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即興演奏を基盤とした音楽科教育デザイン : 実践と理論の往還を図った学びを目指して

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(1)即興演奏を基盤とした音楽科教育デザイン. 論 文. 即興演奏を基盤とした音楽科教育デザイン. ― 実 践 と 理 論 の 往 還 を 図 っ た 学 び を 目 指 し て ―. 東京学芸大学大学院 連合学校教育学研究科 博士後期課程 芸術系教育専攻. 田 中 路 1 はじめに. 楽を自ら作り自ら演奏する即興演奏は、音楽科教育に おいて、演奏・歌唱等の実践と音楽理論の双方を統合. 「教育デザイン」 という概念が目指すものの一つとして、 「実践と理論の往還を図った多様な学びのスタイル」が (1). 的に学習できる可能性をもっていながら、その可能性 を見据えた現場での実践はほとんど行なわれていない。. 挙げられる。 しかしながら今、教育現場において実践. 本稿では、この即興演奏のもつ可能性に着目し、文字. と理論の結びつきは必ずしも密接とは言えず、特に筆者. 通り実践と理論を往還するカリキュラムの構築を目指す. が専門とする音楽科教育においては、両者間に解消し. とともに、それが音楽科を超えた「教育デザイン」とし. 難い溝が横たわっている感が否めない。. ての統合的な学習を支える理論的基盤となるよう、活用、. 日本における音楽科教育は表現及び鑑賞という二領. 応用に向けた提案をしていく。. 域によって構成され、学習指導要領においては領域ごと に活動内容が分類されている。この分類は、教員の指. 2 音楽科教育における即興. 導すべき事項を明確化し、具体性のある指針を示すた めに有効であるようにもみえるが、歴史を振り返ると、. 2. 1 音楽科における即興の位置付け. 音楽科の場合活動を分類することが必ずしも有効では ないということを窺い知ることができる。すなわち活動. 先述のように、日本における音楽科教育は表現及び. を分類することによって、歌唱の授業では単に楽曲を歌. 鑑賞という二領域によって構成されており、このうち表. うことに、器楽の授業では楽器を演奏することだけに集. 現はさらに歌唱、器楽、創作(小学校では「音楽づくり」). 中するという実践に偏った活動になり、音楽の理論面を. という三つの活動に分類される。これらの活動における. 併せて指導するということに、従来の音楽科教育はほと. 指導事項については、学習指導要領においてそれぞれ. んど注目してこなかったのではないかと考えられるので. 三つから四つ具体的に示されており、筆者が注目する即. ある。. 興は、音楽科教育においては創作(音楽づくり)の活動. 実践と理論の学習がほとんど個別のものとして行なわ. における指導事項として区分されている。. れることに対する問題意識は、平成 20 年改訂の学習指. 平成 20 年改訂の学習指導要領では、小学校では音. 導要領において〔共通事項〕が新設されたことで明らか. 楽づくりの指導事項に、 「いろいろな音の響きやその組. (2). になっている。 従来の音楽科教育が抱えてきた問題を. 合せを楽しみ、様々な発想をもって即興的に表現するこ. 解決するための策として、このような事項が設置された. と」 (第 3 学年および第4学年)、 「いろいろな音楽表現. こと自体は意義があると言えるだろう。しかし 〔共通事項〕. を生かし、様々な発想をもって即興的に表現すること」. に関する具体的な記述をみると、 「音楽を形づくってい (3). (第5学年および第6学年)が挙げられている。さらに. る要素」 を羅列し一つ一つについて説明がなされてい. 「指導計画の作成と内容の取扱い」においては、小学校. るが、それらを実際の音楽科の授業でどのように活用し. では「ア 音遊びや即興的な表現では、リズムや旋律. 指導していくかということについては抽象的な記述にと. を模倣したり、身近なものから多様な音を探したりして、. どまり、問題解決の手立てとしては十分とは言い難い。. 音楽づくりのための様々な発想ができるように指導する. この問題の解決の糸口として筆者が注目するのが、音. こと」また中学校では、 「即興的に音を出しながら音の. 楽科教育における即興演奏の導入と構造化である。音. つながり方を試すなど、音を音楽へと構成していく体験. 66.

