• 検索結果がありません。

当科における顎下腺癌22症例の検討

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "当科における顎下腺癌22症例の検討"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)頭頸部外科  30(3):285∼290,2020. 当科における顎下腺癌 22 症例の検討 石  永   一. 中  村   哲. 千 代 延 和 貴. 平 田 智 也. 石 神 瑛 亮. 竹 内 万 彦. 要旨:2009 年から 2018 年の間に当科で治療を行った未治療例の顎下腺癌症例 22 例を検討した。3 年ならびに 5 年粗生存率は 79.4%であり,3 年ならびに 5 年無再発生存率は 69.8%であった。再発例はいずれも遠隔転移 を示しており,6 例の遠隔転移例中,4 例が原病死しており,2 例が担癌生存中であった。多変量解析ではリ ンパ節転移陽性が重要な再発予測因子と判明した。われわれの検討では,顎下腺癌は主に遠隔転移によって死 亡するということが示唆された。 キーワード:顎下腺癌,頸部郭清,術後照射,薬物治療.  A clinical study of 22 cases of submandibular gland carcinoma : Hajime Ishinaga, Satoshi Nakamura, Kazuki Chiyonobu, Tomoya Hirata, Eisuke Ishigami and Kazuhiko Takeuchi. Department of Otorhinolaryngology-Head & Neck Surgery, Mie University Graduate School of Medicine  A clinical study was made of 22 patients with previously untreated submandibular gland carcinomas in our department between 2009 and 2018. Overall three- and five-year survival rates were both 79.4% and relapse-free three- and five-year survival rates were both 69.8%. All of the cases of recurrence showed distant metastasis.  Six patients had distant metastasis, four patients died of the disease, and two patients were alive with recurrence. Multivariate analysis showed lymph node metastasis was a significant factor for relapse-free survival. Our study suggested that death due to submandibular gland carcinoma occurred mainly due to distant metastasis. New medical treatments need to be developed to improve survival in patients with submandibular gland carcinoma. Key words : submandibular gland carcinoma, neck dissection, post-operative radiotherapy, medical treatment [Received May 8, 2020, Accepted Aug. 21, 2020]. はじめに  顎下腺癌は比較的症例が少なく,その割合は唾液 腺腫瘍の中で 5 ∼ 15%と報告されており,頭頸部 癌の中では 1%未満である1,2)。さらに顎下腺癌は多 彩な病理組織像を呈するため,治療方針は施設によ り異なっているものと思われる。顎下腺癌治療の第 一選択は手術による根治切除であるが,頸部郭清術 や術後治療の適応については確固たるコンセンサス 三重大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科 [令和 2 年 5 月 8 日受付,令和 2 年 8 月 21 日受理]. は得られていない。そこで今回は,当科において治 療を行った顎下腺癌症例を検討し,治療法,成績, 今後の課題などにつき検討を加えたので報告する。 対象と方法  2009 年から 2018 年までの 10 年間に,三重大学 医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科にて初回手術 を行い,病理学的に顎下腺癌と診断された 22 症例 について後ろ向きに解析した。TNM 分類は UICC 第 8 版にて行い,TNM 分類,ステージ分類とも病 理学的に判定した。検討項目は,性別,年齢,臨床. ―  ― 285.

