福島県県産品輸出戦略
平成30年4月1日
福島県
はじめに
福島県では、東日本大震災及び原子力災害の影響により停止した県産品の輸出の再 開と回復に向けて、平成25年3月に策定した福島県県産品振興戦略に基づき、県内 関係団体、事業者、国などと一体となって、食の安全に関する情報等を発信しながら、 輸入規制のない国への販路拡大を進め、輸出量を震災前の水準に回復させることを当 面の目標として取り組んできました。 この結果、福島県産品に対する輸入規制が無く、近年、経済成長が著しい東南アジ ア地域への農林水産物等の輸出や、欧米を中心とする日本酒や加工食品等の輸出が拡 大し、平成29年度末における県産品の輸出量は、震災前の水準を超える見込みとな りました。 さらに、震災直後に設定された54の国・地域の輸入規制は、EUを始めとする各 国・地域の輸入規制解除、緩和が進み、輸入禁止が9の国・地域、検査証明書の添付義 務は18の国・地域まで減少し、本県産品の輸出を取り巻く情勢にも変化が見られて います。 こうした状況を踏まえ、更なる県産品の輸出の促進を図るため、今後3年間の新た な目標を定め、戦略的かつ効果的な県産品の輸出拡大に向けて新たな輸出戦略を策定 するものです。 なお、本戦略は、県が関係機関・団体等と現状や課題を共有した上で実施するべき 方策等をとりまとめたものであり、特段の記載がない場合は、県が主体となって実施 するものです。戦略の位置づけ
この輸出戦略は、福島県県産品振興戦略第4章-2(3)「国際展開の推進方針」に 基づく個別のアクションプランであり、戦略の目標年次は平成32年度とします。 また、その上位計画である「福島県商工業振興基本計画-新生ふくしま産業プラン -(平成25年3月策定、平成29年3月改訂)」及び「福島県農林水産業振興計画- ふくしま農林水産業新生プラン-(平成25年3月策定)」に掲げる施策の展開や成果 指標と整合するものです。目 次
第1章 戦略の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1 戦略策定の背景 2 目指すべき姿 第2章 現状分析と課題の整理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 1 国別の輸入規制の現状について 2 国別の経済力・購買力について 3 国別の文化、宗教について 4 日系百貨店、スーパー、日本料理店の出店状況について 第3章 戦略的な取組みについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 1 関係機関・団体と連携した推進体制について 2 輸入規制解除に向けた取組みについて 3 国別の風評払拭、情報発信の取組みについて 4 品目(分類)別の輸出先国(重点地域、注目地域、調査地域)について 第4章 海外販路開拓・拡大活動(段階別)について・・・・・・・・・・・・11 1 生産・製造体制の整備・支援について 2 普及・啓発段階の取組みについて 3 販路開拓段階の取組みについて 4 販路拡大段階について 第5章 今後の進捗管理について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・121
福島県県産品輸出戦略
第1章 戦略の目的 1 戦略策定の背景 東日本大震災及び原子力災害から7年が経過し、震災前の主な輸出先であった香港 や台湾、韓国など、今なお福島県産農林水産物等の食品に対する厳しい輸入規制が続 く中、これまで関係者が一体となり、輸入規制の少ない東南アジア地域における輸出 拡大に取り組み、輸出量は震災前の水準を回復した。 しかし、日本全体では食品の輸出額が8,000億円を超え、この7年間で約倍増と なっている。また、本県の農産物の主要輸出品目である果実、野菜、米、食肉につい て、日本全体の輸出量は90,634トン(平成28年)であり、平成22年対比で 約倍増となっている一方で、本県の農産物の輸出量は7年前の水準に回復したに過ぎ ず、他の自治体と比べ大きく遅れをとっている。 さらに、福島県産農林水産物や加工食品に対する風評は、一部の地域において固定 化、または深刻化しており、すべての国・地域における輸入規制の解除には、さらに 時間を要することが考えられる。 こうした中、本県では、福島県産品に対する輸入規制の無い地域において、更なる 輸出の拡大を図ることで、今なお輸入規制を続けている国・地域に対する理解を促進 させ、規制の解除、風評の払拭へと繋げていくとともに、地域経済の活性化に向けて、 持続可能な収益を目的とする海外販路の開拓を推進し、「ふくしまプライド。」を世界 に向けて発信していく必要がある。 2 目指すべき姿 この戦略は、平成30年度から平成32年度までの3年間の取組みを定め、平成32 年度末の輸出目標額は、総額で12億円とする。 具体的には、世界各地において福島県産品に対する評価が高まり、自立的かつ安定的 に県産品の輸出が拡大し、特に「ふくしま」といえば、「お酒」、「もも」、「お米」など のイメージが定着し、震災や原発事故の負のイメージが緩和され、県産品を求めて外国 人観光客も急増している姿を目指す。また、県内では、若手後継者や女性が夢と希望を 持って活躍できる輸出産業として着実に拡大している姿を目指す。 