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Title 教科書掲載短歌の考察その1 −平成27年度中学校国語教科書を中心に−

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Academic year: 2022

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(1)

Hokkaido University of Education

Title 教科書掲載短歌の考察その1 −平成27年度中学校国語教科書を中心に−

Author(s) 大村, 勅夫

Citation 国語論集, 19: 277‑297 Issue Date 2022‑03

URL http://s‑ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/12169

Rights

(2)

ア プ ロ ーチ す る と うま く い く

』デ ィ ス カ ヴ ァー

・ ト ゥ エン テ ィ ワ ン 鈴木 義 幸

( 二〇 二 一

)『 理 想 の自 分 を つ くる

セル フ ト ー クマ ネ ジ メ ン ト入 門

』 デ ィス カ ヴ ァ ー・ ト ゥ エ ン ティ ワ ン ロジ ャ ー・ コナ ー ズ

、ト ム・ ス ミス

、ク レイ

グ・ ヒ ック マ ン( 著)

、 伊 藤 守( 監 訳

)、 花 塚恵

( 翻 訳)

(二

〇 九)

『主 体 的 に 動く ア カ ウ ンタ ビ リ テ ィ・

マネ ジ メ ン ト』 デ ィ ス カヴ ァ ー・ ト ゥ エ ン ティ ワ ン

※ 本 稿 は 花 坂 が 研 究 代 表 者 を 務 め るJSPS

科 研 費 19K02735

( 基 盤 研 究 C

、教 科 融 合 に よ る 豊 か な 読 書 空 間 の 創 出- 理 論 と 実 践 の 往 還 的 研 究-

) の 助 成 を 受 け て の 成 果 で あ る

( いわ さ き と もみ

/ フ リ ーリ ポ ー タ ー)

( は なさ か あ ゆ む/ 大 分 大 学)

教 科 書 掲 載 短 歌 の 考 察

そ の 1

平 成 2 7 年 度 中 学 校 国 語 教 科 書 を 中 心 に ―

大 村 勅 夫 1

問 題の 所在 教 科 国 語 は過 渡 期 にあ

る。 例 え ば、 学 習 指 導 要 領 が改 訂 さ れ

、 中 でも 高 校 国 語 に関 して は、 必 履 修 科 目 が変 更 と いう 大 き なも の だっ た

。例 え ば、 大 学 入 学 セン ター 試 験

(以 下

、セ ンタ ー 試 験 と 略 す

)が 大 学 入 学 共 通 テス ト( 以 下

、共 通 テス トと 略 す

)に 変 わっ たこ とに 伴 い、 問 題 作 成 の方 針 が変 更 さ れ た。 例 え ば、 日 本 文 藝 家 協 会 や 日 本 文 学 協 会 など も

、そ れま で積 極 的 に国 語 教 育

・文 学 教 育 を述 べて こな かっ たも のが

、声 高 に発 言 を 繰 り返 した

。こ れら には

、 必 ず しも 連 関 があ ると は言 え ない

。た だし

、そ のい ず れ もが

、異 口 同音 に国 語 教 育 や 文 学教 育 の指 導 を行 う 国 語教 師 など に対 し、 変 化 を迫 って いる のは 間 違 いな い。 国 語 教 師 のみ なら

ず、 他 教 科 教 師

・ 学 校 全 体

・保 護 者

・児 童

・生 徒

・世 間 全 体 が教 科 国 語 に注 目 して い る・ 注 目せ ざ るを 得 なく なっ てい る状 況 にあ ると いえ るだ ろう

。本 稿 は、 教 科 国語 の変 化 に注 目 す るも ので ある

。中 でも

、文 学 教 育 を中 心と して 注目 す るも ので ある

。 先 にあ げ たよ う に、 高 校 国 語 には 大 きな 変 更 があ った

。必 履 修 科

目 が変 更 され

、か つ、 指 導 内 容 の配 分 も 変 わっ た。 いわ ゆる

「 読 む こ と」 の指 導 が減 り

、「 話 す

・聞 くこ と

「 書 く こと

」の 充 実 が企 図 さ れ たも のへ と変 更 にな った

。稿 者は

、そ の変 更 につ いて

、疑 義 を 唱 えて い るわ けで はな い。 その 意 図 や ねら

いに つい ては 稿 者 なり の理 解 を持 っ てい る。 ただ し、 指 導 内 容 の配 分 変 更 に対 し、 学 校 現 場 の国 語 教 師 は大 き く対 処 す る必 要 があ り

、そ こに 懸 念 を持 って いる

。そ の懸 念 とは

、文 学 教 材 の指 導 につ いて であ る。 なお

、本 稿 にお いて

、文 学 と は近 代以 降 の文 学 的 な文 章 とす る。 高 校 国 語 の必 履 修 科 目 は変 わ った

。た だし

、選 択 科 目 も大 きく 変 更さ れて いる

。「 現 代 文 B」

(4 単 位

)が

、そ の類 似 の内 容 とし て「 論理 国 語」

「 文学 国 語

」( 各 4単 位

)へ とな った

。単 位 数だ けを いえ ば、 4単 位 で標 準 単 位 数 実 施 さ れて いた 内 容 が8 単 位 へと 拡 充 さ れ たわ け であ る。 教 科 国 語 のみ を視 野 とし たな らば

、4 単 位 に4 単 位 を加 え る状 況 と なり

、よ り時 間 を かけ て指 導 す るこ とが でき

、よ り素 晴 ら しい 授 業 が期 待 さ れる と 考 える こと もで き よう

。し かし

、こ の単 位 数 に関 して は、 教 科 国語 のみ で考 え るこ とは 当 然 でき ない

。全 教 科

(3)

学 校 全 体 で考 えな けれ ばな ら な いも ので あ る。 新 学 習 指 導 要 領 に おい て、 必 履 修科 目 の発 展 科 目 とし ての 選択 科 目 のう ち、 標 準 単 位 数 が減 じら れた も のは

、地 理 歴 史 の一 部 と数 学 の一 部 だけ であ る。 しか も

、い ず れ も1

~ 2単 位 の減 であ る。 先 にあ げ たよ う に、 1つ の 教 科 で4 単 位 を増 や す ため には

、複 数 の教 科 で単 位 数 を 減 じ、 かつ

、 多 くの 場 合 は、 カリ キュ ラ ムに おけ る全 体 の単 位 数 を1 つ以 上 増 加 しな け れば な らな い。 ごく 単 純 なパ ター ンを 想 起 す るな ら ば、 例 え ば、 5日 間 6時 間 授 業 であ った も のを

