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シンポジウム 鍼灸における証について 計量医学的立場から

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Academic year: 2021

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計 量 医 学 的 立 場 か ら

筑波大学心 身障 害学 系

森 和

Studies on the SHO in Acupuncture Medicine -Particulary from the Viewpoint of Metric Medicine Inst, of Defectology, Univ, of Tsukuba, Asst. Professor

Kazu MORI I は じめ に 臨 床 に お け る現 象観 察 を通 して え た 生 体 情 報 を, どの よ うに組 み 合 わ せ る こ とに よ って妥 当性 を も った 診 断 カ テ ゴ リー (証) に到 達 す るか は, 多次 元 情 報 空 間 に お け る情 報 処 理 の 問題 で あ る。 鍼 灸 医学 の諸 概 念 や, 経 絡 ・経 穴 系 を 含 め た 「証 」 の構 造 分 析 を行 うに は, 主 体 (病 人), 客 体 場 の なか か ら多次 元 観 察 の ブ イ ル タ ー を濾 過 した 情 報 群 を数 量 化 し, 大 型 電 算 機 で 多変 量 解 析 を行 うのが も つ と も望 ま しい とい え よ う。 そ こで, 鍼 灸 医 学 にお け る 「証 」 が 実践 面 に お い て どの よ うな位 置 を しめ て い るか, 多数 の生 体 情 報 を どの よ うに収 集 し, 処 理 す る こ とに よ って 「証 」 を 確立 す るか な ど, 主 に臨 床 理 論 に 問題 の 焦 点 を しぼ り, 計 量 医 学 的 手 法 を導 入 して そ の妥 当性 を検 討 す る こ と した。 II 鍼 灸 医 学 の 構 造 Fig. 1に 東 洋 医学 診 療 の基 本 構造 を示 す。 鍼 灸 医学 は, 治療 原理 が 病 因 の排 除 とい うと ころ に ま で 及 ぶ現 代 医学 と異 な った 次 元 の 医学 とい え る。 病 気 とい う異物 で は な く, 病 人 を対 象 と し, 病 人 の もつ 自然 治 癒 力 を 最 大 限 に 活 用 しよ うとす る 間 接 治 療 の 方 式 で あ るだ け に,「 治 療 者 病 人 関係 」 とい う場 が 重 視 され る。 病 名 診 断 よ りも病 人 の 訴 え る多 彩 な 臨 床 症 状 を 大 切 に し, Fig. 1に 示 す よ うに, 主 体 であ る病 人 を 治療 環 境 の 中心 に お き, 客 体 で あ る治療 者 ・家 族 ・友 人 な どを 力 動 的 に 結 ぶ 機 能 環 と し て と ら え, 主体 客体 相 互 作 用 の な か で 治 療 を 行 う。治 療 環 境 とい う場 は, コ ミニ テ ィや社 会 の 場 と密 接 な 連 関 が あ り, 一 方, 自然 環 境 か らの有 形 ・無 形 の ス トレ ッサ-は, す べ て文 化 的環 境 (人 間 環 境) とい うフ ィル タ ーを 通 して 病 人 に 影 響 を 与 え る。 この よ うに して場 と一体 とな つた 病 人 を 多 次 元 的 に と らえ て 治療 す るの が 東 洋 医学 の 基 本 診 療 で あ る。 この よ うな 基 本 構 造 を もつ 東 洋 医 学 は, Fig. 2 の下 段 に示 す よ うに, 関連 した諸 学 問 の 境 界 領 域 に位 置 す る学 際 的性 格 を も つて い る。 このFig. 2で は, 東 洋 医学 を 中 心 に 置 き, 東 洋 医学 と関連 の 深 い学 問 領 域 を そ の 周 囲 に 配 置 し て い る。東 洋 医学 の 客 観 化 に 関 連 して と くに 医 用 工 学, 情緒 工 学 が 今 後 重 視 され る よ うに な る。 東 洋 医学 を境 界 領 域 学 と して と ら え る と, そ の 科 学 化 客 観 化 の た め に は, Fig. 2上 段 に あ る各 方 法 論 が と り入 れ られ な く して な らな い。 つ ま り, 副 題 に あ る 「計 量 医 学 」 的 認 識 が か な り重 要 な 手 法 と な る。 広義 の計 量 医学 は, Fig. 2 に 示 す 各 学 問 領 域 を す べ て含 ん で 成 り立 つ 医 学 で あ り, 従 来 医 学 領 域 で問 題 とされ て きた あ い ま い さ複 雑 さに 挑 む 科 学 で あ る。 そ の中 核 に な る手 法 が 多変 量 解 析 法 で あ る とい え よ う。 Fig. 3は 鍼 灸 医学 診 断 の理 論 構 成 で あ る。臨 床 にお け る現 象観 察 は, 望 聞 間切 で 行 われ る。 四診

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シ ン ポ ジ ウ ム

Fig. 1 東 洋 医 学 診 療 の 基 本 構 造(森)

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Fig. 3東 洋 医学 的物理 療 法(針 灸)診 断体 系 の理論構 成

