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中学校通級指導教室における発達障害児に対する望ましい支援のあり方

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Academic year: 2021

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(1)中学校通級指導教室における発達障害児に対する望ましい支援のあり方               特別支援教育専攻.               障害科学コース.               M11102K               谷 口 香 織 I.問題と目的. 1.対象;P県内5市町(V∼Z市町)の、発達.  発達障害児は、2012年文部科学省実施の全国実態. 障害児(LD,ADHD等)通級指導教室. 調査によると、通常学級に約6.5%(約61万4千人). 2.調査方法:担当教師への面接インタビュー. 在籍する可能性があると指摘された。多くの通常学. 1)調査期間=2012年5月∼6月. 級の教師は特別な支援を展開しづつ、授業や学級経. 2)インタビュ』項目. 営を行っていくことが求められている。発達障害は. 担当者の経歴、 指導内容、 連携、 課題. 障害が表面化しにくいため、発達障害児の二一ズや. 皿.結果. 思い、また苦労や頑張りについての障害理解教育は. 1.担当者の経歴:教職経験年数については、12年. あまり取り組まれていないと徳田・水野(2005)は. ∼30年という年数で、平均20.6年であった。通級. 指摘している。2006年4月より施行された「学校教. 指導教室の担当年数では、3年目が3市町、2年目. 育法施行規則の一部を改正する省令」により、これ. が1市、1年目が1市であった。1,2年目の市につ. まで情緒障害としてまとめられていた発達障害であ. いてはそれぞれの市が、中学校にLD,ADHD等の. る自閉症者と心因性の情緒障害者が分類され、学習. 通級指導教室がスタートした年数である。特別支援. 障害者、注意欠陥多動性障害者が新たに通級の対象. 教育免許については、現在保有者はいない。特別支. として加えられた。通級による指導は、一人ひとり. 援学校及び通常学校での特別支援学級担当の経験に. の能力や状態に応じ、個別指導計画を立て、自立活. ついては、経験無しが2名、通常学校での特別支援. 動の内容を中心に必要に応じて各教科の補充指導を. 学級担当経験が2名、両方経験ありが1名であった。. 小集団、または個別の形態で行うものである。発達. 専門教科については、国語が2名、音楽・美術・体. 障害児に対する通級指導教室は、先行実施校を除く. 育がそれぞれ1名である。. と歴史も浅く、担当者自身にも戸惑いが見られる。. 2.指導について:指導の形態は、基本的には個別. また、通級指導教室で定期的に指導を受ける児童生. 指導で行っている。一部人数や時間数の関係でグル. 徒にとって、通級指導教室での指導が通常の学級で. ープ指導を行っている所もあった。指導場所は、在. の指導にどのように活かされているかについてのエ. 籍校を拠点とし、担当者が他校を週2∼3日巡回を. ビデンスは十分得られていないと笹森(2010)は指. して、指導を行っている。X市は通級指導教室の独. 摘している。そこで本研究は、中学校での発達障害. 立した学校があるので、在籍校の生徒以外はそこへ. 児の通級指導教室ではどのような支援を行っている. 通うシステムとなっている。指導内容については、. のか、その現状と課題を把握し、望ましい支援のあ. ア自立活動と、イ教科の学習がある。1時間の流れ. り方を検討することを目的とする。. で、自立活動がメイ:ノであるが、抜き出した授業の. 皿.方法. 内容に即した教科の学習などと合わせて行う場合が.

(2) 多くある。ア自立活動の主な内容としては、話し方・. われ、個別指導計画をもとに、障害の状態に応じ各. 聞き方のトレーニング、気持ちを落ち着かせる方. 教科の内容を補充するための指導が行われている。. 法・気持ちをコントロールする練習、相手の気持ち. 中学校では、各教科の補充について教科の専門性と. を考える練習等を行っている。イ教科の主な内容は、. いうことがあり、基本的には担当者の所有免許以外. 基礎学習の補充、ノートのとり方、文章の読み方、. の教科は指導できない。このあたりをどのようにし. 書き方等個々に応じた内容を行っている。. ていくかを考えていく必要がある。. 3.連携について:校内での連携については、担任、. 3.連携について: 校内での連携は、教師の意識. 保護者との連携が主となる。これについては、連絡. によって、支援体制が円滑に機能していない場合が. ノートを使用している場合が多い。担任、教科担任. あると考えられる。学校内の教育支援体制を整備す. とは必要があればその都度情報交換を行っている。. るに当たっては、系統的な支援を行うための組織と. 学年・学校全体での連携は、学年会、校内支援委員. 仕組みを構築する必要がある。校内委員会を設置し、. 会及び職員会議を通して行っている。. 機能させること、特別支援教育コーディネーターと. 4.課題について: カテゴリと主なコードは、以. 連携し、最終的に学校長がリーダーシップを取り、. 下の通りである。. 学校全体で取り組むことが重要であると考える。. ①障害に対する理解…  障害に対し、保護者や教. 4.課題について:5市町それぞれ共通した課題は、.  師の理解不足。. 担当者自身、通級生徒の主体的要因と、障害、通級. ②通級に対する理解…  通級に対し生徒本人、周. 教室に対する理解、支援・連携体制、その他を含む.  りの生徒、保護者、教師の理解不足。. 環境要因である。特に環境要因である、通級指導教. ③生徒の抵抗感…  授業を抜け、他の生徒と異な. 室を取り巻く環境に焦点を当てた課題が多く占めら.  る動きを嫌がる。. れており、これらの環境を改善して行くことが必要. ④担当者… 担当者の孤独感、専門性の必要性。. であると考えられる。. ⑤支援・連携… 校内体制の重要性、教育委員会、. V.支援のあり方と今後の課題.  小学校との連携の必要性。.  望ましい通級指導教室とは、1.通級生徒が自分に. ⑥その他(物理的環境要因)… 校区の広さ、予算、. ついて考え、相談できる環境と関係作る。2.成功体.  人数配置。. 験を増やし、自信をつけさせる。3.人間関係を円滑. 1V.考察. にし、自分の居場所を見つけさせる。4.将来を見据. 1.担当者の経歴:全国の調査結果では、教職経験. えた支援である。このような通級指導を実践するた. 年数10年以上が80.5%で、本研究の対象者もこの. めには、学校・保護者・関係機関との連携が不可欠. 中に含まれる。通級指導教室の担当者は、障害のあ. であり、チームでの支援体制を築き上げることが必. る生徒に対する教育の専門的機能を果たすことが必. 要である。さらにこれらの支援体制を機能的に動か. 要とされるので、ある程度経験を積んでいる教師が. すためには、保護者や教師の障害に対する理解と、. 求められているのであると考えられる。. 通級指導教室に対する理解が重要である。. 2.指導について:指導については、1対1の個別.             主任指導教員芝田裕一. 指導が行われている。内容は、自立活動が中心に行.             指導・教員芝日ヨ裕一.

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