、う ち 1日 を 7時 間 授 業 にす る必 要 が出 てく ると いう こと にな る。 これ は、 教 科 国 語 が学 校 全 体

・生 徒 全 体 にと って 極 めて 重 要 であ るこ と の示 唆 とい え なく も な い。 ただ し、 それ を理 解

・確 認 して もら う には

、告 示 され てか ら 1~ 2年 間 とい う 短 期 間 では 困 難 であ るだ ろう

。現 実 的 な選 択 とし て、

「 論 理 国 語

」な いし

「 文 学 国 語

」の いず れか 1つ

、と せざ るを 得 な い。 実 際

、稿 者 が昨 年 度

、高 校 に向 け てア ンケ ー トし たと ころ

、4 0校 余 りの 回 答 のう ち、

「 論 理 国 語

「 文 学 国 語

」の 両 方 を選 択 す ると い う 学 校 は無 かっ た。 かつ

、そ の回 答 にお

いて

、「 文 学 国 語

」を 選 択 科 目と して カリ キュ ラム に配 置 す ると いう 高 校は およ そ6 0% しか なか った

。つ まり

、9 割 以上 の高 校 が配 置 して いた

「 現 代 文 B」 にお いて 文 学教 材 を 扱っ た授 業 を 受 けて いた 高 校 生 であ った が、 新 学 習 指 導要 領 下 では

、国 語 授 業 で文 学 に触 れる 者 がそ の2

/ 3と なっ てし まう

。 高 校 国 語 にお いて 文 学 の授 業 を いか にし たら

よい か。 きわ めて 大 き な課 題が 噴 出し たと いえ よう

この 課 題 は、 何 も 高 校 国 語 だけ のも ので はな い。 とい う より も

、高 校 国 語 がそ のよ う な、 文 学 にむ つか しい 状 況 にな るか らこ そ

、小 中 国 語 にお ける 文 学 指導 の充 実 がよ り一 層 求 めら れな けれ ばな らな い。 そし て、 その 充実 のた めに も

、小 中 高 国 語お よび その 教 科 書 にお ける 文 学 指 導 の系 統 性 を 考 える 必 要 があ

る。 本 稿 では

、そ の一 視 点 とし て、 短 歌 教 材 に注 目 す る。 なお

、本 稿 にお

いて は、 短 歌 とは 近 代 以降 の短 歌 とす る。 文 学 的 な文 章 を思 い浮 かべ たと き、 や はり 小 説 や物 語 が真

っ先 に来 るだ ろう

。た だし

、小 中 高 にお け る小 説 を 思 った とき

、そ の文 量

・内 容

・方 法は どう だろ う。 いわ ゆる 定 番 教 材 を考 えて も

、小 学 校 の「 ごん ぎ つね

」、 中 学 校 の「 故 郷

」、 高 校 の「 羅 生 門

」を 並 べて みる と

、そ の様 々 につ いて の難 易 度 はき わめ て上 がっ てき てい ると 考 えら れよ う

。言 葉 を 換え るな らば

、難 易 度 の上 がり 方 が急 であ ると いえ よう

。そ の視 点 で考 え た際

、短 歌 はど う だろ う か。 例 えば

、与 謝 野 晶 子

・石 川 啄 木

・正 岡 子 規 など の短 歌 は、 どの 校 種 にも 掲 載 さ れ てい る。 もち ろん

、歌 によ って の難 易 度 もあ るか もし れな いが

、そ れら は三 十 一 文 字 とい う限 定 の中 で表 現 さ れる と いう 同 一 性 を 持 つ。 ま た、 同 じ歌 人 によ る作 品 につ いて 校 種 を変 え ても 学 ぶこ とに よる 系 統 性 を持 つ。 さ らに は、 各 歌 が何 らか の感 動 を詠 み上 げ たも ので あ ると いう 共 通 性 を 持 つ。 つま り、 一 定 の枠 の 中 で、 積 み 重 ねを しっ かり と踏 ま えて 指 導 す るこ との でき る充 実 さ と系 統性 を 持 った 文 学 教 材 とし て短 歌 は考 えら れる ので あ る。 小 中 高 の短 歌 の指 導 を 考 える こと は教 科 国 語 の充 実 にお

いて 価 値 あ る こと

と考 える

。本 稿 は、 その 端 緒と して

、中 学校 教 科 書 掲 載 短 歌 に つい て考 察 す るも ので ある

。 2 研 究の 方法 本 稿 では

、平 成 29 年 告示 学 習 指 導 要 領 の直 前 のも の、 す な わち

、 平成

20 年 告 示 学 習 指導 要 領 にお ける 最 後 の検 定 教 科書 であ る平 成 27 年 度 中 学 校 国 語 教 科 書 の掲 載 短 歌 につ いて 一 覧 化 し、 分 析

・ 考 察 をす

る。 これ は、 本 稿 以 降 の研 究 にお いて

、令 和 3年 度 教 科 書 との 比 較

・分 析 や 他 校 種 教 科書 と の比 較

・分 析

・考 察 を 企図 して お り

、そ のた め、 本 稿 はそ の基 礎 研 究 かつ 史 的 研 究 の位 置 づけ であ る こと によ る。 この こと の先 行 研究 と して

、入 江 昌明

(二

〇 一

・二

〇 一 一

・二

〇 一 三

)が あ る。

これ ら は平 成 期 の中 学 校 国 語 教 科 書 にお け る掲 載 短 歌 を調 査 した も ので あ る。 ただ し、 近 代 以 降 の短 歌 だけ でな く、 それ 以 前 のも のに つい ても 載 せて いる

。本 稿 は入 江 によ るこ れ らの 論 考 を 発 展 さ せた もの でも あ る。 また

、そ の短 歌 の章 立 てに お ける 章 末 の設 問

、い わゆ る「 学 習 の手 引 き」 につ いて も一 覧 化 し、 考 察 す る。 これ もま

た、 令 和 3年 度 のも のと 比 較 す るた めで あ るが

、同 時 に、 短 歌 を 教 材 とし た章 立 てが 何 を ねら いと した も のと して 設定 さ れて いる かを とら え るた めで あ る。 3 平 成2 7年 度 中学 校 国語 教科 書 ここ では

、出 版 会 社 ごと に、 平 成2 7年 度 中 学 校 国 語 教 科 書 掲載

短 歌 およ び章 末問 題 につ いて 調 査 し、 そ れぞ れに 考 察 を加 え る。 な お、 掲載 歌 の記 載 の仕 方と して

、章 タイ トル

・作 者 名

・掲 載 歌 の順 と す る。 また

、掲 載 歌 の文 言 表 記 につ いて は、 教 科 書 に記 載 さ れた ま まに 記 述 す る。

(1

)東 京 書籍

『 新 編 新 しい 国 語 2』

「 扉 の短 歌 七 首」 岡本 かの 子 桜 ばな いの ち一 ぱい に咲 くか らに 生 命 をか けて わが 眺 めた り 北原 白 秋 草 わか ば色 鉛 筆 の赤 き粉 のち るが いと しく 寝 て削 るな り 荻原 裕 幸 夏 木 立 ひか りち らし てか がや け る青 葉 の中 にわ が青 葉 あり 早坂 類 虹 よ立 て夏 の終 りを も 生き てゆ くぼ くの いの ちの 頭上 はる かに 穂村 弘 ほん とう にお れの もん かよ 冷 蔵 庫 の卵 置 き場 に落 ちる 涙 は 千葉 聡 卒 業 生 最後 の一 人 が門 を出 て二 歩 バッ クし てま た出 てい った 読 む〈 言 語 感覚

(4)

学 校 全 体 で考 えな けれ ばな ら な いも ので あ る。 新 学 習 指 導 要 領 に おい て、 必 履 修科 目 の発 展 科 目 とし ての 選択 科 目 のう ち、 標 準 単 位 数 が減 じら れた も のは

、地 理 歴 史 の一 部 と数 学 の一 部 だけ であ る。 しか も

、い ず れ も1

~ 2単 位 の減 であ る。 先 にあ げ たよ う に、 1つ の 教 科 で4 単 位 を増 や す ため には

、複 数 の教 科 で単 位 数 を 減 じ、 かつ

、 多 くの 場 合 は、 カリ キュ ラ ムに おけ る全 体 の単 位 数 を1 つ以 上 増 加 しな け れば な らな い。 ごく 単 純 なパ ター ンを 想 起 す るな ら ば、 例 え ば、 5日 間 6時 間 授 業 であ った も のを

