インドネシア国
民主警察支援計画
予備調査報告書
2004 年 3 月
独 立 行 政 法 人 国 際 協 力 機 構
04-069
JR
無償一
序 文
日本国政府はインドネシア共和国政府の要請に基づき、同国の民主警察支援
計画にかかる予備調査を行うことを決定し、国際協力機構が、警察庁、国際協
力専門員の協力を経て実施しました。
当機構は、平成 15 年 10 月 20 日から 10 月 30 日まで予備調査段を現地に派遣
しました。
この報告書が、今後予定される基本設計調査の実施、その他関係者の参考と
して活用されれば幸いです。
終わりに、調査にご協力とご支援をいただいた関係各位に対し、心より感謝
申し上げます。
平成 16 年 3 月
国 際 協 力 機 構
理事 吉永 國光
略語表
AFIS Automated Fingerprint Identification System 自動指紋照合システム
CM Construction Management コンストラクションマネ
ジメント
DEA Drag Enforcement Administration 麻薬取締局(米国)
DNA Deoxyribonucleic aid デオキシリボ核酸
DP Digital Print デジタルプリント
GPS The Global Positioning System グローバル測位システム INP Indonesian National Police インドネシア国家警察
MABES(インドネシア語) インドネシア国家警察
本部
MDMA methylenedioxymethaphetamine 錠剤型合成覚せい剤 ODA Official Development Assistance 政府開発援助
POLDA (インドネシア語) 州警察本部(都道府県警察
本部)
POLRES(インドネシア語) 警察署
目 次 序文 地図 略語表 付図一覧 付表一覧 第 1 章 調査の概要... 1 1.1 調査実施の背景・経緯... 1 1.2 調査の目的... 1 1.3 調査団の構成... 1 1.4 調査日程... 2 1.5 主要面談者... 2 第 2 章 インドネシアにおける治安状況と国家警察組織... 3 2.1 「イ」国における治安状況... 3 2.2 国家警察の変遷と現状... 3 2.2.1 国家警察の成り立ち... 3 2.2.2 INP の組織... 5 2.2 基本方針... 6 2.3.1 開発に関する基本方針... 6 2.3.2 治安問題に関する基本方針... 6 第3 章 プロジェクトの概要... 7 3.1 要請の背景... 7 3.2 要請内容... 7 3.2.1 無償資金協力に対する要請内容... 7 3.2.2 技プロにて検討された無線通信網の整備計画... 7 3.3 要請内容の確認結果... 8 第 4 章 調査結果概要...11 4.1 警察改革支援の必要性... 11 4.1.1「イ」国における警察改革の現状... 11 4.1.2 警察改革への日本の支援... 11 4.2 交番施設(建屋、周辺装備)... 12 4.3 無線機材... 12
4.4 現場鑑識機材... 13 4.5 薬物鑑定機材... 14 4.5.2. 薬物対策分野における携帯無線機の必要性... 15 4.5.3 薬物鑑定機材への他国の協力... 15 第 5 章 基本設計調査に際し考慮すべき事項... 16 5.1 総論... 16 5.2 運営面:技術協力プロジェクトとの連携... 16 5.3 施設建設:ローカルコントラクターの活用... 18 5.4 機材計画... 18 5.4.1 無線通信システム... 18 5.4.2 現場鑑識関連機材... 19 5.4.3 薬物捜査関連機材... 19 5.5 調査実施体制... 20
第 1 章 調査の概要 1.1 調査実施の背景・経緯 インドネシア国(以下、「イ」国とする)の治安は、これまで 30 年余りに亘って国軍が その責任を担ってきたが、スハルト政権の終焉を受けた民主化の動きの下で、2000 年 8 月 の国民協議会の決定により、国家警察が国軍から正式に分離独立したことに伴い、治安責 任も国家警察に委ねられることとなった。国内に多発する一般犯罪に対応し、市民の安全 を確保する上で国家警察の役割は従来に増して大きくなっているが、分離独立したばかり の国家警察のみの力でこれを全うし、かつ民主的な警察行政サービスを提供することが出 来ない状況にある。 このような状況の下、「イ」国からの要請を受けて、我が国(JICA)は「イ」国国家警察 (以下「INP」とする)の「民主的な警察運営」、「警察活動の迅速化・効率化」、「犯罪発生 の減少」、「市民サービスの向上」、「警察組織における意識改革の促進」等を支援する目的 で、「国家警察改革支援プログラム」を実施しており、各種専門家派遣(警察庁長官政策ア ドバイザー、バリ州警察本部長アドバイザー、薬物対策)、技術協力プロジェクト(以下、 「技プロ」とする)「市民警察活動促進プロジェクト」を実施している。 2002 年 8 月より開始された技プロは、ジャカルタ郊外のブカシ警察署を市民警察として ふさわしいレベルまで組織と機能を強化し、全国のモデル警察署として構築すべく技術移 転活動及び資機材の供与を行うものであるが、技術移転活動の効果をブカシ署管内の警察 署員に波及させ、ブカシ署自体が名実ともに全国の警察署のモデル警察署として機能し自 立発展してゆくためには、交番施設及び無線機材等の更なる投入が必要とされている。 そこで「イ」国政府は、技プロによる技術移転活動の成果を確立・定着させるため、ブ カシ署管内において必要となる施設及び機材の調達に必要な資金について、我が国に対し、 無償資金協力を要請してきた。 1.2 調査の目的 本調査は、本計画の要請内容の確認と現地状況の把握を通じ、無償資金協力としての可 能性と妥当性を検討することを目的とする。無償資金協力としての妥当性が認められる場 合は、協力事業の枠組みを整理するとともに、基本設計調査の調査方針、調査内容、留意 事項をとりまとめる。 特に、本計画は先に実施されている技プロを補完する計画であることから、技プロによ る技術移転活動の進捗及び発現状況を確認する。 1.3 調査団の構成 団長 松浦 正三 JICA 無償資金協力部 部長 計画調整 光永 健男 外務省経済協力局無償資金協力課
機材計画1 宮崎 勉 警察庁長官官房国際部国際第一課 機材計画2 牧野 修 JICA 国際協力専門員 施設 重里 輝夫 JICA 無償資金協力調査員(現地より参団) 計画管理 中村 浩孝 JICA 無償資金協力部業務第1課 1.4 調査日程 日時 行程 AM ジャカルタ着(JL715 便) 1 10 月 20 日 月 PM 団内、関係者打合せ AM 日本大使館、JICA インドネシア事務所表敬 2 21 日 火 PM 現地派遣専門家協議 AM 団員専門分野別調査(現地調査、C/P、専門家等へのヒア リング) 3 22 日 水 PM 団員専門分野別調査(現地調査、C/P、専門家等へのヒア リング) AM 団員専門分野別調査(現地調査、C/P、専門家等へのヒア リング) 4 23 日 木 PM 団員専門分野別調査(現地調査、C/P、専門家等へのヒア リング) AM 日本側関係者との協議 5 24 日 金 PM INP との協議 AM ブカシ署視察、交番予定地視察 6 25 日 土 PM 資料整理 AM 無線システム(リピータ)視察 7 26 日 日 PM ミニッツ(案)協議 AM ミニッツ協議 8 27 日 月 PM ミニッツ協議 AM ミニッツ締結、大使館報告、JICA インドネシア事務所報 告 9 28 日 火 PM ジャカルタ発(JL716 便) 1.5 主要面談者 インドネシア国家警察(INP) Drs. Kadaryanto 副長官 Drs. James D Sitorus 計画開発担当次長 Drs. Sri Soegiarto ブカシ署長
