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が大幅に拡充されれば 滞納者の状況も大きく改善されることは明白です さらに 今年度から新 支援金制度及び給付型奨学金が導入されたことにより 高校 1 年生と 2 3 年生とでは表 2 のように国からの補助額が異なります そのため 今回のみ学費滞納率を学年毎に計算し直してみると表 3 のようになります

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栃木県私立高校生の学費滞納調査結果について

2014 年 12 月 3 日 栃木県私立学校教職員組合連合 1 学費滞納調査結果のまとめ わたしたち栃木私教連が私立学校、特に中学校・高等学校(中等教育学校を含む)に通う生徒たちの実態 を明らかにする目的で、経済的理由による学費滞納、退学に関する年2 回(上半期・年度末)の調査を始め て今回で12 回目となります。その中でわたしたちは、長引く不況に加え震災による経済的ダメージの中で、 私学に通う生徒の家計は深刻度をいっそう増していることを指摘してきました。特に3 月末時点での調査で は、国の私立高校等就学支援金制度導入後減り続けていた学費滞納率(調査では3 か月以上の学費滞納者の 割合を算出)が昨年、今年と2 年連続して上昇するという、他県には見られない傾向を示しました。 2012 年度から、県は授業料減免制度の支給基準を、「世帯収入」から国の就学支援金制度に合わせ「保護 者収入250 万円未満」へと切り替え、対象者を4倍に拡げました。にもかかわらず、明らかに経済的理由で 退学した生徒数は2012 年度末で 15 名、13 年度末 5 名と、それまで(11 年度末 1 名)と比べて増加してい ます。これまでの調査で国の就学支援金制度と現在の県の減免制度では滞納・退学に歯止めを掛けらない、 深刻な実態が浮き彫りになりました。 今回の調査では高校2・3 年生を対象にした旧・私立高校等就学支援金制度(以下、旧・支援金制度)と 1 年生を対象にした新・高等学校等就学支援金制度(以下、新・支援金制度)とで対象となる家庭の所得額及 び支援額が異なるため、学年毎にも滞納率を集計しました。 また、これまで旧・支援金制度下で加算申請家庭のみ所得証明書類等の提出を求めていたのに対し、新・ 支援金制度では、支援対象外となる家庭(年収910 万円以上)を含め、全家庭に書類提出を求めているため、 対応する事務担当者の負担はこれまでの比ではなく増大しました。さらに、就学支援金の事務処理が終了す る間もなく「奨学のための給付金制度」(以下、給付型奨学金)の申請事務に入り、またその基準が極めて複 雑なため、保護者・教職員への周知にも苦慮している実態も別紙アンケート及び学校訪問時各校担当者から の聞き取りにより明らかにしました。以下に今回の調査についてまとめてみました、 ①調査の時点は2014 年 9 月末です。 ②回答は震災で県外移転を余儀なくされた那須高原海城中学・高等学校を除く、県内私立高校15 校(生徒数 16, 697 名、中等教育学校を含む)すべてについて集約しました。 ③学費滞納状況 3 カ月以上の滞納者は 15 校で 146 名(昨年同期は 168 名)、そのうち6カ月を超える滞納者は 19 名(同 22 名)でした。これを滞納率で過去 5 年間と比較すると次のようになります。 表 1 学費滞納率の推移 学費滞納状況 3 カ月以上滞納(%) 6 カ月以上滞納(%) 1 校当たりの滞納者数 2009 年 9 月 1.45 0.37 17.6 人 2010 年 9 月(就学支援金導入) 1.38 0.39 18.1 人 2011 年 9 月 1.33 0.28 15.2 人 2012 年 9 月(県減免制度拡充) 1.17 0.31 12.4 人 2013 年 9 月 1.02 0.13 11.2 人 2014 年 9 月(今回、国新制度) 0.87 0.11 9.7 人 上述したように、年度末調査では3 か月以上の学費滞納者の割合はこの 2 年連続して上昇していますが、 上半期の調査では、2010 年度の旧・支援金制度の導入以来、滞納率は漸減傾向にあります。国の就学支援金 制度と2012 年に県が減免制度を拡充したことの一定の効果と考えられます。就学支援金制度や県の減免制度

