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ENHANCEMENT OF PHRAGMITES AUSTRALIS PLANTED-CONSTRUCTED WETLANDS PERFORMANCE USING ACTIVATED CARBON FOR PHENOLIC ENDOCRINE-DISRUPTING COMPOUNDS REMOVAL 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 Wirasnita Riry 博士の専攻分野の名称 博士(工学) 学 位 記 番 号 医工博甲第455号 学 位 授 与 年 月 日 平成31年3月20日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 環境社会創生工学専攻

学 位 論 文 題 目 Enhancement of Phragmites australis Planted-Constructed Wetlands Performance using Activated Carbon for Phenolic Endocrine-Disrupting Compounds Removal

(フェノール性内分泌撹乱化学物質に対して高い除去性能を発揮 する活性炭利用型ヨシ植栽人工湿地に関する研究) 論 文 審 査 委 員 主査 准教授 遠山 忠 教 授 風間 ふたば 教 授 金子 栄廣 准教授 森 一博 准教授 田中 靖浩 准教授 原本 英司

学位論文内容の要旨

人工湿地は,省エネルギー,低コストで省メンテナンスな水処理技術であり,これまで の多大なエネルギーを消費する排水処理技術の代替として普及が期待されている。しかし ながら,その適用は排水から有機性汚濁物質(BOD)や栄養塩類,重金属などの除去に限 定されている。近年,人工湿地により,排水中に含まれる内分泌撹乱化学物質などの難分 解性化学物質の除去・低減を試みる研究がいくつか報告されるようになってきたが,これ らの物質に対する人工湿地の除去効果は低く,また,除去効果の変動が大きいのが現状で ある。さらに,人工湿地によって内分泌撹乱化学物質が除去されるメカニズム,その除去 に係る影響因子や微生物叢についての詳細は明らかになっていない。そこで,本研究では, 人工湿地の内分泌撹乱化学物質除去を強化することを目指し,ろ材の一部として活性炭を 利用する新しい人工湿地を初めて考案し,その人工湿地の内分泌撹乱化学物質除去能力と 除去要因/メカニズムを調べた。

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最初に,活性炭による様々な内分泌撹乱化学物質の吸着能力を評価した。これまでは, ビスフェノール A(BPA)などの代表的な内分泌撹乱化学物質に対する活性炭の吸着能力 が詳しく研究されていた。本論文では,BPA 以外に,ビスフェノール F(BPF),ビスフェ ノールS(BPS)や 4-tert-ブチルフェノール(4-tBP),4-ニトロフェノール(4-NP)と 2,4-ジクロロフェノール(2,4-DCP)に対する活性炭の吸着能力を調べた結果,いずれの内分泌 撹乱化学物質(数ppm~数十 ppm の濃度範囲)も速やかに活性炭に吸着し,処理時間 1 日 以内で高い除去効果(除去率 90%以上)が確認された。この結果から,人工湿地のろ材と して活性炭を利用する有効性が示された。 続いて,水生植物のヨシと排水中の微生物を組み合わせた簡易的な水耕栽培実験におい て,人工湿地の構成要素となっている「ヨシ」と「微生物」のそれぞれと,「ヨシと微生物 の共同体」が持つ各種内分泌撹乱化学物質除去能力を評価した。BPA に対しては微生物の 作用が,4-tBP に対してはヨシの作用とヨシ-微生物の相互作用が,4-NP に対してはヨシ-微生物の相互作用が,2,4-DCP に対してはヨシの作用とヨシ-微生物の相互作用が効果的に 働き,それぞれの物質を水中から除去していることが明らかとなった。 次に,ろ材の一部として活性炭を利用した人工湿地(活性炭-人工湿地)と通常の人工湿 地のリアクターを作製し,4 種類の内分泌撹乱化学物質(BPA,BPF,BPS と 4-tBP)を それぞれ5 mg/L となるように含んだ内分泌撹乱化学物質複合汚染水を処理する実証実験を 56 日間にわたって実施した。通常の人工湿地では,BPA と BPF を効果的に除去するまで に 2 週間以上を要し,その後も両物質に対する除去性能は不安定であった。さらに,通常 の人工湿地では,BPS と 4-tBP を除去することができなかった。これに対して,活性炭-人工湿地は,実証実験開始直後から56 日間にわたって全ての内分泌撹乱化学物質を完全に 除去することができた。活性炭はこれらの物質を効率的に吸着するものの,長期間汚染排 水を処理した後の人工湿地内の活性炭にはいずれの内分泌撹乱化学物質も蓄積していなか った。この結果から,活性炭-人工湿地での効率的な内分泌撹乱化学物質除去機構として, (1)まず内分泌撹乱化学物質が活性炭に吸着し,その後,(2)微生物の分解作用によって 吸着した内分泌撹乱化学物質が分解されることが推定された。また,その内分泌撹乱化学 物質の分解には,Sphingomonadaceae 科の微生物が関与していることが分かり,活性炭-人工湿地内でのその微生物の動態を明らかにすることができた。内分泌撹乱化学物質に対 する低い除去率と不安定な除去が人工湿地の課題であったが,ろ材の一部として活性炭を 利用することによりその課題を解決し,内分泌撹乱化学物質汚染水の処理に活性炭-人工湿 地が適用可能であることを示すことができた。 さらに,人工湿地に係る一連の研究を通じて,内分泌撹乱化学物質分解菌をいくつか分

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離することにも成功した。その中の一つであるNovosphingobium sp. RTW1 株は新たに発 見されたBPA 分解菌である。RTW1 株は,Skeletal Rearrangement を介した分解経路に

