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(ⅱ) 海外たばこ事業世界的な景気の低迷により 先進国及び途上国共にたばこの消費は一部地域を除き 減尐あるいは停滞している また近年では 先進国のみならずアジアや南米 中東など新興国でも 公共の場での禁煙制度を導入 強化する動きが広がっている これは高齢化などを背景に 喫煙人口を減らし医療費負担を抑

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Academic year: 2021

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1 早稲田大学商学部広田ゼミナール 4 年 栗島祐介 蒔田康揮 村山真悟 山際和人

1.投資サマリー

日本たばこ産業株式会社の目標株価をDCF法に基づいて「355,440円」と推計した。基準株価である同社 の2010年10月1日現在の株価272,500円と比較すると23.3%割安水準にあると判断し、投資推奨を“BUY” とする。今後の国内たばこ市場においては、悲観的な見通しがあるものの、海外における進出余地を考慮 すると、今後5年間は成長を続けると予測される。

2.事業内容

株式会社日本たばこ産業、通称 JT は国内たばこ事業を中心に据え、海外たばこ事業・食品事業・医薬事 業を営む企業である(Figure1.参照)。JT の売上のおよそ 90%を占めるたばこ事業は、世界 3 位のマーケッ トシェアを持ち(Figure2.参照)、日本で約 2/3 のシェアを獲得している。同社は豊富な商品ラインアップ を取り揃え、「セブンスター」、「マイルドセブン」、「キャスター」等が国内販売実績上位を占めてい る(Figure3.参照)。最新鋭機の導入を進め、高速かつ高品質な製造システムづくりを実現するとともに、 研究開発にも力を入れ、火を使わず煙がでない「ゼロスタイル・ミント」を発売し新たな収益源を獲得し た。また、Japan Tobacco International(JTI)が担う海外たばこ事業は、過去二度の海外たばこ事業の買 収により、海外の事業基盤の大幅な強化を行った。そして、全世界 120 余りの国で事業活動を行い、現在 では海外のたばこ販売数量が国内の販売数量を上回り、グローバル・シガレット・メーカーとして着実な 成長を続けている。JTI はブランドポートフォリオの拡大とブランドエクイティの向上を通じて持続的な トップライン成長を目指している。また、食品事業では、2007 年に冷凍食品業界 3 位の加ト吉を買収した ことで、冷凍食品業界 2 位の地位を確立している。

3.事業動向

(ⅰ)国内たばこ事業 国内たばこ市場においては、国内たばこの販売が一貫して減尐傾向にある(Figure4.参照)。その原因と しては、国内における健康志向及び禁煙トレンド、喫煙人口の減尐、政府による増税などが挙げられる (Figure5.参照)。特に政府による増税に伴うたばこ価格の上昇は、個人のたばこ消費に大きく影響を与え る可能性がある。厚生労働省が税額を欧米並みの水準まで引き上げることを目標としているため、今後も たばこ需要の減尐原因となる可能性が高い。 株式コード: 2914 投資推奨:BUY 価格(2010 年 10/1 現在): 272,500 円 目標株価:355,440 円

日本たばこ産業株式会社(JT)

会社(JT)