、う ち 1日 を 7時 間 授 業 にす る必 要 が出 てく ると いう こと にな る。 これ は、 教 科 国 語 が学 校 全 体

・生 徒 全 体 にと って 極 めて 重 要 であ るこ と の示 唆 とい え なく も な い。 ただ し、 それ を理 解

・確 認 して もら う には

、告 示 され てか ら 1~ 2年 間 とい う 短 期 間 では 困 難 であ るだ ろう

。現 実 的 な選 択 とし て、

「 論 理 国 語

」な いし

「 文 学 国 語

」の いず れか 1つ

、と せざ るを 得 な い。 実 際

、稿 者 が昨 年 度

、高 校 に向 け てア ンケ ー トし たと ころ

、4 0校 余 りの 回 答 のう ち、

「 論 理 国 語

「 文 学 国 語

」の 両 方 を選 択 す ると い う 学 校 は無 かっ た。 かつ

、そ の回 答 にお

いて

、「 文 学 国 語

」を 選 択 科 目と して カリ キュ ラム に配 置 す ると いう 高 校は およ そ6 0% しか なか った

。つ まり

、9 割 以上 の高 校 が配 置 して いた

「 現 代 文 B」 にお いて 文 学教 材 を 扱っ た授 業 を 受 けて いた 高 校 生 であ った が、 新 学 習 指 導要 領 下 では

、国 語 授 業 で文 学 に触 れる 者 がそ の2

/ 3と なっ てし まう

。 高 校 国 語 にお いて 文 学 の授 業 を いか にし たら

よい か。 きわ めて 大 き な課 題が 噴 出し たと いえ よう

この 課 題 は、 何 も 高 校 国 語 だけ のも ので はな い。 とい う より も

、高 校 国 語 がそ のよ う な、 文 学 にむ つか しい 状 況 にな るか らこ そ

、小 中 国 語 にお ける 文 学 指導 の充 実 がよ り一 層 求 めら れな けれ ばな らな い。 そし て、 その 充実 のた めに も

、小 中 高 国 語お よび その 教 科 書 にお ける 文 学 指 導 の系 統 性 を 考 える 必 要 があ

る。 本 稿 では

、そ の一 視 点 とし て、 短 歌 教 材 に注 目 す る。 なお

、本 稿 にお

いて は、 短 歌 とは 近 代 以降 の短 歌 とす る。 文 学 的 な文 章 を思 い浮 かべ たと き、 や はり 小 説 や物 語 が真

っ先 に来 るだ ろう

。た だし

、小 中 高 にお け る小 説 を 思 った とき

、そ の文 量

・内 容

・方 法は どう だろ う。 いわ ゆる 定 番 教 材 を考 えて も

、小 学 校 の「 ごん ぎ つね

」、 中 学 校 の「 故 郷

」、 高 校 の「 羅 生 門

」を 並 べて みる と

、そ の様 々 につ いて の難 易 度 はき わめ て上 がっ てき てい ると 考 えら れよ う

。言 葉 を 換え るな らば

、難 易 度 の上 がり 方 が急 であ ると いえ よう

。そ の視 点 で考 え た際

、短 歌 はど う だろ う か。 例 えば

、与 謝 野 晶 子

・石 川 啄 木

・正 岡 子 規 など の短 歌 は、 どの 校 種 にも 掲 載 さ れ てい る。 もち ろん

、歌 によ って の難 易 度 もあ るか もし れな いが

、そ れら は三 十 一 文 字 とい う限 定 の中 で表 現 さ れる と いう 同 一 性 を 持 つ。 ま た、 同 じ歌 人 によ る作 品 につ いて 校 種 を変 え ても 学 ぶこ とに よる 系 統 性 を持 つ。 さ らに は、 各 歌 が何 らか の感 動 を詠 み上 げ たも ので あ ると いう 共 通 性 を 持 つ。 つま り、 一 定 の枠 の 中 で、 積 み 重 ねを しっ かり と踏 ま えて 指 導 す るこ との でき る充 実 さ と系 統性 を 持 った 文 学 教 材 とし て短 歌 は考 えら れる ので あ る。 小 中 高 の短 歌 の指 導 を 考 える こと は教 科 国 語 の充 実 にお

いて 価 値 あ る こと

と考 える

。本 稿 は、 その 端 緒と して

、中 学校 教 科 書 掲 載 短 歌 に つい て考 察 す るも ので ある

。 2 研 究の 方法 本 稿 では

、平 成 29 年 告示 学 習 指 導 要 領 の直 前 のも の、 す な わち

、 平成

20 年 告 示 学 習 指導 要 領 にお ける 最 後 の検 定 教 科書 であ る平 成 27 年 度 中 学 校 国 語 教 科 書 の掲 載 短 歌 につ いて 一 覧 化 し、 分 析

・ 考 察 をす

る。 これ は、 本 稿 以 降 の研 究 にお いて

、令 和 3年 度 教 科 書 との 比 較

・分 析 や 他 校 種 教 科書 と の比 較

・分 析

・考 察 を 企図 して お り

、そ のた め、 本 稿 はそ の基 礎 研 究 かつ 史 的 研 究 の位 置 づけ であ る こと によ る。 この こと の先 行 研究 と して

、入 江 昌明

(二

〇 一

・二

〇 一 一

・二

〇 一 三

)が あ る。

これ ら は平 成 期 の中 学 校 国 語 教 科 書 にお け る掲 載 短 歌 を調 査 した も ので あ る。 ただ し、 近 代 以 降 の短 歌 だけ でな く、 それ 以 前 のも のに つい ても 載 せて いる

。本 稿 は入 江 によ るこ れ らの 論 考 を 発 展 さ せた もの でも あ る。 また

、そ の短 歌 の章 立 てに お ける 章 末 の設 問

、い わゆ る「 学 習 の手 引 き」 につ いて も一 覧 化 し、 考 察 す る。 これ もま

た、 令 和 3年 度 のも のと 比 較 す るた めで あ るが

、同 時 に、 短 歌 を 教 材 とし た章 立 てが 何 を ねら いと した も のと して 設定 さ れて いる かを とら え るた めで あ る。 3 平 成2 7年 度 中学 校 国語 教科 書 ここ では

、出 版 会 社 ごと に、 平 成2 7年 度 中 学 校 国 語 教 科 書 掲載

短 歌 およ び章 末問 題 につ いて 調 査 し、 そ れぞ れに 考 察 を加 え る。 な お、 掲載 歌 の記 載 の仕 方と して

、章 タイ トル

・作 者 名

・掲 載 歌 の順 と す る。 また

、掲 載 歌 の文 言 表 記 につ いて は、 教 科 書 に記 載 さ れた ま まに 記 述 す る。

(1

)東 京 書籍

『 新 編 新 しい 国 語 2』

「 扉 の短 歌 七 首」 岡本 かの 子 桜 ばな いの ち一 ぱい に咲 くか らに 生 命 をか けて わが 眺 めた り 北原 白 秋 草 わか ば色 鉛 筆 の赤 き粉 のち るが いと しく 寝 て削 るな り 荻原 裕 幸 夏 木 立 ひか りち らし てか がや け る青 葉 の中 にわ が青 葉 あり 早坂 類 虹 よ立 て夏 の終 りを も 生き てゆ くぼ くの いの ちの 頭上 はる かに 穂村 弘 ほん とう にお れの もん かよ 冷 蔵 庫 の卵 置 き場 に落 ちる 涙 は 千葉 聡 卒 業 生 最後 の一 人 が門 を出 て二 歩 バッ クし てま た出 てい った 読 む〈 言 語 感覚

(5)

「 短 歌 を楽 しむ

」 道 浦 母都 子 与 謝 野 晶 子 金 色 のち ひさ き鳥 のか たち して 銀 杏 ちる なり 夕 日 の岡 に 寺 山 修 司 海 を知 らぬ 少 女 の前 に麦 藁 帽 のわ れは 両手 を ひろ げて いた り 栗 木 京 子 観 覧 車 回れ よ回 れ想 ひ出 は君 には 一日 我 には 一 生

「 短 歌 五首

」 正 岡 子 規 くれ なゐ の二 尺 伸 びた る薔 薇 の芽 の針 や はら かに 春 雨の ふる 斎 藤 茂 吉 最 上 川の 上 空に して 残 れる はい まだ う つく しき 虹 の断 片 若 山 牧 水 白 鳥 は哀 しか らず や 空の 青 海の あを にも 染 まず ただ よふ 石 川 啄 木 不 来 方の お城 の草 に寝 ころ びて 空 に吸 はれ し十 五 の心 俵 万 智