【表-1 福島県産品の輸出目標(平成32年度末)】 品目分類 輸出数量 輸出金額(千円) 輸出数量 輸出金額(千円) 農産物 66,859kg 33,585 500,000kg 200,000 畜産物を含む。 加工食品 - 31,062 - 100,000 アルコール類 254,850L 349,780 500,000L 700,000 水産物 0 0 5,000kg 100,000 工芸品 - (調査中) - 100,000 計 - 414,427 - 1,200,000 輸出実績は福島県貿易促進協議会調べ。「-」は調査対象外。 目標年次(平成32年度)までの年次別の目標は、28年度実績値と32年度目標値から比例計算して設定する。 平成28年度実績 平成32年度目標 備考2 第2章 現状分析と課題の整理 1 国別の輸入規制の現状について 現在、本県産農産物等の輸出については、原子力災害の影響により、震災直後には5 4の国・地域において輸入制限があったが、現在は27の国・地域(平成30年2月2 2日現在)にまで減少しているものの、今なお、すべての食品の輸入禁止や放射性物質 の検査証明書や現地でのサンプル検査などを義務付ける輸入規制を課している国・地域 があり、これらの解除に向けた取り組みを日本政府に求めていくとともに、県としても 積極的な働きかけを行う必要がある。 【図-1 福島県産食品の輸入規制の現状】 2 国別の経済力・購買力について 県産品の輸出拡大には、限られた予算、人員などの資源の中で目標達成に向けた効果 的な取り組みが重要であることから、輸出先国における輸入規制を踏まえつつ、その経 済力、文化や宗教、消費者の趣向などを総合的に考慮したうえで、輸出品目ごとに輸出 先国を選定し、戦略的な活動が必要である。 このため輸出品目は、①農産物、②加工食品、③アルコール類、④水産物、⑤工芸品 の5つの分類を主要輸出品目と設定し、その輸出先国(海外市場)として取り組む最適 な国・地域を選定し取り組む。 さらに選定した輸出先国のうち、優先的に活動を行う国・地域を「重点地域」、中期 的な視点から定期的に活動を行う「注目地域」、将来、拡大が見込まれる市場として情 報を収集していく「調査地域」に区分し、計画的かつ効果的な事業の展開を行う。 また、そのうち輸入規制のある地域については、国との連携を図りながら積極的に輸 入規制解除に向けた働きかけを行っていく。
3 【表-2 国別経済力・購買力(アジア)】 2016年 世界順位 2010年 対2010年 2016年 順位 2010年 対2010年 2016年 順位 アジア 日本 38,917.3 22位 42,942.8 90.6% 41,274.6 30位 33,733.6 122.4% 126.90 10位 アジア シンガポール 52,960.7 10位 46,569.4 113.7% 87,855.4 4位 70,598.1 124.4% 5.61 110位 アジア 香港 43,528.0 16位 32,421.1 134.3% 58,321.7 12位 46,948.2 124.2% 7.37 97位 アジア 韓国 27,538.8 28位 22,151.2 124.3% 37,740.4 33位 29,824.7 126.5% 51.25 26位 アジア 台湾 22,453.4 36位 19,261.7 116.6% 48,094.8 21位 38,592.8 124.6% 23.54 55位 アジア マレーシア 9,360.5 68位 8,920.5 104.9% 27,266.7 49位 20,335.8 134.1% 31.66 42位 アジア 中国 8,113.3 73位 4,504.1 180.1% 15,398.6 81位 9,215.4 167.1% 1,382.71 1位 アジア タイ 5,899.4 88位 5,062.7 116.5% 16,887.7 76位 13,181.3 128.1% 68.98 20位 アジア インドネシア 3,604.3 117位 3,178.1 113.4% 11,720.3 99位 8,432.7 139.0% 258.71 4位 アジア フィリピン 2,924.3 127位 2,155.4 135.7% 7,728.1 121位 5,550.4 139.2% 104.20 12位 アジア ベトナム 2,173.3 135位 1,297.2 167.5% 6,428.6 128位 4,395.5 146.3% 92.64 13位 アジア インド 1,723.3 144位 1,429.6 120.5% 6,615.8 126位 4,494.0 147.2% 1,309.35 2位 アジア ミャンマー 1,269.3 153位 998.4 127.1% 5,831.8 130位 3,434.9 169.8% 52.25 25位 アジア バン グラ ディッシュ 1,411.0 151位 807.5 174.7% 3,890.6 142位 2,592.2 150.1% 161.51 8位 地域 国・地域名 1人あたり名目GDP(単価:USドル) 1人あたり購買力平価(単価:USドル) 人口 (単位:100万人) 【表-3 国別経済力・購買力(その他地域)】 2016年 世界順位 2010年 対2010年 2016年 順位 