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シンポジウム 法 に よ つて え られ た 情報 を, 臓 賄 色体 系(五 行 系), 症 候 系(経 絡 系病 証), 喉 背 腹 診 系(愈 穴募 穴 系), 脈診 系 の 四 つ の要 素 に 分 け, これ らの 情 報 源 が お 互 に 強 く相 関 し合 っ て総 合 的 に 処 理 され た 結 果, 「証 」 と して 出力 され, 治 療 過 程 に直 結 す る。 こ こ であ げ た 理 論 構 成 は, あ くま で標準 的 な モ デ ル と して ま とめた も ので あ り, 現 実 の臨 床 は も つ と多 様 で あ る といわ なけ れ ば な らな い。 Fig. 4は, 東 洋 医学 診 療 の プ ロセ ス を フ ロ ーチ ャー トと して示 した もの で あ る。 Fig. 4か らわ か る よ うに, 病 人 の もつ症 候 群 を も とに 四診 法 に よ って診 断 を 行 い, 病態 に 最適 の 治 療 方 針, つ ま り証 を決 定 し, 治療 を 行 う。同 時 に病 人 の 治 療過 程 を ダイ ナ ミ ックに 観 察 しな が ら 実 際 の 治 癒 状 態 と最 初 の 治 療 方 針 との くい 違 い を 修 正 し, そ の 病 体 の 異 常 な 反 応 を 是 正 す る。 と く に 病 人 の 実 態 把 握 を よ り具 体 的 に 行 お うとす る立 場 か ら 「証 」 が そ の ま ま治 療 方 針 に 直 結 してお り 診 断 治 療 の カ テ ゴ リー の構 造 か らい えば 診 断 即 治 療 の 体 系 とい え る。 III 研 究 方 法 Fig. 5は, 評 価 の対 象が 元来 多面 的 な特 性 を そ な え て い る こ とを 示 してい る。 臨 床 にお け る現 象 観 察 を 通 して, 多 数 の 生 体 情 報 の なか か ら何 を と りあげ, そ れ らを どの よ うに 組 み 合 わ せ る こ とに よ って妥 当性 を も った 診 断 カ テ ゴ リー に到 達 す るか は, 多 次 元 情 報 空 間 にお け る情 報 処 理 の 問題 とな る。 こ こで 仮 に, 100症 例 につ い て10個 の特 性(10 次 元, 10変 量)が 測 定 され た とす る。 デ ー タ の総 数 は100×10=1000と な る。 この1000個 の デ-タ を 眺 め てそ の 対 象 の もつ 特 性 を 直 観 的 に把 握 で き る能 力 を 持 ち 合 せ て い る臨 床 家 は この世 に 存 在 しな い と思 う。 五 感 を 中 心 に した 情 報 処 理 であ れ ば な お 限 界 が あ る。 こ の よ うな場 合, 対 象(病 人)の もつ 特 性 (心 身 反 応 パ タ ー ン)を 多 次 元 的 に 解 析 す る とす れ ば, 多 変 量 解 析 が も つ とも妥 当 な手 法 とな る。 Fig. 6の 左 は, 東 洋 医学 の生 命 観, 宇 宙 観 を シ ス テ ム と して と ら えた 概 念 図 で あ る。 こ の シ ェー マ か らわ か る よ うに, 東 洋 医学 の思 想, 論 理 は き わ め て抽 象度 の 高 い大 理 論 で あ り, これ を そ の ま ま実 証 す る こ とは で き な い。 実 証 可 能 な抽 象 レベ ル に ま で下 げ, 仮 説 構 成 を し つか り行 つた上 で 実 証 す る こ とが 必 要 で あ る。Fig. 6の 右 は, 東 洋 医 Fig. 5 評 価 の 対 象 は す べ て 多 変 量 的 で あ る (数 理 科 学 よ り) (無 限 次 元) (P次 元) 多次 元特性 の生成

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Fig. 6 東 洋 医 学 の 科 学 的 ア プ ロ ー チ(森)

概 念 図 式

太極 図説

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シ ン ポ ジ ウ 学 の 科 学 的 方 法 論 を ブ ロ ッ クダ イ ヤ グラ ム と して 一ま とめ た も の で あ る。 病 人 を 多次 元 的 な モ ノ サ シ で 多面 的 に と らえ る に は, Fig. 6 の上 段 に あ る主 体 ・客 体 ・場 の 相 互 作 用 の なか か ら, 多次 元観 察 の フ ィル タ ー を 通 して収 集 した情 報 を, フ ィー ル ドサ イ エ ン ス 的 手 法 を 用 い て 仮説 構 成 し, 大 型 電 算機 で 多 次 元 的 に 解 析 す る の が も つ と も妥 当 と思 われ る。 Fig. 7は 証 の 客 観 的 解 析 に 必 要 な 構 造 分 析 の 手法 を 整理 した もの で あ る。 証 を 多種 多 様 な 特 性 か らな る証 候 パ タ ー ン と し て と らえ た と ぎ, この 多 数 の 変 量 の 相 互 関 係 を 分 析 す る手 法 が 相 関 分 析 で あ り, デ ー タ を わ か りや す く要 約 す る手 法 が 主 成 分 分 析 で あ る。 また 相 関 行 列 か ら出 発 して 各 変 量 の 背 後 に あ る潜在 的 因 子 を 抽 出 す る手法 が 因 子 分析 で あ る。 さ らに 似 た も の 同 志 を グル ー プ別 に 分 け る手 法 が ク ラス タ ー分 析 で あ る。 IV 「証」 に 関 す る伝 統 的 仮 説 の 検 証 (1) 経 絡 系 病 証 の解 析 Fig. 8は 経 絡 の代 表 と して と りあ げ た 肺 ノ臓 Fig. 8 手 の 太 陰 肺 経 脈 の 循 行 と病 候 の 関 連 図(中 国 漢 方 医 学 概 論 よ り) 1. 是動: 肺 の振 満 を病 む 2. 腫 れ て喘 咳 す る 3. 欠盆 の内部 が痛 む 4. は なはだ しきは両手 を組 み合せ て 目が 見 えな く な る 5. これ が腎蕨 で あ る 6. 是 主: 肺 の所生 病 は 7. 咳, 上 気, 喘(あ え)い で渇す る, 煩 心, 胸満 8. 上 騰 の内側 腕 の前廉 が痛 蕨す る 9. 掌 中の熱 10. 気 が 盛ん で余 りあれ ば肩 背 が痛 み, 風 寒, 汗 が 出て 中風 11. 小便 は回数 が 多 く量 が 少 ない 12. 気 が虚 す ると肩 背 の痛 み と寒 け, 気 が少 なけ れ ば呼 吸 困難 13. 小水 の色 が変 る Fig. 9病 証 系 a(頭 部)

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と肺 経, 肺 ノ臓 が もつ 症 候 群 で あ る。 西 洋 医 学 診 断 は 病 名 で記 入 され る のに 対 て, し 鍼 灸 医 学 診 断 で は, この よ うに症 候 群 と してパ タ ー ン的 に 記 され, 基 本 的 に12の 臓 賄 経 絡 系 の証 に ま とめ られ る。 この伝 統 的 な診 断 カ テ ゴ リー の妥 当性 を検 証 す る 目的 で経 絡 系 の証 の 因子 分 析 を行 つた。 Fig. 9は 経 絡 系 の 証 を 数 量 化 す るた め に 作 成 し た東 洋 医学 調 査 表 の一 部 で あ る。 12経 絡 の 症候 を122の 情 報(単 位)に わ け, 131名 の 病 人 を 対 象 に, 情 報 を あ り(1), な し(0)の 離 散 量 で 記載 し, 分 析 デ ータ と した。 Tabel. 1 イ ン プ ッ トデ ー タ *5∼1%有 意水 準