Drs. Zallyusman 通信指令室 室長 Drs. Dudung Mustiadi 安全指導局緊急事態課 課長 Drs. Suprodjo 安全指導局企画計画課 課長 Drs. Hadiat Moko 人的資源開発局戦略捜査課 課長 Drs. Hendrawan 犯罪鑑識局企画計画課 課長 Drs. Tonny Ari ジャカルタ署開発計画室 室長 米国 司法省 Mr. Michael Duva 専門家 在インドネシア共和国日本大使館 飯村 豊 特命全権大使 第2章 インドネシアにおける治安状況と国家警察組織1 2.1 「イ」国における治安状況 「イ」国は民主化の途上にあるが、その政治・治安情勢にはまだまだ流動的な要素があ る。まず、多民族国家であることから、アチェ、パプア、マルク、ポソ、等の民族・地域 紛争を抱えている。また、様々な政治・宗教グループの中には、活動を先鋭化しつつある ものもあり、ジャカルタにおける一連の爆破事件や、対アルカイダ戦争に対する反対運動 なども発生している。これらに加えて、凶悪犯罪や一般犯罪も、窃盗、車両窃盗、傷害・ 暴行、強盗、違法薬物、放火、殺人、強姦、文書・紙幣偽造、少年犯罪、の順で多数発生 している。特に、麻薬犯罪や銃が関係した犯罪、また、窃盗のように金目当ての犯罪が近 年増加の一途を辿っている(前年比増加率は、麻薬犯罪 19%、銃に関係した犯罪 11%、強 盗 9%)。 2.2 国家警察の変遷と現状 2.2.1 国家警察の成り立ち INP の起源は、1945 年 8 月 17 日のインドネシア共和国独立後、オランダ及び日本占領時 代にあった警察組織を内務省下に置くことから始まった。翌 1946 年 7 月 1 日には、首相直 轄の組織として独立した。1965 年の 9.30 事件発生と 1966 年のスカルノ初代大統領からス ハルト第 2 大統領への政権移行を経て、1967 年には陸・海・空の 3 軍とともに、国軍司令 官の指揮下に置かれる「警察軍」となった。しかし、1997 年 5 月のスハルト政権崩壊後の
1 JICA 技術協力プロジェクト「市民警察活動促進プロジェクト」プロジェクト・ドキュメントより抜粋
民主化の流れの中で、1999 年 4 月の大統領令第 2 号により国軍から分離、さらに 2000 年 8 月の国民協議会決定第 6 号及び第 7 号により国防省からも分離され、大統領直轄の国家警 察となった。更に 2001 年 12 月には、INP の機能、機構等を規定する新警察法が制定された。 INP は、この新警察法に加えて、刑法、刑事訴訟法、国家緊急事態法などの関連法規にも従 って警察行政を執行することとなった。 INP のトップは国家警察長官であり、閣僚と同格の地位を有する。元首であり行政府の長 を兼ねる大統領は、国家警察長官に対する指揮命令権限を有している。国会は、大統領に よる国家警察長官の任免を承認する。政治・治安担当調整大臣は、国防(国軍)、治安(警 察)を含め政策の調整を行う権限を持つものとされており、INP に対して直接指揮命令する 権限を付与されたものではないものの、かかる政策調整権限は、実際においては各政府機 関に対し直接行使する形で運用されている。 また、INP と国軍との関係については、国家全体の安全にかかわる緊急事態が発生し、警 察力だけで対応できない場合には INP が国軍の支援を受けることができることとなってい る。また、国防にかかわる緊急事態の際は、国軍が中心となって対処し警察はこれを支援 する。こうした国軍との連携については、警察法及び緊急事態法に規定される一方、詳細 については政令で定めることとなっており、かかる政令は現在策定・協議中である。 なお、2002 年に設置された警察行政委員会の権限は、大統領に対し「助言」することで あり、国家警察に対する指揮命令権限や政策調整権限はない。政策の企画・立案に関して も、同委員会が企画・立案したものが当然に警察の政策となるわけではなく、大統領に対 する提案にとどまる。警察行政委員会は、議長、副議長、事務局長、及び 6 名の委員から 構成されるが、3 つの役職ポストには内務大臣、法務大臣、財務大臣が就任し、委員には専 門家・有識者・民衆の指導者的立場にある者が就任する方向で検討されており、議長は委 員の互選で選ばれることになる予定である。 INP は国家全体の警察行政を司っており、全ての警察官は国家警察長官の指揮下にあるが、 中央政府の地方分権化の基本方針に則り、一定の権限の州警察への移管を進めている。例 えば、地域警察署長の任命、少佐以下の職員の異動については、州警察に段階的に委譲す ることになる。また、下士官の採用も州警察が実施する。 他の法執行・治安維持にかかる他省庁・政府機関との関係については、INP と検察庁、国 家薬物取締局との間に若干の業務の重複が見られる。また、林野、税務、入国管理の各当 局は、それぞれの担当分野において第一次的な調査を行う権限を有している。国家人権委 員会も、人権侵害事案については第一次的な調査権を有している。 なお、準警察的とも言うべき組織等として、次のようなものがある。INP は、これら機関 の組織体制強化及び協力関係の構築が必要であると考えている。 ①SATPAM(警備員) 企業等の依頼で警備を行う民間の警備員であるが、警察がその育成を行っている。 ②Hansip(文民警護隊)
選挙や災害の際に動員され、治安維持等を担う公的組織であり、地方政府から予算が出 ている。地域コミュニティーの安全を図る近隣自警システムの中核を担う。 ③Polisi Pamongpradja(自治体警察) 自治体に雇用される小規模の準警察的組織 2.2.2 INP の組織 INP における警察官総数は 254,448 人(士官 26,151 名、下士官 184,528 名、警卒 43, 769 名)で、うち女性の占める割合は 3%である。警察官の人数は、広大な国土、2 億人を 超える人口を考慮すると決して十分な数とは言えず、INP では今後 5 年間で約 9 万人の増員 を計画している(一般職員は半減を予定)。現在、警察官 1 人当たりの負担人口は 878 人と なっているが、INP ではこれを 2004 年までに 600 人台にすべく計画中である(なお、フィ リピンでは 440 人、タイ 660 人、日本 550 人、欧州諸国 300∼400 人となっている)。 INP の組織概要は、概ね以下の通りとなっている。 ①INP 本部(ジャカルタ)POLDA 長官は、ダイ・バクティアル警察大将で、2001 年 11 月就任。長官の下に、主席監察官、 次官代理、専門スタッフ調整官、次官 3 名(オペレーション、人事、ロジ担当)、刑事局長、 公安局長、地域安全局長、機動隊等が置かれ、それぞれの下に各部局が置かれている(2002 年 7 月の組織改編による)。 ②地方組織 原則として、26 の各州に州警察本部が置かれ(北マルク、バンテン、ゴロンタロ、バン カ・ブリトゥンの各州は警察本部が未設置のため分離前に属していた各州に置かれている 警察本部が管轄)、この州警察本部の下には、307 の地域警察署(POLWIL)、都市警察署 (POLTABES)、警察署(POLRES、 POLRESTA、 POLRES METRO)等が置かれ、さらにその下に 3,402 の警察分署(POLSEK、POLSEKTA、 POLSEK METRO)、その下に 1,987 の警察ポスト(日本で
いう派出所)(POS POLISI)が設置されている(数は 2002 年 5 月現在)。 ③機能 捜査、制服警察の役割は、日本警察と大きく変わるものではない。日常のパトロール、 警備や初動対応を担当しているのは全警官の 25%を占める制服警察官(約 6 万人)である。 地域警察(約 1 万人)は、住民指導とも言うべき役割を担っており、その任務は、地方議 員の議会活動監視から麻薬患者の更正まで多岐に及ぶ。警備部門については、機動隊(約 3 万人)、及び上述の制服警察官が配備されているものの、質量とも十分ではなく、大規模な 暴動の鎮圧の際には、陸軍の大規模な支援を得て行っているのが実情である。また、警護 についても大臣クラスの来訪の警護は警察が担当するが、国賓、公賓級は大統領警護隊及 び国軍戦略情報庁が担当している。情報部門についても、INP 本部から各警察署にいたるま で独自の情報部員を有するものの、国軍戦略情報庁を中心とする国軍に比べ、情報収集力、 分析力は不足している。交通警察については、交通取締のみを担当しており、交通管制、
