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理科教育における
観察の機能に関する実験的研究(第17報)
一因子分析法による観察力の構造分析と評価法試案一
自然科学教育研究室 高 野 恒 雄
§1.研究の意味
§2.調 査 方 法
(1)調査 対 象
② 7種の観察問題
§3.因子分析と結果の解釈
(1)因 子 分析
②Elementary Linkage Ana1ysisによる結果との比較
(3)相関図による結果との比較
㈲ 因子の解釈
⑤観察力の構造
§4.観察力評価法試案
§5.観察力のタイプと性格の関係
§6.結 論
§1. 研究の意味
これまで筆者は物理,化学的現象および生物事象についての具体的な観察問題を種々な 形で児童,生徒に与え,その観察記録の分析によって観察力の実態と観察力育成上有効な 指導法を次第に明らかにしてきた。ところでこれまであつかってきた各種の観察問題を通 覧すると,一通りの観察様式の種類は出ているといってもよいかと考える。すなわち同質 あるいは類以の観察様式の観察問題はかなり考えうるのであるが,異質の観察様式をもつ 観察問題は割合に少ない状態にあるわけである。そこで本報においては,これまでの観察 問題を整理した上で,同一被検者に全部の観察問題を与えて観察を行わせ,得られた観察 記録の分析を綜合的に行い,それを基磯として観察力の全体的な構造を明らかにしたいと 考え,因子分析法を適用し,その結果を考察してみたのである。
§2. 調 査 方 法
(1)調査対象
110 茨城大学教育学部紀要第十三号
茨城県西茨城郡岩間町立岩間第一小学校,4年生1クラス,38名。
② 7種の観察問題
これまでに各種の観察問題をあつかってきたが,それらの内観察方法の指示を加えたも のなどを一切除き,自由な状態での観察問題7種を被検者に与えた。なおこの場合,観察 問題のもつべき性格として,観察条件を統制することが容易であること,再現性の確実な 現象であること,観察材料を容易に揃えることができるものであること,観察内容に関す る専門的知識なくして表現できるような現象であること,観察内容が豊かであることなど の条件が重要である。各観察問題の内容を要約すれば,つぎのようである。
① ヨウ素の観祭
各被検者に容量20cc位の試験管に約50mgのヨウ素を入れたものと,アルコールランプを 1個つつ配布しておき,つぎのような意味の説明を与える。
「試験管の中には少量のヨウ素が入れてある。今これをアルコールランプで熱していく と,かなり多くの現象がみられるが,それらの現象をできるだけくわしく観察して記録し てほしい。ただし熱し方は始めは静かに熱して,少し時間を経過してからは,どのような 熱し方をしてもよろしい。」
(1)
観察しうる現象は15,したがって15点満点の採点を行う。
② 水素の観察
容量約20ccの試験管に0.1規定硫酸約10ccを入れたものと,別に約1gの華状亜鉛を1個づ つ配布しておき,つぎのような説明を与える。
「試験管の中には希硫酸が入れてある。今この中に別に配布した亜鉛を入れると,水素 ガスが発生する。この場合かなり多くの現象がみられるが,それらの現象をできるだけく わしく観察して記録してほしい。」
(2)
観察しうる現象は18,よっーて採点は18点満点。
③ ヨウ素と塩化アンモニウムの比較観察
各被検者に容量約20ccの試験管に約50mgのヨウ素を入れたもの,同じ大きさの試験管に 同程度の塩化アンモニウムを入れたもの,およびアルコールランプ1個を配布しておき,
つきの説明を与える。
「2本の試験管の中には,それぞれ少量のヨウ素と塩化アンモニウムが入れてある。今 これらを順々にアルコールランプで熱していくとかなり多くの現象がみられるが,この両 者をできるだけ注意深く比較してみると,いくつかのちがっている点が見出される。その
ちがっている点を指摘して記録してほしい。ただし熱し方は始めは静かに熱して,少し時
問がたってからはどのような熱し方をしてもよろしいし,また2本の試験管を熱する順序
高野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第17報) 1n
はどうでもよく,何回交代して熱してもよい。」
(3)
比較観察しうる相異点は7個,採点は7点満点。
④ サクラとクリの葉の比較観察
同じ木の同じ枝から採集した個体差の少ないサクラ(ソメイヨシノ)とクリの葉(理想 的な採集時期は関東で6月中,下旬頃)を各被検者に1枚つつ与えてから,つぎのような 説明を与えた。
「目の前にあるサクラとクリの葉を,あらゆる角度からよく注意深く観察してみると,
かなり沢山のちがった点が見出される。そのちがっている点をできるだけ指摘して記録し てほしい。葉はどのようにあつかってもよい。」
㈲ 比較観察しうる相異点は16個,採点は16点満点。
⑤ 金魚の運動の観察
水槽の中に金魚(ワキン)を2匹入れ,はじめに黒板に金魚の形態図を書いて,ひれの 名称を説明し,つぎのように行った。
「どんな泳ぎ方のとき,どのひれが,どのように動くかなど,じっと観察して,できる だけたくさん,みつけだして,かいてください。」(板書)
(5)
観察点は9個,採点は9点満点。
⑥ 虫めがねによる像の変化の観察