2010年 対2010年 2014年 順位 2014年 順位 アジア日本 38,917.3 22位 42,942.8 90.6% 41,274.61 30位 33,733.58 122.4% 126.90 10位 335.8 25位 ヨーロ ッパ ノルウェー 70,391.6 3位 87,309.3 80.6% 69,249.46 7位 61,520.24 112.6% 5.26 114位 16.3 165位 ヨーロ ッパ スイス 79,242.3 2位 74,590.8 106.2% 59,560.70 10位 52,999.01 112.4% 8.33 93位 201.7 46位 ヨーロ ッパ デンマーク 53,744.0 9位 57,782.7 93.0% 47,985.37 23位 41,726.12 115.0% 5.71 109位 132.4 61位 ヨーロ ッパ スウェーデン 51,164.5 12位 51,869.2 98.6% 49,836.22 17位 42,021.51 118.6% 10.00 84位 22.2 153位 ヨーロ ッパ オーストリア 44,498.4 15位 46,810.1 95.1% 48,004.66 22位 42,430.64 113.1% 8.69 90位 103.6 73位 ヨーロ ッパ オランダ 45,282.6 14位 50,433.3 89.8% 51,049.02 15位 44,839.46 113.8% 17.03 63位 409.9 18位 ヨーロ ッパ ベルギー 41,283.3 20位 44,770.5 92.2% 45,046.94 26位 40,278.67 111.8% 11.31 75位 370.5 21位 ヨーロ ッパ ドイツ 41,902.3 19位 41,876.4 100.1% 48,110.85 20位 40,117.59 119.9% 82.73 17位 231.7 38位 ヨーロ ッパ フランス 38,127.7 24位 42,249.1 90.2% 42,313.99 28位 37,284.25 113.5% 64.61 22位 117.1 66位 ヨーロ ッパ イギリス 40,096.0 21位 38,664.9 103.7% 42,480.72 27位 35,872.26 118.4% 65.57 21位 269.2 33位 ヨーロ ッパ イタリア 30,507.2 27位 35,995.6 84.8% 36,833.09 35位 35,097.39 104.9% 60.67 23位 201.3 47位 ヨーロ ッパ スペイン 26,608.9 29位 30,802.9 86.4% 36,415.96 36位 32,269.91 112.8% 46.32 29位 91.7 83位 ヨーロ ッパ ギリシャ 17,900.7 41位 26,839.2 66.7% 26,669.10 50位 28,810.86 92.6% 10.85 79位 82.2 91位 ヨーロ ッパ ポルトガル 19,831.6 39位 22,580.7 87.8% 28,933.32 45位 26,496.47 109.2% 10.33 82位 112.1 68位 ヨーロ ッパ ロシア 8,928.7 70位 10,671.2 83.7% 26,489.82 51位 21,210.69 124.9% 143.44 9位 8.4 176位 北米 カナダ 42,210.1 18位 48,309.5 87.4% 46,437.16 25位 39,916.62 116.3% 36.23 37位 3.6 183位 北米 アメリカ 57,436.4 8位 47,530.6 120.8% 57,436.41 13位 48,309.45 118.9% 323.30 3位 32.9 141位 中東 クウェート 26,004.7 31位 32,216.4 80.7% 71,887.33 6位 61,124.43 117.6% 4.23 122位 237.1 37位 中東 アラ ブ 首長国連邦 37,677.9 25位 34,612.0 108.9% 67,870.78 9位 56,687.36 119.7% 9.86 85位 117.9 65位 中東 イスラエル 37,262.4 26位 30,747.8 121.2% 35,178.67 37位 29,063.81 121.0% 8.54 92位 411.4 17位 中東 カタール 60,786.7 6位 76,413.2 79.6% 127,659.60 1位 134,871.95 94.7% 2.58 136位 222.5 40位 中東 オマーン 15,964.0 47位 19,698.2 81.0% 46,697.96 24位 44,336.86 105.3% 3.96 125位 12.8 172位 中東 サウジアラビア 20,150.1 38位 19,112.7 105.4% 55,158.22 14位 44,181.11 124.8% 31.74 41位 14.8 168位 中東 バーレーン 24,182.9 34位 20,823.2 116.1% 50,704.07 16位 40,277.96 125.9% 1.32 147位 1,735.5 4位 中東 トルコ 10,742.7 63位 10,001.6 107.4% 24,911.75 56位 16,193.13 153.8% 79.82 19位 101.9 74位 人口密度 (単位:人/km2) 地域 国・地域名 1人あたり名目GDP(単価:USドル) 1人あたり購買力平価(単価:USドル) 人口 (単位:100万人) 注:購買力平価(PPP)は、「為替レートは 2 国間の物価上昇率の比で決定する」という相対的購買力平価説をも とに、インフレ格差から物価を均衡させる為替相場を算出している。各国の物価の違いを修正し、より実質的な 比較ができるとされている。
