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VRダイジェスト2015年9-10月合併号

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Contents

Video Research

Digest

「M-VALUE」を通して見えてくる雑誌の魅力

メディアくらべてみました 雑誌編

~『くらべる/ex』のご紹介~

ACR/ex

クロスメディアキャンペーンの効果を把握する

Tele・vision

今年は沸いた 夏の甲子園

デジタルメディア教室vol.154

地中海でデータの未来を考える

VR生活者研究

ひと研究所発足

TOPICS

2015年上半期テレビCM出稿タレントベスト September - October

2 0 1 5 N o . 5 4 6

02

09

15

22

26

28

29

(3)

M-VALUE の意義とは?

山村 M-VALUEは共通の土俵で調査をして 結果を共有できるということが最大の特徴で あり、今までの雑誌業界にはない取り組みでし た。雑誌広告はテレビCMのように大量の認知を 獲得し、広く浸透させるというよりも、その雑誌 を読んでいるターゲットに伝え、気持ちの変化を おこさせることを主眼としているので、そのよう な効果を示すことにこだわった調査になってい ると思います。

小濱 雑誌広告の効果について共通指標をつく るというところがスタート時の最大のポイントで した。出版社としては、第一に雑誌業界の標準 値づくりに参加するということに意義がありまし た。この点では継続性が重要です。第二の意義 は、調査をした結果のデータを活用することで す。これから充実させていきたいデータ活用の 仕方には二方向あると考えています。一つは社 内的に自分たちの雑誌がどういうプロフィールな のかということをしっかり分析し、どういった読 者層がいるのか、どういう商品ジャンルに強いの

か、どのような表現をすると読者からより注目さ れるようになるか、そういったことを自分たちの 雑誌に還元する活用の仕方。もうひとつはこちら から発信して、クライアントや広告会社に雑誌の 特徴やストロングポイントを伝える根拠をみせら れるようにすることです。今後も社内で色々な角 度で分析したいですし、理解できる担当者も増 やしていきたいと考えています。そして、その分析 結果を効果的に発信できるような形に整えて作 っていきたい。調査を重ねてそういう課題を感じ ています。

山村 色々なジャンルの雑誌や、色々な商品展 開をする多様なクライアントを抱えている広告会 社の立場としては、どうお考えになりますか。

大井 今までは、自社クライアントの意を汲ん で、それに対応した調査を各社でやってきたと 思います。いわばある意図をもってやってきた 調査が今までの調査。出版社さんが個々の雑誌 についてやっているのもそうですし、数年前に やったファッション系の女性誌で5社が手がけ たマガジェンヌもファッションと化粧品に特化し 当社では“雑誌の価値をあらためて考える”を テーマに「いろんな、ステキな、雑誌力 2015」

コミュニケーションセミナーを開催しました。

それに先立って、雑誌の現場でご活躍し、「M-

VALUE」立ち上げに尽力された文藝春秋 小 濱様、アサツーディ・ケイ 大井様をお迎えして 雑誌の魅力についてトークセッションを行いま したのでご紹介します。

「M-VALUE」 通して見えてくる

雑誌の魅力

(4)

た意識調査でした。そういうことを経て、今回の M-VALUEはかなり意図を排除したものでフラ ットな調査となっています。この結果だけで何か が売れるかというものではないですが、広告会 社としては、M-VALUEの結果をクライアントに どういう風に説明すれば説得力が増すのかとい うことは考えています。

素材と表現方法がミートすれば 深く届く

山村 これまで2回調査を行なってきましたが、

調査結果をご覧になって率直にどう思われまし たか?

大井 私自身の感想としては、結果に意外なも のが多かったです。例えば「おとなの週末」八重

M-VALUE ・Talk Session

(左)大井 淳司(おおい・じゅんじ) 株式会社アサツーディ・ケイ 雑誌本部 本部長 1984年第一企画(現ADK)

入社。媒体局雑誌部から営業、雑誌営 業推進局を経て、2014年より現職。日 本雑誌広告協会理事を務めるなど、広 告会社の枠を超えて雑誌業界に貢献。

(中)山村 麻紀(やまむら・まき)

株式会社ビデオリサーチ ソリューショ ン推進局 ACR/ex事業推進部 雑誌 担当 1994年入社。テレビ、新聞・雑 誌、ラジオとメディア調査系を渡り歩 き、雑誌メディアを盛り上げるべく日々 奮闘中。

(右)小濱 千丈(こはま・ちたけ) 株式会社文藝春秋 メディア事業局長 1999年文藝春秋入社。広告局第一広 告部から第二広告部を経て2010年広 告局長。2015年より現職。日本雑誌 協会広告委員会、日本雑誌広告協会 企画委員会に所属。

  「M

可能となります。 広告プランニングや効果検証が つ特徴や価値を踏まえた最適な することで、雑誌それぞれがも 目安としてこの共通指標を活用 広告を出稿するときのひとつの した調査です。 を整備、蓄積することを目的と 通で利用できる客観的な基準値 から効果を測ることで、業界共 心理変容など、さまざまな観点 る広告の注目率や広告を見ての 効果測定調査)は、雑誌におけ -VALUE」(雑誌広告

  2013年、雑誌広告の真の価値を伝えたいという思いを込めて、「M

P.8)を迎ます。 し、今年で3回目(調査概要は バリュー)」と名づけスタート -VALUE(エム・

日本雑誌協会・日本雑誌広告協会が調査主体となり、各出版社からの雑誌エントリーと、広告会社(電通、博報堂

力しています。 り、当社は実査担当としても協 る共同調査として実施されてお ケイ)ならびに当社の出資によ アパートナーズ、アサツーディ・ DYメディ M

-VALUEとは

(5)

対してポイントを明確にした広告を掲載すれば、

きちんと届くのだと理解しています。推定ではあ りますが、編集記事にも同様のスタンスで向き合 っていただいている、その結果として多くの読者 の支持を得ることができるのだと受け止めてい ます。さらにビジュアルという点でいうと、誌面に よく馴染んだデザイン表現の広告は、ポジション はともかく精読者比率、興味関心度が高くなっ ているなと思っています。例えば、「文藝春秋」

の見開きの大和ハウス工業さんのタイアップ広 告。接触率も注目率も平均的ですが、精読者比 率は82.8%、興味関心度は79.7%と非常に高い です。連載というのも大きいと思いますが、編集 記事と変わらないイメージで読んでくれているよ うです。

 キヤノンさんの見開きの記事体広告も読み応 えのある内容で同様の結果を出しています。こ のように素材と表現方法がうまくミートすると、

読者に深く届くのではないでしょうか。ポジショ ンについては、表紙まわりのように広告が目立 つ位置は確かに有利ですが、表現方法によって どの位置でも効果を上げることはできるという のが実感です。

洲特集号の八重洲地下街の広告は印象的でし た。スコアも非常に高い。特集号に関係する広告 はやっぱり高く出るので、特集号に対してはこう いう売り方ができるのだなと改めて感じました。

