• 検索結果がありません。

密教文化 Vol. 1968 No. 84 003堀内 寛仁「西蔵訳「出生無辺門陀羅尼経」及び「広釈」・和訳 (六) P49-76」

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "密教文化 Vol. 1968 No. 84 003堀内 寛仁「西蔵訳「出生無辺門陀羅尼経」及び「広釈」・和訳 (六) P49-76」"

Copied!
28
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

西

・和

第 一 六 段 ︿ 法 門 の 広 大 ﹀ (結 言 ) 一 四 〇 (A) 説 き 終 つ た の を 述 べ る 一 四 二 (一) 法 門 を 随 喜 す る の み で (陀 羅 尼 を ) 受 持 す る ( g zu n -b a ) を の べ た こ と 一 四 二 (二) そ の 果 を の べ た 事 一 四 二 (三) 加 行 に よ つ て (陀 羅 尼 を ) 受 持 す る を の べ た 事 (十 法 行 ) 一 四 三 (四) そ の 果 を の べ た 事 一 四 四 国 偶 に よ つ て 所 説 の 義 を の べ た こ と ︹ 已 下 偶 文 の 釈 ︺ 一 四 四 (1) 福 徳 薙 が 無 量 で あ る と 述 べ る こ と ︹ 第 一 偶 ︺ 一 四 五 (2) そ の 果 を の べ る こ と 一 四 五 (1) 一 切 の 生 に 於 て 仏 を 見 る こ と ︹ 第 二 偶 ︺ 一 四 五 (2) 仏 彼 等 に 不 可 思 議 の 信 を 得 る ︹ 〃 ︺ 一 四 五 (3) 甚 深 の 経 部 の 理 趣 を 知 る ︹ 〃 ︺ 一 四 六 (4) 無 上 正 等 正 覚 を 甚 だ 速 か に 証 得 す る に 至 る こ と ︹ 〃 ︺ 一 四 六 (5) 三 昧 よ り 退 失 す る 事 に な ら ぬ こ と ︹ 第 三 偶 ︺ 一 四 六 (3) 神 通 よ り 退 失 す る こ と に な ら ぬ こ と ︹ 〃 ︺ 一 四 六 (7) 陀 羅 尼 が 退 失 す る こ と に な ら ぬ こ と ︹ 〃 ︺ 一 四 六 (8) 色 が 退 失 す る こ と に な ら ぬ こ と ︹ 〃 ︺ 一 四 六 (9) 受 用 等 が 退 失 す る こ と に な ら ぬ こ と ︹ 〃 ︺ 一 四 六 (10) 仏 を 見 る こ と よ り 退 失 す る 事 に な ら ぬ ︹ 〃 ︺ 一 四 六 (3) 前 生 を の べ る こ と ︹ 第 四 偶 ︺ 一 四 七 (1) 随 念 を の べ る ︹ 〃 ︺ 一 四 七 (2) 随 念 の 境 を の べ た (時 と 族 と 聞 く こ と )︹ 第 四 ・ 五 偶 ︺ 一 四 七 傾 労 少 な く し て 果 が 成 就 す る の を の べ た こ と 一 四 七 (1) 菩 提 を 得 る こ と ︹ 第 六 偶 ︺ 一 四 七 (2) 魔 を 降 伏 す る こ と ︹ 〃 ︺ 一 四 七 (3) 福 徳 百 に よ つ て 善 相 が 成 就 す る ︹ 〃 ︺ 一 四 七 (5) 喩 を 教 え た 事 を 以 て 、 福 徳 慈 が 無 比 で あ る こ と を 述 べ た こ と ︹ 第 七 偶 ︺ 一 四 八 (6) 言 わ ん と 欲 す る 義 を 成 就 し て 後 、 結 語 を の べ る こ と ︹ 第 八 偶 ︺ 一 四 九 1) 因 一 四 九 (1) 陀 羅 尼 を 聞 く こ と 一 四 九 (2) 心 を 附 す る こ と 一 四 九 西 蔵 訳 ﹁ 出 生 無 辺 門 陀 羅 尼 経 ﹂ 及 び ﹁ 広 釈 ﹂・ 和 訳(六) (一三 八 )

(2)

密 教 文 化 ( 一三 九 ) (3) 信 仰 一 四 九 (4) 陀 羅 尼 を 持 す る 一 四 九 (5) 菩 提 に 誓 願 を 附 す る (=立 て る ) 事 一 四 九 (6) 陀 羅 尼 の 文 字 を 書 写 す る こ と 一 四 九 (7) 経 典 と な し て 講 釈 す る こ と 一 四 九 (8) 思 惟 す る 一 四 九 勿 容 易 (菩 提 を 得 る こ と の ) 一 四 九 の 果 (無 上 菩 提 の こ と ) 一 四 九 (B) い ま だ 説 か な か っ た 義 を 述 べ る 一 四 九 ︹ 一 ︺ 夜 叉 の 利 益 一 四 九 (一) 族 ( 雪 山 に 住 す る 者 ) 一 五 〇 (二) 数 ( 八 夜 叉 ) 一 五 〇 (三) 加 持 す る こ と (g z i-d y in h ju g -p a r b y e d -p a ) 一 五 〇 (四) 日 夜 に 守 護 し 救 済 し 擁 護 す る こ と 一 五 一 ︹(三)(四) 共 通 し て 再 説 ︺ 一 五 一 (1) 法 門 の 広 大 性 を 知 る べ き 事 一 五 一 (2) 自 身 教 に 利 益 を 附 す る 者 ( で あ る ) と 知 る べ き こ と ⋮ ⋮ 一 五 一 (3) 世 尊 に 慈 悲 恩 恵 を 感 ず る こ と を 知 る べ き こ と ⋮ ⋮ 一 五 一 〇 三 種 の 不 善 業 (1) こ の 生 (t sh e) に 受 け る に 至 る も の 一 五 一 (2) 生 れ て 後 、 受 け る に 至 る も の 一 五 一 (3) 他 の 度 数 ︹=他 生 ? ︺ に 受 け る に 至 る も の 一 五 一 ○ 害 は 三 種 と な る (1) 天 命 の 害 一 五 一 (2) 人 よ り 成 つ た 害 (自 ・ 他 に 分 つ ) 一 五 一 (五) ( 八 夜 叉 の ) 名 の 殊 勝 一 五 二 (六) 夜 叉 た ち が 来 る べ き の 儀 軌 を 教 え る 一 五 二 (1) 甚 だ 洗 浴 す べ き こ と 一 五 二 (1) 外 の 儀 軌 と 合 致 さ せ て 、 水 に よ つ て ( よ く 身 体 を ) 洗 う こ と 一 五 二 (2) 内 の 戒 が 清 浄 な る に 依 つ て で あ る 一 五 二 (2) 甚 だ 浄 き 衣 を 着 る 一 五 二 (1) 衣 、 浄 き こ と 一 五 二 (2) 慈 一 五 二 (3) 経 行 (歩 い て 行 く こ と ) 一 五 三 (4) 違 害 な き 心 一 五 三 (5) 法 門 を 作 意 す る こ と 一 五 三 (七) 八 夜 叉 が 姿 を 現 わ す こ と 一 五 三 ︹ 二 ︺ 菩 薩 の 利 益 一 五 四 (一) 数 (八 字 ・ 八 菩 薩 ) 一 五 五 (二) 族 (欲 界 天 ) 踊 五 五 (三) 思 惟 す る こ と ( 薩 唾 の 釈 ) 一 五 六 (四) 名 (註 釈 欠 ) 一 五 六 (五) 行 者 が 陀 羅 尼 を 得 る た め 八 菩 薩 が 精 勤 す る 一 五 六 (六) 陀 羅 尼 に 励 む 者 に 八 菩 薩 が 陀 羅 尼 を 教 え る こ と 一 五 六 (A) 自 に 望 む こ と 一 五 七 (1) 誓 約 し た こ と に 堅 固 な る こ と一 五 七

(3)

(B) 他 に 望 む こ と 一 五 七 (a) 師 に 望 む こ と 一 五 七 (2) 知 恩 一 五 七 (3) 知 報 一 五 七 (5) 法 に 望 む 一 五 八 (4) 法 を 欲 す る 一 五 八 (5) 法 を 歓 喜 す る 一 五 八 (6) 甚 深 法 忍 に 精 勤 す る 一 五 八 (c) 集 (教 化 ) 一 五 八 (7) 分 配 を な す 性 格 を 具 す る よ う に な す こ と 一 五 八 ︹ 三 ︺ 説 か れ た 時 の 利 益 一 五 八 (一) 不 退 地 を 得 る こ と 一 五 九 (二) 無 上 正 等 覚 に 発 心 す る 一 五 九 第 十 七 段 ︿ 名 を 質 ね る こ と ﹀ 一 五 九 第 十 八 段 ︿ 命 名 ﹀ 一 六 〇 (一) 四 種 の 名 一 六 一 (二) 順 と 順 で な い 理 趣 一 六 二 (三) 四 種 円 満 一 六 二 (1) 一 切 功 徳 の 円 満 具 足 一 六 二 (2) 智 の 〃 一 六 二 (3) 捨 の 〃 一 六 二 (4) 特 別 殊 勝 の 円 満 具 足 一 六 二 第 十 九 段 ︿ 随 喜 ﹀ 一 六 三 結 語 の 偶 文 (広 釈 ・ 略 釈 共 通 ) 一 六 五 第 十 六 段 ︽ 法 門 の 広 大 ︾ (結 言 ) (A) ︹ 説 き 終 つ た 義 を 述 べ る ︺ ( 本 経 )(A) 舎 利 弗 よ 、 そ の 様 で あ る 故 に 、 菩 薩 摩 詞 薩 に し て 速 か に 無 上 正 等 正 覚 を 現 等 覚 せ ん と 欲 す る 者 は 、 少 く と も こ の 陀 羅 尼 の 法 門 を 随 喜 す る 様 に 努 力 す べ き で あ る 。 そ れ は 何 故 か と 言 え ば 、 そ れ こ そ 彼 の 菩 薩 摩 詞 薩 の た め に ︹=に と つ て ︺ 阿 褥 多 羅 三 貌 三 菩 提 の た め に ( c hed-du) 不 退 転 地 ( を 得 る ) と 、 法 説 者 ︹=仏・ 世 尊 ︺ を 尊 重 す る と の ( こ の 二 事 の ) 因 と な る で あ ろ う な ら ば 、 文 字 を 書 写 す る こ と 、 講 説 ( lun-hbobs-pa) と 、 受 持 と 、 読 諦 と 、 修 習 ( k u n -c h u b-p a r byed-pa相 噌 で 導 麻 佃 田 島 瓦ルコト ) と 、 如 法 に 作 意 す る こ と と 、 他 の 人 に 広 大 に 真 実 に 教 示 す る こ と ︹=開 演 ︺ 等 ︹ 十 法 行 の 中 ︺ は も ち ろ ん 何 を か 言 は ん ︹ ⋮ 教 示 す る 事 等 の 因 と な る こ と は も ち ろ ん 何 を か 言 は ん ︺ で あ つ て 、 ( そ の ) 功 徳 の 蕩 そ の 量 は 、 如 来 を 除 き 、 一 切 衆 生 が 知 つ た り 、 思 惟 す る 事 は 出 来 な い の で あ る 。 ﹂ そ れ か ら 、 世 尊 は そ の 時 、 こ れ ら の 偶 頬 を お 仰 つ た の 西 蔵 訳 ﹁ 出 生 無 辺 門 陀 羅 尼 経 ﹂ 及 び ﹁ 広 釈 ﹂ ・ 和 訳(六) ( 一 四 〇 )

(4)