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が大幅に拡充されれば、滞納者の状況も大きく改善されることは明白です。 さらに、今年度から新・支援金制度及び給付型奨学金が導入されたことにより、高校1 年生と 2・3 年生と では表2 のように国からの補助額が異なります。そのため、今回のみ学費滞納率を学年毎に計算し直してみ ると表3 のようになります。 表2 新・旧就学支援金制度比較 私立高校生 公立高校生 高校生世帯の家計年収 (市町村民税課税額で算定) 2・3 年生 2014 年度入学生 2・3 年生 2014 年度入学生 生活保護世帯・250 万円未満 237,600 円 297,000 円+奨学金 118,800 円 118,800 円+奨学金 250 万円~350 万円未満 178,200 円 237,600 円 118,800 円 118,800 円 350 万円~590 万円未満 118,800 円 178,200 円 118,800 円 118,800 円 590 万円~910 万円未満 118,800 円 118,800 円 118,800 円 118,800 円 910 万円以上 118,800 円 0 円 118,800 円 0 円 表3 学年別学費滞納率(2014 年 9 月末) 滞納状況 3 か月以上滞納(%) 6 か月以上滞納(%) 備 考 今回 高1 高2 高3 高1 高2 高3 高2・3 年滞納率平均(%) 0.54 0.97 1.09 0.05 0.07 0.21 3 か月 1.03/6 か月 0.14 上記の結果、高校1 年生の滞納率が 2・3 年生に比べ大きく下がっていることがわかります。明らかに国の 新・支援金制度による低・中所得者層に対する支援の拡大の効果と考えられます。この基準に合わせ、県独 自に授業料減免制度を拡充すれば、2・3 年生の滞納率も大幅に改善することができると推測されます。 表4 就学支援金加算申請者数推移 就学支援金加 算申請状況 一律 (118,800 円) 1.5 倍加算 (178,200 円) 2 倍加算 (237,600 円) 2.5 倍加算 (297,000 円) 加算合計 2010 年 7 月 17,787 475 1,624 ― 2,099(11.8%) 2011 年 7 月 17,816 514 1,809 ― 2,323(13.0%) 2012 年 7 月 18,536 981 1,875 ― 2,856(15.4%) 2013 年 7 月 18,388 892 1,846 ― 2,738(14.9%) 2014 年 2・3 年 1 年 2・3 年 1 年 2・3 年 1 年 1 年 2・3 年 1 年 (暫定) 12,225 5,079 a) 582 1685 b)1190 c)610 d)816 1,772 3,111 1~3 年合計 17,304 2,267 1,800 816 4,883(26.5%) ※学校法人外の通信制高校、中等教育学校(高校相当)、および専修学校の高校相当を含む 今年度の就学支援金加算申請については、表2 のように、新・旧支援金制度の収入基準、および補助金 額が異なり、さらに、新・制度では所得制限が設けられたために、全保護者からの書類・証明書等提出が 義務付けられ、事務手続きが極めて煩雑になりました。そのため、今年度の加算申請者については7 月ま での暫定的なものになっています。 過年度比較のために、収入基準ごとの加算申請者数を合算してみると、 a) 582 + c) 610 = 1,192 (250~350 万円未満) b) 1,190 + d) 816 = 2,006 (250 万円未満) どちらも少しずつ増え、合計で3,198 名、推計で 17.4%(1 年生で支援金対象外生徒数がつかめなかっ たため、母数を過去2 年と同程度、18,400 名とした場合)となります。実際の加算申請者総数は、新制度 で年収350 万円~590 万円未満家庭にまで拡充されたため、1,685 名増の 4,883 名(推計で約 26.5%)に 拡がりました。 また、新・支援金制度で所得制限のために補助金を受けられない生徒は、推計で1,096 名(6.0%)程度 と見られ、この中には面倒な事務手続きのため、書類提出を拒んだ家庭も含まれています。 2

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3 ④経済的理由の中退者は5 名(0.03%)でした。(昨年 1 名、2012 年 3 名、2011・2010 年 2 名) ただし、これ以外の「一身上の都合」「進路変更」等の理由の退学者の中にも表面化されていない、「経済 的理由による退学者」が含まれている可能性もあると指摘する事務担当者もいます。就学支援金の制度開始 後、上半期の時点で5 名もの退学者が出ている理由は、所得格差の拡大や実質賃金が下がり続けていること が大きく影響していること、国の就学支援金制度だけでは十分でなく、また、栃木県が他県に比べ学費軽減 のための制度拡充が著しく立ち遅れている点にあると思われます。このままでは、再び年度末での退学者の 増加が心配されます。 ⑤滞納率・経済的理由の中退率の全国との比較(全国私教連の調査による) 3 か月以上滞納者割合の全国平均は 1.07%で、栃木の 0.87%はそれを下回っていますが、経済的理由での 中退者割合は全国0.01%に対して栃木は 0.03%、人数的には全国で 6 名が最も高く、栃木の 5 名はそれに次 ぐ数です。 ⑥合わせて私立中学校における滞納者・経済的理由の中退者についても調査しました。 回答校は全8 校、1,584 名 3 カ月以上の滞納者 5 名 0.32% (昨年度同期は 2 名、0.12%) ※全国平均 0.21% 6 カ月以上の滞納者 2 名 0.13% (昨年度同期は 1 名、0.06%) 経済的理由の中退者 0 名 0% (昨年同期も0名) ※全国平均0.01% 中学校での滞納者が増え得ていることも気になります。私立中学校に通わせる過程が必ずしも裕福な家庭 ばかりではなく、また、不況状況からの家計急変や下で述べる問題も起こっていると思われます。 ⑦学費滞納や中退の理由 各校からのアンケートに書かれた退学・滞納理由は以下の通りです。(※回答は学校関係者からのものであ り、個人情報保護の観点から、個人及び学校が特定できる内容は削除、または一部手を加えてあります。) ・入学前から入学金の延納があり、その後も授業料の滞納が続き、退学。 ・入学後家計急変による退学。 ・不登校、長期滞納により養育者に連絡するが、連絡も取れず除籍。 ・生徒のアルバイトでの収入が生活費になり、学費に回らない。 ・保護者のリストラや収入カット等が滞納の原因。 ・滞納者中、加算申請者は約半数で、他は申請を出していない(2・3 年)か該当せず(1 年)。 ・父親の失業、母親がパートで収入少ない。 ・母子・父子家庭のため収入減。 ・1 年以上に及ぶ長期滞納者もいる。 ・母子家庭により、収入が少ない。 ・父親の転職、再就職による減収期間の影響が大きい。 ・母子家庭、親の失職等経済及び家庭環境の複雑な生徒が多く、滞納者への連絡等には苦慮している。 ・就学支援金制度等により直接的な中退者は現在のところないものの、多くの場合、保護者家計に余裕が生まれた とは思えない状況である。生徒のアルバイトを許可する場合、その理由は学費のためもあるが、生活費のためと いう場合もある。 ・均等に教育機会を与えるためという制度の精神であれば、子どもを産み育てる経済的負担を軽減するため、高校 授業料無償化は全員に実施した上で、全体的な子育ての支援政策が必要と考える。 2 栃木県の私学助成の実態 ①他県の学費補助制度(2014 年 7 月文科省調査から) ア) 2014 年度から制度拡充した都道府県(29 都府県、重複あり) ・給付金などの支給額を増額・・・神奈川・山形(250 万円~350 万円までの世帯に県単独補助を 3 万円(年 額)加算)など、17 都府県 ・支援対象の世帯収入の上限を拡大・・・香川(それまでの400 万円未満から 590 万円未満に拡大) ほか10 府県

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・支援対象の学校種を拡大・・・山梨(専修学校高等課程も対象に追加)など10 府県 ・その他・・・埼玉(施設設備費補助として生保・250 万世帯に 20 万円で学費全額補助、350 万円世帯に 10 万円)など 7 県 <その他の例> ・長野…予算額を約4000 万円増額2~3 年生にも新制度を導入(保護者負担全学年同額)し、学費減免制度を拡充。 ・愛知…350 万円~840 万円の中所得層に加算。350 万円未満世帯の入学金補助を 15 万円に。 ・長崎…250 万円未満世帯に施設設備費も含む学費全額無償。 ・東京…250 万円~350 万円世帯で 32,700 円、350 万円~760 万円までの世帯に 41,600 円を加算。 イ)支援策を拡充しない自治体(16 道県) ・北海道、岩手、宮城、秋田、栃木、千葉、富山、石川、和歌山、広島、山口、愛媛、福岡、 佐賀、熊本、宮崎 文科省は、就学支援金制度を改定し低・中所得者層への支援金加算額を増やしたことにより、自治体の負 担分が減り、昨年度と比べると一定の剰余金が出るので、それを使って各自治体の支援制度拡充するよう要 請してきました。しかし、文科省調査で16 道県が拡充を実施せず、さらに、「次年度も実施予定なし」と回 答した自治体は栃木を含む8 県でした。県は、「国と県の負担割合が変わっただけで、授業料減免の対象者は 変わらず、保護者負担も変わらない。制度の改悪ではない」(下野新聞2014.9.6 より)と答えています。県の 補助金支出は当初予算で昨年度より約2,525 万円減少しています。学事課は、「私立学校への補助金など私学 関連の予算全体は増やした。今後の授業料の引き下げにつながるはずだ」(日経新聞2014.7.24 より)と述べ ていますが、この声にはどの学校も疑問を呈しています。これまでの5 年間、国が私立学校経常費補助金単 価引き上げをしても、県は「財政健全化プログラム」の名の下に、私学への経常費補助単価の増額をストッ プしたままでした。