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(1)

1ー ル ー ダ ス ーー コ ヴ ェ ン ト リ ー ・ サ イ ク ル 劇 ( X ) X

53

第 三 十 二 番 演 目 橋

さ れ こ う べ の 丘 へ の 道 行 き 本 侃

︹涙 を 流 す 二 人 の 女 た ち が 登 場 し ︑ 悲 し み に 手 を 絞 り な が ら 言 う ︒ ︺

(1)

女一ああ︑イエス様︑ああ︑イエス様1悲しいことに︑写本左百七十九頁

こ の よ う に 身 包 み は が さ れ て し ま っ た ー

罪の一つも見つからなかったというのに!806でも︑あなたは神様からずうっと愛されたおバカさんだったんだ!

(2)

女 二 あ あ ︑ あ ん な に 善 い 人 だ っ た イ エ ス 様 の 痛 ま し い お 姿 が こ こ に ー

理不尽にも︑こんな死に方をしなくちゃならないとは!

(2)

ああ︑悪辣な者たち︑気が触れたからやった︑などと言うつもりか︑

あんなにも善い主にこんな大きな恥辱を与えるなんて1

︹ここで︑十字架を背負ったままのイエスは女たちに向かって言う︒︺

(3)

イエスエルサレムの女たちよ︑わたしのためではなく︑

自分と︑自分の子供たちのために涙を流しなさい︒

な ぜ な ら ︑ そ の 時 に 向 か っ て ず っ と 生 き て き た 日 が 必 ず 来 る ー

それまでに犯した罪と︑物が見えなかったせいで苦しむことになる日が︒

(4)

その時︑お前は言われる︑﹁子を産めぬ腹は幸せだが︑

そのような日々に︑乳を吸わせている乳房は災いだ﹂と︒

そして︑父親たちは言われる︑﹁わたしをもうけた時が災いだった﹂︑

そして︑母親たちは︑﹁ああ︑悲しいことだ︑これからはどこが住みかか?﹂と︒

(5)

その時︑人々は丘と山に向かって大きな声で呼びかける︑

﹁開いてわたしたちを隠してくれ︑玉座におられる方に姿が見えないように︒

さもなければ︑われらを覆いかぶし︑われらの上に崩れ落ちてくれ︒

690 685

X95

(3)

55 ル ー ダ ス=コ ヴ ェ ン トリ ー サ イ ク ル 劇(XXII)

それで︑やっと悲嘆から隠れおおせることができる︒﹂

︹ここで︑イエスは女たちから顔をそむけ︑前に進む︒すると︑イエスと女たちはシモン

に出くわす︒ユダヤ入たちがシモンに声をかける︒︺

(6)

ユダヤ人嗣そこのあなた︑あなたに好い知らせを一つ差し上げよう︒

ご覧ですね︑男が一人

十字架を重く運んでいますーー㎜

自分がその上に吊るされることになっているというのに︒

(7)

そこで︑あなたにお願いだ︑百八十(T帖)

あの男の十字架に手を貸して︑

されこうべの丘まで︑わたしたちと一緒に運んでくれないか?

そうしてくれたら︑あなたに大いに感謝したい︒鵬

(8)

シモンとんでもありません︑みなさん︑わたしにはできませんー

しなくてはならない大切な用事があるのです︒

だから︑お願いです︑勘弁してください︑

(4)

56 わたしをこのまま使いにやらせてください︒

(9)

ユダヤ人二なんだと︑われらをさげすむのか︑そんなことはできない︑だと1

その木を運んでくれるように︑こうしてお願いしているというのに1

それとも︑はっきりと言いきるつもりか︑﹁運ぶのに︑

道のりがこの十倍もあったら引き受ける﹂などと?

(10)

シモンお願いです︑みなさん︑どうか不快に思わないでください︒

その木を運ぶお手伝いをしますから︑

運ばなくてはならない場所まで︒

どこまで運んだらいいのか命じてください︒

︹ここで︑シモンはイエスの十字架を手に取ると︑運び始める︒︺

(11)

ヴエロニカああ︑罪深い人たち︑なぜこんなことをしているのですか?

汗と血のせいで︑あの方には物が見えません︒

ああ︑悲しいことに︑聖なる預言者︑キリストーーイエス様!

︹イエスの顔をハンカチで拭う︒︺

715 710

720

(5)

ル ー ダ ス 旱 コ ヴ ェ ン ト リ ー ・サ イ ク ル 劇(XXII) 57

本当にあなたのことが心配でなりません︒

(12)

イエスヴェロニカ︑あなたが泣いてくれたおかげで気が楽になった︒

前には真っ黒に見えたわたしの顔がきれいになった︒

すべての苦しみから遠ざけてあげることにしよう︑

あなたのハンカチを見て︑わたしのことを思い出す人たちを︒

﹁ 礫 刑 ﹂

725

︹ここで︑ユダヤ人たちはイエスから衣服をはぎ取り︑ひとまとめにしてから︑イエスを

引き倒し︑十字架の上に寝かせた後で︑釘付けにする︒︺左百八十

(1)

ユダヤ人一さあて︑ここいらで︑ためしてみよう︑

この十字架が奴の背丈にぴったり合うかどうか︒

奴 を こ こ へ 格 好 良 く 寝 か せ ろ ー

 

いつまでも奴を突っ立ったままにさせておくつもりだ!