また全体的には、ある意図をもってつくられた広 告はそれなりの評価を得ているのではないかな と感じました。TOYOTAさんのトランスフォーマ ーとコラボした広告など、うまく結果として出て きています。調査を通 じて、原点にかえったセ ールスとかオススメと かはしなきゃいけない ですね。今まであるデ ータとM-VALUEをい かに組み合わせられる か、代理店としての提 案力の見せ所です。

小濱 私はあらためて 読者の存在が実感で きました。その雑誌を 選んで購読する人はし っかりと読み込んでいてくれるし、広告に対して も理解や好感度といった色々なポイントで反応 してくれています。第2回目の調査では、「週刊 文春」と「文藝春秋」の2誌エントリーしました が、スコアを見てなぜそういう結果になったの かある程度わかるようになりました。広告掲載 の“ポジション”と“表現方法(ビジュアル)”

がスコアと相関関係にありそうということに気 づいたんです。2誌とも共通しているのは、接触 率は(ジャンル平均や全体平均より)高くなくて も、精読者比率が高いものが多いところです。

興味を覚えた広告にはすごく共感し、反応してく れている様子が読み取れました。ある読者層に M-VALUE ・Talk Session

文藝春秋掲載 大和ハウス工業タイアップ広告

(6)

雑誌のチカラをあらためて見つめ直す

山村 広告効果の結果を受けて、雑誌広告ひ いては雑誌ってどんな媒体なのか、あらため てどうお感じになりましたか?例えば、第2回 M-VALUEの結果をみると、広告商品への興味 関心と相関が高い要素は、ある雑誌は感性的 なこと、ある雑誌は役立ち感といったふうに、

同じジャンルの雑誌でも異なる関係がみられま した。広告効果もある意味でその雑誌のプロフ ィールではないかと思うので、調査を通じて雑誌 再発見みたいなことにつながればいいなと考え ているのですが。

小濱 雑誌の読者は、編集コンテンツと同様に 広告に深く関わってくれているとあらためて実感 しています。だからこそ雑誌ブランドが紙から離 れて、イベントやコンテンツが独自で展開されて も読者が向き合ってくれる原動力を持ち得るん だな、と感じています。

大井 「雑誌ってなに?」って言われたら「個性 だ」と考えています。最近、雑誌はコンテンツと いわれていますが、“有効”コンテンツがなんな のかってみつけなくちゃいけないですし、コンテ ンツの違いを出していかなければならないですよ ね。雑誌そのものが目指しているものを深掘りし ていかないと良さや特徴はわからないと思いま す。仮に雑誌からコンテンツが出て行ったとして も、これはA雑誌だなとわかるようにもう一度雑 誌のプロフィールをきちんと擬人化してつくって いかなければいけません。

山村 雑誌の広告が“誌面に入る”ということ だけじゃなく、外に出ていくとき、たとえば雑誌

とクライアントがコラボしてイベント展開したと き、商品開発したときなど、なにか他の形で出て いったときにも、その雑誌の個性が見えるとか、

あの雑誌と組んでいるなら魅力的と思ってもら える、といったことが重要ですよね。

 ところで、M-VALUEではさまざまな出稿形 態ごとに効果を検証しています。読者のチカラや コンテンツ力に加えて、表現としての個性、雑誌 ならではの強みとはど

んなところにあるとお 考えになりますか。

小濱 雑誌は掲載面と かいろんなバリエーシ ョンで狙いにあった掲 載・展開ができると思 います。純広がいい、タ イアップがいいという ことではなく、両方良さ を追求していきたいで す。やはり「週刊文春」

でも表2で高級ブラン

ドの純広はスコアが高かったんです。これはもち ろん理想的な展開ですね。読者は当然記事を読 みたいとは思っているし、でも表2で印象的な広 告があれば記憶にも残ります。インパクトのある 広告から入ってもらうとその雑誌の世界にも入り やすいと思います。まず紙をめくっていいものを 見たっていう印象がどんどんその雑誌に読者を 連れていってくれますから、巻頭でインパクトの あるビジュアルの表現をしたいですね。一方で、

中面で記事にとけこんだタイアップ展開で深く確 実に読者に浸透しようというのも正しい戦略。調 査データから読者の特性を読み取って、広告展 開の仕方を丁寧に提案していきたいと思います。

(7)

べて、具体性を増したということで一定のご評 価は得られたと思います。ただし、まだ個別の 雑誌においてデータを駆使して活用をアピール するところまでは至っていません。次回は個誌 の発信になにか例ができていけば、おそらくア ド協サイドとしてはより役に立つ使い方がでて きているなという感想につながると思っていま す。もちろん結果に納得をされて出稿を継続し ていただいたり、第3回のデータも見たいと関 心を寄せていただけるクライアントさんもいら っしゃいます。データを活用してよりよい出稿に 結びつける、また新たな出稿が実現することを 目指していかなければいけませんね。

大井 第1回目の結果報告のとき、業協には、

「やっとスタートできたんですね」といわれま した。さらに「問題は内容の充実と継続ですよ ね」とも。第2回は具体的な結果と分析など内容 に踏み込んで報告しました。3回目の課題は、

より突っ込んだ話にできるかというところです ね。ワーキングチームでも考えていかなければな りません。

山村 すでに調査をしている雑誌であっても、

年1回ではなく高頻度にデータがあることで、そ の雑誌の個性がより見えてくるということもある ので、年1回にこだわらずに展開していくという 選択肢もあるかもしれませんね。

大井 個人的な意見ですけど、M-VALUEの結 果とプラスして、オリジナルなものをパッケージ 化したものがあればいいかなと思っています。M- VALUEのデータだけでなく、独自のものがみら れるものも実は必要かなと。M-VALUEの存在 大井 純広もタイアップもあくまで手法なんで

す。「雑誌でタイアップ提案したいけど」というオ ファーにソフトの部分が抜けて、器だけで提案し てしまう。クライアントさんが今回何をやりたい のかっていう目的とか方法論の掛け合わせをし ていくことなのだと思います。今回何をやるのが 目的だから、それにふさわしいビークルの選び方 とか、どんな読者につたえるといいのか、方法論 としてはこういうやり方が効果的かもしれません ね、と提案していくこ とが重要です。それに は、それぞれの雑誌が もつ個性を分かった上 でないと読者に伝わら ない、そこに立ち返る ことが求められると思 います。特にデジタルと か、WEBサイトなどと いった色々な形で展開 していけばいくほど、

この整理、確認が大事 になります。

M-VALUE“ 活用 ”が課題

山村 M-VALUEの結果を、日本アドバタイザー ズ協会(以下アド協)さんや日本広告業協会(以 下業協)さんで報告したり、個別のクライアント にフィードバックしたりする中で反応があれば教 えてください。

小濱 アド協さんには具体的な事例を交えて報 告しましたが、昨年行った第1回目の報告に比

(8)

意義をより確かなものにしていくためにも、プラ スアルファの取り組みはぜひワーキングで検討し ていきたいと考えています。

組み合わせの効果をどう捉えるか

山村 M-VALUEのようなデータを出すと、他 メディアに比べて雑誌の効果って高いんですか?

