラ ンポ リン界 が .い よい よ本 腰 を 入 れ て 取 組 ん で い か ね ば な らな い,し か も,そ れ が 全体 の競 技 レベ ル の向 上 に直 結 す るた め の当面 の課 題 を浮 彫 りに した い と考 え,論 をす す め るも ので あ る。
こ の課 題 提 起 が,明 日の道 トラ ンポ リソ競 技 界 に 少 しで も寄 与 で きれ ば幸 い
で あ る。 ・
な お,本 研 究 を す す め るに あ た り,競 技 記 録 カー ドな らび に,そ の他 貴 重 な 資料 を御 提 供 い た だ い た北 見工 業 大 学 助 教 授;藤 田一 郎民,「 選 手 に 関 す る調 査 」 に御 協 力下 さ い ま した 全道 各 地 の選 手諸 君,そ して,全 日本 お よび全 日本 学 生選 手権 大 会等 の資 料 提 供 と貴 重 な御 意 見 を 寄 せ て いた だい た 日本 体 育 大 学 専任 講 師;伊 藤 直 樹 氏 … の各 位 に対 し,こ の紙 面 をか りて心 よ り謝 意 を 表 す る
も ので あ るσ
硯 究 の 概 要
1. .対 象
第1回 北 海 道 ト ラ ソ ポ リ ン競 技 選 手 権 大 会 に 出 場 した 選 手 の う ち, 一 般 男 子 ・Aク ラ ス …1位 〜10位
一 般 男 子 ・Bク ラ ス …1位 〜10位,
一 般 女 子1位 〜10位
の30名 を 対 象 に した 。
2.方 法
(イ)全 競 技 を 収 録 した ビ デ オ テ ー プ に よ り対 象 者 の 規 定 お よ び 自 由 演
⑭(9)に 同 じ
ヱ34 人 文 研 究 第60輯
技 内容 を再 確 認 した 。 ・使 用 機 器 …MASTACS〔HITACHI;VT .‑7000〕
(ロ)全 選 手 中,対 象 者 の 「競 技 カ ー ド」(Difficulty‑Po玉ntcard) と 「採 点記 録 」 の原 簿 を も とに演 技 を 分析 した 。
の 競 技 会 に 出場 した 全選 手 に 対 し,r第1回 北 海 道 トラ ソポ リソ競 技 選 手 権 大 会参 加 出 場選 手 に 関 す る調 査』 のア ソ ケ ー ト用 紙 を直 接 配 布 し,こ れ を 回 収 した 。 対 象 者 回 収 率 … … 男 子73.9%
女 子86.6%
計Z8.9%
この調 査 資 料 を 本 稿 の考 察 部 分 に 活 用 した 。
㊥ 第16回(昭 和54年)全 日本 トラソ ポ リン競 技 選 手 権 大 会 な ら びに 第14回(昭 和54年)全 日本学 生 トラソ ポ リソ競 技 選 手 権 大 会'の成 績
内 容 と対 象 者 のそれ とを 比較 検 討 した 。
3.調 査 期 間 お よ び 調 査 会 場
・ ア ソ ケ ー ト調 査 に つ い て
期 闇 昭 和54年11月15日 〜18日
1
会 場 北見工業大学体育館 な らびに各選手宿泊所
結 果 と 考 察
本 大 会 の 規 定 問 題(Compulsory)は 次 の と お りで あ る。 競 技 老 の 増 如 を 主 眼 に お き 作 成 さ れ,難 度(D玉fficultyPoint̲以 下,D・Pと 記 す)合 計 か らみ て も 相 当 低 く抑 え ら れ て い る の が わ か る。 また,本 大 会 は 競 技 日程 の 関 係 か ら
⑮
自 由 演 技 は1回 の み と 決 定 さ れ,本 稿 で は こ の こ と に 十 分 注 意 しな が ら 考 察 を.