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シ ン ポ ジ ウ ム Table 1は122情 報 中, 統 計 上, 有 意 な 出 現 率 を も った29情 報(症 候)の イ ン プ ッ トデ ー タで あ る。 因 子 分 析 はNEACモ デ ル500を 用 い て行 つ た。 Table 2は, 29症 候 間 の相 関 行 列 表 で あ る。 こ の お 互 に 関 連 し合 う29×29の 相 関行 列 表 か ら 経 絡 系 の証 の(構 造-パ タ ー ン)を よ りよ く説 明 す る潜 在 的 因子(共 通 因子)を 抽 出 す る 目的 で, 固有 値 と累 積寄 与 率 を求 め た。 因有 値 とは, 因 子 の 抽 出 を 行 う場 合, 何 個 まで の 因子 を 抽 出 した ら よい か の基 準 で あ り, 累 積 寄 与 率 とは, 抽 出 され た 各 因 子 が どの よ うな ウエ イ トを 占め て い るか を 百 分 率 で あ らわ した 数 値 で あ る。 解 析 の 結 果, 固 有 値 の 累 積 寄 与 率 は 第13因 子 ま で で で65. 5%あ り, 経 絡 系 病 証 の構 造 を 説 明す 潜 在 的 因 子 は, 13個 の 因子 で あ る こ と が わ か つ た。 因 子 分 析 の最 終 結 果 で あ る 因子 負荷 量 行 列(因 子 パ タ ー ン)をTable. 3に 示 す。 因子 負荷 量 とは, 左 端 のV(変 量)つ ま り, 個 々 の症 候 が, 13個 の 因子 と どれ だけ の相 関 係数 で 関連 して い る か を示 す値 で あ る。 相 関 係数 が大 き い と因 子 負 荷 量 も大 き くな る。 また 因 子 負 荷 量 行 列 とは, 39の 症 候(変 量)と13個 の 潜 在 的 因 子 の 相 関 関 係 を パ タ ー ン と して あ らわ した 表 で あ る。 こ こで は0. 3以 上 の因 子 負荷 量 を 有 意 と と り, 13個 の 因子 を代 表 す る第1因 を 中心 に と りあげ 具 体 的 に何 を意 味 す るか を検 討 してみ た。 第1因 子 は, 因子 負荷 量 の大 ぎ な順 に と りあ げ る と, V22の 顔 に つ や が な く, よ ごれ た 感 じ: がす る(胆)。V3の 気 の の ぼせ(肺)。 V 7の 頭, 目, うな じの痛 み(胃)と な る。 これ は 胆肺 胃 の三 つ の 経 絡 が 組 み 合 わ さ った パ タ ー ンで あ り, 顔 面 部 と頭 部 に 関 連 した 症 候 群 とな つて い る。 少 な く と も第1因 子 を 例 えば 胆 経 の 証 とは 呼 べ な い。 む し ろ症 状 が どの 部 位 に あ るか(病 位)や 症 状 の軽 重 や 性 質 が どの程 度 が(病 情)を あ らわ す 「病 位, 病 情 的 な 因子 」 とい え る。 また, 因子 負荷 量 の大 きいV22, V 3を 「主 証 」, 因子 負荷 量 の小 さ い V7を 「客 証 」 とす る と, 湯 液 系 の証 に み られ る 「主 証+客 証 」 の組 み 合 わ せ に な つて い る。 この よ うな傾 向 は 残 り F2∼F13の 因 子 に 共通 Table 2 29症 候 間 の 相 関 係 数(0. 20以 上 の もの を示 す)

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にみ られ た。 Fig. 10は, 経 絡 系 病 証 の 因子 分 析 の結 果 え ら れ た結 論 を カ テ ゴ リー表 に ま とめ た も の で あ る。 つ ま り経 絡 病 証 が12の 各経 絡 か ら成 り立 って い る とい うよ り, 「証 」 を 構 成 す る も っ と基 礎 的 な 因 子 の 実在 性 の 方 が 実 証 され た と考 え るべ きで は な い だ ろ うか。Fig. 10で み る よ うに, 陰 陽 虚 実 寒 熱 表 裏 的 な 潜 在 因 子 に よ つて 構 造 化 され た シス テ ムが 経 絡 と考 え る方 が 妥 当 で あ る。 この成 績 か ら, 経 絡 系 の 病 証 は, 12の 臓 腋 経 絡 系 パ タ ー ン と病位 ・病 情 系 パ タ ー ンの 二 重 構 造 を もつ もの で あ り, 湯液 ・鍼 灸 を とわ ず, 東 洋 医学 の理 論 を 構 成 す る基 礎 情 報 が と もに 共 通 因 子 とな つて い る とい え よ う。Fig. 10に あ る病 位 ・病 情, 八 網 は 東 洋 医 学 の 生 体 情 報 を 整 理 す るの に 有 用 で 便 利 な カ テ ゴ リーで もあ る。 つ ぎに 経 絡 系 の病 証 を 現 代 医学 の立 場 か ら分 析 検 討 してみ た。 Table. 3経 病 証 の 因 子 パ タ ー ン

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シ ン ポ ジ ウ ム Fig. 11は 経 絡 系 の 証 を 中 心 に した 調 査 表 と, 心 身 医 学 領 域 で 広 く応 用 され て い る健 康 調 査 表 (CMI)の 相 関 を み た 図 で あ る。 経 絡 系 証122項 目 と, CMI 162項 目を 対 応 さ せ, 質 問 内 容 が 共 通 す る項 目 とそ うで な い項 目に 分 け て検 討 した。 Fig. 11上 段 は, CMIの 質 問 項 目を経 絡 系 の 病 証 別 に 分 類 し, 診 断 カ テ ゴ リーを 五 行 に 対 応 し た 五 水 準 に 分 け て 整 理 した 成 績 で あ る。 質 問項 目 数 の 出現 率 の順 序 を 比 較 す る と, 両 方 の ウエ イ ト の 置 き方 が きわ め て似 てい る こ とが よ くわ か る。 Fig. 11の 下 段 は, 経 絡 系 証 の質 問 項 目が ほ と ん どCMI の項 目内容 に 含 まれ る ことを 示 して い る。 円 の上 下 に あ るJLMPQは, きわ め て現 代 医学 的 項 目で あ り当然 経 絡 系 の病 証(古 典情 報) に な い項 目で あ る。 以上 を ま とめ る と, 経 絡 の病 証 とCMIと は予 想 以 上 に 似 た構 造 を も つて い る とい え よ う。 この こ とは, 東 洋 医学 が古 来, 病 人 を 身心 一 如 の存 在 と して と らえ, 心 身 医 学 的 に ア プ ロ ーチ して きた こ とを 裏づ け て い る と考 え る。 これ まで と りあ げ て きた 経 絡 系 の 証 は, 古 代 中 国 人 が 多 数 の 生 体 情 報 の な か か ら臨 床 上 有 用 な 情 報 を 収 集 し経 験 と直 観 を 通 して 類 型 化 した パ タ ー ンで あ る。 この 経 絡 パ タ ー ンを で き るだ け 客 観 的 に 実 証 し よ う とす る学 説 が 一 般 に い う 「経 絡 学 説 」 で あ り, そ の意 味 で経 絡 系 の 証 と経 絡 学 説 は 表 裏 一 体 の関 係 に あ る とい え よ う。 「経 絡学 説」 を 実 証 す るの に 必要 な 画像(イ メ ー ジ)工 学 的 手 法 をFig 12に 示 す。 またTable 4 は, 臨 床 経 験 と して と らえた 経 絡 ・経 穴 現 象お よ Fig. 10 病 位 ・病 情 ・八 綱表 八 鋼 Fig. 11 CMI (東 洋 医 学 調 査 表)と CMI(健 康 調 査 表, の 相 関 東 洋 医学 的項 目に よ る分 類表(%)

