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結果報告(令和元年度) 

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Academic year: 2021

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(1)

- 28 -

視神経脊髄炎の再発に対するリツキシマブの有用性を検証する  第2/3相多施設共同プラセボ対照無作為化試験(RIN‑1 試験)の 

結果報告(令和元年度) 

班員:田原将行1)、大江田知子1)、澤田秀幸2、藤原一男3、中島一郎4、三須 建郎5、清水優子6、岡田和将7、越智一秀8、野村恭一9、深浦彦彰9、 桐山敬生10、森雅裕11

研究要旨

  令和元年まで、視神経脊髄炎(NMO)の承認薬は存在しなかった。我々は抗

CD20

モノクローナル抗体であるリツキシマブの再発予防効果を検証するため の医師主導治験を計画した。試験デザインは、多施設共同プラセボ対照ランダ ム化比較試験であり、平成

25

1

31

日医薬品医療機器総合機構(以下、

PMDA)

の対面助言(P2764-IDEC-C2B8)を経て、そのプロトコールを作成した。平成

26

5

10

日から平成

29

8

15

日まで組入れを行ない、

42

名が組入れ(4 名除外)され、38名に割付/試験薬投与が行われた。リツキシマブ群で

3

名の 脱落があった。治験期間中、プラセボ群にのみ

7

件の再発が認められ、

Log-rank

テストで有意差(p=0.0058)が認められた。有害事象は、リツキシマブ群で

134

件、プラセボ群で

82

件あり、主に

Grade1-2

であった。重篤な有害事象は、8 件でいずれも回復し、死亡例はなかった。本試験により、リツキシマブが抗ア クアポリン

4

抗体陽性

NMO

スペクトラムにおける有効な治療薬であることが 証明できた。令和元年度は

NMO

克服への第一歩となった。

研究目的

我々は、承認薬の存在しない視神経脊 髄炎(NMO)の治療薬開発のため、

平成

25

年より抗

CD20

モノクローナ ル抗体(リツキシマブ)の再発抑制効 果を検証する医師主導治験(RIN-1試

験)を計画した。RCT デザイン作成 では、PMDA 対面助言を経て、プラ セボ群被験者の再発リスクによる不 利益を最大限低減するよう工夫がな された。

所属:1)国立病院機構宇多野病院臨床研究部2)神経内科、3福島県立医科大学多発性 硬化症治療学講座、4東北医科薬科大学老年神経内科学、5東北大学大学院医学系研究 科神経多発性硬化症治療学寄附講座、6東京女子医科大学医学部神経内科学、7産業医 科大学神経内科学教室、8広島大学病院脳神経内科学、9埼玉医科大学総合医療センタ ー神経内科、10奈良県立医科大学神経内科、11千葉大学大学院医学研究院神経内科学

(2)

- 29 -

研究方法

試験は全国

8

施設で実施され、治験期 間は

72

週、目標症例数は

40

名とした。

主な組入れ基準は、過去に抗アクアポ リン

4

抗体陽性が確認されたもの、視 神経炎または脊髄炎の既往があるも の、ステロイド(PSL)5-30mg/日を 内服しているものとし、

PSL

以外の免 疫抑制剤を使用しているものは除外 された。再発の有無、

PSL

量による動 的割付が行われた。試験薬(リツキシ マブまたはプラセボ)は半年毎に投与 され、併用された

PSL

は一定の割合

(1-3mg/4 週)で漸減した。主要評 価項目は、割付から初回再発までの時 間(生存時間分析)、副次評価項目は、

ベ ー ス ラ イ ン か ら の

EDSS

Krutzke's expanded disability status scale)と QOSI

(quantification

of optic nerve and spinal cord impairment)の変化量、ステロイド

減量率とした。

研究結果

 

42

名が組入れ(4名除外)され、

38

名の患者に割付/試験薬投与が行わ れた。リツキシマブ群で

3

名の脱落が あったが、プラセボ群での脱落はなか った。治験期間中、プラセボ群でのみ

7

件の再発が認められ、

Log-rank

テス トで有意差(p=0.0058)が認められた。

副次評価項目である

EDSS

変化量は、

プラセボ群で−

0.26

(95%CI-0.77 to

0.25

)、リ ツ キ シ マ ブ 群 で −

0.32

(95%CI -0.62 to -0.01)と有意差は なかったが、QOSI変化量は、プラセ ボ群

0.63

(95%CI -0.62 to 1.88)と比 較 し 、リツ キシマ ブ群では、−

1.16

95%CI-2.31 to -0.01

) と 有 意 に

(p=0.0331)低下した。ステロイド減 量 率 (% )は 、 プ ラ セ ボ 群で

65.3

(95%CI 51.1 to 79.5)、リツキシマブ 群で

75.1(95%CI 62.4 to 87.9)と有

意差はなかった。有害事象は、リツキ シマブ群で

134

件、プラセボ群で

82

件あり、主に

Grade1-2

であった。高 頻度(4名以上)に見られたものは、

インフュージョンリアクション、鼻咽 頭炎、頭痛、上気道感染、下痢であっ た。重篤な有害事象は、8件でいずれ も回復し、進行性多巣性白質脳症や死 亡例はなかった。

結論

  我々の医師主導治験により、リツキ

シマブが

NMO、特に抗アクアポリン

4

抗体陽性

NMO

スペクトラムにおけ る有効な治療薬であることが証明で きた。速やかな承認申請、早期の臨床 現場への還元が期待され、令和元年度 は

NMO

克服への第一歩となった。

研究危険情報 なし

知的財産権の出願・登録状況 なし

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