す す め た 。
(1◎ 競 技 規 則1.1「 トラン ポ リソ競 技 は,1つ0)規 定 演技 と2つ の 自由演 技 よ り成 る」
… を変 更 ,"1つ の 自由 演技 よ り…"と し,こ れ を 北 海道 選 手権 ル ール と した。
昭 和54・55年 度
●
ク ラ
… 般 男 子Aク ラ ス
1.翼BackS・S
2.BackDrop
3.Pull‑oveT
4。StraddlePikeBounce
5.BackS・S(T)
6.Barani
7.BackDrop
8.%TwisttoFeet
9.TuckBounce
10.BackS・SwitbFullTwist
D・P
32304512066a伍軌砿0朕戟0︒00翫
北 海 道 トラン ポ リン競 技 界 の課題
北 海道 トラ ンポ リン競技 選 手 権大 会 適痢
ス 別 規 定 問 題
(Compulsory)
一 ・般 男 子Bク ラ ヌ
、
1,Div孟ngO.3
2.Crad且eO.3
3、Pull‑over'0.3
4.StraddlePikeBounceO.0
5.BackS・S(T)0.4
6、SeatDrGpO.0
7,SwivelH三psO.1
8.ToFeeto.0
9.TuckBounceO.0
10.FrontS・S(P)0.5
D・P1.9
S・S… …Somersau1ε (T)… …Tuck (P)… …Pike
‑一 般 女 子
1.FuIlPirouette
2.StraddiePikeBounce
3.〕6TwisttoSeatDmP
4.SwivelHips
5.ToFeet
6.P玉keBounce
7.BackDrop
8.%TwisttoFeet
9.TuckBdunce
10.BackS。S(T>
D・P
135
2σ11001204100000QOOGOユ
開 始 年 齢 と経 験 年 数
表1は,性 別,ク ラス別 に よ る成 績 一 覧 で あ る。 各 選 手 の経 験 年 数,つ ま り 本格 的 に トラ ソポ リソ を始 め てか らの年 数 を み る と全 体 的 に 極 めて 浅 い こ とが わ か る。 平 均年 数 で最 も浅 い女 子 の それ は1.28年 で あ り,こ の 中に は わ ず か3 ケ月 ほ どで 本大 会 に 出場 して い る者(全 選 手 中,最 短 年 数)が み られ る。 女 子 に 次 ぐのは 男 子Bの2.18年,男 子Aの2,55年 で あ り,極 め て浅 い 経 験 年 数 で 大 会 に挑 ん で い るの が うか が え る。
全 選 手 中,最 も経 験 年 数 の長 い 者 で6。5年(男 子B),次 い で5年(男 子A) 4.5年(男 子Bに2名)… とな っ てい る。 参 考 まで に,第16回 全 日本 選 手 権(昭 和54年11月 開 催 … 本 大 会 と同 時 期)に 出 場 した 男 子Aの ベ ス ト10選 手 の平 均 経 験 年 数 は6。6年,女 子Aの ベ ス ト8選 手 の それ は5.28年 で あ った 。 入賞 老 の九 割 以 上 の選 手 が5〜6年 以 上 の経 験 を 有 してい た 。 冒 頭 か ら道 内選 手 と全 日本 の一 線 で 活 躍 してい る選 手 とを 比 較 して云 々す るつ も りは ない が,平 均経 験 年 数 で は,4年 以 上 の ひ らきが あ る こ とが 知 れ た 。
136 人 文 研 究 第60輯
表1 性 別 、ク ラ ス 別 に よ る成 績 一 覧
●
多順 氏 名 年 規 定 自 由, 所属 経験
性ス 位 令 得 点順演技点順 難度点 順得 点 順得点合計地区年数
1 1 Kitano・S 21 16.3 1 14.7 1 6.5 2 21.2 1 37.5 北見2.5
2 Satoh・Y 21 15.8 3 11.2 5 7.5 1 正8.7 2 34.5 函館3.0
3 Kitagawa・T 22 15.1 5 12.9 3 4.7 3 17.6 3 32.7 北見3.5
4 Sato』 ・S 24 14.5 6 14.5 2 2.8 7 17.3 4 31.8 美幌2.5
A 5 ChisLima・Y 29 13.7 7 12.4 4 4.0 5 16.4 5 噛30.1 函館5.0