(2) を重視すること」などとされ、即興的に表現する活動は、. 造的音楽学習」が日本の音楽科教育に導入された際に. 音楽科教育において明確に盛り込まれていることが分か. は、主に創作の活動に色濃く反映され、当時画期的で. る。. あった諸外国の音楽教育メソッドや、現代的手法を用い. しかしながら、実際の学校現場での実践例をみるか. た音楽づくり等が行なわれるようになったのである。. ぎり、即興を含む創作(音楽づくり)は、歌唱・器楽・. この 「創造的音楽学習」の注目すべき特徴のひとつが、. 鑑賞など他の活動に比べて数が少なく、あまり取り組ま. 即興的な創作を子供達に行わせ、作品として完成させる. れていないというのが現状であるといえる。 『教育音楽. という指導方法である。その代表的な例に「海の音楽. 小学版』で 2002 年に実施された小学校教員へのアン. をつくる」 「宇宙の音楽をつくる」などといった、情景を. ケートでは、 「音楽づくりの活動を各学年の年間指導計. 即興的表現で描写する活動が挙げられる。これは、楽. 画に位置づけて、ある程度きちんと行なっているか」と. 器に限らず様々な道具(音具)を用いて自由に音を出し、. いう問いに対し、 「はい」が 56%、 「いいえ」が 44%と. ある程度の構成は決めながらもほとんど即興的に、特. (4). いう結果になっている。 「いいえ」が半数近くにのぼる. 定の情景を音で表す活動である。この活動の詳細につ. 理由として、音楽づくりを通して児童に達成感を持たせ. いては後述することとするが、このような実践は、子供. るには時間がかかるが、授業時間数が十分確保できな. の即興的な表現が随所に盛り込まれていること、そして、. いこと、評価の難しさ、教員自身の創作の学習経験不. 身の周りのもので作った音具や非楽音の使用など、現代. 足などが挙げられている。このアンケートから 10 年が. 的手法を用いて幅広い表現をしていることなどが特徴で. 経過した現在でも、創作(音楽づくり)の活動はかなり. ある。さらに、即興的表現を重視したという点だけでな. 定着してきたとはいえ、まだ試行錯誤する部分も多く、. く、諸外国のメソッドや現代的手法を音楽科の指導に. 指導上の問題点も尽きない。このような状況にあって、. 取り入れたという点で、音楽科教育の歴史の中で注目す. 創作(音楽づくり)の中の一活動とされる即興の価値、. べき教育体系であった。. 意義は十分に認識されていないと言えるだろう。 2.3 音楽科における即興の事例考察 2.2 「創造的音楽学習」の中の即興 音楽科教育における即興の事例には、先述の「創造 依然として現場において認識が十分でない即興だが、. 的音楽学習」の一環として行なわれたもの、あるいは. 日本における音楽科教育の歴史を振り返ると、即興的. その影響を大きく受けたものが数多くみられるが、ここ. 表現にある程度着目した音楽教育体系も存在し、実践. ではそれらの事例の中から二つの実践を取り上げ考察す. されていたことが分かる。それが 1980 年代に流行し、. る。. 数々の実践が行なわれた教育体系、 「創造的音楽学習」 で、当時数々の画期的な実践が行われただけでなく、. 2.3. 1 情景描写としての即興――「海の音楽」. 現在の音楽科教育における即興的な取り組みに多大な 影響を与えたと言える。. 「創造的音楽学習」で行なわれる即興を取り入れた活. 「創造的音楽学習」は、イギリスの作曲家であり音楽. 動の代表的な例が、情景を即興的な表現で自由に描写. 教育家でもある J. ペインター、P. アストンが共著 “Sound. する活動である。 「創造的音楽学習」が最も盛んに行な. and Silence” において確立した、 「創造的音楽づくり」と. われた 1980 年代後半から 1990 年代にかけて類似し. いう教育理念を基にした日本における音楽教育論の体. た実践が全国で行なわれたが、ここでは『ソナーレ音楽. 系である。ペインターがイギリスで展開させた「創造的. 科教育実践講座 第7巻 ひびきをつくる』 (小原光一他. 音楽づくり」が日本に伝わり、それを日本では「創造的. 編、1993)の映像資料で紹介された、 「海の音楽をつ. 音楽学習」と呼ぶようになった。. (6) くろう」という実践を考察してみたい。. 「創造的音楽学習」の定義は、 「子どもを音楽を生み. この実践において、児童はまず授業の趣旨、扱う楽. 出す存在として認識し、自ら音を探し、自由に創作する. 器や音具の音の出し方、演奏の構成のしかたなどの説明. 「創 活動」とされている(5)。この定義からも分かるように、. を受けた後、6~7人程度のグループに分かれ、音の出. 教育デザイン研究 第3号 67.