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2 (ⅱ) 海外たばこ事業 世界的な景気の低迷により、先進国及び途上国共にたばこの消費は一部地域を除き、減尐あるいは停滞 している。また近年では、先進国のみならずアジアや南米、中東など新興国でも、公共の場での禁煙制度 を導入・強化する動きが広がっている。これは高齢化などを背景に、喫煙人口を減らし医療費負担を抑え るためである。しかし、このように海外たばこ市場の成長が鈍化する中で、JTはほぼ全ての主要市場にお いてシェアを増加させ、海外たばこ事業は利益の牽引役となっている。特に2007年のガラハー買収などに より、ロシアや旧ソ連国家およびトルコ等の市場でのシェアが高くなっている。また、途上国においては 進出余地が大きく存在しており、今後たばこ需要が堅調に推移すると考えられる。(Figure6.参照) (ⅲ) 食品事業 食品業界は大きく清涼飲料事業と加工食品事業に分けられる。清涼飲料事業では「Roots(ルーツ)」や 「桃の天然水」といった有名なブランドがあり、コカ・コーラを除き、清涼飲料業界でサントリー、キリ ンに次いで3位の売上高となっている(Figure7.参照)。直近ではコーラやサイダーといった炭酸飲料は減尐 傾向となっている一方で、消費者の健康意識の向上を背景に、お茶やミネラルウォーター、野菜系飲料が 好調となっている。また、コーヒー飲料も堅調に推移している。近年では、味にこだわった商品が売れる など、高級感の高いコーヒーに需要が集まっており、JTは缶コーヒー「Roots(ルーツ)」を基幹ブランド として、独自技術に裏打ちされた差別性とクオリティにこだわった商品を継続的に消費者に提供している。 加工食品事業では、2007年に冷凍食品業界3位の加ト吉を買収したことで、ニチレイに次いで2位となった。 しかし、牛肉偽装問題(ミートホープ事件)に加ト吉が関わっていたことや、子会社のジェイティフーズに よる中国製冷凍餃子事件などの影響を受け、売上が減尐している(Figure8.参照)。 (ⅳ) 医薬事業 医薬事業においては、バイオ医薬品に対する創薬ニーズが高まっており、主に糖・脂質代謝、ウイルス、 免疫・炎症、骨の領域で医薬品の研究開発を行い、JTの医薬総合研究所を中心に、研究開発を進めている。 JTが研究開発機能を担い、1998年に買収した鳥居薬品が製造・販売機能を担っている。JTの医薬事業は医 薬業界上位の会社と比較すると、研究開発費、研究者数、販売する薬品の数が尐ないのが現状である。研 究開発費は業界上位が2000億円前後に対し、JTはおよそ230億円であり、平均値を下回っている(Figure9. 参照)。また、研究者数は1000人に対し、500人程度である。近年、医薬品業界における新薬開発競争は激 化しており、継続的に新薬を開発し、世界での戦いに生き残るには毎年2000億円という巨額の開発コスト を負担し続ける必要がある状況になっている。営業利益は2003年度、2008年度を除き赤字を計上している。

4.将来予測

JT全体の今後の業績はJTの売上の90%以上を占めるたばこ事業の売上の予測が鍵になると考えた。そこ でたばこ業界全体の状況を把握するため、Michael E. Porterの5Forces分析を行った(Figure10.参照)。さら に、たばこ事業のSWOT分析を行い、JTのたばこ事業の強み・弱みが、機会・脅威とどう関連付けられる かを明らかにし、将来予測を行った(Figure11.参照)。また、JTのその他事業の今後の見通しも立てた。

(3)

3 (ⅰ)国内たばこ事業 国内においては、青年人口の減尐・高齢化及び禁煙志向や健康志向の高まりなど、JTの国内売上に対す る阻害要因が多く存在することがわかる。日本は先進国の中において、比較的高い喫煙率となっており、 昨今の禁煙・喫煙トレンドは政府の後押しを受け、今後も続いていくことが見込まれる。さらに日本では、 たばこ価格の改定に対して政府の許可が必要となっており、需要の減尐に対して柔軟な価格戦略が取りに くい状況となっている。また、フィリップモリスの「マルボロ」などをはじめとする競合他社製品の国内 シェア拡大もあり、今後JTが国内において、売上を堅調に伸ばすことは難しいと考えられる。実際、2010 年10月に実施されたたばこの増税及びたばこ価格の値上げによって、当面たばこの消費本数は20~25%程 度需要が減尐する見込みとなっている。ただ、売上及び利益に関しては、たばこの値上げを実施すること によって、増税前の状況と同程度で推移することが見込まれる。 (ⅱ)海外たばこ事業 海外市場においては、ロシアを中心とした国々での大幅な増税と高水準の失業率により 各国で総需要が 減尐したことに加え、2009年度下期からイランにおける不安定な事業環境が続いたことから、総販売数量 は減尐した。しかし、シェアに関しては、ほぼ全ての主要市場において堅調に推移しており、なおも中近 東、東南アジア、中南米などの進出余地が残されている。また昨今の景気悪化の影響で、顧客が高価なた ばこから廉価なたばこの購入へとシフトしているが、JTは低価格帯から高価格帯まで幅広いブランドを持 っており、低価格志向の需要者を取り込む地盤ができているため、今後も堅調に市場シェアを伸ばしてい くことが見込まれる。さらに、海外ではたばこの値上げは市場原理に基づく自由制となっており、巧妙な 価格戦略の展開が可能となっている。今後も海外の進出余地が残されていることやブランド、人材におけ る競争優位性を生かし、JTの海外市場における成長は継続していくものと考えられる。 (ⅲ)食品事業 主力ユーザーである外食・中食業界の不振に加え、家庭用での値引き販売が常態化していることが打撃 となっている。景気停滞による消費者の低価格志向が根強く、今後もこの傾向は続いていく事が予測され る。また、近年の冷凍食品消費量は飽和状態にあり、今後の大幅な需要の増加を見込むことは難しい (Figure12.参照)。 (ⅳ)医薬事業 JT の医薬事業の競争力や収益性は競合他社に比べて脆弱であり、また薬価の改定や安価な後発医薬品の 使用促進策、他社の競合品の登場により今後の成長性を見込むのは難しい。医薬事業の莫大な研究開発費 は主にたばこ事業のキャッシュフローで賄っているが、今後国内たばこ事業が落ち込むと、医薬事業に対 する開発投資は難しくなると考えられる。