各被検者に新聞紙片と虫めがねを配り,つぎのような説明を与えた。
「まず片手に新聞紙をもち,その腕を伸ばし,もう一方の手に虫めがねをもち,目のと ころにほとんどi接触させる。つぎに活字の印刷してある新聞紙をよく観察しながら,次第 に虫めがねを目から離して新聞紙の方に動かしていくと,虫めがねを通してみえる新聞紙 が,いろいろな姿に変化してみえてくる。虫めがねを目から新聞紙まで動かしていく間に みられるその変化を,できるだけくわしく観察して記録してほしい。」
(6)
観察点は10個,採点は10点満点。
⑦振り子の観察
鉄製の枠の上部に横糸を張り,この横糸の中央部に8cmほど離して2本の糸を結びつけ,
それぞれの糸の先端に重量の等しい金属のオモリを結びつけておく。ここで1方のオモリ だけを振って,次第に他方のオモリに振動を伝える実験を行い,つぎのような説明のもと に観察させた。
「これから行う三つの実験,すなわち糸の長さが同じ場合,糸の長さが少しちがう場合,
糸の長さがずっとちがう場合の各場合において,振り子をよく観察するといろいろな動き
方をすることがわかる。それぞれの場合について,できるだけよく観察して記録してほし
i12 茨城大学教育学部紀要第十三号
い。また最後には,三つの実験全体からわかったことを,まとめて書いてほしい。」
(7)
観察点は15個,採点は15点満点。
以上7種の観察問題を1クラスの全児童に与えたのであるが,時間は各30分間(振り子 の観察のみは実験の時間15分を含めると45分)とし,疲労を考えて1日に2種程度に止め て実施した。得られた観察記録の評価は予め作製してある採点基準によって行い,それぞ れの観察の問題における観察得点を各人について決定した。
§3. 因子分析と結果の解釈
(i)因 子分析
まず因子分析(Factor Analysis)の基礎となる各観察問題に対する観察得点問の相関 曹 係数を表示すれば,表1のようになる。
表1 相 関 係 数 表
\\ @ \ヨウ素 水 素 哩サアン cjウム ヨウ素と サクラと N リ 金 魚 虫めがね 振り子
ヨウ素I i・4831説1棚1細i覇1・・68 水 素1鵬1 脳1鯉1脳1・273 ・586 幾圭敏i細 緬l l鵬t梱1銅 ・・92
サクラとク州謝 ・2371・・831 ・・3・i細1…4 金 魚 ・・87 …41・・9gi・・3・l l・22… 55 虫めがね1・妬51・2731・2刺・3681・22・ 1・258 振り子1・・68[細1・・921 1・・55i・%・i
水素の観察と振り子の観察との相関のように0.586という相当高い値の場合もあるし,サ クラとクリの葉の比較観察と振り子の観察との相関のように0.014という非常に低い値を 示す場合も含まれている。
この表1の相関係数の値をもとに,R一テクニックの完全セントロイド法によって因子
の抽出を行った。その結果得られた因子行列は表2のようになる。
F高野:理科教肯における観察の機能に関する実験的研究(第17報) 113
寵藻一民到 Il皿 1皿 lN r耀性 ヨウ剥・697 朗1−39・1個1.7・4
水 素i・7・21−42・1−・981・3・6一 棚
幾皇穆刻謝1脚1鰯1・396[闘
サクラとク州 説1・3・・1−3・・1−・981謁 金 飼 ・243 ・・9・ 細1.・531.・8・
虫めがね1・6・6 鰯1・・581−・・631.473
振り子1説 1−56・1…61−・98i研
Σ甲 @ λ・98レ7・31副 卜訪313665
ここで4個の因子が抽出されたのであるが,各観察についての4個の因子の因子負荷量
(Factor Loadi㎎)の平方和,すなわち共通性(Communalities)が始めに推定した共通 性の値(表1の各列の最高値)とややずれている観察があるので,その差が±0.1以上に及 ぶときには再び因子の抽出をやり直す必要があるとの論に従った。表2における共通性の 値を新らしい推定値として採用し,第2回の因子分析を行った結果得られた因子行列は表
3のようになる。
表3 第2回因子分析による因子行列
観察因子 ヨウ素 溜 ・27・1−3・31−・・71価1.7・4 @Il豆 皿lwI耀矧推定値
水 剥・74gl−・猛gl−・5・1−・・3 .797 卜8・4
幾圭敏 謝1脚 ・・㏄1−2921細1闘
㌘ラ吉 調1・3321−3・61・・泓1調」論
金 剣・22gl…61・3・・1−・521・・821.・8・
虫めがね1棚1莇1・2・21・2681棚1鵡
振り子 @劇1一澗1・・7・r・・%1鰯i甜1
Σ甲 @匝2四1・7231細1細1翫663
翌(%)3λ6 ・a31臥7属815λ4
なおこの場合,第4因子抽出後の残差行列は表4のようであり,それぞれの残差はほと
んど0に近い値となり,これ以上の因子抽出は無意味であると考えられる。
1i4 茨城大学教育学部紀要第十三号
表4第IV 因 子 残 差 行 列
ヨウ素 水 素
ヨウ素と 哩サアン cjウム
サクラと
N リ 金 魚1虫めがね
振り子
ヨウ剰 1…4ト…1−・・41−・・7レ・・2レ・・4 詠 素 .・艇 1−・・8[一…i…71−・・6[・・33
1 皇箏刻一・・一一・・81 1−…21−…5−…81−・・3 サクラとクリ1−・・41−… 一・・2[ …21・・ぴ4…・32.