(3) 即興演奏を基盤とした音楽科教育デザイン. し方を試行錯誤しながら音楽の構成、進行について打. クハーモニー)、 「合唱」の三つの要素で構成され(8)、特. ち合わせを行なう。この打ち合わせの際に、この後演奏. に「バックミュージック」の一つである「バックサウンド」. する音楽が絵や図形楽譜といった手段で表されていく。. を生み出す手立てとして、情景描写としての即興が用い. つまりある程度の構成は決定しながらも、これらの現代. られる。実際に即興であることを意図した指導が行なわ. 的手法を用いることで、実際の演奏は即興の要素を多く. れたかどうか、また児童が演奏を即興であると特に意識. 含んだものになっていくのである。. して行なっていたかは窺い知ることができないが、先述. 演奏についての話し合い、何回かのリハーサルを経て、. の情景描写としての即興の学習をふまえ、児童はほとん. 最後に活動のまとめとして演奏発表がクラス全体の前で. ど即興的に音を作り出していると言えるだろう。. 行なわれる。映像資料で興味深いのは、児童が用いる. 「モノドラマ合唱」の代表的な実践例としては、横浜. 音が、空のビール瓶の口を吹いて出す音、水を入れたグ. 市立大岡小学校での事例「大岡川のほとりに」を挙げる. ラスのふちを叩いて出す音、ピアノの内部を叩いて出す. ことができ(9)、まとまりのある音楽作品の創作というだ. 音など、非楽音に注目した音が多い点である。これは正. けでなく、表現、鑑賞、創作という各分野を融合させ. にペインターらの「創造的音楽づくり」が注目した現代. た総合的な活動であることが分かる。このことからモノ. 的手法の活用で、画期的な音楽づくりの特徴といえよう。. ドラマ合唱は「創造的音楽学習」の集大成とも言えるだ. 即興という観点からこの事例を考察すると、まずグ. ろう。. ループでの演奏であるという点で、児童はグループ全体. 即興という観点から考察すると、その方法は情景描. の音を聴きながら自らの担当する音を出す必要がある。. 写としての即興とほぼ同じであるが、即興自体が一つの. つまり即興とはいえ勝手なところで音を出せば良いとい. 音楽作品の一部として組み込まれていることから、単な. う訳ではなく、ある程度の演奏の秩序を意識しながら、. る情景描写にとどまらず、ストーリーに沿ってあらゆる. 打ち合わせで決めた構成を意識し、タイミングを見計. 事象を即興的に表現することが求められる。情景描写. らって音を出さなければならないのである。このことか. としての即興から一歩進み、パフォーマンスを構成する. ら、周りの音を聴くことと自らの音を聴くことを同時に. 一つの表現形態として実践されたものと捉えることがで. 行なうという演奏上の能力や、演奏の秩序、まとまりを. きるだろう。. 考えるという創作の意識は、少なからず児童に身につく ものと考えられる。. 2.4 音楽科における即興の問題点. 2.3.2 モノドラマ合唱における即興. 日本の音楽科教育における即興の代表的な事例を、 「創造的音楽学習」で行なわれた二つの取り組みによっ. 情景描写としての即興を単発的なもので終わらせず、. て考察した。しかしながら、これらの実践例における即. まとまりのある音楽作品へ仕上げようとする取り組みと. 興は、ある問題点も抱えていると言わざるをえない。当. して、山本文茂が提唱した活動がモノドラマ合唱であ. 然のことながらこのような実践は、児童・生徒の実態や. る。モノドラマ合唱とは山本による造語で、 「国語教材. 授業の進行のしかたにも状況を左右されるものであり、. に取材した合唱曲をフィナーレとして用いるモノドラマの. 一概に問題点を提示することはできないが、即興という. (7). パフォーマンス」であると概念規定される 。その実態. 観点でこれらの実践を見直すと、根本的な問題に突き. としては、詩や物語を朗読しながらそれにふさわしい音. 当たる。大きく二つ問題点を挙げると、一つは音と音楽. 楽をつけ、その朗読の内容を歌詞にした合唱曲を歌う、. との違いが非常に曖昧になっていること、さらにもう一. という表現形式である。この実践においては、先述の. つは「自由に表現」という言葉がかえって活動をカオス. 情景描写としての即興と、既成の作品の演奏とが併せ. 的な遊びにする危険性を持っているということである。. て行なわれ、一つのまとまったパフォーマンスとして完. 二つの事例においては、即興に用いる音具を吟味す. 成される。. ること、また音の出し方自体も様々に試しながら演奏す. 「モノドラマ合唱」は、 「語り」 「バックミュージック」. ることなど、音、とりわけ非楽音に対する注意を促し、. (バックサウンド、バックリズム、バックメロディー、バッ. 68. 一つ一つの音を注意深く聴く指導が充実している印象.