って必ず聞かれると思うのですが、いわゆる優劣 ということではなく、それぞれの個性をどう活か すかということになってきていますよね。今後の 効果の捉え方についてどの様にお考えですか。

小濱 比較できる方法をビデオさん出してくだ さいよ(笑)。同じ土俵やひとつの軸で比較でき ないかもしれないけれど、どういう考え方でど う効果を証明しているのかという研究は必要だ と思います。雑誌なら雑誌単独の説明の仕方を よりブラッシュアップすることが必要です。あと は、やはりコンテンツが雑誌からネットにでてい くとなった時に、それと組み合わせると効果はど うなるのかということに対して説明することは課 せられています。我々はまだ紙の雑誌の効果の 説明にとどまっていますが、次に組み合わせの効 果については考えなくてはいけないですね。

大井 メディア単独のものっていうのは段々意 味がなくなっている気がしますね。例えば、いま テレビもテレビの視聴率とウェブ動画等々を含 めた組み合わせをどう効果的に使えばいいのか が求められていますよね。いまはメディア毎とい う縦の切り方じゃなくて横の切り方になってき ています。だから雑誌も雑誌のコンテンツが見ら れるデバイスごとに効果を見る必要があると考

えています。従って、今ある既存メディアごとのデ ータだけでいいのかっていう話になっていきま すよね。効果を他メディアと比較するのではなく て、他メディアと足しあげていって何が一番効果 的・効率的かっていう方向にもっていかなくては なりません。違う次元でのデータが必要になっ てくるかもしれないですよね。

小濱 テレビだって必ずしも競合とは限らなくな ってきましたよね。

大井 見る側は、見たいものを見たいときに見 たいデバイスで見るだけですから。それにこだわ っているのはメディア側だけ、つまり権利側、配 信・発信・放送側。見る側からすれば関係ないん ですよね。

第3回調査に向けて目指すこと

山村 最後に、第3回調査に向けて一言いただ けますか。

大井 課題が多いので、結構やらなきゃいけな いことはたくさんあります。まだまだ調査の意義 に対しての理解に温度差もあるので、単に事例 を作っていくのではなく、各社の個別事情をどん どん吸い上げ、今後の課題としてワーキングで共 有することをやっていくべきでしょうね。ビデオ さんもアウトプットを持って各社の声を拾ってくだ さいよ。一方では、運用のための出資形態やデ ータ販売方法を検討する必要はありますね。販 売していくのは結果のデータだけだと厳しいの で、繰り返しになりますが、プラスαのオリジナ ルなものを独自でやるパッケージがいい気がし

M-VALUE ・Talk Session

(9)

ています。お互いのメリットのためにも具体的な 形にして3回目の結果とあわせていくのが良い のではと個人的に感じています。

小濱 ほぼ基本の調査は固めることができたと 思うので、安定して運用しながら、さらに発展さ せることが課題です。調査回数や時期の検討、そ して利用を促進する課題を並行して進めていき ます。より多くのクライアント、出版社、広告会社 のすべてに役立つデータにしていきたいですし、

できるだろうと思います。出版社としては、自社 のデータをビデオリサーチさんに手助けしてもら ってしっかり分析して、プロフィールとして活用し ていきたいですね。さらに外向けのセールスに使 っていけるようにチャレンジしたい。事例をつく って、それが話題になれば(M-VALUEが)浸透 してくるので、次に向けてそういう作業を日頃か らやっていきたいと思っています。

 元に戻っちゃうけど、M-VALUEのデータを 見ると、やっぱり雑誌を選んで、時間をかけて能

動的に読んでもらっていると実感します。接触の 仕方が、受け手として向き合うテレビとは明らか に違うなって。そこを主張したり、発信していく のは大事だと思います。データを駆使して論理 的な根拠を足していくべきですね。

山村 データ活用に関してはビデオリサーチ が特に頑張らなきゃいけないところと認識して います。コンテンツだったり個性だったり、M- VALUEでも見えること、プラス当社が持つさま ざまなデータを組み合わせた形で、紙にとどま らないそれぞれの雑誌ブランドを価値づけする こと、そしてそれらへの理解が深まるような形に していく必要があるなとあらためて思っていま す。今後も情報共有させていただきながら、雑誌 業界の発展のために協力させていただきたいと 思います。

 本日はどうもありがとうございました。

M-VALUE ・Talk Session

第3回「M-VALUE」調査概要

お問い合わせは 日本雑誌協会、日本雑誌広告協会、当社営業担当まで

今回は12ジャンル23社36誌を対象にネットリサーチモニターから抽出した各雑誌の読者に対して、

掲載広告への接触の有無、広告接触後の心理変容・レスポンス行動などを測定。

調査対象誌 2015年9月28日(月)~11月7日(土)発売号        ※調査対象誌は当社WEBサイト参照

(http://www.videor.co.jp/press/2015/150901.htm)

調査エリア 全国主要7地区(16都道府県)

調査対象者 15~69歳の男女個人 調査方法 インターネット調査

(10)

『くらべる/ex』は、生活者の「各種 メディア接触状況」や「多様なプ ロフィール」を捉えた『ACR/ex』

のデータを元に、5つのアウトプッ ト(切り口)でメディアをくらべることができる、

VR-CIPの新メニューです。今回はこの『くらべる

/ex』を活用して他メディアと“くらべる”ことで、

みえてくる「雑誌」の特性を紹介します。

 言うまでもなく、生活者を取り巻く環境はあらゆる側面で多様化しています。さまざまなライフコースや価 値観で暮らす生活者に向けて、機能だけでなく付加価値で差別化した商品やサービスを伝え届けることが 必要となり、コミュニケーション活動においては、各メディアの特性をどう捉えて活用するかが課題となって います。各メディアへの広告費の配分が決まっているわけではなく、「よりよく伝わる方法」が選ばれる状況の 中、“実数・全数”で測定できるオンラインメディアに対して、効果が見えにくいと言われるオフラインメディア においては特に、(競合比較といったビークル間競争以前に)クライアントの選択肢に入るよう「媒体価値」

をアピールしたいという声が大きくなりました。

 そこで当社では、「ACR/ex」のデータを元に、“メディア(接触者)”の特性を手軽に“くらべる”ことができる メニューを開発、ASPサービス「VR-CIP」で提供することが可能となりました。それが「くらべる/ex 」です。