金 創一・・7…71−・・51㎝1 1・・321−・25 虫めがね1.・・21−・・61−…81…41・・321 …2 振り子 .・・41・・33}一・・31−・321−・251…21
つぎに表3の因子行列を因子の解釈に都合よくするために,軸の直交回転を2度行った。
まず第1因子と第π因子とについて51°の軸回転を行い,さらに第皿因子と第皿因子とにつ いて28°の回転を行った。この場合第皿因子と第】V因子とについては回転の必要がなかっ た。回転後の因子行列を示せば,表5のようになる。
表5 回 転 後 の 因 子 行 列
蜜察耽到 1 i皿〃i皿一 wl槽性
ヨウ剥 細1脳1・・731−・・7【細
水 素 .8・81・333 …gl−…31・79・
纏皇駝し2981脚 1・3・・1−292 ・38・
サクラとクリ .・4・1・6671・… 1・・84[・48・
金 魚1・・6・一・7・1鋤 i−・152 t ・185
虫めがね1・・761・4621 ・娼・−268[・547 振り子1細 1−・・3・1・・781・・941・556 Σ即 1・・3必1・・54・−5・21・2631a66・
ΣF2
@(%)N
・9.2 122・・ 7.3 3.8 52.3
表5に示されている各観察についての各因子の因子負荷量の値から,まず各因子を主と して含む代表的な観察を2種つつあげれば,第1因子は水素の観察と振り子の観察に強く,
第皿因子はヨウ素の観察とサクラとクリの葉の比較観察に強く,第皿因子は虫めがねによ る像の変化の観察と金魚の運動の観察に強くあらわれていることがわかる。なお第V【因子
については ΣF2,すなわち観察の全分散の巾で因子の占める割合,換言すればその因子 N
で説明し得る範囲が3.8%と低いので,この因子は捨てて解釈を控えた方が無理がないと考
高野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第17報) 115
え,これを外すことにする。
(2)Eleme皿tary Linkage Analysisによる結果との比較
上述のように因子分析によって1,∬,皿の3個の因子が抽出され,それぞれの因子を 強く含む代表的な観察の種類も明らかになったのであるが,これらの観察が間違いなく各 因子を代表するものであるかどうかを,さらに別の方法で確かめてみた。それは数年前ミ シガン大学のMc Quitty氏によって提唱されたElementary Linkage Analys:s(要素関
(8)
連分析と訳しておく)である。すなわち表1の相関係数表を基礎として,相関の強い観察 の組合せを一定の方法で選択し配列することによって,図1のようなタイプ(Types)が 抽出できた。 虫めがね
この鵬劇の分析法鎌に \
適用するとタイプ1だけが抽出され Type I ヨウ素 るのであるが,同じ観察の種類が2
水素 振り子度以上主軸の横にある枝の方には現
われてもよいという条件で分析を進
素の観察と振り子の観察との相関が
中心を占め,ヨウ素の観察が第1の Type II ヨウ素 サクラとクリ
イトコ(従兄弟) (First Cousin)
一の位置にあり,虫めがねによる像の 虫めがね 変化の観察が第2のイトコ(Second
Cousin)になる。これから各観察間
の類緑関係の強弱が明らかにされた Type III
金魚___虫めがね わけであり,タイプ1はその中心が
図1Elementary Linkage Analysisの結果 水素の観察と振り子の観察であるこ
とから,因子分析によって抽出された第1因子と一致するとみてよいであろう。
それからタイプ皿はヨウ素の観察とサクラとクリの葉の比較観察の相関を中心にした類 緑関係を示しており,因子分析による第皿因子に一致し,タイプ皿は金魚の運動の観察と 虫めがねによる像の変化の観察の相関を中心にしているので,因子分析による第皿因子に 一致するのである。ここで「金魚」から「虫めがね」へは実線の矢印で示してあるのに,
その反対方向は点線の矢印で示したのは,金魚の運動の観察にとっては虫めがねによる像
の変化の観察は最も強い相関をもっている観察であるが,虫めがねによる像の変化の観察
116 茨城大学教育学部紀要第十三号
の方からみると金魚の運動の観察は他の観察に比して強い相関とはいえないことを表現し たのである。また抽出されたタイプの数は3個であって4個はないことは,因子分析にお いて第IV因子を捨てたことが妥当であったことを証明することになるであろう。
以上のように,ここで得られた3個のタイプは因子分析によって抽出された3個の因子 と全く一致するので,因子分析の結果が別の側面から証明されたことになる。
(3>相関図による結果との比較
筆者は,各観察間の相関関係の全体的な姿を,視覚的に把握しやすいようにするために,
相関の高さを段階的に分類して相関関係を図式化したものを作ってみた。それは図2のよ うになり,相関図という名称を与えておく。