4 3 国別の文化、宗教について 世界各地には、様々な文化、宗教等によって食に対する考え方、嗜好、禁止食材など、 食生活に大きな違いが見られ、その違いは日本酒の輸出量や外国人観光客数にも表れて いる。その違いを知ることは、輸出先国を選定し、また、将来的な輸出先国として巨大 な市場になりうるかを見極めるうえでも重要である。 特にイスラム教では、日本食に多く使用される「豚肉」や「アルコール類」は原則禁 止されており、こうしたイスラム圏への食品の輸出にはハラル認証の取得が必要となる 場合がある。 また、タイでは、若年層の飲酒が社会問題化したことなどから、国としてアルコール 類を推奨していないなど、その国・地域の社会事情を考慮する必要がある。 一方で、華僑と呼ばれる中華系住民は、東南アジア地域を中心に富裕層を形成してい る場合が多く、さらに比較的に宗教等による食事制限は少ないことから、輸出先国を選 定するうえで中華系住民の経済的影響力を考慮する必要がある。 【表-4 国別の宗教、日本酒輸出額(全国)、観光入国者数】 (年度) 2010年 2012年 2016年 順位 対2010年 2010年 2012年 2016年 順位 対2010年 シンガポール仏教、キリスト教 308,216 384,920 602,028 6 195.3% 152 113 324 8 213.9% 香港 仏教・道教 1,292,591 1,417,427 2,671,007 2 206.6% 473 447 1,793 4 379.1% 韓国 仏教、キリスト教 1,224,776 1,227,875 1,603,547 4 130.9% 1,963 1,569 4,594 2 234.0% 台湾 道教、キリスト教 518,667 525,383 939,474 5 181.1% 1,139 1,329 3,982 3 349.5% マレーシア イスラム教 74,123 103,578 219,633 10 296.3% 80 95 356 7 442.7% 中国 民俗宗教 374,742 435,451 1,641,954 3 438.2% 832 829 5,535 1 665.6% タイ 仏教 88,637 161,531 250,125 8 282.2% 166 202 838 6 505.1% インドネシア イスラム教 25,855 13,670 65,508 12 253.4% 53 68 218 9 411.1% スウェーデン キリスト教 9,520 13,726 29,963 15 314.7% 16 18 37 13 228.2% ドイツ キリスト教 127,800 59,159 176,813 11 138.4% 62 47 110 12 176.6% フランス キリスト教 85,487 88,284 225,801 9 264.1% 100 81 190 11 191.2% イギリス キリスト教 193,443 202,051 316,617 7 163.7% 111 99 217 10 195.4% ロシア 多宗教 52,288 25,542 34,751 14 66.5% 32 30 31 14 97.2% 北米 アメリカ キリスト教 3,200,221 3,363,240 5,334,297 1 166.7% 597 445 962 5 161.3% クウェート イスラム教 - - - -アラブ首長国連邦 イスラム教 26,637 37,901 62,214 13 233.6% - - -カタール イスラム教 1,302 3,561 16 - - -サウジアラビア イスラム教 - - - -日本酒輸出額出典:財務省貿易統計 訪日外客数出典:日本政府観光局(JNTO) アジア ヨーロッパ 中東 観光目的の入国者数(単位:千人) 日本酒輸出額(単位:千円) 地域 国・地域名 宗教 4 日系百貨店、スーパー、日本料理店の出店状況について 平成25年12月に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、世界中で 和食に対する関心が高まり、日本の食材や日本料理を求める海外消費者の増加ととも に、日本への観光(インバウンド)人口の増加にもつながっている。 こうした背景とも重なり、海外での日系百貨店やスーパー、日本料理店などの出店 数は年々増加しており、特に、アジア地域における増加は他の地域に比較して顕著で、 日本食に対する新たな需要の創出・拡大が期待できるとともに、県産品の販路の開拓・ 拡大を進めるうえで重要な取引先としての可能性が広がっている。こうした情勢を見 極めながら、輸出先国のニーズに応じた方策の検討が必要である。
