フリースローの視線分析を元にした新しいスポーツ解析手法の提案
北濱幹士1,藤川駿2,猿樂拓也3,山田光穗2, 31東海大学 高輪教養教育センター,2東海大学情報通信学部,3東海大学大学院情報通信学研究科
Proposing for a new sport analysis method
based on the eye movement analysis of Free throws
Kanji KITAHAMA
1, Shun Fujikawa
2,Takuya SARUGAKU
3,Mitsuho YAMADA
2, 31 Liberal Arts Education Center, Tokai University, 2 School of Information and Telecommunication Engineering, Tokai
University, 3 Graduate School of Information and Telecommunication Engineering, Tokai University
要 旨 スポーツの放送技術は視聴者に試合映像を放映する事から,試合・選手の紹介・情報公開,応援への参加など様々な 付加価値がつき,更には視聴者が観る場所・場面等の選択肢を持つようになった。今後は,5G の導入によりマルチアングル化 等,より進化したスポーツ映像コンテンツが求められる。本稿では,スポーツと放送技術発展の関係性を振り返ると共 に,フリースロー時の眼球運動について研究を進める。ビデオカメラを複数台用いてゴール下を含む 3 方向から 被験者を撮影・編集する事で,Quiet Eye と呼ばれる視線行動(注視点が大きく動かない)がシュートの成功率を 高める要因である事に加え,シュート前の一連の動作(ルーティン)も QE 同様に重要である事が明らかになっ た。本研究の目的は,バスケットボールの特徴的な場面であるフリースローを測定・解析する事で,プレイヤー の注視行動を明らかにし,フリースローの技術を分析する事だけに留まらず,視聴者に対してフリースローをよ り分かりやすく紹介する。また,多くの視聴者が求めている臨場感あふれる新しいスポーツ映像コンテンツの提 案を行う。 キーワード:バスケットボール,フリースロー,ワイヤレス眼球運動測定装置,4K ビデオ
Abstract Sport broadcasting technology has evolved from only showing the game to use 5G which require more advanced sports video content, such as multi-angle video. In this paper, we review the relationship between sport and the development of broadcasting technology, then study eye movement during free throws. From our past study, analysis of eye movements during free throws revealed that a player was more likely to score if they focused on the one place not only before the shot but even after releasing the ball, such as Quiet Eye. We focused on the eye movement and physical movement before the releasing the ball in this study. Although each subject has a different routine that the same eye and physical movement toward to the shot, it is also important factor involved in making a successful shot. By recording with 4K video cameras in addition to eye movement, TV and Internet-distributed viewers could easily understand free throws’ routine, the eye and physical movement, of the players. As a result of this study, we could propose a new video content for sports that allows TV and Internet-distributed viewers to enjoy the game with a high sense of realism.
Keywords: Basketball, Free Throws, Wireless Eye Movement Measurement Device, 4K video
1. はじめに