(2) 石永 一:当科における顎下腺癌 22 症例の検討. 病期,病理組織型,術前診断,治療内容(術式・照 射),および転帰とした。治療成績は Kaplan-Meier 法にて,全症例の累積粗生存率ならびに無再発生存 率を求めた。また再発・転移に関わる独立因子を求 めるために,先ず Fisher の正確確立検定を行い, その後に多重ロジスティック回帰分析を用いて多変 量解析を行った。p<0.05 を有意差ありと判定した。  なお,本研究は三重大学医学部附属病院倫理委員 会の承認を得て行っている(承認番号 H2019-174) 。 本研究は後ろ向き観察研究であり,対象者から個別に 同意書を取得せずオプトアウト(研究についての情報 を研究対象者に公開し,研究対象者が研究が実施さ れることを拒否できる機会を保障した)で行った。. に悪性と診断されなかった症例のうち,2 例は術中 迅速病理診断で悪性と診断されたが,残りの 2 例 (8%)は術後病理検査で初めて悪性と診断された。  術式については,顎下腺摘出のみ行ったのが 4 例 あり,2 例は術前には良性と診断されていた症例 だったので頸部郭清は行わなかった。残りの 2 例は T1N0 症例であったため予防郭清は行わなかった。 顎下腺摘出 + 頸部郭清術施行例は 18 例あった。頸 部郭清をもう少し詳細に検討すると,全頸部郭清例 が 8 例(うち 6 例は術前 N+ 症例),肩甲舌骨筋上 郭清例が 10 例(全例術前 N0 症例)であった。顎 下腺癌 22 例中,術後病理結果や治療後経過で頸部 リンパ節転移が判明した症例は 6 例(31.8%)で あった。術前 N0 の診断で予防的頸部郭清を行った 12 例のうち,術後病理検査で潜在的な転移が見い だされた症例は 1 例(8.3%)であった。術後照射 は,進行高悪性度癌例,頸部リンパ節転移例,節外 浸潤例,断端陽性例に適応としており,実際には 11 例に施行されていた。そのうち高悪性度癌が 10 例(うち 7 例が病期Ⅲ・Ⅳ),腺様囊胞癌が 1 例で あった。一方術後照射なしが 11 例あり,T1‐2N0 (病期Ⅰ・Ⅱ)症例が 7 例,併存症により術後照射 が行われなかったのが 3 例,遠隔転移例が 1 例で あった。  (4)治療成績について  全症例の 3 年・5 年全生存率はともに 79.4%で あった。また初診時に遠隔転移があった 1 例を除い た 21 例の検討で,無再発生存率は 3 年・5 年とも 73.1%であった(図 2)。. 結  果  (1)年齢・性別  対象患者の年齢は 42 歳から 80 歳,平均 62.0 歳 であり,性別は男性 17 例,女性 5 例であった。平 均観察期間は 43.7 か月( 5 ∼ 113 か月)であった。  (2)病理組織型ならびに病期分類  唾液腺導管癌が最も多く 9 例,続いて腺様囊胞癌 7 例,多形腺腫由来癌が 2 例,粘表皮癌 2 例, 平 上皮癌 1 例,未分化癌 1 例であった。病期分類では stage Ⅰ:8 例,stage Ⅱ:3 例,stage Ⅲ:4 例, stage Ⅳ:7 例であった。なお,対象症例の詳細は 表 1A に,pTN 分類は表 1B に示した。  (3)術前診断と手術術式の選択(図 1)  術前に行った 刺吸引細胞診で悪性,または悪性 疑いと判明した例が 18 例(82%),良性または鑑別 困難と判定されたのが 4 例(18%)であった。術前. 表 1A 対象症例 性別. 男性 17 例 女性 5 例. 年齢. 42 歳∼ 80 歳(平均 62.0 歳). 病理組織型. 唾液腺導管癌 9 例 腺様囊胞癌 7 例 多形腺腫由来癌 2 例 粘表皮癌 2 例  平上皮癌 1 例 未分化癌 1 例. 悪性度. 高悪性度癌 13 例 中悪性度癌 7 例 低悪性度癌 2 例. 病気別(UICC8 版) Ⅰ期:8 例 Ⅱ期:3 例 Ⅲ期:4 例 Ⅳ期:7 例. 表 1B pTN 分類 pT1. pT2. pT3. pT4. pN0. 8. 3. 4. 1. pN1. 0. 0. 0. 0. pN2. 0. 3. 2. 1. pN3. 0. 0. 0. 0. ―  ― 286.