メディア くらべて みました

~『くらべる/ex』のご紹介~

Writer 山村 麻紀

ソリューション推進局  ACR/ex事業推進部

『くらべる/ex』で提供する

つのアウトプット

① 購買プロセス別情報源で 約50の商品ジャンルについて、4つの購買プロセスにおける、

各メディア(広告)の活用度合いを確認

多くのターゲットにそのメディアのメッセージが届く時間帯を 可視化

あるターゲットへの到達/ターゲット含有でメディア比較 ターゲットがどんな組み合わせでメディア接触しているのか を確認

あるメディア(接触者)が、比較対照のメディア中1位となるプ ロフィール項目を通じて、その特徴や優位性を抽出

② 接触ピーク時間で

③ リーチ&プロフィールで

④ 接触の重複で

⑤ プロフィール特性で

※ P.14 にアウトプットイメージ画像を掲載しています。

雑誌編

(11)

本稿では活用事例として、「雑誌」を軸にメディ アをくらべてみました。近年、男性誌・女性誌と も、雑誌カルチャー隆盛期に青春を過ごしたミ ドルエイジ層向けは好調といわれる反面、それ 以下の層についてはちょっと元気がない印象で すが、ここではその層「F1[女性20-34歳]」を 取り上げます。 

※使用データ:『ACR/ex』2014年4-6月(7地区計)

1 どのくらい届く/含まれる   でくらべてみました

 まずは、プランニングにおけるベーシック指 標、「リーチとプロフィール」で、雑誌(読者)の ターゲットボリュームを確認してみましょう【図 表1】。

 F1層における「雑誌(コミック誌、フリーマガ ジン・会員誌除く)」のリーチ(※)は54.3%。「地 上波民放」「スマートフォン」に次ぐ到達パワー を持っています。“いつでもどこでもスマホ”が当

たり前の世の中ですが、まだまだ多くの生活者 が、自分に合った何らかの雑誌と繋がっているこ とがわかります。(また、読み放題などスマホで 読める電子雑誌ユーザーが増えていることを踏 まえると、雑誌コンテンツとの繋がり方もまた多 様性を持ちつつありますね。)

では、ターゲットを絞るとどうでしょう。雑誌に 限らず最近の広告コミュニケーションは、接した

ネット/スマートフォン

54.3 50.0

0.0 100.0 (%)

91.5 91.5

7.6

24.4 30.6 32.1 76.8

(%) (%) (%)

58.6 92.8

7.1 22.2 27.4

54.1 50.8 47.0 45.6 44.9

72.9 90.0

7.5 26.6 31.0

15.3 11.2 11.2 12.4 11.5

64.3 89.4

5.6 24.4 26.4

21.5 17.8 13.5

18.2 15.7 雑誌

Facebook

テレビ / 地上波民放 テレビ /CS ラジオ 新聞 / 朝刊

Instagram Facebook(友達の数 101 人以上)

リーチ  プロフィール ( 含有 ) リーチ  プロフィール ( 含有 ) リーチ  プロフィール ( 含有 )

【図表1】F1層における各種メディアのリーチ

【図表2】F1層の各種SNSユーザーをターゲットとした、各種メディアのリーチ&プロフィール

※雑誌(コミック誌、フリーマガジン、会員誌除く)は特定 2 号調査中いずれか 2 号目閲読、その他メディアは特定 1 週間でのリーチ

※雑誌(コミック誌、フリーマガジン、会員誌除く)は特定 2 号 調査中いずれか 2 号目閲読、その他のメディアは特定 1 週間 でのリーチ(15 分以上接触)

※各SNSユーザーは、1ヶ月間での利用経験者

くらべる/ex・雑誌編

(12)

生活者による共有や、共感の拡大を期待するも のが多くなっています。そこで、F1の「SNS利用 者」をターゲットに、「リーチ&プロフィール」で メディアをくらべてみました【図表2】。(注:SNS はWEBサービスなので、「インターネット系メデ ィア」は除きます。)

 「雑誌」のF1層SNS利用者へのリーチは「地 上波民放」の次というポジションである一方、プ ロフィール(F1層雑誌読者における各SNS利用 者の含有)は、僅差ではありますが他メディアに くらべて多い傾向にあることがわかります。例え ば、リーチが7割超、含有は比較メディア中1位と なる「Instagram」は、ビジュアルへのこだわり に加え、他のSNSより“わかる人同士が繋がる内 輪感”があることや、ユーザーが積極的にハッシ ュタグ(≒見出し)を辿ってコミュニケーションを 起こすといった特性が、ある意味“雑誌的”と言 えるかもしれません。

 また、当社研究による生活者分類、『ひとセ グ』の「情報×選択セグメント(6タイプ)」のう ち、「情報収集にも発信にも意欲的」で「流行に

敏感、感性やブランド重視でモノ選び」する「トレ ンドフリーク」をターゲットにしてくらべると、雑 誌のリーチは65%、読者におけるターゲット含有 は約4割と相性がよく、発信起点となるような生 活者と繋がっていることが伺えます【図表3】。

(%) 65.3

93.1 7.7

34.4 22.2

29.5 77.4

37.8 32.0 32.2 28.6

35.4 28.9

31.7 雑誌

テレビ / 地上波民放 テレビ /CS ラジオ 新聞 / 朝刊

ネット /PC ネット / スマートフォン

リーチ  プロフィール ( 含有 )

【図表3】F1かつトレンドフリーク層をターゲットと した、各種メディアのリーチ&プロフィール

※雑誌(コミック誌、フリーマガジン、会員誌除く)は特定 2 号 調査中いずれか 2 号目閲読、その他メディアは特定 1 週間で のリーチ

(%) (%) (%)

58.6 92.8

7.1 22.2 27.4

54.1 50.8 47.0 45.6 44.9

72.9 90.0

7.5 26.6 31.0

15.3 11.2 11.2 12.4 11.5

64.3 89.4

5.6 24.4 26.4

21.5 17.8 13.5

18.2 15.7 雑誌

Facebook

テレビ / 地上波民放 テレビ /CS ラジオ 新聞 / 朝刊

Instagram Facebook(友達の数 101 人以上)

リーチ  プロフィール ( 含有 ) リーチ  プロフィール ( 含有 ) リーチ  プロフィール ( 含有 )

(13)

2 “ こんなふうに生活しています ”   でくらべてみました

 ここでは、F1の接触が多い「雑誌(読者)」「地 上波民放(視聴者)」「スマホでのネット(ユー ザー)」に絞って、「プロフィール特性」を確認し てみましょう。

 例えば、さまざまな生活意識項目のうち、「3 メディア中、F1雑誌読者が1位」かつ「次点メデ ィアとのスコア差が大きい」項目をみると、「い ろいろなアイテムでおしゃれをする」「流行には 敏感である」といったファッション・身だしなみ 関連をはじめ、「流行を知るため広告に関心が ある」「新しい店やニュースポットに出かける」

など、新しいモノ・コトを意欲的に取り込んでい

こうとする姿勢が高めであることがわかります。

「月のおこづかい5万円以上」という購買力のあ るF1における雑誌読者は、ファッションを中心と した自己意識が際立つ一方、「新製品をいち早 く買ってみるほう」なF1雑誌読者は、「音楽」や

