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都道府県と傘下の基礎自治体の関係に着目した

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阪田:〒 305-0804 茨城県つくば市旭 1

国土技術政策総合研究所総合技術政策研究センター 建設経済研究室  

Construction Economics Division,

Research Center for Land and Construction Management, National Institute for Land and Infrastructure Management 1 Asahi Tsukuba, Ibaraki pref. 305-0804 Japan

Tel. 029-864-7457 E-mail:[email protected]

寺木:千葉工業大学・独立行政法人建築研究所

都道府県と傘下の基礎自治体の関係に着目した

都市計画分野での地理空間データの整備状況に関する分析

阪田 知彦・寺木 彰浩

An Analysis about Present Conditions of Geospatial Data in City Planning considering Mutual Relations the between Prefecture and Municpalities

Tomohiko SAKATA and Akihiro TERAKI

Abstract: This paper deals with the present conditions of geospatial data in city planning considering mutual relations between prefecture and municpalities based on questionnaires about the maintenance situation of the geospatial data on the city planning bureau of the local gorvernment in February, 2009.

Keywords: 地理空間データ(Gepspatial Data),都市計画(City Planning), アンケート調査

(Questionnaire)

1. はじめに

本稿は ,2009 年 2 月時点の地方公共団体の都市 計画部局が整備する地理空間データの整備状況に 関するアンケート調査の結果のうち,特に都道府 県と傘下の基礎自治体との関係に着目した分析に ついての報告である.

2007 年 5 月に成立した「地理空間情報活用推進 基本法」では,基盤地図情報の整備に必要な施策 を国や自治体が講ずることとしているほか,国が 保有する基盤地図情報を原則としてインターネッ トを利用して無償で提供することが盛り込まれ た.これにより,今後いわゆるベースマップとい われる部分についての共用化がより一層図られ,

地方公共団体での地理情報システム(Geographic Information System:GIS)自体の利活用がさらに

進むものと思われる.

自治体の業務の中でも都市計画分野は,地図や 地理空間データを大いに活用している分野の一つ である . 近年,都市計画図書の作成・管理,都市 計画基礎調査(都市計画法第 6 条),各種計画・事 業の立案などにおいて,G I S を活用する事例が多 く見られるようになった.

平成 10 年度~ 12 年度の都市計画法の改正では,

地方分権の流れに沿ってまちづくりの主体である 市町村の都市計画権限を大幅に強化し,都道府県 から市町村への権限委譲が進められた.また,そ の後の「平成の大合併」による市町村合併や,わ が国全体が人口減少期に入ったことを受けて,「コ ンパクトシティ」に象徴される都市構造の再編に 向けた議論も盛んに行われている.こうした状況 より,基礎自治体の都市計画における役割が変化 する中で,基礎自治体と都道府県の連携はこれま で以上に重要なものとなってきたと考えることも できる.

このことを G I S や地理空間データの整備の観点 から考えれば,基礎自治体と都道府県の都市計画

(2)

表 2 調査結果(本稿での分析対象)

表 1 調査内容(本稿で扱わない項目を含む)

図 1 地理空間データの整備状況

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上の役割に応じて,各種の検討に必要な地理空間 データを整備し,G I S で活用できるようにしてお くことが望ましいともいえるだろう.

また,GIS や地理空間データの導入などにおいて,

地域的な傾向があることはこれまでも指摘されて きているが,直近の状況についての全国的な傾向 を把握した調査報告は管見では見られない.

筆者らは地方公共団体の都市計画分野での空間 データの整備状況に関する悉皆的な把握を目的と したアンケート調査(調査項目:表 1)を 2009 年 2 月に実施した . 調査は,独立行政法人建築研究 所住宅・都市研究グループが調査主体となって,

2009 年 2 月 2 日現在の都道府県 47 団体,および,

特別区と政令市を含む全ての市町村 1,804 団体に 対して行った.調査は,表 1 に示す調査項目につ いての質問票などを郵送配付,F a x,電子 m a i l,

Web による回収によって実施した.概要については,

阪田・寺木(2009)を参照されたい.