5.売上予測

(ⅰ)国内たばこ事業 当事業の売上構造は、喫煙者数×一人当たりの年間喫煙箱数×一箱当たりのたばこの価格で表すことが できる。この3つのバリュードライバーを以下の仮定のもとで推計した。

(4)

4 喫煙者数(Figure13.参照) まず、20歳以上の男女の人口を総務省統計局の公表している人口統計を基に20代、30代、40代、50代、 60代以上の男女に分け、過去の年代別死亡率を加味しつつ、今後5年間の喫煙可能人口を推計した。そして、 JTが発表している「全国たばこ喫煙者率調査」より各層の喫煙率を使用し、値上げの年を除いた直近10年 間の毎年の喫煙率の減尐幅の平均をとった。この平均減尐率が2012年以降も継続すると考え、将来の喫煙 率を予測した。この喫煙率を喫煙可能人口に乗じることで階層別の喫煙者数を予測した。ただし、2011年 は増税とたばこ価格の値上げにより各層の喫煙者数は25%減尐するものとした。 一人当たりの年間喫煙箱数 まず、厚生労働省が出している「喫煙と健康問題に関する実態調査」の一日当たりの喫煙箱数を使用し 1年間の喫煙箱数を算出した。そして、直近10年間の毎年の喫煙箱数の変化率を算定し、2011年以降はそ の平均を前年度の喫煙箱数に掛け、一人当たりの年間喫煙箱数を予測した。 一箱当たりのたばこの価格(Figure14.参照) まず、2009 年度の国内売上高のブランド別シェアと増税後の各ブランドの一箱あたりの価格を加重平均 し、一箱あたり加重平均価格を算出した。 (ⅱ)海外たばこ事業(Figure6.参照) 海外のたばこ事業は、地域別の成長率を販売数量で加重平均することによって今後の成長を推計した。 これを式に示してみると、海外たばこ事業成長率=(SW&E地域の成長率×販売本数+NC&E地域の成長率× 販売本数+CIS+地域の成長率×販売本数+R0W地域の成長率×販売本数)÷海外総販売本数となる。

South & West Europe地域

South & West Europe地域は既に市場が成熟しており、増税や景気の後退によって総需要が減尐していく と予測する。その一方で、JTの低中価格帯の商品が好調に推移し、シェアが拡大していることもあり、今 後横這いに推移していくと予測した。

North & Central Europe地域

North & Central Europe地域はSouth & West Europe地域と同様、既に市場が成熟している一方で、主要 な英国市場における成長モメンタムが強く、JTはその英国市場内において順調にシェアを向上させている ため、今後も2.5%の成長が見込まれる。 CIS+地域 CIS+地域は市場の成長が鈍化しており、市場が成熟段階へと移行しつつある。また、総需要の伸びが鈍 化する一方で、消費者の低中価格帯ブランドへの趣向の変化が起きることにより地域におけるシェアが拡 大している。そのため、低中価格帯ブランドに強みを持つJTは今後も堅調に販売を伸ばしていくと予測さ れる(3%成長)。

(5)

5 Rest of the World地域

主に途上国に関しては、直近では、イラン及びフィリピンにおける特殊要因(不安定な事業環境や、事業 モデルの変更)によって需要が減尐しているが、中長期においては、中近東、東南アジア、中南米などとい った大きな成長が見込まれる国への進出などにより、毎年10%程度の市場拡大が見込まれる。 (ⅲ) 食品事業 上述したように、冷凍食品市場はすでに飽和状態にあり今後の大幅な売上の増加は見込めない。そのた め、2011年以降は直近3年間の売上高の平均をとり売上を予測した。 (ⅳ) 医薬事業 JTの医薬事業の競争力、収益性の低さ、国内たばこ事業の売り上げの減尐による投資費用の減尐など今 後の医薬事業の発展は今のところ見込むことはできない。そのため、2011年以降は直近3年間の売上高の平 均をとり売上を予測した。