男 6噸Iino・S 20・ 15.2 4 9.1 噛7 2.6 8 11.7 7 26.9 帯広2.0
7 Satoh・T 23 10.5 10 10.5 6 4.7 3 15.2 6 25.7 函館2.5
8 Ikeda・M 24 15.9 2 6.4 9 2.2 10 8.6 9 24.5 士別 2.5
9 Hayashi・K 21 11.8 8, 7β 8 3.7 6 11.3 8 23.1 北見 1.0
10Saito・T, 20 11.5 9 5.5 10 2.5 9 8.0 10 19.5 函館1.β
平 均 22.5 14.03 10.48 4.12 14.60 、28163 2.55
1 A・yama・T . 30 13.6 3 13.0 1 3.6 1 16.6 1 30.2 帯 広'4.5
2 0』tani1・M 20 14.0 2 12.2 2 2.2 6 14.4 2 28.4 北見 0.5
3 Yoshida・C 26 14.5 1 1Q.3 5 2.6 3 12.9 4 27.4 音更 4.5
4 Kobayashi・H 19 13.6 3 9.9 6 2.5 4 12.4 6 26.0 江別 2.0
子B 5 Minamihashi・H 32, 12.4 6 8.9 7 2.0 7 10.9 7 23.3 八雲 1.0
6 Kuwahara・K 30 4.8 7 10.7 3 2.4 5 13.1 3 17.9 八雲 1.0
7 Tazawa・K 34 12.5 5 3.6 10 1.1 9
. 4.7 10 、17.2 八雲 1.0 8 Mori卜M 20 1.4 10 10.7 3 2.0 7 12.7 5 14.1 北見 0.5
9 Asayama・H 24 4.1 8 6.8 8 2.8 2 9.6 8 13.7 八雲 O.5
10Ohta・N 24 2.6 9 4.6 9 0.9 10 5.5 9 8.1 北見 6.5
平 均 25.9 9.35 9.07 2.21 11.28 20.63. 2.18
1 Zaishyo・K 21 14.4 2 12.2 2 3.1 1 15.3 2 29.7 帯広2.5
2 To血yama・S 23 14.8 1 11.8 3 2.9 2 14.7 3 29.5 函館0.67
女 34 Aokf・H
Ohsumi・Y
19 19
1L8
馬
12.7 7 4
13.2 10.7
1 5
2.4 L3
3 8
15.6 12.0
1 5
27.4 24.7
帯広 北見
1.5 0.5
5 YosLida・Y 18 13ユ 3 9.7 7 1.5 5 11.2 7 24,.3 帯広2.5
、6 Kim腿ra・C 22 12.6 5 9.4 8 1.4 6 10.8 8 23.4 大樹3.0
子 78 Watanabe・N
Matsuda・K
20 19
12.5 9.3
6 10
8.9 11.0
10 4
1.4 2.4
6 3
10.3 13.4
9 4
22.8 22.7
函館 函館
0.67 1.0
9 OLta・M 18 11.2 9 10.4 6 1.0 9 11.4 6 22.6 帯広0.5
10Hayasaka・N 18 11.5 8 9.2 9 0.7 10 9.9 10 21.4 北見0.25
平 均 119.7 12.39 10.65 1.81 12.46 24.85 1.28
選 手 の平 均 年 令 は,高 い 順 に 男 子Bの25.9歳,男 子Aの22.5歳,女 子 の19.7 歳 と な っ て お り,こ れ と さ き の 経 験 年 数 と か ら,男 子に つ い て は,成 人 に 達 し て か ら ト ラ ン ポ リ ソ を 本 格 的 に 始 め る 姿 が 浮 彫 りに され る。 な が ん ず く ,Bク
北 海 道 トラ ソポ リン競 技 界 の課 題 ヱ37・
ラス に お い て は,24歳 頃 か らベ ッ トを踏 み 始 め る とい う開 始 時 期 の遅 さ がめ だ つ(30歳 以 上 が4名)。 女 子 の踏 み 始 め は18歳 頃 とい うこ とに な る。 本 大 会 に お け る男 子Bク ラヌ の設 定 は,道 内に おけ る トラソ ポ リソ競 技 選 手 の底 辺 拡 大