(6)

(2)

ユダヤ人二奴が気分を悪くしても構わぬ︑引きずり倒して︑

早く︑奴の腕をこっちへよこせ︒

そうしてくれれば︑直ぐに俺たちにも判るだろう︑

奴の古き良き時代は終わりになった︑ということが︒

(3)

ユダヤ人三もう片方の腕を俺によこせ︒

奴の両足の位置に気をつけろ︒

そうしてくれれば︑直ぐに判るだろう︑

奴のために空けておいた穴がぴったりかどうか︒

(4)

ユ ダ ヤ 人 四 ぴ っ た り だ 1 充 分 に 気 を つ け ろ ︒

そっちの腕を引き出せ︑痛くてもいいから!

ユダヤ人一こんちくしょうめ︑こっちへは届かない1

もっとでかい足ならぴったり合ったのに1

(5)

ユダヤ人二奴を綱の先にしっかり結んで︑引っ張って伸ばしてみょう︒

730

X40 735

(7)

ル ー ダ ス 雷 コ ヴ ェ ン ト リ ー ・サ イ ク ル 劇(XXID 59

も う 一 度 ︑ お 前 を 引 っ 張 り 上 げ て や る ぞ !

こ の 綱 は 強 い 綱 だ か ら 大 事 を 取 ら な く て も い い ︑

奴 の 肉 と 血 管 の 両 方 を 引 き 千 切 っ て も 構 わ な い ︒ 衛

(6)

ユダヤ人三直ぐに釘を打ち込め!ああ︑ちっと待て︑

奴の肉という肉が持ちこたえられかどうか︑よく見ていろよ︒

ユダヤ人四よし︑いいそ︑そのくらいで許してやる1

見ろ︑この釘を︑丁度いい所に打ち込んだ︑びくともしねえ︒

(7)

ユダヤ人一そんなら次は︑奴の両足に綱をしっかり結べ︒百八十一(057)

そうしたら︑引っ張るにいいだけ引っ張れ!

ユダヤ人二ここに長さといい︑太さといい︑ちょうどの釘がある︒

はっきり言っておく︑これを見事に刺し通してやる}

︹ここで︑ユダヤ人たちは仕事をいったん止め︑十字架の回りをしばらくの問︑踊り回る︒︺

(8)

ユダヤ人三見ろや︑ここにいるのがお光りさんだ︒このお光りさんを木に吊すそ︒

ユダヤ人四そのとおりだ︑あんたがりっぱな王様だと信じるね︒窃

(8)

60 ユダヤ人一りっぱな旦那︑俺に教えてくれや︑あんたの予言はあんたの役に立つのか?

ユダヤ人二そのとおり︑あるいは︑間違ったお説教の一つでもあんたの役に立つのか?

(9)

ユダヤ人三さあ︑みんな︑十字架を持て︑おっ立てるぞ︒

そうしたら︑奴の顔がまともにおがめる︒.

ユダヤ人四そのとおりだ︒とても親切な王様に向かってひざまずき︑607

その偉大な恩恵を祈り求めよう︒

︹ここで︑十字架を立て終わると︑その前で︑四入は互いに次のように言い合う︒︺

(10)

ユダヤ人一もし︑あんたがユダヤ人の王なら︑万歳︑だ1

ユダヤ人二そうだ︑そうだ︑旦那は肉も骨も丸ごと木に吊るされているんだ!

ユダヤ人三さあ︑その木の上から降りてこい!

ユダヤ人四そしたら︑あんたを直ぐに拝んでやるぞ︒657

︹ここで︑貧しい平民たちが登場し︑ユダヤ人四︑あるいは︑ユダヤ人五を見る︒すると︑

ユダヤ人たちは平民たちの所へ来ると︑泥棒たちを吊るさせる︒︺

(11)

ユダヤ人一お前ら悪ガキめ︑こっちへ来て︑この二本の十字架をおっ立て︑

(9)

ル ー ダ ス=コ ヴ ェ ン ト リ0・ サ イ ク ル 劇(XXII) 61

こいつら泥棒二人を直ぐに吊るせ︒

ユダヤ人二そうしよう︑このりっぱな騎士さんを礼拝するために︑左百八十一

奴の両側に吊るせ︒

︹ここで︑身分の卑しい人々が二本の十字架を立て︑泥棒たちを両腕の所で縛って吊るす︒

その間に︑ユダヤ人たちはイエスの衣服を賭けてサイコロ賭博を始め︑小競り合いをする︒

一方の舞台から︑聖母マリアが三人のマリアを引きつれて登場し︑十字架の脇に座るヨハ

ネの姿を認める︒マリアは気を失いつつ︑嘆き悲しみながら︑言葉をゆっくりと口にする︒︺

(12)

マリアああ︑わたしの善い主︑わたしの可愛い息子よ!707

お前はなにをしたの?なぜ︑ここにこうして吊るされているの?

お 前 に と っ て ふ さ わ し い 死 に 方 が も っ と 他 に も あ る で し ょ う に ー

泥棒と一緒の︑このようなもっとも恥ずかしい死に方よりも他の死に方が?

(13)

ああ︑なんという心臓なの︑お前はなぜ裂けてしまわないの?

乙女で母親でもあるお前は︑子供をこのように殺された︑と口にするだけなの?757

お前はこの悲しみと︑この痛ましい考えにどうしたら堪えられるの?

ああ︑死よ︑死よ︑死よ︑なぜわたしを殺すつもりがないの?

(10)

62

︹ここで︑聖母マリアは再び気を失う︒われらの主が語る︒︺

(14)

イエスおお︑全能の父よ︑人間を造られた方︑

わたしを苦しませるユダヤ人たちをお許しください︒

父よ︑かれらを許してください︑そしてまた︑かれらを許してください︑807

なぜなら︑ユダヤ人たちは何を自分たちがしているのか判らないからです︒

(15)

ユダヤ人一おやおや︑なんと︑なんと︑奴はこんな所にいたぞ!