5 【表-5 日系百貨店の海外進出状況(単位:店舗)】 ※経済産業省資料から福島県作成 【表-6 海外における日本食レストラン数】 地域 2013年 2015年 2017年 同左比 アジア 約 27,000 店 約 45,300 店 約 69,300 店 5 割増 中東 約 250 店 約 600 店 約 950 店 6 割増 オセアニア 約 700 店 約 1,850 店 約 2,400 店 3 割増 ロシア 約 1,200 店 約 1,850 店 約 2,400 店 3 割増 欧州 約 5,500 店 約 10,550 店 約 12,200 店 2 割増 アフリカ 約 300 店 約 300 店 約 350 店 2 割増 北米 約 17,000 店 約 25,100 店 約 25,300 店 微増 中南米 約 2,900 店 約 3,100 店 約 4,600 店 5 割増 外務省調べ、農林水産省推計の資料から福島県作成 約5.5万店(2013年)→約8.9万店(2015年)→約11.8万店(2017年) 中国大陸 2 10 62 25 99 22.0% 中国香港 1 1 1 5 8 9 7 32 7.1% 台湾 31 41 51 10 133 29.5% シンガポール 2 2 7 8 7 6 1 1 34 7.5% タイ 1 1 2 5 11 12 32 7.1% マレーシア 4 15 9 10 5 43 9.5% インドネシア 1 2 3 6 1.3% フィリピン 1 1 2 1 5 1.1% アジア 計 3 1 4 3 18 70 91 152 41 1 384 85.1% イギリス 1 2 2 5 1.1% フランス 3 2 2 1 1 9 2.0% イタリア 1 1 2 0.4% ドイツ 1 1 1 3 0.7% スペイン 1 4 5 1.1% オーストラリア 1 1 0.2% ヨーロッパ 計 3 5 1 6 9 1 25 5.5% 2 1 1 3 11 5 7 1 31 6.9% 2 1 3 0.7% 2 5 1 8 1.8% 2 4 1 10 16 30 81 110 154 42 1 451 100.0% % アジア ヨーロッパ アメリカ合衆国 1975-1979 1980-1984 1985-1989 1990-1994 1995-1999 2000-2005 1955-1959 1960-1964 1965-1969 1970-1974 オーストラリア その他 総計 時期不明 合計
6 第3章 戦略的な取組みについて 1 関係機関・団体と連携した推進体制について 県産品の輸出回復・拡大に向けて、輸出先国の市場、経済情勢などの的確な情報の収 集、生産者等の輸出用生産・製造体制の整備、効果的な販売プロモーションの実施など、 生産者や事業者をはじめ、国や関係団体等、関係者が共通認識の下、一丸となった取組 が極めて重要であり、さらに海外においては日本大使館やJETRO等との連携を強化 していく必要がある。 このため、本戦略に基づき、国、関係機関・団体と連携するとともに、県関係各課が 課題を共有し、商工・農林水産・観光等の各分野の垣根を越えたアクションプランや事 業の進捗管理等の検討を行っていく。 2 輸入規制解除に向けた取組みについて 原子力災害による影響から、世界各地において県産農林水産物等をはじめとする県産 食品に対する安全性への懸念が風評となって広がり、原子力災害から7年を経過した今 もなお、27の国・地域において輸入停止や制限などの規制措置が講じられている。 県産食品の安全性は、世界的にも極めて厳しい基準に基づき検査が行われ、基準を超 える放射性物質が検出された食品は「絶対に流通させない」とする万全な検査体制が構 築されている。 さらに農地の除染や放射性物質対策が進み、現在では管理されている農産物等で基準 を超える放射性物質が検出されることはなく、科学的な根拠に基づき安全性は確認され ている。 既に県産食品は日本国内において普通に流通し、一般に消費されており、福島県産食 品に対する輸入規制は、本県のみならず、日本全体の食に対する信用の問題となる。 こうした海外における輸入規制は、外交交渉が必要となることから、早期輸入規制の 解除に向けた働きかけを国に求めるとともに、関係者と連携し、現地メディア等を招請 するなど県産食品に対する検査体制や結果を分かりやすく伝える努力を継続しながら、 新たにSNS等を活用した消費者へ直接リーチする情報発信活動を強化していく。 また、本県への外国人観光客の拡大を通して、食の安全、おいしさ、魅力等について 直接見て、聞いて、触れて、味わってもらいながら、ふくしまの今の姿を体感し、少し でも多くの理解者とふくしまのファンを増やしていく取り組みを強化していく。 3 国別の風評払拭、情報発信の取組みについて 平成29年11月に世界17か国から26の県人会長等が参加して開催された「第3 回在外県人会サミット」において、福島県に対する風評の実態とその払拭に向けた取り 組みに対する様々な意見が寄せられ、国・地域によって風評の深度や情報発信の在り方 に大きな違いがあり、その国・地域に応じた現地目線での対策が必要であることが指摘 された。 特に、厳しい輸入規制が続く中国、香港、台湾、マカオ、韓国などの隣国では、他の 国・地域に比べ、原発事故とそれに伴う放射性物質の飛散、流出等のニュースが数多く 報道され、今なお「FUKUSHIMA」を危険な地域と感じる市民が多く存在している。この