規制等の多くは、運輸省及び州政府が担当している。 ④予算 予算は全て国家予算であり、経常予算と開発予算の2つに大別される。前者は人件費、 一般管理費、通常の警察活動に係る経常的経費であり、後者は施設建設費や人材育成費な どから成る。 2.2 基本方針 2.3.1 開発に関する基本方針 ① 1999 年 10 月 19 日、国民協議会は、「国策大綱 1999-2004」を策定し、これを受けて 2000 年 11 月 20 日、同大綱を 5 ヵ年の計画として具体化した「国家開発計画」が策定さ れた。同計画では、「民主主義、法の優越、グッドガバナンスの促進により不満が減少 し、コミュニティーに平和と秩序の雰囲気を回復させる。安全と秩序の回復は、国内外 からの信頼回復の前提であり、国家経済の回復に絶対必要なものである。」旨述べられ ている。 2.3.2 治安問題に関する基本方針 開発の第 1 優先事項である「民主的な政治システムの構築及び国家統一・統合の維持」 のため、防衛・安全保障に関する様々な政策やプログラムが形成されている。「国家開発計 画」は、そのポイントとして以下の諸点を掲げている。 ・ 専門能力の向上 ・ 教育、心構え、心理的・社会的・文化的アプローチ ・ 人員、物資、施設の工場 ・ 法制度整備と組織改革 ・ 他の機能の構築(①犯罪捜査技術の向上、②他の機関との調整・協力の推進、③指揮・ 監督の推進、④教育訓練分野の援助、⑤管理、手続きの構築) ・ 十分な支援能力の構築(警察研究所、国家薬物取締局、国家警察機構、犯罪情報センタ ー、鑑識センター) ・ 治安維持に関する警察と国軍の協力(法規則の整備、インフラ整備、国軍により警察支 援に関する調整) また、第 2 優先事項である「法による統治及びグッドガバナンス」は、①法規則の整備、 ②司法機関及び他の法執行機関の能力向上、③汚職及び人権侵害の解消、④法の意識・法 の文化の確立、を通じて実現されるものとされている。 さらに、国軍からの段階的分離に伴い警察が組織として自立すること、及び地方自治の 拡大に伴い地域コミュニティーの安全に関して国家的法執行機関としてプロフェッショナ リズムの向上を続けることが、政策の方向性として「国策大綱」に示されている。
第 3 章 プロジェクトの概要
3.1 要請の背景 INP に対する大統領や議会の理解は深く、予算も 2001 年以降、毎年大幅に増額され、装 備や車両、警察関連施設なども目に見えて充実してきている。しかし、まだ、全体として は組織内インフラが未整備の状況にあり、末端の警察官に必要な機材が十分に行き渡って いる状態からは程遠い2。 このような中、「国家警察改革支援プログラム」のコンポーネントの1つとして、市民か らの要望に迅速に応え、市民からの要望に誠実に応えることを通じ、INP が市民からの基本 的信頼と支援を得られるようになることを目標とした、技プロ「市民警察活動促進プロジ ェクト」が 2002 年 8 月から開始された。同技プロは、首都ジャカルタ東部に位置し、人口 約 330 万人の地域を管轄するブカシ署をモデル警察署として選定して各種技術移転を行う こととなった。 INP は、この技プロにおける技術移転活動を更に円滑に行いかつ効果的・効率的なものと するためには、わが国による施設、機材面での支援が必要であるとし、技術移転活動に必 要な施設の建設及び機材の調達にかかる無償資金協力を要請した。 3.2 要請内容 3.2.1 無償資金協力に対する要請内容 (1)要請機関:インドネシア国家警察(INP) (2)実施機関:インドネシア国家警察(INP) (3)要請内容:INP の組織と活動、機能向上に必要な施設及び機材等の整備 ・ 施設建設: 交番建屋9箇所(ブカシ警察署管内) ・ 機材調達: 【プログラム関連】 ① 薬物対策関連機材(薬物簡易鑑定キット、尿検査キット、関連機材) 【プロジェクト関連】 ①無線及び有線関連機器(基地局無線、リピータ設備、携帯無線機、 車載無線機、発動発電機、多重無線)、 ② 現場鑑識セット(指紋採取セット、血液鑑定機材セット、写真撮影セ ット、写真現像セット) 3.2.2 技プロにて検討された無線通信網の整備計画 (1)ジャカルタ−ブカシ間、ブカシ署管内における無線通信網 ①周波帯数 現在 INP にて運用している 170MHz 帯トランキングシステムについては妨害及び混信等が2 警察學論集第 56 巻第 10 号「インドネシア国家警察改革支援−あわてず、あせらず、あてにせず。しか して、あきずに、あきらめず。−」
多い。また、インドネシアの通信(郵便・電話)総局の周波数課から、今後警察は 800MHz 帯を使用することを指導されている。このような理由から、170MHz 帯トランキングシステ ムを INP は今後廃止し、800MHz 帯トランキングシステムへ移行することを計画している。 このため、技プロでは、ブカシ署管内における新しい無線通信網を構築する際にも、800MHz 帯無線通信網を新しく構築する方向にて検討すべきとしている。 ②無線中継所の機能回復 以前は 3 ヶ所の無線中継所が存在したが、その後通話用中継装置を保有している中継所 は減少し、現在では BEJ タワー中継所の 1 箇所のみとなっている。このため、ジャカルタ 東部にあるブカシ署管内においては、通話状況が送受信共に悪い地域が存在する。よって、 技プロでは、通話用中継装置を所有していない中継所に、新たに同装置を整備し、ブカシ 署管内の不感地帯を解消する必要があるとしている。 3.3 要請内容の確認結果 現地における協議を通じ、整理された要請内容は下記のとおりである。 (1) 交番セット 内容 数量/備考 交番建屋 9 箇所(12 箇所計画中、3 箇所は技プロにて建設) 交番用車両 4輪車 9 台(1 箇所 1 台。車載無線機、GPS 端末を搭載)、2輪車 18 台 無線等他資機材 無線受信機 45 台、Fax9 台(1箇所1台) 交番施設について、INP では、ブカシ署管内の 22 分署のうち、①警察官 35 名以上が配置 されており、②現行の定員で交番勤務者を捻出できる、という二つの条件を満たす分署が 12 分署あり、それぞれの管内に1箇所ずつ、合計 12 箇所のモデル交番施設を建設する計画 を有している。この 12 箇所のうち、3 箇所については技プロにより建設する予定であると ころ、残りの 9 箇所の建設について無償資金協力を要請している。 また、各モデル交番では、交番の受け持ち管内の警戒、警邏、巡回、事件・事故取り扱 い等の業務が実施されるが、その上で機動力確保の確保が必須となる。そのためには、専 用車両を配備する必要があると認められ、なおかつこの車両には、車載無線機、GPS 端末を 搭載する必要がある。また、この車両には、悪路を走破できる性能と耐久性が必要とされ る。 また、ブカシ署が所轄地域内の市民の要望に迅速、的確に対応する上で、また、組織的 な対応を行う上で、警察署−分署−交番−交番勤務員(交番車両含む)の通信指令系統の 構築が必須となっているなか、各交番には、無線機材も設置する必要がある。なお、この 交番用無線機材の仕様については、ジャカルタ警視庁、ブカシ署で使用中の資機材との整 合性が必要である。特に、現在ジャカルタ警視庁が進めている無線通信網整備計画の内容
を確認しておく必要がある。 (2) 無線通信網整備 内容 数量/備考 中継局整備(リピ ーター) ①既存システムの修復(CIKARANG 中継所への中継機の設置) ②局舎及び鉄塔の補修 ③ブカシ署通信指令室の整備 携帯用無線機 携帯無線機 500 台、無線受信機用スピーカー500 台、車載無線 80 台、 無線中継機 2 台、ジェネレーター1 台、UPS1 台、配電器 1 台、バッテ リー1 台、コントローラー1 台、リピータ 1 台、チャンネルバンク 1 台、 予備品(モジュール)1 セット、試験機材 1 台、プログラムキット・マ ニュアル 1 冊、マイクロ波中継装置 1 台 現在ジャカルタ警視庁は、上述の通り無線通信網整備計画を進めており、現在の BEJ タ ワー、Mandiri の 2 中継所の他に、CIKARANG 中継所に中継機を整備することを計画してい る。ブカシ署管内の不感地帯を解消するためには、CIKARANG 中継所の整備が必須であると 言える。 なお、要請には含まれていないものの、この CIKARANG 中継所(無線中継局)には、シス テムを保守していく上で必要となる測定器類が配備されておらず、機材を整備したとして もその十分な維持管理が困難な状況にあることから、周波数カウンター、VSWR(Voltage Standing Wave Rate)計、予備用中継装置及び携帯無線機、各種測定用ケーブル、Tカップ ラ、方向性結合器、工具類等の測定器も協力の対象とすることも検討する。 また、警察官が自主的な判断で市民警察活動を推進していく上で、携帯用無線機は必須 の道具となっている。より多くの警察官に無線機を持たせることにより、迅速かつ組織的 な対応が可能となる。同様に各警察官が所持する携帯用無線機についても、既存のシステ ムとの整合性を図る必要がある。 (3) 鑑識分野 内容 数量/備考 現場鑑識機材 現場鑑識指紋採取セット 3 セット、特殊指紋採取セット 3 セット、写 真撮影セット 3 セット、写真現像機 1 台、写真焼付機(カラー)1 台、 写真撮影・現像関連薬剤等 1 セット、インスタントプリントシステム 1 式 カラー写真ラボ 1 日 50∼200 本の現像処理、焼付能力 インスタントプリ ントシステム A4 サイズへの拡大写真画質が確保されるレベルのもの INP 本部、ブカシ署には現場鑑識キット、写真撮影キットが各1セット配布されている。