…を ね ら った も の だが,こ の 点 で の 効 果 は 一 応 認 め られ るも の の,参 加老 の年 令 か ら考 え,今 後 は さ らに若 い年 令 層 へ の新 た な普 及 対 策 が望 まれ る と ころ で あ る。 また,男 子 選 手 の ほ とん ど がそ れ ぞれ の地 区 に お い て指 導 者 的 立場 に立 ち
⑯
次 代の子 ど もた ち の指 導 育成 に あ た って お ウ,こ の 「選 手 兼 指 導 者 」現 象 も, 道 内 り一 つ の特 徴 とい え よ う。,
◇ 規 定 演 技 に つ い て
規 定 演 技 の 「で きば え」 に つ い てみ ると(図1),男 子Aで の平 均 は14.03 で,こ の平 均 を 上 ま わ った 老 は4名 に と ど ま って い る。 で きば え 換 算 で は70.15
%(全 ク ラ ス中 最 高)と な り,一 応 無 難 に こな して い るとい って よい 。D・P合 計2.6の この規 定 は,'選 手 に と って は む し ろ得 点 源 に な って い た 感 が す る。
男 子Bに つ い てみ る と,そ ので き ば え は46:75%で 最 も低 い 。 これ は 大 過 失 者 の4名 の得 点 が大 き く影 響 した こ とに よ るが,本 規 定 を七 割 か た こな せた 者 が わず か に2名 で あ った こ と,残 る4名 も六 割 ほ ど の得 点 しか あ げ られ な か っ た こ と… な ど も注 視 す る必 要 が あ る。
女 子 で は,い わ ば"ド ン グ リの背 く らべ"で,そ ので きば えは 六 割 程 度 で あ る。
男 子B同 様,本 規 定 で 七 割 以 上 の得 点 老 は2名 に す ぎ ない 。D・P合 計 は1.1と い う極 め て や さ しい 内 容 で あ り,男 子Bよ りも0.8も 下 まわ る構 成 か ら考 え, 女 子 の競 技 力 向 上 が 北 海 道 に おけ る当 面 の課 題 のひ とつ と言 わ ざ るを えな い 。
◇ 自 由 演 技 に つ い て
全 ク ラス と もそ ので きぽ え は規 定 よ りも低 く,自 己 の得 意 とす る持 ち技 で 構 成 し,演 技 す る 自由 演技 で この よ うな結 果 に お わ って い るの は期 待 はず れ で あ
'
⑯ 「普 及 指導 員 名簿 」;日 本 トラソ ポ リ ン協 会,1979
ヱ38 人 文 研 究 第60輯
男子A
男子B
女 子
図1演 技 点 か らみ た 「で き ば え」比 較(%)
50 100
[ユ 規定演技
った 。 女 子 が10.65"(で き ば え 換 算 で53.25%)と 男 子Aの10.48(52.4%)よ
り ご くわ ず か 上 ま わ っ て は い る も の の,い ず れ も 五 割 ほ ど の で き ば え で 感 心 し な い 。 しか も,女 子 のD・P平 均 は1.81と い ,う低 さ で あ り,さ ら に そ の 平 均 を 下 ま わ る者 が6名 も お り,"内 容 が 薄 く,演 技 は 半 分"∴ で は 前 記 の 課 題 意 識 は 強 ま る ば か りで あ る。
ま た,全 ク ラ ス に 言 え る こ とだ が,や は り 自 由 演 技 で は,少 な く と も六 〜 七 割 以 上 の 演 技 点 を だ せ る よ う な 種 目構 成 を す べ き で あ り,自 己 の 演 技 力 と種 目 構 成 の ア ソ バ ラ ソ ス が 推 察 さ れ,こ の 点 は 特 に 各 人 の 再 考 を 要 す る。
っ ぎ に,各 ク ラ ス に お け る得 点 合 計 か ら み た 順 位 間 の 差 が 表2〜aで あ る。
力 の 差 が 最 も 大 き い の は 男 子B(22.Dで あ り、,次 い で 男 子A(1&0),女 子 (8.3)と な っ て い る。 差 計 を 単 純 に 順 位 間 に 割 振 っ た 場 合,男 子Bで2.54, 男 子Aで2.0,女 子 で0.9が そ れ ぞ れ う ま る こ とに な る。 男 子 は 各 人 の 力 量 差 が 女 子 よ り も 大 き く,競 技 力 の バ ラ ツ キ が め だ つ 。 女 子 は 全 体 に ほ ぼ 似 か よ っ た 力 量 で あ り,そ の レベ ル は 非 常 に 低 い 。
