〔巡検報告う
夏 季 北 九 州 方 面 巡 検 会 報 告
− の 宮 中 堀 川 治 城 期 間 8 月 3 日 〜 8 月 5 日
巡 検 地 北 九 州 方 面
・北九州芦屋付近の芦屋層群,その化石採 集
o博多湾突端,志賀島の糸島花闘閃緑岩の 貫入のようす,及び閃緑岩の観察,岩石 採集
o芥屋大門及び呼子東方のセツ釜付近の玄 武岩の採集,柱状節理,海食洞の観察,
毎夏行なわれる夏季巡検会が徳山・田代両 先生の御案内のもとに,本年は北九州方面で 行なわれた。参加者15名,台風19号の来 襲もあったが無事に終了した。
は1,000伽をこえると言われている。芦屋層 群 は 下 位 よ り 山 麓 , 坂 水 脇 田 層 に 分 け ら れ
ている。山麓層のゆるやかな傾きをもつ厚い 海緑色砂岩相を観察したのち化石採集にとり かかった。具体的な場所は,山麓の国民宿舎 下の海岸沿いの道路(歩道)脇の厚い細粒砂 岩相である。先の大雨で露頭の1部がこわれ ており,その転石の中から保存のよい海棲貝 化石力涯出する。巻貝もあったが主に二枚貝 で,化石名については詳しくわからないので ここでは省略する。尚,海岸にはきれいな砂 岩のたまねぎ状風化のようすも見られ,ケイ 化木も落ちていた。第1日目は,すぐ上の国 民宿舎「あしや」泊。
8月3日
好天に恵まれ8時半大甲橋横に14名集合。
4台の車に分乗し(車提供者,田代,大塚,
平塚,堀川),北九州に向い出発。途中,博 多より1名加わり参加者15名。約6時間後 第1日目の目的地の遠賀川河口の芦屋に着く わが国有数の大炭田である筑豊炭田は,遠賀 川流域に発達する第3紀層に含まれている。
芦屋付近には,その上部に当る下部中新世
(古第3系)の芦屋層群が分布し,その厚さ
8月4日
午 前 9 時 前 出 発 芦 屋 を あ と に 第 2 日 目 の 最初の巡検地である博多湾突端の志賀島に向 う。米軍基地を通り抜けて志賀島に入ると,
やたらと花問岩を使った石垣などが目につく『
事 前 の 勉 強 不 足 窓 こ の 島 は 花 尚 岩 ば か り か なと思っていると,有色鉱物の多い岩石にか わる。車を下りてよく見ると花樹閃緑岩より 角閃石の結晶が大きい閃緑岩にかわっている
巡検コース 芦屋
芥屋大門 濁遡
セ ツ 釜 = = } 志賀島 a 一
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ア シ ャ の 海 岸
この露頭で花飼岩が貫入したようすがよくう かがえる。北部九州には花閥岩が広く分布す るがそれは大まかに,糸島花閥閃緑岩を代表 とする北九州旧期花樹岩と北九州新期花閥岩 に大別される。糸島花樹閃緑岩の発達地には 花閥岩化された斑れい岩,輝緑岩が認められ るそうであるが,この志賀島の岩石は,塩基 '性岩が花耐岩化されたものと説明があった。
この原岩は三郡変成岩の一員たる古い塩基性 岩とは区別されるべきもので,糸島花臓閃緑 岩の逝入にすぐ先行する同じマグマ系列のも のであろうということである。(「九州地方 よ り ) こ こ 画 し ば ら く の 間 , 賞 入 の よ う す のスライドを作ったり,岩石採集をしたのち 志賀島をあとにした。
博多を通り,次の巡検地芥屋に向い西方に 走り進む。芥屋の大門着12時。中食を済ま せ玄武岩の採集に行く。海岸に出ると柱状節
花 崩 岩 の 貫 入
ケャの大門の玄武岩
理の発達した小山が目に飛び込んで来る。柱 状節理に目をとられて歩いていくと海岸のレ キにつまずく,レキを見るとこれまためづら しい。カンラン石のアメ色の結晶が大きい玄 武岩である。中には,ちェっと見ると白っぽ くて,一見安山岩のようなものもある。岩石 は含まれる結晶を見なければ……と思い直す 各々,石の重さを計算しながら玄武岩の採集 をやる。台風が来幽するらしいということで 予定変更。第3日目の巡検も今日の内に終え ておこうということになった。せっかく遠征 して来たのに雨,風に晒されては……という ことで急いで呼子に向った。最後の巡検地は 呼子東方のセツ釜付近である。
九州西北部には鮮新世〜更新世にかけて玄 武岩類が大規模に噴出しており,先の芥屋の 大門もその中に含まれるし,これからの唐津 一呼子一帯もそうである。これらの玄武岩類
3 の 拡 大
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は,かんらん石粗粒玄武岩,無斑晶および多 斑晶質玄武岩,かんらん石粗粒玄武岩,灰色 かんらん石玄武岩の順に引きつづいて噴出し たという。この地域の玄武岩溶岩は。全体と して緩かく北西方向に傾き海中に没するまで 下している。セツ釜栽が午後三時半過ぎ。先 に芥屋の大門で柱状節理の美しさを見て来た ばかりであったが,このセツ釜では台風の前 兆で慌れる海を背影に,それに輪をかけたよ うな美しさである。見事な玄武岩の六角柱状 の節理である。七つの海食洞が一段とスケー ルを大きくしている。海食洞といい,六角柱 状節理といい,長畢こ渡る自然の底知れぬ力
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を教示してくれる。このセツ釜でもって巡検 コースを終了したが,2日目は呼子泊。
8月5日
いよいよ台風到来ということである。8時 半呼子発。佐賀経由で208号線を南下し,
台 風 ( 1 9 号 ) の 力 を 勉 強 し よ う と , 木 が 倒 れ,看板が飛び舞う中を熊本に帰った。その ため,四台の車は別れ別れになり,同時に開 散できなかった。何も我々のことが新聞に載 らなかったので全員無事らしい。参加者全員 に 代 っ て , 御 案 鬼 御 指 導 を い た だ い た 徳 山 田代両先輩に心からお礼を申し上げたい。〔完