密 教 文 化 ( 一 四 一 ) で あ る 。 1) 経 部 を 聞 い て 随 喜 す る こ と と 、 文 字 を 書 写 ナ る こ と と 、 受 持 と 読 諦 と に 依 つ て 大 福 徳 を ど れ だ け か 起 こ し た の は 全 て の 衆 生 が 知 る あ る 事 は 出 来 ぬ 2) 彼 は 全 て の 生 に 勝 者 を 見 彼 等 ( 仏 ) よ り 不 思 議 の ( b sam-yas) 信 仰 を 得 、 甚 深 の 経 部 の 理 趣 を 知 る に 至 ら ん 彼 は 速 か に 菩 提 を 現 等 覚 せ ん 。 の 無 上 菩 提 を 知 ら ざ る 限 り ︹=知 る に 至 る ま で ︺ ︹ e 株 ・ 無 上 菩 提 に 触 れ ざ る 限 り ︺ 彼 は 三 昧 と 神 通 と 諸 陀 羅 尼 と 色 と 受 用 と 見 仏 と よ り 退 失 す る 事 な か ら ん の 随 念 に よ つ て 前 生 に 商 主 の 子 ( 月 憧 ) が こ の 陀 羅 尼 を 得 る に 至 つ て ︹ e 株 ・ 聞 く に 至 つ て ︺ 恒 河 沙 程 の 仏 を 見 る に 至 り 彼 は 欲 す る ま ま に 菩 提 を 覚 せ り の 燃 灯 は そ の 時 、 商 主 の 子 、 前 生 、 無 量 光 と な り た る そ の 時 、 法 説 者 は 仏 ・ 無 量 寿 、 我 は 賢 劫 と 共 に 随 喜 す の 菩 提 に 速 か に 触 れ ん と 欲 す る ( 者 ) と 魔 た ち を 速 か に 伏 せ ん と 誰 か が 欲 す る ( 者 ) と 百 功 徳 に よ つ て 善 相 を 誰 か が 欲 す る ( 者 ) は こ れ に 努 め ば 得 る こ と 難 き に 非 ず の 恒 河 ( 巳 上 二 九 七 B ) 沙 程 の 世 間 界 を 誰 か が 宝 で 満 た し 布 施 を 施 し た り と も 書 写 と 受 持 と の 功 徳 は 何 で あ つ て も そ れ ︹ 陛 そ の 功 徳 ︺ に 、 布 施 は 比 べ も の に な ら な い の で あ る 8) そ の 如 き を 聞 く な ら ば 一 向 に 不 放 逸 に 菩 薩 ・ 賢 者 は 之 を 受 持 す る か こ の 陀 羅 尼 を 書 き 思 惟 す る 、 か れ ら は 菩 提 を 得 る 事 難 き こ と な し と 説 く ( 広 釈 ) い ま や ︹ 第 十 六 段 は ︺ 所 説 の (b sh a d -p a h i'主 瑞 メ

(5)

ル' の 軸もおる ) 義 を 成 就 し た る 後 、 " そ の 様 で あ る が 故 に "と い う も の 等 に 依 つ て 、 結 言 と な さ れ て (m ju g -s d u d -p a r m d sad-d e' 諜リニ 粘カル ロ ブヨツ ヰ マテ' ) そ れ 以 後 は ︹ 口 こ れ 以 後 は ︺ ︽ 法 門 の 広 大 ︾ な る こ と を 教 え た の で あ る 。 ︽ 結 言 ︾ し た 事 (m ju g b sd u s -p a 群リニ 粘カテコト ) そ れ は 二 種 で あ つ て 、(A) 説 き 巳 つ た 義 を 述 べ た の と ( b sn a d -p a d a n )(B) 説 か な か つ た 義 を 述 べ た こ と で あ る 。 ( そ の 中 )(B) 説 か な か つ た 義 を 述 べ る の は ︹ 後 説 す る が ︺ 亦 、 三 種 で あ つ て (一) 夜 叉 の 利 益 を の べ る こ と と 、 口 菩 薩 の 利 益 を の べ る こ と と 、 口 ( こ の 経 が ) 説 か れ た 時 ( t s h e ) の 利 益 を の べ る 、 こ と で あ る 。 (A) ︽ 説 き 終 つ た の を 述 べ る ︾ の は 、 ま た 五 種 と な さ れ た の で あ つ て 、 (一) 法 門 を 随 喜 す る の み で ( 陀 羅 尼 を ) 受 持 す る こ と ( g z u n-ba) を の べ た こ と と 口 そ の 果 を の べ た 事 と 日 加 行(sbyor-ba) に よ つ て ( 陀 羅 尼 を ) 受 持 す る こ と を の べ た 事 と 四 そ の 果 を の べ た 事 と (五) 偶 に よ つ て 所 説 の 義 を の べ た こ と と で あ る 。 ( 己 上 概 説 ) (A)(一) ︹ 法 門 を 随 喜 す る の み で ( 陀 羅 尼 を ) 受 持 す る と の べ た こ と ︺ " 随 喜 す る の み で 、 世 尊 ・ 釈 迦 牟 尼 は 四 万 洛 叉 ・ 倶 砥 劫 、 輪 廻 を 接 斥 し た " ︹ 第 十 五 段 ( 九 ) の(2) の 文 ︺ の で あ る 。 同 様 に 、 他 に 復 た 、 思 (b sam-pa 聞 思 修 の 思 ) の 力 に よ つ て そ れ よ り 増 上 し て ( 輪 廻 を ) 接 斥 し た の で あ つ て 、 (73-2)" そ の 様 で あ る 故 に""速かに" ︹ 第 十 六 段 ・ 文 初 の 文 ︺ と い う も の を 説 か れ た の で あ る 。 (A) 口 ︹ そ の 果 を の べ た こ と ︺ そ の 正 因 を お 仰 つ た そ れ は " 不 退 転 地 ( を 得 る ) と " と は 何 の た め に も せ よ 、 唯 随 喜 を 具 す る の み で そ れ が 原 因 と な る 、 そ れ は 、 ﹁ 彼 は そ の 一 生 そ の も の に 於 て ﹂ ︹ 第 十 五 段 ( 六 ) の(1) の 文 ︺ と い う も の 等 を 説 か れ た も の で あ る 。 " 円 満 仏 を 喜 ば せ る と の 因 と な れ る が 故 に " 西 蔵 訳 ﹁ 出 生 無 辺 門 陀 羅 尼 経 ﹂ 及 び ﹁ 広 釈 ﹂・ 和 訳(六) ( 一 四 二 )

(6)

-53-密 教 文 化 ( 一 四 三 ) ︹ 本 経 で は " 法 説 者 を 敬 重 す る 因 と な る で あ ろ う "︺ と は 、 何 か の 因 に よ つ て な る 、 そ れ は " 彼 は 三 劫 の 間 、 如 来 、 応 供 、 正 等 覚 者 、 彼 等 に 承 事 し た (=喜 ば せ た ) " ︹ 本 経 ・ 第 十 五 段 囚 の(8)の 文 ︺ ︹ 五 行 前 の ﹁ 因 と な れ る が 故 に ﹂ と 共 に 七 字 一 旬 で あ る ︺ と い う も の 等 を 説 か れ た の で あ る 。 そ の た め ( こ の ) 二 因 に よ り て 彼 は 菩 提 を 速 か に 得 ん と は 、 そ れ は ﹁ 一 切 ( の 所 化 ) が 速 か に 菩 提 を 得 る 因 の み に 住 す る の で あ る ﹂ と い う 断 言 に よ つ て " 阿 褥 多 羅 三 貌 三 菩 提 の た め に " と い う も の 、 こ れ は 因 の 義 で あ る の で あ る 。 " 法 説 者"たち と は 、 仏 ・ 世 尊 た ち で あ る 。 (A)(三) ︽ 加 行 に よ つ て ( 陀 羅 尼 を ) 受 持 す る を 述 べ る ︾ は 、 " 文 字 を 書 写 す る"等 の 七 種 を 説 か れ た の で あ る 。 義 と 文 字 の 二 者 か ら こ こ に は 修 習 す る(kun-chub-byed-pa) を 教 ゆ 義 と 文 字 の 二 の 門 か ら 修 習 す る と は ( k u n -c h ub-par d y e d-pa n i) 修 習 す る の で あ つ て (k u n-chub-par by ed-pa st e ) 全 べ て に 通 達 す る こ と を な す ( k u n -n a s全 えテカル c h u d -p a r=通電 メル d y ed-p a ) た め で あ る 。 ︹ 訳 者 註-本 経 で も 、 こ こ で も " 修 習 " と 訳 し た が 、 十 法 行 に 於 け る 修 習 は ﹁ 修 習 し て 道 果 を 成 ず る ﹂ と 釈 さ れ る よ う に 通 達 の 義 が あ り 、 蔵 訳 ch ub-pa, g a t a は 通 達 も し く は 完 成 す る の 意 で あ る ︺ ま た 思 ( 已 上 五 五 B ) 等 一 切 ︹ 略 釈 は ﹁ 聞 思 等 一 切 ﹂ ︺ と は ﹁ こ こ で は 亦 、 修 習 す る を 教 ゆ ﹂ ︹ 九 行 前 に 牒 文 さ れ た 偶 句 ︺ と い う も の と 照 応 合 致 す る 。 ﹁ 等 ﹂ と い つ た の を 以 て は 、 修 よ り 生 じ た 慧 を 摂 す る ︹=含 め る ︺ の で あ る 。 ま た " 文 字 を 書 写 す る " 等 全 て と は 、 ﹁ こ こ で は 亦 修 習 す る を 教 ゆ ﹂ と い う も の と 照 応 合 致 す る 。 ﹁ 等 ﹂ と 言 つ た の を 以 て は " 講 説 " ( lu n n od-pa, u p a d -is a ti ) ︹ 本 経 で は lu n h b ob s-pa, u p a d is a ti ︺ と" 受 持"と" 読 諦" と " 如 法 に 作 意 す る こ と"等 を 摂 す る の で あ る 。 道 理 に 違 す る に 非 ざ る こ と と ま た 、 何 か 聞 い た 如 く に 作 意 す る こ と は 何 で あ つ て も

(7)

そ れ が " 如 法 に 作 意 す る " で あ る 。 現 量 ( m n o n -s u m, pratyksa-pramana) 等 の 量 ( 認 よ ) と 相 違 し な い 義 を 作 意 す る こ と は 何 で あ つ て も 、 そ れ が " 如 法 に 作 意 す る こ と " ( で あ る ) と い う べ き で あ る 。 ま た 阿 闇 梨 自 身 か ら 何 か を 聞 い た 如 く ( そ の ま ま に ) 作 意 す る こ と は 何 で あ つ て も 、 そ れ は " 如 法 に 作 意 す る こ と " で あ つ て 、 阿 閣 梨 と は ﹁ 真 実 性 の 阿 含 を 教 示 す る も の ﹂ と な す べ き で あ る 。 義 と 文 字 の 門 か ら 、 こ れ を と は 、 法 門 を " 広 大 に 真 実 に 教 示 す る こ と"は 何 で あ つ て も そ れ は " 広 大 に 真 実 に 教 示 す る" 事 に な る の で あ つ て 、 喩 伽 と 、 成 就 ︹=﹁が 成 就 す る ﹂ 、 自 動 詞 ︺ と 、 完 全 円 満 の 小 中 大 等 の 区 別 に よ つ て で あ る 。 ま た 一 切 種 に こ の 陀 羅 尼 を 真 実 教 示 す る と は 、 そ れ が ( 本 経 の ) " 広 大 に 教 示 す る " で あ る 。 ︹ 已 下(A)(四) ︽ そ の 果 を の べ た 事 ︾ ? ︺ そ れ の そ れ は 、 自 身 が 量 に よ つ て 知 る こ と が 出 来 な い の で あ つ て と は 、 " 福 徳 の 藻 そ の 量 は " そ の 聞 者 自 身 、 或 は 教 え る 人 も 亦 、 現 鼻 等 の 量 に よ つ て 知 る こ と が 出 来 な い の で あ つ て 、 他 の 教 え る 人 た ち が 教 え た と し て も そ の 量 は 思 議 す る 事 が 出 来 な い の で あ る 。 ︹ 以 上 二 句 ・ 広 釈 は 各 々 九 字 ・ 十 二 字 の 散 文 で あ る が 、 略 釈 は 各 々 七 字 一 句 の 二 句 で あ る ︺ そ の 様 で あ る な ら ば 、 福 徳 の 濫 そ の 量 は ( 一 切 の ) 知 る 所 で な く 、 唯 、 不 可 思 議 の み な る こ と は 、 そ の 二 よ り 明 か で あ る 。 所 知 を 残 ら ず 知 る た め 導 者 た ち は 、 そ の 量 そ れ を 現 実 に よ く 知 る こ と と 存 念 す る 事 と を 亦 行 う な り ( と は ) そ れ 故 に ( 本 経 で ) " 如 来 を 除 い て 4 ( 一 切 衆 生 が 知 つ た り 思 惟 す る 事 は 出 来 な い の で あ る ) と 説 か れ た も の の 余 剰 ︹ 言 外 の 意 ︺ で あ る 。 ︹ 已 下 ︽(A)(五)偶 文 に よ つ て 所 説 の 義 を の べ た こ と ︾ ︺ 西 蔵 訳 ﹁ 出 生 無 辺 門 陀 羅 尼 経 ﹂ 及 び ﹁ 広 釈 ﹂ ・ 和 訳(六) ( 一 四 四 )

