KinkiUniversityNo.442010,pp.53…58
骨組 の位相最適化手法 を用 いた制震 ダンパーの最適配置
久 保 和 毅*,藤 井 大 地**,大 田 和 彦**,野 中 哲 也***
Optimum placement of response control damper using topology optimization method for frame structure
Kazuki KUBO*, Daiji FUJII**, Kazuhiko OHTA** and Tetsuya NONAKA***
Abstract
Recently, response control dampers are often used for improving seismic performance of building. The placement of the dampers is important because the seismic performance of building depends on it. Therefore, in this paper, a method to obtain an optimum placement of response control dampers is proposed. In the present method, the optimum placement of the dampers is obtained by topology optimization method for frame structure (i.e. ground structure method). The response control dampers work for dynamic external force, but, in this method, the placement of the dampers is obtained by the optimization analysis for static external force.
The effectiveness of the optimum placements obtained by the present method is verified by the dynamic response analysis of some numerical examples.
Keywords: Response control damper, Optimum placement, Topology optimization, Ground structure method
1.は じめ に
近 年,建 物 の地震 に対す る安 全性 を確保 す る方 法 とし て,建 物 の骨組構 造 に地震 エネ ル ギー吸収 装置(制 震 ダ ンパ ー)を 設置 す る制震構 造 が増 えてい る.こ の よ うな 制震 構造 は,新 築建 物だ けで な く,現 行 の耐震基 準 を満 た さな い既 存不 適格 建物 の耐震 補強 に も用 い られ て い る.
この よ うな制 震構 造で は,建 物頂部 ま たは第 一層 に集 中的に制震 ダンパー を配置 す る方法 もあ るが,一 般的 に は構 造体 の各層 に分 散的 に制震 ダ ンパ ー配 置す る層 間設 置型 が よ く用 い られ る.こ の層 間設置 型 では,制 震 ダ ン パ ーの配 置方法 と して,連 層配 置,市 松配 置,下 層集 中 配置,複 数 層 への分 散配置 な ど様 々な配置 方法 が ある.
また,構 造用 の条件 とは別 に,建 物 の用途 や計 画上 の 理 由に よって,ダ ンパ ー を設 置 で きる空 間が制約 され る こ とが ある.し たが って,制 震構 造 の設 計 にお いて,制 震 ダ ンパ ーの適切 な配 置 を見つ け るこ とは容 易 では ない.
特 に,ダ ンパー の設置 場所 や設置 数 に制 限があ る場合, 効果 的 な制 震 ダ ンパ ーの配 置 には,豊 富 な設 計経 験 と解 析的 な試行 錯誤 が必要 とな る.
この よ うな 問題 を解 決す るた め,GA(遺 伝 的 アル ゴ リ ズ ム)を 用 い て この よ うな制震装 置 の最適配 置 を求 める 方法 がい くつ か提 案 され てい る胸.し か し,ダ ンパー配 置 の組 み合 わせ パ ター ンは,対 象 とな る建物 の規模 に応 じて指数状 に増加 す るた め,建 物 の規模 が大 き くな る と
*近 畿 大学 大学院 シ ステム 工学専攻
**近 畿大学 工学部 建築 学科
***(株)地 震 工学研 究開発 セ ンター
Graduate School of System Engineering, Kinki University
Department of Architecture, Faculty of Engineering Kinki University
Earthquake Engineering Research Center Inc.
最適 解 を求 める こ とは容易 で はない.
そ こで,本 研 究 では,解 析上,す べ て の設 置 可能箇 所 に制 震 ダ ンパ ー を配 置 し,数 理 計画法 を利 用 して,重 要 度 の低 いダ ンパ ー を逐次 消去 してい く方法 に よ り,ダ ン パ ーの最適 配置 を求 め る方 法 を提案す る.本 最適 化 問題 で は,本 来,制 震 ダンパー の減 衰力 が設計 変数 とな り, 動 的地震力 に対 す る建物 の最大応 答 の最小化 が 目的 とな る.し か しな が ら,動 的地 震力 は,震 源 とその伝 達経 路 に よっ て様 々 な特性 を有 してお り,最 適解 も地震 力 の特 性 に大 き く左右 され る.し た がって,よ りロバ ス トな解 を得 るため には,地 震 力 を静 的な外力 に置 き換 えた解 析 か らダ ンパー の最適 配置 を求 め るこ とが望 ま しい.そ こ で,本 研 究で は,通 常の設 計で 用い られ るAi分 布 の静 的 地震 力 を用 い,ダ ンパー設 置位 置 には,減 衰 力 を剛性 に 置 き換 えた部材 を配 置す る,そ して,骨 組 全体 の剛 性を 最大 化す るダンパー 置換部 材 の最適配 置 を求 める こ とで, 実 際の ダ ンパ ーの最適 配置 を求 め る.こ れ は,ダ ンパ ー を剛性部材 に置 き換 えて,骨 組構 造 の位 相 最適化 手法 で ある グラ ン ドス トラクチ ャ法 を適用す るこ とに相 当す る.