7 影響が、東南アジア地域に広がる中華系及び韓国系住民に共有され、根強い風評となっ ている。 こうした住民が多数存在する国・地域での輸出促進活動では、県産食品に対する①検 査体制、②安全性の発信、③県産食品の品質の高さ(ブランド力)を発信するとともに、 国際的な認証基準に基づくGAPや水産エコラベル、HACCP等の認証を推進し、県 産食品に対する信頼を高め、「食べたい」「買いたい」につながる魅力を伝えていくなど、 安全情報の発信を最優先に魅力の発信にも取り組んでいく。 一方で、日本から距離のある欧米や中南米、アジアの親日国においては、日本の食の 安全性に対する信頼は高く、一部住民を除き、県産食品に対する風評の影響は感じられ ず、「検査体制が万全で安全」だとする情報発信を前面に出した活動は、逆に懸念を招 きかねない可能性があることから、県産食品の①品質の高さ(ブランド力)、②貴重性・ 希少性などの魅力発信、③認証GAPを始めとした安全性や健康メリットに対する情報 の提供を中心に取り組んでいく。 さらに、風評の少ない国・地域においても、一部の団体等による「科学的根拠に基づ かない妨害活動」の影響が考えられることから、検査体制や結果を現地の言語による説 明ができる体制で臨み、常に危機感を持って輸出促進に取り組む。 また、ミレニアル世代※を中心に世界的に拡大を続ける会員制交流サイト(SNS) では、「科学的根拠に基づかない」いわゆるフェイクニュースや誹謗中傷を拡散させ、 風評を助長する可能性がある。その対策として、正しい情報と県産食品の魅力を、ター ゲットを絞りながら効果的に発信するデジタルマーケティングの手法を取り入れ、積極 的に発信していく。 以上の取組については、今後とも在外県人会等から情報提供や助言を頂きながら、そ れぞれの国、地域における風評等の情勢変化に的確に対応していく。 注)ミレニアル世代:2000 年以降に成人あるいは社会人となる世代を指す言葉 4 品目(分類)別の輸出先国(重点地域、注目地域、調査地域)について 県産品の海外販路の開拓・拡大には、目標達成に向けた継続的かつ重点的な取り組 みが重要であり、限られた人員と費用などの経営資源を効果的かつ効率的に活用する 必要がある。 本戦略では、主たる福島県産品を a.農産物、b.加工食品、c.アルコール類、d.水産 物、e.工芸品の5品目に分類し、品目ごとに重点的に販路の開拓及び販路の拡大に取り 組む地域(重点地域)、継続的かつ定期的に販路開拓に取り組みながら、現地の情報収 集に注目する地域(注目地域)、将来的な可能性に関心を持って調査を継続する地域(調 査地域)の3地域を指定する。 地域の選定は、①輸入規制(風評)の状況、②経済力、③市場の将来性、④文化・宗 教、⑤距離、について評価を行い選定した。また、本県との交流の歴史や有力なネット ワークがあるなどの特殊な要因も考慮している。 a.農産物 農産物については、本県の主力農産物である米や果物を中心として取り組むことと し、これまでの輸出実績や各国の市場性等を踏まえ、輸出先国としての重点地域は、 輸入規制が無く風評も比較的少ないタイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、シ
8 ンガポールとする。 また、タイ、ベトナム等を中心に、本県への海外からの観光客宿泊者数が急増して おり、果物を始めとした農産物への関心が高いことから、滞在中の「果物狩り」や観 光果樹園等での農産物購入も相当程度見込まれ、ひいては本国での本県農産物の消費 拡大にもつながる可能性があることも考慮し推進する。 注目地域は、米の輸出が拡大しているイギリスに加え、フランス、オーストラリア、 ドバイとする。さらに、現在も輸入規制が続く中国、香港、台湾、韓国を調査地域と し、輸入規制が解除又は緩和された場合には地域の見直しを検討する。 表-7 農産物の地域別活動方針 b.加工食品 加工食品については、農産物等に比べ輸入制限が比較的少なく、物流上の課題も少な いことから、輸出先国を選定する幅は広く、基本的には各食品加工事業者等の経営方針 によって輸出先が選定されるべきものである。このため本戦略では、海外販路の開拓・ 拡大を図るうえで、推奨する地域を選定している。 重点地域は、かつて農産物の主な輸出先国であった香港をはじめ、タイ、マレーシア、 シンガポール、アメリカとする。調査地域は台湾、中国、韓国とする。 表-8 加工食品・6次化商品の地域別活動方針 1 タイ ◎ ○ ◎ ○ 日本産果物の人気絶大で更なる拡販見込まれる。 2 マレーシア ◎ ○ ○ ○ 現地事業者との連携により市場拡大中。 3 インドネシア ○ △ ○ ○ 急速な経済発展中で富裕層に日本食人気が拡大中。 4 ベトナム ○ △ ○ ○ 急速な経済発展中、日本梨、りんごが輸出解禁。 5 シンガポール △ ◎ ○ ○ ○ 富裕層多く、日本食料理店急増。販路拡大推進中。 1 イギリス ○ ◎ △ ○ 県人会からの支援による販路拡大期待。県産米の輸出拡大。 2 フランス ○ ◎ △ ○ 日本食に対する人気が絶大。 3 オセアニア オーストラリア ◎ ◎ ○ ○ 海上輸送等により輸出実現の可能性あり。 