6.バリュエーション

DCF モデルを用いて理論株価を算出する。 (ⅰ)DCFモデル 2010年度から5年間のFCFと6年後以降の継続価値を推計してWACCで割引き、2010年10月1日現在の発行 済み株式総数で除すことで理論株価を求める。財務諸表分析で述べた内容を基に、各年のFCF及び継続価 値を推計した。その結果、日本たばこ産業の理論株価は355,440円と推計した(Sheet1.参照)。 以上より、2010 年 10 月 1 日現在の株価 272,500 円は我々が導き出した目標株価 355,440 円に対して、 23.3%割安水準にあるため、投資推奨は“BUY”と結論付けられる。 (ⅱ)現在株価と理論株価の乖離に関する考察 現在の株価はDCF法を用いて算出した理論株価はより約23%割安である。このことから、投資家は我々よ りも過小に評価していると推測され、その原因は2点考えられる。 1点目は、投資家が増税による業績への悪影響を過大に見積もっていること、2点目は冷凍ギョーザ事件 などのマイナスのイメージから、売上の6%程度しかない食品事業のJT自体への悪影響を、過大評価してし まっていること、が挙げられる。 特にたばこ事業に対する増税の影響に関しては、マスメディアによってたばこの需要が減尐する等喧伝 されており、短絡的にたばこ事業を行っているJT自身の売上及び利益も減尐する、と考えてしまっている 投資家が多いことが推測される。しかし、実際には増税の影響はほとんどない。以下にその証明を載せる。 今回増税の影響予測 今回の増税では、70円(増税分)+40円(値上げ分)、合計110円/箱のたばこ価格の値上げが行われた。この ことにより、通年ベースで20~25%を超える大幅な総需要の減尐が見込まれている。ここで、増税前と増 税後のたばこ事業の売上及び収益に対する影響を、式を用いて計算する。

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6 1箱当たる価格(前):300円(税金:180円/1箱) 1箱当たる価格(後):410円(税金:250円/1箱) ※現在の販売数(箱当たり)を、「Y」とおく。 ↓ 売上(増税前):300×Y=300Y円 売上(増税後):410×0.75Y=307.5Y円 ↓ 税金(前):180×Y=180Y 税金(後):250×0.75Y=187.5Y ↓ 利益(前):120Y円 利益(後):120Y円 上記の式より、JTは増税の影響を値上げすることによって相殺しており、増税はJTの売上及び利益にほ とんど影響を与えないことが証明された。 以上の2点、特に増税の影響の過大評価を理由として、JTの株価は理論株価よりも割安水準で推移してい ると予測する。

7.リスク要因

(ⅰ) 訴訟リスク 1998年にたばこによる健康被害をうけたとして、JTと国に対し賠償請求した「たばこ病訴訟」というも のがあった。原告の疾患は他の様々な要因とも関係しており、たばことの因果関係は認められず棄却され た。しかし、今後禁煙志向の高まりや健康志向の高まりとともに、こうした訴訟が増大するリスクも高ま ると考えられる。 (ⅱ) 中国たばこ総公社の海外進出 現在、世界では年間約 6 兆本のタバコが消費されており、そのうちの2兆本が中国で消費されている。 また、中国では喫煙に関する規制がなく、喫煙率が高い。しかし、中国のたばこ事業は閉鎖的で、中国国 内でたばこの販売を認められている会社は国営企業である「中国たばこ総公社」の 1 社のみである。今後、 中国たばこ総公社が海外進出を果たす場合、中国市場も開けると考えられる。そのようになった場合、JT は中国に進出を行い業績に大きな影響を与えられるであろうと考えられる。 (ⅲ) 天下り社長リスク JT は財務省に株式の半数を保有されており、代々財務省の官僚が天下りして社長の座についている。財 務省が株式の半数を保有し、かつ、財務省の元官僚が社長をしているため、JT は自社の企業価値の最大化 を目指すのではなく、財務省にとって都合のよい行動をとることが考えられ、企業価値を損ねる行動をと る可能性がある。