過日︑寺院を打ち壊すようにわれらに命じ︑

三日のうちに︑

上等の衣服を身に着け︑再び立ち上がる︑と言った奴が!857

(16)

ユダヤ人■一そんな事がしでかせるなら︑今こそ︑やってみろーー百八十二

できるなら︑自分自身を救ってみろ!

そうしたら︑お前のことを必ず信じて︑

お前が力ある男だと言おう︒

ユダヤ人三そのとおりだ︑お前が教え広めていたとおり︑お前が神の子ならば︑90

7

(11)

ル ー ダ ス 置 コ ヴ ェ ン ト リ ー サ イ ク ル 劇(XXII) 63

十 字 架 か ら 今 す ぐ 降 り て 来 い !

そ う し た ら ︑ お 前 に 慈 愛 を 求 め ︑

お 前 が 有 名 な 主 で あ る と 言 お う ︒

(17)

泥棒ゲスマス自分で言ったとおりの神の子なら︑

自分と俺たちをたった今︑救え!

だが︑すっかり信じているわけじゃないそ︑

イエスよ︑お前が神の子キリストである︑とは︒

(18)

泥棒ディスマス黙れ︑バカ者︑なぜそんなことを言うのか?

あの人は神のみ子だ︑そうに違いない︒

そ れ に い い か ︑ あ の 人 は 罪 一 つ 犯 し て な い ー

それなのに︑こんな死にざまになろうとは!

(19)

ところが︑俺たちの方は悪さを散々と重ねてきた︒

あの人は間違ったことは一つもしていない︒

善き主よ︑憐れみ給え︑憐れみ給え!そして︑どうか俺のことを忘れないでくれ︑

SOO 795

(12)

磁 主よ︑あなたの王国とあなたの至福に至る時には!058

(20)

イエスアーメン︑アーメン!あなたにはとても分別がある︑

そのように願い求めるとは︒その願いを認めてあげよ・?Il

今日︑天国にいる︑

あなたの神であるわたしと一緒にそこにいる︒

(21)

マリアおお︑わたしの息子︑わたしの息子︑わたしのいとおしい子よ︑左百八十二(018)

お前を怒らせるようなことをわたしがしたの?

ここにいるすべての人には口を利いたのに

わたしに向かっては一言も一言ってはくれていない︒

(22)

ユ ダ ヤ 人 た ち に 向 か っ て は と て も 親 切 で す ね ︒

そ の 犯 し た す べ て の 悪 行 を 許 し ︑ 15 8 そ ち ら の 泥 棒 の こ と も 心 に 留 め た

慈 愛 を 求 め た の が 一 度 だ け な の に ︑ 天 国 が あ の 人 に 報 わ れ た の で す か ら 1 (23 )

(13)

ル ー ダ ス 雷 コ ヴ ェ ン ト リ ー ・サ イ ク ル 劇(XXII) s5

ああ︑わたしを支配しておられる主よ︑口を利いてくれないのはなぜですか︑

お前の間違いに苦しむ母親であるわたしに向かって?

ああ︑心臓よ︑心臓︑なぜ裂けてしまわないの︑208

ひどい悲しみはなくなってしまったというの?

(24)

イエスああ︑婦人よ︑婦人よ︑見なさい︑そこにいるのがあなたの息子だ︒

そして︑ヨハネ︑あの婦人を自分の母親とするのだ︒

できるだけ心を込めて世話をするように命じる︒

清らかな乙女のあなたは︑もう一人の乙女の世話をしなさい︒258

(25)

そして︑婦人よ︑天上のわたしの父がわたしをこの世に遣わしたのは知ってのとおりだ︒

あなたと同じ人間の形を取り︑アダムが犯した罪の順いをしたのだ︒

なぜなら︑これがわたしの父のみ旨でご意思だ︑

このようにしてわたしが死ぬのは︑悪魔から霊魂を奪われた人間を救うためだ︒

(26)

さてこそ︑それがわたしの父のみ旨であるので︑そのようにあらねばならない︒308

だが︑わたしの死がひどいものでも︑毎を不快にさせていいものか!

(14)

66 人間のためにこれらすべてに堪えるようにと︑あなたから生まれたのです︑

人間が失っていた喜悦へ︑人間を再び立ち帰らせるために︒

︹ここで聖母マリアは立ち上がり︑小走りに十字架の所へゆき︑十字架を抱きしめる︒︺

(27)

マグダラのマリアああ︑善き婦人よ︑なぜこんなことをなさるのですか?百八十三

悲しみに溢れるお顔を見ると︑わたしどもはとても悲しくなります︒晒

そして︑わたしの優しい主イエスが抱えられている苦痛を︑

あなたも抱えておられるのをご覧になると︑それだけ余計にイエス様は苦しむのです︒

(28)

乙女マリア皆さんにお願いします︑このまま︑わたしをここにいさせておくれ︑

そして︑この木の上にわたしを吊るしておくれ︒

わ た し に と っ て い と お し い 友 と 息 子 の 傍 ら に 1 脚

あの子があそこにいるのですから︑わたしもあそこにいたい!