「絵画・写真」鑑賞、「英語学習」など、モノだけ でなくコト消費にも前向きなことが伺えます。ま た、この層は1年前にくらべて「電話でおしゃべ り」「飲食店に行く」「家族団らん」「スポーツ」

などのリアルな活動が増えた、と感じている人の 割合も多いようで、同じ年齢層でも雑誌に連な る生活者の活発なライフスタイルが浮かび上が ってきます【図表4・5】。

 ターゲットを具体的に想定しながら各メディア 接触者のふだんの心持ちや行動をくらべること

<F1層>の雑誌読者 % 次点

メディアとの差

1 値段に関わらずいろいろなアイテムを持っておしゃれを楽しむほうだ 54.9 7.9 2 人気や流行を知るために、広告にはおおいに関心がある 54.7 7.3 3 (ファッションの)流行には敏感である 44.8 7.3 4 新しい店やニュースポットには積極的に出かけるほうだ 45.8 6.6 5 美容には気を使うほう 60.2 6.3

<F1層&新製品をいち早く買ってみるほう>

 な雑誌読者 %

メディア次点 との差 1 着るものにはお金をかけるほう 51.9 8.7 2 定期的に音楽を聴く時間を持つようにしている 64.7 7.9 3 絵画や写真などの鑑賞に関心がある 51.6 7.2 4 年相応のおしゃれを心がけている 82.5 6.9 5 英語を学んでみたいと思う(現在学んでいる) 82.4 6.8

<F1層&1ヶ月のこづかい5万円以上>の

雑誌読者 %

メディア次点 との差 1 着るものにはお金をかけるほう 59.3 11.9 2 人からおしゃれだと言われることがよくある 62.4 10.0 3 モデルや有名人が身につけたアイテムが欲しくなることがある 58.3 10.0 4 雑誌に掲載されたアイテムを買うことがよくある 43.7 9.1 5 化粧品にはイメージが大切だと思う 68.1 9.1

% 次点 メディアとの差

1 電話で友人・知人とおしゃべり・世間話をする時間 31.3 8.0 2 PC・タブレット端末でインターネット(メール除く)をする時間 36.3 7.3

3 飲食店に行くこと 39.4 7.3

4 家族との会話・団らんの時間 43.5 7.1 5 スポーツや運動をする時間 21.1 6.5

【図表4】F1層の 「雑誌読者」 の生活意識

【図表5】F1層 & 新製品をいち早く買ってみるほうな

「雑誌読者」の、この1年で増えた行動

※同層「地上波民放」「スマホ」ユーザーよりも高スコアかつ次点とのスコア差が大きい項目を抜粋

(14)

で、メッセージの方向性や効果のポテンシャルも 見出だせそうです。

3 みんなが思うより、雑誌のこと・・・

 でくらべてみました

 生活者は限られた時間の中で複数のメディア に接しています。それゆえ、各メディアに向き合う キモチが「伝わり方」に影響するだろうというの は想像に難くありません。

 F1雑誌読者における「雑誌に対する意識」を 確認すると、「よく読む雑誌は決まっている」「気 分転換になる」「実生活に役立つ」といった項目 のスコアが上位になります。自分が接しているメ ディアに対する意識なので当然と言えば当然で すが、数多のメディアに接する中、“自分にはコ レ”という雑誌をベースに信頼関係を築いている ことがうかがえます。

 一方、広告コミュニケーションが単一メディア で完結することはほとんどありませんし、近年は 雑誌ブランドや編集長とコラボしたさまざまな商 品・コンテンツも見られるようになりました。そこ で、「雑誌以外のメディア接触者」が「雑誌」を どう思っているのかを、前項と同じ方法でチェッ

クしてみました【図表6】。

 例えば、「CS視聴者」は、「雑誌は人気や流 行を知る上で役立つ」「雑誌広告掲載店に行っ たことがある」「雑誌広告は価格がよくわかる」

といった役立ち評価が高め、「ラジオリスナー」

では、「趣味や余暇に役立つ」「接していて楽し い」といったエンターテインメント性の評価がや や高めとなっていました。それぞれのメディア特 性にフィットする要素が雑誌の中にも見出されて いると言えそうですが、このように互いの関係性 を確認することは、「よりよく伝える」組み合わ せ方を検討するヒントともなるのではないでしょ うか。

 以上、ここまで『くらべる/ex』を用いたメディ ア特性把握の事例をご紹介しました。

『くらべる/ex』は、少ない条件設定で各種のア ウトプットが可能となっており、入門編としても使 いやすくなっています。今回は2014年データを 用いてご紹介しましたが、2015年の最新データ でも近くリリースする予定です。

 ご興味のある方はお気軽に当社営業担当まで お問い合わせください。

<F1層&CS視聴者>から見た雑誌 % 次点 メディアとの差

1 人気や流行を知る上で役立つ 53.4 6.6 2 広告を見て、掲載されているお店に行ったことがある 33.4 6.2 3 (雑誌広告は)商品やサービスの価格がよくわかる 22.4 5.5 4 取り上げてられている内容が買い物や行動の参考になる 47.7 4.8 5 自分の興味・関心のあることを豊富に知ることができる 47.9 4.3

<F1層&ラジオリスナー>から見た雑誌 % 次点 メディアとの差

1 趣味や余暇に役立つ 47.9 6.0

2 接していて楽しい 43.8 4.5

3 旅行 ・レジャー・アウトドアの情報入手経路(は雑誌) 46.2 4.4 4 書籍 ・ 書評の情報入手経路(は雑誌) 29.6 3.3 5 自分だけの世界にひたれる 27.4 3.2

【図表6】F1層の「CS視聴者」「ラジオリスナー」から見た雑誌

※同層の雑誌以外(「地上波民放」「CS」「ラジオ」「新聞」「PC」「スマホ」)ユーザー間での比較、当該メディアユーザーが他よりも高 スコアかつ次点とのスコア差が大きい項目を抜粋

くらべる/ex・雑誌編

(15)

約50の商品ジャンルについて、ターゲットが「知る

/欲しくなる/調べる/買う」ときの各メディア(広 告)の影響・活用度合いをくらべます。そのメディ アならではの効果や商品ジャンルとの相性を確認 できます。

毎60分単位で、ターゲットが各メディアを見聞きし ている時間帯のピークをくらべます。より多くのター ゲットにメッセージが届くタイミングや接触シーン を踏まえたメディア活用のヒントになります。

各メディアがターゲットにどのくらい到達するのか、

接触者にターゲットがどのくらい含まれるのかでく らべます。端的に到達効率を把握できます。

ターゲットがどんな組み合わせで各メディアに接触 しているのかをくらべます。あるメディアユーザー の他メディア重複接触度合いや、組み合わせパター ンによるランキングを確認できます。

各メディア(接触者)が、比較対照メディア中1位と なるプロフィール項目でくらべます。意識や行動、

商品関与などを通じて、各メディア(接触者)の特徴 や優位性を把握できます。

『くらべる/ex』で 提供する

つの

アウトプットイメージ

① 購買プロセス別情報源で

② 接触ピーク時間で ③ リーチ&プロフィールで

④ 接触の重複で ⑤ プロフィール特性で

くらべる/ex・雑誌編

(16)