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7 (Ⅳ)医薬事業撤退のリスク 医薬事業の近年の営業利益は 2003 年度、2008 年度を除き赤字を計上している。また、医薬業界での競 争に勝っていくためには、毎年約 2000 億円という莫大な研究開発費を投入していかなければならない。こ のため、今後 5 年以内に医薬事業を撤退する可能性も考えられ、この場合、将来キャッシュフローが増大 し、理論株価は今回のバリュエーションの値より上がるといえる。 (Ⅴ) 「マイルド」、「ライト」などの表記の禁止 「マイルド」や「ライト」というネーミングは、他のたばこに比べ健康に害が尐ないという印象を消費 者に与えかねないという理由から、各国で使用の禁止をする動きがある。JTは過度な規制であるとの反論 をみせるものの、「マイルドセブン」のブランド名の使用が禁止されれば、売上にも影響がでると考えら れる。 (Ⅵ)国内におけるたばこの増税 今回の我々のバリュエーションは今後5年間、タバコが増税しないという仮定の下で行っている。2011 年度に関して、政府は増税を行わないと明言していたが、今後も増税を行う方針であることは間違いない。 増税を行った場合、喫煙率は大きく減尐をし、JT の売り上げを下げる要因になると考えられる。 (Ⅶ) 輸入たばこに対する国内需要の増加 2009年時点で国内シェア24%を誇るフィリップモリスはマルボロをはじめとする有力ブランドを保持し ている。近年、日本国内で輸入たばこへの需要が増加しており、JTの国内販売数量を減尐させる要因の一 つになっている。今後マルボロへの需要者のシフトがJTにとっては大きな障害となりうる。

(8)

8 Figure1.

【事業構造】

Figure2.

(9)

9 Figure3.

(10)

10 Figure4.

【国内・海外たばこ販売数量】

Figure5.

(11)

11 Figure6.

(12)

12 Figure7.

【飲料売上高】

Figure8.

(13)

13 Figure9.

【研究開発費】

Figure10.

【Michael E. Porter の 5Forces 分析】

新規参入の脅威 弱い 厳しい政府規制 設備投資額が大きい 業界内の競争 やや強い 国内メンソール市場の競争激化 市場縮小に伴い競争激化。 売り手の交渉力 やや弱い 政府による保護 葉タバコを生産する農家が減尐 たばこ販売は自由化されている が、販売先が限られている 代替品の脅威 やや弱い ガム、飴、電子たばこはニコチン 中毒の人にとって代替品として は弱いのでは(日本も海外も) 買い手の交渉力 中立 (小売→消費者) たばこはJTのみ販売可能 価格上昇でやめる人は尐ない (価格弾力性低い) JT以外の安いたばこにスイッチ する可能性 禁煙意識が高まっている(消費 者)

5forces

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14 Figure11. 【SWOT 分析】

【強み】

【弱み】

国内唯一の製造・販売業者(国内シェア60%)。リピーター率高い。 ガラハー(英)の買収。加工会社カネンバーグ社(ブラジル)とその子会 社買収によりCIS諸国におけるシェアが高い(特にロシアのシェアは 40%)。 たばこ消費が減尐している一方で、JTのシェアは0.1%増加→ 65.1%。2年連続拡大) 高級から低価格まで幅広いブランド→販売数量落ちてもシェアが伸 長 たばこ事業が安定したCFを創出している。 世界有数のブランドを3つ所有している。 景気の波を受けにくい。 格付け「ダブルA」。 キャッシュフロー尐ない→今後の投資やM&Aの期待薄い。 日本では価格別ブランドがない。 海外での成功の鍵はM&Aしかない。 紙巻きたばこ国内販売4.9%減尐、今後も4.5%減見込み。 フィリップモリス、ブリティッシュアメリカンに比べて、新興国市場から の利益が尐ない(PMは36%、BATは53%。JTは19%)。 ギャラハーののれん代償却費が重し。 成人が18歳から。顧客層拡大。 途上国への事業進出余地。 中国市場への進出可能性(※現在、中国は独自の専売公社でしか 販売していない)。 →世界たばこ消費6兆円のうち、中国は2兆円) 台湾、旧東欧、エジプトの国営たばこ企業の民営化案件。 タスポ導入でコンビニ購買量増加→日本国内二年連続シェア増大(し かし、やがて伸び止まる)。 景気悪化により高級たばこから、廉価たばこへの顧客需要のシフト が生じている。 JRホーム前面禁煙(2009.4.1)。 受動喫煙で化学物質過敏性→会社に訴訟→7百万で和解 (2008.4.1) 景気後退によるグランドシフト(高級たばこから廉価たばこへ)←特に 1人当たり所得の低い国。 受動喫煙防止条例(神奈川)。 2008年度販売数量(国内)は前年度比49%減(10年連続)。 青年人口減尐。高齢化。 葉タバコ等原材料費が前年比10%増加。 ロシアの上昇傾向止まりつつある。

【機会】

【脅威】

Figure12. 【冷凍食品消費量】

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15 Figure13. 【予測喫煙者数】 Figure14. 【ブランド別シェアと価格】 たばこ商品一覧 シェア 価格 マイルドセブン 50.0% 410 セブンスター 15.0% 440 キャスター 9.0% 410 キャビン 6.0% 470 ピース 4.0% 660 ピアニッシモ 5.0% 440 ホープ 3.0% 440 フロンティア 2.0% 440 その他 7.0% 486 平均単価 441