「 寒い ね」 と話 しか けれ ば「 寒 いね

」と 答 える 人 のい るあ たた かさ てび 短 き 歌 を読 み味

わい

、鑑 賞 した こと をま とめ てみ よう

[目 標

・情 景や 心 情 を表 す 語句 に注 意し て、 短 歌を 読 み味 わ う。

・短 歌の 表 現の 工夫 など を 捉 えて

、鑑 賞 した こと をま とめ る。 読み 取 る 1

「 短 歌 を 楽 しむ

」で 取 り上 げ ら れて いる 三 首 につ いて

、鑑 賞 文 を参 考 にし て情 景 や 心 情 を 捉 えよ う

。ま た、 音 読 して 短 歌 のリ ズム を味 わお う

。 2

「 短 歌 五 首

」を 読 み、 それ ぞれ の歌 に詠 ま れて いる 情 景 や 心 情 を想 像 した り、 気に 入 った 歌を 暗唱 した りし てみ よう

。 考え を深 める 3

「 短 歌 五 首

」( あ るい は、

「 扉 の短 歌 七 首

」を 加 えた 十 二 首

)か ら 一首 を 選び

、鑑 賞 した こと をま とめ よう

。 たす け 短 歌 から 読 み取 った こと や 想像 した こと

、表 現 の工 夫 と して 感 じら れた こと な どを 挙 げよ う

。鑑 賞 した こと を 発表 し合 う のも よい

。 言 葉の 力 短 歌 を鑑 賞す る

・短 歌 の形 式 を 理 解 す る。 短 歌 は、 五

・七

・五

・七

・七 の三 十 一 音 を 定形 とす る。

・音 読 して

、短 歌 のリ ズム を 感 じ取 る。

・句 切 れに 注 意 して

、音 読 や 意 味 の理 解に 役 立 てる

・語 句 の意 味 や 表 現 技 法 な ど に注 意 して

、情 景 や 心 情 を 捉 え る。

・読 み取 った こと から

、想 像 を 広げ てい く。 書く

〈 詩 歌 創作

「 短 歌 のリ ズム で表 現 しよ う

[目 標]

・自 然 や 体 験 の描 き方 を工 夫 して

、短 歌 を作 る。 短 歌 は、 五

・七

・五

・七

・七 のリ ズム を持 った 定 型 詩 であ る。 自 然 の風 景 や 体 験 した こと など を題 材 にし て、 一 瞬 感 じた 心 の動 き や、 じっ く り深 めた 自 分の 思 いを

、短 歌 のリ ズム に乗 せ て表 現し てみ よう

。 1 短 歌 の題 材 を見

つけ る 2 短 歌 のリ ズム に合 わせ

、描 き 方 を工 夫す る 言葉 の力 描 き方 を工 夫 す る

・鮮 明 な印 象 を与 える よう に言 葉 を選 ぶ。

・読 者 が想 像を 広げ たく なる よう に書 く。 3 清 書 して 読み 合 う 書く

〈 感 性

・創 造

「 いき いき と描 き出 そう

短 歌 から 始ま る物 語

[目 標]

・情 景 や心 情 など を いき いき と表 す よう に、 描 写 を工 夫 して 物

語 を作 る。

・書 いた 物 語 を読 み合 って

、材 料 の活 用 の仕 方 など につ いて 意 見 を交 換 し、 自 分の 考 えを 広 げる

。 想 像 を 豊 かに 広 げ て、 物 語 を 作 って みよ う

。そ れ には

、 想 像 を 広 げ るた めの 出 発 点 が必 要 にな る

。例 えば

、読 ん で心 に残 った 短 歌 を 出 発 点に して み よう

。短 歌 では

、情 景 や 心 情 が、 限 られ た言 葉 に凝 縮 して 表 さ れて いる

。一 方

、 物 語 では

、場 面 ご との 情 景 や 出 来 事

、人 物 の行 動 や 心 情 など が多 くの 言 葉 によ って 描き 出さ れる

。短 歌 の表 現 から 想 像を 膨 らま せ、 自 分 だけ の物 語 を創 作し よう

。 1 短歌 を選

び、 想像 を膨 ら ませ る 短 1 歌 お 互 いに 声掛 け合 って 頂 の白 い雲 まで 登 って ゆこ う 2 そし て今 審 判 の吹 くホ イッ スル 最 後 のシ ュー ト空 へ外 れる 3

「 ごめ んね

」と その 一 言 が言 え なく て帰 り支 度 の君 を 見送 る 4 雪 積 もる 朝 は何 だか う れし く て一 番 乗 りで 歩く 校庭 5 踊 り場 で擦 れ違 う とき 先 輩 のか ばん の中 で筆 箱が 鳴 る 6 弟 が腹

ばい にな り描 き散 らす 赤 のク レヨ ン青 のク レヨ ン 7 押 し入 れは 青 き 水 槽 遠 い日 の人 形

・絵 本

・積 み 木 など 住 む 8 宿 題 を始 める 前 のフ ァン タジ ー ここ しば ら くは 稲 妻 の巻

(6)

「 短 歌 を楽 しむ

」 道 浦 母都 子 与 謝 野 晶 子 金 色 のち ひさ き鳥 のか たち して 銀 杏 ちる なり 夕 日 の岡 に 寺 山 修 司 海 を知 らぬ 少 女 の前 に麦 藁 帽 のわ れは 両手 を ひろ げて いた り 栗 木 京 子 観 覧 車 回れ よ回 れ想 ひ出 は君 には 一日 我 には 一 生

「 短 歌 五首

」 正 岡 子 規 くれ なゐ の二 尺 伸 びた る薔 薇 の芽 の針 や はら かに 春 雨の ふる 斎 藤 茂 吉 最 上 川の 上 空に して 残 れる はい まだ う つく しき 虹 の断 片 若 山 牧 水 白 鳥 は哀 しか らず や 空の 青 海の あを にも 染 まず ただ よふ 石 川 啄 木 不 来 方の お城 の草 に寝 ころ びて 空 に吸 はれ し十 五 の心 俵 万 智

「 寒い ね」 と話 しか けれ ば「 寒 いね

」と 答 える 人 のい るあ たた かさ てび 短 き 歌 を読 み味

わい

、鑑 賞 した こと をま とめ てみ よう

[目 標

・情 景や 心 情 を表 す 語句 に注 意し て、 短 歌を 読 み味 わ う。

・短 歌の 表 現の 工夫 など を 捉 えて

、鑑 賞 した こと をま とめ る。 読み 取 る 1

「 短 歌 を 楽 しむ

」で 取 り上 げ ら れて いる 三 首 につ いて

、鑑 賞 文 を参 考 にし て情 景 や 心 情 を 捉 えよ う

。ま た、 音 読 して 短 歌 のリ ズム を味 わお う

。 2

「 短 歌 五 首

」を 読 み、 それ ぞれ の歌 に詠 ま れて いる 情 景 や 心 情 を想 像 した り、 気に 入 った 歌を 暗唱 した りし てみ よう

。 考え を深 める 3

「 短 歌 五 首

」( あ るい は、

「 扉 の短 歌 七 首

」を 加 えた 十 二 首

)か ら 一首 を 選び

、鑑 賞 した こと をま とめ よう

。 たす け 短 歌 から 読 み取 った こと や 想像 した こと

、表 現 の工 夫 と して 感 じら れた こと な どを 挙 げよ う

。鑑 賞 した こと を 発表 し合 う のも よい

。 言 葉の 力 短 歌 を鑑 賞す る

・短 歌 の形 式 を 理 解 す る。 短 歌 は、 五

・七

・五

・七

・七 の三 十 一 音 を 定形 とす る。

・音 読 して

、短 歌 のリ ズム を 感 じ取 る。

・句 切 れに 注 意 して

、音 読 や 意 味 の理 解に 役 立 てる

・語 句 の意 味 や 表 現 技 法 な ど に注 意 して

、情 景 や 心 情 を 捉 え る。

・読 み取 った こと から

、想 像 を 広げ てい く。 書く

〈 詩 歌 創作

「 短 歌 のリ ズム で表 現 しよ う

[目 標]

・自 然 や 体 験 の描 き方 を工 夫 して

、短 歌 を作 る。 短 歌 は、 五

・七

・五

・七

・七 のリ ズム を持 った 定 型 詩 であ る。 自 然 の風 景 や 体 験 した こと など を題 材 にし て、 一 瞬 感 じた 心 の動 き や、 じっ く り深 めた 自 分の 思 いを