(8)

密 教 文 化 ( 一 四 五 ) 愚 慧 た ち と 、 集 ら ざ る と 意 が 動 け る 人 々 た ち の た め そ の 義 を 諸 偶 ( 已 上 五 六 A ) に よ り て 牟 尼 は 吟 諦 し て 説 か れ た り 誰 か が 義 を 聞 く と も 暗 慧 の た め 、 よ く 悟 ら な い 者 た ち と 、 ( 認 低 ) 何 か 義 そ れ を 教 え た 時 に 集 ま ら な い で 後 に 集 ま り 来 つ た 者 た ち と 、 誰 か が そ こ に 集 つ た け れ ど も 、 慧 が 乱 れ て い た た め 、 そ の 義 を 聞 か な か つ た 者 が あ る の で あ つ て 、 彼 等 一 切 に 利 益 を 附 す る た め と 、 自 身 が ﹁ 決 定 の 言 葉 を そ れ く よ く 真 実 に 知 る こ と ﹂ ︹=﹁辞 無 碍 解 ﹂ ︺ を 得 た も の で あ る と 教 え る た め 、 亦 そ の 義 そ の も の を ( 再 び ) 諸 偶 に よ り て 吟 諦 し て 説 か れ た の で あ る 。 こ の 存 念 ( お 考 え ) は 、 他 で 偶 そ れ を 説 か れ た 場 合 に 於 て も 同 様 で あ る 、 と 知 る べ き で あ る 。 ( さ て ) 諸 偶 は 六 種 に よ つ て 教 え た の で あ つ て (1) 福 徳 濫 が 無 量 で あ る と 述 べ る こ と と (2) そ の 果 を の べ る こ と と (3) 前 生 を の べ る こ と と (4) 少 し の 労 苦 で 果 が 成 就 す る と の べ る こ と と (5) 喩 を 教 え る 事 に よ つ て 福 徳 薄 が 無 比 で あ る と の べ る こ と と ㈲ 言 は ん と 欲 す る 義 を 成 就 し て 後 、 結 語 を の べ る こ と で あ る 。 (1) ︽ 福 徳 落 が 無 量 で あ る と の べ る こ と ︾ と は 、 ( 第 一 偶 の ) " 経 部 を 聞 く と " ︹ 北 京 版 に 依 る 。 D 版 は " 得 る" 。 更 に 本 経 は " 聞 い て " で あ る ︺ と い う も の 等 の 五 種 ︹ ( 経 部 を 聞 く ) ( 随 喜 ) (文 字 を 書 写 す る ) (受 持 ) ( 読 調 ) の 五 種 ︺ を 以 て 教 え た の で あ る 。 そ れ ら は 亦 、 表 示 で あ つ て 、 そ れ に 依 つ て な ら ば " 講 説 " と " 修 習"(kun-ch u b -p a r dy ed-pa)と"如 法 に 作 意 す る こ と " と " 他 に 教 示 す る こ と"︹目本経"他 の 人 に 広 大 に 教 示 す る こ と" ︺ ︹ 散 文 の 文 で 直 接 偶 文 に は な い ︺ を も 摂 す る の で あ る 。 (2) ︽ そ の 果 を の べ る こ と ︾ と は 、 十 種 で あ つ て 、 (1) ﹁ 一 切 の 生 に 於 て 仏 を 見 る こ と ﹂ ︹ 本 経・ 第 二 偶 " 全 て の 生 に 於 て 勝 者 を 見 " ︺ (2) " 仏 彼 等 に 不 可 思 議 の 信 を 得 る " こ と で あ つ て 、 不 可 思

(9)

議 の 信 と は 、 不 可 思 議 の 果 を 放 出 す る た め と 、 大 の 大 ( な る 信 ) で あ る た め で あ る 。 (3) ( 第 三 に は ) " 甚 深 の 経 部 の 理 趣 を 知 る"事(第二偶) で あ つ て 甚 深 の 経 部 何 に て も あ れ 、 そ こ に 不 生 と 不 滅 等 を 教 え る 、 そ れ ら の 理 趣 は 真 実 の 俗 諦 を 持 す る の で あ つ て (73-5) そ れ ら を 教 え る こ と と 、 勝 義 に そ れ ら を 教 え る 等 の 存 念 で あ る 。 (4) ( 第 四 に は ) ﹁ 無 上 正 等 正 覚 を 甚 だ 速 か に 証 得 す る に 至 る こ と ﹂ ︹ 本 経" 彼 は 速 か に 現 等 覚 せ ん" ︺ と 、(5) ( 第 五 に は ) ﹁ 三 昧 よ り 退 失 す る 事 に 冷な ら ぬ こ と ﹂ ︹ 本 経 第 三 偶 、 " 三 昧 と⋮⋮ よ り 退 失 す る こ と な か ら ん"︺で あ つ て"三昧"は 虚 空 蔵 等 で あ る 。 (6) ( 第 六 は ) " 神 通""より 退 失 す る こ と に な ら ぬ"こ と で あ つ て 、 " 神 通 " と は ( 已 上 五 六 B ) 六 ( 神 通 ) で あ る 。 そ の 中 、 漏 尽 の 神 通 は な い 事 ( m e d -p a -n ig ) で あ る な ら ば ﹁ そ れ よ り 退 失 す る こ と に な ら ぬ ﹂ と は 、 い か な る ( 意 味 ) 範 囲 で の べ る か ( と な ら ば ) そ れ は 正 し い の で あ つ て 、 得 た も の が 退 失 す る に 至 る 退 失 は な い け れ ど も 、 未 だ 得 ざ る も の の 退 失 と な る 事 は あ る の で あ つ て 、 ( そ れ で は ) 不 退 失 は ど ん な 具 合 か と な ら ば 、 未 得 そ れ を 生 ぜ し め る に 適 す る 我 性 に 住 す る の で あ る 。 ︹ 未 得 を し て 生 ぜ し め る 状 態 に 在 る の で あ る ︺ (2) ( 次 に 第 七 は ) " 陀 羅 尼 が 退 失 す る こ と に な ら ぬ " の で あ つ て 、 " 陀 羅 尼 " は ﹁ 無 辺 門 に 依 つ て 成 就 す る ( 陀 羅 尼 ) ﹂ 等 で あ る 。 (3) (第 八 は ) " 色 が 退 失 す る こ と に な ら ぬ " こ と で あ つ て " 色 " と は 三 十 二 大 人 相 等 に よ つ て 荘 厳 さ れ た ( 色 ) で あ る 。 ︹ " 色 " 原 本 、 D 版 、 北 京 版 共 、 陀 羅 尼 ( g zu n s) と あ る が 、 重 復 す る し 、 本 経 よ り 見 て 色 (g z u g s) に 改 め た 。 ︺ (9) ( 第 九 は ) " 受 用 等 が 退 失 す る こ と に な ら ぬ " の で あ つ て " 受 用"( lo n s -s p y o d ) と は 財 物 ( rd sa s ) を 受 用 す る こ と ( h b y or-b a ) で あ る 。 (10) ( 第 十 に は ) " 仏 を 見 る こ と よ り 退 失 す る 事 に な ら ぬ " の で あ つ て 、 " 見 る " と 言 つ た の を 以 て は ( そ れ は ) 表 示 の 義 で あ つ て 、 承 事 供 養 等 を 亦 摂 す る の で あ る 。 ( 第 三 偶 に ) " 無 上 菩 提 に 触 れ ざ る 限 り " と 現 わ れ た な ら ば ( 現 わ れ た の で あ る か ら 、 そ れ な ら ば ) ﹁ 何 か 菩 提 を 得 己 つ て そ れ ら が 退 失 す る に 至 る 事 が あ る か ﹂ 、 と い う な ら ば 、 そ れ は な い の で あ る 。 菩 提 を 得 た 前 に も 退 失 が な い な ら ば 、 菩 提 を 得 己 つ た 如 き に 、 甚 だ 大 い に ( 退 失 は ) な い と 存 念 し て 説 か れ た の で あ る 。 西 蔵 訳 ﹁ 出 生 無 辺 門 陀 羅 尼 経 ﹂ 及 び ﹁ 広 釈 ﹂ ・ 和 訳(六) ( 一 四 六 )

(10)

密 教 文 化 ( 一 四 七 ) (3) ︽ 前 生 を の べ る ︾ と は 、 二 種 で あ つ て 、 (1) ︽ 随 念 を の べ る ︾ と は ( 課 山 ) " 随 念 へ を の べ た の は 、 そ れ は 現 実 を 表 示 す る た め で あ る 。 " 念 " と は 領 解 ( n a m s-su m y on -b a' 多ニ 某ヨコト' ) が 先 行 す る た め で あ る 。 こ れ に よ り て こ そ こ れ が ︹=領 解 に よ つ て 念 が ) 我 の 現 実 と な つ た の で あ つ て 、 そ れ を 以 て な ら ば ︹=そ れ 故 に ︺ ﹁ こ れ に 疑 惑 を な す 勿 れ ﹂ と い う こ と を 教 え た の で あ る 。 (2) ︽ 随 念 の 境 を の べ た ︾ そ れ は 亦 、 時 ︹ 偶 文 で は " 前 生" ︺ と 族 ︹="商 主 の 子 "︺ と 、 聞 ︹="聞 く に 至 つ て "︺ と 陀 羅 尼 の 殊 勝 の 因 よ り 生 じ た 等 の 境 の 区 別 種 類 を 教 え た こ と に 対 し 、 大 い に 堅 固 に 決 定 ( 心 ) ︹ 11 確 信 ︺ を 起 こ す た め で あ る 。 " 九 十 倶 砥 の 仏 " と 言 つ た も の ︹=本 経 第 十 五 段 ( 八 ) の(1) の 散 文 の 文 ︺ 、 或 は 亦 " 恒 河 沙 程 ( の 仏 を 見 る に 至 り ) " ︹ 本 段 第 四 偶 ︺ と い う の は 、 ど の 様 な 言 葉 と な す べ き か と い う な ら ば 、 ( そ れ は ) 過 失 は な い の で あ つ て 、 そ れ は 特 別 殊 勝 の 果 を 得 る こ と を 述 べ た る た め 、 他 時 を 存 念 し て 説 か れ た の で あ つ て 、 以 前 に 彼 が 仏 世 尊 恒 河 沙 程 を 見 た た め で あ る 。 "欲 す る ( 巳 上 五 七 A ) ま ま に ( 菩 提 を 覚 せ り )"と説かれた の は 、 陀 羅 尼 を 得 る 力 に 依 つ て 煩 悩 が な し に 菩 提 を 得 る こ と を 述 べ た た め で あ る 。 " 無 量 光"︹第五偶︺ と い つ た の は 、 月 憧 を 表 示 す る た め 、 ま た 知 の 我 性 ︹=智 そ の も の の 光 ︺ 或 は 身 と 関 係 あ る 光 ︹ " 身 光 ︺ 無 量 な る も の が 、 ど こ か に あ る の が 、 ( そ れ が ) " 無 量 光 〃 で あ つ て 、 そ れ は 亦 燃 灯 ( 仏 ) と 商 主 の 子 ︹=月 瞳 ︺ 等 一 切 の 殊 勝 で あ る の で あ る 。 四 ︽ 労 少 な く し て 果 が 成 就 す る の を の べ た ︾ の は 、 三 種 に 依 つ て 教 え た の で あ つ て (1) ︽ 菩 提 を 得 る こ と ︾ ︹ 本 経 第 六 偶 、 菩 提 に 速 か に 触 れ ん と 欲 す る 者 は⋮⋮得 る こ と 離 き に あ ら ず ︺ と 、(2) ︽ 魔 を 降 伏 す る こ と ︾ ︹=本 経 第 六 偶 、 魔 た ち を 速 か に 伏 せ ん 云 々 ︺ と で あ つ て 、 魔 と 言 つ た る を 以 て 煩 悩 と 天 子 と 濫 と 死 主 の ( 四 ) 魔 を 摂 す る の で あ る 。 (3) ︽ " 福 徳 百 に よ つ て 善 相 " が 成 就 す る ︾ の で あ つ て 、 こ の 場 合 に も 亦 、 ( そ れ は ) " 速 か に " と い う も の ︹ 巨 と い う 言 葉 ︺ と 照 応 す る の で あ る 。 福 徳 百 の 量 は ﹃ 聖 宝 雲 ﹄ (比基別 N o. 897?) 等 の 経 の 中 か ら 知 る べ き で あ る 。