昏 こ の 順 位 間 差 を1〜3位 の 者 に つ い て み た 場 合(表2 〜b) ,男 子Aで は,
北 海 道 トラソ ポ リン競 技 界 の課 題 ヱ39
表2〜a得 点 合 計 か ら み 〕ヒ順 位 間 差(1〜10傑)
性 クラス ① 〜② ② 〜③ ③ 〜④ ④ 〜⑤ ⑤ 〜⑥ ⑥ 〜⑦ ⑦ 〜⑧ ⑧ 〜⑨ ⑨ 〜⑩ 差 計ρ
A 3.0 1.8 0.9 1.7 3.2 1.2 1.2 1.4
曹
3.6 18.0 男
珍 1.8 1.0 1.4 2.7 5.4 0.7 3.1 0.4 5.6 22.1
女 0.2 2.1 2.7 0.4 0.白 0.6 0.1 0.1 1.2 8.3
〈注>6内 の 数 字 は 大 会 成 績 順 位 3位 か ら1位 ま で の道 の りに は4.8,男 子Bの そ れ に は2.8,女 子 に は2.3… も の距 離 が あ る。(幸 い に して,こ れ らの 中 に演 技 中断 者 が 一 人 もみ られ なか っ た ζ とばせ め て も の救 い で あ った)
表2〜bベ ス ト3の 順 位 間 差
性 蓑 ① 〜② ② 〜 ③ 差 計 A 3.0 1.8 4.8 男
B 1.8 1.0 2.8
女 一 0.2 2.1 2.3
〈注 〉 ○ 内 の 数 字 は 大 会 成 績 順 位
以 下,自 由 問題 の構 成 内容 お よ びD・Pに 関 して,さ らに 詳 し くなが め てみ るこ とに す る。
(1)演 技 の 申 告 に 対 す る内 容 変 更 と 中 断
表3は,演 技 前 に 提 出 さ れ た 「演 技 申 告 カ ー ド」 に よ る,D・P合 計 と,演 技 終 了 時 のD・P合 計 を ク ラ ス 別 に ま と め た も の で あ る。 冒 頭 で 述 べ た よ うに,・
今大会は舳 厳,・1回 のみめ試撫 順位撒 定さ泌 雛 艦 をと。た霧
⑯ 鱒 に同じ
4
140
表3
人 文 研 究 第60輯
自 由 問 題 に お け る 申 告D・Pと 結 果D・P1'
◎D・P…Difficultypoint(難 度 点)
申 告 結 果 演 技
性 ク ラス 順位 氏 名
D・P 順 D・P 順 差
続行 中断 続行数
1 Kitano・S、 6.5 2 6。5も 2 0 ○ 10
2 Sato』?Y 8.2
、 1 7.5 1 一 〇.7 O 10
3 Kltaga冊T 5.9 3 4.7 3 一12 ○ 1G
4 Sat曲 ・S 4.1 8' 2.8 7 一1 .3 ○ 10
A 5 C』ishima・Y 4.0 9 4.0 5 0 ○ 10
男 6 Iino・S 4.4 7 2.6 8 一1 .8 ○ 8
7 Satoh・T 5.2 6 4.7 3 」0 .5 ○ 10
8 Ikeda・M 3.6 10 2.2 10 一1 .4 ○ 6
9 Hayashi・K 5.9 3 3.7 6 一2 .2 ○ 10
10 Saitoh・T 5.7 5 2.5 9 一3 .2 ○ 5
平 均 5.35 4.12 一1 .23 7噛 3 8.9
1 Aoyama・T 3.6 4 3.6 1 0 ○ 10
2 0』tani・M 2.7 6 2.2 6 一 〇.5 ○ 10
3 Yosbida・C 4.4 1 2.6 3 一1 ,8, ○ 10
4 Kobayashi・H 3.8 2 2.5 4 一1 .3 ̀ ○ 8
子 B 5 Minam{hashi・H 2.0 9 2.0 7 ⑪ ○ 9
6 Kuwa』ara・K 2.4 8 2.4 5 0 ○ 10
馳7 Tazawa・K 2.6 7 1.1 9 一1 .5 ○ 3
8 Moril・M亀 2.0 9 2.0 7 0 ○ 10
9 Asayama・H
'
3.8 2 2.8 2 一LO ○ 8
10 Ohta・N 3.1 5 0.9 10 一2 .2 ○ 3
平 ・ 均 3.04 2.21 一 〇.83 5 5 8.1
1 Zais』yo・K 3.2 1 3.1 1 一 〇.1 ○ 10
2 Tobyama・S 2.9 2 2.9 2 0 ○ 10
女 3 Aoki・H 2.4 3 2.4 3 0 ○ 10
4 0』sumi・Y 1.3 8 1.3 8 0 ○ 10
5 Yosh玉da・Y 2.O 6 1ボ5 5 一 〇.5 ○ 8
,6 Kim腿ra・C 2.1 5 1.4 6 一 〇.7 ○ 8