(4) を受ける。先述のように現代的手法を受けた指導内容. にはほとんど経験の無い児童、生徒が完全に自由に表. と考えて良いだろう。. 現をするのは難しく、即興的に表現するためには音楽の. しかし実際に行なわれた演奏発表においては、音そ. 知識、技能、そしてそれらの学習経験が不可欠である。. のものに注意するあまり、完成した演奏が音楽ではなく、. すなわち、即興を取り入れた活動を音楽科の授業で扱. 効果音の連続のような内容になっていた感が否めない。. う以上、音楽の知識や技能を指導すること、さらにはそ. これは、音そのものと特定の情景描写を結びつけた結. れらをどのように指導するかを明確に定め、意識するこ. 果、活動が音楽づくりに至らず、波の音や浜辺の砂の音. とが必要なのである。. を連想させるような効果音づくりにとどまったということ. 即興と「自由に表現」という言葉の間に違和感を覚え. ではないだろうか。. るのは、即興に関する学問的見地からの考察と、音楽. 筒石賢昭は「創造的音楽学習」の問題点を、 「使用さ. 科教育における扱いに明らかな違いがあるからである。. れる音が不愉快なものや、音の羅列であったり、組織さ. そもそも即興演奏について学問的見地に立ち返りその. れていないものは避けるべきであろう」 (筒石 1997)と. 原理を見直してみると、実際には即興は「自由」なもの. 述べている。音そのものに注意を向け、吟味させたり試. ではなく、いかなる即興も「自由」と「規範」のバラン. 行錯誤させたりするだけでなく、その音をどう構成する. スで成り立っていることが分かる。一見自由に演奏して. か、どのような様式においてその音を音楽へと導いてい. いるようにみられるものでも、実際は様々な規則に従っ. くかについても、指導する必要が十分にあるだろう。. て演奏がなされており、特に「規範」の部分が重んじら. さらに筆者が問題として捉えているのは、 「自由に表. れていることは、音楽学における即興演奏研究によって. 現する」というこの活動の主旨である。. 明らかにされている。. 数ある実践の中には、 「海の音楽をつくる」という題 材で授業を進めたところ、即興の部分がカオス的な音. 3 即興演奏の原理. 遊びに陥り、 「何をやっているかよく分からない」状態に (10) このよう なってしまった、としている報告もみられる。. 3. 1 即興「モデル」論. な問題を引き起こしているのが、音楽科教育における即 興の際によく用いられる「自由に表現する」 「思いをもっ. 音楽学の歴史において、即興演奏は長い間研究対象. て表現する」という言葉ではないかと筆者は考えている。. として扱われてこなかったテーマである。それは音楽学. 情景を即興的表現で描写する活動では、 「個々の子ども. の当事者達(主に研究者)にとって、主な関心事は記譜. の表現欲求と音楽的感性がその時々の子どもの表現技. された音楽作品の楽曲分析であり、作曲という行為そ. (11). 能によって表出される」ことが目指されている。 つまり、. のものや作曲のプロセスという事項は、完成された音. あくまでも子供の表現欲求のままに音楽的感性を養うこ. 楽作品に比べて重要度の低いものとみなされていたから. とが目標であり、音楽の知識や技能を伸長する、とい. である。即興演奏が注目を集めたのは 1960 年代に入っ. うことは、ほとんど念頭におかれていない、とも受け取. てからのことであり、主に民族音楽学の分野において、. れる。この実践では、 「自由に表現」 「思いをもって表現」. ジャズ、インド音楽、イラン音楽という三つのレパートリー. という言葉が、かえって子供の活動をカオス的な音遊び. を対象として進められた。ここでは即興演奏の実践に. に落としいれ、それを容認することになったのではない. 共通した解釈を示した B. ネトルの「モデル論」という一. だろうか。. つの解釈を通して、即興演奏における「規範」の重要性. この点についても筒石は、 「(「創造的音楽学習」にお. を考察してみたい。. いては)何を学習するかの目標を明確にすることが必要. The New Grove Dictionary of Musical Instrument. である」 (筒石 1997)と述べている。音そのものに注. (2nd. ed.)の “Improvisation” の項目では、即興 演奏. 目するのは、その後に続く音楽表現の学習があるため. は「演奏の過程において作品が創作されること、或いは. であり、音の探究自体に終止する活動は目的の一歩手. 演奏過程において作品に最終的な形が与えられること」. 前で止まっていると言わざるをえないだろう。さらに音. と定義される。ネトルは「即興演奏と作曲との境界線の. 楽表現、特に即興を取り入れた表現においては、実際. 引き方は音楽文化によって異なる」と述べ、インド音楽. 教育デザイン研究 第3号 69.