,一一 一一一『『、一_ノ 、
ノ 、
、 、
@、 、 、
@ 、 、 、
\鳶心、
ヨウ素と塩化一一一一一虫めがね アンモニウム 1 0.50以上 1
0.35〜0.49 ;
金魚
一一一一一 Z.20〜0.34
図2 相関図(相関の高さを示す関係図)
図2においては,相関の高さを3段階に分類し,相関係数0.19以下は低値であるが故に 切り捨てて表現しない方がよいと考えたQこの図から各観察相互の相関関係が視覚的にわ かるのであるが,左側にみられる振り子の観察と水素の観察の関係を軸として1個のグル 一プが存在し,右側にはサクラとクリの葉の比較観察とヨウ素の観察の関係を軸としてグ ループがみられ,右下方には金魚の運動の観察と虫めがねによる像の変化の観察の関係を 軸としたグループがみられるのである。
相関図におけるこれらの各グループに属する観察の種類は,因子分析およびElementary Unkage Analysisの結果とよく一致しているわけであり,前述の因子抽出が妥当であるこ
とが再び認められる。
㈲ 因 子の 解釈
表5の回転後の因子行列を検討しながら,前述の3個の因子の解釈を行ってみると,っ ぎのようになる。
まず第1因子は前述のように,因子負荷量の大きさから水素の観察に最も強く,ついで
振り子の観察に強く含まれ,他はヨウ素と塩化アンモニウムの比較観察とヨウ素の観察に
僅かに含まれる程度で,それ以外は取るに足らない。したがって水素の観察と振り子の観
高野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第17報) 117
察に共通で,他の観察とは異なった観察の因子を考える必要がある。それは観察対象である 自然現象が時間的に変化の烈しいという特ちょうをもっていることであると考えられる。
すなわち現象の変化に対して敏感な注意を十分働らかせて行う必要のある観察である。換 言すれば現象の成り行きの観察ともいえる。水素の観察においては,希硫酸の中から発生 してくる水素ガスの泡が次第にいろいろな変化をみせ,現象の時間的変化の多様性を十分 もっており,振り子の観察は振り子の振動の変化の仕方を糸の長さと結びつけて観察する ので,文字通りの時間的な変化の後をおっていくわけである。このような現象の変化の観 察という側面は,ヨウ素と塩化アンモニウムの比較観察やヨウ素の観察においても試験管 の中における結晶の昇華現象にも少し含まれているが,他の観察においてはほとんどみら れないといえる。特に因子負荷量が0.041という最小値を示しているサクラとクリの葉の 比較観察は,目の前にある葉のありのままの観察で全く時間的変化を含まないといっても 過云ではない位で,丁度符号するわけである。以上で第1因子が「変化の観察」であるこ
とがわかる。
つぎに第五因子は,ヨウ素の観察に最も強く含まれ,ついでサクラとクリの葉の比較観 察に強く,他は虫めがねによる像の変化の観察,ヨウ素と塩化アンモニウムの比較観察,
水素の観察などにある程度含まれている程度である。ヨウ素の観察とサクラとクリの葉の 比較観察に共通で他の観察とは異なった観察の因子は,観察対象の偶々に至るまで微視的 な注意をよく行きとどかせて行う観察で,要約すれば「多角的観察」といえる。また換言 すれば現象をよく見回して行う観察ともいえる。ヨウ素の観察においては,試験管の中で
ヨウ素の結晶が加熱によって融解あるいは昇華し,ガスが再び結晶し管壁に付着する間に,
多様な現象がみられるので,微視的な注意が各所によく働らく必要があり,サクラとクリ の葉の比較観察においても,葉の全体的な形から始まって周辺の鋸歯や葉脈その他の部分 的な形態の観察になると,微視的注意をよく各部分に多角的に働らかせるほど観察が進む のである。他の観察においてこの因子の側面がある程度みられるのは,虫めがねによる像 の変化の観察において像が逆さになる場面,ヨウ素と塩化アンモニウムの比較観察にお けるヨウ素と塩化アンモニウムの「比較」の場面,水素の観察における試験管の部分によ る現象のちがいについての観察などにおいてである。そして興味のあるのは因子負荷量の 最小値一〇.031を示す振り子の観察においては,観察を多角的にしないで,目を据えて変化
を観察していかなくてはならない性格をもっているので,よく符号することである。
つぎに第皿因子は,虫めがねによる像の変化の観察に最も強く含まれ,っいで金魚の運
動の観察に比較的強く,他はヨウ素と塩化アンモニウムの比較観察にある程度含まれて
いる程度で,それ以外はごく僅かといってよい。虫めがねによる像の変化の観察と金魚の
118 茨城大学教育学部紀要 第十三号
運動の観察に共通な特ちょうは,ある瞬間,ある点に注意を鋭どく集中し,食い入るよう に観察するとき始めて観察点が把握できる面が多いという点である。要約すれば「集中的 観察であり,鋭どい観察である。虫めがねによる像の変化の観察は,虫めがねをほとんど 目に接触させている位置から次第に新聞活字の方に移動させていくとき,始めから像の姿 を把握するのに神経のエネルギーを集中させる必要を感ずるが,それは中間の像が逆さに 見える場面では一層強くなるので「集中」の大切さが十分感じられるし,金魚の運動の観 察においては,金魚は魚の中では運動が緩慢な方であるので比較的観察しやすいとはいっ