(16)

16 Sheet1.【バリュエーション】

(単位:百万円)

決算期

2008.3

2009.3

2010.3

2011.3

2012.3

2013.3

2014.3

2015.3

NOPLAT

430,554

363,807

296,506

386,573

386,507

385,256

385,444

386,310

実効税率(%)

34.47%

51.49%

47.56%

44.51%

44.51%

44.51%

44.51%

44.51%

減価償却費

167,658

176,899

132,770

165,689

165,661

165,125

165,205

165,577

のれん償却額

3,883

105,470

97,394

105,511

105,511

105,511

105,511

105,511

設備投資

(129,555)

(134,273)

(137,134)

(172,000)

(171,971)

(171,415)

(171,498)

(171,884)

運転資金の増減額

(271,660)

(146,527)

(106,841)

(134,005)

(133,982)

(133,549)

(133,614)

(133,914)

継続価値

FCF

52,470

178,064

141,666

179,717

179,704

179,464

179,500

179,666

4,098,251

割引率 (WACC=4.38%)

現在価値

172,169

164,927

157,789

151,192

144,976

3,306,965

企業価値

4,098,018

決算期

2010.3

0.940

短期借入金

109,263

1.40%

コマーシャルペーパー

119,000

5.12%

1年内償還予定の社債

50,395

4.90%

1年内返済予定の長期借入金

23,024

社債

409,014

26,111

長期借入金

149,569

979,331

有利子負債合計

860,265

860,265

44.51%

決算期

2010.3

2.83%

現金及び預金

155,444

有価証券

11,950

理論株主価値(百万円)

3,405,147

860,265

発行済み株式数(株)

9,580,100

2,610,577

目標株価

355,440

4.38%

時価総額(百万円)

WACC

実効税率

負債コスト

2010年度

有利子負債(百万円)

株主資本コスト

支払利息(百万円)

期首借入金残高(百万円)

期末借入金残高(百万円)

Actual

Estimates

β (07.4~10.9 週次)

長期国債10年利回り(2010.3)

マーケットリスクプレミアム

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17 【参考 貸借対照表】 貸借対照表 (単位:百万円) 2005.3 2006.3 2007.3 2008.3 2009.3 2010.3 2011.3 2012.3 2013.3 2014.3 2015.3 (資産の部) Ⅰ 流動資産 現金及び預金 401,024 322,715 555,653 213,885 164,957 155,444 178,096 195,906 215,496 237,046 260,750 受取手形及び売掛金 126,066 134,182 149,384 325,075 290,068 296,884 307,417 331,472 330,399 345,585 346,362 有価証券 442,694 576,967 578,066 4,952 4,910 11,950 23,900 47,800 95,600 191,200 191,200 棚卸資産 432,827 406,832 417,276 558,850 464,155 555,098 557,879 568,721 577,782 588,970 628,554 繰延税金資産 33,176 32,324 18,171 32,008 29,675 26,615 29,433 28,574 28,207 28,738 28,507 その他 70,650 136,907 123,794 104,427 145,076 153,470 163,946 182,285 181,948 171,428 183,657 貸倒引当金 (1,992) (1,776) (1,539) (4,504) (3,162) (3,622) (3,751) (4,044) (4,031) (4,216) (4,226) 流動資産合計 1,504,445 1,608,151 1,840,805 1,234,693 1,095,679 1,195,839 1,256,920 1,350,714 1,425,402 1,558,751 1,634,804 Ⅱ 固定資産 1.有形固定資産 (1)建物及び構築物 628,148 603,223 598,557 679,899 621,469 611,509 721,118 735,416 718,663 719,012 756,660 減価償却累計額 (371,290) (365,174) (369,538) (398,157) (386,615) (380,469) (437,927) (446,610) (436,436) (436,648) (459,511) (2)機械装置及び運搬具 503,175 528,185 567,494 704,663 642,148 668,608 693,816 707,572 691,453 691,789 693,344 減価償却累計額 (362,564) (383,581) (414,594) (485,689) (453,155) (455,737) (491,904) (501,657) (490,229) (490,468) (491,570) (3)器具及び備品 222,549 212,033 203,214 220,932 165,434 170,906 230,709 235,283 229,923 230,035 237,468 減価償却累計額 (171,713) (158,531) (144,727) (147,817) (103,012) (115,863) (161,539) (164,741) (160,989) (161,067) (166,272) (4)土地 170,946 138,671 131,817 157,380 147,219 138,702 147,767 144,563 143,677 145,336 144,525 (5)建設仮勘定 20,402 21,715 28,211 32,120 35,253 41,905 34,626 35,313 34,508 34,525 36,333 有形固定資産合計 639,653 596,541 600,434 763,331 668,741 679,561 736,666 745,138 730,571 732,515 750,978 2.無形固定資産 のれん 321,414 355,183 360,681 2,106,887 1,453,961 1,387,397 1,320,833 1,254,269 1,187,705 1,121,141 1,054,577 商標権 211,523 190,587 154,980 613,496 347,372 350,900 437,256 378,509 388,888 401,551 389,650 その他 36,770 33,748 27,218 39,023 30,509 30,766 35,478 32,610 38,631 32,110 38,983 無形資産合計 569,707 579,518 542,879 2,759,406 1,831,842 1,769,063 1,793,567 1,665,388 1,615,224 1,554,802 1,483,210 3.投資その他の資産 投資有価証券 77,584 108,027 262,616 132,173 90,230 83,760 102,054 92,015 92,610 95,560 93,395 長期貸付金 5,980 887 808 4,409 9,190 0 0 0 0 0 0 繰延税金資産 151,874 102,902 75,456 110,708 128,786 85,375 108,290 107,484 100,383 105,385 104,417 その他 32,775 41,301 41,657 82,488 55,327 58,990 48,082 47,564 53,977 57,957 63,277 投資その他の資産合計 268,213 253,117 380,537 329,778 283,533 228,125 258,426 247,062 246,969 258,902 261,089 固定資産合計 1,477,573 1,429,176 1,523,850 3,852,515 2,784,116 2,676,749 2,788,659 2,657,589 2,592,765 2,546,219 2,495,277 資産合計 2,982,018 3,037,327 3,364,655 5,087,208 3,879,795 3,872,588 4,045,579 4,008,303 4,018,167 4,104,970 4,130,081 Actual Estimates