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び, そ の 関連 の経 絡 学 説 の イ メ ー ジ構 造 を 一 覧表 に ま とめ た もの で あ る。 Table 4左 端 に み る よ うに, 一 般 に い う経 絡 経 穴現 象 は, 皮 膚 電 気 抵 抗 を は じめ とす る諸 種 の イ メ ー ジが重 な り合 つた"多 重 構 造"と し て と ら え る こ とが で き る。 これ を 西 洋 医学 の 立場 で み る と Table 4の 右 側 に 示 す よ うに, 皮 膚 表 層 か ら骨 膜 まで の"多 次 元 の 立 体 構 造, 機 能 構 造"と して と ら え なお す こ とが で き る。 中 央 に 示 す セ ンサ ーは, 鍼 灸 医学 の経 絡 経 穴 現 象 の イ メ ー ジ構造 を客 観 的 に計 測 し, 定 量化 す る た め の装 置 で あ る。 古 代 中 国 人 は五 感 とい うセ ン サ ー を通 して経 絡経 穴 系 の イ メー ジ を 抽 出 し, パ タ ー ン化 した と考 え られ る。経 絡 系 の 証 の 実 証 と 併 行 して, イ メー ジテ ク ノ ロ ジ ーの 立 場 か ら, 経 絡 経 穴現 象 の イ メ ー ジ構造 を 解 析 す る こ とは 今 後 の 重要 な 研 究 課 題 で あ る。 (2)五 行 理 論(臓 腋 の色 体 表)の 解 析 Table 5は 五 行 に 配 当 され た 臓 腋 の 色体 表 で あ る。 鍼 灸 医学 では, 診 断 に あた つて どの よ うな病 態 も五 行 の五 つ の水 準 の どれ か つ に判 定 す る方 式 を 基 本 的 に と つて い る。 そ こで この表 に も とつ い て五 行 診 断 を行 い, デ ー タ を 推計 学 的 に 処理 した。 対 象 は経 絡 系 の 証 と 同一 の 患 者 群 で あ る。 デ ー タをTable 6の よ うに 五 行 分 類 の 表 に ま とめ, 五 行 診 断 と各 五 行 の1つ1つ の 変 量 に つ い て, 診 断 の 組 み 合 わ せ が 対 称 性 を もつ か ど うか の 検 定 法(出 現 数 の 対 称 性 検 定)を 行 つた。 そ の結 果, 5%水 準 で有 意 性 が 認 め られ た のは 五 主 のみ で あ つた。 この こ とは, す ぐ五 行 理 論 の否 定 を 意味 す る の で は な く, この よ うな検 証 方法, い い か え る と, 五 行 の配 当表 を 評 価表 と して応 用 しチ エ ッ ク リス ト形 式 で 情報 を 収 集 す る とい うや り方 で は, 五 主 に つ い て しか 実 証 で きで きな か つた と考 え るの が 妥 当 で あ ろ う。 著 者 の 考 えで は, 五 行 の 配 当 表 の1つ1つ の 変 Fig. 12 東 洋 医 学 に お け る 画 像 工 学 的 ア プ ロ ー チ(森, 矢 野)

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シ ン ポ ジ ウ ム 量 に つ い て独 自の方 式 で検 討 す べ きだ と思 う。 そ の具 体 的 方法 論 と して, 「五 色 」 の 客 観 を, Fig. 13, 五 行 に 対応 した体 型 ・体 質 の 客 観 化 を Fig. 14に 示 す。 Table 7は 五 臓 に 対応 した音 声 に 関 す る古 典 情 報 を カ テ ゴ リー表 に ま とめ た もの で あ る。 Fig. 15は, 色 体 表 に あ る 「五 音 五 声 」 を どの よ うに と らえ て 客 観 化 す れ ば よい か を ブ ロ ック ダ イ ヤ グ ラ ムに ま とめ た もの で あ る。 この フ ロ ーチ ャ ー トに も とつ い て病 人 の 音 声 を 客 観 的 に 解 析 し, Fig. 15下 段 右 側 に あ る 「五 声 一が 実 在 す る こ と は 既 に 実 証 してい る。 そ こ で今 回 は, 対 象 を 難 聴 患 者 者 に しぼ り, 同 様 の 手 順 で 解 析 した。 Fig. 16は 難 聴 患者 中 代 表 例 の 声 紋 図形 で あ る。 縦 軸 が0-8000KHzま で の周 波 数, 横 軸 が 時 間 で あ り, 声 の ボ リユ ー ムは 白黒 の濃 淡 模 様 で あ らわ され て い る。 これ ま で の解 析 で, 五 声 の音 声 学 的 評 価 基 準 が Table. 4 経 絡 ・経 穴 現 象 の イ メ ー ジ構 造(森) (KJ法 に よ る)

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ほ ぼ 確 立 で きた の で, 今 回は, そ の評 価 基 準 に 従 つ て五 声 の 内 どの臓 の声 で あ るか を音 声 学 者 が判 定 す る こ とに した。 そ の結 果15例 中10例(66%)が 腎 の 声 で あ つ た。 そ の 内2例 が音 声学 的 に み て 典 型 的 な 腎 の 声 で あ り, 残 りの8例 は 腎 の 声 を ベ ー スに 肝 の 声, 肺 の 声 が 多 少 混 入 した(パ タ ー ン くず れ)音 声 で あ つ た。 以上 の成 績 を通 して, 「五 臓 」 と 「五 根 」 と「五 声」 の 関連 が あ る程 度 実 証 で きた。 同 時 に, 五 行 に配 当 され た 色体 表 は, あ く まで 典 型 的 な パ タ-ンだ け を 整理 した 表 で あ り, 実 在 す る病 人 の 多 く は, パ タ ー ン くず れ で あ る と考 え な け れ ば な らな い 。 Table. 5東 洋 医 学 に お け る五 行 に配 当 され た 臓 臆 の 色体 表 Table. 6五 行 診 断 の 有 意 性(五 主)

