宗教遺産の保存とマネージメントに関する研究
―長崎の教会群を事例に―A study on the conservation and management of religious heritage - A case of Churches in Nagasaki -
羽生 朋代
HANYU Tomoyo
学位論文梗概集2013
． め
研究 背景と目的
教 い 教会堂 神聖 場所 あ
時 常的 信者 集う祈 場 あ 信者 活
動 維持管理
長崎 教会群 2001 長崎 教会群 世界遺
産 会 設立 共 始 世界遺産登録
動 各自治体 観 資源 活用 動 渦
中 あ 過程 教会群 信者 考え 価値
加え 世界遺産登録 ふ わ い価値 強調
う 信者 利用
場 教会堂 外部 来訪者 増え 構成
資産候補 い 教会 多 教会
何 影響 い こ 間 い い こう
現状 対 保存 ン 新
視点 行 い 必要 あ
本研究 目的 長崎 教会群 対象 教遺
産 価値 保存 ン い 課題 抽
出 解決策 考察 こ
論文 構成と研究 方法
第1章 序論 第2章 教遺産 関
資料調査 教会 価値 保存 ン
論 指針
第3章 資料調査 こ 世界遺産
登録 動 全体像 中 い 教会群 価
値 保存 ン 体制 構築
把握
第4章 聞 調査 結果 教会群
現状 信者 声 後 保存 ン 体制
第5章 長崎 教会群 価値 保存
ン 課題 抽出 解決策 考察
表 研究 方法(聞き 調査)
対象 日程 内容
行 政
長崎県東京事務所 9/12
現状 後保存 ン体制
い 長崎県世界遺産登録推進室 11/28 長崎県観振興課 12/4 新 島世界遺産登録推進室 12/2
NP
O
法 人
NPO法人長崎巡礼ンタ
新 島 ョン
10/17
NPO法人長崎巡礼ンタ
長崎 ョン
12/3
認定NPO法人 世界遺産長崎チャチ
11/27
ッ 長 崎 大 司 教 区
高見明大司教 10/18 世界遺産登録 い 教区本部事務局 12/4 教区 組 い 青方教会 10/15
世界遺産教会価値 い
訪問者 い
教会管理 い
青砂ヶ浦教会 10/14 大教会 10/15 桐教会 12/1
根教会 10/11 土 浦教会 12/2 浜串教会 12/12
．宗教遺産 関わ 国際的見解
宗教遺産 価値
2003 生 教遺産：神聖性 保存 いう
催 ICCROM フ 教
遺産 持 遺産 異 特徴 い 論
異 点 1 生 い こ
あ 教遺産 生 信仰 中 使用
中 文化的価値や象徴性 更新 保
い 1)
う1 遺産 価値 方法 あ 通 遺
産 価値 認 時間 距離 要
教遺産 価値 持 こ 生 2)こ
教遺産 存在自体 教や信仰体系 枠
組 い 意味 持 いうこ あ こ
離 こ い いうこ あ
教遺産 現地 文化 全体的 表出 捉え
あ 形(動産 不動産) 無形 自然 文化 総合
的 視点 扱わ あ いう3)
宗教遺産 保存 課題
ICCROM フ 教遺産 使用
い 中 価値 保 こ 保存 最 重
要 目的 性自体 あ 変化 対応 必要
あ 4) 遺産 保存 立場 教 伝
Summaries of Academic Theses 2013
尊重 保存 行うこ 求 5)
フ 教遺産 保存 教コ
ュニ 責任 行わ 理想 6)
フ ン 教コ ュニ
聖地 創造 維持 的 形成 い 果 役
割 生 遺産 保護 際 彼
保護者 役割 教的 ン
や意義 人生 目的 伝 表現 維持 役割
いう重要 役割 持 い 7)
利害関 者間 対話 相互理解 協力
意識向 不可欠 あ 8)
長崎 教会群 生 教遺産
保存 課題 う あ
3．世界遺産登録へ 動き
第1期：草 根 時代
世界遺産登録 動 始 長崎 教会群
世界遺産 会 2001 長崎 教会群 地域
歴史 表出 広 公開 伝
手段 世界遺産化 図 9)こ 目的 設
立 こ 会 教会群 以 3 価値 見い
い
歴史的価値： 信徒 祖 守 通
信仰 復活 象徴 地域史 生 証人 あ
日本 史 観的表出 あ
教会建造物 審美的 芸術的価値：西洋 建築 法
日本人 在来 術 融合 特色あ 建造物 あ
文化 観的価値：教会 立地 環境 人間 自然
調和 文化的 観 あ 10)
世界遺産 会 文化 価値 あ 教会
信者 生活 中心 あ 生 教会 保存
観 資源 地域活性化 活 こ
課題 11) 周知活動 中心 活動 行
第2期： クタ 複数化
世界遺産 会 活動 結果 世界遺産暫定一覧
表入 こ 着 後 行政 教会 新 NPO法人
加わ 世界遺産登録 動 本格化
(i) 教会