スポーツを通した人間育成と世界平和が究極の目 的とされているオリンピック・パラリンピックであ るが,東京オリンピック・パラリンピック 2020(以 後 , 東 京 オ リ パ ラ ) は 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス (COVID-19)の感染の影響から 1 年程度の延期が 決定した。しかし,この延期によって 2021 年に開催 される東京オリパラは,スポーツの楽しみ方を変え る事にもなる。その大きな変化の根底は,本格的な IoT時代の象徴の1つでもある5Gの導入である[1]。 スポーツと放送技術の発展には関係性が存在して いる。新しい映像技術を取り入れるには,オリンピ ック・パラリンピックのような世界的メガスポーツイベントが絶好の機会である。例えば,日本放送協 会(NHK)が放送を開始したのは 1925 年 3 月 22 日 である。その後,1953 年にテレビ放送,1960 年にカ ラーテレビ放送,1963 年に日米初のテレビ衛星中継 実験を成功させた後,1964 年に東京オリンピックが 開催された。衛星放送(BS 放送)が始まったのは 2000 年であり,その 2 年後の 2002 年に FIFA ワール ドカップが日本と韓国で開催された。また,2020 年 開催の東京オリパラに向けて 2016 年に 4K と 8K の 試験放送を開始している。2018 年からは,本格的に 4K と 8K の放送を開始している[2]。なお,8K はす でに FIFA ワールドカップ 2018 のパブリックビュー イングで使用されている[3]。近年は,高精細映像サ ービスの普及による大量のトラヒックへの対応が課 題とされてきたが,第 5 世代移動通信システム(以 後,5G)の導入によって,どこでもバーチャル・リ アリティ技術による迫力あるスポーツ観戦などの超 臨場感を楽しむことができるようになる[1]。 現在,多くの TV 中継で使用されているのがバー チャルリアリティ(VR)であり,試合に関するエク ストラな情報を視聴者に伝える事が主である。その 歴史は,1998 年にアメリカンフットボールの試合中 継にて使用された「1st & Ten」である(図 1 参照) [4]。2001 年の FINA ワールドチャンピオンシップで は,国旗と選手の名前がコース上に示され,ワール ドラップ・レコードラインも画面上に表れるように なった[5]。2013 年のワールドベースボールクラシッ クではトラッキングシステムが導入され,ピッチャ ーが投げたボールの軌道が 3D で示されるようにな った(3D ストライクゾーン)[6]。2019 年の FIVA ワールドカップでは,3D トラッキングシステムが導 入され,レシーブからトス,そしてスパイクに至る までのボールの軌道,またサーブやスパイクのスピ ード,トスからスパイクまでの時間,最高到達点な ど様々な情報が画面上に映し出されるようになった (図 2 参照)[7]。これらエクストラの情報を表す事 で,TV 中継を観ているだけでは伝わり難い様々な 情報(気温,湿度,風速,観客数など),試合情報(フ ァーストダウン,ストライクゾーン),や選手情報な ど(ジャンプの高さやボールのスピードなど)を視 聴者に伝える事を可能とした。また,視聴者はそれ らの情報より,試合の理解度が深まると共にプレイ ヤーの身体的パフォーマンスの素晴らしさ・凄さを 改めて知る事となり,スポーツの魅力を更に増幅さ せる事にも繋がっている。 TV 視聴者対象の調査によると,ほとんどの人が 東京オリパラは TV で視聴すると答えており(92%), その多くが「より高画質」,「より臨場感」を期待し ている[8]。TV やインターネットによる視聴者は, バーチルリアリティ(VR)などを含め,スタジアム で得られる以上の情報と迫力のある演出を希求して いる[9]。今後は,5G の基地局整備などにより,TV だけでなくインターネット配信コンテンツによるス ポーツの視聴が益々増加する事が予測される[1]。 図 1.始めて TV 中継で使用された VR システム [4] 図 2.バレーボールの試合映像で使用されている 3D トラッキングシステム [7] 既に各プロスポーツリーグではデジタルを活用し たサービスを「次世代型観戦スタイル」と位置づけ て,既存ファンの維持及び新規ファン開拓に向けて 動き出している。SNS 発信強化,バーチャルユーチ ューバー(V チューバ―)でのファン開拓,試合映 像内の仮想空間における疑似応援,拍手や声援が届 くリモート応援システムなどである。その一つが, AR(拡張現実)による観戦である。スタジアム内の 一部を 5G エリア化する事で選手の基本情報,ボー ル支配率,オフサイドラインなどのデータが試合と 同時進行で楽しむことできる[10,11,12] (図 3 参