 昨今、テレビCMに留まらない複数の媒体に出 稿した一連の広告活動の効果を把握したいとい うニーズが増えています。ひとつの訴求内容を複 数媒体で出稿する広告活動を、当社では「キャン ペーン」という呼称で位置づけ、キャンペーンの 総合的効果や各出稿媒体それぞれの効果を可 視化する仕組みを『キャンペーンカルテ』として 提案しています。

 『キャンペーンカルテ』は広告効果のものさし のひとつとなるキャンペーンリーチ(どれだけ広 告や情報が生活者に届いたのか)をできるだけ 網羅的におさえることはもちろん、個別の広告認 知や広告以外のどのような接点でキャンペーン 商品・サービスの情報接触(認知)をしたのかを 把握することができます。しかし、この『キャンペ ーンカルテ』は単回の特定キャンペーンの効果を 把握することを目的としているため、「広告戦略 上必要なコミュニケーション全体を管理する」

ことに対しては別の課題です。そういった課題や ターゲットの生活やメディアに関する特徴につ いては当社の大規模生活者データベースである

『ACR/ex』から導くことができます。

今回はある事例のキャンペーンに対して、

という流れで振り返り、次回施策を検討した事 例を紹介します。

 

『ACR/ex』×『キャンペーンカルテ』を活用した複合管理の提案

クロスメディアキャンペーンの効果を把握する

『キャンペーンカルテ』は広告効果を測定するオムニバス調査で、1都3県の男女15-69才2,000サンプルを対象 に、定型の設問で月に1回実施する調査フレームです。実施タイミングや対象者属性の変更、サンプルサイズや調 査項目を変更する場合は『カスタムキャンペーンカルテ』というサービスで対応します。

キャンペーンカルテとは

Writer 吉田 正寛

ソリューション推進局  ACR/ex事業推進部

『キャンペーンカルテ』で単回の結 果を振返り、課題を抽出

その課題に対して『ACR/ex』で検 証・分析して次の施策を検討する STEP

STEP

(17)

 その前に『キャンペーンカルテ』のカスタム版 である『カスタムキャンペーンカルテ』(以下カス タムCPK)における「広告効果」の考え方をここ で説明します。

 例えば、キャンペーンの認知は高いけれど、態 度変容への影響が低いキャンペーンと、認知は 低いが態度変容を引き起こす力が強いキャンペ ーンの2つがあるとします。2つのキャンペーン はどちらが優れていたといえるのでしょうか。キ ャンペーンの効果を総合的に判断することに加 え、その結果の要因を要素ごとに分解して振り返 ることが必要です。

 仮に2つの広告による市場反響がほぼ等しい 場合、それぞれの今後の課題はどのようなもの でしょうか。前者の場合は態度変容力を上げる 施策を、後者は認知を獲得するための施策を検 討する必要があるといえます。同じ効果でもどこ に改善点やネックがあるのかによって、今後の課 題は異なります。

1.『カスタムCPK』が指し示すこと

認知力はテレビの媒体展開で大きく伸びる  【図表1】は広告接触別の認知力、態度変容 力、広告効果を、商品ブランドの「興味関心」に ついて算出した結果ですが、今回のキャンペーン 全体の認知力は87.3%、基準値ともいえる過去 平均を大きく上回っています。中でも認知を牽引 したのはテレビCM(84%)であり、出稿量に対 する認知率の高さ(出稿効率)も良好でした。ま た、PCネット広告の認知力(20.1%)も過去平均 を上回り、効果をみせていますが、その他媒体は 過去平均並となっています。

 クロスメディア視点では、テレビCMのみ認 知(30.9%)に対して、テレビ+他の媒体の認知 (53.1%) は20ポイント以上高く、テレビCMに加 えての複数媒体による効果が現われています。

 他の媒体による広告認知者のテレビCM認知 率は97%を超えていることから、ほぼ全員がテ レビとの重複であり、認知におけるテレビの力を 見せ付けています。

今回取り上げる事例は

子ども向けの商品・サービスを展開するA社

▪ メインターゲットは

  小学生の子どもがいる母親

▪ 出稿媒体はテレビCM、新聞広告、新聞折 込みチラシ、インターネット広告(バナー)

(今回の事例では「小学生の子どもがいる母親」に  変更、サンプル数を900人とし、追加設問を増やし  て実施)

⒜認 知力

各広告媒体やその組み合わせでの認知率

⒝態 度変容力

商品ブランド関与における広告認知者と広告非認知 者との評価差を求めることで広告への影響を算出

〔態度変容力=広告認知者ブランドスコア

         -非認知者のブランドスコア〕

「カスタムCPK」ではキャンペーンの効果を総合 的に判断した結果である「広告効果」を、認知と 態度変容の2つの要素で形成すると考え、

と定義しています

広告効果 = 認知力 × 態度変容力

(18)

態度変容力は折込みチラシが強い

 今回は、「興味関心」という段階における態度 変容力をみていきます。【図表1】の中央の結果を みると、キャンペーン認知者における態度変容力 は20.3%、これは認知したことで興味関心が押し 上げられたスコアです。テレビ+他の媒体の態度 変容力(28.8%)はテレビのみ認知者(6.6%)の 4倍以上で、クロスメディア効果が顕著でした。

このキャンペーンを媒体別でみると折込みの効 果が目立ちます。また、それ以外で大きな効果差 はみられません。それぞれのクリエイティブ評価

(ここでは非掲載)を確認すると、折込みは「印 象」「内容理解」に寄与、商品への「好感」「親し み」を醸成した可能性が示唆されました。

 なお、【図表1】に記載はないですが、PCネッ ト広告は「商品認知」において態度変容力が大 きく、知るキッカケとしてPCネット広告が機能し ていることが把握できました。

広告効果は認知力が寄与

 広告効果は認知力×態度変容力で算出され ることは説明しましたが、それに当てはめると 今回のキャンペーン全体認知者における広告 効果は、態度変容力(20.3%)×認知力(87.3

%÷100)=17.7%となりました。媒体別でみる と、テレビCM認知者が17.3%と最も高いもの の、テレビのみに絞ると2.0%に留まってしまい ます。テレビ+他の媒体は、15.3%とテレビのみ の7倍以上、過去平均と比べても、クロスメディ ア展開が良好に働いたことが示唆されます。こ の要因に寄与しているのが、テレビCMだけでな く、中でもPCネット広告との組み合わせであり、

いずれも認知力が高いという特徴があります。

 それに対して、態度変容力の高い折込みは、

認知力において若干振るわなかったことから、

広告効果のスコアは小さくなってしまいました。

 