(11)

(74-2)" 菩 提 に 触 れ る " と い う も の 等 は 、 一 を 教 え た る を 以 て 他 の 二 を 亦 教 え た こ と に 成 る の で あ つ て ( そ れ に ) 誤 り が な い な ら ば 何 の た め に 三 つ の 事 を そ れ ぞ れ に (g su m -c h a r) 説 か れ た か と 言 う な ら ば 、 果 の 区 別 種 類 を 述 べ た る を 以 て 陀 羅 尼 に 努 め る 者 に 恭 敬 の 殊 勝 ︹=殊 勝 の 恭 敬 心 ︺ を 生 ず る た め で あ る 。 ︹=日 本 の 語 法 で は ﹁ に ﹂ と い え ば ﹁ 恭 敬 が 生 ず ﹂ と な り 、﹁ 努 め る 者 が ﹂ と い え ば ﹁ 恭 敬 を 生 す ﹂ と な る が 、 敢 え て 直 訳 し て お く ︺ (5) ︽ 喩 を 教 え た る を 以 て 、 福 徳 薄 が 無 比 で あ る こ と を 述 べ た ︾ と は 、 " 恒 河 沙 程 ( の 世 間 界 を ) " と い う も の 等 に よ り て 教 え た の で あ つ て 、 根 基 ( g sh i) と 多 と 善 き 物 と よ く 満 た し た と の 区 別 を 以 て 布 施 さ る べ き も の の 殊 勝 の 中 、 こ こ に 特 別 殊 勝 の 布 施 を 教 ゆ ︽ 布 施 の 殊 勝 ︾ と は 、 こ こ に 布 施 せ ら る べ き も の の 殊 勝 四 種 の 中 か ら 教 え た の で あ つ て 、 そ の 中 ︽ 根 基 の 殊 勝 ︾ ︹ 根 基=布 施 の 根 本 と な る 所 の 施 物 の こ と 、 内 容 の 殊 勝 ︺ と は " 世 間 界 " で あ つ て 、 そ れ は 亦 、 三 千 の 大 千 ︹ " 三 千 大 千 世 界 ︺ で あ る。 ︽ 多 の 殊 勝 ︾ と は 、 " 恒 河 沙 程 " で あ つ て 、 そ れ に 依 り て な ら ば 、 根 基 ︹=施 与 物 ︺ の 大 量 ︹=多 量 ︺ と 多 数 と を そ の 通 り に 教 え た の で あ る 。 ︽ 善 き 品 物 の 殊 勝 ︾ と は 宝 等 で あ る 。 ︽ よ く 満 た し た の 殊 勝 ︾ と は 、 う ず 高 く 積 ん で ︹ 原 文 b y ur-b u rは 算 聴る次やた ←りれ高 くと基れ b y u r -b o r o r b y m -b y u r の 叶 か 海 ぐ さ レ︺ 満 た し た こ と で あ つ て 、 そ れ に 依 り て な ら ば 、 甘 露 の 大 族 と ( b cu d g y i r ig s c h e -b g ) ︹=大 族 は 多 種 の 意 か ︺ 多 数 を そ の 通 り 教 え た の で あ る 。 そ の 様 な 福 徳 は ︹ 恒 河 沙 程 の 世 間 界 を 宝 で 満 た し て 施 し て も 比 べ ら れ な い よ う な 功 徳 は ︺ 文 字 を " 書 写 " す る の み 、 或 は 復 た " 受 持 " す る の み に 依 つ て で あ る と ( 已 上 五 七 B ) 知 る べ き で あ る け れ ど も 、 ( そ れ は 単 に こ の ) 二 者 ( の み ) の ( 功 徳 ) で は な い の で あ る 。 こ れ は 亦 、 表 示 ︹=一 部 を 示 し た の み ︺ で あ つ て 、 そ れ に 依 つ て な ら ば " 講 説 " 等 ︹=講 説 ・ 読 論・修習・如法 作 意 ・ 広 大 説 示 ︺ の み に よ つ て も 亦 、 そ の 如 く で あ る と 悟 る べ き で あ る 。 西 蔵 訳 ﹁ 出 生 無 辺 門 陀 羅 尼 経 ﹂ 及 び ﹁ 広 釈 ﹂ ・ 和 訳(六) ( 一 四 八 )

(12)

密 教 文 化 ( 一 四 九 ) (6) ︽ 言 は ん と 欲 す る 義 を 成 就 し て 後 、 結 語 を の べ る こ と ︾ と は 、 ︹ 己 下 、 第 八 偶 の 釈 ︺ 三 種 で あ つ て 、1)︽ 因 ︾ と 、 幻 ︽ 容 易 ︾ と 、 の ︽ 果 ︾ で あ る そ こ で D ︽ 因 ︾ と は 、 八 種 で あ つ て 、 (1) ︽ 陀 羅 尼 を 聞 く こ と ︾ ︹ 本 経 、 " そ の 如 き を 聞 く な ら ば " ︺ と 、 (2) ︽ 心 を 附 す る こ と ︾ ︹ 本 経 に は 直 接 な し 、 或 は " 一 向 に " か ︺ と (3) ︽ 信 仰 ︾ ︹ " 一 向 に 不 放 逸 に" か?︺ と 、(4) ︽ 陀 羅 尼 を 持 す る こ と ︾ ︹ "受 持 す る か "︺ と で あ つ て 、 そ れ は 亦 、 文 と 義 と の 二 の 門 か ら ﹁ 如 実 に 知 る ﹂ と 、 ﹁戒 を 具 す る こ と ﹂ で あ つ て 、 (74-3) 戒 を 具 す る こ と そ の こ と に 巧 み で あ る た め で あ る 。 そ れ は 亦 ﹁ 比 丘 た ち よ 、 こ れ ら の 五 事 は 賢 者 中 の 賢 者 の 特 徴 で あ る ﹂ と 説 か れ た 如 く で あ る 。 (5) ︽ 菩 提 に 誓 願 を 附 す る ︹ 立 て る ︺ 事 ︾ ︹ 本 経 " 菩 薩" 即 ち 、 b y a n -c h u b ( 瑞 髄 ) se m s ( 申 ) d p a h (田 齢れる ) の 語 が 照 応 す る か? ︺ と 、(6) ︽ 陀 羅 尼 の 文 字 を 書 写 す る こ と ︾ ︹ "陀 羅 尼 を 書 き " ︺ と 、 (7) ︽ 経 典 と な し て 講 釈 す る こ と ︾ ︹ 本 経 偶 文 に は 直 接 な し ︺ ど 、 (8) ︽ 思 惟 す る ︾ ︹ " 思 惟 す る" ︺ と 、 と は 、 無 顛 倒 の 理 趣 に よ つ て で あ る 。 ︹ 誤 り な く 書 き 、 講 釈 し 思 惟 す る こ と ︺ こ こ に(2) の ︽ 心 を 附 す る こ と ︾ と 、(3) の ︽ 信 ︾ と は 、(4) の ︽ 聞 く こ と ︾ と(4) の ︽ 受 持 す る ︾ と ﹁ 如 実 に 知 る ﹂ と 、(5) の ︽ 菩 提 に 誓 願 を 附 す る こ と ︾ と 、(6) の ︽ 文 字 を 書 写 す る こ と ︾ と 、(7) の ︽ 講 釈 す る ︾ と 、(8) の ︽ 思 惟 す る ︾ と の 因 と な る に 照 応 し 合 致 す る の で あ る 。 ︹ ﹁ 文 意 が 結 び つ く ﹂ の で あ る ︺ 2) ︽ 容 易 ︾ と は " ( 菩 提 を ) 得 る こ と 難 き こ と な し " と い う も の こ れ に 依 つ て 教 え た の で あ る 。 の ︽ 果 ︾ は 無 上 " 菩 提 " で あ る 。 (B) ︹ ( い ま だ ) 説 か な か つ た 義 を 述 べ る ︺ ︹ 一 ︺ ︹ 夜 叉 の 利 益 ︺ ︹ 二 ︺ ︹ 菩 薩 の 利 益 ︺ ︹ 三 ︺ ︹ 説 か れ た 時 の 利 益 ︺ ( 撹 頁 上 段 参 照 ) ︹ 一 ︺ ︹ 夜 叉 の 利 益 ︺ ( 本 経 ) そ れ か ら 世 尊 は 、 具 寿 舎 利 弗 に 仰 せ ら れ た ﹁ 舎 利 弗 よ 、 こ の ﹁ 無 辺 の 門 に よ り て 成 就 す る 陀 羅 尼 ﹂ に 精 勤 す る 菩 薩 摩 詞 薩 の 身 を 、 雪 ( 山 ) に 住 す る 八 夜 叉 は 、 加 持 し て (g zi -m d a n s h ju g -c in'加力ヨ加入シテ' ) 日 夜 に 守 護 ( sr u n -b a, ra k sa ) と 救 済 ( sk y ob -p a, tr a n a ) と 擁 護 ( sb ed -p a, g o p a' 湖 照' ) と を な す な り 。 八 ( 夜 叉 ) と は 誰 か と 言 え ば 、

(13)

