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井上貴照先生・藤井宏史先生を送る

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Academic year: 2021

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井上貴照先生・藤井宏史先生を送る

経 済 学 部 長

佐 藤 忍

井上貴照先生・藤井宏史先生は, 年(平成 年) 月 日をもって,

本経済学部を定年により退職されました。香川大学経済学会では,両先生より 賜った学恩に対して,敬意と感謝の意を表するため,本号を両先生の退職記念 号とし,ここに謹んで両先生に献呈いたします。

井上貴照先生は,香川大学にご着任以来, 年間にわたり,国際経済学の 研究教育に携わってこられました。香川大学は,井上先生の在任中の多大なる ご功績に対し,本年 月に香川大学名誉教授の称号をお贈りしました。

井上先生は, 年(昭和 年) 月に大阪府東大阪市でお生まれになり,

年(昭和 年) 月に神戸大学経済学部に入学されました。その後,

年(昭和 年) 月に神戸大学大学院経済学研究科博士課程前期課程に入学 され, 年(昭和 年) 月に同大学院経済学研究科博士課程後期課程に 進学されました。そして, 年(昭和 年) 月に香川大学経済学部助手 に採用されました。経済学部において, 年(昭和 年)に講師,

(昭和 年)に助教授,そして 年(平成 年)に教授に昇任されました。

この間,教育活動においては,学部・大学院の演習では多くの有能な卒業生 を世に送り出すことで,人材育成に貢献されました。授業科目としては,学部 および大学院では,主に経済学の基礎理論と国際経済学,全学共通科目では経 済学や主題科目を担当されました。

井上先生の主な研究分野は,国際マクロ経済学です。たとえば為替レートの 調整効果とマンデル・フレミング・モデルについての研究,為替レートの決定 とその変動の動学分析である為替レート動学の研究,さらに名目為替レートは

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長期において購買力平価に収束するという購買力平価説についての理論的な研 究などがあります。なかでも為替レートの動学分析の研究において,財政・金 融政策による為替レートの短期における決定と長期均衡への調整過程における 変動および長期均衡での決定に与える効果を,代替的なモデルにより明らかに しました。学会活動においては,国際経済学会,金融学会,日本経済学会およ び神戸大学金融研究会に所属しておられます。

管理運営面では,経済学科長,入学試験委員会委員長,管理運営委員会 委員,教務委員会委員などを歴任されました。とくに経済学部の大講座制へ の改組,地域社会システム学科創設に伴う新経済学部のカリキュラムの作成 などに尽力されました。社会的活動としては広島大学やアメリカ合衆国イリ ノイ州立大学等における非常勤講師のほか,社会人や高校生を対象とする講 座・研修会・講義等で講師を担当し,研究成果の社会還元に努めてこられまし た。

井上先生のお人柄は,同僚の間で 貴(タカ)ちゃん , 貴(タカ)先生 と呼ばれてきたように,広く愛されていました。そしてカリキュラムのことは なんでも知っている 歩く教務 とでもいうべき存在でした。他方で先生の教 育スタイルや研究姿勢の 頑固さ は時代の変遷とは関わりなく変わることが なかったように思います。それもまた井上先生の個性的な魅力でした。

藤井宏史先生は,香川大学にご着任以来, 年間にわたり金融論・金融政 策論の分野で研究教育に携わってこられました。香川大学は,藤井先生の在任 中の多大なるご功績に対し,本年 月に香川大学名誉教授の称号をお贈りしま した。

藤井先生は, 年(昭和 年) 月に岡山県高梁市にお生まれになり,

その後, 年(昭和 年) 月に神戸大学経済学部に入学されました。そ の後,神戸大学大学院経済学研究科博士課程前期課程,同大学院経済学研究科 博士課程後期課程に進学され, 年(昭和 年) 月に香川大学経済学部 助手に採用されました。経済学部において, 年(昭和 年)に講師,

