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異なる二つの物質より成る固体の 二次元の熱伝導

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Academic year: 2021

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(1)

異なる二つの物質より成る固体の 二次元の熱伝導

小 平 吉 男

Conduct三〇n of Heat in TwσDimensions in a Solid Composed      of Two Parts of Di狂erent Materials.

      Yoshio Kodaira

 二つの異なる部分から成る物体の熱伝導,或は類似の問題については既に数回に亘って その解き方を発表した*。今回は二次元の熱伝導の問題を考える。物体は四角な長い柱状 の固体であって,四角な二辺の長さは夫々a,bであるとし,熱は柱の長さの方向へは流

れないとする。X, y軸を切口の面に沿って取り, y方向は一様な物から成るが, X方向

は0からalまでと, a、からaまでとは異なる物質から成るとする。脚符1を0からa、

までの間の諸量につけ,2なる脚符をa、からaまでの間の諸量につけることとする。

 熱伝導の微分方程式として

    吾一r…障+コ診)・

    誓一r・2・(∂2・z・+塾坐∂エ2  ∂y2)・

を用いる。境界条件としては

    (1 、)炉o=0,(π、)炉。=0,

〔0くx<al〕,

〔alくx<a〕

    (・t・)・一・・一(・t・)・一… ki(嘉L吻一・・(莞)。。ai

    (tt  1)ッ・−o=0,(u、)y_b=0,(u2)s_o=0,(u2)y==b=0

を使用し,初期条件を次の如く採る:

    (U、)t・・O=∫、@,y),(U,) _0=∫、(X, y).

 熱伝導の微分方程式(1),(2)の特解として

    u、=E。、,P、 e− ・2(α・2+β・2)t(A。、 COSrc,α、x+B。、 sinrc、α、X)

        ×(Cβ, COSrc、β、Y+Dβ、 sinκ、β、y)

(1)

A v 2

(3)(4)

(5)(6)

(7×8)(9)ao)

⑪⑫

C?

O VN

*Y.Kodaira:Conduction of Heat in an Infinite Solid皿ade of Two Different Parts.

 Geophys. Mag. Vol.21,217−219,1950.

 Y.Kodaira:Vibration of String made of Two Different Parts when a Speial Condition  exits between the Velocities of Propagation and the Lenghts of the Different Parts.

 Geophys. Mag. Vol.21,214−2161950

 小平吉男:相異なる二つの物質の部分より成る半無限固体の熱伝導.明星大学研究紀要 理工学

 部 第1号25−31,1965

 小平吉男:二つの相異なる部分より成る絃の振動解に対する注意.明星大学研究紀要 理工学部  第2号21−26,1966.

 小平吉男:一様な球の外側に別の物質より成る一様な球殻がある場合の熱伝導.明星大学研究紀 要 理工学部第5号,15−29,1970.

(2)

30

    u、=E。、.β、e−Ki2K22(・22+β・2)t{A。、C・・rc、α、(a−−X)+B・,Sin・・α・(a−−x)}

        ×(Cp、 cosκ,β、y十Dβ、 sinrCiβ2y)               ⑭ を用いることにする。

 境界条件(3),(4)によれば

    Aαi−0,A。、=0      ⑮

であるb又境界条件(7)〜OO)}:より

    Cβ1−・,C・、・一・,・・β・一芋…β・一誓一・〔・1・=・・.2・3・…・・〕    ⑯

でなくてはならない。

 境界条件(5),(6)を満足するためには,tを含む因数は互に等しくなくしてはならないか

    α、2+β、2・・α22+β、2,       ⑰ 或は,⑯により

      

    ・・2一α22−。篶・b・(・22−・・2)       es

である。境界条件(5),(6)によれぽ

    Eαi,βiBαr Dβisinrc2a 1a1 = Ea2, P2 BαiDβ2 sinκ1α2α2,

      ⑲

kirc2a iEαi,Pi PaiDβ1 cosκ2α1α1=一た2κ1α2Eα2,βi Bα2Dpi cos rcia 2a2

を得る。但しa−a、=a、とおいてある。これから

Bα,Dlii Eai,β1=Mα1,α2,nsinrclα2α2,      

Bα2Dβ2 Eα2,β2=Mα1、α2, nSinrc2a 1al

と置けばよい。又⑲から

    器畿+鴛篇一・

が得られる。⑱と⑳とからα1及びα、が決定される。

⑱とθとを満足する根には絶対値の等しい正負の根があることは容易に分かる。これら

の式を満足するα1及びα、は無限に多くあることは次の如くすると分かる。

    κ2α1αエ=ξbn, κ1α2α2=ξ2,n

と置けば⑱,⑳は

    才昔一毒昔一。1蕊(rc22−・・2)