か く の 如 く で あ つ て、 夜 叉 勇 猛 と い う も の と ( d p a h -p o ) 堅 固 と ( b r t e n -p o ) 主 と ( b g a g -p o ) 那 羅 延 力 と ( s r e d -m e g k y i b u h i a t o b s ) 行 慧 と ( s p y o d -p a h i b lo -g r o s ) 難 得 と ( t h ub-dkah) 怖 畏 と ( h j ig s -s u r u n-ba) 夜 叉 妙 膏 と 名 ず け る も の ( la g -b z a n s ) で あ つ て 、 八 夜 叉 王 彼 等 を 来 さ せ る た め に 、 ( 行 者 は ) 良 く 洗 浴 す る こ と と 、 甚 だ 清 浄 な 衣 を 着 る こ と と 、 経 行 す る こ と と 、 一 切 衆 生 に 違 害 な き 心 を な す べ し 、 陀 羅 尼 法 門 こ れ を 亦 作 意 し た の で あ つ て 、 そ の 様 に 作 意 し た な ら ば 、 彼 ( 行 者 ) に 、 彼 等 ( 八 夜 叉 ) は 、 速 か に 御 顔 を 示 す に 至 ら ん ︹=お 姿 を 現 わ し て 行 者 に 見 せ る で あ ろ う ︺ ( 広 釈 ) い ま は 、 " こ の 無 辺 の 門 に 依 り て 成 就 す る 陀 羅 尼 に ( 精 勤 す る 菩 薩 摩 詞 薩 の 身 を ⋮)" と い う も の 等 に よ り て ︽ 夜 叉 の 利 益 ︾ を 教 え た の で あ つ て 、 陀 羅 尼 の 法 門 に 精 勤 す る 者 は 誰 で あ つ て も 彼 は " 陀 羅 尼 に 精 勤 す る " 者 と す べ し そ の 如 く 場 合 に よ り て 明 か で あ る ︽ 陀 羅 尼 の 法 門 に 精 勤 す る 者 は 誰 で あ つ て も 彼 は " こ の 陀 羅 尼 に 精 勤 す る 者 " ︾ と な す べ し と す る の で あ る 。 ど の 様 に と い う な ら ば 、 " 彼 は こ の ﹁ 無 辺 の 門 に よ り て 成 就 す る 陀 羅 尼 ﹂ 、 を 彼 の 如 来 ︹ 目 本 経 、 如 来・ 応 供・ 正 等 正 覚 者・ 宝 吉 祥 威 光 王 如 ︺ か ら 聞 い て " と い う も の ︹ 第 十 五 段 ( 三 ) の ゆ の 文 ︺ 等 に よ つ て 、 陀 羅 尼 の 法 門 を 最 初 に こ そ 、 意 図 し て (d m ig s k y is ) 述 べ た た め で あ る 。 ︽ ( さ て 夜 叉 の ) 利 益 を の べ る ︾ そ れ は 、 ま た 七 種 に よ つ て の べ た の で あ つ て 、 ( 一 ) ︽ 族 ︾ は " 雪 ( 山 ) に 住 す る 者 た ち " ︹ 原 文 、 北 京 、 D 版 と も に g r a n s n a ( 数 言 )とあれと g a n s n a の 端りと加做れ ︺ が 大 族 ( r ig s c h e -b a ) な り と 述 べ る た め と 、 口 ( 八 と い う ) ︽ 数 ︾ は 、 八 字 義 を 修 習 成 就 す る 力 を 教 え る た め と 、 日 加 持 す る こ と ( g z i -b y i n h ju g -p a r b y e d -p a ) ︹ 本 経 g z i -m d a n s 西 蔵 訳 ﹁ 出 生 無 辺 門 陀 羅 尼 経 ﹂ 及 び ﹁ 広 釈 ﹂・ 和 訳(六) ( 一 五 〇 )

(14)

密 教 文 化 ( 一 五 一 ) h uu g -c in ︺ と 、 ( 已 上 五 八 A ) 四 " 日 夜 に 守 護 し 救 済 し 擁 護 す る こ と " と は 、 (74-4) こ の 二 は 、(1) 法 門 の 広 大 性 を 知 る べ き 事 と 、(2) 自 身 教 に 利 益 を 附 す る 者 ( で あ る ) と 知 る べ き こ と と 、(3) 世 尊 に 慈 悲 恩 恵 を 感 ず る こ と ( b k a h -q r in d u g z o-ba) を 知 る べ き で あ る こ と 、 と の た め で あ る 。 ︹ 己 下 、 ( 三 ) ・ ( 四 ) を 合 し て 再 説 ︺ 身 ( と ) 口 ( と ) 意 ( と ) に ( そ れ ぞ れ ) 力 (stobs) と 威 力 ( g z i-b r u id ) と 鋭 き こ と ( r a b m o -b a ) と を 次 第 に ( 身 口 意 の ) 威 力 と 知 る べ き な り 身 の 言 葉 そ れ に 依 つ て 身 住 ( lu s g n a s ) を 摂 す 身 の ︽ 力 ︾ 何 で あ 傷 て も と 、 言 葉 の ︽ 威 力 ︾ 何 で あ つ て も と 、 智 慧 の ︽ 鋭 き こ と ︾ 何 で あ つ て も と 、 そ の 三 を ︽ ( 身 口 意 の ) 威 力 ︾ と い う べ き で あ る 。 ︽ 身 ︾ と い う 言 葉 何 で あ つ て も 、 そ れ は 主 と な る の は 身 で あ る た め で あ る 。 ︽ 身 に 住 す る ︾ の 言 葉 と 慧 の 二 は 功 徳 ( を 表 わ す ) の 言 と 知 る べ き で あ る 。 身 は 三 種 の 区 別 に よ り て " 守 護 と 救 済 と 擁 護 " を 説 か れ 、 或 は 亦 何 の た め に し ろ 天 命 ( g n a m-bskos) 等 の 区 別 に よ り て は 害 は 、 三 ( 種 ) な り 三 種 の 不 善 業 が あ る の で あ つ て 、(1) こ の 生 ( t s h e ) に 受 け る に 至 る も の 、(2) 生 れ て 後 受 け る に 至 る も の 、(3) 他 の 度 数 ︹=他 生 ? ︺ に 受 け る に 至 る も の と で あ つ て 、 そ れ ら か ら 成 つ た 害 の 対 治 に ︹=害 を 打 破 す る た め に ︺ " 守 護 ・ 救 済 ・ 擁 護 " を 次 第 に 世 尊 は お 仰 つ た の で あ る 。 ま た 何 の た め に し ろ 、 天 命 ︹=天 災 の 意 ︺ 等 の 区 別 に よ つ て 害 は 三 種 と な る の で あ つ て 、 そ の た め 、 " 守 護 " と " 救 済 と 擁 護 " の 三 を 次 第 に 説 か れ た の で あ つ て 、 (1) ︽ 天 命 の 害 ︾ と は 、 何 か 不 善 を 自 身 が な し た 事 明 か で あ る け れ ど も 、 他 の 生 物 に よ り て な さ れ た も の で な い の で あ つ て 、 喩 え る な ら ば 伝 染 病 ︹ m i-n as 間歇 滋'おこり' ) 飢 饒 (m u-ge) 雷 ( th og ) 等 が 到 来 し た 如 く で あ る 。 (2) ︽ 人 よ り 成 つ た 害 ︾ と は 、 何 か 生 物 た ち が 害 を な し た 事 明 か で あ つ て 、 天 災 が あ る 如 く に (74-5) ( そ れ は ) 明 か で な い 。 何 の た め に し ろ 業 に 属 す る こ と な く 、 果 は ま た 何 も な い

(15)

-62-た め で あ つ て ︹=何 事 も 自 業 自 得 、 善 因 善 果 、 悪 業 悪 果 で あ つ て ︺ 喩 え る な ら ば 年 収 等 が 熟 し た と し て も ︹ " 秋 に 収 獲 が あ つ た と し て も ︺ 他 国 の 軍 隊 に よ つ て 害 を な さ れ て 飢 鰹 に な る 如 く で あ る 。 天 災 と ・ 人 よ り 害 と な つ た も の ︹=人 災 ︺ と は 、 何 か 二 者 が な し た ( 業 の 結 果 で あ る ) こ と 明 か で あ る 。 ( 已 上 五 八 B ) 業 は 天 命 と 人 よ り 成 つ た も の の み に 尽 き る の で あ つ て ﹁ 天 命 と 人 間 の 業 に よ つ て 世 間 は 生 活 を 営 む ﹂ と い う と 同 様 で あ る 。 ま た 自 他 が 縁 と な つ た も の か ら 害 は 三 種 と 知 る べ し 衆 生 ・ 非 衆 生 を 数 え る の 区 別 に よ り て は 他 は 二 ( な り ) と 教 ゆ ま た 三 種 の 害 が あ る の で あ つ て 、 自 の 縁 よ り 成 つ た も の 、 他 の 縁 よ り 成 つ た も の で あ る 。 他 の 縁 よ り 成 つ た も の は 亦 二 種 で あ つ て 、 衆 生 と 数 え な い 者 の 縁 よ り 成 つ た も の と 、 衆 生 と 数 え る 者 の 縁 よ り 成 つ た も の で あ る 。 そ れ を 集 め る な ら ば 三 種 と な る の で あ つ て 、 そ の 対 治 と し て " 守 護 と 救 済 と 擁 護 " の 三 者 を 次 第 に 知 る べ き で あ る 。 (五) ( 八 夜 叉 の ) ︽ 名 の 殊 勝 ︾ は 、 所 化 た ち が 明 か に 信 託 心 ( y id c h e s P a ) を 起 こ す た め で あ る 。 因 ︽ 夜 叉 た ち が 来 る べ き の 儀 軌 を 教 え る ︾ の は 、 五 種 ( の 事 柄 ) を 説 か れ た の で あ つ て 、 ど の 様 に 、 と な ら ば 対 向 さ せ ら る べ き こ と ( の ) 二 を 来 る べ き た め 説 か れ た の で あ つ て と は 、 ( 夜 叉 が ) 来 る べ き た め(1)甚 だ よ く 洗 浴 す べ き こ と と 、(2)衣 、 甚 だ 浄 き を 着 る 事 を な し た な ら ば 、 夜 叉 彼 等 は 対 向 す る の で あ つ て 、 か く ︹ 次 の 如 く ︺ (1) ︽ 甚 だ 洗 浴 す べ き こ と ︾ は 、 ま た 二 種 で あ つ て 、(1)外 の 儀 軌 と 合 致 さ せ て 水 に よ つ て ( よ く 身 体 を ) 洗 ふ こ と と 、(2) 内 の 戒 が 清 浄 な る に 依 つ て で あ る 。 (2) ︽ 甚 だ 浄 き 衣 を 着 る ︾ ( 誤 山 ︺ と は 、 亦 二 種 で あ つ て 、 (1) 外 の ︽ 衣 、 浄 き こ と ︾ 等 に よ つ て 身 を つ つ むこ と と 、 (2) 内 の ︽ 慈 ︾ 等 を 以 て 思 う こ と に よ つ て 身 を 覆 ふ こ と で あ り 、 外 と 内 の 清 浄 に よ つ て 美 し き を 見 た な ら ば 、 夜 叉 彼 等 は 来 る こ と を 意 欲 す る に 至 る た め で あ つ て 、 そ の 様 で あ れ ば 来 る た め に 意 欲 を 起 す に 至 る の で あ る 。 西 蔵 訳 ﹁ 出 生 無 辺 門 陀 羅 尼 経 ﹂ 及 び ﹁ 広 釈﹂・ 和 訳(六) ( 一 五 二 )

(16)

密 教 文 化 ( 一 五 三 ) 一 に よ り て ( 夜 叉 が ) 意 欲 せ し め ら る こ と を 教 ゆ と は 、(3) ︽ " 歩 い て 行 く " こ と ︾ ( " 経 行" ) と い う 言 葉 に よ つ て 教 え た の で あ つ て 夜 叉 た ち が 往 詣 す べ き た め 歩 く こ と は ︹ " 行 者 の " 経 行" す る の は ︺ 、 会 い に 行 く (b s u-ba) 思 (お も い ) を 教 ゆ そ の 如 く で な い と 執 す る に 至 れ ば そ れ に よ り て 更 に 何 を 教 え ん そ の 様 に ( 行 者 が ) 求 願 す る 事 を 知 り て 来 ら ん 意 欲 の 心 を 具 す る 者 た ち が ︹=夜 叉 た ち が ︺ ( 行 者 の ) 意 欲 の カ を 縁 じ て ︹ 丹 認 知 し て ︺ 彼 等 は 決 定 し て 来 る で あ ろ う そ れ ら は ︹=こ れ ら は ︺ ( 巳 上 五 九 A ) 説 明 し 易 き を 以 て 釈 せ ざ る な り 二 に よ り て 彼 等 ( 夜 叉 ) は 恭 敬 ( 心 ) が 生 じ た り ︹ こ の 句 、 略 釈 で は ﹁ 一 に よ り て 云 々 ﹂ の 句 の 次 に あ り ︺ と は 、(4)︽ " 違 害 な き 心 " ︾ と(5)︽ 法 門 を 作 意 す る ︾ ︹ 本 経 、 陀 羅 尼 法 門 こ れ を 亦 作 意 し た の で あ つ て" ︺ の 二 は 、 ﹁ 夜 叉 彼 等 は 恭 敬 が 生 ず る に 至 ら ん ﹂ で あ つ て 、 か く 違 害 の 気 持 の な い 心 に よ つ て 心 想 が 善 と な つ た た め 、 ( 夜 叉 が 菩 薩 の ) 功 徳 に 恭 敬 が 生 ず る こ と と 、 ( 菩 薩 が ) 法 門 を 作 意 す る こ と に よ つ て ( 夜 叉 は ) 法 に 恭 敬 が 生 ず る に 至 る の で あ る 。 (七) ︹ 八 夜 叉 が 姿 を 現 わ す こ と ︺ そ の 様 に 来 ら ん と 欲 す る 意 欲 が 生 じ て 後 、 彼 等 恭 敬 の 決 定 せ る 者 自 身 、 御 顔 ( b s h in ) を 示 す に 至 る た め " 彼 に " ( d e l a ) ︹ 本 経 " 彼 (行 者 ) に" ︺ と い う も の 等 を 説 か れ た の で あ る 。 夜 叉 彼 等 が 近 づ い て 教 の 如 く ( b st a n b s h in ) ︹ D 版 は b rt a n b sh in ︺ 苦 行 を 行 ず る 彼 に 速 か に 陀 羅 尼 の 門 を ば 疑 な く 教 え る こ と を な す ︽ 門 ︾ と い う 言 葉 に よ つ て は 、 尽 き る こ と を 知 ら な い ( 門 の ) 陀 羅 尼 門 等 を 摂 す る の で あ る 。 偶 の 義 、 余 分 は 釈 せ ざ る な り 全 肢 分 の 主 ・ 顔 を (75-2) の べ た る こ と に 依 り て 、 彼 等 慧 喜 ぶ 者 が 近 づ く ( こ と を 述 べ た ) の で あ つ て そ れ ら の こ と か ら