照)。上記の様に,各プロリーグでは,様々なデジタ ル形態を利用してファンとの接触頻度を高める方法 が模索されている[13]。 今後のスポーツ観戦スタイル及びその楽しみ方は, 5G の導入により大きく変わる。大容量データの高速 配信により 4K,或いは 8K の高精細な試合映像が視 聴者に届けられる。また,映像はマルチアングル化 し,上部からゴール裏からなど視聴者が観たい映像 (自由視点映像)や,応援する選手にフォーカスし た映像を選択できるようになる。特に,それらの恩 恵を享受するのがアリーナスポーツ(バスケットボ ール,バレーボール,ハンドボール,フットサル等) である。屋内と言う制限により,天候に左右される 事なく試合運営が可能であり,照明の切り換えなど も容易である。また,試合は試合時間によって動い ており,ハーフタイムなども大きく時間が変更する 事はない[14,15]。これは,200 以上の国と地域でテ レビ中継され,全米でも高い視聴率を誇るアメリカ ンフットボール(NFL)のスーパーボウルも同様で ある。開催が 2 月上旬開催である事も踏まえ,天候 リスクの少ないドームスタジアム(屋内)といった 開催条件が新技術の導入に好適である。 上述したように,5G の導入・整備によって新たな 観戦スタイルが模索されているバスケットボールは, 比較的制限が多いゴール型集団スポーツである。そ の特徴は狭いコート内で敵味方が入り乱れながら, 個人・チームプレイを用いてスピーディーな攻防を 繰り返す事にある。他のゴール型集団スポーツと比 較した場合,試合に出場している選手一人当たりの 面積はバスケットが 42 ㎡と非常に狭い。また,他ス ポーツと比較して得点シーンが多いため,より観客 (視聴者)を楽しませる事ができる種目でもある。 以上に述べたように、最新のテクノロジーを駆使 して,スポーツ観戦をよりわかりやすく楽しくする 取り組みが急速に進化している。これらは,スポー ツやスポーツ選手を外から解析してスポーツ観戦者 に提示するものであり,スポーツ選手を心の内側か ら解析したものではない。もちろん,競技中にスポ ーツ選手の心の動きをリアルタイムで表示すること は困難であり,たとえ可能でも選手間の心の駆け引 きが露わとなり,観戦の醍醐味を損なってしまう。 しかし,あらかじめスポーツ選手がどのように考え, どのように見ているかを知ることができれば,スポ ーツ観戦中の視聴者の心構えに影響を与え,スポー ツ観戦をより興味深いものにする可能性がある。そ こで,アリーナスポーツでかつ選手の移動範囲が狭 いバスケットボールでは,選手の視線がより重要に なると考え,本稿ではバスケットボールの中で特に フリースローに注目して実験を行った。バスケット ボールの特徴の 1 つが,得点或いは失点後にプレイ が止まることがなく,トランジションが繰り返され る事である。試合中において唯一プレイが止まり, そして誰にも邪魔される事なくシュートできるのが フリースローであり,効果的に得点を加算でき,試 合の勝敗に関わる大きな要因でもある。そのフリー スロー時には,アリーナ全体がフリースローシュー ターの一挙一動に注目する。本研究では,そのシュ ーターはどこをどのように見てシュートを打つのか を明らかにし,視聴者に対してフリースローが成功 する要素を解説すると共に,臨場感あふれる新しい スポーツ映像コンテンツの提案を行う。 図 3.AR を活用したサッカー観戦 [12]
2. ワイヤレス眼球運動測定装置
バスケットボールプレイヤーの眼球運動測定に求 められるのは自由に動くことができる事であるが, 従来の眼球運動測定機器は,インタフェース PC や コントロールユニットなどと有線接続をする必要が あり,移動距離の多い競技や回転を伴う競技での測 定は困難である[16]。また,自由度は比較的高いが, 腰に巻いているポーチの中の録画装置から,10m の ファイヤワイヤケーブルを介して PC にリンクした 眼球運動測定機器を使用したサッカーの PK におけ る視線とシュート戦略の研究例もある[17]。或いは, 競技動画を視聴している被験者の眼球運動を測定し, 言語報告と合わせて,選手が戦略的判断を伴うパス を遂行する際の視覚情報処理方略についての研究手 法もある[18]。 スポーツに関する眼球運動測定の研究を調査する と,上記したように被験者が自由に競技することが難しい状態・状況や,試合映像を視聴中の眼球運動 測定等が多く,自由に競技している状態の眼球運動 を測定した研究はほとんどない。ワイヤレスで測定 できる装置として Tobii Pro Glasses3 が販売されスポ ーツ中のデモ画面も公開されているが,ワイヤレス での伝送距離や実際の競技で使用できるかどうかに ついて不明である[19]。そこで,我々はワイヤレス 眼球測定装置 Talk Eye Lite Wireless を竹井機器工業 (株)と開発し,ワイヤレスでの伝送距離を示すとと もに複数台同時使用可能なことを確かめている[20]。 図 4 に示すように,Talk Eye Lite Wireless は外部モニ タで視線を重畳した視野画像を送信可能な機能やキ ャリブレーション,オフセット,測定開始や終了を ワイヤレスで行える機能を追加した。これにより, 測定の模様を外部モニタで確認する事が可能となっ た。従って,測定中に何らかの不具合が起きた場合 には直ちに測定を止め,再度キャリブレーションな どが可能となった。なお,これらの機器はバッテリ 駆動であり,電源は不要である。また,上述したよ うに複数の装置を使用する事により,オフェンスと ディフェンス相互の視線,またチームメイト間のア イコンタクトなどのコミュニケーションを明確にす る事ができるようになった。また,本装置のサンプ リングレートは 30Hz,空間分解能は 0.1 度(≦±20 度),0.5 度(全域)である。 先行研究では,開発装置と他の眼球運動測定装置 の比較を行っている[21]。この比較においては,Tobii 社の Tobii Pro Glasses 3[19]や Pupil Labs 社の Pupil Core[22]などとの比較を行っている。