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市立室蘭医誌(第31巻 第1号 平成18年12月)
最近、日本の経済は不況からようやく脱け出して、景気が改善していると報道されているが、北海道にお いてはまだその景況感にはほど遠いのが現状であろうと考えます。そういうなかで今年の夏の甲子園全国高 校野球大会では球史に残る名試合が行なわれ、駒大苫小牧高校が準優勝を成し遂げました。またプロ野球で は、北海道日本ハムファイターズが日本シリーズを制覇するという輝かしい結果を残しました。我々北海道 民は、多くの勇気と元気を貰ったのではないでしょうか。とくに日本ハムファイターズの日本一の原動力は、
野球の実力は勿論ですが、もう一つの要因は選手が日頃の試合前後のファンサービスにも精力を注ぎ、多く の道民の熱狂的ファンを獲得した事にもあると思います。
サービス という言葉は、私達医療に携わるものにとって、 医療はサービス業である としてとらえ、
良く認識されております。野球と同じ視点でとらえることはできませんが接遇という患者サービスに一層の 努力が必要である事を教えられた思いがします。
今年は診療報酬の過去最大の引き下げ率となるマイナス3.16%の改定、高齢者の患者負担の見直しなどの 医療制度の改革があり、どの医療機関もその対応に苦慮しているところでしょう。当院も御多分にもれずそ の対策に追われておりますが、その努力の一つとして10対1看護体制にランクアップすることができました。
これも医師、看護部門、事務部門の努力と協力によるものと感謝しております。
平成17年度の当院の会計決算では一部不良債務の解消がなされたことは、赤保内良和前病院長を中心にし た、職員一丸となっての経営努力によるものと敬意を表します。今年度も引き続き経営健全化を進めている ところではありますが、何といってもマイナス3.16%の診療報酬改定の影響が大きく、苦難の道を歩んでい るところです。これからも職員一人一人が経営感覚をしっかりと持ち経営努力に励んでいただきたいと思い ます。
一方、当院は地域センター病院の指定を受けており、それに答えるべく最新の医療機器、医療技術により 高度医療を行っています。また、従来から地域医療の充実、病診・病病連携への取り組みを続けているとこ ろですが、国の方策としても今後地域連携診療を積極的に誘導する傾向が窺え、医療連携の必要性がますま す高まるのでそれに対応していかなければならないと思います。そのために医師を先頭に医療従事者の全て の皆さんが病院外の医師会をはじめ各医療団体の行事、研究会、講演会などへ積極的に参加し活躍してくれ ることを願っております。
平成16年度から始まった新医師臨床研修制度により、各大学医局の医師不足が今でも進んでおります。医 師の医局離れ、大都市への医師の偏在などにより従来のような各大学医局からの医師派遣が極めて難しい状 況となり、当院においてもその影響を受けております。医師不足のなかで日夜の激務に携わっている医師の 皆さんには本当に頭の下がる思いです。また研修医の募集については、当院が魅力ある病院・職場であるこ とを機会ある毎にアピールし、また至らないところがあればそれを改善して、研修医の確保に努力していか なければならないと考えております。
看護職員も今春の診療報酬改定により多くの医療機関が看護師確保に苦労しており当院も同様です。医師・
看護師不足の悩みはまだまだ尽きそうにもないと考えます。
こうしてこの1年間を振り返ってみると、病院にとっては厳しい環境の中を歩んで来たことを実感してお ります。
そのようななか第31巻の市立室蘭総合病院医誌を刊行する事が出来たのは誠に喜ばしいことです。編集委 員会の委員諸氏の努力と、日常の極めて多忙な勤務の中で投稿された医師をはじめとする職員の気概による ものであり、改めて敬意を表します。当院が大学の関連病院として、日本内科学会認定教育病院をはじめと する各学会の教育認定施設として、また地域医療に向けてのセンター病院としての機能と責務を充分に果た すために一例一例の症例を大切にし、本誌が当院のみならずこれからの医学・医療に役立つ証を提示して行 こうとする職員一同の熱意の賜物と考えます。
本誌がこれからも患者のために職員のためにより充実し発展する事を期待しております。
巻 頭 言
病 院 長
近 藤 哲 夫