、短 歌 のリ ズム に乗 せ て表 現し てみ よう

。 1 短 歌 の題 材 を見

つけ る 2 短 歌 のリ ズム に合 わせ

、描 き 方 を工 夫す る 言葉 の力 描 き方 を工 夫 す る

・鮮 明 な印 象 を与 える よう に言 葉 を選 ぶ。

・読 者 が想 像を 広げ たく なる よう に書 く。 3 清 書 して 読み 合 う 書く

〈 感 性

・創 造

「 いき いき と描 き出 そう

短 歌 から 始ま る物 語

[目 標]

・情 景 や心 情 など を いき いき と表 す よう に、 描 写 を工 夫 して 物

語 を作 る。

・書 いた 物 語 を読 み合 って

、材 料 の活 用 の仕 方 など につ いて 意 見 を交 換 し、 自 分の 考 えを 広 げる

。 想 像 を 豊 かに 広 げ て、 物 語 を 作 って みよ う

。そ れ には

、 想 像 を 広 げ るた めの 出 発 点 が必 要 にな る

。例 えば

、読 ん で心 に残 った 短 歌 を 出 発 点に して み よう

。短 歌 では

、情 景 や 心 情 が、 限 られ た言 葉 に凝 縮 して 表 さ れて いる

。一 方

、 物 語 では

、場 面 ご との 情 景 や 出 来 事

、人 物 の行 動 や 心 情 など が多 くの 言 葉 によ って 描き 出さ れる

。短 歌 の表 現 から 想 像を 膨 らま せ、 自 分 だけ の物 語 を創 作し よう

。 1 短歌 を選

び、 想像 を膨 ら ませ る 短 1 歌 お 互 いに 声掛 け合 って 頂 の白 い雲 まで 登 って ゆこ う 2 そし て今 審 判 の吹 くホ イッ スル 最 後 のシ ュー ト空 へ外 れる 3

「 ごめ んね

」と その 一 言 が言 え なく て帰 り支 度 の君 を 見送 る 4 雪 積 もる 朝 は何 だか う れし く て一 番 乗 りで 歩く 校庭 5 踊 り場 で擦 れ違 う とき 先 輩 のか ばん の中 で筆 箱が 鳴 る 6 弟 が腹

ばい にな り描 き散 らす 赤 のク レヨ ン青 のク レヨ ン 7 押 し入 れは 青 き 水 槽 遠 い日 の人 形

・絵 本

・積 み 木 など 住 む 8 宿 題 を始 める 前 のフ ァン タジ ー ここ しば ら くは 稲 妻 の巻

(7)

9 図 書 室 は森 の静 けさ 窓 際 の席 にう つむ く友 を見

つけ た 東 京 書 籍 は短 歌 を2 年 生 に配 置 して いる

。な お、 短 歌 の章 立 ては 各 社 と も2 年 生 に配 置 して いる

。創 作 す る章 を 配 置 し、

「 書 く

(詩 歌 創 作

)」 と 記 載 して お り1 年 生 で詩

・3 年 生 で俳 句 と、 詩 歌 につ い ての 創 作 学 習 を3 年 間 で分 割 して 行う こと を 意 識 して いる こと がわ かる

。各 社 も詩

・短 歌・ 俳 句の 学 習を 1~ 3年 に分 割で 配 置 して いる が、 3年 間 の大 きな

「 詩 歌 単 元」 とし て単 純 に見 とら える こと がで き るつ くり とな って いる のは 東 京 書籍 だけ であ る。 ま た、 短 歌 を 学 習 材 とし

、「 読 む〈 言語 感 覚〉

「 書 く〈 詩 歌 創 作

〉」

「 書 く〈 感 性

・創 造

〉」 と三 つの 学 習 を提 起 して いる

。特 に、

「 書 く」 に つい ては

、単 に短 歌 創 作 だけ でな く、 短 歌 をも とと した 発 展 的 創 作 の学 習 を さ せる こと を 企 図 して いる

。「 短 歌 を 出 発 点 に」

「 短 歌 の表 現 から

」、

「 物語 を創 作

」さ せる もの であ る。 短 歌 のみ が掲 載 さ れて いる 章 だけ でな く、

「 扉 の短 歌

」と 題 さ れて

、 六 首 の短 歌 が掲 載 さ れて も いる

。加 えて

、章 末 の「 てび き」 にも

、歌 人の もの では ない が、 九 首 が載 せら れて いる

。章 にお ける 短 歌 と併 せ て二 三 首 が掲 載 さ れて いる

。 先 にも あ げ た「 書 く〈 感 性

・創 造

〉」 の学 習 を詳 述 す る。 短 歌 を も とに 創 作 さ せる 学習 であ る。 す なわ ち、 短 歌 を解 釈 し、 それ を踏 ま えて 散 文

・物 語 を 書 き表 す 学 習 であ る。 読 む→ 書 く

(短 歌

)→ 読 む

+ 書 く( 物 語

)と いう よう に、 短 歌 学 習 を 段 階 的 に発 展 さ せる こと

を企 図 して いる

。短 歌 そ のも のを 学 ぶだ けで なく

、短 歌 から 読 み 取 られ たも のを 文 字 化 し、 かつ

、自 身 のも のへ と昇 華 さ せよ う とい う学 習 であ る。 歌 人 とし ては

、岡 本 かの 子

・荻 原 裕幸

、早 坂 類

・千 葉 聡 は、 東 京 書 籍 のみ が扱

って いる

。た だし

、穂 村 弘「 ほん とう に~

」・ 与 謝 野 晶 子

「 金 色 の~

」・ 斎 藤茂 吉「 最 上 川

~」 の各 歌 につ いて は、 他 社 教 科 書 で は扱 って おら ず

、東 京 書 籍 のみ の掲 載 であ る。 以 上 のこ とか ら、 東 京 書 籍 は、 学 習 材 とし ての 短 歌 に可 能 性 をと らえ

てい ると 考 える

。す な わち

、短 歌 を

、解 釈 す るだ け のも ので な く、 表 現 す るだ け のも ので な く、 その いず れも であ り、 かつ

、融 合 で きる 学 習 材 とと ら えて いる のだ ろう

。こ の充 実 の度 合 いは

、他 社 を 圧 倒し てい る。 掲 載歌 数 も 五 社の う ち最 も多

く、 歌 人 の作 品

、歌 人 では ない 者 の作 品

、明 治 大 正 期 の作 品

、昭 和 平 成 期 の作 品

、と 種 類 にも 富 んで いる

。岡 本

・荻 原

・早 坂

・千 葉 の作 品 を載 せて いる のも 東 京 書 籍 のみ であ る。 岡 本 など は、 歌 人で あ りセ ンタ ー 試験 にも 出題 さ れた 小 説 家 でも ある

。掲 載 歌 は、 季 節 に注 目 さ せた いも の、 中 学 生 の心 情 に寄 り添 える もの

、そ の歌 人 の代 表 作 のひ とつ と言 われ る もの

、な ど多 彩 であ る。

「 扉 の短 歌

」に は、 それ ぞ れを イメ ー ジさ せ る写 真 も添 え られ てい る。 見 るこ とに よっ ての 短 歌 への 接 近を 図 ろう とし てい るの だろ う

。道 浦 母 都 子 によ る書 き 下 ろし

「 短 歌 を楽 しむ

」 も、 短 歌 を 評 す る格 好 の例 文 であ り、 同 時 に、 短 歌 に対 す る着 目 点 の視 座 を もた ら す もの であ る。 単 に短 歌 が並

べら れ、 それ を 自 由 に楽

しむ のも

、短 歌 への 方策 では あ ろう が、 学 習者 にと って 自 由 度 が 高 す ぎ るき ら いも あ る。 書 き 下 ろし と いう こと で、 読 み手 であ る中 学 生 をし っか り念 頭 に置 いた 文 章 でも あ る。 この