比較の結果, Tobii Pro Glasses3 は開発装置と比べ,視野カメラの フレームレートは低いが,視野カメラの解像度と眼 球運動センサのサンプリングレートで優れている。 Pupil Core はパーツごとに購入して構築することが 可能なシステムであり,構成によって視野カメラの 解像度やフレームレートのスペックは異なるが,眼 球運動センサのサンプリングレートは開発した装置 より高速である。また,Tobii Pro Glasses 3 と開発装 置のワイヤレス伝送方式は,視野映像では 5GHz 帯 を用いた無線通信,装置の制御信号では Bluetooth を用いて行っている。なお,Tobii Pro Glasses3 の伝 送距離や複数台同時使用の可否などはマニュアル上 においては不明である。開発した装置では,映像の 伝送距離が実測で 19.7m,制御信号の伝送距離が 43m であることを確認している。Pupil Core は USB による有線接続である。 開発装置はゴーグルを頭部に面ファスナーで固定 できる点やバッテリ駆動が可能な外部ディスプレイ を用いることで測定状況が確認できる点において, スポーツ中の眼球運動測定に適した装置となってい る。競技中のアスリートは激しい運動を伴うため, ゴーグルが頭部に固定できる事や較正がずれていな いか確認できる事はスポーツ中の眼球運動測定に重 要な機能である。また,電波の干渉について受信装 置の配置などの工夫をすれば 4 台まで使用できるこ とも確認している。 ワイヤレス転送による遅延や誤差は Wi-Fi などに よって生じるが,遅延しているのは無線伝送された 実験者のチェック用画像であり,測定データそのも のは本体にデータ取得と共に記録されており,遅延 や誤差による影響はない。 図 4.ワイヤレス眼球運動測定装置のシステム構成
3. 先行研究
我々は,上記したワイヤレス眼球運動測定装置を 使用し,バスケットボールプレイヤーの眼球運動に ついてフリースロー,1 対 1,そして 2 対 2 の測定・ 解析を暫時進めている。 フリースローとは,ゴールが設置されているバッ クボードから 4.6 メートル離れたフリースローライ ンよりディフェンスに邪魔されずに打つシュートの 事であり,シュートの基礎中の基礎として練習前後 にも各選手によって取り組まれるものである。フリ ースローシューターは,審判からボールを渡された 後,5 秒以内にショットを打たなければならず,ま た,ショットを行うふり(フェイク)をしてはなら ない。ボールがリングに触れるまでは,フリースロ ーラインを踏んだり,それを越える床に触れてはな らない(図 5 参照)[23]。 多くのバスケットボール教本では,シュートをす る際における体の使い方や動作については様々な方 法が教示されている。しかし,シュート時の視線については,視線はゴールへと向け,シュートが入る イメージを持つこと程度の記載しかない[21]。優れ たシューターには,集中力と一貫したシュートフォ ームが求められる。バスケットボールの最高峰であ る NBA プレイヤーのフリースロー成功率は 70~ 80%であり,競技レベルが上がるとフリースローは 成功して当然とされている。 我々のフリースローの先行研究によると,フリー スローシュートの前後で注視点が大きく動かない事 がシュートの成功率を高める要因である事が分かっ ている(図 6,7 参照)[24]。 図 5.フリースローのルール(抜粋)[23] 小谷らは,「どこを見ているか」よりも「どのよう に見ているか」が重要で,シュートの成功率に関係 していると述べている[25]。この「どのように見て いるか」とは,Quiet Eye(以後,QE)と呼称される 視線行動を指していると考えられる。QE は,フリ ースローやダーツのようなターゲットに対して正確 な動作が求められる際に見られる特徴的な眼球運動 であり,視野角 3 度以下かつ注視持続時間が 100ms 以上の眼球運動である[26]。非熟練者は熟練者と比 較すると,QE の持続時間が短いと報告されている [27,28]。例えば,熟練者はシュート前にリングを 注視しており,その注視時間は成功時が 1000ms,失 敗時は 800ms である。逆に,熟練者ではないシュー ターは成功時も失敗時も 400ms と実証されている [29]。この QE の実効性であるが,2 シーズンに渡り QE トレーニングを受けた大学のバスケットボール チームは,初年度よりフリースローの成功率が上が ったと報告されている[30]。同様に,QE を意識した 指導を受けた被験者は,QE の持続時間が長くなり 成功率も高くなり,緊張状態においても高い成功率 であったことが報告されている[31]。また,QE に含 図 6.被験者①②によるフリースロー前後の注視点 (フリースロー成功時) 図 7.被験者①②によるフリースロー前後の注視点 (フリースロー失敗時) まれない動作前後の時間でも集中状態が存在してい る事も示唆されている[32]。しかし,QE の効果を上 げるためには,フリースローの動作習得のトレーニ ングが必要であることも示唆されており、競技レベ ルによって QE の効果は異なる[33]。これらの研究 が示すように,適切な時間内に適切な場所を見る事 が(QE),成功率向上へと繋がる重要な要素である ことがわかった。つまり,視覚的・認知的な技術の