(3) 頭頸部外科  30(3):285∼290,2020. 図 1 顎下腺癌:22 例の治療の実際. 図 2 顎下腺癌 22 例の全生存率ならびに無再発生存率.  (5)再発・転移症例について  再発・転移症例は 6 例認められた(表 2) 。そのう ち 1 例は初診時に遠隔転移がある症例であった。残 りの 5 例はいずれも遠隔転移であり,手術+術後照 射にて全例で局所制御が得られていた。再発までの 期間は初診時に遠隔転移があった例を除くと平均 8.4 か月(3 か月∼ 20 か月)であった。再発・転移 6 例 中 4 例は死亡しており,2 例は担癌生存の状態であ る。これらの 2 例は現在ドセタキセルやパクリタキ セル + セツキシマブなどの化学療法を行っている。.  (6)再発・転移に係わる因子の検討  再発・転移症例について,それぞれ性別・年齢・ 悪性度・pT 分類・pN 分類・術前診断での悪性・頸 部郭清の有無・術後照射の有無の項目について単変. 量解析を行った(表 3A) 。結果は表 3A に示したが, p<0.25 以下だったのは悪性度,pT 分類,pN 分類, 術前診断,頸部郭清であったため,これらについて 多重ロジスティック回帰分析をを行ったところ,最 終的には pN 分類のみが有意差を認めた(表 3B) 。 考  察  ①病理組織型について  顎下腺癌は多彩な病理組織像を呈し異なった悪性 度を示す。2018 年の本邦からの多施設での報告 3)で は,顎下腺癌 65 例の病理組織型別の検討において, 腺様囊胞癌が 34%,多形腺腫由来癌が 18%,唾液 腺導管癌が 12%,粘表皮癌 9%であったと報告して いる。Hanら4)の 2012 年の報告では,顎下腺癌 64. ―  ― 287.

(4) 石永 一:当科における顎下腺癌 22 症例の検討. 表 2 再発例の経過 年齢・性. 病理. TNM. 郭清範囲. 術後照射. 1. 64M. SCC. T4aN2bM0. 全頸部. 60. 肺・縦隔(3 か月) 5 か月死亡. 2. 63M. SDC. T2N2bM0. 全頸部. 60. 肺(4 か月). 7 か月死亡. 3. 62F. ACC. T4aN0M0. 上頸部. 肺(20 か月). 54 か月生存. 4. 79M. 多形腺腫由来. T3N0M0. 上頸部. 60. 肺・骨(12 か月) 18 か月死亡. 5. 51M. SDC. T2N2bM0. 全頸部. 60. 肺(3 か月). 25 か月生存. 6. 67M. SDC. T3N2bM1. 全頸部. 肺(初診時から) 脳(28 か月). 32 か月死亡. SCC:. 再発部位. 予後. 平上皮癌 SDC:唾液腺導管癌 ACC:腺様囊胞癌 多形腺腫由来:多形腺腫由来癌. 表 3A 再発例における関連因子の検討(単変量解析) 再発なし. 再発あり. p値. 性別. 男性 女性. 11 5. 4 1. 0.550. 年齢. 62 歳以下 62 歳未満. 7 9. 1 4. 0.344. 悪性度. 高悪性度 それ以外. 8 8. 4 1. 0.258. pT分類. T1-T2 T3-T4. 12 4. 2 3. 0.182. pN分類. N0 N+. 14 2. 2 3. 0.063. 術前診断. 悪性 良性・鑑別困難. 12 4. 5 0. 0.304. 頸部郭清. あり なし. 12 4. 5 0. 0.304. 照射. あり なし. 7 9. 5 1. 0.185. 表 3B 再発例における関連因子の検討(多変量解析) 偏回帰係数 pN分類 定数. 2.315. −1.946. 有意確率. オッズ比. 0.047 0.010. 10.500 0.143. オッズ比の 95% 信頼区間 下限 上限 1.029. 107.166. p<0.05 判定的中率 81.0%. 例 に お い て, 腺 様 囊 胞 癌 26.6%, 唾 液 腺 導 管 癌 21.9%,多形腺腫由来癌 17.2%,粘表皮癌 15.6%で あったと述べている。当科の検討でも,唾液腺導管 癌 9 例・41%,腺様囊胞癌 7 例・32%,多形腺腫由 来癌 2 例・9%,粘表皮癌 2 例・9%であり,同様な 傾向がみられていた。.  ②無再発生存に関わる因子について  今回の当科の検討では最終的に pN 分類のみが有 意差を示し無再発生存に対する独立因子であった。 Hanら4)も 64 例の顎下腺癌での多変量解析で,無再 発生存に関わる独立因子は T 分類,N 分類であり, 無遠隔転移生存に関する独立因子は N 分類のみで. ―  ― 288.

