メタバナジン酸アンモンの熱分解反応
保 科 昌 邦 垣野内 成 光 長 田 英 世
The Thermal Decomposition of Ammonium metavanadate
M.HOSHINA, and S. KAKINOUCHI, H. OSADA
We studied on the mechanism of the thermal decomposition of ammonium metavana−
date with differential thermal analysis, thermalgravimetric analysis, X・Ray diffraction
.analysis and chemical analysis. Conclusion are as follows.
(i) Thermal decomposition is composed of three step reactions.
(ii) The first decomposition is endothermal and occurs at 200°C. The reaction equation is as follows;(1)6NH4VO3=(NH4)2.0・3V205十4NH3+2H20. The rate determing step is the diffusion of the gaseous decomposition products into the sample mass.
(iii) The second reaction is endothermic decompositon of(NH4)2・O・3V205 which is produced at the first step. This reaction occurs between 300°C and 380°C. The reaction equation is as follows;(NH4)30・3V205=3V205十2NH3十2H20. But the third step occurs above 400°C. This reaction is reduction reaction of V205 with NH3 gas. This reaction equation is (3) 1.5V205十NH3=1.5V204十〇.5N2+1.5 H20. Then above 400°C, overall reaction is(4)(NH4)20・3V205=1.5V204十1.5V205十〇.5N2十NH3十2.5H20.
(iv) In the air, V204 is oxidized with O2 gas. This reaction occurs above 400°C and reaction equation will be(5)V204十1/202=V205. Then, product reaction of V2040ccurs at the same time with oxidation reaction of it. The reaction velocity of(3)is lower than that of reaction(5)at lower temperatures, but rising the temperatures, on the contrary,
the reaction velocity of(3)is higher than that of(5).
(v) The condition of production of V205 from NH4V205 is affected with the sample mass, kinds of atmospheres, and temperature range.
五酸化バナジウム(V205)は種々の有機物質 その調製条件を設定する為に行った実験結果に就 の酸化反応に有効な触媒として知られているが, て報告する。
その製造条件によって触媒能が変化することも周
(1)実験方法
知の事実である。V205は通常メタバナジン酸
アンモン(NH4VO 3)の熱分解によって生成さ (1・1) 試 料
れ多数の研究報告があるが,NH4VO3からV2 (1)メタバナジン酸アンモン;市販特級で化学 05を生成する反応機構に就て系統的な研究は少 分析によるバナジウムの純度は99・9%でX線回 ない。本報告は主として示差熱分析,熱天秤, 折図は文献値と一致する。
X線回折及び化学分析の方法により,この固相分 (2)五酸化・ミナジウム;上記NH4VO3を空気
解反応機構を検討し,V205生成過程を究明し, 中で500°Cで加熱分解して得られた燈色結晶で
バナジウムの化学分析による純度は99.0%,4
価の・ミナジウムは0.3%或はそれ以下で,X線回 図1N口⑱xo・°示額紛柏 折図は文献値(2)と一致する・
(1・2) 示差熱分析法 吸 島津製自記示差熱分析装置DT 1型及び自製示 熱 差熱分析装置を使用し, 昇温速度は5°/min,
10°C/minである。 熱
(1.3)熱天秤法 顯
熱天秤は密閉石英管中にタングステン製のスプ リングを吊し,その先端に試料を入れた石英カッ
ゆ ゆ ゆ ロ る マ き くゆ
プを下げ,スプリングの延びの変化から重量変化 温 度(℃)
を測定する。測定雰囲気は常圧,減圧,アソモニ
ア気流中で,定速昇温及び定温に於ける重量減少 ここで溶融した後液態状態で反応し・F点近くで 求める。 は発熱変化を行なう。A・B・Cの3つの変化は
(1.4)X線回折 NH・VO・のものであって吸熱分解反応によって
島津製及び理学電機製のX線ディフラクトメ_ V205が生成されると考えられる。以下このA・
タ_を用い粉末法により測定する。測定条件は, B・Cの温度領域の変化を考察する。
対陰極Cu,フィルタ_Ni,電圧30〜35 kV, (皿 1 2)NH4vo8の加熱減量
NH4VO 3は前述の如く低温(500°C附近)で 電流10〜151nAである。
はV205とその熱挙動が相異するのでこの温度 (1・5) 化学分析 _
(、)分解ガrのNH、の蹟溌生NH。ガス 領域に於け礁反応性搬討する為セこ・禧熱分
析法と同一条件で熱天秤法を用いその加熱減量を は0.5〜0.1Nの硫酸に吸収させ常法により分析 _
測定し,その結果を図2にzドす。図2からNH
する。
剰
鳩05
昇温速度5 c冷肌.