−2− 香川大学経済論叢

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年(昭和 年)に助教授,そして 年(平成 年)に教授に昇任されまし た。その後, 年(平成 年) 月に経済学部長に就任され, 期 年間 にわたって務められました。さらに 年(平成 年) 月には,国立大 学法人香川大学教育担当理事・副学長に就任されました。そして 年(平 年) 月末,任期満了により理事・副学長を退任され,同年 月,再び,

経済学部教授として採用されました。

この間,教育活動においては,藤井先生は経済学部にとって必要不可欠な金 融論,金融政策論といった授業科目を担当され,演習においては懇切丁寧な指 導により有為な人材を多く輩出されました。特筆すべきは,先生の演習指導に より経済学部生が 年(平成 年)第 回日銀グランプリにおいて優秀賞 を獲得したことです。 年(平成 年)の第 回でも佳作の受賞となって います。

藤井先生の主な研究分野は,マクロ経済学と金融論です。動学的マクロモデ ルの理論的シミュレーション分析では,発売され始めた

PC

を使って数値計算 を行い,非線形モデルの効率的な数値解析法のやり方を工夫しました。それは 当時の日本金融学会ではきわめて先駆的でした。経済学教育にも

ICT

活用を 試みる先鋭的な研究をされました。その成果は,『経済学 − −

Lotus − −

を使った経済学入門』日本評論社, 年 月,として刊行されました。マ クロ経済モデルの理論的シミュレーション分析やマクロ金融の実証研究の成果 を経済学教育に応用し,経済学教育に

ICT

活用を試みる研究は,当時として は先進的なものでした。そのほかにも日本型

IS/LM

モデルの研究や金融政策 運営と銀行貸出,ファイナンスのマクロ経済分析などの研究に取り組まれまし た。

管理運営面においても,藤井先生は多大な貢献をされました。経済学科長(平 年),教務委員長(平成 年),副学部長(平成 年〜平成 年),教 育研究評議会評議員(平成 年〜平成 年),学長特別補佐(平成 年〜平 年),経済学部長(平成 年〜平成 年)を歴任されました。平成 年に教育担当理事・副学長に就任してからは,「教育戦略室」の設置や四国地

井上貴照先生・藤井宏史先生を送る −3−

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区 国立大学による教育分野の連携事業「地のプラットフォーム形成事業」(平 年〜平成 年度)の実施・取り纏めに尽力されました。そして自らが教 育戦略室長や大学教育センター長を兼任し,クォーター制の導入や「大学教育 基盤センター」の再編強化といった全学共通教育改革の陣頭指揮をとられまし た。

社会的活動においては,高松大学や放送大学での非常勤講師をはじめとし て,四国生産性本部理事,郵政事業有識者懇談会委員,高松商工会議所参与,

財団法人かがわ産業支援財団評議員,財団法人岸本記念奨学会評議員,財団法 人岸本記念奨学会理事,公益財団法人倉岡奨学会評議員などを務められまし た。

誰もが知っているように,藤井先生は 飲みニケーション の達人でもあり ました。いまにして想えば,職場で起こるいろいろな難問も腹の見える関係づ くりによってなんとか円滑に処理されていたようです。きわめて伝承困難な技 法であるだけに惜しまれます。

本学の研究教育,管理運営,社会貢献のいずれの活動においても,上述して きたように多大なるご貢献をいただいた両先生を,定年退職とはいえ,失うこ とは経済学部にとって誠に大きな痛手です。在職中にそれぞれの分野であげて こられた業績からすれば,退職されてからも先生方には地域をはじめ様々な方 面から要請があることはいうまでもありません。引き続きのご活躍,ご健勝を 祈念いたしますとともに,私ども後輩のために,今後とも,ご指導,ご鞭撻く ださいますよう宜しくお願い申し上げます。

(お詫びと訂正)

本文に下記の通り誤りがございましたので,訂正させていただくとともに深くお詫び申し 上げます。(訂正箇所: 頁 行− 行目)

(誤)管理運営委員会委員長

(正)管理運営委員会委員

上記訂正を 年 月 日に行いました。( 年 月 日)

−4− 香川大学経済論叢

参照

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