長崎大司教区 長 あ 高見 明大司教 文化遺産
守 教会 開い い 意思 示 い
12)
教
区 本格的 世界遺産登録 動 第一歩 2007
長崎巡礼 ンタ 設立 あ こ 教
区 教皇庁や日本 教会 支援
長崎 史 周知や巡礼 推進
活動 行
(ii) 長崎巡礼 ンタ
長崎巡礼 ンタ 2007 長崎 教会群 観
資源化 生 問題 処理 大司教区 出
機関 設立 翌 2008 NPO法人
大司教区 県 補助金
う こ 地域活性化支援 う 業務 行
う う 主 活動 情報提供や 育
成 斡旋 通 巡礼 進 あ 教区内部
始 団体 理事長 4人 理事 司祭
あ 教区 意向 沿 信者第一 視点 信仰
観 両立 組 い
(iii)認定NPO法人 世界遺産長崎チャ チ
チャ チ 2008 ン
保護 活用 実現 教会群 世 知
老朽化 あ 建物等 保存
修復 一端 担う 組織 設立
13)
顧問
理事 大司教 2 司祭 含 教区
行政 立場 い 活動内容 主 世
界遺産 会 活動 引 う ン 企
開催 寄付金 入 教会 信者向 出前講
開催 あ
(iv)長崎県世界遺産登録推進室
世界遺産登録推進室 2007 設置 以来
長崎県世界遺産学術会議 開催 通 世界
遺産登録推薦書 ン ン 作成 進
市 連携 進 2009
長崎県世界遺産 ョン ン 策定 向
活動 2012 策定
第3期：さ 気運 高ま
ョン ン 策定 頃 関 者
幅広 民諸団体や県民 巻 込 気運
高 見 県 長崎県世界遺産登録推進県
民会議 設立 2013 観 庁 事業 補助
市 村 関 団体 旅行会社 長崎
教会群 教関連遺産 訪 祈 学
旅 商品化 向 活動 い
i 長崎 教会群 教関連遺産 世界遺産
登録推薦書 ン ン
推薦書 こ 遺産 日本 教信
仰 世紀 わ 伝播 及 禁教 解
禁後 信仰 復帰 過程 あ わ 14) 以
評価基準 適用 い
教 通 日本 西欧 価値観 交流 物
語 遺産 16～19世紀 潜伏 タン
注１
学位論文梗概集2013
独特 教 文化的伝統 (潜伏 タン 文化)
形成 こ 物語 稀 物証：(iii)
日本 教 伝播 根付い い
直接関連 い 15)：(vi)
信仰 場 教会堂 守 こ い
観 客 入体制 十 構築 い い現状 指
摘 い ン ン 具体的 対
策 い 述 い
ii 長崎県世界遺産 ョン ン
ョン ン 信仰 場 教会 守
こ い 教会守 配置 祈 場
配慮 訪問 設定 拠点施設 世界遺産 ン
タ サ 施設 設置 構成資産 入場予
約機能 団体客 公認 義務化 具体的
言及 あ 政教 離 観点 行政 支援
い事業 あ 何 形 活動費
入 必要性 触 い 16)
4. 教会群 現状とこ か
長崎大司教区 声
i 教区管理者：高見 明大司教
大司教 世界遺産登録 前向 姿勢 示 い
現状 教会 商業的 利用 い
感 こ 教区内 世界遺産登録 い
共通理解 形成 い いこ 課題 教
区 県 暫定一覧表 載申請 認 求 際
教区 各教会 十 理解 議論
時間 い 容認 未 不十
い いう
大司教 教会 一般 開い い 必要性
強 感 い 長崎 信者 少 閉鎖的 部
あ 時 一般 人々 対 偏
見 あ 感 い 世界遺産登録
本当 教 姿 知 い
変わ こ 望 い
ii 小教区：新 島 主任司祭
注１)
司祭 捉え 教会群 価値 迫害時代 現在
伝統的 信者 生 様 あ
一方 大司教 様 信徒 少 閉鎖的 こ
変え い 指摘 司祭 多
訪問者 い 来 いい 自 信仰
影響 い う ほ い 感 教会 観
目的 利用 こ 抵抗 感 い
世界遺産登録 い 観 利用 いう
意識 強い う 知 い い
いう思い あ 教会 観 地化 懸念
方 大 い う あ
司祭 口 揃え 世界遺産登
録 動 自 望 始 い
いうこ こ 自 一方的 巻 込
利用 い いう思い 影響
い いう思い 現 う あ
こ 動 前向 教区 未来 信徒 見据え い
現場 司祭 信徒 影響 第一 言う司
祭 現場 教区 立場 い 明
行政を中心と た見学者 入計画
i 長崎県 計
推進室 現在 チャ チ 巡礼 ン
タ 新 組 始 動 出 い
2014 1 こ 別々 活動
チャ チ 巡礼 ンタ 共
事務局 長崎 教会群 ンフ ョン ン
タ 開設 こ 行 活動
加え 予約 開始 準備 始
こ 構成資産候補 10教会 う
大浦天主堂 除 9教会 対象 見学希望者
予約 会員登録 登録料 払う 各教会
信徒 地元住民 償 無償 教
会守 常駐 見学者 通 予
約 教会守 教会堂 監視 見学者 対応
担う 登録料 教会 維持 ンタ 運営