「 短 歌 を楽 しむ

」の 価値 は中 学 校 での 短 歌 学習 にお いて 非 常 に大 きい

(2

)学 校図 書

『 中 学 校国 語 2』 2生 命 言 葉 を吟 味 して 生き るこ とに つい ての 認識 を深 めよ う

「 短 歌

」 俵 万 智

「 この 味 がい いね

」と 君が 言 った から 七 月 六 日 はサ ラダ 記 念日

「 短 歌 十五 首

」 心 と自 然 正 岡 子 規 くれ なゐ の二 尺 伸 びた る薔 薇 の芽 の針 や はら かに 春 雨の ふる 道 浦 母 都 子 秋 草 の直 立 つ中 にひ とり 立 ち悲 しす ぎ れば 笑 いた くな る 河 野 裕 子 振 りむ け ばな くな りさ う な追 憶 の ゆふ やみ に咲 くい ちめ んの

菜 の花 馬場 あ き子 あ やま たず 来 る冬 のこ と黄 や 赤 の落 葉 はほ ほと ほほ ゑみ て散 る 青春 と歌 石川 啄 木 不 来 方 のお 城 の草 に寝 ころ びて 空 に吸 はれ し十 五 の心 平井 弘 困 らせ る側 に目 立 たず いる こと を好 みき 誰 の味 方 でも なく 栗木 京 子 観 覧 車 回れ よ回 れ想 ひ出 は君 には 一 日我 には 一 生 寺山 修 司 わが シャ ツを 干 さん 高 さ の向 日葵 は明 日 ひら くべ し明 日 を信 ぜ ん 歴史 と社 会 の中 で 釈迢 た 空 ゝか ひに 果 てに し子 ゆゑ

、身 に沁 みて

こと しの 桜 あ はれ 散 りゆ く 土岐 善 麿 遺 棄 死 体数 百 とい ひ数 千 とい ふい のち を ふた つも ちし もの なし 岡野 弘 彦 砂 あら し 地を 削り てす さ ぶ野 に 爆 死 せし 子 を抱 きて 立 つ母 家族 と命

(8)

9 図 書 室 は森 の静 けさ 窓 際 の席 にう つむ く友 を見

つけ た 東 京 書 籍 は短 歌 を2 年 生 に配 置 して いる

。な お、 短 歌 の章 立 ては 各 社 と も2 年 生 に配 置 して いる

。創 作 す る章 を 配 置 し、

「 書 く

(詩 歌 創 作

)」 と 記 載 して お り1 年 生 で詩

・3 年 生 で俳 句 と、 詩 歌 につ い ての 創 作 学 習 を3 年 間 で分 割 して 行う こと を 意 識 して いる こと がわ かる

。各 社 も詩

・短 歌・ 俳 句の 学 習を 1~ 3年 に分 割で 配 置 して いる が、 3年 間 の大 きな

「 詩 歌 単 元」 とし て単 純 に見 とら える こと がで き るつ くり とな って いる のは 東 京 書籍 だけ であ る。 ま た、 短 歌 を 学 習 材 とし

、「 読 む〈 言語 感 覚〉

「 書 く〈 詩 歌 創 作

〉」

「 書 く〈 感 性

・創 造

〉」 と三 つの 学 習 を提 起 して いる

。特 に、

「 書 く」 に つい ては

、単 に短 歌 創 作 だけ でな く、 短 歌 をも とと した 発 展 的 創 作 の学 習 を さ せる こと を 企 図 して いる

。「 短 歌 を 出 発 点 に」

「 短 歌 の表 現 から

」、

「 物語 を創 作

」さ せる もの であ る。 短 歌 のみ が掲 載 さ れて いる 章 だけ でな く、

「 扉 の短 歌

」と 題 さ れて

、 六 首 の短 歌 が掲 載 さ れて も いる

。加 えて

、章 末 の「 てび き」 にも

、歌 人の もの では ない が、 九 首 が載 せら れて いる

。章 にお ける 短 歌 と併 せ て二 三 首 が掲 載 さ れて いる

。 先 にも あ げ た「 書 く〈 感 性

・創 造

〉」 の学 習 を詳 述 す る。 短 歌 を も とに 創 作 さ せる 学習 であ る。 す なわ ち、 短 歌 を解 釈 し、 それ を踏 ま えて 散 文

・物 語 を 書 き表 す 学 習 であ る。 読 む→ 書 く

(短 歌

)→ 読 む

+ 書 く( 物 語

)と いう よう に、 短 歌 学 習 を 段 階 的 に発 展 さ せる こと

を企 図 して いる

。短 歌 そ のも のを 学 ぶだ けで なく

、短 歌 から 読 み 取 られ たも のを 文 字 化 し、 かつ

、自 身 のも のへ と昇 華 さ せよ う とい う学 習 であ る。 歌 人 とし ては

、岡 本 かの 子

・荻 原 裕幸

、早 坂 類

・千 葉 聡 は、 東 京 書 籍 のみ が扱

って いる

。た だし

、穂 村 弘「 ほん とう に~

」・ 与 謝 野 晶 子

「 金 色 の~

」・ 斎 藤茂 吉「 最 上 川

~」 の各 歌 につ いて は、 他 社 教 科 書 で は扱 って おら ず

、東 京 書 籍 のみ の掲 載 であ る。 以 上 のこ とか ら、 東 京 書 籍 は、 学 習 材 とし ての 短 歌 に可 能 性 をと らえ

てい ると 考 える

。す な わち

、短 歌 を

、解 釈 す るだ け のも ので な く、 表 現 す るだ け のも ので な く、 その いず れも であ り、 かつ

、融 合 で きる 学 習 材 とと ら えて いる のだ ろう

。こ の充 実 の度 合 いは

、他 社 を 圧 倒し てい る。 掲 載歌 数 も 五 社の う ち最 も多

く、 歌 人 の作 品

、歌 人 では ない 者 の作 品

、明 治 大 正 期 の作 品

、昭 和 平 成 期 の作 品

、と 種 類 にも 富 んで いる

。岡 本

・荻 原

・早 坂

・千 葉 の作 品 を載 せて いる のも 東 京 書 籍 のみ であ る。 岡 本 など は、 歌 人で あ りセ ンタ ー 試験 にも 出題 さ れた 小 説 家 でも ある

。掲 載 歌 は、 季 節 に注 目 さ せた いも の、 中 学 生 の心 情 に寄 り添 える もの

、そ の歌 人 の代 表 作 のひ とつ と言 われ る もの

、な ど多 彩 であ る。

「 扉 の短 歌

」に は、 それ ぞ れを イメ ー ジさ せ る写 真 も添 え られ てい る。 見 るこ とに よっ ての 短 歌 への 接 近を 図 ろう とし てい るの だろ う

。道 浦 母 都 子 によ る書 き 下 ろし

「 短 歌 を楽 しむ

」 も、 短 歌 を 評 す る格 好 の例 文 であ り、 同 時 に、 短 歌 に対 す る着 目 点 の視 座 を もた ら す もの であ る。 単 に短 歌 が並

べら れ、 それ を 自 由 に楽

しむ のも

、短 歌 への 方策 では あ ろう が、 学 習者 にと って 自 由 度 が 高 す ぎ るき ら いも あ る。 書 き 下 ろし と いう こと で、 読 み手 であ る中 学 生 をし っか り念 頭 に置 いた 文 章 でも あ る。 この

「 短 歌 を楽 しむ

」の 価値 は中 学 校 での 短 歌 学習 にお いて 非 常 に大 きい

(2

)学 校図 書

『 中 学 校国 語 2』 2生 命 言 葉 を吟 味 して 生き るこ とに つい ての 認識 を深 めよ う

「 短 歌

」 俵 万 智

「 この 味 がい いね

」と 君が 言 った から 七 月 六 日 はサ ラダ 記 念日

「 短 歌 十五 首

」 心 と自 然 正 岡 子 規 くれ なゐ の二 尺 伸 びた る薔 薇 の芽 の針 や はら かに 春 雨の ふる 道 浦 母 都 子 秋 草 の直 立 つ中 にひ とり 立 ち悲 しす ぎ れば 笑 いた くな る 河 野 裕 子 振 りむ け ばな くな りさ う な追 憶 の ゆふ やみ に咲 くい ちめ んの