換言 すれ ば,部 材 剛性 が必 要 とな る箇 所 にダ ンパ ー を配 置す れ ば,骨 組 構造 の効率 的 な減 衰性 能 を確 保 で きる と い う仮定 に基 づい てい る.
本 報告 で は,こ の よ うな方法 に よって求 めた制 震 ダ ン パ ーの配 置が,動 的 地震力 に対 す る骨 組構 造の最 大応 答 も最 小化 す るこ とを,い くつ かの代表 的 な地震 力 に対 す る動 的地震 応答解 析 に よって検 証す る.
以 下,本 報告 第2章 で は,グ ラン ドス トラクチ ャ法 に よって,制 震 ダ ンパ ー の最 適配 置 を求 め る方法 を示す.
第3章 では,い くつ か の例 題 に対 して本方 法 によ って得 られ た配 置 と,他 の配置候 補 の動的地 震力 に対す る最 大 応答 を比較 す る こ とに よ り,本提 案手 法 の有 効性 を示す.
第4章 では,以 上 のま とめ を述 べ る.
2.制 震 ダ ンパ ー の最適配 置法 2.1解 析 法の概 要
本 手法 は,図1aに 示 す よ うに,ま ず,設 計上 すべ ての 設 置可 能 箇所 に制 震 ダ ンパ ー を配 置す る.次 に,図1b に示 す よ うにす べ ての ダンパー を剛性 部材 に置 き換 え る.
次 に,こ の ダンパー 置換部 材 の剛性 を設計 変数 とし,静 的 な地震 力(Ai分 布 の地震 層せ ん断 力)に 対す る応力解 析(有 限要素解 析)を 行 う.そ して,骨 組 全体 の剛性 が 最大 とな るよ うに,ダ ンパ ー置 換部材 の剛性 を最 適化 す る.こ の場 合,図1cに 示 す よ うに,必 要 なダ ンパ ー置 換 部材 の剛性 は大 き くな り(部 材 が太 くな り),不 必要 なダ ンパ ー置換 部材 の剛性 は小 さ くな る(部 材 が細 くな る).
この よ うに して得 られた ダ ンパ ー置換 部材 の剛性 分布 か ら,図ldに 示 す よ うに ダ ンパ ー配置位 置 を決定 す る.
a.初 期 ダ ンパ ー 配 置
c.置 換 部材 の最適 剛性
b.剛 性 部材 配置
d.ダ ンパー の最 適配 置
図1解 析 法 の概要
2.2最 適化 問題 の定式化
次 に,ダ ンパ ー置換 部材 の剛性 を設 計変数 と し,骨 組 構造 の剛性 を最 大化す る最適 化 問題 の定式化 を示 す.な お,本 報告 で は,す べ て のダ ンパ ー配 置可能 位置 に剛 性 部材 を配置 した構 造 を グラン ドス トラクチ ャ と呼ぶ.
まず,本 問題 で は,グ ラン ドス トラクチ ャの ダ ンパ ー 置換 部材 の剛 性を評価 す るた めに,ダ ンパ ー置換 部材 の 要素密 度 をAと し,ダ ンパ ー置換 部材 の要 素剛 性マ トリ クスk、を次式 で表 す もの とす る.
k,ニ ρ1kl ρ ≧0
(1)
こ こ に,klは,初 期 の 要 素 剛 性マ ト リク ス で あ る.ま た, ダ ン パ ー 置 換 部 材 の 総 質 量 醒 は 次 式 で 表 され る も の と す る.
‑"
ρNΣ目
=刑
(2)
ここに,Nは ダンパー 置換部 材 の部材数,オ 、,1、 は ゴ 番 目 部材 の断 面積 と長 さを表す.