本計画の要請機材の配布先(現場鑑識機材)については、ブカシ署をモデルとしたコピー 警察署に配布する予定である。また、ブカシ署には、米国から鑑識車 2 台を含めた鑑識活 動セットが配布されている。鑑識の装備資機材は、INP 本部鑑識課から定期的に各州警察本 部及び警察署に配布されることとなっているが、実際には配布されておらず、機材が不足 している。 カラーラボについて言えば、INP 全体の写真を集中管理することが予定されているジャカ ルタ警視庁鑑識課にはカラーフィルムを現像・焼付けする機材が配備されておらず、カラ ーフィルムで現場を撮影した場合、各所属部署において民間の DP ショップで現像・焼付を している状況で、情報漏洩、人権等の問題発生につながる恐れもあることから、整備が必 須となっている。 (4) 薬物対策分野(薬物鑑定試薬等) 内容 数量/備考 鑑定機材 麻薬初動捜査鑑定キット 250 セット、麻薬鑑定機材(試薬)500 セット、 覚せい剤尿検査キット 250 セット、中和用薬剤 250 セット、反応プレ ート 250 関連機材 冷蔵庫(試薬保管用)250 台、保冷剤 750、緩衝材(試薬保管用)250、 備品 ラテックス・グローブ 250、証拠保管用ビニール袋 250、懐中電灯 250 台、カメラ 250 台 薬物簡易鑑定は、薬物捜査の基本であるが、「イ」国の現状としては、簡易鑑定機材の絶 対数が不足しており、第一線薬物捜査員が日常において薬物簡易鑑定を実施できる状況に はない。よって、薬物鑑定試薬等からなる簡易鑑定キットを配布し、またその補充を継続 するための方策の確立と予算の確保が重要な課題となっている。 現 有 機 材 と し て は 、 自 国 方 式 の 鑑 定 機 材 、 米 国 司 法 省 DEA(Drug Enforcement Administration)方式の薬物簡易鑑定機材、ドイツ警察の供与による薬物簡易鑑定機材、日 本式の薬物簡易鑑定機材が混在している状況にある。その中で将来における継続使用の可 能性を重視した場合、自国方式の薬物簡易鑑定機材を中心に配備を進めることが最も効率 的と思われる。 仕様については、薬物簡易鑑定に用いられる簡易試薬については、世界的なスタンダー ドが確立されており、その条件を満たす必要がある。現行の自国方式の薬物簡易鑑定機材 に含まれる簡易試薬の殆どがその条件を満たしていることから、自国方式で対処可能と判 断される。ただし、簡易鑑定機材に使用されている試薬を組成している化学薬品は、経年 変化、温度変化があることから、これら変化による反応の劣化を最小限にとどめるため、 試薬の保管に関しては冷蔵庫によることが原則である。このため、試薬の配布と同時に保 管用冷蔵庫が必要となる。本計画の要請機材の配布先は全国の州警察レベルが想定されて
いる。 第 4 章 調査結果概要 4.1 警察改革支援の必要性 4.1.1「イ」国における警察改革の現状 1999 年 4 月に国軍からの分離プロセスとともに始まった警察改革の柱は、①警察装備 (equipment)、②警察組織(structure)、③警察文化(culture)の 3 点であり、いずれの 課題も具体的な効果が出るには長期的な努力を要するものである。①については、2002 年 の治安関係予算が 40%アップされ(未だ十分ではないとされている)、また、②については 大幅な増員と組織改編(2001 年 4 月)が行われるなど、具体的な制度整備、教育訓練によ る変革等の政策が実行に移されつつある。③の警察文化の改革については、「軍」的な色彩 をできるだけ排除するために階級名が変更され、また、市民警察への移行、「汚職、癒着、 縁故主義」の追放等をスローガンに現場レベルでも様々な努力がなされている。 4.1.2 警察改革への日本の支援 近年、「良い統治(Good Governance)」分野における国際協力が新たな潮流となっている という背景から、我が国のこの分野における草分け的プログラムとして、「国家警察改革支 援プログラム」に対する大きな期待が寄せられている。加えて、関係各国からも厚い注目 を集めており、民主化の流れの中の警察改革は、より良い統治の達成のための諸過程の一 つとして重要な位置を占めている。特に、警察の民主化、市民の信頼回復は喫緊の課題で あり、「幾ら警察に通報しても来てくれない」、「警察に事件を通報して捜査してもらうと金 をせびられる」などといった、かつてのマイナスのイメージが定着している「イ」警察を、 根本的に変えていくためには、迅速かつ誠実な対応が重要なものとなってくる。 一方で、これまで、我が国は警察等の治安機関に対する ODA による支援は、同機関の公 権力の行使又は濫用により、個人の基本的人権の侵害につながる可能性を完全に排除でき ないことから、抑制的に対応してきた経緯がある。しかし、今後、途上国における民主化 支援を行っていく上で、上記の懸念を配慮しつつガバナンス(グッドガバナンス)強化に つながる警察支援を積極的に検討していく必要がある。実際の支援を実施するか否かにつ いては、当該支援が、公権力の行使又は濫用による基本的人権の侵害発生につながり得る かについて、個々の案件毎に検討していくこととなっており、本予備調査においてもこの 点を確認することとした。 現地での調査の結果、「イ」国における INP の国軍から分離というプロセスが逆行するこ とは考えがたく、この点は、ヒアリングを行った米国司法省の専門家も同様の意見を有し ていた。また、INP 本部の幹部は、アチェ紛争やバリ島を始めとする爆弾テロの発生といっ
4 技プロ派遣短期専門家(出宮良平氏)「総合報告書(薬物簡易鑑定技術)」より抜粋
た渦中にあっても、民主警察化の推進姿勢を崩しておらず、この流れは付加逆なものと認 められた。また、ミニッツにおいてもイ側が被供与機材の人権侵害等の違法な活動への使 用を行わないことを記載し、イ側はこれを確約した。 4.2 交番施設(建屋、周辺装備) 技プロの活動における「組織運営」及び「通信指令」分野の活動においては、交番制度 の導入が非常に有効な手段とされ、当該制度の導入により、警察署−分署−交番という縦 の指揮命令系統の確立と、警察署運営の最小単位である交番内のマネージメント力の強化 が期待されている。 技プロにおいては、典型的なモデル交番を建設すべく、ブカシの中心部、商業地域、旧 来の住宅地の 3 箇所の交番整備が計画されており、そのうち 2 箇所については、既に建設 用地が確保されていた。 本予備調査においては、その交番施設の必要性、先方負担とせず無償資金協力により建 設することの妥当性、技プロで計画されている交番建屋の建築物としての構造や仕様を確 認することとした。 現地調査の結果、「イ」国には、警察官立寄所として、市民や企業からの提供により建設 された「ポスポリシ」と呼ばれる交番に近い建物が存在しており、市民からの警察力配置 の要望を確認することができた。しかし、このポスポリシは市民や企業からの財の提供に より建設されており、その建物を建設することのできる財力を有する市民や企業がある地 域に偏る傾向があり、また、提供者との関係が発生することにより、公平な警察活動に支 障を及ぼす可能性があることも確認された。 技プロで建設される交番建屋については、平面図からそのコンセプトをうかがい知るこ とができた。 4.3 無線機材 技プロのサイトであるブカシ署では、通信指令体制を改善し、市民警察活動促進に資す ることが期待されているものの、現状は、管内における無線通信網は不感地帯が多数存在 し、また使用する無線機の絶対数も不足している。市民の要望に迅速・的確に応え、かつ 組織的な対応を行うためには無線通信網の整備が不可欠、かつ喫緊の課題となっている。 本予備調査においては、技プロにて無線の専門家が派遣されていることから、同専門家 の報告を参考としつつ、ブカシ署管内の無線通信の現状、ジャカルタ本庁との連絡体制等 を調査することとした。特に、ブカシ署管内の無線通信網計画に基づき、無線機材の種類 (固定、中継、車載、携帯)、数量、使用周波数、電力供給形態、中継局の位置、想定され る無線トラフィックの度合い等を確認することとした。 現地でのヒアリング等による結果、全国警察通信ネットワークが専用回線により整備さ れていること、警察庁が全国通信指令のための警察無線ガイドラインを作成していること、