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シ ン ポ ジ ウ ム い いか え る と, 五 行 理 論 は陰 陽論 と同 じ く大理 論 で あ り, 五 行理 論 の 実 在 性 を 実 証 す るに は, 高 い抽 象 レベ ル の理 論 を 検 証 可能 な レベ ル に ま で引 き下 げ, 妥 当 的 な 方法 論 を 確 立 した上 で 検 証 す る 努 力 が も っ と も必 要 で あ る。 (3) 脈 診 系 の証 の解 析 脈 診 客 観 化 の た め の ブ ロ ック ダ イ ヤ グ ラ ムを Fig. 17に 示 す。 現 在 まで に, Fig. 17の 左, 中 央 に示 す 脈 診 解 析 シス テ ムで 脈 診 の 一要 素 で あ る物 理 的 特 性 につ い て解 析 し, 祖 脈 診 断 レベ ルで の客 観 的 妥 当性 を 実 証 して い る。 そ こ で, Fig. 17の 右 に あ る 因子 分 析 的 手 法 を 行 い, 脈 診 系 証 の基 本 構 造 を分 析 した 成 績 の一 部 を 今 回 紹 介す る。 SD法 を応 用 した脈 診 情 報 の評 価 をTable 8に 示 す。49症 例 を対 象 に虚 と実, 強 弱, 硬 軟, 太 細 の尺 度 に従 つ て寸 関 尺 部 の脈 診 を行 い, この デ ー タ をACOS 80011で 解 析 した。 Table 9は27変 量 の 因子 負 荷量 行 列 で あ る。 この表 か らい え る こ とは, 治療 者 が た えず 一 定 Fig. 13 色 沢 客 観 化 の フ ロー チ ャ ー ト(森)

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の イ メ ー ジ(4個 の潜 在 的 因子)一 た とえばF・1の C(硬 軟)F・2のD(細 太)F・3のA(虚 実) を 頭 に 置 い て 脈 状 に つ い て 多 次 元 的 評 価 を 行 って い る とい う事 実 で あ る。 これ らの 因 子 は 病 体 把 握 の パ タ ー ン認 識 と して 有 用 で あ る。 と くにF・1か らF・2ま で の レオ ロジ カル な因 子 の ウエ イ トが 大 き い と い う こ と は, 既 に 著 者 らが 行 つた 脈 診 波 形 の物 理 的 解 析 の 妥 当性 を 因 子 分 析 の上 か ら う らづ け た と考 え る。 以上, 証 に 関 す る伝 統 的 仮 説 を 検 討 した 結 果, 従 来, や や もす れ ば 概 念 的 に の み定 義 され て きた経 絡 系 の証, 五 行 系 の証, 脈 診 系 の 証 に は, それ な り の 客 観 性, 妥 当性 が あ る こ とが わ か つた。 そ こで, これ らの 成 績 を 踏 まえ, 新 しい 証理 論 の 構 築 に つ い て, 経 穴 学 の 立 場 と症 候 学 の 立 場 か ら さ らに 分 析 検 討 してみ た。 V 新 しい証 理 論 の構 築 と そ の 客観 化 こ こで と りあ げ た 経 穴 学 的 ア プ ロー チ とは, 経 絡 系証 の解 析 です で に の べ た病 位 ・病 情 分 類 に よ る標 治 法 パ タ ー ン に相 応 す る。 そ こで 標 治 法 パ タ ー ン, い い か え る と ツボ 処 方 あ るい は 経 穴 パ タ ー ンか ら証 を 構 成 す る こ との 妥 当 性 に つ い て 腰 痛 症 を モ デ ル と して 検 討 し て み た。 まずFig. 18に 示 した ドキ ュ メ ン テ ー シ ョン の 手 法 を 応 用 して腰 痛 症 の ツボ処 方 に関 す る文 献 を 収 集 し, 必 要 な情 報 を選 択 分 類 した と ころ, 経 穴 名 の 総 数 は103と な つた。 ケ ー ス は書 籍6冊, 人 物16人 の計22で あ る。 つ ぎ に処 方 の重 複 を さけ, 腰 痛 症 に 効 く ツボ を 合 理 的 に 選 択 す るた め, 単 相 関 係 数 を 求 め た。1 %有 意 水 準 で 有 意 性 の 認 め られ た 経 穴 名 は49個 で あ った。 Fig. 19は, 腰 痛 ・坐 骨 神 経 痛 症 候 群 の ツ ボ処 方 に 関 す るデ-タ を コ ン ピ ュ ー タ で解 析 し, 構 造 図 と して 表 示 した もの で あ る。 解 析 法 と して多 変 量 解 析 の なか の主 成 分 分 析 と ク ラ ス タ ー分 析 を行 つた。 主 成 分 分 析 は, す で に のべ た よ うに, お 互 に相 関 の あ る 多種 類 の変 量(経 穴)の もつ情 報 を, 少 数 個 の要 素(要 穴)に ま とめ る手 法 で あ る。 主 成 分 分 析 の 結 果 え られ た49変 量(49穴)の 主 成 分 負 荷 行列 をFig. 19の よ うに 二 次 元 空 間 内 の 点 と して 位 置 づ け る と, 腰 痛 穴 の空 間 布 置(構 造 図)が え られ る。 こ の構 造 図 をみ る と, 腰 痛 穴 が 「上 膠, 次 膠, 承 扶 三 陰 交 」 の組 み 合 せ グル ー プ と, 右下 の ッボ グル ー プ の大 き く二 群 にわ か れ て布 置 す る こ とが わ か った。 つ ま り, 臨 床 上有 用 な 腰 痛 穴 の 組 み 合 わせ Fig. 14 東 洋 医 学 に お け る体 型 計 測 の 客 観 化(森) Table. 7音 声 パ タ ー ン に 関 す る 古 典 の カ テ ゴ リ ー 表