纂1蓋↑
NH十VO3
顯
A
B
c
E
(2)バナジウムの定量(3)生成物中のバナジウ
ムは試料100〜200mgを6NのH2SO440ccで
加熱溶解後,4価のバナジウム(V4+)はN/10
KMnO4で滴定し,消費されたKMnO4から ミ20
、 ぢ V4+を求め,5価バナジウム(V5+)はV4+定量 ) x 後の溶液に5ccの燐酸を添加後・ジフェニル燐 肝15 酸溶液を指示薬ととしN/10FeSO4で滴定し, 笹
これから求める全バナジウムとV4+の差額をV5+ 束1。
とした。
(皿) 実験結果及び考察 5
(皿・1) NH4VO3の熱分解過程
図2N脚0。の加熱分解
昇温速度5°%6n.
/
/
●一㊨一◆一●一
200 δ0 300 50 400 」ヲD
(H・1・1) NH4VO3及びV205の示差熱分析 温 度(℃)
常温から1000°Cの温度範囲でのNH4VO3及
びV205の示差熱分析の結果を図1に示す。この VO3は二段の分解反応を行ない,第一段反応は 結果,D, E, F点はV205と同一のものであっ 300°C附近で終り,続いて350°C附近より第二 て,D点迄の温度でNH4VO3はV205を生成す 段の反応が行われることが明らかとなった。この
る。DはV205の融点685〜690°C(4)に一致し, 変化を明瞭にするためdx/dT〜Tとの関係及び
α3
《・・
乳,
o
図3 NH瀞(X②熱分解速度邑示差熱分柏
ハ
ハ
熱分解速度 ・
胸o
o
s2
ε
04
ドR
庫づ 督略
。 ≡go 〆 \ 皇
/ \♂\ 墾8。
へのざ へ
客
⑤烈ぬ A轟度蕊1チ℃・/二・㌔・・
/ °
図5 N脚03分解1は3ザIV爺の変化
゜へ
o
一ゆ
パ
4+
._一」∠__一二_
0 200 400 600 800 1000
温 度 (℃)
ノ ニ段の気体発生反応が生起されることが両曲線を
U 比鮒ることによ朔らかとなった。
(H・1・3)X線回析及び化学組成
その温度領域に於ける示差熱分析の結果を図3に NH4VO3の示差熱分析及び加熱減量で示され 示す。両曲線の変化は同一温度で生じ,第一段は る変化によって生成する物質を検討するために示 大きな吸熱分解反応で多量の気体生成物を生ずる 差熱分析と同じ条件で温度を上昇せしめNH4 ことが認められ,続いて比較的吸熱量の少ない第 VO 3を熱分解し, 図1の熱ピーク, A, B,
C,D, E, Fの反応が完結する温度で試料を取り
、図㌔N㍗加竺罐x三、。m 出し粉末法によるX線回折及び化学分析を行な
った。
X線回折の結果を図4に示す。 又化学分析の 結果を表1に示し,又図5に図示する。
表1 示差熱ピークに対応する化学分析結果
相
度
,1
NH汎
A305℃
B400℃
c500℃
D710℃
E810℃
FglO℃
V5+(モル%)V4+(モル%)形状 処理条件
A, 305°C 98.1 1.9
暗赤褐色
B, 400°C 89.910.1 暗緑色
C, 500°C 99.4 α6
橿黄色
D, 710°C 99.4 α6
黄褐色
E, 810°C 99.0 1.0
黄褐色
F, 910°C 98.1 1.9暗緑褐色
960°C 97.1
2.9 暗褐色
む
Aではd=8.6Aに強い回折強度を示す回折図 が得られる。これは多羅間(5)が200°C,1時間
O IO 20 30 40 50 60 甲0
2e NH4VO3を空気中で加熱して得た三バナジン酸
アンモン((NH4)20・3V205)の回折図と一致す F点はV205が低級酸化物に変化する過程であ る。又この際生成されるV4+は2%程度で殆ん ると推論される。
どがV5+である。 V205は構造論的にはVニ0のπ結合及びσ結 Bでは(400°C)分析結果V4+の生成量がかな 合からなる二重結合性が比較的弱い結合であるこ
り増加して10%程度となり,V205及びV204が とが知られており,(6) この酸素原子は比較的は
同定される。 なれ易い為,通常V205はV205_δなる形にCでは(500°C)分析結果ではV4+は殆んど存 あり,高温ではこの酸素原子はAnion Vacancy 在せずV5+の値は100%近く,又X線図はV2 を通して比較的容易に拡散するといわれている。