よってBPA を完全に分解し,炭素源とエネルギー源として BPA を利用することを明らか にした。このRTW1 株を根圏に導入したヨシ(rhizoaugmentation)の水耕栽培によって, 汚染水から効率的にBPA を除去できることも実証した。この rhizoaugmentation も,人工 湿地の内分泌撹乱化学物質除去を強化する手法として期待できる。 以上の検討から,本研究はろ材の一部として活性炭を利用することによって,人工湿地 の種々の内分泌撹乱化学物質に対する除去能力を大幅に強化することができることを実証 した。さらに,その人工湿地内で,内分泌撹乱化学物質が効率的に除去されるメカニズム と除去に関与する微生物を明らかにすることができた。さらに,分解菌をヨシ根圏に導入 するrhizoaugmentation 手法も,人工湿地の内分泌撹乱化学物質除去能力の強化に有効で あることを示した。このように,本論文は,人工湿地のこれまでの課題を解決して内分泌 撹乱化学物質除去を強化する手法を科学的な裏付けと共に示すことに成功し,人工湿地の 適用範囲を内分泌撹乱化学物質汚染水処理に拡大することができた。この手法は,内分泌 撹乱化学物質以外の難分解性化学物質汚染水にも応用可能であると考えられる。

論文審査結果の要旨

本論文は,人工湿地の内分泌撹乱化学物質除去を強化することを目的として,ろ材の一 部として活性炭を利用する新しい人工湿地を考案し,その人工湿地の内分泌撹乱化学物質 除去能力と,除去要因/メカニズムを明らかにしたものである。 最初に,代表的な内分泌撹乱化学物質,あるいは内分泌撹乱作用が疑われる物質である ビスフェノールA(BPA),ビスフェノール F(BPF),ビスフェノール S(BPS),4-tert-ブチルフェノール(4-tBP),4-ニトロフェノール(4-NP)と 2,4-ジクロロフェノール (2,4-DCP)に対する活性炭の吸着能力を検討している。活性炭は,検討した全ての内分泌 撹乱化学物質(数ppm から数十 ppm の濃度範囲)に対して高い吸着能力を持ち,排水中 からそれらを除去することを実験的に示している。この結果から,内分泌撹乱化学物質除 去を強化するために,人工湿地のろ材として活性炭を用いることの有効性を明らかにして いる。 続いて,フラスコスケールの水耕栽培実験において,人工湿地の構成要素となっている ヨシ,微生物のそれぞれと,ヨシと微生物の共同体(ヨシ-微生物)が持つ各種内分泌撹乱 化学物質除去能力を調べている。BPA に対しては微生物の作用が効果的に働くこと,4-tBP

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に対してはヨシの作用とヨシ-微生物の相互作用が効果的に働くこと,4-NP に対してはヨシ -微生物の相互作用が効果的に働くこと,2,4-DCP に対してはヨシの作用とヨシ-微生物の相 互作用が効果的に働くことを明らかにしている。すなわち,内分泌撹乱化学物質の除去に 対する人工湿地の構成要素の寄与度は対象物質ごとに異なるももの,複数の人工湿地構成 要素が複合的に働くことによって様々な内分泌撹乱化学物質が除去できることを示してい る。 次に,ろ材の一部として活性炭を利用した人工湿地(活性炭-人工湿地)と通常の人工湿 地のリアクターを作製し,4 種類の内分泌撹乱化学物質(BPA, BPF, BPS と 4-tBP)をそ れぞれ5 mg/L 混合した内分泌撹乱化学物質複合汚染水を処理する実証実験を 56 日間実施 している。通常の人工湿地では,汚染水からBPS と 4-tBP を除去できず,また BPA と BPF を長期間安定して除去できなかった。一方,活性炭-人工湿地は,4 種類全ての内分泌撹乱 化学物質を完全に除去し,その高い除去効果を56 日間安定的に維持できることを示してい る。さらに,活性炭-人工湿地における効率的な内分泌撹乱化学物質除去メカニズムを検討 し,まず,内分泌撹乱化学物質がろ材の活性炭に吸着し,その後,微生物の作用によって 吸着した内分泌撹乱化学物質が分解されることを明らかにしている。さらに,その内分泌 撹乱化学物質分解には,Sphingomonadaceae科の微生物が関与していることを示している。 内分泌撹乱化学物質に対する低い除去性能と不安定な除去性能が人工湿地の弱点であった が,ろ材の一部として活性炭を用いることによってその弱点を克服できることを示したこ とが本論文の骨子である。 さらに,人工湿地から内分泌撹乱化学物質分解菌を多数分離し,その特徴付けと分解能 の評価も行っている。特に,分解菌の中でもNovosphingobium sp. RTW1 株に対して詳細 な実験を実施しており,RTW1 株が BPA を Skeketal Rearrangement を介して完全分解し ていることを示している。さらに,RTW1 株をヨシ根圏に導入する(rhizoaugmentation) 手法によって,人工湿地の内分泌撹乱化学物質除去を強化できることも示している。すな わち,活性炭-人工湿地とは別に,rhizougmentation による内分泌撹乱化学物質除去強化手 法の可能性も示している。 以上のように,本論文はろ材の一部として活性炭を利用することによって,人工湿地の 内分泌撹乱化学物質除去を大幅に強化できることを,その除去メカニズムと共に実証して いる。さらに,人工湿地から内分泌撹乱化学物質分解菌を分離し,その分解菌を利用した 第二の内分泌撹乱化学物質除去強化手法も提案している。このように,本論文は,優れた 独創性,学術的新規性,工学的実用性が認められる。したがって,本審査委員会は本論文 の工学的貢献度は高く,博士(工学)論文に値するものであると認め,合格と判断した。

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