7 Watanabe・N 2.0 6 1.4 .6 一 〇.6 ○ 9
8 Matsuda・K 2.4 3 2.4 3 0 ○ 10
9 Ohta・M 1.0 10 1.0 9 0 ○ 10
子 10 Hayasaka・N 1.1 9 0.7 10 一 〇.4 ○ 8
印 平 均 2.04 1.81 一 〇.23 6 4 9.3
'
北 海 道 トラ ンポ リン競 技 界 の 課題 ヱ4ヱ
選 手 の緊 張 度 は 一 段 と増 した に ち が い な い 。潰 技 を 「小 さ くま とめ るか 」 あ る い は 「思 い き り大 担 に 技 を かけ るか 」 そ の他 い ろい ろ な考 えが 演 技 開 始(直)前
まで交 錯 した で あ ろ う と推 察 す る。 しか し,そ れ らは お そ ら く演 技 続 行 能 力 に 優 れ た選 手 とそ うで な い選 手 とで は,そ の緊 張 の度 合 に は 相 当 な隔 りが あ っだ 筈 で あ る。 トラソ ポ リソ競 技 に おい て 『演 技 の 中断 』 は ど う して も避 け なけ れ ば な らな い。 中断 は,演 技 者 に と って決 定 的 打撃 で あ る。 そ の意 味 では,中 断 せ ず に10個 の演 技 を とおせ た 老(つ ま り,続 行 者)は,現 況 か ら入 賞 もけ っ し て夢 で は な い ので あ る。 換 言 す れ ば,灘 技 中 断 は"大 きな 落 し穴"で もあ るわ け だ。 中断 後 の演 技 は無 効 で あ り,し た が っ て採 点 ・評 価 も され ない … とい う競 技 規 則 は,「 運動 のい わ ぽ 質 的 内 容 を競 い 合 う」 点 で共 通 す るス ポ ー ツ(体 操
⑱
競 技,フ ィギ ュア ・ス ケ ー ト,新 体 操 … 等)と 比較 した 場 合 で も最 も大 きな相 違 点 に な り,こ うした ル ール は 果 して 真 の質 的 測 定 とで きば え 判 定 に つ な が っ
てい る のか ど うか,筆 者 に は 以 前か ら疑 問 と して残 って い る。 が,こ の 点 に 関 す る論 は 別 の機 会 に ゆ ず る こ と と し,今 大 会 で は,た しか に ごれ らの結 果 を み るか ぎ りに お い て は,演 技 が続 いた か,中 断 して し ま った かが 勝 敗 の重 要 な カ ギに な って い た ので あ る。1回 の試 技 とい うζ とが,そ れ だ け選 手 に対 して プ レッ シ ャ ーが か か った で あ ろ うフ ァ ク タ ーを 軽 視 す るわ け に は い か な い。
図2中 断率と続行(申 告内客不変・内審変更)率(%)
さて,男 子Aで は続 行 老 と中 断者 の比 率 は7対3と なゐ て お り,続 行 者 の う ち,申 告 どお りの演 技 を実 施 した 老 は2名 で あ り,他 の5名 は そ れ ぞれ の 申告
㈹ 「体操競技 の特1生と問魍 田野有一,帯 広大谷短期大学紀要第10号,59頁,1973.3
ヱ42 ,人 文 研 究 第60輯 圃
内 容 を 変 更 して 演 技 を 続 行 した 者 で あ る。 競 技 規 則 で は,内 容 を 変 更 し て の 演 技 は 認 め ら れ て い るが,変 更 者 の い ず れ も 申 告 種 目 の 失 敗,あ る い は,不 完 全 実 施 に よ り変 更 せ ざ るを え な い 状 態 に 追 い 込 ま れ て い る の が 実 態 で あ る。 中 に は,ス タ ー ト種 目 で 着 床 に 失 敗 し,2個 目 か ら は ほ と ん ど 内 容 を 変 更,し た が っ て,申 告 内 容 と は 随 分 か け は な れ た 内 容 に な っ て し ま っ た 者 も み ら れ た 。 申 告D・P平 均 の5.35に 対 し,実 際 の 演 技 結 果(平 均)は4.12と な っ て お り,そ
の 差1.2Sの 減 と な る。 こ の 中 に は3名 の 中 断 者 が 含 ま れ て い るが,各 選 手 に 目 を 転 ず る と,申 告 よ り も3.2の 減(内 容;5個 目 のBaraniOut(T)でto