05に一致する。 従ってV205の安定な領域は850。C附近迄であ 以上の結果・NH4VO3→V205生成の過程は三 ってそれ以上高温では低級酸化物えと分解するこ 段反応であって,(A)300°Cまで吸熱分解によ とが明らかになった。
り三バナジン酸アンモンが生成すると共に気体生
(1・2)NH4VO3の第一段分解反応 成物を発生し,(B)続いて400℃までは生成さ
れた三・ミナジン酸アンモンが吸熱分解して気体生 NH4VO 3の熱分解過程が示差熱分析・加熱減 成物を発生すると共にバナジウムの低級酸化物 量・X線回折・化学分析から三段反応を経ること が生成され,(C)この低級酸化物は500。C迄に が明らかとなった。第一段反応は大きな吸熱反応 V+5のV205に酸化され,この過程も吸熱反応 で・気体生成物を発生し・X線的には三バナジン であるが,気体の発生は殆んどなく,NH4VO3 酸アンモンが生成される推論されるのでこれを確
よりV205が生成される機構が推察される。 認する意味で反応生成物の組成を化学分析により D(710。C), E(810。C)はV205が熔解した後 解析し・その分解速度に就て検討を加える。
に対応する物質であるが,化学分析ではV205で (皿・2・1) 第一段反応の分解生成物の
あり,又X線的にもV205であり,E点の吸熱 化学組成
現象に就ては再に検討の余地がある。 NH4VO3の熱分解ではその組成からNH3及 F(850°C〜910°C)ではV205は示差熱分析 びH20が生成することは容易に考えられる。
では唯一の発熱を示すがX線的にはV205であ NH3の発生が実、験によって確認されたのでこれ る。然し乍ら化学分析ではV4+の量が増加し, を定量的に測定し, H20量は(熱減量)一(NH3
表2・1第一段反応の物質収支
反応条件
260〜300°C
3hr
200°C
2hr
260。C O.5hr 260°C O.5hr 240℃
1hr 280°C O.5hr 300°C 20min
NH4
試料量
VO8gr
1.0871
1.0498
0.3128
0.3079
0.3238
0.3175
0.3199
三 料
モル数(10−3)
9.29
8.97
2.67
2.63
2.77
2.71
2.73
加熱残量
(gr)
0.9212
0.8918
加熱減量
(gr)
0.1659
0.1580
0.2671 0.0457
i
0.2630
0.2774
0.2747
0.2748
0.0449
0.0464
0.0428
0.0451
生成NH3
重量(gr)
0.1061
0.0991
0.0294
0.0297
0.0303
0.0288
0.0299
生成H20
重量(gr)
0.0598
0.0589
0.0163
0.0152
0.0161
0.0140
0.0152
表2・2第一段反応のモル変化
反応条件
260〜300°C
3hr
200°C
2hr
260°C
O.5hr
260°C
O.5hr
240°C
lhr
280°C
O.5hr
300°C
20min
平 均
≡ 料
NH4VO3モルi数
(×10−3)
9.29
8.97
2.67
2.63
2.77
2.71
2.73
生 成
(NH4)20・3V205
(×10−3)1.54
1.49
0.447
0.440
0.464
0.459
0.460
生 成
NH3モル数
(×10−3)
6.24
5.83
1.73
1.75
1.78
1.69
1.76
生 成
H20モル数
(×10−3)
3.32
3.29
0.905
0.84
0.895
0.78
0.84
モ ル 比 H20を基 ) NH・V・・1(9呈錨,IH・・I NH・
2.80
2.73
2.95
3.13
3.09
347
3.25
3.06
0.461
0.453
0.494
0.523
0.518
0.588
0.547
0512
1
1
1
1
1
1
1
1
1.88
L78
1.91
2.08
1.99
2.17
2.08
199