2.都道府県と基礎自治体の関係に着目 した分析

本章では,まず分析の前提として団体区分別の 地理空間データの整備状況について示した上で,

本稿の本題である

○都道府県別に見た基礎自治体での地理空間 データの整備状況

○都道府県での地理空間データ整備状況と傘下 の基礎自治体での整備率の関係

○都道府県でのデータ収集と提供状況 の観点からの分析結果を示す.

なお検討対象は,都道府県と都市計画区域を有

する市区町村(以下,基礎自治体とする)である(表 2).以降の集計では,有効回答数(表 2 中,回収数)

を対象としている.

2.1 団体区分別の地理空間データの整備状況 まず,全国的な傾向として,団体区分別の地理 空間データの整備状況を図 1 に示す.

地理空間データは,都道府県で 23 団体 (48.9%),

基礎自治体で 52.7% の団体で作成されている.

基礎自治体について団体区分別に見てみると,

市 で 63.6% , 特 別 区 で 56.5% , 町 で 39.0% , 村 で 13.9% で地理空間データを作成しており,団体区 分により作成率に違いがあることがわかる.

また,設問方法の違いがあるので単純には比較 できないが,作成率は前回調査(阪田ら,2007)

と比べて,市では増加,村では減少している.

2.2 都道府県別の基礎自治体での地理空間データ の整備状況

基礎自治体での地理空間データの整備状況を都 道府県ごとに見たものが図 2 である.

地理空間データを整備している基礎自治体の割 合は,神奈川県,愛知県,三重県で 80%を超えて

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(3)

図 3 都道府県での地理空間データの整備状況と 基礎自治体での整備割合との関係 表 3 都道府県での地理空間データの整備状況と

基礎自治体での整備割合との関係の基本統計量 いる.全国的な傾向としては,概ね 40 ~ 60%程 度の基礎自治体で整備している都道府県が多いこ とがわかる.

2.3 都道府県での地理空間データ整備状況と傘下 の基礎自治体での整備率の関係

つづいて,基礎自治体での整備状況を,都道府 県での整備状況との関係から見てみたものが表 3,

図 3 である.

図 3 は,都道府県での作成済・未作成と全体の それぞれの分布の傾向を示している.図 3 及び基 本統計量(表 3)を見ると,それぞれの分布は異なっ ているようにも見える.このことを赤池情報量規 準 (AIC) を用いて検証してみる.

今,都道府県での地理空間データの整備状況に 拠って区分した基礎自治体の整備率が(μ,σ2) の正規分布に従うとしたとき,都道府県での整備 状況(作成済/未作成)のそれぞれの群における 条件付き正規分布モデルとして考えると,

MODEL(1): 平均も分散も同じモデル MODEL(2): 分散のみが異なるモデル MODEL(3): 平均のみが異なるモデル MODEL(4): 平均も分散も異なるモデル

の 4 つのモデルが仮定できる.これら 4 つのモデ ルについて A I C を計算し,どのモデルが最も尤も らしいモデルかを判定する.詳細な手順について は,紙幅の関係上,鈴木(1995)を参照されたい.

結果(表 4),MODEL(1) が最も AIC が小さく,最も 尤もらしいモデルであることが分かった.したがっ て,都道府県での整備状況によって傘下の基礎自

図 2 都道府県別に見た基礎自治体での地理空間デー タの整備状況

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(4)

表 5 都道府県でのデータ収集・提供状況

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治体での地理空間データの整備率の分布には明確 な違いがないことが示された.

2.4 都道府県でのデータ収集と提供状況

今回の調査では,地理空間データを整備してい る都道府県(23 団体)に対し,傘下の基礎自治体 の地理空間データを収集しているか,また基礎自 治体に対して地理空間データを提供しているかを 尋ねた(表 5).