(29)

ヨハネ心優しい婦人よ︑嘆くのは今すぐお止めください︒

わたしたちと一緒に帰るように︑皆でお願いします︒

そして︑旅立たれるわれらの主を慰めましょうー1

(15)

ル ー ダ ス 雷 コ ヴ ェ ン ト リ ー サ イ ク ル 劇(XXII}

67

ご自分の道を行かれる用意がもうほとんど整っていらつしゃるのだから︒458

︹ここで︑人々は聖母マリアを十字架から引き離す︒するとここで︑ピラトが出場所から

降り︑カヤバとアンナスと家来たちを引き連れ︑キリストを見に来る︒アンナスとカヤバ

はあざ笑いながら言う︒︺

(30)

カヤバご覧なさい︑みなさん︑とくとご覧ください!

ここに吊るされているのは多くの人を救った奴です︒

もし奴が神の子ならば︑

そして︑奴にできるなら︑今こそ自分自身を救わなくては!

(31)

アンナスそのとおり︑もしお前がイスラエルの王なら︑508

十字架から降りてきて︑わしらすべての中に加わるといい︒

そして︑今が今︑お前の神に救ってもらえ︒

そうしたら︑お前をわれらの王だと呼んでやろう︒

︹ここで︑ピラトはペンとインクを持ってくるように命じ︑渡された木片にラテン語で記

す︑﹁コレガなざれノいえす︑ゆだや人ノ王﹂と︺︒左百八十三

︹カヤバに書き取らせ︑梯子を登らせ︑捨札をキリストの頭の上に据えさせる︒するとカ

(16)

盤 ヤパはピラトに読ませて︑言う︒︺

(32)

カヤバピラト閣下︑これには驚きましたな︑

奴が﹁ユダヤ人の王﹂であると書かれましたな︒

それより︑次のように書いていただきたいですねII

﹁奴はユダヤ人の王であると自称した﹂と︒

ピラトわしが書いたとおりに書かれている︒

それゆえ︑わしのためを思うなら︑しかと︑そのままにしておくように︒

︹このようにして︑皆が出場所へ戻ると︑イエスが叫ぶ︒︺

(33)

イエスヘロイ︑ヘロイ︑ラマヤバサニ︒

高い天におられるわたしの父よ︑

なぜわたしをお見捨てになるのですか?

人間としてのわたしにもろさがあるので︑

強い痛みが体を刺し貫き始めました︒

ああ︑いとおしい父よ︑わたしを心に掛け︑

死ぬことで︑わたしの悲しみを終わりにさせてください︒

855 860

(17)

ル ー ダ ス 冒 コ ヴ ェ ン トリ ー ・サ イ ク ル 劇(XXID 69

(34)

ユダヤ人二わたしには︑エリヤをあのようにして呼んでいるように思えます︒

もっとそばへ近づいて︑よく見ていよう︑

エリヤが気づかぬうちに来るのかどうか気をつけていよう︑

イエスを十字架から引き降ろしに︒

イエスこれほどまでに喉の渇きを覚えた人はいなかった︑

人間よ︑お前のために︑わたしが今︑渇いているようには︒

渇きのせいで︑わたしの唇はひび割れた︒

乾き果てて裂けてしまった︒

(35)

ユダヤ人三このど阿呆め︑あんたの喉の渇きを和らげるために︑

ここにある酢と胆汁をやろう︒

なんと︑しかめっ面をしたように見えたが11

この飲み物はうまくないか?

あんまり急いで飲み物をくれと叫んだが︑

今が今︑むだな叫びだったようだ︒

この飲み物はいい味がしないか?

875 S70

880

(18)

⑳ 今直ぐに︑どう思うか俺に言え︒

(36)

ユダヤ人四間抜けの旦那︑今は随分と高い所におられますなあ1

あんたを一人っきりにしておくつもりはありません︒

新しいしきたりに従ってあなたに声を掛け︑

あなたに向けて︑しかめっ面をしましょう︒

ユダヤ人一あんたをあざ笑いながらお迎えしましょう︑

朝も夜もあんたに向かってお祈りをしましょう︒

われらの作った穀物には充分に気をつけて︑

鴉を追い立てましょう︒

(37)

イエス主ヨ︑ミ手二!

天の玉座におられる聖なる父よ︑

わたしの霊魂をあなたに託します︒

なぜなら︑今やここに︑わたしの宴は終わります︒

行って︑あの悪魔の奴を殺しましょう︑

なぜなら︑今や︑わたしの心臓は壊れ始めました︒

885 890

 

百 八 十 四

895

(19)

ル ー ダ ス 菖 コ ヴ ェ ン ト リ ー ・サ イ ク ル 劇(XXII) 71

もうこれ以上の言葉をわたしは喋らない

今ココニ︑成シ遂ゲラレタ︒

(38)

マリアああ︑ああ︑悲しいことに︑わたしはあまりに長く生き過ぎた︑

わたしのかわいい息子が強い痛みを抱えているのを見るなんて!