【図表1】A社キャンペーン「興味関心」における広告別認知力、態度変容力、広告効果 単位:%

認知力 態度変容力 広告効果

キャンペーン全体認知者(リーチ) 87.3 × 20.3 = 17.7

テレビCMのみ認知者 30.9 × 6.6 = 2.0

テレビ+他媒体認知者 53.1 × 28.8 = 15.3

〈媒体別〉

テレビCM認知者 84.0 × 20.6 = 17.3

新聞広告認知者 9.9 × 31.6 = 3.1

新聞折込みチラシ認知者 11.7 × 39.3 4.6

PCネット広告認知者 20.1 × 33.1 = 6.7

携帯ネット広告認知者 8.2 × 29.6 = 2.4

表内のスコア 当該スコア 当該スコア 過去平均

(19)

 今回のA社キャンペーンの結果を以下のとおり まとめます。

 上記結果を受けて今後の出稿施策を考える 場合、例えば以下のような課題が浮き彫りにな ります。

2.『ACR/ex』で課題を解決する

 課題を深堀りする前に、『ACR/ex』でターゲ ットとする小学生の母親の特性(デモグラフィッ ク特性や性格・価値観・嗜好・消費行動)や生活 行動、メディアとの関わりやメディア接触実態を 分析すると【図表2】のような特徴がみえてきま した。

 その『ACR/ex』のデータを踏まえ、『カスタム CPK』で得た結果と結び付けて、課題に対する 今後の施策を検討していきます。

 折込みの認知率は11.7%【図表1】と低調であ るものの、「ACR/ex」で折込みのリーチをみる と到達率は5割、毎日見る人が3割強と一定の レベルを担保しておりますので、認知率向上の可 能性はあるとみられます。一方で、今回のA社が 折込みのリーチは拡大しないのか?

PCネット広告の機能と携帯ネット広告 の有効性は?

新聞広告は有効か?

メディア意識&接触傾向

・平日休日問わず起床在宅時間が長い

・テレビやフリーペーパー、インターネットなどの広告媒体は有用、DMとも親和性大

・地上波民放やフリーペーパー、インターネット(とくにスマホ)のリーチは高い

・BS、新聞のリーチはやや低め

価値観や広告・購買意識から考える訴求に必要なポイント

・基本性能を明確にし、端的に表現

・事前に行う情報収集の受け皿を拡充

・詳細な情報と説明、自分事化できるようなシチュエーション

 ※ データは2014年4-6月度東京50km圏データを用い、特徴は女性一般(女性12-69才)と比較して    特徴的な項目をピックアップ

折込みリーチは拡大しないのか?

⇒ リーチ拡大でなく態度変容力を向上 させる施策をとるべき

課題1 課題2

課題3

課題1

【図表2】小学生の母親の特徴

●テレビCMの広告効果は非常に良好 

→態度変容力は他媒体に劣るも 認知力でカバー

●折込みは認知力に課題があるものの 態度変容力が高くクリエイティブでは、

「印象」「内容理解」に寄与、

商品への「好感」「親しみ」を醸成

●PCネット広告は認知力改善、

態度変容力では「認知」を牽引

●新聞、携帯ネット広告は

認知力・態度変容力とも相対的に弱め

(20)

広告した商品カテゴリーの関心度はキャンペーン 認知者で40%(カスタムCPK)でした。仮に毎日 折込みを見る(3割強)の中で同じ関心者がい ると考えた場合、3割の40%に相当する1割強が 折込み閲読者の関心層になります。このスコア はほぼ「カスタムCPK」の折込み広告認知率に合 致しており、理論上これ以上の認知を獲得する ことは難しいといえるでしょう。

 一方で、広告した商品カテゴリーの情報経路 として折込みは3番目(ACR/ex)に高く、詳細 情報も掲載しやすい媒体特性があるため、内容 理解の促進は期待できます。折込み広告はリー チ拡大ではなく、態度変容力UPを狙った施策 検討が重要であることを示唆します。

 特徴として、PCのリーチは女性全体並です が、利用経験サイトの利用率は各サイトとも女

性全体よりも高くなる傾向がありました。これは PCではなくスマホでネットを利用していることを 示唆します。【図表3】はYouTubeの利用デバイ スを確認したものですが、スマホがPCを上回る 結果でした。

 小学生の母親にとって「ネット」とはスマホで の接触であり、1週間累積到達率が高く、広告注 視やクリックも一定量あり、情報収集媒体として 親和性が高いといえます。テレビCMとの住み分 けを考えると小学生の母親が好むテイストに合 わせ、詳細や性能を明確にする説明型のコンテ ンツが効果を発揮しそうです。

 一方、スマホの広告はスペースの関係上今回 のキャンペーンのように広告で詳細を語るのは難 しいという制約があります。そのため、詳細情報 の提供はブランドサイトを充実させてそこに役割 を任せ、スマホバナーは詳細を書かないアイキャ ッチの役割を担うことが得策です。クリエイティ ブとしては気になるコピーや目立つ工夫が重要に なります。

PC ネット広告の機能とモバイル広告 の有効性は?

⇒ モバイル広告をフックにブランドサイ トを充実させ、そこに誘引(クリック)

させる工夫&誘目性を持たせる

【図表3】小学生を持つ母親のYouTubeの利用デバイス

60

50

40

30

20

10

0 (%)

長子が小学生 女性 ACR/exデータ

1.3 1.4 35.1

7.8 32.0

1.4 2.5 48.0

8.2 34.9

その他(テレビ・レコーダー・ゲーム機など)

携帯電話・PHS スマートフォン

タブレット端末 パソコン

課題2

(21)

 「ACR/ex」でみると新聞は折込みとリーチ が連動するため50%と同スコアでしたが、情報 入手経路では折込みの15%に対して新聞は6%

と大きな開きが出ており、新聞からは情報をあま り取らないという特性がうかがえました。一方、

子ども関連の記事の閲読は高い傾向にあり、広 告の印象では「発売されたことを知る(38%)」

「広告の内容をしっかり見る(28%)」等が高 く、「内容理解」に効果が期待できます。加えて

「信頼できる広告(28%)」という新聞特有の イメージも高く、「信頼感」を期待したキャンペ ーンは有用です。目的によってこうした内容訴求 の場合は外せない媒体と言えます。その際は教 育、育児系の話題に関するテーマで、記事テイス トでの親和性が高いと考えられます。

 今回はクロスメディアキャンペーン施策とその 効果測定として『カスタムCPK』と『ACR/ex』

を組合せた複合管理フレームの実事例を紹介 させていただきました。この案件を経て、事例を 提供頂いたA社様ではモバイル広告のバナーク リエイティブを見直し、モバイル広告の認知力 UP(それに伴う広告効果UP)を実現されてお ります。

 このように、単回の振返りだけでなく「ACR/

ex」を用いたターゲットの意識・生活特性やメ ディア接触特徴を理解することで今後の施策 を簡単に確認することができます。

 当社では、『カスタムCPK』【見本①】と、それ

に付随する〔『ACR/ex』を用いた今後の戦略ま とめ〕【見本②】をA3横シートに定型フォーマッ トとして作成、提供しております。上記エッセン スをA3裏表にまとめたこの資料を確認いただく だけで、キャンペーンの成否から一般知見、今後 の施策について一覧することができる仕組みで す。このフォーマットもカスタマイズをお受けして おります。広告活動の振返りでお困りの際は、是 非『カスタムCPK』と『ACR/ex』による複合管 理フレームをご検討いただければ幸いです。

新聞広告は有効か?