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シ ン ポ ジ ウ ム は この二 つ の グル ー プに ま とめ る こ とが で き る。 な お, この デ ータ は経 穴学 的 ア プ ロ ーチ の1手 段 で あ って, 実 際 は も つ と多 数 例 の 臨 床 家 の ツボ 処 方 を総 合 した デ ー タ に つ い て 多面 的 に 検 討 しな けれ ば な らな い。 ツボ処 方 か らみ た 臨 床 家 の ク ラス タ ー分 析 の 結 果 をFig. 20に 示 す。 ク ラス タ ー分 析 とは, 変 量(ケ-ス)が もつ 特 性 を 中心 に, よ く似 た もの 同 志 を い くつ か の グル ー プに 分i類す る手 法 で あ る。 向 つて 左 は 変 量(△印 人 物, ▲印書 籍), 右 側, 上 段 に, 各 ク ラス タ ー間 の 距 離 を 示 す。0.0の ス タ ー トライ ンか ら右 へ 進 む ほ ど距 離 が 遠 くな る。 臨 床 家 の ク ラス タ ー分 析 の 結 果, 左 上 段 で カ ッ コに く く つた 書 籍, 人 物 は, 横 棒 以 下 に あ る人 物 書 籍 に くらべ て独 立 性 が 高 く, 臨 床 上 どの 程 度 有 用 な ツ ボ処 方 を して い るか の 判 断 が つ きに くい グ ル ー プで あ る。 横 棒 以 下 の グル ー プは, 人 物 名, 書 籍 か ら判 断 して, か な り標 準 的 な経 穴 パ ー ンで 治 療 して い る とい え る。 この グル ー プは, さ らに成 瀬 先 生 か ら鍼 灸 重 宝 記 まで のAグ ル ー プ と, そ れ 以外 のBグ ル ー プ グ ル ー プ に分 類 で き る。 これ らAグ ル ー プ の中 で ユ ニ ー クな存 在 が木 下 先 生, 馬 場 先 生 な どで あ る。 この グ ル ー プ を仮 に鍼 灸重 宝 記 パ タ ー ン と 呼 ぼ う。 このAグ ル ー プに対 して沢 江, 芹 沢 先 生 等 は か な りは なれ た位 置 に あ り, これ らA・Bグ ル ー プか ら さ らに遠 く離 れ た位 置 に い る の が森(秀) 先 生 で あ る。 この よ うな方 法論 を 中心 に鍼 灸 の適 応症 を と り Fig. 15聞 診(音 声)客 観 化 の た め の フ ロー チ ャ ー ト(森)

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シ ン ポ ジ ウ ム Tab le. 8 S D法(イメージ測定法)による脈診の構造分析評価 表

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あ げ, 個 々の 臨 床 家 の ツ ボ処 方 や 診 断 方 式, 治 療 方 式, 治 療 実 績 な どを 数 量 化 して クラ ス タ ー分 析 をす る と, 臨 床 家 の特 性, お 互 の関 連 性, 偏 差 値 の大 きい 診 療 パ タ ー ンか ど うか な どが きわ め て客 観 的 に把 握 で き る。 逆 に, ツボ処 方 や, 臨 床 家 の情 報 に つ い て さま ざま な 角度 か ら分 析 す る こ とに よ つて, 経 穴 パ タ ー ン とい うワ ク組 み を 通 した証 理論 の構 築 が 可 能 で あ る。 もち ろ ん, この経 穴 パ タ ー ンは す べ て 臨 床 の場 で テ ス ト し, 客 観 的 評 価 に 耐 え られ る もの を 採 用 す る よ うに しな け れ ば な らな い。 つ ぎに, 症 候 学 の 立 場 か ら新 しい証 を 構 築 す る 場 合 の方 法 論 につ い て検 討 してみ た。 Table 10は 症 候 群 パ タ ー ン の モ デ ル と して と りあ げ た 「痛 み の症 候 群 」 に つ い て の調 査 表 で あ る。 Table. 9 因 子 負 荷 量 行 列 -脈 診 の イ メー ジ構

造-項 目 変 数FACTOR I FACTOR 2 FACTOR 3 FACTOR 4 COMMUNALITY

固 有 値 6. 44346 4.65608 2. 98278 2. 10298 0.6以 上 有 意 寄 与 率 23. 9 11. 0 11. 0 7.8

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シ ン ポ ジ ウ ム 症 候 学 的 ア プ ロ ーチ は, 病 位 ・病 状 的 分 類 に よ る対 症 療 法 的 パ タ ー ンに 相 応 す る もの で, こ こで は症 候 群 パ タ ー ン とい つて お く。 痛 み の証 に つ い て は, 古 来 古 典 に い ろい ろな 理 論 や 症 状 が 記 載 され てい る。 経 絡 系 病 証122情 報 の な か で 痛 み に関 す る情 報 は30個, 24%を 占 め る。 ほ とん どが 経 絡 に沿 った 痛 み の部 位 と痛 み の程 度, 性 質 を のべ た情 報 で あ る。 痛 み そ の もの は 東 洋 医 学, 西 洋 医 学 を 問 わ ず, Fig. 17 脈 診 客 観 化 の た め の フー ロ チ ャ ー ト(森) Fig. 18 東 洋 医 学 に 必 要 な ドキ ユ メ ン テ ー シ ョ ン(森) Table. 10 「痛 み に つ い ての 調 査 表 」 の基 本 構 成

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医療 の 原点 で あ り, 身心 一 如 の きわ だ つた症 状 の 一 つ と考 え られ る。 そ こで, 痛 み症 候 を 複離 な 因 子 の か らん だ 多 次 元 的 現 象 パ タ ー ンで あ る と考 え, 痛 み の 調査 を 行 い, 痛 み 症 候 群 を 説 明 す るパ ラ メ ー タを 求 め た。 対 象 は, 大 阪 医 科 大学 麻 酔 科 ペ イ ン ク リニ ックの 外 来 患者59症 例 で あ る。 痛 み の 調査 は 福 岡 大 の 都 が 作 成 した もの を 用 い た。 患 者 は 急 性 疼 痛 群 と慢 性 疼 痛 群 に 層 別 し, 各 項 目別 出 現 率 の κ2テ ス トを 行 い, 高 い 有 意 水 準 を示 した 変 量 を イ ン プ ッ トデ ー タ と して ACOS 800IIで 因 子 分 析 を 行 つた。 Table 11は21変 量 の 因 子 分 析 の 結 果 で あ る。 第1因 子 は 全 体 の18. 6%を 説 明す る も ので, 抑 うつ, 攻 撃 性, 不 安, 生 活 歴 にお け る心 因 性 事 項 が え らば れ て い る こ とか ら考 え て, パ ー ソナ リテ ィ因 子 とい え る。 第II因 子 は, 放 散 性 の 痛 み と治 療 法 の 組 み 合 わ せ な ので, 痛 み の性 状 と痛 み の性 状 に直 接 結 び つ く治 療 法 と の関 係 を 示 した 因子 と考 え る。 第III因子 は, 不 安, 恐 怖, 情 緒 的 反 応 の項 目で あ る こ とか ら考 え て, 痛 み に対 す る心 理 的 反 応 (痛 み 反 応1)を あ らわ す 因子 で あ る。 第IV因 子 は, 食 欲 不 振 度, 情 緒 的 反応(痛 み の Fig. 19 腰 痛 ・座 骨 神 経 痛 症 候 群 に お け る 処 方 穴 の 空 間 布 置(森)