協調性を図る事で成功率を高めることができる。 本稿では,先行研究に基づき,フリースロー時の 眼球運動について更に研究を進める。本研究の目的 は,バスケットボールの特徴的な場面であるフリー スローを測定・解析する事で,プレイヤーの注視行 動を明らかにし,フリースローの技術を分析する事 だけに留まらず,視聴者に対してフリースローをよ り分かりやすく,また,より高い臨場感を持ち,ス ポーツの魅力を体感できるスポーツコンテンツを提 案する事である。
4. 実験方法
4.1 実験 被験者は 1)東海大学付属相模高等学校男子バス ケットボールクラブの生徒,2)東海大学高輪キャン パスバスケットボールクラブに所属する学生,3)ア ップルスポーツカレッジバスケットボール専攻科・ 総合学科の学生(アルビレックス BBU23),そして 4)東海大学高輪キャンパスに勤務する中年男性の 1 名ずつで合計 4 名である。 各被験者の経験年数及び競技レベルは下記の通り である,1)高校生は小学校 1 年から 12 年の経験が ある。所属クラブはインターハイ,ウインターカッ プに数度の出場経験が在り,2020 年度現在のチーム 実績はウインターカップ神奈川大会 4 位である。2) 大学生は中学 1 年から 9 年間の経験年数があり,高 校時の所属クラブはインターハイ出場を目標として いた。大学入学後は生涯スポーツとしてバスケット を楽しんでいる。3)専門学生はプロ契約を目指して 日々練習に勤しんでいる。4)中年男性の経験年数は 中学 1 年からと一番長いが,現在はバスケットをす る機会も少なく年齢・体力的にも競技レベルは一番 低いと考えらえる。 フリースローに関する先行研究では,被験者を熟 練者(expert),ほぼ熟練者(near-expert),或いは非 熟練者と区別しており,その熟練者は大学リーグに 登録し,国代表やオリンピックレベルとしている研 究もある[27,31,32]。従って,先行研究に基づい て熟練者と非熟練者を区別する事は難しい。本研究 では,1)限りなく現役である事,2)高い競技レベ ルでプレイしている事の 2 点を鑑みて被験者の競技 レベルが高い順に,①専門学生,②高校生,③大学 生,④中年男性とした。前述した熟練者の定義には 及ばないが[27,31,32],上記した競技レベルに準 じて①専門学生と②高校生を熟練者,そして,③大 学生と④中年男性を非熟練者として考える。なお, 実験日・実験場所は被験者によって異なる。実験時 の機材及び被験者の位置を図 8 に示す。2K カメラを 複数台用い,ゴール下を含む 3 方向から被験者を撮 影した。実験前に,同時にスマートフォンのストッ プウオッチ画面を撮影し,同じタイミングで同期し て編集ができるようにした。これにより,被験者の 動作が確認できると共に,4K で編集する事で各カメ ラの解像度を損なう事無く視野カメラ映像との合成 視聴も可能となる(図 9 参照)。 図 8.実験時の機材及び被験者の配置 図 9.3 方向からの固定カメラと視野カメラの合成 4.2 実験結果と考察 フリースローの実験では,被験者 4 名がワイヤレ ス眼球運動測定装置を装着し,フリースローを 10 本打った。それより得られた測定データより視野映 像を作成し,解析を行い,被験者間の比較を行った。 各実験のフリースローは 10 本ずつであり,十分なサ ンプル数とは言い難いが,被験者 4 名の競技レベル を踏まえると,レベル的にも体力的にも妥当な数と も示唆される。 第一に 4 人の被験者によるフリースロー成功率は下記の通りである。1)高校生は 70%,2)大学生が 80%,3)専門学校生が 60%,そして 4)中年男性が 40%であった。どの被験者もボールリリース直後と ボールがリングに到達する間の注視点は大きく動い ておらず,改めて先行研究結果と一致した。 全ての被験者は中学或いは高校のバスケットボー ルクラブに 3 年以上在籍しており,フリースローま での一連の動作は既に形成されているとし,シュー ト前の注視行動を比較した所,被験者間で異なりが 見受けられた。その異なりは,ボールを受け取り, シュートの体勢からボールをリリースする前の注視 点である。高校生はリング下周辺の床を(図 10 左側 参照),大学生はリングの上部付近を(図 10 右側参 照),専門学生はゴール下周辺の半円(ノーチャージ セミサークル 図 11 左側参照)のフリースローライ ン側の辺りから視線がリング右側へ,そして,中年 男性はリング下のネットを注視していた(図 11 右側 参照)。特に注視時間が長かった高校生は,ボールを 保持した後,リング下周辺のフロアを注視し,その 後,視線はリング周辺へと垂直に上がり,ボールリ リースからゴールまでリング周辺に注視点があった。 フリースローを撮影していた固定カメラ映像をワ イヤレス眼球運動測定装置の視野カメラと合わせる と,被験者のフリースローには決まった一連の動作 がある事が明らかになった。 図 14 に高校生と大学生のフリースローまでの一 連の動作を示す。なお,下記の番号と図 14 の番号は 対応している。1)高校生は,①ボールを 2 回つく, ②ボールをバック回転させて 1~2 回つく,③ボール を保持した後に膝を深く曲げ,シュート態勢に入る。 ④低い体勢から垂直に体を伸ばし,⑤シュートを行 う。