泥棒として十字架上に吊るされたが︑

一度として罪は犯していない︒

悲しいことに︑わたしのいとおしい子は死ぬ覚悟ができていた︒

今やわたしの心配は更に増えた︒

ああ︑わたしの心臓は痛みに押しつぶされた︒

悲しみのせいで︑わたしの心臓は二つに裂けた︒

(39)

ヨハネああ︑恵まれた乙女よ︑考えをお変えください︒

なぜなら︑ご子息は悲しみに堪えているが︑

この仕事はあの方ご自身の意思によってなされたからです︑

しかも︑自ら進んで死を受け入れるために︒

また︑あなたの世話をするように︑この場でわたしに命じられたのです︒

900 905

919

(20)

72

わたしのいとおしい婦人よ︑わたしはあなたの召使です︒

それゆえ︑お願いですから︑元気を出して︑

陽気になってください︒

(04)

マリアあの子はわたしから生まれたのではないけれど︑

あの子の肉はみんなこのように裂けてしまったとわたしは言おう︒

後ろの背中の肉も︑前の胸の肉も︑

引き裂かれて︑大きな傷跡が残った︒

わたしは苦悩のうちに身を置かなくてはならない︑

わたしの友が大勢の敵といるのを見るのは︒

頭の天辺から足の先まですべて引き裂かれ︑

肉には︑皮膚がついていない︒

(41)

ヨハネああ︑恵まれた婦人よ︑申しあげますが︑

あの方が死ななければ︑わたしたちは地獄へ行くはずだったのです︒

永遠に地獄にとどまるのです︑

苦痛にさいなまれる悪魔たちと︒

915  

左 百 八 十 四

20 9

925

(21)

ル ー ダ ス 冒 コ ヴ ェ ン ト リ ー ・サ イ ク ル 劇(XXII) 73

̀あの方はわたしたちが犯した罪のせいで死をこうむられました︒

あの方が死んだおかげで︑神の恵みを得るのです︑

天の地にあの方と一緒に留まる恵みを︒

それゆえ︑心楽しくしてください︒

(42)

マリアああ︑いとおしい友よ︑よく分かりました︑

わたしたちを順って神の喜悦へ向かわせる︑ということが︒

しかし︑わたしはもう今まで以上の喜びを逃してしまった︑

この有り様を目にした時に︒

ヨハネさあ︑いとおしい婦人よ︑それゆえ︑あなたに願います︑

この悲しみから離れる道を取りましょう︒

なぜなら︑このような有り様を見ることがない時には︑

あなたの心配も今よりもっと軽いものになるかもしれません︒

(43)

マリアさあ︑あの子から別れなくてはならない︒

それでも︑行く前に接吻させておくれ︑

苦しみを受けた︑あの子の恵まれた両足を︑

930 935

940

(22)

74

この木の上に釘付けにされた両足を︒

残虐にも︑大きな侮辱を受けて︑

いままでに誰もこのような惨めな有り様を覚悟した人間はいない︒

それゆえ︑わたしの心臓は苦しみに追い込まれ︑

すべての喜びがわたしから離れ去ってしまった︒

︹ココデ︑マルデ種播ク人ノヨウニ︑身ヲ大地二投ゲ出スト︑よはねガ言ウ︒︺

(岨)

ヨハネさあ︑恵まれた乙女よ︑わたしと一緒にゆきましょう︒

この有り様をもうこれ以上長くは見ないことです︒

この国を案内しましょう︑

一番気に入った場所にお連れしましょう︒

マリアさあ︑わたしの息子が気に入っていた︑優しいヨハネ︑

神の寺院へわたしを連れていっておくれ︒

そうしたら︑神に祈ることができるでしょう︑ひどく泣きながら︑

そして︑嘆き悲しみながら1用意はできています︒

(45)

ヨハネあなたがお望みのことをすべてしてください︒

945  

百 八 十 五

950

955

(23)

ル ー ダ ス 冨 コ ヴ ェ ン ト リ ー ・サ イ ク ル 劇(XXII) 75

心を込めて︑あなたの考えていることを致しましょう︒

さあ︑恵まれた乙女よ︑ぐずぐずしないで︑

寺院に入りましょう︒

聖なる祈りを捧げれば︑あなたの気分は変わり︑

機嫌もずっといいものとなりましょう︒

ご子息が流す血を見なければ︑

それだけあなたの心配も少ないものになりましょう︒

︹ソレカラ︑まりあハよはねト寺院へ移行スル︒︺

(46)

マリアこの寺院でわたしは生涯を送り︑

心からの畏怖の念を持って︑わたしの主である神に仕えます︒

今や︑泣くことがわたしの糧となりましょう︑

神がいくらかの慰めを送ってくれるまでは︒

ああ︑わたしの主である神よ︑あなたに向かって祈ります︑

わたしの子が三日目に立ち上がる時︑

そ の 時 に は あ な た の 端 女 を 慰 め ︑

わ た し の 心 労 を 癒 し て く だ さ い 1

965 960

970

(24)

76

第 三 十 三 番 演 目 地 獄 へ の 降 下

(1)

キリストの霊魂今や︑すべての人は心から喜んでいる︑

得ることのできるすべての喜びで︒

なぜなら︑それまでは地獄の獄舎に捨て置かれていた

人間の魂を

今や︑わたしが苦痛から立ち上がらせ︑再び生きさせるからだ︑

まぎれもない天国がある所へ︒

それゆえ︑人間よ︑心から喜びなさい︑

今や︑喜悦のなかに留まるのだ︒

(2)

わたしはキリストの霊魂で︑

すべての徳の王である︒

わたしの体は死んだーーユダヤ人が殺し︑

十字架上に吊るした︒ 左百八十五(75)9

980

(25)

ル ー ダ ス 富 コ ヴ ェ ン ト リ ー ・サ イ ク ル 劇(XXm 77

引き裂かれ︑体のいたる所が血だらけになった︒

人間のためにわたしの体は死んだ︒

わたしの体は人間を救うためのパンで︑

わたしの体の血は魂の飲み物である︒

(3)

わたしの体は殺されたが︑

これは確かなことだー⊥二日目に

わたしの体を再び立ち上がらせ︑

あなたたちに言ってきたとおりに︑生き返らせる︒

さて︑わたしはこれから真っ直ぐに地獄へゆくつもりだ︒

そして︑地獄に留まるすべてのわたしの友を

大勢の悪魔の手から奪い取り︑

永遠に続く喜悦に向かって引き連れ上る︒︹キリストの霊魂は地獄の門へゆき︑

﹁大門ヨ︑扉ヲ開ケ︑永遠ノ戸よ上がれ︑栄光ノ王ガ入ル︒﹂︺

(4)

嘆 き の 場 所 の 門 を 開 け よ !

