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音楽の好みの推測結果に基づいた自動作曲システム

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Academic year: 2021

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音楽の好みの推測結果に基づいた自動作曲システム

日大生産工() ○近藤 弥帰 日大生産工 松田 聖

はじめに

効率の良さや物質的な豊かさの追求だけで はなく「心」の豊かさの追求も重要視されて きている今日の社会において,ものづくりの 場面において,使い手である人間の個性、主観 を重視した戦略がより重要度を増してきてい る.そのため,心と深い関係にある人間の主 観,評価,感性が中心的な役割を果たす人間 中心システムの考え方は重要である。一方, 音楽は人間の芸術的感性を刺激する分野であ り,近年のコンピュータの性能向上に伴い,自 動作曲の環境はますます,身近なものになっ てきている。しかしコンピュータを用いた作 曲でも,音楽の専門的知識は必要であり,また, 音楽作品に対する聴き手の印象は人間の楽曲 に対する主観に大きく影響を受けたため,自 動作曲システムの構築にも上述の人間中心シ ステムの考え方が必要になってくる.

本研究では,作り手の音楽の専門的知識が 少なくても楽曲に対する個人の印象を反映さ せた音楽作曲が行えるような作曲支援システ ムを,遺伝的アルゴリズムを応用した対話型 遺伝的アルゴリズムを用い構築することを目 的とする.

遺伝的アルゴリズム

遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:

GA)とは,自然界における生物の遺伝と進化 のメカニズムを工学的に模倣した最適化・探 索アルゴリズムである。遺伝子で表現した個 体を複数用意し,ある環境における個体の適 用度の計算を行う.その適応度の高い個体を 優先的に選択し,交叉・突然変異などの操作を 繰り返しながら、最適解を探索していく.

GAでは解を構成する変数の組み合わせを 図1に示すように遺伝子または染色体と例え る.

Fig.1:遺伝的アルゴリズムの遺伝子表現 次に,基本的なGAにおける最適解を求める までの流れと操作を以下に示す.

(1)初期生成:初期世代遺伝子を生成する.

(2)適応度評価:評価関数を用いて生成した 個体の適応度を計算する.

(3)選択(淘汰):結果の良い個体を残し, 良くない個体を消去する.

(4)交叉:個体を2つ選択し,交叉を行い 新たな遺伝子を生成する.

(5)突然変異:一定確率のもと突然変異を 行なう.

(6)次世代の個体群形成:(3)~(5)の操作に より次世代の個体が生成され,(2)に 戻る.

(7)終了:最大世代数まで操作を繰り返し, 適応度が最も高い個体を解として出力し 終了する.

Automatic Composion System based on guessing Music Favor Mikaeru KONDO and Satoshi MATSUDA

1 0 1 0 1 1 1 0 0 1

−日本大学生産工学部第42回学術講演会(2009-12-5)−

― 125 ― 7-39

(2)

対話型遺伝的アルゴリズム

人間とコンピュータとの相互作用および 人間の主観的評価に基づいて最適化を行う手 法として,進化計算(Evolutionary

Computing:EC)を用いる手法が,対話型進化 計算(Interactive Evolutionary

Computing:IEC)である.IECの手法の一つに 対話型遺伝的アルゴリズム(Interactive Genetic Algorithm:IGA)があり, これはEC 技術にGAを用いた手法である.

IGAは, 解探索をGAにおける遺伝的操作と

人間の評価という人為的な判断によって解の 探索を行う. つまり, GAの処理中における

「評価」の部分を人間が行う. そのため, 来のGAと比べ人の感性という複雑な構造の 解析により適しているといわれている.

自動作曲システムの概要

本研究では先ほどに述べたIGAの手法を用 い,自動作曲システムを構築する。楽曲1曲の メロディーラインを遺伝子の1本に対応さ せ,遺伝子をシステム内に多数生成する.

これらに対してユーザ自身が目標とする楽 曲のイメージを思い浮かべながら主観的な評 価を行い,その結果をもとにシステムが遺伝 子群にGA操作を加え、次世代の遺伝子群を生 成する.この評価と生成の流れを繰り返し,最 終的にユーザの満足する楽曲を作曲する. ーザとシステムの対話による具体的な作曲の 流れを図2に示す.

(1)ユーザは目標とする楽曲の感情イメージ を決め、楽曲生成を開始する.

(2)システムは音楽理論データベースを参照 しながら初期遺伝子群を100個生成する.

(3)次にシステムは生成された遺伝子のうち ランダムに選択された10個と,評価基準と する遺伝子1本をユーザに提示する.

(4)ユーザは提示された楽曲をひとつずつ聴 き,目標とする楽曲の感情イメージの観点 から,基準となる曲と比較してどう感じる か,主観的評価を行なう.

(5)システムはユーザの評価結果をもとに遺 伝子群に対してGA操作を加え,新たに100 個の遺伝子を生成する.そしてそれらから 10個をランダムに選択し,再びユーザに提 示する.

(6)(3)~(5)を繰り返し行い,ユーザが納得 する楽曲が得られた時点で終了とする.

Fig.3:ユーザとシステムの対話による作曲

おわりに

本研究により作曲支援システムの構築,人 間中心システムの設計が可能と考えられる.

今後の課題として,IGAでは評価の度に作り 手が評価を行うので,評価の際に感じる負担 を減らすこと,また生成する楽曲の長さをよ り長くするためのシステムの拡張を行うこ とを目指していく.

「参考文献」

1) 今井繁,長尾智晴,遺伝的アルゴリズ ムを用いた自動作曲,電子情報通信学会 技術研究報告. AI, 人工知能と知識処 理,(1998),pp.59~66 .

2) 田中健,外山史,東海林健二,遺伝 的アルゴリズムを用いたメロディー進 行とリズムの組合せによる自動作曲,情 報処理学会研究報告. [音楽情報科学],

(2001), pp.43~48 .

3) 山田拓志,椎塚久雄,遺伝的アルゴリ ズムを用いた自動作曲について,情報処 理 学 会 研 究 報 告. [音 楽 情 報 科 学] (1998),pp.7~14

4) 宮本千帆,遺伝的アルゴリズムを用 いた旋律生成に関する研究,(2005)

5) 北野宏明, 遺伝的アルゴリズム, 業図書出版,(1997)

ユーザ システム

作りたい音楽の イメージを決める

データベース参照 第1世代の 遺伝子群生成 ユーザに提示

GA操作 次世代の 遺伝子群生成 各楽曲の評価と

最も良いと感じる 個体の選択

満足する個体が 現れたら終了

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