Feetで き ずKneeDroPに な っ て し ま う)が 一 番 大 き な 減 で あ り,次 い で2.2 の 減(内 容;前 記 の 大 部 分 変 更 者),1.8減(内 容;中 断 者 で,6個 目 のCody が 不 完 全 だ っ た た め,7個 目 の 申 告 種 目 のIBackS・S(P)に つ な げ ずTuck
Bounceを 実 施,8個 目 のIBackS・S(T)は3個 目 と 同 様 種 目でD・Pが カ ッ ト,演 技 は こ こで ス トッ プ した),そ,し て1・4減(内 容;中 断 老 で,β 個
⑲
目 のTuckBoun¢eで 大 き く ト ラ ベ ル,ト ラ ン ポ リ ソ か ら とび 出 す)… と な っ て お り,申 告 ど お り の2名 を 除 く他 の 全 員 が 減 点 を 招 い て い るoな お,心 配 さ れ た 「中 断 の 連 鎖 現 象 」 は み られ な か った 。
男 子Bで は 中 断 者 が 半 数 に も お よ び,こ の 中 に は3個 目 ま で しか 続 か な か っ た 老 が2名 も み ら れ る。 続 行 者5名 の 内, .申 告 ど お り の 実 施 者 は2名 で,残 り の3名 は 内 容 変 更 者 で あ る。 申 告D・P平 均 は3.04で,男 子Aに 比 し て2.31下 ま わ る が,結 果 のD・P平 均 は2.21で0,83の 減 と な っ て い る。 当 然 の こ と な が ら,中 断 老 の 大 減 点 が これ に 大 き く影 響 した も の だ が,中 断 者5名 の 内,4名 が1.0以 上 の 減 点 を ひ き お こ し て い る。 最 も大 き な2.2減 の 演 技 内 容 は,2個 目
のBaraniBalloutか ら3個 目 の 申 告 種 目 で あ るIBackS・S(T)toSeat
DrOPに つ な が らず,こ こ ま で … で あ る。 これ に 次 ぐ1.8減(内 容;5個 目 の ・ Barani不 完 全 が た 準 り,6個 目以 後 の ほ と ん ど を 変 更 しな が ら 続 行 した が, 結 局,11個 の 種 目数 を 演 技,こ こ の 減 点 も 大 き か っ た),1.5減(内 容;中 断
⑲ 競 技 規則1&1.6な らび セこ23.3.2.8
⑳ 競 技 規則19.4
北 海 道 トラ ンポ リン競 技 界 の課 題 ヱ43
者 で,3個 目のPu11‑overで 大 き く身体 の バ ラ ンス を くず し,こ こ まで), 1・3減(7個 目 ㊧Codyが か か らず,単 な るBackDroPと な り,8個 目に%
TwisttoFeetを 行 った が,そ のあ とが 続 け られ な か った)… とな って い る。
全 選 手 中た だ 一 人,D・P減 点0で 中断 者 扱 い とな った 老 が この ク ラスに み られ' た が,こ れ は,申 告 内 容 中D・POの 種 目を抜 い て演 技 した た め,結 局,9個 の 演 技 と判 定 され た こ とに よ る もの で あ る。
女 子 で は 中 断者4名,申 告 どお りの者5名,内 容 変 更 者1名 … とな っ てい る。
申告 どお りの演 技 者 の 内,3名 は フ ィニ ッシ ュ(10個 目種 目)で の着 床 に大 き な乱 れ が み られた 。 また,女 子 は 男 子 に 比較 し,減 点 平 均 は0.23と 少 な い が, これ は 申告D・P平 均 が2.04と 低 い た め で あ る と推 定 で き る。 中 断 者 のす べ て が8個 目,も し くは9個 目 まで の演 技 で あ り,こ れ ら の者 のD・P減 点 だ け で 2.2と な る。 この ク ラス の 中断 の主 た る原 因 は,ト ラベ ル(演 技 中 の着 床 箇 所 の移 動)で あ るこ とが 特 徴 づ け られ る。 トラ ンポ リン競技 で は,上 達 者 ほ ど ト ラベ ルが 生 じて も,次 の種 目を か け なが らそ れ を 修 正 し,最 後 まで 続 け てゆ く 技 術 が 身 に つ い て い るが,本 道 の女 子 選 手 に は,そ れ だ け の も のが まだ 宿 って い な い。