若干の単価引き上げをしたのは今年度でした。 ②関東各都県の減免制度 関東各都県が独自に実施している減免制度(新1 年生の場合)は以下の通りです。 表5 関東各都県の学費補助額一覧 ( は国の制度) 2014 年度 標準世帯年収別 学費補助額 1 年生 県 生 活 保 護世帯 ~250 万 ~350 万 ~430 万 ~500 万 ~590 万 ~760 万 ~800 万 ~910 万 910 万~ 入学 金補 助 栃木 授 業 料 全額 授 業 料 全額 237,600 178,200 178,200 178,200 118,800 118,800 118,800 0 ☓ 茨城 301,000 301,000 301,000 180,000 180,000 180,000 118,800 118,800 118,800 0 ☓ 群馬 297,600 297,600 237,600 178,200 178,200 178,200 118,800 118,800 118,800 0 埼玉 学 費 全 額 575,000 475,000 375,000 375,000 250,000 118,800 118,800 118,800 0 ○ 千葉 授業料 全額 授業料 全額 授業料 全額 授業料 2/3 授業料 2/3 授業料 2/3 118,800 118,800 118,800 0 ○ 東京 429,000 385,000 365,200 281,600 281,600 222,200 222,200 118,800 118,800 0 ☓ 神奈川 420,000 420,000 390,000 299,400 299,400 193,200 193,200 118,800 118,800 0 ☓ (全国私教連調査による) 保護者年収350万円未満の家庭にまで制度を拡充していない県は、全国で栃木を含めわずかに10県です。 ③栃木県の私立高校経常費助成 4 わたしたちは県「財政健全化プログラム」で2009 年以来据え置かれてきた県単補助の増額を再三要求してき ましたが、ようやくその要求が実現しました。今年度は、高校では国の補助単価増額分を上乗せし、国基準単価 をわずか98 円ですが上回ることができましたが、全国平均より 16,000 円弱下回っています。また、幼稚園では 国基準を4,895 円上回りましたが、小中ではまだ3万円強下回っています。(中学校は全国 39 位)

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5 表6 栃木県の私立学校経常費助成と全国比較 2014 年度児童生徒 一人当たり単価 栃木県 前年比増減 国基準 国基準との差 全国平均 高校 317,100 円 +4,600 円 317,002 円 +98 円 332,831 円 中学校 278,700 円 +14,400 円 309,581 円 -30,782 円 302,591 円 小学校 277,200 円 +14,400 円 307,957 円 -30,757 円 288,002 円 幼稚園 181,100 円 +2,600 円 176,205 円 +4,895 円 179,676 円 高校生1人当たり 317,100 円(昨年より 4,600 円増額、昨年度全国 40 位から今年度 39 位) ④2014 年度就学支援金制度(詳しくは 2014 年 7 月発表資料参照) 今年度から導入された新・支援金制度のポイントは以下の通りです。 1) 公立高校授業料不徴収と私立高校生等への就学支援金の制度を所得制限導入に伴い、就学支援金制度へ一本化。 2)「経済的負担軽減の必要が認められない者」として、保護者年収910 万円以上の世帯については就学支援金を 支給しない。 3)所得制限で捻出された財源は、私立高校の低所得世帯の生徒等に対する支援と奨学のための給付金に充てる。 4)2014 年 4 月の新 1 年生より新制度を実施し、2・3 年生は従来の制度を適用する。2015 年度以降順次新制度に 切り替える。 5)具体的な補助金額と保護者所得の基準は上表2 の通り。 6)並行して支給される「奨学のための給付金」(以下、「奨学金」)については以下の通り。 ・非課税世帯(250 万円未満世帯)に支給 ・生活保護世帯 国公立高校生32,300 円(年額)、私立高校生 52,600 円(年額)…修学旅行費用相当額 ・第1 子高校生 国公立高校生 37,400 円(年額)、私立高校生 38,000 円(年額)…教科書・教材費・学用品等 ・23 歳未満の扶養兄姉がいる第 2 子以降 国公立高校生 129,700 円(年額)、私立高校生 138,000 円(年額) ※問題点 … 非課税世帯であっても「23 歳以上の扶養兄姉がいる家庭の第 2 子以降」など支給対象除外がある ⑤栃木県の私立高校生授業料減免制度 ・平成26 年度減免予算 約 91,331 千円(前年比 25,258 千円の減額) 栃木県では、わたしたちの度重なる要請に応え、ようやく平成23 年度から保護者年収 250 万円程度(就学支援 金制度2 倍加算支給、全県で約 1,300 名)まで対象を拡大し、2 年半が経過しました。 