発生量)=(H20発生量)とし物質収支を求めた 間(約5時間程度)この温度範囲で空気中に放置 結果を表2に示す。固体生成物は前述のX線分析 すると,生成物の空気と接する表面で極めて薄い の結果V205は第一段では認められず(NH4)2 V205と思われる澄色生成物層が形成される。
0・3V205であることが確認されているし,300°C NH4VO3をNH8気流中及びHe気流中に於て 附近迄の重量減少は14.5〜15%であって,2NH4 熱分解を行いX線回折を行うと図6となり・外
VO3→2NH8+H20+V205の反応ではNH3及 界雰囲気の影響を受けず三バナジ酸アンモンが生びH20の全減少率は22%であるから生成物は三 成される。 即ちX線的には第一段反応は外界雰 バナジン酸アンモン(NH4)20・3V205として計 囲気の影響は受けないが・NH3気流中では化学 算を行う。 分析により7〜8mol%のV4+の生成が認められ この結果反応は3NH4VO3→0.5(NH4)20・3 一部NH3によってV5+が還元されることが認め
V205+2NH3+H20又は6NH4VO3→(NH4)2 られる。O・3V205+4NH3+2H20……(1)の分解反応式 に従って進行することが認められ,この(1)式の 重量減少は14.8%である。Duboi, Breton(7)らは
NH4VO3の熱分解の重量減少から(NH4)20・3V2 図6N脚q∋の雰囲気中の熱分解 05が生成され,又多羅間(5)はX線的に(NH4)2
0・3V205を確認し, Jurahan(8)は熱天秤法で280
〜320°Cでの中間生物を(V205)2・NH3・H20と しているが,吾々の化学分析及びX線回折から は第一段の反応は300°C附近までは(1)式に
より反応が進行することが認められ,多羅間や Bretonの結果と一致したものが得られた。但し
む ロ ぼ コゆ ヰ セゆ ゐ
200〜300°Cで生成した(NH4)20・3V205は長時 2e( )
空気中 Q50℃Ihれ
NH3中 Q50℃lhK
He中
Q50℃2h忙
(n・2・2) 第一段反応の分解速度 表3 反応速度と温度
(1)速度式 。 第一一段の反応速度式を求めるため,一定温度に
温度(K)1・/T・…
於ける減量及び加熱時間の関係を熱天秤法により 545 求めた結果を図7に示す。反応率yはy=x/Xe 535
図7NH孤・定温分解 515
↓.O
08
肯)
帯06
4㍉4
Q2
///プ/
/ んン賊審。,5φ礫,L
ワ㌻! 瀞夕でず lll
1.84
1.87 1.94
2.00 2.06
k(…一・)}1・gk
0.20 0.16 0.10 0.085 0.060
一〇.697 一〇.796 一1.0 一1、070 一1.222
1 熱分願応の髄が表面より生成物の拡散であ
・ /!翻。、、, 段階が麟であるかを求める必要がある。
. / / ㎝ (2)反応の律速段階
↑・ / (a)粒度
o ° 5 ,ξ間15(,、。)2° ° 料の速度噛を27・°Cで比較した処・零次反応
でその速度恒数は未磨砕0.155(mir1),磨砕 で示す。(Xeは第一段反応終了時の減量;xは任 0.145(min−1)で殆んど_定で加熱減量には表面 意の時間に於ける減量)。分解率と時間との関係 積の影響がないことが認められた。
は反応率が0.8附近迄の主反応領域では直線であ
って速度式は藍一kの零次反賦で示される. 図9試料持・分僻
表3及び図8に速度恒数と1/Tの関係を示す。 lo この直線の傾斜より見掛けの活性化Energyは
08 10・7kcal/molである。減量測定法で反応速度を求
める場合,(1)試料の熱分解反応,(2)分解生成物の 。6 試料層拡散,(3)試料系より外界えの生成物の拡散 榊 の三段階を経噸量が求まるから,このいつれの 菖・・
ノ
昏 一
図81・8危〜十 ・・
♪/〆c〆ノ 詰〆」
, 戸 翼/ dし 040ε5gr
1!/ e21㌻゜w
r ン× dエq貼㎝φ石英セル //
x
Q8
06
む ゆ
\
1.80 1.『0 2ρ0 2」0
%×1。3(°K− ) °
O 0 2p 40 50 60 ワ0
時間(min.)