⇒ 内容理解に加え信頼感醸成が重要 となる局面で、記事テイストでの活 用は有用

課題3

(22)

【見本①】カスタムキャンペーンカルテ結果サマライズ 雛形イメージ

【見本②】カスタム CPK × ACR/ex 今後の戦略まとめ 雛形イメージ

(23)

注目選手の登場

 真夏の風物詩、全国高等学校野球選手権大 会(夏の甲子園)が今年も8月6日から20日まで 開催されました。地方大会を勝ちあがった49校 が出場し、神奈川県代表・東海大相模の45年ぶ り2度目の優勝で大会は幕を閉じました。およそ 2週間に渡って繰り広げられた高校球児の戦い は、高校野球ファンのみならず、多くの人を魅了 しました。私もこの熱戦を毎日楽しみに見ていた 一人です。

 夏の甲子園大会が盛り上がるには注目選手の 登場が重要です。今大会では2人の選手に特に 注目が集まりました。1人が、1年生ながら早稲田 実業という強豪でレギュラーの座を掴み、開催 前からテレビやスポーツ紙で騒がれていたゴー ルデンルーキー清宮幸太郎選手。そしてもう1人 が、ナイジェリア人の父を持ち、日本人離れした身 体能力が話題となった関東第一のオコエ瑠偉選 手です。

 2人は見事な活躍をみせ、連日スポーツ紙の一 面を飾るなど、人気は高まっていきました。清宮

選手は大会通算19打席9安打2本塁打8打点と いう成績で、1983年にPL学園・桑田真澄選手 が達成して以来となる1年生での2本塁打を記録 し、前評判通りの実力を発揮しました。オコエ 選手は18打数6安打1本塁打6打点という成績 で、準々決勝の沖縄代表・興南戦では、3対3の 同点で迎えた9回表に勝ち越しとなる2ランホー ムランを放ち、大事な場面での勝負強さをみせ ました。

 このような注目選手の出場する高校の試合 は、視聴率も高くなります。今大会全試合の平均 世帯視聴率が9.4%であるのに対し、早稲田実業 の試合の平均世帯視聴率は15.3%、関東第一の 試合の平均世帯視聴率は12.9%と、2校が関東 の高校であることの影響もありますが、とても高 くなっています。さらに、今大会の中で世帯視聴 率15%以上を記録した試合が8試合ありました が、決勝を除くとすべて、清宮選手がいる早稲田 実業の5試合、そしてオコエ選手がいる関東第一 の2試合でした【図表1】。

 試合終了後に選手はインタビューを受けます が、そこでの受け答えの姿も印象的でした。清宮

Tele・ vision

今年は沸いた 夏の甲子園

Writer 徳増 宏紀 テレビ調査局 テレビ調査部

(24)

選手は半年前には中学生だったとは思えないよ うな落ち着きで、常にもっと上を目指したいとい うコメントをしており、試合以外の場面でも大物 の雰囲気を漂わせていました。一方オコエ選手 は質問に対してとても誠実に答えており、快活な 好青年という印象で、こういったところでも人気 を伸ばしていると感じました。

 この2人が、しっかり活躍し、それがニュース や新聞、SNS、口コミで話題になったことで日 に日に注目度が上がり、普段、高校野球を見ない 人までも、取り込んでいったと考えられます。

今大会は過去20年の中で 最も見られている

 今大会は過去20年の中で、大会平均の世帯 視聴率・世帯占拠率(注1)ともに最も高くなってい ます。今大会がこれだけ見られた要因として、清 宮選手のいる早稲田実業、オコエ選手のいる関

東第一が準決勝まで勝ち進んだことが影響して いると考えられます。この2校は決勝には進出で きませんでしたが、神奈川県代表・東海大相模と 宮城県代表・仙台育英が戦った決勝戦の世帯占 拠率は52%までに達しました。これは過去注目 された、2006年の早稲田実業・斎藤佑樹選手 と駒大苫小牧・田中将大選手の投げあった試合 を上回る数字となっています。決勝に勝ち進んだ 2校のファンに加え、準決勝での彼ら2人の奮闘 ぶりを見た人が大会の魅力に惹きこまれ、決勝 の視聴が増えたのかもしれません。ちなみにこの 決勝戦、仙台地区での世帯視聴率は33.4%、世 帯占拠率は71.8%という非常に高い数字となっ ていました。地元である仙台育英の東北勢初の 優勝を期待し、多くの人が試合に注目していた ことが分かります。

 仙台育英のエースで、準決勝では清宮選手の いる早稲田実業を完封するなど素晴らしいピッ チングを見せ、プロも注目する佐藤世那選手は、

【図表1】 今年の甲子園 世帯視聴率 15%以上の試合一覧 <関東地区>

放送日 ステージ 試合結果 開始時間 分数 世帯

視聴率

(%)

世帯 占拠率

(%)

8 月 8 日(土) 1 回戦 早稲田実業(西東京) 6-0 今治西(愛媛) 9:00 61 NHK 総合 16.3 38.8 8 月13 日(木) 2 回戦 早稲田実業(西東京) 7-6 広島新庄(広島) 9:06 56 NHK 総合 16.8 40.9 10:06 25 NHK 総合 15.7 43.4 8 月15 日(土) 3 回戦 早稲田実業(西東京) 8-4 東海大甲府(山梨) 8:15 122 NHK 総合 17.7 37.2

8 月17 日(月)

準々決勝 早稲田実業(西東京) 8-1 九州国際大付属(福岡) 8:15 46 NHK 総合 16.2 30.4 9:05 62 NHK 総合 16.2 40.0 準々決勝 関東第一(東東京) 5-4 興南(沖縄) 17:09 51 NHK 総合 16.0 34.9 18:00 65 NHK Eテレ 15.1 27.5

8 月19 日(水)

準決勝 仙台育英(宮城) 7-0 早稲田実業(西東京) 11:54 71 NHK Eテレ 15.4 37.4 準決勝 東海大相模(神奈川) 10-3 関東第一(東東京) 13:05 60 NHK 総合 15.6 37.0 14:09 58 NHK 総合 17.3 41.9 8 月20 日(木) 決勝 東海大相模(神奈川) 10-6 仙台育英(宮城) 13:00 82 NHK 総合 19.0 47.7 14:26 69 NHK 総合 20.2 52.0

(注 1)占拠率とは、その時間帯にテレビを見ている世帯のうち、その番組を見ている世帯がどのくらいいるかを示すものです。

    平日休日、時間に関わらず放送があるため、占拠率を掲載しています。

参照

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