ブカシ署に配置する為に要請されている無線通信システムは、電波が届かない地域をカバ ーするためのリピータ設備と警官が携行する無線機であることが分かった。 一方、現地で使用されている無線システムは、特定の機材を中心としたシステム構成と なっており、基本設計にあたっては、既存システムとの互換性のあるシステムを考慮する 必要がある。 整備する無線システムの検討にあたっては、スタンドアローン(他のシステムと接続せ ず使用する形態)で運用することを目的とした Single Site 構成とワイドエリアで運用す
ることを目的とした Multi Site 構成の2通りが考えられ、今回の調査では、「イ」側は Multi
Site 構成を採用する、との方針が確認された。 無線システムを支える無線鉄塔、局舎については、建設以来、メンテナンスが何もされ ておらず、痛みが激しいことから塗装や部材の欠落の補修の必要があることが確認された。 4.4 現場鑑識機材 市民警察活動の推進を目的とした現場鑑識の技術移転が技プロにおいて実施されており、 遺留した証拠を地道に採取する活動を被害者や一般市民の目の前に展開することにより、 事件解決に向けた被害者や市民の期待を高め、現場鑑識活動で得たデータが人権にも配慮 した科学的な捜査活動に活かされることが期待されている。一方で、鑑識活動を推進する ために必要となる基本的な機材が不足しているのが現状である。 本予備調査においては、鑑識の基本方針、鑑識を必要とする犯罪の発生状況と鑑識活動 状況、鑑識担当者の技術力等を確認することとした。無線機材同様、技プロの専門家が派 遣されていることから、専門家による報告と現地での現状を踏まえ、要請されている機材 の妥当性と数量の絞込みに必要な基礎的なデータを収集することとした。 鑑識業務については、INP 本部鑑識課が各州警察本部鑑識課を指導管理し、各州警察本部 鑑識課は管下の各警察署鑑識係を指導管理している。 鑑識業務はあまり重要視されていないためか、捜査に比べると評価が低い。これは、犯 罪捜査で得られて証拠資料(指紋、足跡等)が捜査に活用されていないこと、また、公判 においても証拠資料が重要視されず、自供を中心とした捜査が行われていることにある。 カラーラボが要請されている背景には、現在、INP にはカラーフィルムを現像・焼付する 機材を配備していない現状がある。カラーフィルムで現場を撮影した場合、各所属におい て街のDPショップで現像・焼付をしている状況である。なお、白黒フィルムの現像・焼 付機材(手動式)については配備されている。 要請されている現場鑑識指紋セットについては、現在、ブカシ署において現場鑑識の強 化のため機材供与及び専門家によるセミナー等を実施し、事案発生時に警察官が現場に急 行し、遺留した証拠を地道に採取する活動を被害者や一般市民の面前で展開することによ って、事件解決に向けた被害者や市民の期待を高める成果が出ており、現場鑑識活動で得 たデータが人権にも配意した捜査活動に活かされているなど、技術移転が進んでいる。加
えて、現場証拠から被疑者を割り出すなど、その鑑識業務の重要性をも理解し始めている。 しかし、その技術移転は未だブカシ署範囲内のみであり、その浸透は広範囲のものではな い。 技プロでは、ジャカルタ警視庁本部、ブカシ署には現場鑑識キット、写真撮影キットが 各1セット配布されている。また、ブカシ署には、米国から鑑識車2台を含め鑑識活動セ ットが配布されている。 なお、鑑識の装備資機材は、INP 本部鑑識課から定期的に各州警察本部及び警察署に配付 されることとなっているが、実際には配布されておらず、機材不足であるのが現状であり、 鑑識活動が出来ない状態である。 現場鑑識機材の内容については、ブカシ警察を見ると日本警察と比較して鑑識資機材は 本部(警視庁、県本部)と警察署の中間クラス、分析機器は日本警察科捜研が使用するよ うな資機材が供与され、アンバランスな現状にある。 現在、ブカシ署鑑識課に配分される年間予算は 40,000,000 ルピア(約 60 万円)であ り、これらの使用用途は、写真の現像費等に合わせ捜査費や庁舎管理費など、鑑識課運営 の全てが含まれている。ブカシ署鑑識課の月予算は署から 1,000,000 ルピア(約 1 万 5, 0000 円)、無犯罪証明(市民が就職等をする際に必要となる証明書)収入で 2,000,000 ル ピア(約 3 万円)であり、これらの予算から、現場写真フィルム・現像・焼付及び嘱託員 の給与、課運営費を捻出している状況である。 4.5 薬物鑑定機材4 現在、INP においては①米国司法省「薬物取締局」式の簡易鑑定機材、②過去に行われた 独国による援助の際に供与されて簡易鑑定機材、③日本からの専門家により紹介された日 本式の簡易鑑定機材、④INP の自主調達による簡易鑑定機材、の 4 種類が混在していること に加え、必要数に足りなく、その使用方法も異なる。 INP 本部の下には、30 の州警察本部があり、各州警察本部の管轄下に警察署が配置され ている。この INP 本部から警察署までの所属総数は、現在 354 あり、2004 年度には警察署 の増設が計画されていることから、373 所属になる予定である。 INP において用いられている薬物簡易鑑定機材について、現在の自主調達可能数につき過 去の実績から調査したところ、2001 年度に 100 セット、2002 年度に 75 セット、2003 年度 には予算措置がつかなかったため、0 セットとなっていた。試薬選定担当者に対する聞き取 り調査においても、自己予算による単年度の最大投入可能数は 100 セットとなっている。 現在、使用可能な薬物簡易鑑定機材は約 50 個であり、薬物対策課において使用している が、試薬の保存状態が非常に悪く、適正な簡易鑑定ができる機材については、更に少ない 個数であると思われる。 薬物対策課の年間予算は、300,000,000 ルピア(約 450 万円)であり、これには捜査員 等の人権費は含まれていない。
INP 薬物対策課には薬物対策に関する総合的な薬物犯罪捜査に関する総合的な施策を策 定し実施に移すための捜査係があり、当国の薬物取締法令である「麻薬法」及び「向精神 薬法」に基づき、それぞれ「麻薬対策係」、「向精神薬対策係」の2つの係が設置されてお り、それぞれに2つの捜査班があるが、これら4班による捜査費や、庁舎管理費等につい ても同予算から支出されている。 INP では薬物簡易鑑定機材は存在するものの、他国からの供与分と INP よる自主調達分を 合わせても、第一線現場の使用に全く不足する数しかなく、実際は、現場での適切な簡易 鑑定が行われず、薬物の所持や使用について被疑者(容疑者)の自供が身柄拘束の理由と なっている場合が多い。 ジャカルタ警視庁管内の警察署を例に見ると、薬物簡易鑑定機材の配置がない警察署に おいて、その必要が生じた場合はジャカルタ警視庁、あるいは INP 本部まで容疑物件を搬 送して鑑定している現状で、夜間等、その実施が困難な場合は警察署の捜査官の判断によ り、法令に基づいた逮捕前拘束が行われているが、その身柄拘束は薬物の外観や被疑者の 自供に頼っているのが実状であり、地方の州警察については更に厳しい現状である。 4.5.2. 