(5) 頭頸部外科  30(3):285∼290,2020. あったと述べており,これらの結果は顎下腺癌治療 において頸部転移陽性であることが,予後に関する 重要事項であると思われた。また手術に関する興味 深い報告として,Benchetricら5)は米国 national cancer databease を用いた 1,150 例の顎下腺癌の検討に て,断端陽性が 41%に認められ,これが生存率を 下げる独立因子となっていると報告している。断端 陽性はアカデミア施設とそうでない施設で陽性率に 差があり,より専門施設で治療を受けた方がよいと 勧めている。こうした報告を踏まえると根治切除に なるように安全域の確保に細心の注意を払って手術 に臨まなければならないと考えられた。  ③治療方針について  顎下腺癌の治療方針においては,手術による治癒 切除が第一選択であることは異存のないところであ り,かつ頸部転移陽性が予後不良因子であったが, 郭清,特に予防的頸部郭清術については様々な意見 がある。NCCN ガイドライン(Version3. 2019)で は術前に頸部リンパ節転移がない場合の予防的頸部 郭清は推奨されていない 6)。2018 年度版の頭頸部癌 診療ガイドラインの CQ9-3 でも,唾液腺癌の予防 的頸部郭清の有効性は科学的に結論がでていないと されている。しかしながら実際のところ予防的頸部 郭清を行っている報告は多い 7-9)。当科では原則術 前N+症例に対しては全頸部郭清を行い,術前N− 症例に対しては肩甲舌骨筋上郭清を行う方針として いる。ただ実際は複数の術者がかかわっていたた め,T1N0 症例に対し頸部郭清を省略した症例や術 前 T4aN0 症例で高悪性度癌に対して全頸部郭清を 行っていた症例もあり,やや方針にぶれが生じてい たのは否めない。当科の結果では,臨床的に N0 と 診断された例の 8.3%に潜在的リンパ節転移が認め られ,諸家の報告に比して少なかったが,Pohar ら 10)は 74 例の顎下腺癌の検討で,21%に潜在的リ ンパ節転移があったと報告している。Hanら4)も 64 例の顎下腺癌のうちリンパ節転移は 48.4%に認めら れ,19.5%は潜在的リンパ節転移であったと述べて いる。頭頸部 平上皮癌では 15 ∼ 20%以上の潜在 的リンパ節転移が考えられる場合は予防的頸部郭清 術を行った方がよいとする意見 11)もあり,これを. ている。Qianら13)は米国 national cancer database を用いて 1,504 例の大唾液腺の腺様囊胞癌を検討し ており,潜在的頸部リンパ節転移陽性率は 9.0%で あり,さらに N0 症例に対するリンパ節摘出は生存 率に影響を及ぼさなかったと報告している。これら の結果から少なくとも腺様囊胞癌全症例に予防的頸 部郭清を行う必要はないと思われる。その他の病理 組織型については,Lauら14)が 119 例の臨床的 N0 の唾液腺癌症例の検討で,潜在的頸部リンパ節転移 率は唾液腺導管癌では 33%,未分化癌は 29%,多 形腺腫由来癌は 17%と高く,高悪性度のものとそ れ以外では有意差をもって前者の方が潜在的頸部リ ンパ節転移が多い(31% vs 5%;p<0.001)と報告 している。以上より,術前に高悪性度癌と確実に診 断するのは難しいが,可動性不良例,顔面神経麻痺 がある例,画像検査で境界不明瞭な腫瘍など,高悪 性度癌を強く疑う症例に対する予防的郭清は十分に 正当化される。なお,予防的頸部郭清ではなく予防 的 放 射 線 治 療 を 選 択 し て い る 施 設 も み ら れ る。 Chenら15)は 251 例の臨床的 N0 唾液腺癌症例に対 し,頸部に治療なしの群と,頸部郭清を行わず頸部 に予防的放射線治療(中央値 63Gy)を行った群で 比較し,照射後 10 年間での頸部再発率はそれぞれ 26%と 0%であったと報告している。Hermanら16) は臨床的 N0 の高悪性度唾液腺癌に対し,41 例は予 防的頸部郭清を行い,18 例に予防的放射線治療を 行い,5 年頸部制御率はそれぞれ 90%と 100%,疾 患特異的 5 年生存率はそれぞれ 84%と 94%であっ たと報告している。これらの報告は臨床的 N0 症例 に対する予防的放射線治療の有効性を示唆している が,著者も症例の選択バイアスがかかっていると述 べているように,予防的放射線治療はまだ日常診療 で選択されるほどのエビデンスはないと思われる。  ④術後治療について  NCCN ガイドライン 6)では,腺様囊胞癌,中高悪 性度癌,断端陽性または近接,神経・神経周囲浸 潤,リンパ節転移陽性,リンパ管・血管浸潤などに 術後照射が薦められており,術後照射の有効性はす でに一定のコンセンサスが得られていると思われ る。一方,Pedersonら17)は,唾液腺癌の術顔面神. 参考にすると唾液腺癌に対する予防的頸部郭清は 行った方がよいということになる。ただし唾液腺癌 の場合は多彩な組織像を呈し,悪性度や予後も大き く異なってくるため,組織型の違いも考慮する必要 がある。例えば腺様囊胞癌の場合では,Ningら12) は 904 例の大唾液腺腺様囊胞癌のメタ解析におい て,術前から頸部転移陽性と判明していた例も含め て頸部リンパ節転移陽性例は 17%であったと述べ. 経浸潤・頸部リンパ節転移陽性,切除断端陽性, T3 以上の症例に術後化学放射線治療(CRT)を行 い,局所制御率が極めて良好(96%)であったと非 常に良好な成績を報告をしている。また Tanvetyanonら18)は局所進行大唾液腺癌に対する術後 CRT によって 3 年全生存率が有意に予後良好であったと 報告している。しかし,データベースを利用した 2,210 例のハイリスク唾液腺癌の検討 19)では,術後. ―  ― 289.