      tanξ2,n     tanξ、,n

        十

      =O

      rc2alξ2,n

      κ1α2ξ、,れ

となる。助は

    工旦=士工・L・1L

      rCla2      rc2al

を漸近線とする隻曲線である。鱒は複雑な曲線であるが,同じような形を繰返している曲

線である。これらの曲線は第1図に画いてある。

 ㊧及び臼を満足する正根を大きさの順に並べてS番目のものを各々ξ、,n,s,ξ2,。,sと書

くこととし,それらに対するα、,α2の値を各々α、,n,S,α2,n,sと書けぽ,これらは

    ・一一ltue, ・2・ni・一ξ篇・〔・一・・2・・……〕     ・P

にて与えられる。

(3)

ξ,,n

㈱1

02)

ξ,,n,3

______一一一一一一

一一

一一一一一一    1

1

ξ2.n,2

i

i

ξ≧,n,2

≡__一一

||

 「

0

ξ‥n,1

ξ、.n,2

ξi,n,3

ξ・,

¢31

¢31

      ⑳

       第1図

 ⑳,⑳を03,⑭に代入し,Mα、,α2,nの代りにMn,、と書き, n及びSの許し得る総て の値に対して和をとれぽ,⑮,⑯により⑬,⑭は次の如くなる:

    巧一蕪・4,、・一⌒剃…r・、・2,・,sa2・・…一一・・¥y臼

    ・、一惑娠・−N! K22(a22・ ,S+翻㌔・n・・a 、,。,、a、si・rclcr2,n,、(ar.・)…Zllly四

これに初期条件を入れれば

       co     co

    S・(・・ y)一顯M…S・…α・・n,…S・…α・・・・・・…警・

       ひ     お

    S・(・…)一顯M…S・…α・・n・sa・・S・…α・・n,・(a−X)…¥y

を得る,fi(x, y)とf2(x, y)とをoじについて展開すれば

    fi(・…)一÷義…誓小(石・)…誓幽     ∫⑳一÷る…ZiF−y∫:∫・(x,μ)…輪・

であるから,

    F・(X)一÷:S・(鶏・)・・n7;…一シ…S・…α・!n・sa・S・…a ・・n・sx

    F・(x)≡÷:       E

を満足するようにA4。,sを決定すれぽよい。

∫       ⑬

∫∫・(X,μ)・in一午W=Σバグ…Sin・・αM,…Si…α・・…(・一工)3Z

(4)

32

 Mn, sを決定するためには㈱の両辺に虎、κ、2 sinκ、α、,。,詔2 sinκ2α2,。渦出を掛けて0か らa、まで積分し,BZの両辺にゐ2κ、2 sinκ、α n,ma、 sinκ1,α2,。,m(a−x)を掛けてa、から

aまで積分して加へ合わせればよい:

       …22Si…α・)n・m・a・∫11F・(・)・in・・α・・n・・dC

      +・…2S・…α・・・・…∫aa、F・(・)・・…α・・n・m(・一・)d・

      ほ

   一ΣM・・・…rc・2S・…α・・n・・a・S・…α・1・・ma・∫91・・…α・,n・・x・・nrC・α・・・…d・

      ロ

   +?ilM・・・・…2S・…α・…a・ sin・・α1・n・ma・∫1,S・…α・・n・s(a−・)・・…α・・n・・(・−V)鞠

  しかるに

      ・・一∫1 S・…α・・n・S・・i…α一・d・

       ひ       む

        _ α1,nsmSlnκ2α1,w,sal COSκ2α1,n,ma1 −Cr1,n,s Sm rC2αln, mv ah COS rC2α1,mt sal       κ、(α2、,n,S一α2、,n,m)      

       〔∫≒7π〕,

      ・・一∫σ1si加・α,,n,S(a−・)・i・…、α、,。,m(a−一 x) dx

       ゆ      コ

      α2,h,m SlnrC1α2,n,sa2COS MICr2,n,ma2一α2,n,sSm rC1α2, n,ma2,ntma2 COSκ1α2,η,m,a2

       κ、(α22,n,S一α22,n,m)     .   .                   〔s≒句,

      ・・一∫11s・・…α一鋤一参(・−s n 「c・α・tn・2隠芸α・−a・)