ダ ンパ ー置換 部材 の剛 性を最適 化す る位相 最適化 問題 は,質 量制 約 下で コンプ ライア ンス(剛 性 の逆数)を 最 小化 す る次 の よ うな 問題 として定 式化 す る.
mi・C(ρ)
・u切ectt・ 脚(P)≦ 痂,P≧0
(3)
た だ し,コ ン プ ラ イ ア ン スCは,次 式 か ら求 め られ る.
CニdτKdニdτf
こ こ に,d,fは 節 点 変 位 ベ ク トル と節 点 外 力 ベ ク トル, Kは 全 体 剛 性 マ ト リク ス で あ る.
(4)
23最 適 化 問 題 の 解 法
本 報 告 で は,(3)式 の 非 線 形 最 適 化 問 題 をCONLIN法 4玉5)で解 く.CONLIN法 で は,第 んス テ ッ プ の 解 を 既 知 と
して,(3)式 の 第 んス テ ッ プ の 設 計 変 数 に 関 す る テ ー ラ ー 展 開 を,感 度 係 数 が 正 の場 合 と負 の場 合 に 分 け て,次 式 の よ うに行 う.
㈲・ 鱒 爵 一 景喋 〔 姻
姻□ 脚 避 劉 瑠 〔 姻
(5)こ こに,傷 ㈲ は 第 んス テ ッ プ の'番 目部 材 の 設 計 変 数
△α、は 傷(りか ら の 設 計 変 数 の 増 分 値,(1/傷 一1/傷㈲)は 設 計 変 数 の 逆 数 の 増 分 値 を 表 す.こ の 方 法 で は,設 計 変 数 の 逆 数 の テ ー ラー 展 開 に 解 の 収 束 を 速 め る効 果 が あ る.
た だ し,こ の 効 果 を 有 効 に す る た め に は,非 線 形 関 数 と な る 目的 関 数 の 増 減 を 設 計 変 数 の 増 減 に 比 例 させ る必 要 が あ る.こ の た め,本 研 究 で は α、=1/ρ、と して い る.こ の場 合,(1)式 の 要 素 剛 性 マ ト リク スk 、は次 式で表 され る.
k、=(1/のkl α,>0
ま た,(5)式 内 の 感 度 係 数 は,次 式 に よ り計 算 され る.
舞 一ず ←÷kl〕"衆 一一 ÷4ろ
(6)
(7)
CONLIN法 で は,(5)式 に 双 対 法 を適 用 し,逐 次 二 次 計 画 法 を用 い て 解 か れ るが,詳 しい 解 法 に つ い て は 文 献6) に示 され,付 属CDにFORTRANの ソー ス コー ドも公 開 され て い るた め 参 照 され た い.
最 適 化 計 算 で は,(5)式 に初 期 値 を 与 え,繰 り返 し計 算 に よ り,各 ス テ ッ プ の 設 計 変 数 の 最 適 増 分 を 求 め,解 の 更 新 を行 う.本 問 題 で は,40ス テ ッ プ 程 度 の 繰 り返 しで, 収 束 解 が得 られ る.た だ し,こ の 収 束 解 は 局 所 解 で あ る 場 合 が 多 い た め,本 報 告 で は,文 献7)に 示 す 方 法 に よ り, 真 の 最 適 解 を 求 め る.な お,文 献6)に も 同様 の 解 法 が 示 され て い る.
図2は 本 計 算 法 の フ ロー を示 した もの で あ る.図 の 点 線 で 囲 ま れ た 部 分 が(5)式 を 用 い た 通 常 の 最 適 化 計 算 で あ り,本 計 算 フ ロー で は,点 線 内 の解 析 で 得 られ た 最 適 解(局 所 解)を 再 度 初 期 値 と して 再 計 算 を 行 う.た だ し, 再 計 算 を 行 う場 合 は,設 計 変 数 の ム ー ブ リ ミ ッ ト, CONLrN法 の 諸 係 数 等 は す べ て 初 期 化 され る.本 解 析 で
は,30回 程 度 の 再 計 算 を行 うこ とで,グ ロ ー バ ル 最 適 解 を 得 る こ とが で き る.