(6) 石永 一:当科における顎下腺癌 22 症例の検討. 補助療法としての化学放射線療法は放射線単独療法 と比べて全生存を改善しなかったとの報告をしてお り,化学療法の併用について未だ一定の見解は得ら れ て い な い。 前 向 き 試 験 で あ る RTOG 1008 : A Randomized Phase Ⅱ Study of Adjuvant Concurrent Radiation and Chemotherapy vs. Radiation Alone in Resected High-Risk Malignant Salivary Gland Tumors の結果が待たれるところである。顎 下腺癌の治療後死亡例は,多くの場合は遠隔転移が 原因であったことからも分かるように,術後の化学 療法についてのニーズは高いと考える。これまで HER2 高発現例に対するトラスツヅマブ療法 20)や, AR 発現例に対する高アンドロゲン療法などが一定 の効果を認めていると報告されている21)。最近では アンドロゲン陽性例や手術不能局所進行唾液腺癌に 対する combined androgen blockage(CAB)療法を 用いた第二相試験で,従来の抗癌剤治療と同等の効 果があり,かつ有害事象を減少させたとの報告も認 められている22)。また分子標的薬や免疫チェックポイ ント阻害薬,その他の新規治療薬などを用いた新た な治療法の開発も今後一層求められると考えられた。  なお,本論文内容に関連し,著者らに開示すべき COI 関係にある企業はない。 文. 献. 1)Carvalho AL, Nishimoto IN, Califano JA, et al : Trends in incidence and prognosis for head and neck cancer in the United States: a site-specific analysis of the SEER data base. Int J Cancer 114: 806-816, 2005. 2)Guzzo M, Locati LD, Prott FJ, et al : Major and minor salivary glands tumors. Crit Rev Oncol Hematol 74:134-148, 2010. 3)Yamada K, Honda K, Tamaki H, et al : Survival in patients with submandibular gland carcinoma― Results of a multi-institutional retrospective study. Auris Nasus Larynx 45:1066-1072, 2018. 4)Han MW, Cho KJ, Roh JL, et al : Patterns of lymph node metastasis and their influence on outcomes in patients with submandibular gland carcinoma. J Surg Oncol 106:475-480, 2012. 5)Benchetric L, Morse E, Judson BL, et al : Positive surgical margin in submandibular malignancies: Facility and practice variation. Otolryngol Head Neck Surg 161:620-628, 2019. 6)NCCN clinical practice guidelines in oncology-salivary grand tumors― ver3 : National comprehensive cancer network, 2019. http://www.nccn.org/ professionals/physician_gls/pdf/head-and-neck.pdf 7)別府 武,鎌田信悦,川端一嘉,他:顎下腺癌にお ける予防的頸部郭清について.日耳鼻,106:831837,2003.. 8)石永 一,加藤昭彦,山田弘之:唾液腺癌における 頸部郭清術― 予防的頸部郭清に関する一考察―.日 耳鼻,101:895-899,1998. 9)伏見千宙,多田雄一郎,増淵達夫,他:顎下腺癌 12 例の検討.頭頸部外科,27:67-72,2017. 10)Pohar S, Venkatesan V, Stitt LW, et al : Results in the management of malignant submandibular tumors and guidelines for elective neck dissection. J Otolarygol Head Neck Surg 40:191-195, 2011. 11)Pitman KT : Rationale for elective neck dissection. Am J Otolaryngol 21:31-37, 2000. 12)Ning C, Zhao T, Wang Z, et al : Cervical lymph node metastases in salivary gland adenoid cystic carcinoma: a systematic review and meta-analysis. Cancer Manag Res 10:1677-1685, 2018. 13)Qian ZJ, Chen MM, Divi V, et al : Impact of lymph node sampling on survival in cN0 major salivary gland adenoid cystic carcinoma. Head Neck 41: 1903-1907, 2019. 14)Lau VH, Aouad R, Farwell DG, et al : Patterns of nodal involvement for clinically N0 Salivary gland carcinoma: refining the role of elective neck irradiation. Head Neck 36:1435-1439, 2014. 15)Chen AM, Garcia J, Lee NY, et al : Patterns of nodal relapse after surgery and postoperative radiation therapy for carcinomas of the major and minorsalivary glans : What is the role of elective neck irradiation? Int J Radiat Oncol Biol Phys 67:988-994, 2007. 16)Herman MP, Werning JW, Morris CG, et al : Elective neck management for high-grade salivary gland carcinoma. Am J Otolaryngol 34:205-208, 2013. 17)Pederson AW, Salama JK, Haraf DJ : Adjuvant chemoradiotherapy for locoregionally advanced and high-risk salivary gland malignancies. Head Neck Oncol 3:31, 2011. 18) Tanvetyanon T, Qin D, Padhyya T, et al : Outcomes of postoperative concurrent chemoradiotherapy for locally advanced major salivary gland carcinoma. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 135:687-692, 2009. 19)Amini A, Waxweiler TV, Brower JV, et al : Association of adjuvant chemoradiotherapy vs radiotherapy alone with survival in patients with resected major salivary gland carcinoma data from the National Cancer Data Base. JAMA Otolaryngol Head Neck Surg 142:1100-1110, 2016. 20)Thorpe LM, Schrock AB, Erlich RL, et al : Significant and durable clinical benefit from trastuzumab in 2 patients with HER2-amplified salivary gland cancer and a review of the literature. Head Neck 39:E40-E44, 2017. 21)Dalin MG, Watson PA, Ho AL, et al : Androgen receptor signaling in salivary gland cancer. Cancers 9:E17, 2017. 22)Fushimi C, Tada Y, Takahashi H, et al : A prospective phase Ⅱ study of combined androgen blockage in patients with androgen receptor-positive metastatic or locally advanced unresectable salivary gland carcinoma. Ann Oncol 29:979-984, 2018.. ―  ― 290.