薬物対策分野における携帯無線機の必要性 現在、日常の捜査において捜査員の相互連絡、捜査主任等の指揮官への報告等には、個々 の捜査員が自費で購入した携帯電話が用いられていることから、捜査経済の点でも大きな 予算負担項目となっている。携帯電話はあくまでも一対一の相互通話しかできず、いわば 点と点を結ぶ情報だけであり、無線機のように同報性がないため、実際の捜査において必 要とされる面としての警察力が有効に活用されていないと言える。 現在、ジャカルタ警視庁管内において無線系の整備が進められているが、薬物対策にお いても首都圏であるジャカルタ警視庁管内での事件捜査は常に行われている現状であり、 捜査の実効性を挙げるために携帯型無線機の供与が必要となっている。薬物対策課として 現在、最低限必要とする携帯型無線機の数は、4 班各 5 名の捜査員用(20 台)、薬物対策課 長等の幹部用(5 台)、応援捜査員等の連絡用(5 台)の計 30 台のみである。 4.5.3 薬物鑑定機材への他国の協力 INP においては、薬物簡易鑑定の機材を自己調達ベースで調達しているものの、機材の普 及事態が一般化していないこともあり、捜査上の意義や価値の認識が徹底されていない現 状がある。これに対し、約5年前にドイツから INP 薬物対策分野に対し、薬物簡易鑑定機 材を含む資機材の供与が行われ、また、米国司法省 DEA による合同捜査が「イ」国内で頻 繁に行われていることもあり、不定期ではあるが DEA 方式の薬物簡易鑑定機材の供給があ る。
第 5 章 基本設計調査に際し考慮すべき事項 5.1 総論 本予備調査においては、INP 関係者、ジャカルタ警視庁及びブカシ署関係者との協議、並 びに現場視察を行った。その結果、ブカシ署を中心とする日本の技プロの活動状況につい ても確認することができた。 「国家警察改革支援プログラム」は INP の組織全体の機能強化及び改善を進めるべく諸々 の活動を行っているが、特に、技プロに関連して、1)市民警察の中枢としての日本の交 番システムの現地適用、2)証拠中心の捜査技術の強化を目的とした現場鑑識技術の向上 及び実施改善、並びに個別専門家(薬物対策)派遣により、3)対象地域のニーズの高い 薬物対策、を重点においている。しかしながら、これらの各領域の技術協力にとって不可 欠なインフラとして、指令系統の改善強化、物的には無線網の整備が大きな課題として存 在している。 ブカシ署管内の無線網は既存のシステムを有しているものの、国軍からの分離後間もな いこと、首都圏近郊地域であることから周波数帯の混信があること、不感帯を抱えている 等、改革を進める際の障害となっている。 したがって、本計画の対象として、無線網の整備、交番システムの試行的導入のための 施設整備は、技術協力の取り組みと平行して供与されることにより効果が確保されるもの であることが分かった。 特に、署内警察官に対する無線機の配備は、指揮命令系統の強化を図ることにより、署 員の活動の改善・強化が図られることが期待される他、限られた人員による警察活動の効 率化に資する面も大きいと思われる。 警察活動における人権侵害の懸念については、「イ」国においても、従来の経緯からみて 存在することは想像される。しかしながら、先述のとおり、国軍と警察との分離というこ と自体が、警察は従来の体制から市民警察への転換を行わざるを得ない不可逆のプロセス と認識されている(米司法省の専門家による同様の見解についても既に述べたとおり)。 個々の活動に関し、今後の改革プロセスにおいて絶対的に人権侵害がないとは断定できな いが、少なくとも先方は方向性としては民主警察の側面を強化する方針を有しており、そ れに対して日本の技術協力も長期的展望のもとに実施されている以上、積極的な協力を通 じてそのような懸念を払拭する方向性で実施することが妥当と考えられる。 5.2 運営面:技術協力プロジェクトとの連携 2002 年 8 月 1 日から開始された技プロ「市民警察活動促進プロジェクト」は、通信指令 及び現場鑑識両分野における「イ」側パフォーマンス改善を目指しており、ブカシ署をモ デル警察署として指定し、同警察署の通信指令及び現場鑑識の両分野に日本の警察官を専 門家として配置している。また、「国家警察改革支援」プログラムにおいては、「政策アド バイザー」として INP 長官のカウンターパートとして派遣しており、INP 全体の質的改善を
目指している。また、バリ州警察本部長アドバイザー、薬物対策分野の専門家が派遣され ている。 その他、国別特設研修を実施し、日本警察の制度、犯罪情勢、刑事手続きに関する概要 のみならず、本邦研修にて、警察署をベースとして、日本の警察官が日常的に行っている 地道な警察活動を見聞・体験させる工夫もしており、帰国研修員はモデル警察署であるブ カシ署に戦略的に配置するなどの措置が採られている。 先述のとおり、プログラムは派遣されている複数の専門家やプロジェクトを核とし、ブ カシ署をモデル警察署として機能させるべく、様々な取り組みがなされている。その一つ が交番制度の導入であり、ブカシ署管内 22 分署のうち、12 分署管区がモデル交番として機 能させるべく選定された。12 箇所としたのは、現在派遣されている専門家 3 名の目の行き 届く範囲ということからその規模が設定された。そのうちの 3 箇所については技プロにて 建設(中心部、商業地区、住宅地区の 3 箇所。そのうち 2 箇所は 2004 年 4 月上旬完成予定) がなされる予定である。 本計画においては、この技プロの進捗との整合性を採りながら、その活動を補完するこ とが期待されている。特に、交番制度の定着には、交番建屋に加え、交番が適切に機能す るためのインフラ(4 輪車、2 輪車、無線機等)整備が重要な要素となっている。 また、要請されている薬物鑑定機材、現場鑑識機材、無線通信網関連機材についても、 整備規模が専門家の活動を補完する「研修用機材」としてごく限られた数量が供与される のみであり、INP 全体の警察システムの抜本的改善にはつながっていない。本計画において、 これら改善のための機材整備は必須であり、民主的かつ迅速な警察活動に欠かせない協力 であると言える。 技プロとの連携において特に重要と思われる事項は下記の2つであると考えられる。 (1)交番建屋 既に述べたように、技プロにて 3 箇所(既に着工手続きが進められているのは 2 箇所) の建屋建設が計画されている。建設にあたっては、設計から施工までを現地のコンサルタ ント、施工業者により行っている。設計段階では、現地コンサルタントを選定し、INP に派 遣されている警察の専門家も含め、その仕様等について協議をし、設計を行った。この設 計に基づき、施工業者を公募し、工事契約を締結した。 これに対し、現行の無償のシステムにおいては、基本設計調査において、実際の交番建 屋の設計を改めて行うことになるが、比較的簡易な構造物であることから、詳細設計レベ ルの図面について「イ」側と合意することが期待される。この設計においては、技プロで 建設された建屋の設計が参考になると共に、基本設計調査においてその持つべき機能を明 らかにし、併せてその活用状況を確認する必要があると思われる。 (2)通信網 無線システムの再構築に必要となる施設機材の整備に関しては、無償資金協力により対 応することになるが、技プロと比較して、本計画の協力範囲(ハード面)が多岐にわたっ