4 中東 アラブ首長国連邦 ○ ◎ ○ ○ 現地で多くの日本食品フェアーが行われ好評。 1 中国 X ◎ ○ ○ 経済力のある大きな市場。 2 香港 △ ○ ○ ○ ○ 震災前の青果物輸出の有力市場。日本食品輸出の最大市場。 3 台湾 X ○ ○ ○ 震災前の桃輸出の最大地域。新政権誕生後の規制解除期待。 4 韓国 X ○ △ ○ 経済力のある大きな市場。 調査地域 アジア 注目地域 重点地域 アジア ヨーロッパ 経済力 活動方針 理由 輸出先 将来性 輸入規制解除活動 普及啓発活動 販路開拓活動 区域 優先順位 地域 国・地域名 輸入規制 輸入規制 解除活動 普及啓発 活動 販路開拓 活動 1 香港 △ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 日本食品輸出の最大市場。風評や規制があるが市場性大。 2 タイ ◎ ○ ○ △ ○ 規制がなく加工品等の拡販期待。 3 マレーシア ◎ ○ ○ △ ○ 規制がなく加工品等の拡販期待。 4 シンガポール △ ◎ ○ ○ ○ ○ 富裕層多く日本食料理店急増。 5 北米 アメリカ △ ◎ ○ ○ ○ ○ 大きな市場であり挑戦する価値あり。 1 台湾 X(日本酒可) ○ ○ ○ ○ 大きな市場 2 中国 X ◎ ○ △ ○ 経済力のある大きな市場 3 韓国 X ○ ○ △ ○ 経済力のある大きな市場 調査地域 アジア 重点地域 アジア 理由 優先 順位 輸出先 将来性 活動方針 国・地域名 輸入規制 経済力 文化・宗教 区域 地域
9 c.アルコール類 アルコール類は、欧米向け日本酒やウイスキーの輸出が好調であることから輸出量の 拡大が続いている。特に、全国新酒鑑評会金賞受賞数5年連続日本一に輝いた「ふくし まの酒」の更なる輸出拡大は、本県に対するイメージの回復、県産品の風評払拭へと貢 献する取り組みである。 また、海外からの観光客の増加に伴い、県内の酒蔵巡りや宿泊時の飲食を通じて日本 酒等の魅力に触れることにより、ファンの獲得と本国での情報発信や消費の拡大が期待 できることから、こうした環境の整備にも努める必要がある。 アルコール類の輸出には本県産品としての輸入規制以外に、各国独自の輸入手続きが あることから、宗教等の文化にも配慮しつつ、重点地域をアメリカ、香港、台湾、フラ ンス、イギリスとし、注目地域をマレーシア、タイ、シンガポールとする。輸入規制が 続く、中国、韓国、マカオについては、調査地域とし、輸入規制が緩和された場合には 見直しを検討する。 表-9 福島県産アルコール類の輸出量の推移 ※福島県貿易促進協議会調べ 表-10 酒類(日本酒)の地域別活動方針 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 H24 H25 H26 H27 H28 リキュール 他 日本酒 (リットル) (年度) 輸入規制 解除活動 普及啓発 活動 販路開拓 活動 1 北米 アメリカ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ 日本酒最大の市場、多くの県蔵元が輸出。 2 アジア 香港 ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ 日本食料理店多く、最近では地酒が人気。 3 アジア 台湾 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 日本酒が大人気で更なる拡販見込まれる。 4 フランス ◎ ◎ ○ ○ ○ 日本酒の人気が定着した感あり。 5 イギリス ◎ ◎ ○ ○ ○ 日本酒人気の高まりあり。 1 マレーシア ◎ ○ ○ ○ ○ KLの高級日本食店向け酒の需要あり。 2 タイ ◎ ○ ○ ○ ○ 日本料理店向け県産酒販売実績あり、今後拡販期待。 3 シンガポール △ ◎ ○ ○ ○ 高級日本食店増加し、地酒に人気。 1 中国 X △ △ △ ○ 経済力のある大きな市場。 2 韓国 △ ○ △ △ ○ 経済力のある大きな市場。 3 マカオ ○ ◎ ○ ○ ○ 富裕層が多く大きな市場 重点地域 ヨーロッパ 注目地域 調査地域 アジア アジア 理由 輸出先 将来性 優先 順位 活動方針 文化・宗教 区域 地域 国・地域 輸入規制 経済力 2.5 倍
10 d.水産物 福島県の沿岸漁業は、原発事故以来、操業を自粛し今もなお試験操業が続いている が、水揚量の拡大に向けた取組が行われており、試験操業で出荷された水産物は他県 産と遜色ない価格で取引されている。 本県産水産物は、県が実施する水産物モニタリング検査に加え、相双地区、いわき地 区ごとに漁協が実施する魚種別の出荷前自主検査の二重の検査体制により安全性を確 認しており、今後、本格的な操業に向けて海外販路の開拓、輸出拡大に積極的に取り組 んでいく。 重点地域には、近年、日本への観光客が増加し、現地日本料理店の出店が相次ぐ東南 アジア地域を選定する。調査地域は香港とし、輸入規制が緩和された場合には見直しを 検討する。 e.工芸品 本県特有の歴史と伝統の技を生かした工芸品は、これまで国内での販売が中心であ ったが、欧米や東アジアなどで高い関心が寄せられており、戊辰戦争150年を契機 とした本県のサムライ文化とともに世界に発信すべき産品である。 