り,注意の集中が強く要求されるのである。他の観察においてこの因子の側面がある程度 みられるのは,ヨウ素と塩化アンモニウムの比較観察において,ヨウ素との比較のもとに 塩化アンモニウムの昇華現象をかなり不透明の管壁を通して観察する場面などにおいてで ある。因子負荷量が0.000で皆無であるサクラとクリの葉の比較観察においては,たしかに 注意の集中という面はみられず,専ら多角的観察が要求されるのである。したがってこの 値は自然に解される。
以上,3個の因子の解釈を行ったが,これを簡単に表示すれば表6のようになる。
表6 因 子 の 解 釈
因子1名訓腰な注意のタイプ陣 名
Ii変化の翻変化に対する臆の敏劇成り行き鰹
司多角的酬微襯注意の頒性障回す縣 皿陳中的翻注意の鋭角的集帷睡、燃
(5>観察力の構造
観察力の構造を因子分析の結果と結びつけて考えてみると,上述の3個の因子は観察力
の構造の3本の柱を形成しているといってよいであろう。表5の最下欄の を各因 N ΣF2
子について比較すると,観察の全分散の中で因子の占める割合すなわちその因子で説明し うる範囲は,第皿因子が22.0%と最も大きく,したがって観察力全体における重みが最大 であるといえよう。
つぎは第1因子で19.2彫であり,第五因子にさほど劣らない重みをもち,また第1番目 に抽出された因子であるので,因子の性格の鮮明さからいえば最も明確である。
最後に比較的重みは軽くなるが,7.3%を示す第皿因子が存在している。この場合各因子
の重みを示す値はこの研究で行った7種の観察についていえることであるので,これを絶
対視することを控えて,観察力の構造を一応図3のような形で,3個の因子を平等に把握
高野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第17報) 119
するのが無理のない姿であると考えるQ
§4 観察力評価法試案変化の観察 ,
観察力の構造が上述のように3個の因子によっ て主軸が形成されているとすれば,各因子を代表 するそれぞれ1種の観察問題を選定し,全部で3
髭 笥種の聯題を与えて灘者の鰹得点から観
額 額察力の評価が可能ではないかと考え,つぎのよう
察 察 な二つの評価法試案を作ってみた。
図3 観察力の構造
観察力評価法A(総合的および診断的)
水素の観察
ヨウ素の観察
虫めがねによる像の変化の観察 観察力評価法B(診断的)
振り子の観察
サクラとクリの葉の比較観察 金魚の運動の観察
観察力評価法Aにおいては,3個の各因子において因子負荷量が最大の値を示す観察を それぞれ選び,それらを各因子の代表とした。したがって文字通り観察の代表格であり,
その意味で総合的評価法として適していると考える。また選定した3種の観察はそれぞれ 各因子の代表である以上,そのいずれにおいて高い観察得点を得,いずれにおいて劣るか
をみることによって,被検者の観察力のタイプを明らかにすることができるので,観察力 のタイプの診断的評価法としても使えるのである。
表7 各 観 察 の 因 子 負 荷 量
薪寮週乏」 1 ∬ 1 皿
水 素1 ・669 1 ・・・・ ・…
ヨウ素1 ・・64 1 ・65・ i …5
虫めがねi ・・3・ 1 ・2・3 1 ・認・
振り子1 ・娼5 1 ・… 1 ・・32 サクラとクリ1 …2 1 醐 1 ・…
金 魚1 …4 1 …5 i ・・53
120 茨城大学教育学部紀要 第十三}}
ただ表7に示されているように,水素の観察は変化の観察の因子(1)のほかに多角的 観察の因子(∬)をある程度含み,ヨウ素の観察は多角的観察の因子(E)のほかに変化 の観察の因子(1)をある程度含み,虫めがねによる像の変化の観察は集中的観察の因子
(皿)のほかに多角的観察の因子(∬)をかなり含んでいるので,タイプの診断法として は観察力評価法Bの方がより純粋であるとはいえる。
観察力評価法Bにおいては,3個の各因子において因子負荷量が2番目の大きさを示す 観察をそれぞれ選び,それらを各因子の代表とした。これらの観察の組合せの特ちょうは 表7からも明らかなように,それぞれの代表する因子のほかの因子の因子負荷量は非常に 小さく,不純物のほとんど含まれない純粋な代表的観察であるところにある。すなわち,
振り子の観察は変化の観察の因子(1)のほかの囚子は取るに足らないし,サクラとクリ の葉の比較観察は多角的観察の因子(III)のほかの因子はほとんど皆無に等しく,金魚の 運動の観察は集中的観察の因子(皿)のほかの因子は極めて小さいのである。したがって 観察力のタイプの診断法としては観察力評価法Aよりも一層適切であるといえる。