人件費 う予定 あ
ii 県 計 対 巡礼 ンタ 見解
巡礼 ンタ こ 訪問者 入体制 運営
い 主体 あ 教会 近い立場
予約 疑問 呈 い 一
予約 信者 活動 予約 見学者 優
い 懸念 い
構成資産候補 教会 適用 いこ
教会守 設置 対象 9教会 限
教会堂 監視 必要 教会 あ
観 客 多 訪 教会 中心 例え
島 10教会ほ 設置 考え い
5. まとめ
教会群 価値づけ
当事者 あ 教会 司祭 教会群 価値 信者
生 様 あ 信仰生活 あ い
対 世界遺産 会 教会群 生 教会
Summaries of Academic Theses 2013
長崎県 推進室 長崎 教会群
教関連遺産 価値 潜伏 タン 伝統
重 置い い 国際社会 現在 生 信仰
遺産 重要 価値 対 政教 離 意識
強い日本 い 県 価値 歴史や伝
統 強調 い
長崎大司教区内 溝
フ ン 教遺産 保存
利害関 者間 対話 相互理解 協力
意識向 不可欠 あ 強調 い
大司教 新 島 司祭 聞 教区 現
場 間 溝 浮 彫 教区 長崎全体
い 日本 教会 将来 考え 信念
持 教会群 世界遺産登録 前向 姿勢 示
い 思わ 一方 小教区 司祭 教会 信徒
守 いう責任 世界遺産登録 懐疑的 あ こ
否 い 問題 こ 2 立場 間 十
議論 結果教区 県やNPO
進 活動 現場 特 構成資産 い
い教会 信者 残 い 感 あ こ あ
行政 保存 ネ ジメント体制 問題点
行政 実現 う い 予約 や 教会
守 設置 政教 離 問題 当面 構成資産候補
対象 い予定 あ 教会側
必 構成資産候補 教会 見学者
入 制限や監視 必要 以外
教会 い 様 あ こ 考慮 あ
こ 外部 教会 管理 う
信者 教会利用 制限 う可能性 あ
注意 必要 あ 信者 生活 中心 あ 教会
うあ う い
宗教コ ュニテ 役割
ICCROM フ や フ ン
教コ ュニ 責任や役割 重要性 強調
い 長崎 教会群 い 行政 計
い 言及 述 教区内 共通理解
形成 い い 教会群 抱え 信者コ ュニ
保存 い 役割 果
議論 い い 現状 あ 教区内
教会 文化遺産 価値 保存 管理
運営 部署 設置 NPO団体
役割 大半 委 う い 自 教
会 宝 維持管理 い こ こ 信者 生
様 一部 あ 外部 任 うこ
教会群 価値 保存 こ い あ
5 今後 展望
大司教区 回 世界遺産登録 動 日本
教会 将来 効 活用 う
い 教区内 溝 い 現状
良い影響 こ 現場 担 増や
い う い 教区
中 共通理解 形成 向 十 話 合い 場
持 こ 行政や NPO 活動 頼 過 教
区 主体的 教会 管理運営 い 必要
あ 現在教区 教会群 関 こ 教区経
済問題評議会 一部 対応 NPO
や 大司教や一部 NPO 理事
い 司祭 主 行 後 教区内 担当部
署 設 教区 責任 所在
あ
日本 教遺産 保存 ン い
生 い こ 価値 生
信仰 遺産 重要 要素 あ こ 認 必要
あ
注釈
注1) 新 島 赴任 11人中7人 司祭 聞 行
注2) 禁教 独自 信仰体系 解禁後 教
会 復帰 タン
参考文献
1) 2) 3) 4) 5) 6) H. Stovel, et al. : ‘Conservation of Living Religious Heritage,
Papers from the ICCROM 2003 Forum on Living Religious Heritage:
conserving the sacred’, pp.1-10, 2005
7) 8) UNESCO World Heritage Centre: ‘Kiev Statement on the Protection of Religious Properties within the Framework of the World Heritage Convention,’
2010
9)10) 松 圭 ： 化 聖地 場所 商品化 教
聖 変容 持 p.197-199 2011
11) 木村勝彦：長崎 教会群 観 —外
海 事例 — 場所 聖性 変容 再構築 関
総合的研究 p.43 2006
12) 高見 明： 長崎 教会群 教関連遺産 世界文化
遺産登録 向 〜長崎 教会 立場 〜
経済No. 282 p.2 2013
13) 認定NPO法人世界遺産長崎チャ チ ンフ
14)15) 長崎県 ： 長崎 教会群 教関連遺産 世界遺産登
録推薦書 2013
16) 長崎県： 長崎 教会群 教関連遺産 長崎県世界遺