また、海外からの観光客の増加に伴い、県産工芸品の魅力に直接触れる機会が拡大し ており、ファンの獲得のみならず現地での情報発信も期待できることから、こうした需 要の掘り起こしは、販路拡大の重要な視点である。 さらに、著名なデザイナーなどと連携した新たな感性と伝統の技が融合した新商品の 開発も進んでおり、本県の新たな輸出産業の中核を担う可能性を秘めている。 県産工芸品には輸入規制が無く、市場性の高い地域から輸出先国を選定することがで きるため、重点地域にはフランス、アメリカ、中国、中東を位置付ける。 表-11 工芸品の地域別活動方針 輸入規制 解除活動 普及啓発 活動 販路開拓 活動 1 ヨーロッパ フランス ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ 市場性大。展示会・商談会等が盛ん。 2 北米 アメリカ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ 市場性大。 3 アジア 中国 ◎ ◎ ○ ○ ○ 市場性大。 4 中東 アラ ブ 首長国連邦 等 ◎ ◎ ○ △ ○ 市場性あり。 重点地域 輸出先 将来性 文化・宗教 活動方針 理由 区域 優先 順位 地域 国・地域 輸入規制 経済力
11 第4章 海外販路開拓・拡大活動(段階別)について 1 生産・製造体制の整備・支援について 海外販路の開拓には、輸出先国のルールや市場性に適合させる必要があり、日本国 内への流通とは異なる手続きや生産・製造方法が必要となる場合がある。 農産物については、植物検疫上で留意すべき病害虫の指定や使用可能な農薬の残留 基準の確認、輸出先国の規定に基づく圃場の事前登録などを確認する必要があり、加 工食品では輸出先国によって使用できない添加物を確認する必要がある。 米や日本酒などのアルコール類では、輸出や輸入免許が必要となる場合が多く、加 工食品では、原材料やアレルギー表示、製造者などの情報を現地の言語で記載したラ ベルの表示やコーシャやハラルなどへの対応、工芸品では原材料の表示のほか、木製 品の燻蒸や表面加工が必要となる。 こうした輸出先国の手続きに適合した生産・製造体制の整備に取り組む団体・事業 者等に対し、a.普及・啓発活動、b.販路開拓段階、c.販路拡大の各段階に応じた支援 を行う。 2 普及・啓発段階の取組みについて 我が国の人口減少及び少子高齢化が進展する中、本県の復興には県産品の新たな販路 の開拓・拡大が重要であり、輸出に取り組む意義や取り組み方、さらにはターゲットに すべき地域の情報を学ぶ必要がある。 このため、国やJETRO、福島県貿易促進協議会等と連携を図りながら、第1段階 として事業者等に対する「勉強会」を県内各地域において開催し、さらには個別相談に より丁寧に支援していく。 また、海外市場の可能性を感じ理解するとともに、現地のニーズにあった販路開拓や PR等手法を検討するためには、直接現地を訪問し、生産者や事業者自らが現地の情報 を収集することが極めて重要であることから、第2段階として「調査ミッション」を実 施する。 3 販路開拓段階の取組みについて 県産品の輸出には、輸出先国における販売価格の適合性や品質の確保が重要であるこ とから、輸出品目のうち、販売期間が短い商品や輸出用の生産・製造体制に課題がある ものなどは、販路開拓に向けた各ステップにおいて、随時、JRTRO等のアドバイス を得ながら、各事業者等との協議を進める。 また、農産物、水産物など鮮度保持が重要な産品については、新たな輸送手段の導入 を検討しながらコスト低減を図るなど、第3段階として「輸送試験」を通じた調査研究 を行っていく。 輸出 目標 の 達成 【普及・啓発活動】 第1段階=「勉強会」 第2段階=「調査ミッション」 【販路開拓段階】 第3段階=「輸送実験」 第4段階=「販路開拓」 【販路拡大段階】 第5段階=「生産体制の整備」
12 さらに、輸出した商品を販売するためには信頼のおける現地輸入会社との提携、販売 チャンネルの確保が必要であることから、現地バイヤーの招請、展示会への出展支援や 商談会の開催など、第4段階として「販路開拓」を支援していく。 4 販路拡大段階について 県産品の輸出は、県産品に対する風評の払拭、ブランド力の向上とともに、本県経 済の活性化に貢献する新たな輸出産業として、収益性を意識した継続的な輸出と輸出 量の拡大が重要である。 このため、輸出先国の市場、経済情勢など現地の情勢を的確に把握し、輸出先国のニ ーズに対応する生産体制の整備を図り、品質を維持しながら輸送コストの削減が図られ る新たな物流システムの導入、現地目線による効果的なプロモーションの実施により、 販路の拡大を図っていく。 さらに、工芸品については、インターネットの普及を踏まえ、個人が直接購入できる 国境を越えた通信販売(越境EC)を活用した新たな輸出にも取り組んでいく。 第5章 今後の進捗管理について この輸出戦略は、輸出目標を達成するための考え方、手法を取りまとめたものであり、 取組の実施段階においては、アクションプランや事業の進捗等について検討を行うとと もに、輸入規制の緩和や解除、世界的な情勢の変化に応じて、適宜、修正や加筆を行う ため、国、関係機関・団体を加えた連絡調整会議として、「福島県県産品輸出戦略会議 (仮称)」を新たに設置する。