(5) 即興演奏を基盤とした音楽科教育デザイン. やフーガを例示している。そして即興演奏することと作. ムーズに、高度なものにしていくために、自らの演奏の. 曲することは、どちらもあらかじめ定められたルールに. 訓練の中で、音楽的知識や理論の理解を深めていくこ. 従って行なうものである場合が多いことを検証し、ルー. とになる。つまり、音楽的知識と演奏技能の学習が個. ルの存在が即興演奏と作曲の共通点であることを示し. 別に行なわれるのではなく、自らの行為のなかで統合的、. た。つまり即興演奏は作曲と対置して捉えるものではな. 同時的に行なわれるのである。. く、ルールに基づくという面において同じ方法で行なわ. 当然のことながら、このジャズの例はきわめて高い. れる創作であるとみなしたのである。そしてそのルール. 音楽能力を必要とするもので、ジャズの演奏習慣をそ. について、 「モデル model」或いは「(演奏の基礎となる). のまま音楽科教育と関連させることは難しい。しかし. (12). 出発点 points of departure」と表現し考察している。. ながら、音楽的知識と演奏技能の統合的、同時的な. ネトルの「モデル論」における「モデル」は、音楽文. 学習を可能とするという側面は、音楽科教育における. 化によってその実態が異なり、何を「モデル」とみなす. 即興にも多大な示唆を与えるものではないかと筆者は. かという判断も実に様々で、 「モデル」の構成要素に至っ. 考えている。. てはあらゆる例が考えられる、きわめて多様なものであ. 「創造的音楽学習」の実践をはじめとする、音楽科教. る。しかし、その「モデル」がどの音楽文化の即興演奏. 育における即興の問題点は、感性の育成ということに主. によっても何らかの形で存在していることは、多くの即. 眼を置くあまり、音楽的知識や演奏技能についての指. 興演奏研究で明らかにされてきた。ネトル自身も述べる. 導がないがしろにされてきた点であり、またその具体的. ように、即興演奏を学習することはこの「モデル」を理. な理由に、即興の実践においてネトルのいう「モデル」. 解し体得することであると言えるほどに、 「モデル」は即. にあたるものがほとんど考慮されてこなかったことが挙. (13). 興演奏において避けて通れない基盤なのである。. げられるだろう。 「モデル」が確実に存在する実践であ. 従来、とりわけ西洋音楽の分野においては、即興演. れば、 「何をやっているか分からない」状態に陥ること. 奏は「自由」 「無秩序」 「計画性の欠如」といった言葉. はある程度回避できるはずである。. で表される場合が多く、あらかじめ作曲しておくことと. また、そもそもの大きな問題が言葉の用い方にもみ. 比べて低級なものとされてきた。しかし即興演奏と作曲. られる。音楽科の学習指導要領においては「即興演奏」. は、ルールに従った創作行為であるという共通性をもっ. という言葉は用いられておらず、 「創造的音楽学習」の. ているとみなし、即興演奏の音楽文化における位置付. 実践等にみられる即興的な部分は、 「即興表現」という. けを再検討した上で、その基盤である「モデル」を定義. 言葉で表されているのである。. づけたことが、ネトルの即興演奏研究に対する貢献であ. 音楽教育事典によれば、 「即興表現」は次のように定. るといえるだろう。. 義されている。 「即興表現は音楽的に高度な演奏内容や表現内容を. 3.2 即興演奏習得の条件. 意図していないということから、音楽教育において、純 粋に音楽的な歌唱や器楽による即興演奏とさまざまな. さて、このような即興演奏の解釈に基づくと、 「モデル」. 身体表現やドラマ性のある音楽的な即興表現などを統. に基づく演奏実践のために、即興演奏では以下の二つ. 合した幅広い概念で使われている。すなわち教師の意. の事項の習得が必須条件であることが言える。音楽的. 図や指示による音楽表現ではなく、個々の子どもの表. 知識、そして演奏技能である。. 現欲求と音楽的感性がその時々の子どもの表現技能に. 例えば、即興を大きな要素とするジャズを例にあげる. よって表出される音楽表現なのである」 (島崎篤子『即. と、ジャズにおける即興の部分、すなわちアドリブの部. 興表現』 「日本音楽教育事典」pp.539-540.). 分では、演奏者は「モデル」を蓄積しそれに従って演奏. この定義は、即興演奏と「即興表現」を完全に区別し、. するために、あらかじめコード進行や形式といった音楽. 「即興表現」を音楽科教育独自の用語として用いること. 的知識、理論を理解しておく必要がある。さらにそれ. を表しているといえよう。つまり、音楽的知識や演奏技. らを演奏で用いるためには、自身の演奏技能の伸長も. 能の習得と、そのための訓練を必要とする即興演奏に. 欠かせない。ジャズにおいては即興部分の演奏をよりス. 対し、あくまでも子供の表現欲求と音楽的感性の表出. 70.