      ・・一∫1,・・・…α一(a−・)・一窒(・−s n 「c・ a ・・戚鴛有偽・…α斗

である。⑱により

      α2、,n,、一一α2、,n,m・=α22,n,S 一一α2、,n,m

であるから,

      k、κ22Sinκ、α、,n,sa、 Sinκ、α、tn,ma、1、+k、κ、2 Sinκ、α、,msa、 Sinκ、α、,n,m a、1,

         コ      ら

      サ       ロ

     _ Sln rCIC「2,n,sa2 Sln rCIC「2,ntm a2 Sln rC2α1,n,sal Slnκ2α1, n, m al

      α21,n,、 一一α2、,n,Pt

     ×{(kirC2Cri,n,m COt rC2α1,ntmal十k2rC1α2,n,m COtκ1α2,n,ma2)

     一(kirC2α;,伽8 COt rC2α1,n}sal十克2rCiα2,n,sCOtκ1α2,n,sa2)}

となるが,⑳は

      k・rc・α・,。,mc・tκ、α、,n,ma、+k、・、α、,伽mc・t・、α、,。,ma、=0,        Bg

      klrc2αi,n,s cotκ2α1,n,s al十ゐ2κ1α2,n,s cot rclcr2,n,sa2=O      G5

であるから,上の式は0となる。

 又

      ゐ、κ、2sin2κ、α、, n,ma、1,+k、rc、2 Sin2rc、α、,mm ai1、

     −t(・、k、…Si・・r・、・、,n,m・a、+a、k、・、2 Si…、α、、n,ma、)

(5)

    一Sin2κ・α一αiSin2κ・α・・n・m ・(k・κ・C漂…a・+虎2κ1 C鵬鷲・…α・

となるが,第二項の括孤内の式2は6ゆにより

      klrc・α一・・…α・・…al(司_一α22;i;ii)

と書くことも出来る。

      k、κ22sin2κ、α,,。,m1,+k,rc、2sin2rc、α、,。,mα、1、≡V(crl,n,m,α,,。,m)

と置くことにする。

⑯により倒,助のエに関する展開式は次のようになる:

       ロ      コ      コ

     F・(・)−ESlnκ1莞芸,《1,S芸15…X

         ・(k,rc・・S・・r・・・・・・…a・∫9 F・(・)・・…α…,ZdZ

         +k、・κ、S・・・・・・・… a・∫11F(・)・・…α・・n・・(a−2)d2)・

     F・・(・)一壽sinκ・咋繍,1緩齋づ

         ・(klrc22S・n…a ・・…a・∫9 F・(2)・・…a ・・… ・d7.

         +k…2S・…a ・,・,・ ・・∫1、 F・(・)・・…α一(a−2)d・・)・

㈲,B8により⑳,旬の展開式は次の如くなる:

       の     の       コ

       2      slnκ1α2,m竹↓α2slnκ2α1,n,mt  ・ 刀π     f (・・y)一丁ΣΣ、一γ(α1,n,m,。2MIM S1・BLy

      ・(k…2S・・rClα・・…a・∫9 ∫:f (…)・・…α・・n・・2…警輌

      輌2S・…α・…・・∫1,∫:f (…)・・…α・…(a−・・)…誓輌)・

    f・・(…y)一÷熟sinκ・α・・晋:鷲驚(a− )…Ty

      ・(k…2S・…α・・n・ma・∫92∫1,・(…)・・…α一・…誓輌

      +k・κ・2S・…α一・・∫1、∫:f (…)・・…α一(一・)…誓・剛・

胸,(r∬)により求める温度は次の式で与えられる:

    ・・、一÷熟・一輌⊇ ・・…緩蕊芸慾…・…る

      ・(k,rc・・S・n・rCla ・…ma・∫9 ∫:X・(・,・)・・…C・・,・,。7L…誓・卿

      +k…2S・…α・・・・…∫1,∫:f (…)・…la 1…m(a・一・)…一筈輌)・

    ・、一÷嘉義・−K22(K12a22・ ・m+¢;三)

( ZSN

O

う .M

t ed.

( o

力 自

(6)

34

   sinκ2α1,竹,仇α1 sinκ1α2,竹,仇(a−X)  . 刀π

×   γ(α、,。_α、,。,。)   Slnゐy

(k…2S・…α・・…・・∫:∫:五(ろ・)・・…α・・…・…7幽

+・、・、2S…、α、,…・、∫1、∫lf・(…)・・…α・・…(一・)…T・・…)・

参照

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