時 間(min.)
(b)試料重量 認められ,試料の分解が律速であるならば速度恒 試料内拡散が律速の反応では試料の量により速 数は一定値でなければならないので律速は試料内 度恒数が変化することが考えられる。図9に円筒 の拡散が律速で試料長が生成物拡散に対する抵抗 形の石英セルに充填した異なった重量の分解曲線 、を示すものと解釈される。
を示す・主反応は零次反応であっ彊量が大とな 表4試料形状と分解速度
欝票舗慧錫謡歴翼歴㌶ 萱翌欝i鞠騨1鞠剰罐教)1鷺L
を示す。又図11にlogkとlogwとの関係を示 025
叫
羅α3
型 廼α2Ol
0
図10速度恒致〜壁量
\ °
\ (d)搬での分解
−o_
0.25
O.4 O.5
0,049 O,126 O,196
0.1955 O.1984 O.2050
0,025 O,040 O,050
14.5
P4.6 P4.6
一☆5
旦1。
四 α2 03 《λ4 05 q6 図12加熱遇重曲線 重量(6r) 昇温速度5℃焔m 図11b3食〜1・6跡
\ Φ\
Φ\●
§ 冊15
《〜口
\ぐ 5
。ター°一一→一、・〜
o! 、・〜■一
/
!/ /・イオδ一オ
/ /廷㎞,⑱
///〆直
2〜6㎞㎏之イ /
/ノ
! ノ
/ /
/ /
す。この直線の傾斜は負で1でkは1/wに比例
する._定温度に於て_定時間に_蹟のNH、 と1°kcal/m・1で常圧の場合と一致する・以上の
V。、紛解するとすれば,題増加と共岨応 結果・NH・V°・の髄減少より鍍式を求める誘露璽麟手㌶高璽㌶警翼蕊漂蒜遮漂鷲耀;
㌶黙驚㌢長が長くなるので拡㌶灘慰皇鷲鱗;
た。
(c)容器の大きさ
試料重量をほぼ一定に採取し,容器直径を変化 ⑪・3)三バナジン酸アン毛ンの分解
させ,温度215。Cに於ける速度恒数を表4に示 NH4VO3からV205を生成する第一段分解反応 す。この結果同一重量で速度恒数に大きな差が認 過程で(NH4)20・3V205が認められ・而も比較
ほ ゑふ ぷ ヨゆ
° 211℃ 温 度(℃)
−L6 0\
ヨO −08 一α6 −04 −02 0 温より生じ,同一温度に於ける重量減少速度は常 lo9ぴ 圧に比較して大となる。 この減量曲線よりAn−
− dreev(9)の方法に従い活性化Energyを求める
的安定に採取されるので・NH4VO3を250℃で 解率は12%を越えるが,更に加熱するとその後は 3時間空気中で加熱し,分解生成物表層のV205 重量増加が生ずる。この重量減の反応はその速度 の皮膜を除去した(NH・)・°・3V・°・を試料とし 式は一次式書一k(1−x)セこ従う.−1・9(・−x)
その熱分解性を検討する。(NH4)20・3V205の純 と時間tの関係を図14に,更にこの直線の傾斜 度は98%以上でV4+は1モル%程度含有する。
(皿 3 1) (NH4)20・3V205の加熱分解 図14 −lo6(1一文)〜t 温度335〜550°Cの範囲で空気中で加熱減量を
測定した結果を図13に示す。500°C以上では分
.20
(
」5
鶯
畑ゆ 側
5
図13(NH4LO・31LOsの定温分解 Lo
ぼ ノへ
茨テ羅二:ニー,、⑥.