ていることから、無償の協力範囲を検討する際には、技プロにおける技術協力の範囲とそ の内容、既存機材との互換性を重視した仕様の策定等について、詳細なすりあわせが必要 である。 5.3 施設建設:ローカルコントラクターの活用 技プロにて、現地施工業者(ローカルコントラクター)を活用する計画もあり、本予備 調査において、下記の想定される施工体制毎に建設費の試算を行った。比較表は別添 4 の とおりであり、下記 4 通りで比較した。 ①ローカルコントラクターにより建設 ②資機材を日本が供与し、建設はローカルコントラクターもしくは地域住民が行う ③ローカルコントラクターが建設し、日本人コンサルタントがスポットで監理する ④通常の無償資金協力の方式(日本のコンサルタント+日本のコントラクター) ①の方式の懸念される点は、品質管理と工期であり、②の方式では労働力の確保と工期 が不安とされる。これに対し、③の方式では日本人が監理することにより、最低限の品質 は確保され、工期も守られることが期待される。④の方式では、品質は高いが建設費も高 くなる、という面がある。 建物規模からすると、日本のコントラクターが建設しなくとも、現地の施工能力の高さ から日本のコンサルタントによるスポット監理で十分品質も工期も確保されると判断され る。 実際の本体工事においては、日本のコンサルタントが基本設計調査において作成した詳 細設計図面を元に、現地コントラクターを入札により選定するという一種の CM(コンストラ クションマネージメント)方式のような形になると想定され、従来の無償資金協力の仕組み とは異なるため、その効果、実現可能性については十分検討が必要かと思われる。 5.4 機材計画 5.4.1 無線通信システム 先に述べたように、ジャカルタ圏においては現在2つの周波帯(800MHz 帯、170MHz 帯) を併用しており、今後は 800MHz 帯無線通信網を新しく構築する方向で進んでいる。また、 現有無線機材のほとんどが特定社製品であり、「イ」側は同社のトランキングシステムの導 入を強く希望している。背景としては、ジャカルタ警視庁本部(POLDA)の整備計画が同社 のトランキングシステムを基にしているものであり、今後策定される将来計画も同システ ムを使用すると想定されることが挙げられる。 基本設計調査においてはこうした要望を考慮する一方、既存システムと互換性のあるシ ステムを考慮する必要があるが、入札における競争性の確保の観点から、不必要に銘柄指 定や独占的価格になることは避けるべきであると言える。
また、採用するシステム構成(Single Site か Multi Site)の選択については、「イ」側 の今後の計画と照らし合わせ、どちらのシステムを採用することが妥当であるのか、再度
検討する必要があると言える。 5.4.2 現場鑑識関連機材 INP においては、現在の写真現像体制では、保秘を原則とする警察業務・情報が、公衆に 漏えいしかねない状況下であり、これまでも現場から写真が警察当局に届く前に、新聞等 のメディアにその証拠写真が流れてしまう事例がいくつも発生している。これは証拠保全 及び人権の侵害等、被害者や市民感情を考慮すると極めて重大な問題となっている。 これらの状況が INP の各所属で発生していることからも、ジャカルタ警視庁にカラーラ ボを配備することにより、写真現像・焼付・ネガフィルム管理の一元化を目指し、早期の 技術移転・機材供与をすることが望ましいと考える。 また、現場鑑識指紋セットについては、現在、ブカシ署の進捗状況から、INP 長官である ダイ・バクティアル長官から出たアイデアにより、自助努力でジャワ島内の3州にそれぞ れ一箇所モデル警察署を定め、現場鑑識技術の重要性を伝える準備をしているところであ り、要請機材はこのコピー3警察署に配備される予定となっている。 これらの状況から適正な数量の現場鑑識指紋セットの配備は必要不可欠であると考える。 現場鑑識の重要性を INP 全体に理解させることにより、「イ」国国家警察はもとより、ひい ては市民警察への発展へ繋がるものと考える。 しかしながら、既存の鑑識機材の使用状況を見てみると、消耗品が補充されていないた め、活動が制限されてしまう場合や、適切なメンテナンスが行われていないため故障して しまっている事例が散見された。INP の担当責任者はメンテナンスの重要性について十分理 解しているとしていたが、今後同じ轍を踏まないよう努力するためにも、先方の維持管理 にかかる予算確保状況等を含め、適正な内容、数量を設定する必要がある。 特に、INP 本部に配備されている故障したままとなっている AFIS(自動指紋照合システム) (注:INP 独自予算で購入)や白黒現像焼き付け機材、キャビネ等、老朽化している機材に ついては、更新が必要となると思われるが、操作・維持管理技術についても十分指導を行 うことが重要である。 5.4.3 薬物捜査関連機材 薬物問題は既に自国一国のみの対応で対処できる問題ではなく、世界的な協力・協調が 強く求められる警察分野であり、「イ」国における薬物対策(捜査)においても、世界的な 標準を満たした捜査手法が求められている。 また、民主的警察という INP に課せられている課題における被疑者等の人権を配慮した 捜査活動の確立と定着に必要であるばかりか、国際社会の中で「イ」国に対する認識が薬 物中継・通過国家としての認識から、薬物密造、供給国家へと急激に変貌しつつある現状 を踏まえると、他国との共通した情報を共有する場合において、世界標準の薬物捜査手法 を用いた薬物簡易鑑定を薬物捜査の初期段階において定着させる必要が急務と考えられる。
現在の INP における薬物簡易鑑定機材は、現行の「イ」国産の機材に加えて、過去にド イツ警察の供与により投入された機材、米国 DEA 合同捜査等の都度適宜供与される機材が 混在している状況にある。日本式のものを投入した場合、現場でその使用方法等の混乱が 起こることは容易に推察できる。また、日本式、DEA 式、ドイツ式に比べて現行の簡易鑑定 キットの方が、1回の検体試験単価を考えた場合、明らかに安価である。更には、現在の 既存キットの収納箱、収納試薬、付属品が「イ」国内において自己調達が可能であること も判明している。よって、調達計画の策定にあたっては、試薬と収納箱を別個に考え、特 に試薬については後の補充のために別途必要量を提供することも考慮すべきと思われる。 5.5 調査実施体制 今後、計画を進めるにあたり、基本設計調査を実施することが適当と考えられるが、実 施における調査上の下記の課題もあり、十分な体制をもって調査を行う必要がある。 (1)無線システムについての既存システムとの整合性 既に述べたとおり、現在 INP 無線通信網は現有機材、今後の計画双方共に、特定の一社 による製造された機材を中心としたトランキングシステムに基づいたものであり、本計画 にて無線機材を整備するにあたっては、これら機材との整合性を図ることが重要な点とさ れている。特に、機材の調達段階において、システムとの互換性の観点から不必要に銘柄 指定となることは避けるべく、基本設計調査においては、入念なシステム関連調査を行い、 必要に応じて第 3 国における調達も視野に入れた調査を行う必要がある。 (2)交番施設の建設についての現地仕様の重視及び建設契約における CM 等の例外的適用 「イ」側がモデル交番として想定している 12 箇所のうち、3 箇所を技プロで建設してお り、残りの 9 箇所の建設が本計画に含まれている。技プロによる交番建屋が、「イ」国現地 ローカルコンサルタントとの契約の下、ローカルコントラクターを活用して行われている。 工事は現在進行中であり、2004 年 4 月には両施設が完成見込みである。 これに対し、無償資金協力の実施においては、本邦コンサルタント、本邦コントラクタ ーによる工事が行われており、ローカルコントラクターと先方政府が直接契約を締結する ことはできない。よって、本邦コンサルタント、本邦コントラクター(建設会社、商社含) が工事全体を受注し、現地ローカルコントラクターを活用して施工を行うという一種の CM 方式を採用することも考えられる。 この方式を導入するにあたっては、従来の無償資金協力による方式とコスト面、事業の 効率性の面から比較検討した上で採用を決定することとなるので、基本設計調査において は、ローカルコントラクターの施工能力、建設単価も含めた調査が必要である。 (3)要請内容の再確認と負担事項の明確化 第5章の現地調査結果概要で述べたように、今回の要請には含まれていないももの、機 材を整備するにあたって、下記を整備する必要があることが確認された。 ① 無線機に関連する各種測定器
② 無線中継局の鉄塔補修 ③ 無線中継局舎のタイル張替え、照明設備等の補修(CIKARANG 中継局) ④ 無線接地設備の整備 これらの補修や整備については必要性が確認されたことを受け、基本設計調査において は「イ」側の今後の整備計画について確認し、これら整備を日本側、「イ」側どちらが負担 するかについても確認する必要がある。 以 上
別添1:INP 組織図 別添2:要請機材リスト 別添3:ミニッツ 別添4:建設費比較表 別添5:写真集 別添6:収集資料リスト