(17)

果 と な る こ と は 疑 は な い 喜 ぶ に 至 ら な か つ た な ら ば 御 顔 を 示 す こ と を な さ な い と 存 念 さ れ る ( お 考 え に な る ) の で あ る 。 口 ︹ 菩 薩 の 利 益 を の べ る こ と ︺ ( 本 経 ) 菩 薩 摩 詞 薩 ( に し て ) 欲 に 於 て 行 ず る 諸 天 ︹=欲 界 天 ︺ の 中 に 生 じ た 、 こ れ ら の 八 者 ︹=八 天 子 ︺ は 、 亦 彼 を 作 意 す る に 至 ら ん 、 八 と は 誰 ( で あ る ) か と 言 え ば 、 か く の 如 く で あ つ て 菩 薩 ( 已 上 一 一九 八 A ) 摩 詞 薩 遍 照 ( 毘 盧 遮 那 ) (mam-p a r sn a n-byeg) 慮 遮 那 ( s n a n -b y e d ) 慧 光 ( s e s -rabhog) 日 光 ( n i-m a h i h o d ) 警 覚 ( y a n -d a g -s k u l-b y ed ) 満 一 切 意 楽 (b s a m-pa t h a m s-cag y o n s -surdsogs-byed) 星 王 ( s k a r -mahirgyal-po) 菩 薩 摩 詞 薩 ・ 行 慧 ( s p y o d-pahi blo-gros) で あ つ て 、 彼 等 八 菩 薩 摩 詞 薩 は 、 彼 が 陀 羅 尼 を 得 る た め に 精 勤 す る に 至 ら ん こ の 陀 羅 尼 に 励 む 菩 薩 摩 詞 薩 は ま た (1) 真 実 の ( b q en-pahi) 誓 約 を な す べ き な り (2) 知 恩 ( b y a s-pa g z o-ha, k r ta-jna) と (3) 知 報 ( b yas-pa ts hor-ba-can, k rt a-vedin) と (4) 法 を 欲 す る こ と ( ch o s h d o d-pa) と (5) 法 を 歓 喜 す る こ と (c h o s la d g a h-ba) と (6) 甚 深 の 法 を 忍 ず る ︹=甚 深 法 忍 ︺ に 精 勤 す べ き で あ る 。 (7) 菩 薩 摩 詞 薩 に し て 陀 羅 尼 に 励 む 者 は 普 捨 の 性 格 (n a 学 ts hul, si la 多 強 百、 踊 輝 ) を 具 す る こ と を な し た の で あ つ て 、 ︹ 北 京 版 は 普 捨 ・ 分 配 す る 性 格 を 具 す る 事 を な す べ き で あ つ て ︺ ( そ の ) 彼 に ど ん な に 小 さ く と も 、 ど ん な に 少 な く か ら で も 、 ま た 布 施 を 与 う べ き で あ る な ら ば 、 多 く ( 与 う る こ と ) か ら は 、 勿 論 何 を か 言 う を 要 せ ん や ( 広 釈 ) ︽ 菩 薩 の 利 益 を の べ る ︾ の は 、 六 種 で あ つ て 、(一) 西 蔵 訳 ﹁ 出 生 無 辺 門 陀 羅 尼 経 ﹂ 及 び ﹁ 広 釈 ﹂ ・ 和 訳(六) ( 一 五 四 )

(18)

密 教 文 化 ( 一 五 五 ) ︽ 数 ︾ と 、 口 ︽ 族 ︾ ︹ 北 京 版 に 依 る 。 D 版 は r im-pa次第 ︺ と 、 日 ︽ 思 惟 す る こ と ︾ ︹ 八 菩 薩 が 行 者 を ︺ と 、 四 ︽ 名 ︾ と 、(五) ( 行 者 が ) 陀 羅 尼 を 得 る た め ( 八 菩 薩 が ) 精 勤 す る こ と ︾ と 因 ︽ 陀 羅 尼 に 励 む 者 に ( 八 菩 薩 が ) 陀 羅 尼 を 教 え る こ と ︾ で あ る 。 ︹(一)︽ 数 ︾ と は ︺ 八 字 そ れ ら は 八 菩 薩 の ( 八 字 ) で あ る 。 ︹ 北 京 版 に 依 る 。 D 版 ﹁ の ﹂ 欠 ︺ そ の た め 、 そ の 義 を 修 習 す る 者 に 彼 等 一 切 は 利 益 を 附 す る な り p a と い う も の 等 の 八 字 そ れ ら は " 遍 照 " 等 の 八 菩 薩 の ( 八 字 ) で あ つ て 、 彼 等 の 三 昧 を 教 え た る が 故 に 、 そ の た め そ れ ら の 文 字 は 、 ( そ の ) 義 を 修 習 し た る に 於 て は 、 彼 等 一 切 は ︹= 八 菩 薩 は ︺ 利 益 を 附 す る こ と は 適 当 な の で あ つ て ︹ " 当 然 で あ つ て ︺ 、 そ の た め 八 と ( 数 を ) 説 か れ た の で あ る 。 ︹ 口 ︽ 族 ︾ と は ︺ 他 に 利 益 を 附 す る こ と に 入 り た る た め 誓 願 の 力 に よ り て 彼 等 が そ れ と そ れ と に 生 れ し め る こ と を な す こ と は 何 で あ つ て も そ れ に 疑 は な い 何 の た め に し ろ 、 こ れ ら の 菩 薩 ︹=八 菩 薩 ︺ が 、 慧 が 悲 ︹= 愛 ︺ に 支 配 せ ら れ て 、 外 に ︹=他 を ︺ 利 益 す る 事 に 陥 る を 以 て 欲 に 於 て 行 ず る 天 た ち ︹ 欲 界 諸 天 ︺ の 中 に そ れ と そ れ に ︹ そ れ み の 諸 天 に ︺ ( 行 者 を ) 生 れ し め る ( 已 上 五 九 B ) の で あ つ て そ の た め " 彼 等 は ま た 彼 を " ︹ 本 経 " こ れ ら の 八 者 は ま た 彼 を 作 意 す る に 至 ら ん"︺ と い う も の 等 こ れ を 説 か れ た も の は 何 で あ つ て も 、 そ れ に 疑 を な す べ き で な い ﹂ と 決 定 の み を 以 て 八 そ の 事 を ) ︹ た だ く 確 信 し て ︺ 理 解 記 憶 す べ き で あ つ て 、 こ こ に 誤 解 を 起 す べ き で な い 、 と い う 断 言 で あ る 。 夜 叉 の 族 を の べ た る 際 に も 、 こ の 事 を 、 仏 は 存 念 さ れ て い る の で あ つ て 、 ( 実 は ) 彼 等 は 菩 薩 そ の も の で あ つ て 、 大 神 通 を 得 た ︹ 北 京 版 に 依 る 。 D 版 ﹁ を 得 た ﹂ 欠 ︺ 夜 叉 が 、 所 化 た ち に 利 益 を ( 誤 山 ) 附 す る た め 、 " 聖 金 剛 手 " の 如 く に 現 出 し た の で あ つ て 、 そ の 様 で あ る け れ ど も 、 菩 薩 で な い な ら ば ︹ " 菩 薩 で な い か ら ︺ そ の 様 で な い な ら ば ︹ そ の 様 で な い か ら ︺ 夜 叉 彼 等 は 力 が な い た め 、 陀 羅 尼 に 励 む 者 ( に し て ) ︹=﹁励 む 者 で も ﹂ の 意 ︺ 他 の 世 間 界 に 住 す る 者 た ち に は 利 益 を 附 す る こ と を 為 さ な い を 以 て 、 夜 叉 の 功 徳 を 述 べ た の は 、 ( 全 部 を ) 覆 う

(19)

の で な く な る で あ ろ う ︹=夜 叉 の 功 徳 は 全 て に 行 き 亘 る 事 に な ら ぬ の で あ る ︺ ︹ 日 ︽ 思 惟 す る こ と ︾ ︺ 薩 垣 (=心 、 勇 猛 な る ) ︹ s k t. s a t tv a; T ib. se m s-d p a h' ウ ・ 田 帥ある' ︺ と 説 か れ た 、 こ れ は 心 が 悲 に よ り て 湿 つ た 者 た ち が ( 他 を ) 利 益 せ ん と 欲 す る 慧 を 以 て 慈 .悲 し て 他 を 見 た る も の な り こ の ( 偶 文 ) の 意 味 は 明 白 で あ る か ら 釈 さ な い の で あ る 。 ︹ 訳 者 註 、 ﹁ 薩 唾 ﹂ と は 菩 提 薩 唾 即 ち 菩 薩 の 事 、 八 菩 薩 の 薩 唾 を 釈 す る な り ︺ (四) ︽ 名 ︾ ︹ 八 菩 薩 の 名 を あ げ た 事 を 指 す 、 項 目 名 の み は 先 に あ げ ら れ て い る が 釈 は な い ︺ (五) ︹ ︽ ( 行 者 が ) 陀 羅 尼 を 得 る た め ( 八 菩 薩 が ) 精 勤 す る こ と ︾ ︺ 勝 者 子 ︹=菩 薩 ︺ 彼 等 は ( 行 者 が ) ﹁ 利 益 を 成 就 す る こ と ﹂ ( n e -b a r sg r u b -p a, u p a sa m h a r a ) と 、 ﹁害 が な い よ う 捨 て た る ﹂ を 以 て 陀 羅 尼 が 得 ら れ る た め 、 精 勤 す る 。 ︹ 行 者 が 陀 羅 尼 を 得 る よ う 、 八 菩 薩 は 精 勤 す る ︺ ︽ 利 益 ︾ と は 、 善 知 識 に 依 止 す る こ と と 、 福 と 智 と の 資 糧 を 成 就 す る こ と と 、 力 あ ら し め る 事 等 で あ る 。 ︽ 害 ︾ と は 、 悪 友 に 交 わ る こ と と 、 喧 嘩 、 後 悔 等 で あ る 。 利 益 と 害 、 そ の 二 が 順 次 、 ( 利 益 は ) な さ れ 、 ( 害 は ) 浄 ま る を 以 て 、 菩 薩 彼 が 陀 羅 尼 を 得 る た め 、 ( そ の た め ) 八 菩 薩 彼 等 は 励 み 努 め る で あ ろ う 。 ︹ 因 ︽ 陀 羅 尼 に 励 む 者 に 八 菩 薩 が 陀 羅 尼 を 教 え る こ と ︾ ︺ ︽ 陀 羅 尼 に 励 む 者 ︾ の 所 作 を 教 え た の は 、 ま た 七 種 を 説 か れ た の で あ つ て (1) 誓 約 し た こ と に 堅 固 な る こ と と (2) 知 恩 (k rt a -u n a ) と (3) 知 報 (k rt a -v ed i) と (4) 法 を 欲 す る こ と と (5) 法 を 歓 喜 す る こ と と (6) 甚 深 法 忍 に 精 勤 す べ き 事 と (2) 分 配 を な す ︹=人 を も て な す ︺ 性 格 を 具 す る 様 に な す べ き 西 蔵 訳 ﹁ 出 生 無 辺 門 陀 羅 尼 経 ﹂ 及 び ﹁ 広 釈 ﹂ ・ 和 訳 因 ( 一 五 六 )