人 間 の 魂 に 思 い を か け る

9S5 990

 

言・つ︒

995

(26)

78

栄 光 の 王 が 今 こ こ に 来 た ︑

こ こ に あ る 門 と い う 門 を 打 ち 破 る た め に ︒

そ の 中 に い る 悪 魔 た ち ︑

地 獄 の 門 の か ん ぬ き を 外 せ ︒

人 類 を 解 放 す る ︑

悲 痛 か ら 救 う の だ ︒ (5 )

ベリアルああ︑ああ︑なんたることだー

お 前 の 命 令 に 屈 服 し な く て は な ら な い の だ !

お 前 が 神 だ と い う こ と が 今 ︑ 判 っ た ︒

お 前 に つ い て は 大 き な 疑 い を 持 っ て い た ︒

お 前 に 対 抗 し て 起 立 す る も の は な に も な い ︒

す べ て の も の が お 前 の 手 に 従 う ︒

天 国 と 地 獄 ︑ 海 も 陸 も ︑

す べ て も の が お 前 に 向 か っ て 腰 を か が め ︑ 礼 を 尽 く す ︒

(6 )

キ リ ス ト の 霊 魂 わ た し に は 向 か っ て も む だ と い う も の 1

ioOO 1005

八 百

十 六

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)

(27)

ル ー ダ ス 冒 コ ヴ ェ ン ト リ ー ・サ イ ク ル 劇(XXII)  

抵 抗 す る の も ︑ じ っ と し て 動 か な い の も ︒

地 獄 の 獄 舎 は 長 く 持 た な い ︑

栄 光 の 王 に い く ら 対 抗 し て も ︒

わ た し は 黒 い 扉 を 打 ち 倒 す ︒

こ れ で 今 は も う ︑ 入 り 込 む 光 り を 受 け て ︑

名 簿 に 載 っ た 順 番 に 連 れ だ そ う ︑

こ れ ま で 入 れ ら れ て い た 煉 獄 か ら ︒

第 三 十 四 番 演 目 埋 葬 わ た し の 美 し い 友 た ち の 見 分 け が つ い た ︒

(1)

百 人 隊 長 目 の 前 で 繰 り 広 げ ら れ る こ の 光 景 を 見 て ︑ 今 や は っ き り わ か っ た l l

神 の 愛 し い み 子 が 木 の 上 に 釘 付 け に さ れ て い る の だ ︒

次 々 に 起 こ っ て い る こ の 不 思 議 な 現 わ れ が 確 か な 証 拠 だ ︑

ア ノ 方 ハ 神 ノ ミ 子 デ ア ッ タ ︒

1015

1020

(28)

80

騎 士 二 あ の 方 が 神 の み 子 そ の も の で あ っ た と 考 え ま す ︒

そ う で あ っ た の で ︑ あ の 方 が 不 思 議 な 業 を さ れ た の だ と 思 い ま す ︒

こ ん な に 大 地 が ひ ど く 揺 れ て い る の で ︑ わ た し に は 恐 ろ し い ︒

霧 が 出 て き て ︑ 嵐 に な っ て ︑ 不 思 議 に も あ た り は 真 っ 暗 に な っ て き ま し た ︒

(2 )

騎 士 三 あ の よ う な 不 思 議 な 業 は 地 上 の 者 は 見 せ ら れ た こ と が な い ︒

さ っ き ま で す っ か り 晴 れ て い た 空 が 真 っ 暗 だ ︒

地 の 揺 れ は ひ ど く ︑ 雲 は 薄 暗 く な っ て き た ︒

こ れ ら の 天 変 地 異 は あ の 方 が 比 類 の な い 主 で あ る こ と の 現 わ れ だ ︒

百 人 隊 長 あ の 方 の 父 親 は 数 あ る 帝 国 の う ち の 比 類 な き 王 だ ︒

こ の 世 の 主 で あ り ︑ 高 き 天 の 王 で も あ る ︒

そ れ に も か か わ ら ず ︑ す べ て の 罪 か ら わ れ ら を 引 き 上 げ る こ と で 危 険 か ら 救 い ︑

わ れ ら す べ て の た め に ︑ 愛 し い 息 子 を 死 な せ た の だ ︒

(3 )

ニ コ デ モ あ あ ︑ あ あ ︑ こ れ は な ん と い う 光 景 だ l l ・︑

喜 び の 主 で あ り 王 で あ る 方 の こ ん な 有 り 様 を 目 に す る な ん て 1

一 度 も 罪 を 犯 さ ず ︑ 間 違 い を し で か し た こ と も な い 方 が ︑

1025 1030

1035

(29)

ル ー ダ スeコ ヴ ェ ン ト リ ー ・サ イ ク ル 劇(XXII}

S1

十字架上にあのように釘付けにされるとは!

ああ︑ユダヤ人たち︑なんということをしでかしたのだ!

あ 南 邪 悪 な 知 恵 者 た ち φ 何 を 髪 て の こ と か ! ㎜

1

なぜ︑打ちのめし︑このように殴りつけ︑

神に恵まれた血という血を流させたのか?