(6) を目指したものが 「即興表現」であるとしているのである。. 4. 1. 1 「モデル」の必要性. この定義の、 「音楽的に高度な演奏内容や表現内容 を意図していない」 「個々の子どもの表現欲求と音楽的. 筆者が注目するのは、即興演奏には「モデル」が必. 感性がその時々の子どもの表現技能によって表出され. 要不可欠であるという各音楽文化に共通の前提ばかりで. る」などの記述は、一見子供たちにとって取り組みやす. なく、 「モデル」が発揮する教育的効果である。. い、自由度の高い柔軟な活動を示すかのようにみえる。. 日本においては、即興演奏が楽譜によらず自由にその. しかし「創造的音楽学習」の実践例をみる限り、この活. 場で演奏することと認識され、その結果自由と無秩序を. 動を通して一体子供達に何が身につくのか、さらに教師. 混同した活動が即興演奏であると容認されることとなっ. は、 「個々の子どもの表現欲求と音楽的感性がその時々. てしまった。 「自由に演奏する」といっても、取り組むの. の子どもの表現技能によって表出」されることをどのよ. はあくまで学習であり、初めて取り組む課題にヒントが. うに評価すれば良いのかなど、判断しづらい点が多くあ. 皆無では、困惑するのも当然である。さらに、そのまま. る。. 実践として行なわれる手がかりの無い無秩序な音遊び. 即興演奏は、音楽の理論と実践の両面において高度. は、 「モデル」の存在とは程遠いものであり、そのよう. で専門的な技能を必要とするプロのためのものであっ. な活動を即興演奏と称すること自体が誤りであると言わ. て、学校現場における音楽科教育には必要ない、とい. ざるをえない。. う意見もあるかもしれない。しかしここで明らかにして. 「モデル」の具体性は活動内容にもよるが、 「モデル」. おきたいのは、プロによる高度な即興演奏を児童・生. が具体的であるほどその拘束力は強いものとなる。拘束. 徒に身につけさせることを目指しているのではない、と. 力をどれほど強めるかは、その学習で何を習得するかと. いうことである。即興 演奏は、自らの演奏を通して、. いう細かい到達目標次第である。. その演奏の構成要素となっている音楽的知識を身につ. 「モデル」が音楽学習に効果を与えるのは、その拘. けられるという教育的意義をもっており、この教育的. 束力を学習内容によって調節できるという性質のため. 意義を音楽科教育にも活かしていくのがねらいである。. である。 「モデル」を学習内容に沿って柔軟に設定する. つまり、音楽の理論と実践の学習を個別に行なうので. ことで、 「モデル」に従った即興演奏は「型にはまった. はなく、両者を結び付けるものとして即興演奏が機能. 創作」というマイナスな印象ではなく、音楽創作の手. する可能性をもっている、ということである。このよう. がかりに基づいた合理的な創作と位置づけることがで. に、即興演奏には音楽の学習に有効な側面があるにも. きるだろう。. 関わらず、 「即興表現」という言葉はそれを無視し、単 なる音遊びに終始させてしまうのではないかと筆者は. 4. 1.2 具体的な「モデル」の活用――段階的な. 考えている。. 学習のために. 4 即興演奏の新しい実践の提案に向けて. 既に述べてきたように、即興の学習を音楽科に取り入 れるにあたっては、即興を通して何を学習するのかを明. 4. 1 理念の構築. 確にする必要がある。 先述のジャズの例においては、 「モデル」がかなり明. では、実際に即興演奏の原理に基づいて、 「創造的音. 確に定められていた。これはジャズのもつ独自の演奏. 楽学習」の一活動という従来の日本の音楽科教育での. 習慣、演奏形態にもよるものだが、 「モデル」が定まっ. 即興を見直し、音楽の実践及び理論の習得に結びつい. ていることによって、ジャズでは即興の学習にきわめて. ていくような指導の新しい理念を導き出すことを目指す. 分かりやすい段階が自ずとできているのではないだろう. めには、どのようなことが必要なのだろうか。ここでは. か。ジャズの即興における「モデル」には少なくとも以下. 指導のための新しい理念の基盤となる項目を三つ設定. の要素が挙げられる(14)。. する。. ・調性 ・コード進行. 教育デザイン研究 第3号 71.