(20)

密 教 文 化 ( 一 五 七 ) 事 (b g o-bsah b y ed -p a h i n a n -t sh u l-can d u b yaho) で あ る 。 ︹(1)︿ 誓 約 し た 事 に 堅 固 な る こ と ﹀ と は ︺ 陀 羅 尼 に 励 む 事 を な す と は 何 で あ る か と な ら ば 何 か を 聞 く ( こ と ) ・ 思 ふ ( こ と ) ・ 随 喜 す る ( こ と ) ・ 書 く ( こ と ) と 、 教 を 講 説 す る ( こ と ) 等 を (誤 虞 ︺ 教 え る 者 の 理 趣 に 依 つ て ︹ " の 立 場 で ︺ 励 む 事 な り ︽ 等 ︾ と 言 つ た の を 以 て は 、 ﹁ 受 持 ﹂ と ﹁ 修 習 ﹂ ( 已 上 六 〇 A ) と ﹁ 如 法 作 意 ﹂ 等 を 摂 す る の で あ る 。 陀 羅 尼 を 起 こ す (=生 ぜ し め る ) 儀 軌 は 勝 者 が 自 他 を 望 め て 吟 諦 し て 説 か れ た り 師 等 の 区 別 に よ り て 他 は 三 種 と な る 前 に も 世 尊 は 陀 羅 尼 を 起 こ す 儀 軌 を 説 か れ た け れ ど も 、 今 ま た 、 自 と 他 を 望 め る 門 か ら 説 か れ た の で あ つ て 、 そ の 中(A) ︽ 自 に 望 む ︾ と は " 真 実 に ︹ 本 経 、 真 実 の ︺ 誓 約 を な す べ き な り " と い う も の に よ つ て 教 え た の で あ る 。 "真 実 に 誓 約 す る"とは、 堅 固 に 誓 約 す る こ と で あ る 。 そ の 様 な そ れ は ︹ 口 真 実 の 誓 約 は ︺ 陀 羅 尼 を 決 定 し て 起 こ す こ と を な す の で あ つ て 、 か く 彼 が 陀 羅 尼 を 自 分 で 起 こ す べ し ﹂ と 誓 つ た な ら ば 、 彼 は そ れ を 起 こ さ な い 間 は 中 途 で 退 転 し な い の で あ る 。 残 り の も の に 依 つ て は 、 ︹=﹁真 実 誓 約 ﹂ 以 外 に 依 つ て は ︺(B) ︽ 他 に 望 め る 門 ︾ か ら 陀 羅 尼 を 起 こ す べ き 儀 軌 を 教 え た の で あ つ て 、 そ の 他 と は 亦(a)師 と 、(b)法 と 、(c)集 (北 京 版 は 教 化 h d u l-b a ) の 区 別 に よ つ て 三 種 と な る の で あ つ て 、 そ の 中(a)︽ 師 に 望 め る ︾ と は 、(2)"知恩"と(3)"知 報 を 具 す る"と い う も の 、 こ れ ら の 二 に よ り て 陀 羅 尼 を 起 こ す 儀 軌 を 教 え た の で あ つ て 、 か く (次 の 如 く ) 世 尊 と 関 係 す る 三 帰 依 を 得 る 等 の 恩 恵 を 念 じ て 、 彼 が 説 か れ た も の 通 り に 決 定 そ の も の に ︹ " 確 実 に ︺ 成 就 す る こ と を な す の で あ つ て 、 彼 が 説 い た 陀 羅 尼 は 大 利 (d on c h a u-po) で あ る が 故 に 、 ( そ れ を ) 起 こ す 必 要 が あ る と 想 う た め で あ る 。 誰 か "(3)恩 を 感 ず る 4 (b y a s-pa ts h or -b a テ ヰ マクコトヨル モ 生 細ル k rta-vedin'自るもの'﹁ 苔 歯 ﹂ ) そ の 彼 は 、 ま た 決 定 そ の も の に 陀 羅 尼 を 起 こ す の で あ つ て 、 か く 陀 羅 尼 を 成 就 し た る が 故 に 、 世 尊 の 恩 恵 に 感 ず る の で あ る 。 彼 は 恩 恵 を 感 ず る こ と を な す (75-5) 性 格 (n a n -t sh u l, s il a' 穿 強 百陀羅'' 海' ) を 具 す る 者 で あ る が 故 に 、 恩 恵 を 感 ず る 人 ( 知 報 者 ) で あ る 。

(21)

( 次 に )(b)︽ 法 に 望 め る ︾ と は "(4)法 を 欲 す る "と い う も の 等 に よ つ て 陀 羅 尼 を 起 こ す 儀 軌 を 教 え た の で あ つ て 、 何 の た め に し ろ 、 誰 か が 法 を 欲 し て ( 法 を ) 熱 望 す る 彼 は 決 定 し て 陀 羅 尼 を 起 こ す に 至 る の で あ つ て 、 そ れ は ︹=陀 羅 尼 は ︺ 法 の 最 勝 で あ る た め で あ る 。 (5) " 法 を 歓 喜 す る " と は 何 か の 法 に 甚 だ 入 つ た こ と で あ つ て そ れ に 専 念 す る ( lh u r le n -p a' 離 鐸 メル'' 弗 雌 メル'' 謎 知 メル' ) そ の 様 な 彼 は 陀 羅 尼 を 起 こ さ ず に 居 れ ぬ の で あ る 。 (6) " 甚 深 法 忍 に 精 勤 す る " と は 、 何 と か ( g a n la sh ig ) ︹ よ い 加 減 に ? ︺ 陀 羅 尼 を 起 こ す の で は な い の で あ つ て ( 巳 上 六 〇 B ) そ れ は ︹ 闘 陀 羅 尼 は ︺ 最 勝 に 深 い た め で あ る 。 (c) 集 ( 教 化 ) 利 他 の た め に 亦 こ の 陀 羅 尼 を 起 こ す べ き た め " 菩 薩 摩 詞 薩 に し て 陀 羅 尼 に 励 む 者 は " と い う も の 等 を 説 か れ た の で あ つ て 法 と 財 の 区 別 を 以 て 運 分 二 種 を 教 ゆ ( と は ) ︽ 運 分 ︾ ( b g o -b sah 黙 峰 ノ 懸 ノ 建 佃トシテ ノ 簡 命 ) は 二 種 で あ つ て 、 法 の 運 分 と 財 の 運 分 で あ る 。 " 性 格 " (n a n -t sh u l, s ila ) を 言 つ た の を 以 て は 、 運 分 の 自 性 を 教 え た の で あ つ て 、 そ れ に 依 つ て な ら ば 心 の 甚 だ 執 着 な き こ と を 教 え た の で あ る 。 " 小 さ く"と"少なく"と"多く"と は 品 物 と 数 と の 二 種 を 教 え た り ︽ " 小 さ く " ︾ と は 、 品 物 が ﹁ 小 ﹂ で あ る 。 ︽ " 少 な く " ︾ と は 数 が ﹁ 少 な い ﹂ た め で あ る 。 ︽ " 多 く " ︾ と は 、 品 物 と 数 が ﹁ 多 い ﹂ た め で あ る 。 陀 羅 尼 の 義 を 教 え た も の な れ ど も し か し 亦 一 般 に ま た 教 え る を な さ れ た り 知 恩 等 が 他 に ま た な さ る べ き た め に な ら ば 説 か れ た る な り 陀 羅 尼 の 義 を 教 え た 分 位 ︹ 文 段 ︺ で あ る け れ ど も 、 い ま は 一 般 に 教 え た の で あ つ て 、 説 か れ た 知 恩 等 が 何 で あ つ て も 、 そ れ は 他 ( の 者 ) に も 亦 な す 必 要 が あ る た め 、 そ の 義 を 教 え た ( と い う ) 断 言 で あ る 。 ︹ 三 ︺ ︹ 第 十 六 段 の 中 、 個 の ︹ 三 ︺ 説 か れ た 時 の 利 益 を の べ る ︾ ︺ ( 本 経 ) 世 尊 が 、 陀 羅 尼 の 法 門 こ れ を 説 か れ た 時 に 、 三 十 ・ 西 蔵 訳 ﹁ 出 生 無 辺 門 陀 羅 尼 経 ﹂ 及 び ﹁ 広 釈 ﹂・ 和 訳(六) ( 一 五 八 )

(22)

密 教 文 化 ( 一 五 九 ) 恒 河 沙 ・ 百 千 ・ 那 由 多 ・倶 砥 の 菩 薩 は 、 ﹁ 無 辺 の 門 に 依 り て 成 就 す る 、 こ の 陀 羅 尼 ﹂ を 得 、 無 上 正 等 正 覚 よ り ま た 退 転 せ ざ る 者 と な り た り 。 天 と 人 と 阿 修 羅 の 九 生 ︹=全 生 物 ︺ ・ 昔 発 心 せ ざ る 者・ 瀕 婆 羅 ︹ d k r ig s-pa, v im b ar a (数 ノ單位 ) ︺ 六 十 ・百 千 ・那 由 多 ・ 倶 砥 が 無 上 正 等 正 覚 に 発 心 せ り ( 広 釈 ) ︽ 説 か れ た 時 ( の ) 利 益 を の べ た ︾ の は 、 ( 蕊 直 ) 二 種 で あ つ て 、(一)不 退 地 を 得 る こ と と 、(二)無 上 菩 提 に 発 心 す る こ と で あ る 。 そ れ は 亦 こ こ に は 主 と し て 牟 尼 が 二 果 を 教 え た る な り ど の 様 に と な ら ば 、 日 く 天 国 等 の 果 は 他 が 教 え た 中 か ら 証 得 す る に 至 ら ん ︽ 世 尊 が 教 え た ︾ の は 、 一 切 が ま た 天 と 人 と に 生 れ る こ と と 、 王 位 等 と 離 れ ず に ( 福 分 が ) 増 大 す る こ と と 、 で あ る 。 ︽ こ の 果 、 二 を 主 と し て 教 え た ︾ の は 、 ま た 大 菩 提 に 決 定 し て 成 る 因 で あ る た め と 、 根 基 と な つ た た め で あ る 。 (一) ︽ 不 退 地 を 得 る ︾ の は 、 た だ 菩 薩 た ち の み で あ る た め 前 者 の 場 合 に "菩 薩 ( は⋮⋮"と い う 文 ) を 言 つ た の で あ る 。 口 ︽ 無 上 正 等 正 覚 に 発 心 す る ︾ と は 、 菩 薩 で な い も の た ち の み が ( 発 心 を ) な す の で あ る が 故 に 、 後 者 の 場 合 に は " 菩 薩 " ( と い う 言 葉 ) を 言 は な か つ た の で あ る 。 第 十 七 段 ︽ ( 法 門 の ) 名 を 質 ね る こ と ︾ ( 本 経 ) そ れ か ら 世 尊 に 、 具 寿 舎 利 弗 は か く 申 上 げ た 。 ﹁ 世 尊 、 こ の 法 門 の 名 は 何 ( と い う の ) で あ る か 、 こ れ は い か に 受 持 を な す べ き で あ る か ﹂ と 。 ( 広 釈 ) い ま や ︹ 第 十 七 段 ︺ は ︽ 名 を 質 ね た こ と ︾ を 述 べ る べ き あ つ て 、 自 と ( 已 上 六一A) 他 の 利 を 順 次 に 質 ね た こ と と 、 必 要 を 教 え た こ と ( と ) ま た 義 が 大 で あ る た め 二 つ の 言 葉 に よ り て 諦 じ て 質 ね た る 也 " こ れ の 名 は 何 で あ る か"と い う も の に 依 つ て は 、 ︽ 名 を 問