なお,③の動作の時の視線はリング下周辺のフ ロアを注視していた(図 14 左側参照)。2)大学生は, ①②ボールをつく回数は 3~5 回以内,③一歩下げて いた右足を左足の少し前に出す,④膝を曲げてシュ ート態勢に入り,⑤シュートを打つ。なお,視線は ③の動作からリング上部付近を注視していた(図 14 右側参照)。なお,その他の被験者の動作は以下の通 りである。3)専門学生は,①ボールを 2 回つく,② 膝を曲げボールを保持し,シュート態勢に入る。こ の②の動作の時の視線がノーチャージセミサークル 周辺のフロアを注視していた。最後に 4)中年男性 は,①ボールを 2 回つき,②掌の中でボールをバッ ク回転させ,③膝を軽く 3 回曲げ,④ボールを保持 したまま膝を深く曲げてシュート態勢に入っていた。 図 10.フリースロー前後の注視位置 (左側:高校生,右側:大学生) 図 11.フリースロー前後の注視位置 (左側:専門学生,右側:中年男生) これら一連の動作は,フリースロー成功の有無に 関わらず毎回行われており,個々人が行うメンタル コントロールの方法の 1 つであるルーティンである と考えられる。ルーティンとは個人的な決まり事で あり,その種類は多種雑多である。常日頃からの決 めごと(ルーティン)を行う事で,精神状態を落ち 着かせ,ベストパフォーマンスの発揮に繋げる意図 がある。 フリースロー成功の有無及びシュート前のルーテ ィンであるボールをつく回数を抽出した所,ボール をつく回数において被験者間で顕著な差分が見られ
た(表 1 参照)。高校生は視覚妨害の有無に関わらず ボールをつく回数は 3~4 回であり,上述した通り, ①ボールを 2 回つき,②ボールをバック回転させて 更に 1~2 回つく。なお,ボールのつく回数とフリー スロー成功との相関は見られない。大学生は 3~5 回と高校生より多くボールをついている。フリース ローを失敗した2投では4回ボールをついているが, 4 回ついて成功している例もあり,回数との相関は 見られなかった。 図 14.フリースローシュートまでのルーティン (左側:高校生,右側:大学生) 次に,競技レベルが近く,フリースローの成功率 が高かった,1)の高校生(熟練者)と 2) の大学 生(非熟練者)合計 2 名に対して,ゴール裏で視覚 妨害をした状態でのフリースローを実施した。NBA や NCAA のホームゲームでは,ゴール裏の観客(ホ ームチームファン)が相手チームのフリースロー時 に視覚妨害を行う場面が多く見られる。そのような 視覚妨害がシューターに悪影響を及ぼしているのか について調査した。視覚的妨害には,180 ㎝×120 ㎝の青色の旗をゴール裏で大きく振る事とした。な お,フリースローの数は,前述した通常のフリース ローと同様の 10 本である。 フリースロー時に視覚を遮断する先行研究は存在 しているが,外的操作(遮断メガネ)や意識的操作 (自閉)である[33,34]。ゴール裏で旗を振るとい った中心或いは周辺視野における視覚妨害に基づい た先行研究は見つからなかった。なお,分析は QE の定義に基づき,リングに対する注視が始まってか らシュート動作が始まるまでとし,1 秒間 30fps で行 っている。 視覚妨害有りによるフリースローの成功率は,妨 害無しの場合と比較すると,高校生は 10%高い成功 率,大学生は 30%低くなった(表 1 参照)。次にル ーティンの 1 つであるフリースローを打つ前にボー ルをつく回数に着目した。高校生は視覚妨害の有無 に関わらずボールをつく回数は 3~4 回と一定して おり,その平均は 3.5 回(妨害無し),3.2 回(妨害 有り)である(表 2,4 参照)。しかし,大学生は, 視覚妨害有りになるとボールをつく平均回数が 3.8 回(妨害無し)から 5.3 回(妨害有り)と約 1.4 倍増 えた(表 1,3 参照)。唯一ボールをつく回数が 3 回 と少ない 5 本目は,6 回ついてボールを保持した後 シュートは行わず,仕切り直しをしている。つまり, 大学生は視覚妨害により,精神状態を落ち着かせる 事ができず,そのためボールをつく回数が増え,ル ーティンを維持する事ができなかった。そのため, フリースローのミスが多くなったと考えられる。こ れらの結果を考察すると,妨害の有無に関わらず数 値変化が少ない高校生は,実戦経験が豊富でフリー スローへの集中力が高く,成功率を向上させたと考 えられ,反対に大学生は視覚妨害が機能したものと 考えらえる。また,ボールをつく回数が増えたのは, 体力的に休憩時間を求めたとも示唆できる。しかし, 被験者が 2 名であり,継続した測定が必要であると 思われる。