(4)

百 人 隊 長 あ あ ︑ 今 こ そ ︑ 本 当 に 巧 く 言 葉 に で き る l I 左 百 八 十 六

こ の 方 は 神 ご 自 身 の み 子 で あ っ た ︑ と ︒

こ の 方 が 神 で あ り 人 間 で あ る こ と が 判 っ 飛 ㈱

1

この世でなされた仕事によって︒

(5)

あ の よ う な 仕 事 が で き た の は 人 間 で は な く 神 様 だ っ た か ら だ 1

女 か ら 産 ま れ た 者 な ど で は な い ︒

あ の 方 が あ ん な に も 偉 大 な 聖 職 者 だ っ た か ら だ ︒

そ う で は な い と 否 定 さ れ た に も か か わ ら ず 筆 は 人 間 の 能 力 を 受 て い た ・ 伽

1(6)

あえて言おう︑あの方の掟は本物だった︑

(30)

82

あちこちでわれらに教えられた︒

それゆえ︑皆さん︑回心し︑

犯している間違いを改めるようにお勧めします︒

(7)

アリマタヤのヨセブおお︑この十字架上で亡くなられた善い主のイエス様︑

わたしを憐れみ︑わたしの罪をお許しください︒

善意を込めて︑あなたを拝みます︑

天上の喜びに恵まれますように︒

(8)

これからピラト様の所へ行って︑

主イエス様のご遺体がほしいと願い出よう︒

ご遺体を直ぐにお埋めするのだ︑

まだ造って間もないわたしの墓へ︒

(9)

万歳︑玉座におられるピラト様︑

万歳︑ユダヤ人がそうだと呼ばわる最高法院判事様︑

万歳︑ご機嫌伺いのご挨拶をいたします︒

1060 1055

1065

(31)

ル ー ダ ス 翠 コ ヴ ェ ン ト リ ー ・サ イ ク ル 劇(XXID  

お 運に恵まれていれば︑の話ですが︑骨を一本お願いしたいのです︒

(10)

イエスの遺体を埋めるのをお許し願いたい︑

人の目から見えなくするためです︒

なぜなら︑明日はわたしたちの休日となります︒

すると︑曲盟圓います︑埋める人が誰もいないことになるのです︒

(11)

しかも︑いつまでもそこに吊るしておきますと︑

もう見飽きた︑と言う人も出てきましょう︒

ユダヤ人たちは言い出しましょう︑﹁とても悪いことだー

あ な た 様 の こ 尊 厳 に も か か わ る し ︑ ご 利 益 に も な ら な い の だ か ら ﹂ と ︒

(12)

ピラトバラマシヤのヨセブ︑あなたの言い分を認めよう︑

イエスの遺体を思いどおりにしなさい︒

だが︑イエスが本当に死んでいるかどうかを先ず最初に確かめたい︑

判決は死刑と下されのだから︒

(13)

1070  

百 八 十 七

1075

(32)

騎士団よ︑お前たちに命じる︑

バラマタヤのヨセブと一緒に︑急いで行って︑

良く確かめよ︑

イエスが死んでいるのは確かかどうか︒

(14)

この命令を必ずまっとうするように気を付けよ︑

この言葉だけを胸にしまって︑

ヨセブの思いどおりにさせよ︑

イエスについてしたいことを︒

︹ここで︑二入の騎士がピラトの前に一緒に進み出て言う︒︺

(15)

騎士一閣下︑われらは全力を尽くし︑

ヨセフとされこうべの丘へ行きます︒

閣下の面前から出立し︑

直ぐに真実を見つけ出します︒

(16)

ヨセフピラト様︑あなた様の優しさに感謝します︑

1080

1090 1085

(33)

ル ー ダ ス"コ ヴ ェ ン ト リ ー ・サ イ ク ル 劇(XXII)  

紡 よくぞわたしの好き勝手を許してくれました︒

わたしの住んでいる地域にあるものでしたらなんでも︑

お求めになられれば︑差し上げます︒

(17)

ピラト望む物はすべてあなたにあげよう︒

イエスの死体を好きなようにしなさい︑

穴 だ ろ う が 墓 だ ろ う が ど こ へ で も 埋 め な さ い 1

皆の前で︑あなたにその権限をそのように認可する︒

︹二人の騎士はヨセブとイエスの所へ行き︑イエスの前に立つと︑

(18)

騎士ニイエスはもう死んでいるので大丈夫だと思う︒

骨を砕く必要はない︒

死んでいるーどう思う︑

歩きもしないし︑ロも利かないだろう?

(19)

騎士一帰る前に確かめよう︒

一つのことを思いついたー  左百八十七(09)1

両 手 で 顔 を 掴 む ︒ ︺

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(34)

86 あそこに目の見えない騎士がいるので︑行ってみる︒

直ぐに事は済ませる︒

︹ここで︑目の見えないロンギウスの所へ行き︑声を掛ける︒︺

(20)

ごきげんよう︑生まれが立派な騎士ロンギウス︑

心からあなたにお願いしたいことがある︑

急いでわたしと行動を共にして欲しい︑

これはあなたの利益になることだ︒

(21)

ロンギウスご命令に従って︑あなたとご一緒しましょう︑

どのような場所にわたしを置かれるつもりか︒

なぜなら︑あなたがわたしの友であると信じております︒

わたしを導いてください︑われらの安息日に間に合わせてくれるように︒

(22)

騎士一ご覧なさい︑ロンギウス殿︑ここに槍が一振りあります︑

長くて︑幅広で︑切っ先は十二分に鋭い︒

そ こ に あ る の で ︑ 素 早 く 手 に 取 っ て く だ さ い ー

1105

1115 1110

(35)

ル ー ダ スeコ ヴ ェ ン ト リ ー ・サ イ ク ル 劇(XXII) 87

楽しい見世物がこれから始まるのだ︒

︹ここで︑ロンギウスは槍を油断なく構える︒すると握り手に血がひたたり落ちてくる︒

そして︑偶然に目をぬぐう︒︺

(23)

ロンギウスおお︑善い主よ︑これはなんとしたことでしょう︑百八十八

このように明るく輝くものは?m1この三十年も目が見えませんでした︒

それなのに︑わたしの目が見えるのです︑どのようになったのか判りません︒

でも︑いまここに吊るされているのは誰なのですか?