(7) 即興演奏を基盤とした音楽科教育デザイン. ・拍子. どを作ってはいけない。音楽はそのような楽器で作られ. ・スケール. (15) るべきではない」 と述べている。この発言は、音楽教. ・リフ (数小節単位のフレーズ、 暗記して使い回すことが多い). 育があくまでも音楽的内容と離れることなく行なわれる. ・小節数(特にセッション等で複数の演奏者が交互に即. べきであると解釈できるものではないだろうか。日本に. 興をする場合に厳格に定められる). おける「創造的音楽学習」では、 「自由な表現」や「児童・ 生徒の創造性を養う」という言葉が、短絡的に音遊び. ジャズの即興演奏においてはこれらを実際のパフォー. を楽しむという意味に認識されてしまった結果、遊戯的. マンスの基盤とするために、調性や形式など、具体的. な実践が即興演奏として容認されてきたのであると考え. に何を学ぶかという内容が自ずと決まる。そして、調性. られる。. を学んだ後コード進行、そこからリフに発展していく等、. 筆者は「自由に表現する」ことや「児童・生徒の創造. 段階的な学習過程も経ていくことになる。この学習は全. 性を養う」ことについて、それらの手前にまず音楽の理. て自らの演奏を通して行なわれるものであり、学習者は. 論及び実践の習得を設定し、そこから発展した目的と位. 自らの演奏技能と音楽理論を併せて身につけていくこと. 置付けるのが相応しいと考えている。音楽の理論や実. になる。. 践がまず行なわれ、それらを理解したり体得したりする. これらの要素はジャズにおける「モデル」の例にすぎ. 過程を経なくては、 「自由に表現する」ことや「児童・生. ないが、音楽科の授業においても、このような具体的な. 徒の創造性を養う」ことは難しいからである。そして、. 「モデル」を設定し、段階的な学習に役立てるべきでは. 第一段階として音楽の理論・実践の習得、第二段階とし. ないだろうか。段階的な学習を目指すことで、 「モデル」. て「自由に表現する」ことや「児童・生徒の創造性を養. の教育的効果を一層高め、音楽科教育における即興が. う」ことを設定した創作指導に、即興演奏こそが適した. より具体的かつ発展的な創作活動となり得るだろう。. 活動と言えるのである。 具体的な「モデル」を設定することによって、 「創造的. 4. 1.3 音楽の理論及び実践の習得と結びついた. 音楽学習」が二義的にしか扱ってこなかった音楽の理論. 指導方法の考案. と実践の習得・体得という目的に基づいた指導を目指す ことが、今後の即興演奏指導の理念として重視される. 「創造的音楽学習」で行なわれる即興演奏の目的は、. べきであろう。. 実践報告によれば、楽譜という既存の枠にとらわれず、 自由に表現することの楽しさを味わわせることや、身の. 4.2 実践に向けて. 回りにある音の多様さに気付かせ、音への興味・関心 を育てること、自由な創作を通して児童・生徒の創造性. これまで述べてきた理念を通し、筆者は即興演奏指. を養うこと等を目的として掲げられている場合が多い。. 導を単なる創作指導にとどまらず、音楽の理論と実践の. 既に述べてきたように、 「自由に表現」させることは「何. 双方を習得・体得するための統合的な創作指導である. をやっているか分からない」状態にさせる危険性を孕ん. と位置付けた。ここでは、そのような創作指導を実際に. でいる。まして、音楽に関する知識の無いまま即興演. どのように音楽科教育のカリキュラムに組み込んでいく. 奏をさせることは、無秩序な音遊びを容認することとも. かを提案していく。. 言える。それら要素を理解し認識した上で、その存在か. 従来、日本の音楽科教育において創作指導が二義的. ら逸脱しない範囲での「自由」があってこそ、子ども達. にしか扱われてこなかった一因として、他の領域との関. の創作意欲を駆り立て、表現に至らせることができるの. 係性が薄かったことが挙げられよう。創作指導に取り組. ではないだろうか。. むにあたって、指導者自身が他の領域との関係性につ. 同様に「児童・生徒の創造性」も、カオス的な音遊. いて曖昧な認識しか持たないまま、創作は創作として孤. びの中にあっては養うことはできない。 「創造的音楽学. 立した指導を行なってきたのではないだろうか。そこで、. 習」で数多く取り組まれる手づくり楽器を通した創作と. 創作を単に音楽づくりだけの活動として終わらせず、創. 関連させて、C. オルフは「工業的廃棄物を用いて楽器な. 作を行なう中に歌唱、器楽、鑑賞といった他の領域の. 72.