1最 適 解1
図2グ ローバル 最適解 を探 査す る計算 フロー
3.解 析 例
3.1実 験 モ デ ル に よ る 検 証
ま ず,本 方 法 の 有 効 性 を検 証 す る た め,文 献8)に 示 さ れ る 実 験 モ デ ル を 参 考 に,図3に 示 す 解 析 モ デ ル に よ る 解 析 を 行 う.本 モ デ ル は,5層1ス パ ンで,中 央 に せ ん 断 型 の ダ ン パ ー が 設 置 され て い る.図 中 に は,解 析 に必 要 な 柱 ・梁 の ヤ ン グ係 数E,断 面 積 オ,断 面2次 モ ー メ ン ト1が 示 され て い る.ま た,各 層 梁 の 質 量 は120kgで, こ の 場 合,骨 組 の 固有 周 期 は0.8secと な る.
図4は,図3の せ ん 断 型 ダ ンパ ー を 柱 部 材 に 置 換 し, 第2章 に示 し た グ ラ ン ドス トラ ク チ ャ 法 で,柱 置 換 部 材 の 最 適 太 さ(密 度)を 求 め た も の で あ る.図 に 示 され る よ うに,こ の 問 題 で は 下 層 配 置 が最 適 配 置 とな っ て い る.
次 に,図5に 示 す よ うに,図4の 柱 置 換 部 材 を 元 のせ ん 断 型 ダ ン パ ー に 置 き 換 え て,時 刻 歴 地 震 応 答 解 析 を行 う.地 震 応 答 解 析 は 平 均 加 速 度 法 を 用 い,地 震 加 速 度 は, EICentroNS,T餓NS,八 戸NS,神 戸 海 洋 気 象 台NSの4
種 を 用 い る.図6は,比 較 モ デ ル と して,2層 配 置 の す べ て の 場 合 を示 した も の で あ る.こ れ ら の モ デ ル に つ い て も 同 様 の 解 析 を 行 う.
表1は,ダ ンパ ー 無 し の 骨 組 の 最 大 応 答 値 を基 準 と し て,図5,図6に 示 す モ デ ル の 最 大 応 答 値 の 比 率(%) を 示 した もの で あ る.表 に 示 され る よ うに,変 位,速 度, 加 速 度 共 に,図5の モ デ ル の 最 大 応 答 値 が最 小 とな る こ
と が わ か る.
表1ダ ンパー 配置 に よる最大応 答 の比較
図3実 験 モデル
図4解 析結 果
柱 梁
E 2.05×108N/m2
A 1.304×
10‑3m2
4.5×10‑2m2
1 1.73867×
10‑9m4
3.75×
10‑5m4
図5最 適 配置 モデル
モ 丁 ル1 モ 丁 ル2モ や 丁 ル3モ 丁 ル4モ 丁 ル5
モ 丁 ル6モ7一 ゆ ル7モ7'ル8モ7ル9
図6比 較 モ デ ル
EICentroNS
最大変位 最大速度 最大加速度
最適配置
72.27% 71.87% 94.14%モ デル1 72.92% 72.54% 93.86%
モ デル2 73.62% 73.06% 93.80%
モ デル3 74.30% 73.74% 94.24%
一"
モ ァル4 77.47% 75.56% 96.72%
一"
モ ァ ル5 78.76% 76.98% 95.98%
一"
モ ァル6 80.26% 80.47% 96.72%
一"
モ アル7 80.25% 81.17% 95.49%
一"
モ ァ ル8 84.12% 85.00% 96.05%
一"
モ アル9 90.08% 90.20% 95.39%
TaftEW
最大変位 最大速度 最大加速度
最適配置
81.40% 82.35% 84.78%一"
モ ア ル1 83.19% 83.53% 85.00%
一"
モ ァル2 85.12% 85.29% 84.97%
一"
モ ァ ル3 86.41% 86.51% 86.86%
モ デル4 89.37% 90.04% 92.95%
一"
モ ァ ル5 91.65% 91.72% 91.76%
一"
モ ァル6 93.02% 93.24% 94.36%
一"
モ アル7 93.78% 93.36% 91.57%
一"
モ ア ル8 95.18% 94.87% 93.65%
一"
モ アル9 97.42% 96.51% 92.91%
八戸NS
最大変位 最大速度 最大加速度
最適配置
67.07% 67.60% 70.60%一"
モ ア ル1 69.67% 70.16% 72.92%
一"
モ ァル2 72.52% 72.94% 75.46%
一"
モ ァ ル3 74.78% 75.07% 77.48%
一"
モ ァル4 80.36% 80.25% 82.24%
一"