グ//一一一一
/ /・/°
β丸/°
0 5 10
(NH4)20・3「脇05 400℃
時聞(仇1礼.)
表5(NH4)20・3V205の分解によるV4+の生成
分解温度
400°C 500°C 550°C 610°C力曙ヅ翻湯1(V4+mol%)翻剰(謡亥)籠i易「(品亥)熱劇(温亥)
0.5
1 1.5
2 3 4 5
7.5
8 10 15
0.53 1.54 2.70
6.72 8.73
9.66 9.20 9.43
1.08
2 74 6.16
14.1 13.9
8.53 4.71
1.04
3.55
7.57 10.79
12.44
10.59
7.71
24.3
39.9
45.9
23.4
5.28
10.70 11.56
12.86 13.09 12.54 12.49 12.32
16.0
42.7 56.0
54.3 54.3 55.5 49.8 48.6
発に
生よ ガリス測 の定 吹不 き能
出 し43.5
62.0 60.5
58.1
20 R0
| 9.38
@ 一
1.11
8.86 W.800.24 O.18
11.80 P1.41
36.7 R8.4
一一
1 −
@ 一
旦
一〇1
一〇占
一1.0
図151・a伽+ ㌶㌶懸露㌫ごと麗㌶麗
示す。V4+ の生成反応が自触連鎖的ではない単 純な反応型式であるとしてその初期速度を以て反 dx
応速度とする。即ち百=k(1−x)のx≒0と
すれば書一kとなる.この図の時間・における切線を反応速度kとしてこれを表6に示す。
表6 V4+の生成速度恒数
温度㈹そ・…k一ピb、k
}(mol%/min)
1.l l.5 2工)
十XlO3 500
より速度恒数kを求めlog k〜1/Tとの関係を 図15に示し,これより見掛けの活性化Energy を求めると約9kcal/mo1となる。但し高温に於
400
1.604.0
0,602500
1.38 14.0 1,146550 1.21
21.0 1,322610 1.13
43.5 1,639(時間0に於ける切線)をその反応の速度恒数と 20 した。重量減少後に認められる重量増加は空気中
の酸素の吸着による酸化反応である。
(皿・3・2) 熱分解による組成変化
空気中に於ける加熱分解生成物中のV4+及び t5 その減量を表5に示す。
この結果低温では重量減少及びV4+ の生成量 は低いが,高温になるに従い分解量もV4+ の生
成量も増加する。然し乍ら一定時間後には重量増 翠to 加及びV4+生成量の減少が生じ,空気中の酸素 dD によるV4+の酸化が生じる傾向を示す。而もV4+ 」9 の消失量は500°Cでは5分から25分の間に40%
近くであるが,550°Cでは同一時間に16%近く 05
ては分蹴が極めて大きいのでその初期速度 @ 図17bg〜十
\Φ
ぺ の減少で,高温に於てはV4+の酸化速度は低く, ID l2 14 1・6 片×lo3
☆
至
) 40
‡
〉
o
/
° 500℃ ・ ユ より求めた活性化Energyと一致し減量曲線は 。 (NH4)20・3V205自体の分解反応と生成NH3
ゾ\<一_ ㌻鴛還元反蹴さつた変化を測定した
ヰ
゜ 5 11寺間1『剛釦 3° 更に空気中での分解反応は生成v4+の酸化反
応が生ずるためV4+は一定時間経過後減少して 図16V牡の生成量変化
だ\.一、 El:㌶よ瓢蕊/霊罐誓
表7空気中,He気流中でのV4+の生成(mol%)
温 度 時 間
(分)1 2 3 4 5 8 10
20
400°C
空気中
V4+(mol%)
2.74
14.1 13.9
8.53
4.71 1.11
He 中
(V4+
高盾戟刀j匿㍊7
2.78 8.10
13.3 16.3
22.2 30.0
38.1
50.50.65 3.35 4.29
5.41
6.77 6.56
9.91
12.01500°C
空気中
V4+
24.3 39.9
45.9
23.4 0.24
He 中
v・・ P聾減少
8.81
22.250.9
53.3 53.4
2.65 6.51
12.26
12.37 12.44
550°C
空気中
V4+
16.0
42.7 56.0