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18 (負債の部) Ⅰ 流動負債 支払手形及び買掛金 111,298 137,454 129,764 175,369 158,544 149,462 165,696 165,668 165,131 165,212 165,583 短期借入金 26,884 33,292 53,706 269,034 113,231 109,263 98,903 107,132 105,099 103,712 105,314 コマーシャルペーパー 0 0 0 0 0 119,000 119,000 119,000 119,000 119,000 119,000 1年以内償還予定の社債 0 0 0 73,054 190,363 50,395 50,395 50,395 50,395 50,395 50,395 1年以内返済予定の長期借入金 18,811 18,203 10,549 6,668 26,380 23,024 23,024 23,024 23,024 23,024 23,024 リース債務 0 0 0 0 5,512 4,936 4,936 4,936 4,936 4,936 4,936 未払金 236,524 119,674 93,567 79,014 62,824 73,738 71,859 69,474 71,690 71,007 70,724 未払たばこ税 78,594 68,184 134,573 200,875 172,986 212,066 195,309 193,454 200,276 196,346 196,692 未払たばこ特別税 14,996 12,793 21,991 10,898 10,470 10,490 10,619 10,526 10,545 10,564 10,545 未払地方たばこ税 95,364 95,181 181,374 88,839 85,541 85,238 86,539 85,773 85,850 86,054 85,892 未払法人税等 41,893 31,992 60,108 71,693 51,777 54,057 71,242 71,229 70,986 71,022 71,191 未払消費税等 27,704 28,189 35,756 62,654 43,847 60,105 55,535 53,162 56,268 54,988 54,806 繰延税金負債 21 3,563 2,246 6,547 2,915 2,357 2,357 2,357 2,357 2,357 2,357 その他 70,244 77,823 89,555 239,746 169,007 147,399 162,587 134,963 126,209 132,750 123,100 流動負債合計 722,333 626,348 813,189 1,284,391 1,093,397 1,101,530 1,118,001 1,091,093 1,091,767 1,091,367 1,083,559 Ⅱ 固定負債 社債 150,000 150,000 150,000 643,631 349,794 409,014 467,480 408,763 428,419 434,887 424,023 長期借入金 35,018 15,111 5,012 396,907 299,563 149,569 149,569 149,569 149,569 149,569 149,569 リース債務 0 0 0 0 11,234 9,126 9,126 9,126 9,126 9,126 9,126 繰延税金負債 44,245 46,178 43,435 174,395 110,389 94,577 126,454 110,473 110,501 115,809 112,261 その他 478,622 379,618 328,404 433,256 391,131 385,495 374,587 352,551 335,964 345,289 326,325 固定負債合計 707,885 590,907 526,851 1,648,189 1,162,111 1,047,781 1,127,215 1,030,482 1,033,579 1,054,680 1,021,304 負債合計 1,430,218 1,217,255 1,340,040 2,932,580 2,255,508 2,149,311 2,245,216 2,121,574 2,125,346 2,146,048 2,104,863 (純資産の部) Ⅰ 株主資本 資本金 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 資本剰余金 736,400 736,400 736,400 736,400 736,400 736,406 736,406 736,406 736,406 736,406 736,406 利益剰余金 805,927 972,511 1,158,337 1,344,490 1,224,989 1,310,669 1,388,630 1,466,577 1,464,249 1,521,963 1,579,866 自己株式 (74,578) (74,578) (74,578) (74,578) (74,578) (74,575) (74,575) (74,575) (74,575) (74,575) (74,575) 株主資本合計 1,567,749 1,734,333 1,920,159 2,106,312 1,986,811 2,072,500 2,150,461 2,228,408 2,226,080 2,283,794 2,341,697 Ⅱ 評価・換算差額等 その他有価証券評価差額金 16,888 35,531 33,329 21,338 8,437 12,043 12,043 12,043 12,043 12,043 12,043 繰延ヘッジ損益 0 0 14,580 219 92 0 0 0 0 0 0 海外連結子会社の年金債務調整額 0 0 (15,560) (10,711) (18,965) (26,269) (26,269) (26,269) (26,269) (26,269) (26,269) 為替換算調整勘定 (86,433) (7,353) 7,745 (41,085) (423,561) (409,160) (409,160) (409,160) (409,160) (409,160) (409,160) 評価・換算差額等合計 (69,545) 28,178 40,094 (30,239) (433,997) (423,386) (423,386) (423,386) (423,386) (423,386) (423,386) Ⅲ 新株予約権 0 0 0 185 364 564 564 564 564 564 564 Ⅳ 尐数株主持分 53,596 57,561 64,362 78,370 71,109 73,599 73,599 73,599 73,599 73,599 73,599 純資産合計 1,551,800 1,820,072 2,024,615 2,154,628 1,624,287 1,723,277 1,801,238 1,879,185 1,876,857 1,934,571 1,992,474 負債純資産合計 2,982,018 3,037,327 3,364,655 5,087,208 3,879,795 3,872,588 4,046,455 4,000,760 4,002,203 4,080,618 4,097,338