菜 の花 馬場 あ き子 あ やま たず 来 る冬 のこ と黄 や 赤 の落 葉 はほ ほと ほほ ゑみ て散 る 青春 と歌 石川 啄 木 不 来 方 のお 城 の草 に寝 ころ びて 空 に吸 はれ し十 五 の心 平井 弘 困 らせ る側 に目 立 たず いる こと を好 みき 誰 の味 方 でも なく 栗木 京 子 観 覧 車 回れ よ回 れ想 ひ出 は君 には 一 日我 には 一 生 寺山 修 司 わが シャ ツを 干 さん 高 さ の向 日葵 は明 日 ひら くべ し明 日 を信 ぜ ん 歴史 と社 会 の中 で 釈迢 た 空 ゝか ひに 果 てに し子 ゆゑ

、身 に沁 みて

こと しの 桜 あ はれ 散 りゆ く 土岐 善 麿 遺 棄 死 体数 百 とい ひ数 千 とい ふい のち を ふた つも ちし もの なし 岡野 弘 彦 砂 あら し 地を 削り てす さ ぶ野 に 爆 死 せし 子 を抱 きて 立 つ母 家族 と命

(9)

斎 藤 茂 吉 死 に近 き母 に添 寝の しん しん と遠 田 のか はづ 天 に聞 こゆ る 岡 井 隆 眠 られ ぬ母 のた めわ が誦 む童 話 母 の寝 入り し後 王 子死 す 植 田 多 喜 子 顔 よせ てめ ぐし き額 撫 でに けり この 世 の名 前 今 つき し児 を 佐 佐 木 幸 綱 のぼ り坂 のペ ダル 踏 みつ つ子 は叫 ぶ「 まっ す ぐ

」、 そう だ、 ど ん どん のぼ れ 学 びの 窓 1 次 の点 で短 歌 に込 めら れ た思 いや 情 景 を 捉 え

、交 流 しよ う

。 1「 心 と自 然

」の それ ぞれ の歌 には

、ど のよ う な 情景 と 心 情 が 表 現 され てい るか

。 2

「 青 春 と歌

」の それ ぞ れの 歌 には

、ど のよ う な青 春 の心 が表 現 さ れて いる か。 3

「 歴 史 と社 会 の中 で」 のそ れ ぞれ の歌 には

、ど のよ う な歴 史 的

・社 会 的 状況 と心 情 との 関 わり が表 現 され てい るか

。 4「 家 族 と 命」 のそ れぞ れの 歌 には

、家 族 と 命 に対 す るど のよ う な思

いが 表 現さ れて いる か。 2 次 の手 順 で短 歌表 現 の工 夫 を捉

え、 交流 しよ う

1 自 分 が最 も感 動 した 作 品 はど れか

。 2 その 作 品 のど の言 葉に 心 を動 かさ れた か。 3 その 言 葉 には どの よう な工 夫 がな され てい るか

。 4 ど のよ うに 音 読 す れば

、感 動 や 言 葉 の工 夫 を表 す こと がで きる か。 3 次 の斎 藤 茂 吉 の連 作「 死 にた まふ 母

」を 読 んで

、「 死 に近 き」 の 歌 がど のよ う な経 過 や 心 情の 変 化 の中 で歌 われ てい るか

、考 え てみ よう

。 みち のく の母 のい のち を一 目 見 ん一 目 みん とぞ ただ にい そげ 朝 る さ むみ 桑の 木の 葉に 霜 ふり て母 にち かづ く汽 車 走 るな り 寄 り添 へる 吾 を目 守 りて 言 ひた まふ 何 かい ひた ま ふわ れは 子 なれ ば 死に 近 き母 に添 寝 のし んし んと 遠 田の かは づ天 に聞 こゆ る 我 が母 よ死 にた まひ ゆく 我 が母 よ我 を生 ま し乳 足 ら ひし 母 の よ ど赤 き玄 鳥 ふた つ屋 梁 にゐ て足 乳根 の母 は死 にた まふ なり 星 のゐ る夜 ぞら のも と に赤 赤 とは はそ はの 母 は燃 えゆ き にけ り つい た力 を確 かめ よう

〈 短 歌〉 言 葉 の力

短 歌 表 現 の工 夫 を捉

え、 音 読 に生 かす こと がで きた

。 考 える 力 短 歌 に込 めら れた 思 いや 情 景 につ いて 考 え るこ と がで きた

。 知 識 や 技 能 連 作 短 歌 につ いて 知 り、 その よさ を捉 え るこ と がで きた

。 学 校 図 書 は、 短 歌を 読 むこ との 学 習 材 とし て企 図 して いる

。「 学 び の窓

」に は、 大 き く三

つの 設 問 があ るが

、そ れぞ れ「 込 めら れ た思 い や 情 景 を 捉 え

「 短 歌 表 現 の工 夫 を捉 え

「 ど のよ う な経 過 や 心 情 の変 化 の中 で歌 わ れて いる か、 考え

」と ある

。い ず れ も、 短 歌 解釈 や その ため の着 目 点 に関 す るも ので ある

。こ の章 の最 後 には

、振 り返 りの ため のも のと して

、「 つい た力 を 確 かめ よう

」と ある

。そ こか ら も 同様

のこ とが とら え られ る。 大 き な特 徴 と して

、斎 藤 茂 吉 の連 作 があ げ られ ても のが あ る。 短 歌 を一 首 のみ での 作 品 と す る視 点 だ けで な く、 連 続 性 のあ る作 品 とし てと ら えて いる ので ある

。「 死 に近 き 母

」を

、単 体 と して 解 釈 させ るの では なく

、前 後の 六 首と 併せ て読 ませ るの であ る。 これ は他 社に は一 切 ない

「 短 歌 十 五 首

」を

、た だ並 べる ので はな く、

「 心 と 自然

」「 青 春と 歌

「 歴 史 と 社 会 の中 で」

「 家 族 と命

」と 類 して 掲 載 して いる

。叙 景

・叙 情

・叙 事 とい った 観 点 も 感 じら れる

。詩 歌 の分 類 の一 視 点 を載 せて いる ので あ る。 特 に、

「 歴 史 と 社 会 の中 で」 と題 さ れ て掲 載 さ れ てい

る歌 が扱 って いる 内容 は、 他 社 にな いも ので あ る。 他 社 には 掲 載 さ れて いな い歌 人 の歌 が多

いの も 特 徴 であ る。 掲 載 歌 は十 五 人 二 一 首 だが

、そ のう ち

、道 浦

・河 野

・平 井

・土 岐

・岡 野

・ 岡 井・ 植 田・ 佐 々 木の 八 人 であ る。 明 治 大正 期 の歌 人 も昭 和 平 成 期 の歌 人 も載 せて おり

、バ ラン スが ある

。ま た、 寺 山「 わが シャ ツを

」・ 釈「 たゝ かひ に~

」・ 斎 藤の 連 作(

「み ちの くの

」以 外

)) は、 他 社で は 掲 載 され てい ない 歌 であ る。 以 上 のこ とか ら、 学 校 図 書 教科 書 の掲 載 短 歌 は、 歌 の内 容 に注 目 し、 その 解 釈 に向 け た授 業 を 企 図 して いる こと がわ かる

。解 釈 への 視 座 とし て短 歌 内 容 を 分 類 して いる のだ ろう

。ま た、 斎 藤 茂 吉 の連 作 を用 いた 学 習 は非 常 に特 徴 的だ

。連 作 を掲 載 して いる も のは

、同 時 期 の他 校 種 教 科 書 にも な い。 なる ほど

、学 習 者 が目 にす る短 歌 は、 その 一 首 のみ での 掲載 によ るも のが 多 いか も しれ ない

。例 えば

、新 聞 の投 稿 短 歌 欄 であ った り、 引 用 さ れた 短 歌 であ った り

、教 科 書 掲 載 短 歌で あ った り など が考 えら れる が、 それ らの ほと んど は一 首 掲 載 であ る。 ただ し、 短 歌 雑 誌 など には 連 作 と して 掲 載 さ れる もの も多 い。 その 相 違 は、 授 業 以 降 の学 習 者 の意 識 ばか り でな く