単純集計(表 5 上)を見ると,傘下の基礎自治 体の地理空間データを収集している場合が約3分 の1であるのに対して,基礎自治体に提供してい る場合は,全体の半分以上を占めている.また,

それぞれの傘下の基礎自治体での整備率の平均を 比較すると,収集している都道府県における基礎 自治体の整備率は,収集していない場合に比べて 明らかに大きい.一方,基礎自治体への提供につ いては,提供している/していないで基礎自治体 での整備率に大きな違いは無い.

今度は,都道府県ごとに収集・提供パターンを 5 区分にしたものが表 5 下である.基礎自治体か ら収集も提供もしていないという都道府県が最も 多く,次いで収集も提供もしている都道府県が多 いことが分かる.

3.まとめ

以上,2009 年 2 月時点の地方公共団体の都市計 画部局が整備する地理空間データの整備状況に関 するアンケート調査の結果のうち,特に都道府県 と傘下の基礎自治体との関係に着目した分析結果 を見てきた.

本稿では,紙幅の関係上,地理空間データの整 備状況のみに着目した分析に終始したが,整備さ れている地物・属性の内容や,システムの導入・

活用状況などを加味した分析を通して,都道府県 と傘下の基礎自治体の地理空間データの整備状況 とその活用についての考察を深めていく必要があ る.これらの分析については,稿を改めたい.

【参考文献】

阪田知彦・寺木彰浩・樋野公宏(2007)速報:2007 年 2 月時点での地方公共団体の都市計画分野における空 間データの整備状況,都市計画報告集,6-1,8-15.

阪田知彦・寺木彰浩(2009)速報:2009 年 2 月時点で の地方公共団体の都市計画分野における空間データ の整備状況,都市計画報告集,8-1,13-20.

鈴木義一郎(1995)情報量規準による統計解析入門 . 表 4 AIC による判定結果

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表 2 調査結果(本稿での分析対象)表 1 調査内容(本稿で扱わない項目を含む) 図 1 地理空間データの整備状況࿁෼₸㪋㪎㪋㪎㪈㪇㪇㪅㪇㩼 㪇Ꮢ㪎㪎㪎㪎㪊㪎㪐㪋㪅㪐㩼 㪋㪇඙㪉㪊㪉㪊㪈㪇㪇㪅㪇㩼㪇↸㪌㪏㪈㪋㪐㪇㪏㪋㪅㪊㩼㪐㪈᧛㪋㪈㪊㪍㪏㪎㪅㪏㩼㪌ዊ⸘㪈㪃㪋㪉㪉㪈㪃㪉㪏㪍㪐㪇㪅㪋㩼㪈㪊㪍㪈㪃㪋㪍㪐㪈㪃㪊㪊㪊㪐㪇㪅㪎㩼㪈㪊㪍ㇺ㆏ᐭ⋵ၮ␆⥄ᴦ૕ో૕࿅૕඙ಽ㈩Ꮣᢙ࿁෼⁁ᴫ࿁෼ᢙᧂ࿁෼㪌㪈㪐㪈㪈㪊㪋㪍㪐㪍㪎㪏㪉㪊㪊㪈㪉㪐㪈㪈㪇㪉㪍㪋㪌㪐㪍㪉㪋㪇㪏㪇㪋㪈㪉㪇㪇㩼㪈㪇㩼㪉㪇㩼㪊㪇㩼㪋㪇㩼㪌㪇㩼㪍㪇㩼㪎㪇㩼㪏㪇㩼 㪐㪇㩼
図 3 都道府県での地理空間データの整備状況と 基礎自治体での整備割合との関係表 3 都道府県での地理空間データの整備状況と基礎自治体での整備割合との関係の基本統計量いる.全国的な傾向としては,概ね 40 ~ 60%程度の基礎自治体で整備している都道府県が多いことがわかる.2.3 都道府県での地理空間データ整備状況と傘下の基礎自治体での整備率の関係つづいて,基礎自治体での整備状況を,都道府県での整備状況との関係から見てみたものが表 3,図 3 である.図 3 は,都道府県での作成済・未作成と全体のそれぞれの

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