あの乙女の息子に違いありません︒

しかも・どうして今︑あそこにいるのか判っています・鵬

ーユダヤ人たちがこのような恥辱をあの方に与えたのだ︒︹ひざまずく︒︺

(24)

今が今︑善き主よ︑わたしを許してください︑

こんなことをあなたにしてしまいました︒

していることが何が何やら分からずにしてしまったのです︒

ユダヤ人たちはわたしの無知をいいことに常軌を逸しさせたのです︒㎜

1

(36)

銘 憐れみたまえ︑憐れたまえ︑憐れみたまえ︑と泣きの涙で求めます︒

︹ここで︑ヨセブが二本の梯子を立てると︑ニコデモは手を貸す︒︺

(25)

ニコデモァリマタヤのヨセブさん︑あなたが祝福されますように!

なぜなら︑本当に善いことをしているからです︒

お 願 い で す ︑ わ た し に も 手 伝 わ せ て く だ さ い ー

こ れ で あ な た が 受 け ゐ 報 い を 分 か ち 合 え ま す ︒ 燭

1(26)

ヨセブニコデモさん︑大歓迎だ︑

どうか手伝ってくれるようにわたしからもお願いする︒

あの方はわたしたちに必ず報いてくださる︑

もしもわたしのお手伝いが許されるものなら︒

︹ここで︑ヨセブとニコデモは十字架からキリストを一つの梯子からもう一つの梯子に移

す︒それが終わると︑ヨセブはキリストを聖母マリアの膝の上に横たえる︒騎士たちを追

いやると︑ヨセブが言つ︒︺

(27)

ヨセブご覧ください︑善い母︑真の母であるマリア様︑蜘1

(37)

ル ー ダ ス 雷 コ ヴ ェ ン ト リ0・ サ イ ク ル 劇(XXII) 89

ここに︑血と傷だらけのご子息がいます︒

このお姿に心が痛みます︒

引き取られる前に︑どうぞ一度は接吻をなさいまし︒

(28)

乙女マリアああ︑神よ憐れみ給え︑憐れみ給え︑わたしの愛しい子よ!左百八十八

お前の血だらけの顔に接吻しなくては︒蜘1顔には色がなく︑真っ青だ︒

多くの喜びをなくしてしまって寂しく思うことになるでしょう︒

今までにこのようなことを口にする母親は一人もいなかった︑

そ の 子 供 が ︑ こ の よ う な 大 き な 悲 痛 を 抱 え て い る ー な に も か に も 剥 ぎ 取 ら れ た !

そして︑わたしの愛し子は間違いを一つも犯したことがなかった︒㎜

1ああ︑天の父よ︑憐れみたまえ︑み旨がそのようにありますように!

(29)

ヨセブマリア様︑み子をわたしにお預けください︑

墓に運んで行きます︒

マリアヨセブよ︑神の祝福をきっと受けられます︑

なぜなら︑このような善い行いしたのですから︒莇

1

(38)

90

︹ こ こ で ︑ キ リ ス ト が 墓 に 横 た え ら れ る ︒ ︺

( 30 )

ヨセブこの亜麻布を持ってきましたーーあなたにお渡ししましょう︑

まっさらなうちにあなたを包むためにです︒

ニコデモ持ってきました香料がここにあります︑

主イエスのご遺体のすべてに塗るためです︒

(31)

ヨセフ今はもう︑イエス様は墓の中です︑

いつかはわたし自身のために︑と注文しておいた墓です︒

主よ︑どうぞあなたのためにお使いください︒

わたしの報いがとても大きなものになると承知しています︒

(32)

ニコデモさあ︑この石をもとのように置きましょう︑

これでイエス様はこの墓にいつまでもおられるでしょう︒

そして︑われらの方は直ぐに家路に向かいましょう︒

もう日が暮れてしまったようです︒

さようなら︑ヨセブさん︑お元気で︒

1160

1165

(39)

ル ー ダ スeコ ヴ ェ ン ト リ ー ・サ イ ク ル 劇(XXII)

もうこれ以上︑この場にぐずぐずしないでおきましょう︒

ヨセフ全能の神があなたと共にいて︑

天上の喜びへあなたをお連れするように1

(33)

マリアさようなら︑親切な貴公子たち︑

いつまでも喜びのうちにおられますように!

終わりのない天国の喜びを

あなた方がきっとご覧になることが分かっています︒

︹ここで︑ヨセブとニコデモの二人は聖母マリアに挨拶をしてから︑

く︒︺

︹ こ こ に ︑

へ 続 く ︒ ︺

1170  

百 八 十 九

そ れ ぞ れ 別 の 道 を 行

﹁されこうべの丘への道行き︑地獄への降下︑埋葬﹂が終わり︑﹁墓の見張り﹂

91

参照

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