男 女 を 総 合 してみ る と,中 断 演 技 率 は40%,続 行 演 技 率60%(申 告 どお りの 演 技 率30%+内 容 変 更 演 技 率30%)と な る。 当 然 の結 果 とも解 釈 で き るこ とに 内容 を変 更 してD・Pが 申告 よ りも増 え る とい ったD・P加 点 者 は ひ と りも見 当 らな い。 内 容変 更 や中 断 に 関 して大 切 な こ とは,演 技 を続 け て い く中 で,原 因 の違 い は あれ,申 告 種 目に つ な げ られ ず急 遽 内 容 を変 更 す る こ とに よ る精 神 的動 揺 は 否 定 で き な い が,こ れ が,ひ い て は さ らに大 き い 身体 コ ン トロー ル の 乱 れ を よび,中 断 に 結 び つ く ケ ース が ほ とん ど とい ろて よい。 ご く稀 な ケ ー ス と して 一 種 目そ の も のの技 術不 足 に よ る大 過 失 が あ る。 今 大 会 の場 合,演 技 の 前 段,も し くは 中 段 に お い て 演 技 が 乱 れ,そ の 後,内 容 を 変 更 しな が ら も最 後 まで 続 行 した 者 が 男 子 で5名(Aク ラス3名,Bク ラス2名)み られ た こ とは そ れ な りの評 価 を せ ね ば な らな い と考 え る。 つ'まり,内 容 変更 後 も臨機 応変 に 種 目を 連 続 して 実施 して い け るだ け の能 力 が 具 備 され て い るこ とに 対 す る評 価
ヱ44 人 文 研 究 第60輯
で あ って,こ め 能 力 は各 選 手 の種 目(技)の"持 駒"と"試 合経 験 の 深 さ"に よっ て大 き く違 って く る こ とを 身 を も って学 ぶ 必 要 が あ る。
さて,当 面 の課 題 を 考 え る時,次 に 掲 げ る実 態 を 念頭 に おい て おか ね ば な る ま い。
α)演 技 中 に 同種 目を2回 実施 し,2回 目のD・Pを 失 って しま った 、〔男 子.
A… い ず れ もIBackS・S(T)〕
回 種 目の数 え方 を誤 り;10個 以 上 の種 目 とな った た め大 減 点 にっ な が った
〔男 子B〕
の 申告 内 容 の中 ほ ど の種 目を抜 か して 実 施 し,結 果 的 に9個 で 演 技 終 了 と な った 〔男 子B〕
㊥ 演技 中 の.「トラベ ル 」 が ひ ど く,こ れ が 直 接 の原 因 とな り中断 せ ざ るを え なか った 〔男子A,女 子〕
一 これ らは す べ て初 歩 的 な技 術 不 足 と トラソ ポ リソ競 技 に 関す るル ール学 習 の誤 りか ら ぐ る生 まれ て く るも の とい え よ う。 こ こ らあたqに も,現 査 成 長 過 程 に あ る北 海 道 トラソ ポ リソ界 の様 子 が うか が え る。
(2)使 用 種 目 とそ の率
表4に 示 され た 使 用 種 目 と使 用 率 の 数字 分 布 を鳥 鰍 図 的 な 見 か た(適 切 な表 現 で な いか も しれ な いが)を す る と,・左 上方 か ら右 下 方 に か け て の び る数 字 の 帯 がみ られ る。 さ らに,そ こに うめ られ た 数 字 を み て い くと,右 下 方 に ズ レに した が っ て数 が 少 しず つ 小 さ くな って い るこ とに 気 づ く。 ζ の数 字 の帯 と数 の 大 小 は,「 そ の 他」 の欄 に は あ て は ま らな い 。
この表 は,あ え て 「前 方 系 」,「 後 方 系 」,そ して 「そ の他 」 の三 つ に 区 分 し,D・Pの 高 い 順 に な らべ か えた もので,小 計 欄 に は そ れ ぞ れ 使 用 個 数 の計 ,な らび に全 体 個 数(300個)に 対 す る比率 を記 入 した 。
これ か ら もわ か る よ うに,「 そ の他 ⊥ の種 目で は 男 子Bと 女 子 にお いて,か な りの 数 とな って あ らわれ て い る。 こ こで のD・Pは0.2が 最 も高 く,一 般 的 に 言 って,ト ラ ソポ リン競 技 で は技 術 が 低 け れ ば そ れ だ け,こ こ に あげ られ て い