HORIZONTAL FACTOR VERTICAL FACTOR 2

中腕

F EIGENVALUE PCT OF VAR CUM PCT 1 13. 02925 26. 6 26. 6 2 8. 72515 17. 8 44. 4 3 6. 61495 13. 5 57. 9 45. 4970811. 269. 1 5 5. 38044 11. 0 80. 1 6 2. 24538 4. 6 84. 7 7 1. 73175 3. 5 88. 2 8 1. 45348 3. 2 91. 4 9 1. 20082 2. 5 93. 8 124547 48

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シ ン ポ ジ ウ ム T able 11 痛み愁訴21変量の因子負荷行 列 0.6以上有 意。

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た め 食 欲 も低 下 した)で あ るか ら, 痛 み に 対 す る 自律 神 経 性 の 反 応(痛 み 反 応H)を あ らわ す 因 子 で あ る。 第V因 子 は, 治 療 者 病 人 関 係 とい う場 の因 子。 第VI因 子 は, 患 者 が 主 観 的 に 訴 え る痛 み の 症 状 (痛 み 反 応rv)。 第W因 子 は, 痛 み の部 位 で あ る。 この因 子 は, 第VI因 子 に く らべ て純 粋 な痛 み を反 映 す る因 子 と考 え られ る。 痛 み の愁 訴21変 量 の 空 間布 置 を: Fig. 21に 示 す。21変 量 の 因子 負荷 量 を2次 元空 間 内 の点 と し て位 置づ け る と, 21変 量 が痛 み の部 位, 痛 み 反応 に 直接 結 び つ く治 療 法, 痛 み を もつ 病 人 の パ-ソ ナ リテ ィ, 治療 者 病 人 関 係 を 含 む 場 の 四 つ の グル ー プに 分 か れ て 布 置 す る こ とが わ か つた。 以 上 の 解 析 を 通 して, 痛 み 症 候 群 を 説 明 す る潜 在 的 因 子 は, 「痛 み の部 位 」 「痛 み 反 応 と痛 み 反 応 に 直 接 結 び つ く治 療 法 」 「パ ー ソナ リテ ィ」 「場 」 で あ り, 痛 み を コ ン トロール す る手 法 の多 くは, 痛 み 反 応 に 作 用 す る と考 え られ る。 この 成 績 を さ らに 東 洋 医 学 の 立 場 で 検 討 した 結 果 をTable 12に 示 す。 痛 み の部 位 を 病 位, 痛 み の 異 常 感, 内容, 性 状, 程 度 を病 情 とす る と, 西 洋 医 学 の痛 み は, 病 位 ・ Fig. 20 経 穴 処 方 か らみ た 臨 床 家 の ク ラ ス ター 分 析(森) 樹 状 図(PCA併 用) ▲ 書 籍 △ 人 物 Table. 12東 洋 医学 か らみた 痛 み の証

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シ ン ポ ジ ウ ム 病 情 ・場 の 因 子 と して と らえ な お す こ と が で ぎ る。 この よ うに 痛 み 症 候 の構 造 分 析 を 通 して, 症 候 群 の もつ 構 造 特 性 を あ る程 度 明 らか に す る こ とが で きた。 つ ま り, 症 候 群 とい う名 称 そ の も のは, 多 彩 な 臨 床 的 現 象 を あ らわ す 言葉 で あ り, 計 量 医学 的 に は 多数 の変 量 に よ って 特 徴づ け られ る複 雑 な 現 象 パ タ ー ン(反 応 パ タ ー ン)と み な す こ と が で き る。 症 候 群 の 立 場 か ら病 人 を と り扱 うとい うこ と は, 抽 象 的 な 病 名 や, 特 異 的 な 病 因 を 捜 そ うとす る こ とで は な い。 疼 痛 患 者 を 例 に と る と, 無 数 の 状 態, 多 様 な 条 件 の 中 で 発 病 し, さ ま ざ まな 経 過 を た ど って 最 終 的 に よ く似 た パ タ ー ン(痛 み症 状) を示 して い る一 群 の 病 人 を と り扱 うとい うこ と に な る。 つ ま り, 東 洋 医 学 の特 色 とも い え る症 候 群 に 対 す る治 療 は, 原 因 を 除 くのが 目的 で な く 「病 人 の 症 状 の緩 和 と機 能 の調 節 」 が 根 本 目的 とな つ てい る の で あ る。 この よ うな考 え の根 底 に は, 病 人 の もつ 自然 治 癒 に対 す る正 しい認 識 が あ り, 自然 治 癒 力 を最 大 限 に尊 重 した 治 療 方 式 を重 視 す る こと につ なが る。 こ の根 本 認 識 につ い ては, 古, 典派, 折 中 派, 現 代派 を 問 わず 一 致 して い る と考 え る。 W 鍼 灸 に お け る 証 の 理 論 モ デ ル 証 に 関す る伝 統 的 仮 説 や 新 しい証 の モ デ ル を客 観 的 に 検 討 す る こ とに よ って得 られ た理 論 モ デ ル をFig. 22に 示 す。 この理 論 モ デ ル で は, 病 人(主 体)が もつ 多面 Fig. 21痛 み の 愁 訴 の構 造 図(21変 量 の 空 間 布 置) A: 痛 み の 部 位 B: 痛 み 反 応 ・治 療 法 C: 痛 み を もっ 患 者 の パ ー ソナ リテ ィ D: 場(治 療 者 一 病 人 関 係, 状 況 に よ る変 化)