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19 【参考 損益計算書】 損益計算書 (単位:百万円) 2005.3 2006.3 2007.3 2008.3 2009.3 2010.3 2011.3 2012.3 2013.3 2014.3 2015.3 売上高 4,664,513 4,637,657 4,769,387 6,409,726 6,832,307 6,134,695 6,386,918 6,385,838 6,365,171 6,368,266 6,382,580 売上原価 3,713,725 3,734,073 3,844,768 5,228,925 5,554,398 5,022,637 5,168,007 5,167,134 5,150,411 5,152,915 5,164,497 売上総利益 950,788 903,584 924,619 1,180,801 1,277,909 1,112,058 1,218,910 1,218,704 1,214,760 1,215,351 1,218,082 販売費および一般管理費 677,416 596,636 592,628 750,247 914,102 815,552 832,338 832,197 829,504 829,907 831,772 営業利益 273,372 306,948 331,991 430,554 363,807 296,506 386,573 386,507 385,256 385,444 386,310 営業外収益 15,948 12,653 16,032 21,531 30,335 15,607 15,607 15,607 15,607 15,607 15,607 営業外費用 19,069 21,757 35,977 89,403 86,553 56,735 56,735 56,735 56,735 56,735 56,735 経常利益 270,251 297,844 312,046 362,682 307,589 255,378 345,445 345,379 344,128 344,316 345,182 特別利益 79,288 65,452 50,854 68,964 48,376 58,515 58,515 58,515 58,515 58,515 58,515 特別損失 248,204 62,299 25,701 59,208 93,816 37,836 37,836 37,836 37,836 37,836 37,836 税金党調整前当期純利益 101,335 300,997 337,199 372,438 262,149 276,057 366,124 366,058 364,807 364,995 365,861 法人税等合計 31,565 94,895 121,403 128,378 134,972 131,303 162,950 162,920 162,364 162,447 162,833 尐数株主利益 7,184 4,555 5,018 5,532 3,771 6,302 6,302 6,302 6,302 6,302 6,302 当期純利益 62,586 201,547 210,778 238,528 123,406 138,452 196,872 196,836 196,142 196,246 196,726 Actual Estimates

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