モ ァ ル5 83.80% 83.55% 85.19%
一"
モ ァル6 86.53% 86.09% 8750%
モ デル7 87.36% 86.93% 88.19%
モ デル8 90.23% 89.59% 90.60%
モ デル9 94.24% 93.71% 93.91%
神 戸NS
最大変位 最大速度 最大加速度
最適配置
62.32% 58.ll% 54.91%モ デル1 64.27% 60.24% 57.67%
一"
モ アル2 66.45% 62.62% 60.83%
一"
モ ア ル3 68.19% 6455% 6351%
一"
モ アル4 72.67% 6992% 70.32%
一"
モ ァ ル5 75.63% 74.45% 74.93%
一"
モ ァル6 79.06% 78.15% 78.68%
一"
モ アル7 80.25% 79.42% 79.88%
一"
モ ァ ル8 84.37% 8355% 84.10%
一"
モ アル9 90.54% 89.82% 90.39%
3.2実 設 計 モ デ ル に よ る検 証
次 に,文 献9)に 示 され る 鉄 骨 造 事 務 所 ビル の 構 造 設 計 例 を 参 考 に,図7の 解 析 モ デ ル を 作 成 した.本 モ デ ル で は,す べ て の 層 に ブ レー ス 型 ダ ンパ ー が 配 置 で き る も の と し,ブ レー ス 型 ダ ン パ ー をX型 ブ レー ス に 置 換 し て い る.表2は,解 析 に 必 要 とな る 梁,柱 の 断 面 積 オ と断 面 2次 モ ー メ ン ト∫ を示 し た も の で あ る.た だ し,ヤ ン グ 係 数 は2.05×108N/m2と して い る.
図8は,第2章 に 示 す グ ラ ン ドス トラ ク チ ャ 法 で,置 換 ブ レー ス 材 の 最 適 太 さ(密 度)を 求 め た もの で あ る.
図 に 示 す よ うに,こ の 場 合 は,か な り特 殊 な 配 置 に な っ て い る こ とが わ か る.
図9は,図8を 参 考 に,ブ レー ス型 ダ ン パ ー を 配 置 し た 解 析 モ デ ル で あ る.図10は,図9の 解 析 モ デ ル の 性 能 を検 討 す るた め に作 成 した 比 較 モ デ ル で あ る.な お,各 モ デ ル で は ダ ン パ ー 数 が 異 な る た め,各 モ デ ル の ダ ン パ ー の 総 減 衰 量 が 同 一 に な る よ うに ダ ン パ ー の 減 衰 値 を 設 定 して い る.
表3は,図8,図9の 解 析 モ デ ル に 対 し て,時 刻 歴 地 震 応 答 解 析 を 行 っ た 結 果 で あ る.表 で は,ダ ンパ ー が 無 い 場 合 の 骨 組 の 最 大 応 答 値 を 基 準 と した 最 大 応 答 比 率(%) が 示 され て い る.表 よ り,地 震 波 に よっ て は,最 適 配 置 モ デ ル が,他 の モ デ ル の最 大 応 答 に比 較 して 必 ず しも 最 小 に な っ て い な い 場 合 も あ る が,概 ね 最 小 あ る い は 最 小 値 に 近 い値 に な っ て い る こ と が わ か る.
図8解 析結 果
図9最 適 配置 モデル
27m 54m54m54m54m54m
b■■■L■■■占 ■■■L■■■1■■■■1■■ ■一 ■■■占■
モ 丁 ル2モ 丁 ル6
図7解 析 モ デル
表2解 析 モデ ル詳細
図10比 較モ デル
表3ダ ンパ ー配置 に よ る最 大応 答 の比較
EIC㎝troNS
最大変位 最大速度 最大加速度
最適配置
72.4% 84.4% 895%一"
モ ァ ル1 72.8% 86.2% 93.8%
一"
モァ ル2 73.5% 86.3% 935%
一"
モ ァ ル3 87.8% 91.1% 91.0%
一"
モァ ル4 72.7% 85.8% 91.6%
一"
モ ァ ル5 79.4% 87.5% 89.4%
一"
モア ル6 75.8% 86.7% 90.9%
一"
モア ル7 73.4% 84.7% 88.2%
一"
モ ア ル8 73.4% 84.6% 88.1%
Ta食EW
最大変位 最大速度 最大加速度
最適配置
62.9% 57.7% 71.4%̲"
モ ァ ル1 62.2% 58.4% 70.6%
̲"
モァ ル2 61.9% 60.4% 71.7%
̲"
モ ァ ル3 74.1% 77.5% 78.7%
一"
モァ ル4 62.3% 585% 69.4%
一"