つぎに観察力評価法の実際についてのぺる。その基礎として,まず4年生の各代表的観 察の平均観察得点および得点分布の状態を示すと,表8のようになる。
表8 各観察問題の観察得点分布
聴榛趣」平均得点瞳高点歳一属二照聯偏差 1 水 素1 躍 1 6 1 ・ 旨 ・・28
ヨウ素 426 7 1 ・ 螂
一
獅゚がね 482 1 8 1 2 ・・54 振り子1 乳35 「 ・・ } 3 1 ・・49
サクラとク州 4・3 1 7 1 1 ・・67 −一一
金 魚i 3・5・ 1 6 1 ・ 1 ・・27 一一
種類の異なる各観察の観察得点を同一尺度で比較できるようにするために,調査対象の
クラスについて,表8の値からt得点を求めると,表9のようになるQ
高野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第17報) 121
表9 各観察問題の粗点とt得点の関係
粗 馴ヨウ剰水素陣めがね隊好iサクラとクリ1金魚
・4 [ l l lg461 1
・3 1 1 i ・乳g l
・2 i l } 8L2 9乳21
・・ lg乳・ 17塩51g・・21
・・ 19a2、 18a7 i 6乳8[85・2 i
g I8a2194217乳216L・17軌2 i 9a4
一一一一一一一
@ 8 176・218a417a7154417㌫2 8臥5
7 16訊2レ8・6i6塩2 i 47・716牝2 7乳6 7一
一一削
@ 6 16払2 7似8i5乳71・L・16・・2169・7 5 5臥2 6a・i5・・2134315翫・16・・8
4 凪21・翫・144712牝614軌2いa9
3 4・・2 4乳41祖・12・・914a2[4a・
2 i34・13軌6 i 3L7 i・4・13乳21鍬・
・ 2牝2 3・・812翫21乳513L釧3・・2
・ 2・・2124・ ・&7i伍812臥2[22・3
各 差1乳・ 乳81a5ia7ia・1乳9
1 {一噛r …− 曲ゴ一
粗点満点 ・5 ・8【… 511・61g
vここで「各差」というのは,粗点の1点の差に相当するt得点の差である。また「粗点 満点」とは,各観察を理想的に完全に行うことができた場合の観察しうる観察点の数であ り,満点の場合を意味する。また表の上部の空白は事実上あり得ない得点の範囲である。
このようにして求めたt得点で各因子を代表する観察力を表わせば,観察力の綜合的お
よびタイプの診断的評価ができることになる。1人の児童(F)の場合を実例として示せ
ば,つぎのようになるQまず観察力評価法Aを適用した結果は,図4のようである。
122 茨城大学教育学部紀要 第十三号
1 (水素)
t得点 C得点 1 70.8 9
ノ
、 ×巻 ×圭 ! @ ノ
@ ノ @ !
@ ! @ ノ
@1
mノ.一.____一__.一_._ま
II(ヨウ素) III(虫めがね)
図4 児童Fの観察力プロフィール
(観察力評価法Aによる場合)
図の側方に示してあるように,水素の観察の観察得点はt得点で70.8,ヨウ素の観察は 48.2,虫めがねによる像の変化の観察は38.2である。これらの値を,3個の因子を表わす
3本の軸(互いに120°開いている)の上にプロットし,各点の間を線で結ぶと,実線の三 角形になる。これを3種の観察得点の平均値(もちろんt得点では全部50.0)を結んででき
1
體̲線の正三角形と比較すると,第1因子が平均より相当すぐれ,第皿因子は平均より僅 かに劣り,第皿因子は平均よりかなり劣ることが認められ,1型(変化の観察)の観察力 の持主であることが診断できるのである。それから綜合的に観察力を評価するには,上記 の3種の観察のt得点を合計して157.2となるので,これを3で除すれば52.4となり,すな 表10得点関係表 わち平均値の50.0に比して僅かにすぐれているが,大つか
薄尺矧 ・得点 みにみて大体ふつうの観察力と認定できるのである。
10172.5〜77.5 以上はt得点によって行った評価であるが,ここで10点 gi67.5〜72.5
8162.5〜67.5 満点のC尺度得点(以下C得点と呼ぶことにする)に直し 7「57.5〜62.5 て求めてみると,表10によって水素の観察(1)は9,ヨウ素 6〔52.5〜57.5 の観察(皿)は5,虫めがねによる像の変化の観察(皿)
1
5 1 47。5〜52。5
4142.5〜47.5 は3となり,綜合評価は合計値17の1/3,すなわち5.7とな
3137.5〜42.5 るo
2132.5〜37.5 C得点はt得点より尺度が荒いので粗ではあるが,10点 1127.5〜32.5
0122.5〜27.5 満点で0と10を両極とする得点段階であるので,一面わか
o
高野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第17報) 123
りやすいとはいえよう。
ところで,同じ児童に観察力評価法Bを適用した結果は,図5のようになる。
1(振り子)
t得点 C得点 1 67.8 9 !
