r r r r r r r r r r r ブックトークのシナリオ構成に関する研買

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ブックトークのシナリオ構成に関する研買

新ヰ・領域教育専攻 言語系コース(国語) 福井光曹、

I 本研究の目的

ブ、ックトークは，あるテーマを設定し，その テーマに沿って集めた何冊かの図書を紹介する 図書紹介の方法である。筆者自身，ボランティ アで何度かブ'/クトークの実践をしたことがあ る。そこで感じたのは，ブックトークをつくる のが予想していた以上に難しいということであ

指導教員 幾 田 伸 司

E 論文の構成

序章 研究の目的と方法 第 1章ブックトークとは

第2章 ブックトークのシナリオオ蕎成における 選書・配列の分析

第3章ブックトークのシナリオ構成における 本のつながり方の分析

る。その理由はいくつかあるが，特にシナリオ 終章 本研究の成果と今後の課題 作り等の組み立て過程に要因があると思われる。

先行研究では，ブックトークがメッセージ性 を持っていることや各書籍をつなぐことによっ て，聞き手に本への興味を起こさせることを助 けると述べられている。つなぎについても，内 容でつなぐ場合とキーワードで、つなぐ場合の2 つのつなぎ、方について述べられている。

しかし，実際にシナリオを作成してして過程 で，内容やキーワードで、つなぐには，具体的に どのような観点でつなげば良いのかとし、う疑問 が生まれた。

そこで，本研究では， 日本においてブ、ツクト ークがどのようにとらえられているかをブック トークの受容の経緯を踏まえて明らかlこする。

そのうえで，ブックトークのシナリオ段階にお いて，選書・配列ではどのようなジャンルで構 成されているか，つなぎ方では次に紹介する本 のためにどのような観点で、つながっているかを 明らかにし，提示したい。

E 論文の概要

第 2章では，ブ、ソクトークのシナリオ構成段 階において，次のジャンルが挙げられた。「小 説・物語J

r

言主集J

r

写真集J

r

ノンフィクション (ドキュメンタリー)J 

r

論説・説明J

r

実用書」

「辞典・事典J

r

年鑑J

r

図鑑J

r

その他Jの11  である。「小説・物語」はさらに「絵本J

r

写真 絵本J

r

マンガJ

r

古典」と分類することができ た。「ノンフィクション(ドキュメンタリー)J は「伝記・歴史物語」と分類することができた。

検討対象シナリオ全体のジャンルは幅広いと言 える。

個々のシナリオのジャンノレは，ある一定のま とまりで構成されていることが多い。紹介する 冊数が多いシナリオでも，一つのジャンルで構 成されていることもある。配列についてもジャ ンノレの観点で見てみると，ジャンルのまとまり で紹介されていることが多い。

第3章では，前後の本のつながり方に着目し，

－ 222 － 後の本を紹介するために，前後の本がどのよう な観点で、つながっているかを検討した。

第2節では，検言せ対象シナリオ全体について の方法やつなぎの観点に注目し，検討した。

前後の本をつなぐ方法には (A) : 

r

前J

r

後」 で、つながっている場合と (B): r前Jr中Jr後J，

「中J

r

後Jで、つながっている場合の2つの方法 があると言える。主に前者の方法でシナリオを 構成する。

(A)  : 

r

^前J

r

後」で、つながっている場合の観 点として「共通項Jr類 比Jr対比Jr言し1換え・

類似Jr一般/具体Jr同一作者Jr目的Jr想起・

連想J r. 続編・シリーズJr例示Jr同ジャンルJ 頃賜度」が挙げられる。

それぞれの具体(バリエーション)として，

共通項には「人種J

r

地域・場所J

r

時・設定」

「学年J

r

その他J，類比は「地域・場所(拡張) (縮小)J r学年Jr時代の変化Jrその他J，対比 は「地域・場所(拡張)J r心身Jr時・設定Jr時 代の変化Jr↑生別Jrその他J，言い換え・類似は

「発達Jrその他J，目的は「資料・材料Jrその 他J，想起・連想では「向日朝吃Jrその他J，葉監易 度は「資料・材料」がある。「一般/具体J

r

同 一作者Jr続編・シリーズjr例示Jr同ジャンルJ の具体(バリエーション)は「その他」のみと なった。

(A)  : 

r

前J

r

後」で、つながっている場合につ いて，共通項キ類比で前後の本をつないでし1く ことが鞘敷として挙げられる。共通項の具体(バ リエーション)としては「その他」が多い。類 比では「地域@場所」が頻繁に使われる。

第 3 節では，日割~によって観点に変化が見ら れるかを検討した。日割

t

は前期，中期，後期(現 在)と 3区分した。

共通項は具体(バリエーション)として主に

「その他」で、つながっており，時代による変化 はない。類比の具体(バリエーション)は，主 に前期では「地域・場所J，中期では「その他J，

後期では「その他J

r

学年」となり，時代による 変化が見られる。

第4節では，テーマによって観点に変化が見 られるかを検討した。

テーマを「自由なテーマで、のブックトークJ と「教科に関連したブ、ックトーク」に分け，考 察した。前者はテーマに広がりがあるため，後 者よりも観有、が数多く挙がることが分かった。

ブ、ックトークでは次の点を意識することによ ってシナリオオ毒成をしやすくなると言える。

1.  選書・配列をジャンノレとし、う観点から見 たとき，ある一定のまとまりで構成する。

2.  前後の本が直接つながっている場合と前 後の本をつなぐために聞に↑静財2入る場合の 2つの方法があるが，前後の本を直接つなげ る方法が構成しやす川

3.  前後の本を直接つなぐ場合，主に共通項 や類比でつなぐ。共通項の具体(バリエーシ ヨン)では「その他J，類比では「地域・場所」

で、つなぐと構成しやすい。

N 今後の課題

本研究はブックトークのシナリオ構成におけ る研究のため，選書・配列について観点をジャ ンルに絞り，内容や難易度，見た目等について の検討は行っていなし、。しかし，ブックトーク にはシナリオ風に紹介するとし、う鞘敷もあるた め，特に内容や難易度，見た目等についての検 討を行う必要がある。

つなぎ方の具体(バリエーション)について は，

r

その他」が多い。これをさらに細かく分類・

整理する必要がある。