わたしたちは昨年度から、国が就学支援金制度を変更するのを契機に県の減免予算を減額することなく、さらに 県の制度拡充につなげるよう要望し続けてきました。しかし、県は国の制度変更により低所得者層に対する支援は 充実したとして、約2,525 万円の予算削減を実施しました。 生活保護世帯・保護者年収250 万円未満家庭への国からの支援金は297,000 円で、栃木県では全寮制の学園を除 くほとんどの学園の授業料が賄えてしまいます。つまり、1 年生の場合、減免制度による実質県の持ち出しはほと んどありません。 わたしたちは、これまでの滞納調査結果や各学園からの声をもとに、この分を県が予算削減することなく施設・ 設備費等授業料以外の学納金にも使えるよう、また、次の段階の年収350 万円未満家庭への制度の拡充へと活かす よう強く求めています。 3父母負担の軽減を図る制度の見直し・拡充が必要です 以上の点から、わたしたちは次のような改善を求めます。 ①県の私立高校生授業料減免制度のさらなる拡充を (1) 減免の受給対象生徒を早急に年収 350 万円未満の家庭まで拡大する。1・2 年後にはさらに 590 万円未 満満家庭にまで拡げる等、減免の年収基準を計画的、段階的に引き上げ、学費の実質無償化を進める。

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(2) 減免制度の対象を授業料以外の施設設備費等義務的納付金にも拡げる。 (3) 公立高校同様に、生活保護世帯の私立高校生の学費も全額無償にできるように制度を拡充する。 (4) 国の就学支援金制度で所得制限を設けられている年収 910 万円以上の家庭にも、県独自の予算で全員一 律118,800 円までの支援を行う。 ②国の「教育の機会均等」政策の一層の推進を (1) 高等学校等就学支援金の私立高校生に対する支給額を、当面私学学費の平均に相当するよう 3 倍化する。 国と県の制度を併用することで、私学学費の実質無償化を前進させることが可能になる。 (2) 高校 2・3 年生と同様に、支給上限の所得制限をなくし、また、加算申請や奨学金申請の手続きを一本 化し、簡素化することで申請し易くする。 (別紙「就学支援金・自治体減免措置、奨学給付金の申請・給付事務での課題と改善について」参照) ③幼稚園から高校まで、県の私学経常費助成の単価を国の単価増分以上引き上げる。 以上 6 < 今回の調査結果のポイント > 1)国の私立高校等就学支援金制度が開始され 5 年が経過し、学費滞納状況は、少しずつではあるが改善 してきている。 2)長引く不況と地元企業の倒産・移転による失業や実質賃金の低下、非正規雇用等の影響、および、県 の授業料減免制度の拡充が行われなかったために、特にこの 2 年ほど、学費滞納や経済的理由での退 学者が目立つようになってきた。 ・上半期の経済的理由の中退者数は、2010・2011 年 2 名、2012 年 3 名、昨年 1 名、今回が 5 名(0.03%)。 さらに、これ以外の「一身上の都合」「進路変更」等の理由の退学者の中にも表面化されていない、 「経済的理由による退学者」が含まれている可能性もある。 3)新・高校生就学支援金制度(1 年生対象)と旧・私立高校等就学支援金制度(2・3年生対象)下で の初めての調査で、両制度の下での私立高校生の学費納入状況の比較ができた。 ・高校 1 年生の滞納率が 2・3 年生に比べ大きく下がっている。明らかに新制度による低・中所得者層 に対する支援の拡大の効果と考えられる。 ・2・3 年生についても、新制度の基準に合わせて県独自に授業料補助を引き上げれば、滞納者を現在の 半分程度まで減らすことができると推測される。 4)新・高校生就学支援金制度の問題点 ・支給上限の所得制限があるため、「高校無償化」の方向には逆行するものである。 ・上記の支援金制度の恩恵を受けられない家庭にまで証明書類の提出を求めるため、保護者はもちろん、 学校事務担当者、県の担当者にも大幅な負担増となり、支給が遅れる原因となっている。 ・上記の点から 1 年生については、定額支給についても 2・3 年生のように 4 月から受けられなくなり、 滞納傾向にもますます拍車をかけることになる。 ・奨学金制度は支給基準が極めて複雑で、その上、居住する県ごとに証明書類発行時期の大幅なずれが あり、また、支援金事務等の終了後に行われるため、この時期になっても支給が受けられていない。

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