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的 な特 性 を左 半 円 の東 洋 医 学 的 ア プ ロー チ と右 半 円 の西 洋 医学 的 ア プ ロー チ にわ け て構 成 した。 西 洋 医学 的 ア プ ロー チ(心 身 医 学 的 ア プ ローチ) で は, 体 質. 性格 な どの要 因 に, ス ト レス, 生 活 ・習慣 の ひ ず み が 複雑 に か ら ま り合 って心 身 反 応 パ タ ー ン(西 洋 医 学 的 証)が あ らわ れ る こ とを 階 層 構 造 と し てあ らわ して い る。 こ こで い う"反 応 パ タ ー ン"と は, 個 体 の刺 激 の受 取 り方 を い う。 各 個 体 の反 応 パ タ ー ン を決 定 す る要 因 は, 個 体 の 過 去 の経 験 の総 和, つ ま り体 質 や 性 格 で あ る。 左半 円 の東 洋 医学 的 ア プ ロー チ で は, 抽 象度 の 高 い東 洋 医学 の 共 通 因子(陰 陽 虚 実 寒 熱 表 裏)と, 不 内外 因, 外 因 と して の邪 気(ス ト レス)の 複 雑 な 相 互 作 用 の な か で, 各 病 証 が 構 造 化 され る こ と を示 し, さ らに 西 洋 医 学 の 心 身 反 応 パ タ ー ンに 相 応 す る表 層 構 造 部 で は, 経 穴 系 パ タ ー ン(ッ ボ反 応)や 症 候 群 が あ らわ れ る こ とを モ デル 的 に あ ら わ して い る。 この モ デル か らわ か る よ うに, 主 体 と して の 病 人 は, 単 な る一 元 的 な量 と して で な く, 多 数 の 量 に よ つて 特 徴づ け られ る多 元 的 な 多 変 量 とみ な す こ とが で き る。 鍼 灸 医学 に と つ て重 要 な 個 体 差 反 応 も, こ の個 体 特 性 の多 面 性 の なか に 当 然 含 まれ て い る。 計 量 医学 の 中核 とな る 多変 量 解 析 は, この 多次 元 的 な要 素 が 複 雑 にか らみ合 つた現 象 を わ しづ か み し, そ の構 造 分 析 を行 うの に有 用 な 手 法 で あ る。 別 の 表現 を す る と, 多数 の デ ー タ が お 互 に 何 らか の形 で 関 連 し合 い, 全 体 と して 一 つ の シス テ ムを な して い る と き, そ の シス テ ムの 構 造 を 浮 き 彫 りす る よ うに 処 理 す る手 法 で あ る。 多 変 量 解 析 の 手 法 を フル に 応 用 して えた こ の理 論 モ デル を多 面 的 に検 討 す る こ とに よ って, 現 代 医学 の学 問的 基 盤 で 理 解 で ぎ る新 しい証 を構 築 す る こ とが可 能 とな る。 Fig. 23は 鍼 灸 医学 の 実 践 的 研 究 を 図式 化 した もの で あ る。 今 まで の べ て きた理 論 や 方 法論 を も Fig. 22 鍼 灸 に お け る 証 の 理 論 モ デ ル(森) 東 洋 医 学 的 ア プ ロ ーチ 西 洋 医 学 的 ア ブ 口 ーチ

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シ ン ポ ジ ウ ム とに 研 究 計 画 を立 て, 計 画 に も とつ い て実 践 的 研 究 を 行 う。実 践 に伴 い多 次 元 的 モ ノサ シ で 多面 的 に客 解 的 評 価 を行 う。結 果 的 に理 論 か ら構 成 され た 仮 説 が 検 証 され, 必 要 に 応 じて修 正 され る。 こ の よ うな理 論 と実 践 の相 互 作 用 のサ イ クル の な か か ら新 しい方 法 論 や 理 論 が 生 まれ るの で あ る。 そ の 場 合, 東 洋 医学 の科 学 的 独 自性 を 尊 重 し, た えず 何 が 鍼 灸 医学 に と つて もつ とも根 本 的 か を 問 い つ めな が ら, よ り根 本 的 な問 題 につ い て仮 説 構成 を しっか り行 い, で き るだ け 多 次 元 的 に解 析 す る よ う努 力す る こ とが 大 切 で あ る。 研 究 協 力者 明治 鍼 灸 短 大 北 出利 勝 大 阪 医科 大 学 麻 酔 科 兵 頭 正 義 東 京外 国語 大 学LL 秋 川 和儀 北 里大 東 洋 医学 研 究 所 岡部 素 道 関 東鍼 灸専 門学 校 小 林 詔 司 昭 和 大 医学 部 耳 鼻 科 岡 本 途也 東 京 大学 医学 部 心療 内 科 石 川 中 (〒192-02 多摩市豊ケ丘2-5-2-403) Fig. 23鍼 灸 の実 践 的 研 究

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Studies on the SHO in Acupuncture Medicine - Particulary from the Viewpoint of Metric Medicine Inst. of Def ectology, Univ. of Tsukuba, Associate Professor

Kazu MORI

The Oriental Medicine observation of phenomena is performed using the 4 diafinostic techniques: observing, listening, questioning and touching.

The diagnostic information sources can be divided into two processes the first, dia-gnosis through questioning which draws upon the patient's own memory, and the sec-ond, diagnosis through the five senses of the therapist (sight, hearing touch). The segmented bits of information obtained are strongly related with each other and as a result are dealt with as a whole, the organic meridian diagnostic catgories are es-tablished and are directly related to theotablished and are directly related to therapy.

The patient's symptoms are diagnosed using the previously mentioned diagnostic methods, the appropriate therapeutic method for the condition that is, the SHO is

determined and thearpy administered. At the same time, dynamically observing the process of treatment, correcting the differences in the original treatment methods and the patients actual state of cure, the pathological disorder reaction is corrected. In this manner, from the standpoint of being able to concretel yunderstand the patient's condition, the SHO also becomes a direct tie to the treatment method. From the structure of diagnostic categories then, it it can be said that the SHO is a diagnostic-therapeutic system.

How to arrange the biological information obtained through observation of phe-nomena met in the clinic to reach the proper diagnostic categories is a problem of dealing with information in a multidimensional information space. For the structural analysis of SHO, including meridians, acupoints, etc. and the various concepts of Orien-ental medicine, to numeralize the groups which filtered through the filter of multidimen-sional information, it is desirable to adopt the analytical methods of the large scale com-puter.

Thus focusing mainly on diagnostic theories such as the practical role of SHO in acupuncture-moxibustion medicine and how to establish SHO by collecting and dealing with a density of physical information, interesting clinical results were obtained.

Fig.  1  東 洋 医 学 診 療 の 基 本 構 造(森)
Fig.  4  東 洋 医 学 に お け る 診 療 の 諸 過 程  (森)
Fig.  6  東 洋 医 学 の 科 学 的 ア プ ロ ー チ(森)概 念 図 式
Fig.  16  腎 の 声  T. K  248歳 難 聴

参照

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