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II(サクラとクリ) III(金魚)
図5 児童Fの観察力プロフィール
(観察力評価法Bによる場合)
表現法は図4と同様である。この評価法の特ちょうは,図4と比較すればわかるように,
第五および第皿因子が平均より内側に入り,観察力評価法Aの場合よりさらに劣り,第1 因子が独り目立つので,タイプが極端化された形で示され,1型(変化の観察)であるこ
とが,より明確に把握しやすいところにある。したがって観察力のタイプの診断的評価法 としては,評価法Aよりも適切であるといえる。ただし前述のように,観察力の綜合的評 価法としては評価法Aより劣っているわけである。
上述の観察力評価法AおよびBを,今度は他のタイプの観察力の児童について適用した 実例をあげてみると,まず児童Mは,評価法Aによれば第1因子(水素)のt得点は55・2
(C得点で6),第皿因子(ヨウ素)は62.2(C得点で7),第皿因子(虫めがね)は51
.2(C得点で5)となり,第1および第皿因子は平均より少し上回る程度であるが,第皿 因子はかなりの優位をもっており,丑型(多角的観察)の観察力の持主であることがわか
り,綜合評価としては合計値168.6の嬉,すなわち56・2(C得点では6・0)となり,平均よ りすぐれていると判断できる。またMについて評価法Bを適用してみると,t得点が第1 因子(振り子)は41.0(C得点で3),第皿因子(サクラとクリ)は67.2(C得点で8),
第皿因子(金魚)は46.0(C得点で4)となり,∬型の観察力であることが,さらに極端
化してよみとれるのであるQ
124 茨城大学教育学部紀要 第十三号
つぎに児童Kについてみると,観察力評価法Aを適用すると,第1因子(水素)は39.6
(C得点で3),第皿因子(ヨウ素)は41.2(C得点で3),第皿因子(虫めがね)は64
.2(C得点で8)で,第1および第皿因子は平均より明らかに劣るが,第皿因子がかなり すぐれ,皿型(集中的観察)の観察力の持主であることがわかり,綜合的評価としては合 計値145.0の1/3,すなわち48.3(C得点で4.7)となり,平均より僅かに劣ると判断できる。
また評価法Bを適用すると,第1因子(振り子)は47.7(C得点で5),第皿因子(サク ラとクリ)は49.2(C得点で5),第皿因子(金魚)は69.7(C得点で9)となり,この 場合は第1および第1[因子は平均より劣る程度が評価法Aにおけるより少なくなってはい
るが,第皿因子は評価法Aの場合より高くなっており,皿型の観察力であることは明瞭で あるo
§5.観察力のタイプと性格の関係
各児童の観察力のタイプを決定してみると性格と関係がかなりあるように思われたの で,なるぺく客観的に関係を把握しようとして調査した結果が,表11である。
表11観察力のタイプと性格の関係
性 樹クラス平酬1型1皿型1皿型1平均型
気 分裂質i翫8{・・317・・i6・・i・・8 躁欝質1塩・17・・i… 3.・ 5.5
質 テンカン質i3・2 i 2・・i4・13・515・3
狭
義の性偏執質14・iλ712・5{3・・16・・
・ステリー質[3・616・31… 1… i3・8
格 神経質1臨51… 12・5i8・・ia3
この表の数値は宮城音弥氏の性格調査法によって,クラス担任教師の評価によって求め ⑨
たものであって,数値の大きいものほどその性格の要素が強いことを意味する。この性格 の分類は病理法的立場からのものであり,気質と狭義の性格をそれぞれ3種に分けてある。
表中1型とあるのは,第1因子(変化の観察)は平均より傑出しているが,第丑および
第皿因子は平均以下,もしくはせいぜい平均止まり程度という典型的な1型の者が3名い
るので,彼等の各性格の強度を示す点の平均値を出して示したのである。その結果,クラ
ス平均に比ぺて気質の面では躁欝質が相当の差をもって強く,狭義の性格の面ではヒステ
り一質が強いことがわかる。さらに第1因子の代表で不純因子の少ない振り子の観察(観
高野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第17報) 125
察力評価法Bにおいて用いてある)の観察得点と性格点との相関係数をクラス全員につい て求めてみると,躁欝質の場合+0.58,ヒステリー質の場合ト0・40となり,全体的にも関 係がみられるのである。
つぎに典型的な皿型の者は2名いるが,表から分裂質と関係が強いことがわかり,皿型 の者2名については神経質と関係が強く,また分裂質ともある程度関係が認められるので
ある。
平均型とは特定の型に傑出しているわけではないが,平均してすぐれている者4名につ いてしらぺてみたのであるが,テンカン質および偏執質との関係が強いことがみられる。
以上をまとめて簡単化すれば,一応つぎのような対応関係が存在することになる。
1型(変化の観察)・………躁欝質,ヒステリー質 皿型(多角的観察)……・・…分裂質
皿型(集中的観察)…………神経質,分裂質 平均型 ……・…・テンカン質,偏執質
これらの関係の理由を簡単に断定することは控えたいが,躁欝質の者が変化に対する敏 . 感な感受性をもちうること,分裂質の者が微視的注意の多角的分配にすぐれていること,
神経質の者が神経の局所的集中に得意なことなどの可能駐は,一応解釈しえられることで もあるQ
以上は,典型的に各型に属する人数としては少ないので,決定的には結論しえないとは 考えるが,ともかく観察力のタイプと性格とには一応の関係が認められるのであり,観察 力が働らく場面において性格がかなりの役割を果しているのではないかと考えられる。
§α 結 論
以上は,7種の観察問題に対する被検者の観察得点を基礎とした因子分析法による観察 力の構造分析とそれにもとずいた研究であるが,大約つぎのようなことがわかった。
(1)因子分析によって,観察力に3個の因子が抽出され,それが変化の観察(1),多角 的観察(III),集中的観察(皿)であることが解釈されたQ
(2)この3個の因子の存在は,Elementary Linkage Analys1sおよび相関図の方法によ っても認められ,因子抽出の妥当性が側面から証明された。