別添-1 POLDA 警察指揮幕僚学部 Drs. Demak Lubis 「イ」国家警察組織図(2002年10月現在) 特別専門家スタッフ Drs. Engkesman R. Hillep 首席監察官 Drs. Binarto 会計センター Drs. Darmadji SW オペレーション担当次長 Drs. Sudirman Ail 総務室 Drs. Imam Soekarna 人事担当次長 Drs. Tjuk Sugiarso 警察本部代 Drs. Iwan K. Siregar Chief of INP Drs. Da'I Bachtiar Vice Chief Drs. Kadaryanto 警察士官学部 Drs. Ismerda Lebang 警察教育訓練セン ター Drs. Sutanto 広報部 Drs. Basyir Ahmad Barmawi 法務部 Drs. Soekamto SH 警察学研修所 Drs. Farouk M. Saleh, SH 情報通信部 Drs. Saleh Saaf 職業開発・警備部 Drs. G.M Timbul Silaen 公安情報局 Drs. Zamris Anwar, MSc 計画運用課 分析課 A課(政治) B課(経済) C課(分化社会) D課(治安) 治安観立局 Drs.AdangDaradjatun 計画運用課 制服警察課 交通警察課 海上警察課 航空警察課 要人警護課 刑事局 Drs. MA Erwin MAP 計画運用課 分析課 鑑識センター 科学警察研究所 第一課(国際犯罪) 第二課(経済犯罪) 第三課( ) 第四課(特別犯罪) 第五課(薬物・組織犯罪) 第六課( ) 機動警察隊 Drs. Silwanus Y. Wenas 計画開発担当次長 Drs. James D. Sitorus ロジスティクス担当次長 Drs. Djuharnus Wiradinata 国際部(ICPO・ジャカルタ) Drs. Nanan Soekarna 健康管理センター Dr. Bambang Ibnu Suparto 長官秘書室 Drs. Dede H. Djaya
別添-1 TINGKAT PUSAT TINGKAT KEWILAYAHAN CHIEF OF INP Drs. Da'I Bachtiar UNSUR PIMPINAN VICE CHIEF Drs. Kadaryanto UNSUR PEMBANTU PIMPINAN STAF
Insp. Of Gen. Supervision
Drs. Binarto
EXPERT STAFF
Drs. Engkesman R. Hillep
Dep. Of Plan. & Dev.
Drs. James D. Sitorus
Dep. Of Operations
Drs. Sudirman Ail
Dep. Of Human Resources
Drs. Tjuk Sugiarso Dep. Of Logistic Drs. Djuharnus Wiradinata UNSUR PELAYANAN STAF
Private Sec.for Chief
Drs. Dede H. Djaya General Secretariat Drs. Imam Soekarna HQ's Detachment Drs. Iwan K. Siregar UNSUR PELAKSANA PENDIDIKAN & STAFF KHUSUS Secretariat of NCB Drs. Nanan Soekarna
Health & Medical Centre
Dr. Bambang Ibnu Suparto Finance Centre Drs. Darmadji SW Public Information Div. Drs. Basyir Ahmad
Legal Affairs Div.
Drs. Soekamto SH Professional Dev. Div. Drs. G.M Timbul Telecomm. & Information Div. Drs. Saleh Saaf Police Science College Drs. Farouk M. Plc Staff & Command Clg Drs. Demak Lubis Police Academy Drs. Ismerda Lebang
Plc Ed. & Train. Institute
Drs. Sutanto
Regional Police
UNSUR PELAKSANA PUSAT
Intelligence & Security Agency Drs. Zamris Anwar, MSc Criminal Investigation Agency Drs. MA Erwin MAP Security Development Agency Drs. Adang Darajatun
Mobile Brigade Corps
別添-2
Provisional Request Items from INP(要請機材リスト)
1 Police Radio communication Network 警察無線システム Quantity(数量)
Subscriber Radio 携帯無線機 500
Speaker-Mic for Subscriber Radio 無線受信機用スピーカー 500
Mobile Radio 車載無線機 80 Station Operation 無線中継機 2 Generators(Diesel) ジェネレーター(ディーゼル) 1 UPS UPS(無停電電源装置) 1 AC Distributor 配電器(分配器) 1 Battery バッテリー 1 Controller コントローラー 1 Repeater リピーター 1 Channel Bank チャンネルバンク 1 Module 予備品(モジュール) 1
Test Equipment and Tools 試験機材 1
Programming Kit and Manual プログラムキット・マニュアル 1
Microwave Link マイクロ波中継装置 1
Renovation of existing system 既存システムの修復 1 lot
Renovation of steel tower 鉄塔の修復 1 lot
Renovation of repeater room 通信指令室の修復 1 lot
2 KOBAN Kit 交番キット 4WD 車両(4WD) 9 Motorcycle 二輪車 18 Mobile Radio 車載無線 9 Subscriber Radio 無線受信機 45 FAX FAX 9 KOBAN Building 交番建屋 9 3 Criminal Identification 鑑定機材
Powder Method Crime fingerprint Collection Set 現場鑑識指紋採取セット 3
Chemical method fingerprint Collection Set 特殊指紋採取セット 3
Field Photograph Set 写真撮影セット 3
Field Photograph Developmment Machine 写真現像機 1
Color Photograph Printing Machine 写真焼付機(カラー) 1
Agents and Materials for Photograph Developing and Printing
写真撮影、現像関連薬剤等
1
Instant Printing System インスタントプリントシステム 1
4 Drug Enforcement 麻薬取締
Drag Pre-identification Test Kit 麻薬初動捜査鑑定キット 250
Materials for Drag Pre-identification 麻薬鑑定機材(試薬) 500
Urine Analysis Test Kit for Methamphetamine メタフェミン(覚せい剤)尿検査キット 250
Refrigerator 冷蔵庫(試薬保管用) 250
Coolant 保冷材 750
Break Preventive Cushion 試薬保管用緩衝材 250
Neutralizer 中和用薬剤 250
Reaction Pallet 反応プレート 500
Latex Glove ラテックス・グローブ(ゴム手袋) 250
Plastic Bag for safe keeping Evidences 証拠保管用品ビニール袋 250
Flashlight 懐中電灯 250