高校生,大学生共に妨害無しのフリースロー成功 時における平均注視時間は,1000ms を超えた。これ は,Vickers が示した QE の定義の 1 つである 1000ms 以上の注視行動に準じており,「成功時における QE による注視時間は 1000ms 程度である」を裏付ける 結果であった。被験者間での大きな差が出たのは, 失敗時の平均注視時間である。高校生は500ms程度, 大学生は 1200ms 程度であり,「失敗時における QE による注視時間は 800ms 程度である」に反した結果 となった[26] (表 2,図 15 参照)。 大学生のフリースローは,妨害下で成功時と失敗 時の平均注視時間が 800ms 以下にまで下がり,視覚 妨害無しの成功率 80%より 50%と著しく低下した。 逆に高校生は,全ての項目で 1000ms を超えており 高い成功率を維持した(表 2,図 15 参照)。この理 由として,高校生の注視位置は視覚妨害を行ってい るゴール裏ではなく,リング下周辺のフロアである ことが関係していると考えられる。リング上部付近 を注視している大学生と異なり,視覚妨害を受ける 影響が低減されシュートの精度を維持できていると 推測できる。高い競技レベルで練習している高校生 と趣味として楽しんでいる大学生とのレベルの差が 顕著に表れたと考えられる。しかし,失敗時におい ての注視時間が成功時よりも長くなっていることか ら,周辺視に映る妨害の影響が全くないものではな いとも考えられる。視覚妨害による精神的緊張を低 減するための行為として,フロアへの注視が通常時 よりも超過し,自身のルーティンが狂ったとも推測 できる。また,他者による視覚妨害が困難なフロア を注視する自身のルーティンにより,高いシュート 精度を維持している可能性がある。Vine らの研究に よると,QE は緊張などのあがり場面で高いパフォ ーマンスを発揮していることが報告されている[31]。 今回の結果はそれを裏付けるものであり,高校生の ルーティンの 1 つであるフロアへの注視行動は QE であると推測できる。 高校生と大学生の視覚妨害有無における注視時間 の全体・成功・失敗平均を算出し,二項検定を行っ た。その結果,高校生と大学生の成功率には有意差 (p>0.05) が認められた。高い競技レベルで練習して いる高校生は,大学生よりフリースローの成功率が 高く維持され,視覚妨害によっても注視時間はあま り変化していない。 表 1.視覚妨害の有無を伴ったシュート前の ルーティンであるボールをつく回数の比較 *〇はフリースロー成功,×はフリースロー失敗 表 2.視覚妨害の有無における注視時間 被験者 項目 注視時間(ms) 高 校 生 ( 無 ) 全体平均 1026 成功平均 1187 失敗平均 489 高 校 生 ( 有 ) 全体平均 1139 成功平均 1110 失敗平均 1283 大 学 生 ( 無 ) 全体平均 1119 成功平均 1183 失敗平均 1217 大 学 生 ( 有 ) 全体平均 758 成功平均 781 失敗平均 722 *(無)⇒妨害無し (有)⇒妨害有り *項目の色は図 15 の項目と同色で表す 表 3.フリースロー前にボールをつく回数の比較 被験者 視覚妨害の有無 ボールをつく回数平均 高校生 妨害無し 3.5±0.5 回 妨害有り 3.2±0.8 回 大学生 妨害無し 3.8±1.2 回 妨害有り 5.3±2.7 回 実験後のアンケートによると,フリースローを打 つ前に意識して見ている場所は高校生・大学生共に リング周辺と答え,リリース後も同様の位置と答え 高校生 大学生 フリー スロー 妨害 無し 妨害 有り 妨害 無し 妨害 有り 1 本目 〇 3 回 〇 3 回 〇 3 回 × 5 回 2 本目 × 4 回 〇 3 回 〇 4 回 〇 6 回 3 本目 〇 4 回 〇 3 回 × 4 回 × 4 回 4 本目 〇 3 回 〇 4 回 〇 3 回 〇 5 回 5 本目 〇 3 回 〇 3 回 〇 4 回 〇 3 回 6 本目 × 4 回 × 3 回 × 4 回 × 5 回 7 本目 〇 4 回 〇 3 回 〇 4 回 〇 6 回 8 本目 × 3 回 〇 4 回 〇 3 回 〇 8 回 9 本目 〇 4 回 〇 3 回 〇 4 回 × 4 回 10 本目 〇 3 回 × 3 回 〇 5 回 × 7 回 成功率 70% 80% 80% 50%
ている。これは図 10 のフリースロー前後の注視位置 からも明らかになっている。ゴール裏での妨害につ いて高校生は「視覚に入って鬱陶しい」,大学生は「集 中力が落ちた」と答えているが,両者共に妨害を不 快とは感じていないとも答えている。 実験後のアンケートを踏まえ,高校生に対して内 省報告を行った所,以下の返答を得る事ができた。 ①シュートフォームを作る前,或いはボールタッチ の際にゴールの位置を確認する。②自覚はあるが無 意識にリング下周辺を注視し,視線に入るものを可 能な限り排除している。③視覚妨害により,さらに 集中を心掛けたが,そこまで気にならなかった。④ シュートフォームが崩れないように焦らず打つよう にし,また膝をしっかりと曲げてシュートを打つこ とでゆっくり打てるようにしている。⑤フリースロ ーは成功しなければならない空気がクラブ内にあり, 他選手が見ている状況で行う練習はプレッシャーが かかり良い練習となっている。 視覚妨害実験の被験者 2 名に関する QE トレーニ ングの経験有無については不明であるが,高校生の 実験結果及び内省報告より QE トレーニングのプロ トコルで示された動きとの類似点を確認する事がで きる。なお,QE ルーティンは 3 つのステップから 構成されている(表 4 参照)。1 つ目はシュートフォ ームを作る前にゴールの位置を確認する,2 つ目は 3 回ボールをつく,3 つ目は視線をどこか1ヶ所に留 めるである。つまり,高校生は高い競技レベルにて 練習を行う中で,無意識の中で自らを落ち着かせ, 諸種の外的要因を阻止する術を身に付け,シュート 成功の要因である QE を取得する事ができていると 考えられる。 