(3>7種の観察における各因子の重みの順位は,多角的観察,変化の観察,集中的観察
であることが認められるが,この3個の因子はいずれも観察力の構造の中心をなすも
のであると考えられる。
126 茨城大学教育学部紀要 第十三号
鮒 観察力評価法試案として,1,F価法A(水素の観察,ヨウ素の観察,虫めがねによる 像の変化の観察の3種で構成)が綜合的および診断的評価法として,評価法B(振り 子の観察,サクラとクリの葉の比較観察,金魚の運動の観察の3種で構成)が診断的 訂:価法として使用しうることが,実際に確かめられた。
(5}観察力のタイプと性格との問に一応の関係が存在することが数量的に認められ,観 察力が働らく場面において性格がかなりの役割を果しているのではないかと考えられ
るQ
終りにのぞみ,因子分析についての御助言を頂いた本学部教育心理学教室中原弘之氏 と,調査に便1、1をはかられた岩開第一 小学校の職員の方々に,心から感謝の意を表する。
文 献
(1)高野恒雄:本研究(第1報)一ヨウ素の実験における観察機能の分析一,本紀要,5(1955),
89〜.
(2)本研究(第2報)一水素の実験における観察機能の分析一,本紀要,5(1955),99〜.
(3)本研究(第6報)一ヨウ素と塩化アンモニウムの実験の比較観察について一,本紀要,7(1957),
115〜.
㈲本研究(第8報)一サクラとクリの葉の比較観察について一,本紀要,8(1958),133〜.
(5)本研究(第10報)一金魚の運動の観察について一,本紀要,9(1959),125〜.
(6)本研究(第13報)一虫めがねによる像の変化の観察の場合一本紀要,11(1961),135〜.
(7)本研究(第12報)一振り子の実験における観察機能の分析一,本紀要,10(1960),183〜.
(8)Louis L・Mc Quitty:Elementary Linkage Analysfs for Isolating Orthogonal and Oblique Types and Typal Relevancies, Educational and Psychologica】Measurement,(1957),207〜.
(9)宮城音弥:性格,岩波書店,1960.
Abstract
Experimental Studies on the Function of Observation in Science Educat豆on. XV旺 一Analysis of the structure of power of observation by the factor analysis and the trial methods
of evaluation。一
Tsuneo Takano
(Faculty of Education, Ibaraki University)
In the present work, the factor analysis for the power of observation is done by the fnvestigation of seven problems of observation as to the fourth grade pupils of primary school.
Then, the three factor of power of observation, that i馬 Observation of Change of Phenomena
(first factor), Many−sided Observatlon of Object (s㏄ond factor)and Observation by Concentration of Attention (third factor)are extracted.
The validity of thfs extraction of three factor is testified by Elementary Linkage Analysis and the method of Correlation Chart .
The Method A of the evaluat ion for the power of observation lsをconstructed by Observation
of Hydrogen as the representative of the first factor, Observation of Iodine as the second
高野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第17報) 127
factor and Observation of the Variation of Image by the Lupe,, as the third factor. The Effectiveness of this Method A as the general and diagnostic evaluation is confirmed.
The Method B,, of the evaluation for the power of observation is constructed by Observation of Pendulum as the representative of the first factor, ℃omparative Observation of a Cherry Leaf and a Chestnut Leaf as the second factor and Observation of SWimming of Goldfish as the third factor. The Effectiveness of this Method B as the diagnostic evaluation is confirmed.
The relati㎝s betw㏄n the types of power of observati㎝and the characters in the several cases are clarified.
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