モ ァ ル5 68.8% 66.8% 74.5%
一"
モァ ル6 64.4% 61.7% 71.2%
一"
モア ル7 63.3% 59.1% 70.2%
一"
モア ル8 63.4% 59.2% 70.3%
八戸NS
最大変位 最大速度 最大加速度
最適配置
649% 63.9% 68.4%一"
モ ァ ル1 65.4% 64.4% 69.6%
一"
モァ ル2 65.4% 64.3% 69.8%
一"
モア ル3 82.2% 82.0% 84.6%
一"
モァ ル4 65.5% 64.6% 69.2%
一"
モ ァ ル5 72.4% 70.9% 75.3%
一"
モァ ル6 68.5% 67.3% 71.8%
一"
モァ ル7 66.0% 64.9% 69.0%
一"
モ ァ ル8 66.0% 64.9% 69.0%
神 戸NS
最大変位 最大速度 最大加速度
最適配置
60.1% 60.9% 59.8%一"
モ ア ル1 61.3% 62.4% 61.6%
一"
モア ル2 61.7% 62.6% 62.0%
一"
モア ル3 82.0% 81.7% 80.7%
一"
モァ ル4 61.4% 62.5% 61.4%
̲"
モ ァ ル5 68.6% 69.0% 67.7%
̲"
モァ ル6 64.2% 65.7% 64.4%
一"
モァ ル7 61.2% 62.3% 60.9%
一"
モァ ル8 61.2% 62.2% 60.9%
4.ま とめ
本 報告 では,設 計 上すべ ての設 置可 能箇所 に制震 ダン パー を配置 し,こ れ を剛牲 部材 に置 き換 え,静 的地震力 に対 す る置 換部材 の最 適剛 陛分布 か ら,制 震 ダ ンパー の 最適 配置 を求 め る方 法 を提案 した.
そ して,実 験 モデル お よび実設 計例 か ら解 析モ デル を 作成 し,本 方法 の有効rを 検 討 した.そ の結 果,本 方 法 に よって得 られ た ダンパー の最適 配置 は,4種 の代表 的 な地 震波 に対す る時刻歴 地震 応答 解析 にお いて も,変位, 速度,加 速 度共 に,概 ね最 大応答 値 を最小 にす る こ とが わ かった.
参 考 文 献
1)加 地 孝 敏,皆 川 洋 一:遺 伝 的 ア ル ゴ リズ ム を用 い た 制 震 壁 の最 適 配 置,日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集(東 北),pp。355‑356,2000.9
2)浜 崎 宏 典,藤 田 聡:改 良 型GAに よ る 制 振 装 置 の 適 正 配 置 の 検 討(単 純GAと の 比 較 お よび 加 振 実 験
で の 制 振 性 能 の 確 認),日 本 機 械 学 会 論 文 集(C編), 68巻,673号,pp.61‑68,2002,9
3)仁 平 瑛 士,朝 比 奈 大 輔,北 嶋 圭 二,中 西 三 和,安 達 洋:遺 伝 的 ア ル ゴ リズ ム に 基 づ い た パ ッ シ ブ エ ネ ル ギ ー 吸 収 部 材 の 最 適 配 置 に 関 す る研 究,日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集(近 畿),pp.1063‑1064,2005.9 4)Fleury,C.andBraibant,V.:StructuralOptimization:A
newdualmethodusingmixedvariables,International JournalforNumericalMethodsinEngineering,Vo1.23, pp.409‑428,1986
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6)藤 井 大 地:建 築 デ ザ イ ン と最 適 構 造,丸 善,2008.10 7)藤 井 大 地,真 鍋 匡利,高 田 豊 文:グ ラ ン ドス トラ ク
チ ャ 法 に よ る 建 築 構 造 の 形 態 創 生,日 本 建 築 学 会 構 造 系 論 文 集,第633号,pp.1967‑1973,2008.11
8)多 田 聡,飛 田喜 則,大 場 新 太 郎:振 動 実 験 に 基 づ く制 振 ダ ンパ ー の 最 適 配 置 に 関 す る研 究,日 本 建 築 学 会 学 術 講 演 梗 概 集(北 陸),構 造 系(B‑2),pp.841‑842, 2002.8
9)島 津 孝 之(編),中 山 昭 夫,高 松 隆 夫,森 村 毅 共 著:
鋼 構 造[第2版],森 北 出 版,2005