(7)

参照

関連したドキュメント

18)Kobayashi S, Takeda T, Enomoto M, Tamori A, Kawada N, Habu D, et al.: Development of hepatocellular carci- noma in patients with chronic hepatitis C who had a sus- tained

According to multi- variate analysis, expression of CD42b, a platelet marker, in our biopsy specimens from advanced gastric cancer with preoperative DCS therapy was

Although mouse NS was included in the leukaemia stem cell gene signature, NS expression levels were not significantly different among AML patient clusters in our study (data

Methods: IgG and IgM anti-cardiolipin antibodies (aCL), IgG anti-cardiolipin-β 2 glycoprotein I complex antibody (aCL/β 2 GPI), and IgG anti-phosphatidylserine-prothrombin complex

たRCTにおいても,コントロールと比較してク

 当社は、APからの提案やAPとの協議、当社における検討を通じて、前回取引

膵管内乳頭粘液性腺癌、非浸潤性 Intraductal papillary mucinous carcinoma(IPMC), noninvasive 8453/2 膵管内乳頭粘液性腺癌、浸潤性 Intraductal papillary mucinous

Leighl NB, Page RD, Raymond VM, et al: Clinical Utility of Comprehensive Cell-free DNA Analysis to Identify Genomic Biomarkers in Patients with Newly Diagnosed