フリースロー時はプレイ全体が止まっている事を 利点として,様々な臨場感あふれる新しいスポーツ 映像コンテンツが考えらえる。本研究で得られた実 験結果と知見を基に以下を提案する。 1)シューターと同じ視線を見る事で視聴者はシュ ーター同様の臨場感を得る 2)シューターと同じ視線を見る事で視聴者はゴー ルするか否かの予想ができ試合への参加感を育 む 3)フリースロー・ルーティンを理解し,視聴者は フリースロー時の応援(妨害)をし,臨場感を 得る シューターのフリースローに関するデータ紹介等 に留まらず,多種多様なフリースロー・ルーティン をも紹介する事が可能である。シュート時の画像を 重畳する事で,視聴者はルーティンのずれ(シュー トミスとの因果関係)を確認する事も可能である。 また,ミリ秒(ms)が計測できるタイマーを画面上 に表す事で,QE(注視時間)を追認する事もできる。 その上,マルチアングル化された映像や音声と併用 する事で臨場感は更に増すと考える。 表 4.QE トレーニングのプロトコル[28]* 1)頭を上げてフリースローラインでシュート体勢を作り, リングに視線を向ける。ボールを 3 回つき,ゆっくりと "ネット以外何もない "というフレーズを繰り返す。 2)シュートスタンスでボールを保持し,リング手前,真ん 中,奥のいずれか一箇所に視線を置き,「一点集中」と言 葉と共に,約 1.5 秒間集中を維持する。 3)流れるように素早くシュートをする。ボールは視野の中 心を通ってリングに向かう。その際,視線を遮る場合が あるが,ゴールを注視する必要はない。 *プロトコルは英語表記のため,筆者による和訳を掲載
5. まとめ
本稿では,バスケットボールのフリースローに関 する先行研究に基づき,シュート前後に注視位置を 大きく動かさない事を確認すると共に,フリースロ ーのボールリリース前・直後,ボールがリングに到 達した際の身体動作と視線の協調について述べた。 ワイヤレス眼球運動測定装置を使用した事で,被験 者の動きの自由度は高まり,動きの制約が少ない状 態でのフリースロー測定結果を得る事ができた。ま た,4K の映像上で編集することにより,視野カメラ, 固定カメラの解像度を落とすことなく解析が可能と なり,より高い解像度での動画撮影が可能となった。 その結果,フリースローシュート前後で注視点が大 きく動かない事だけが成功率を高める要因ではなく, プレイヤーには,各々のルーティンがあり,その一 連の動作の中に QE と呼ばれる 1000ms 以上の視線 行動が存在していることがわかった。被験者らは, ボールリリース直後からボールがリングに到達する までリング周辺を注視しており,1200ms 程度の平均 注視時間であった。また,ボールリリース前の動作 として,フロアを注視する行動も見られた。これは, 外部からの妨害に惑わされない術であると考えられ る。但し,サンプル数が少ないため,本研究を継続 する際には十分なサンプル数を収集し,今回の結果 の裏付けができるよう取り組む必要がある。視野カメラと 3 方向からの固定カメラの映像を 4K で編集・合成する事で,視聴者は選手の動きを多 角的に見る事ができ,また,選手が見ている映像も 見る事ができる。この解析方法により,選手のスキ ルアップに加え,スポーツ観戦者に対してフリース ローをより分かりやすく,よりバスケットボールの, そしてスポーツの魅力を体感できる映像コンテンツ の提案に寄与できると考える。 今後も,引き続きバスケットボールに着目し,幅 広いスキルレベルでも測定・解析を進めて行きたい。 本フリースロー視線分析で得られた情報は,ミドル シュート,スリーポイント,或いはリバウンドなど の測定にもおいても非常に有益であると考えられる。 また,複数台のワイヤレス眼球運動測定装置を使用 し,オフェンスとディフェンス相互の視線,またチ ームメイト間のアイコンタクトによるコミュニケー ションなどを明らかにし,技術分析による競技力向 上にも貢献していきたい。さらに,他のスポーツに も適用し,高い臨場感を持った試合観戦を可能とす るスポーツの新しい映像コンテンツ制作法を提案し ていきたい。 謝辞 本研究の一部は(財)放送文化基金の助成により おこなったものである。実験に協力して頂いた本学 在学生,アップルスポーツカレッジバスケットボー ル専攻科・総合学科の学生と川下監督,東海大学付 属相模高等学校男子バスケットボール部の生徒と原 田監督に心より感謝致します。 参考文献 [1] 総務省.“2020 年の5G 実現に向けた取組(5 G 利 活 用 セ ミ ナ ー ) ” , https://www.soumu.go.jp/main_content/000593247.pdf, (参照 2021-01-06). [2] NHK 放 送 文 化 研 究 所 . “ 歴 史 ”, https://www.nhk.or.jp/bunken/about/history.html,(参照 2021-01-06). [3] 4K テレビ Life.“【海外情報】FIFA ワールドカ ップ 2018 で使用の 8K 機器や 4K 関連サービス は?”, https://4k8ktv.jp/2018/07/10/2018-worldcup/, (参照 2021-01-06).
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