(23)

ふ た 事 ︾ を 教 え た の で あ る 。 名 を 問 う た こ と は 必 要 が な い 、 と 懸 念 す る 者 に 対 し て は ︹=懸 念 す る 者 の た め に は ︺ 、 " こ れ は い か に 受 持 を な す べ き で あ る か " と い う も の に 依 つ て 、 ( そ の ) 必 要 を 教 え た の で あ つ て 、 名 称 ( t h a -s n a d ) を 附 す 時 に こ れ は ど の 様 に 受 持 す べ き か 、 と い う 断 言 で あ る 。 そ れ に よ り て な ら ば ︹=そ れ 故 に ︺ 後 に 名 を 附 す 所 作 を 問 う た こ と の 、 必 要 で あ る こ と を 教 え た の で あ る 。 ま た " こ の 名 は 何 で あ る か "と い う も の は 自 利 の た め に 質 ね る の で あ る 。 " こ れ は い か に 受 持 を な す べ き か で あ る か"と い う も の は 利 他 の た め に 質 ね る の で あ つ て 、 そ れ ら は 、 ま た 名 称 が 附 せ ら る べ き (76-2) た め 、 法 門 の 名 を 聞 か ん と 欲 す る な ら ば 、 ﹁ こ の 法 門 を 他 者 が 受 持 す る な ら ば ど の 様 に 受 持 せ し め る べ き か ﹂ と い う 断 言 で あ る 。 ま た 、 こ の 法 門 は 義 が 大 き い た め 、 信 に よ つ て 欲 求 せ ら れ た 心 に 依 つ て 、 再 三 名 を 尋 ね し め る の で あ る 。 ︽ ま た ︾ ︹ 偶 文 の ﹁ ま た 義 が 大 で あ る た め ﹂ の ﹁ ま た ﹂ ︺ と い う も の は 、 言 わ な か つ た こ と を 摂 す る 義 で あ つ て 、 そ れ に よ つ て な ら ば ︹=そ れ 故 に ︺ 二 つ の 言 葉 に よ つ て 自 身 で 名 を 聞 か ん と 欲 す る ( の で あ る こ と ) を 教 え た も の で あ つ て 、 か く (=以 上 の 如 く ) 一 般 に 尋 ね た け れ ど も 、 然 れ ど も 自 身 を 摂 す る た め 、 " こ れ は ど の 様 に 持 す べ き か"と 言 つ た の で あ る 。 第 十 八 段 ︽ 命 名 ︾ ( 本 経 ) 世 尊 は 仰 せ ら れ た 舎 利 弗 よ 、 そ の た め に は 、 汝 は こ の 法 門 (1) ﹁ 無 辺 の 門 に 依 り て 成 就 せ る 陀 羅 尼 ﹂ と 称 す る も の を ま た 持 せ よ か し (2) ﹁菩 薩 を 一 向 に 決 定 し て 現 出 (m n on-par-hphags-pa, ah h y u d g a ta ) せ し め る ﹂ と 名 ず け る も の を 持 せ よ か し (3) ﹁ 一 切 の 魔 を 擢 破 す る こ と を な す ﹂ (m a m -P a r h ji g -p a r-正したい ) と 名 ず け る も の を 持 せ よ か し (4) 二 向 に 一 切 種 智 を 得 し め る ﹂ と 名 ず け る も の を 持 せ 西 蔵 訳 ﹁ 出 生 無 辺 門 陀 羅 尼 経 ﹂ 及 び ﹁ 広 釈 ﹂ 和 訳(六) ( 一 六 〇 )

(24)

密 教 文 化 ( 一 六 一 ) よ か し 、 と 。 ( 広 釈 ) い ま や ︹ 第 十 八 段 は ︺ ︽ 名 を 附 す こ と ︾ を 教 え た の で あ つ て 、 こ れ は 次 第 そ の も の の 如 く に 因 と 果 の 事 柄 を 以 て 名 は 四 種 と な さ れ た の で あ つ て そ の た め 、 少 く も 余 分 も な い こ れ ら(一) ︽ 四 種 の 名 ︾ は 、 こ の 法 門 の 、 連 続 の 果 と な る も の は 何 で あ つ て も 、 そ の 因 と 果 と の 事 柄 ︹ 間 柄=関 係 ︺ に 在 る た め で あ つ て 、 地 と 波 羅 蜜 と 三 昧 と 解 脱 と 神 通 等 の 諸 功 徳 は 無 辺 の 門 に 依 つ て 成 就 せ る た め な ら ば 、 こ の 法 門 の 名 は " 無 辺 の 門 に 依 り て 成 就 せ る 陀 羅 尼 " と す べ き で あ る 。 何 の た め に し ろ こ れ の 名 を(1)﹁ 無 辺 の 門 に よ り て 成 就 す る ﹂ と 名 ず け る 、 そ の た め 、 こ れ の 名 を(2)" ﹁菩 薩 を 一 向 に 決 定 し て 現 出 せ し め る ﹂ と 名 付 け る も の を 持 せ よ か し " と 説 か れ た の で あ つ て 、 何 の た め に し ろ 、 そ の 様 な 因 か ら 、 そ の 様 な 果 が 決 定 し て 現 わ れ る た め で あ る 。 " 一 向 に 決 定 し て 〃 と い う の は ( 已 上 六 -B ) ﹁ を 具 す る ﹂ ( ld an-pa) の 義 で あ つ て 、 こ れ よ り 菩 薩 を 一 向 に 決 定 し て 現 出 せ し め る で あ ろ う ﹂ と い う も の を 摂 す べ き で あ る 。 対 向 を 以 て ( m n o n -p a r -p h y o g s -p a s'細に 百お か会' ) 上 か ら 上 に 特 別 に 得 る た め 、 (76-3) 出 ( h p h a g s-p a, U d g a ta ) を 現 に ( m n o n-par, a b h i ) な す の で あ る 。 ︹ " 現 出 せ し め る " ( m n o n-par h p h a g s-p a ) と い う 言 葉 の 説 明 で あ る ︺ 何 の た め に し ろ こ れ の 名 を "(2) 一 切 の 菩 薩 を 一 向 に 決 定 し て 現 出 せ し め る 〃 と 名 づ け る 、 そ の た め 、 こ れ の 名 を(3) " 一 切 の 魔 を 擢 破 す る こ と を な す ﹂ と 名 づ け る も の を 持 せ よ か し " と 説 か れ た の で あ つ て 、 果 は 因 と 同 様 で あ る た め で あ る 。 " 魔"を 言 つ た の を 以 て は 、 煩 悩 と 天 子 の 魔 を 摂 す る の で あ つ て 、 こ れ に よ り て 一 切 の 魔 を 擢 破 す る こ と を な す た め と い う 言 葉 と 照 応 、 結 び つ け る べ き で あ る 。 何 の た め に し ろ 、 こ れ の 名 を 一 切 の 魔 を 擢 破 す る と 名 ず け る た め 、(4) " ﹁ 一 向 に 決 定 し て 一 切 智 そ の も の を 得 し め る ﹂ と い う も の を 亦 持 せ よ か し " と 説 か れ た の で あ つ て 、 そ れ は 亦 ﹁ 一 向 に 決 定 ﹂ で あ つ て 、 一 切 智 そ の も の を 得 せ し め る も の で も あ る 、 と い う 言 葉 と 照 応 結 び つ け る べ き で あ る 。 或 は 亦 、 多 文 字 粒 で な い と 結 び つ け る の で あ る 。

(25)

何 の た め に し ろ そ の 様 で あ る 、 そ の た め 、 他 の 果 が 有 る を 以 て な ら ば ︹=有 る を 以 て の 故 に ︺ ︽ 少 な く も な い ︾ の で あ つ て 、 そ れ 以 上 果 が な い た め ︽ 余 分 も な い ︾ の で あ る 。 (二) ︹ 順 と 順 で な い 理 趣 ︺ 順 と 順 で な い 中 成 就 と 所 成 ( 成 就 す る も の と ・ せ ら れ る も の ) の 事 柄 を 以 て 名 は 四 種 と な さ れ た の で あ つ て そ の た め 少 く も な く 余 分 も な い ま た ︽ 順 ︾ (l u g s-su h b y u n -b ah i) の 理 趣 を 以 て 、 前 々 は 因 で あ つ て 、 後 々 は 所 成 で あ る た め 、 名 を 四 種 に な さ れ た の で あ る 。 ︽ 順 で な い ︾ の は 、 后 々 が 因 で あ つ て 、 前 々 は 所 成 で あ る た め 、 名 を 四 種 と な さ れ た の で あ つ て 、 因 待 ( lt o s-pa, 相 対 メ セモテ ) を 具 す る た め ︽ 少 く も な い ︾ の で あ つ て 、 成 就 す る も の の 因 待 が な い を 以 て 他 の 名 を 附 す べ き で な い た め ︽ 余 分 に も な い ︾ の で あ る 。 (76-4) こ の 釈 の 場 合 は " 魔 " を 言 つ た の を 以 て は 一 切 魔 を 摂 す る の で あ る 。 日 ︹ 四 種 円 満 ︺ ま た 一 切 の 功 徳 と 智 円 満 ( と ) 捨 円 満 ( と ) 特 別 殊 勝 円 満 と の 依 は 、 そ れ 自 身 で あ る た め な り ま た 法 の ( 已 上 六 二 A ) 門 こ れ は (=ま た こ の 法 門 は ) 四 種 円 満 具 足 の 依 ︹=依 り ど こ ろ と な る も の ︺ で あ つ て 、 そ の た め ( こ の 法 門 の ) 名 を 四 種 と な さ れ た の で あ る 。 ︽ 四 種 の 円 満 具 足 ︾ と は 、(1) 一 切 の 功 徳 が 円 満 具 足 す る こ と と(2) 智 の 円 満 具 足 と(3) 捨 の 円 満 具 足 と(4) 特 別 殊 勝 の 円 満 具 足 で あ つ て ︽ 特 別 殊 勝 の 円 満 具 足 ︾ と い う も の は 、 上 か ら 上 に と い う も の 中 間 の 言 葉 を 明 か に な さ ず し て 教 え た も の で あ る 。 ︽ 智 の 円 満 具 足 ︾ 等 と は 、 ︽ 一 切 の 功 徳 の 円 満 具 足 ︾ の 中 に 亦 集 ま つ た も の ( h d u s-p a ) ︹" 摂 せ ら れ る も の 、 集 め ら れ る も の 、 含 め ら れ る も の ︺ で あ る け れ ど も 、 主 な る も の と し て (g t so-bor) 教 え る た め 、 一 方 面 を ︹=一 項 目 と し て ︺ 教 え た の で あ る 。 西 蔵 訳 ﹁ 出 生 無 辺 門 陀 羅 尼 経 ﹂ 及 び ﹁ 広 釈 ﹂ ・ 和 訳(六) ( 一 六 二 )

参照

関連したドキュメント

Official Basketball Rules 2020 Basketball Equipment (FIBA 原文/日本語訳).. 第 3 章

日本語で書かれた解説がほとんどないので , 専門用 語の訳出を独自に試みた ( たとえば variety を「多様クラス」と訳したり , subdirect

仕訳①:BS ソフトウェア/CF 公共施設等整備費支出 仕訳②:BS 建設仮勘定/CF 公共施設等整備費支出 仕訳③:BS 物品/CF 公共施設等整備費支出 仕訳④:PL

ハンブルク大学の Harunaga Isaacson 教授も,ポスドク研究員としてオックスフォード

P Filliozat’s edition (“F” is avoided lest it is confused with manuscript F above)

2011 “Key Features of Dharmakīrtiʼs Apoha Theory.” In: Apoha: Buddhist Nominalism and Human Cognition, Mark Siderits, Tom Tillemans, Arindam Chakrabarti eds., Columbia

人の生涯を助ける。だからすべてこれを「貨物」という。また貨幣というのは、三種類の銭があ

[r]