54.3
55.5 49.8 36.7
He 中
v・・
゚減少38.0 ガ
肌51羨
1 出
59.8 1 し
1 の た め 測 定 不 能
V5+になると推論したので,これを確認するた する。空気中では400°Cに於てW+の減少と重 めHe気流中で(NH4)20・3V205の熱分解を行 量増加が現われることから(5), V204+%02→
い,その結果を空気中の分解と対照して表7に示 V205の反応が生起される。然し低温400°C附近 す。 では(3)の還元反応速度は比較的小さく完全に(4)の 図13から380。C附近では分解量は&2〜96% 反応が進行しない過程で(5)の酸化反応が生起され であって分析的にもV4+は殆んど認められず反 V4+の生成量が50%以前に於てV5+えの酸化 応は(2),(NH4)20・3V205→3 V205+2NH3+ が生ずる。温度が高くなり500°C以上になると H20あると仮定すると理論減少率は87%であ (3)の還元反応速度は大となり・逆に(5)の酸化反応
って実験結果と比較的よく一致する。400°C以 速度はそれに比較すると小であって一応(4)め反応 上ではV4+の生成が認められ, He気流中では減 が完結した後に(5)の反応が生ずることになる。更 量は124%,V4+の生成は約50%で一定である。 に高温550°C以上ではこの傾向は大きくV205→
多羅間(5)らによればV205はNH3気流中で還 V204+%02の方向に進みV205の解離が見掛
元されV204を生成することが認められ, 又 け上生ずる傾向を示す。
Satava(10)によれば空気中で(NH4)20・2VO2.
5V205が中間生成物として考えられ,更に高温 (W)結 論
ではV6013(V205・(V204)2)カミ生成されるこ 以上NH4VO 3からV205の生成する熱反応 とを示しているが,本実験では空気中でもV4+ の機構を検討した結果次の結論が得られる。
は50モル%生成されることから一応これから中 (1)NH4VO3は空気中に於ては三段の吸熱反
間生成物の生成は考え難く,NH3の還元による 応によりV205を生成する。第一段反応は200V4+の生成が50%あることから(3),1・5V205+ 〜300°C附近で大きな吸熱のある分解をして NH3→1.5V204+0.5N2+1.5 H20の反応が考え 6NH4VO3→(NH4)20・3V205+4NH3+2H20
られ,(2)と(3)の反応を併せて,(4),(NH4)O・3 の反応を行い,その減量は気体生成物の試料内拡 V205→1・5V205+1・5V204+NH3+0・5N2+ 散が律速である。第二段の反応はこの(NH4)2 2・5H20の反応が高温400°C以上に於て生ずると 0・3V205の吸熱分解反応で300〜380°Cに亘り 考えられる。この際の反応の理論減少率は12.7% 行われ(NH4)20・3V205→3 V205+2NH3+
であって実験結果は12.0〜12.4%でよい一致を H20の反応が生ずる。更に高温400°C以上では
1.5V205+NH3→1・5V204+0・5N2+1・5H20 び温度の影響等を考慮して生成条件を決定するこ のNH3による生成V205の還元反応が生じ, とが必要である。
V204の生成が認められoverallの反応として
は(NH4)20・3V205→1・5V205+1・5V204十〇
・5N2+NH3+2・5H20の反応が行われV205と (V)文 献
V204とは等モル生成される。 この還元反応は (1)ASTMCad NO□11 低温では速度が小で高温になるに従いその速度は (2)ASTM Card No 9−387
1大となる。 (3)例えばTreadwell:Analytical chemistry・
(2)空気中ではV204は酸素により酸化され (4)化学便覧・A・Burdese;Ann chim 47785 V205に変化し, NH3による還元反応と, ( 57)
並進的にV、・。+%・、−V、・、の酸化反応が生 ( )多羅間・寺西・宮崎・工化5568(α)
芸ぽ罐蹴謂上で{i}観 灘㌔二㎞、