、作 品 の形 態 の可 能 性 の認 識 へも つな がる だろ う

。 とこ ろで

、学 校 図 書 は短 歌 単 元 を「 2 生 命

」と いう 大 きな 章 の中 に配 置 して いる

。そ こに は「 言 葉 を 吟 味 して 生 きる こと につ いて の意 識 を 深 めよ う

」と ある

。言 葉 は人 の営 み の表 出 であ り

、営 みそ のも ので あ る。

「 生 き る」 こと のま さ に実 感 とし ての 短 歌 とい う と らえ 方

(10)

斎 藤 茂 吉 死 に近 き母 に添 寝の しん しん と遠 田 のか はづ 天 に聞 こゆ る 岡 井 隆 眠 られ ぬ母 のた めわ が誦 む童 話 母 の寝 入り し後 王 子死 す 植 田 多 喜 子 顔 よせ てめ ぐし き額 撫 でに けり この 世 の名 前 今 つき し児 を 佐 佐 木 幸 綱 のぼ り坂 のペ ダル 踏 みつ つ子 は叫 ぶ「 まっ す ぐ

」、 そう だ、 ど ん どん のぼ れ 学 びの 窓 1 次 の点 で短 歌 に込 めら れ た思 いや 情 景 を 捉 え

、交 流 しよ う

。 1「 心 と自 然

」の それ ぞれ の歌 には

、ど のよ う な 情景 と 心 情 が 表 現 され てい るか

。 2

「 青 春 と歌

」の それ ぞ れの 歌 には

、ど のよ う な青 春 の心 が表 現 さ れて いる か。 3

「 歴 史 と社 会 の中 で」 のそ れ ぞれ の歌 には

、ど のよ う な歴 史 的

・社 会 的 状況 と心 情 との 関 わり が表 現 され てい るか

。 4「 家 族 と 命」 のそ れぞ れの 歌 には

、家 族 と 命 に対 す るど のよ う な思

いが 表 現さ れて いる か。 2 次 の手 順 で短 歌表 現 の工 夫 を捉

え、 交流 しよ う

1 自 分 が最 も感 動 した 作 品 はど れか

。 2 その 作 品 のど の言 葉に 心 を動 かさ れた か。 3 その 言 葉 には どの よう な工 夫 がな され てい るか

。 4 ど のよ うに 音 読 す れば

、感 動 や 言 葉 の工 夫 を表 す こと がで きる か。 3 次 の斎 藤 茂 吉 の連 作「 死 にた まふ 母

」を 読 んで

、「 死 に近 き」 の 歌 がど のよ う な経 過 や 心 情の 変 化 の中 で歌 われ てい るか

、考 え てみ よう

。 みち のく の母 のい のち を一 目 見 ん一 目 みん とぞ ただ にい そげ 朝 る さ むみ 桑の 木の 葉に 霜 ふり て母 にち かづ く汽 車 走 るな り 寄 り添 へる 吾 を目 守 りて 言 ひた まふ 何 かい ひた ま ふわ れは 子 なれ ば 死に 近 き母 に添 寝 のし んし んと 遠 田の かは づ天 に聞 こゆ る 我 が母 よ死 にた まひ ゆく 我 が母 よ我 を生 ま し乳 足 ら ひし 母 の よ ど赤 き玄 鳥 ふた つ屋 梁 にゐ て足 乳根 の母 は死 にた まふ なり 星 のゐ る夜 ぞら のも と に赤 赤 とは はそ はの 母 は燃 えゆ き にけ り つい た力 を確 かめ よう

〈 短 歌〉 言 葉 の力

短 歌 表 現 の工 夫 を捉

え、 音 読 に生 かす こと がで きた

。 考 える 力 短 歌 に込 めら れた 思 いや 情 景 につ いて 考 え るこ と がで きた

。 知 識 や 技 能 連 作 短 歌 につ いて 知 り、 その よさ を捉 え るこ と がで きた

。 学 校 図 書 は、 短 歌を 読 むこ との 学 習 材 とし て企 図 して いる

。「 学 び の窓

」に は、 大 き く三

つの 設 問 があ るが

、そ れぞ れ「 込 めら れ た思 い や 情 景 を 捉 え

「 短 歌 表 現 の工 夫 を捉 え

「 ど のよ う な経 過 や 心 情 の変 化 の中 で歌 わ れて いる か、 考え

」と ある

。い ず れ も、 短 歌 解釈 や その ため の着 目 点 に関 す るも ので ある

。こ の章 の最 後 には

、振 り返 りの ため のも のと して

、「 つい た力 を 確 かめ よう

」と ある

。そ こか ら も 同様

のこ とが とら え られ る。 大 き な特 徴 と して

、斎 藤 茂 吉 の連 作 があ げ られ ても のが あ る。 短 歌 を一 首 のみ での 作 品 と す る視 点 だ けで な く、 連 続 性 のあ る作 品 とし てと ら えて いる ので ある

。「 死 に近 き 母

」を

、単 体 と して 解 釈 させ るの では なく

、前 後の 六 首と 併せ て読 ませ るの であ る。 これ は他 社に は一 切 ない

「 短 歌 十 五 首

」を

、た だ並 べる ので はな く、

「 心 と 自然

」「 青 春と 歌

「 歴 史 と 社 会 の中 で」

「 家 族 と命

」と 類 して 掲 載 して いる

。叙 景

・叙 情

・叙 事 とい った 観 点 も 感 じら れる

。詩 歌 の分 類 の一 視 点 を載 せて いる ので あ る。 特 に、

「 歴 史 と 社 会 の中 で」 と題 さ れ て掲 載 さ れ てい

る歌 が扱 って いる 内容 は、 他 社 にな いも ので あ る。 他 社 には 掲 載 さ れて いな い歌 人 の歌 が多

いの も 特 徴 であ る。 掲 載 歌 は十 五 人 二 一 首 だが

、そ のう ち

、道 浦

・河 野

・平 井

・土 岐

・岡 野

・ 岡 井・ 植 田・ 佐 々 木の 八 人 であ る。 明 治 大正 期 の歌 人 も昭 和 平 成 期 の歌 人 も載 せて おり

、バ ラン スが ある

。ま た、 寺 山「 わが シャ ツを

」・ 釈「 たゝ かひ に~

」・ 斎 藤の 連 作(

「み ちの くの

」以 外

)) は、 他 社で は 掲 載 され てい ない 歌 であ る。 以 上 のこ とか ら、 学 校 図 書 教科 書 の掲 載 短 歌 は、 歌 の内 容 に注 目 し、 その 解 釈 に向 け た授 業 を 企 図 して いる こと がわ かる

。解 釈 への 視 座 とし て短 歌 内 容 を 分 類 して いる のだ ろう

。ま た、 斎 藤 茂 吉 の連 作 を用 いた 学 習 は非 常 に特 徴 的だ

。連 作 を掲 載 して いる も のは

、同 時 期 の他 校 種 教 科 書 にも な い。 なる ほど

、学 習 者 が目 にす る短 歌 は、 その 一 首 のみ での 掲載 によ るも のが 多 いか も しれ ない

。例 えば

、新 聞 の投 稿 短 歌 欄 であ った り、 引 用 さ れた 短 歌 であ った り

、教 科 書 掲 載 短 歌で あ った り など が考 えら れる が、 それ らの ほと んど は一 首 掲 載 であ る。 ただ し、 短 歌 雑 誌 など には 連 作 と して 掲 載 さ れる もの も多 い。 その 相 違 は、 授 業 以 降 の学 習 者 の意 識 ばか り でな く

、作 品 の形 態 の可 能 性 の認 識 へも つな がる だろ う

。 とこ ろで

、学 校 図 書 は短 歌 単 元 を「 2 生 命

」と いう 大 きな 章 の中 に配 置 して いる

。そ こに は「 言 葉 を 吟 味 して 生 きる こと につ いて の意 識 を 深 めよ う

」と ある

。言 葉 は人 の営 み の表 出 であ り

、営 みそ のも ので あ る。

「 生 き る」 こと のま さ に実 感 とし ての 短 歌 とい う と らえ 方

参照

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