(8) 活動を織り交ぜるようなカリキュラムの位置付けを行な. 教育に最も貢献すると思われる性質として、自ら創作し. うべきであり、その活動に貢献するのが即興演奏指導. た内容を自らの手で表現するという、自作自演の過程を. であると考える。筆者は音楽の理論と実践の統合的な. 体験できるという側面が挙げられるであろう。基本的に. 習得を目指した即興演奏指導について、以下の三点を目. 自分が考えたものを自分で演奏する、つまり人前で発表. 標として挙げる。. することにより、自分の創作に責任を持ち、最後まで完 成させるという目的意識も強く持つことができるだろう。. (1)音楽の理論的側面の理解. 以上の三つの項目を、いずれも即興演奏の性質と音楽. (2)表現の技能の伸長. 科教育に貢献できる側面を併せたものとして、即興演奏. (3)自ら創作し自ら演奏する能力の育成. 指導の学習目標として設定する。. (1)音楽の理論的側面とは、リズム、メロディー、ハー. 5 おわりに――音楽科をこえた教育デザインへ. モニーといった音楽の三要素に加え、学習指導要領でも 述べられている音色、速度、テクスチュア、強弱、形式、. 最後に、これまで述べてきた音楽科教育における即. 構成などの要素も含めたものとする。従来この音楽の理. 興演奏の内容をもとに、音楽科をこえた学校教育のデ. 論的側面は、音楽の要素そのものに着目して学習される. ザインに対する提案をしていく。. 機会が非常に少なかったといえる。歌唱や器楽の学習に. 小川昌文は、 「芸術教育実践学のダイナミックス」モ. おいて、取り組む楽曲の中に含まれる音楽的要素につい. デルを提唱し、芸術の理論的分野、実践分野、カリキュ. て学習されることはあっても、その学習においては音楽. ラム開発は「つねにインタラクティブに関わり」、 「原理. 的要素の理解については二次的にしか取り組まれなかっ. からカリキュラム、実践へ行くと同時に、実践からカリ. たといえよう。逆に音楽的要素について集中的な学習を. キュラム、原理へとフィードバックする」と述べている(小. 試みると、楽典的な内容の教え込みとなり、歌唱や器. 川 2000)。この「カリキュラム開発」こそ、小川が提唱. 楽といった表現領域とほとんど関連性を持たない活動と. するモデルの中心部分であり、まさに教育デザインに最. なってしまうおそれもある。従来の音楽的要素について. も関連性の高い部分であると考えることができる。そし. の指導にみられたこれらの問題を解決するのが即興演. てこの「カリキュラム開発」の部分に、キーワードとして. 奏であると筆者は考えている。. 捉えられる活動をおいて考えることによって、理論と実. (2)表現の技能の伸長は、歌唱したり、楽器を用いて. 践が結び付いた教育デザインが実現されるのではない. 演奏する技能を養うばかりでなく、演奏そのものに至る. だろうか。. までの子どもの根本的な意識に対する指導まで包括し. 「教育デザイン」の定義に立ち返ると、三宅は次のよ. たものである。即興演奏は、 「モデル」によって演奏実. 「教員・学生・教諭一人一人が、自 うに述べている(16)。. 践に制限が設けられる反面、見方を変えると「モデル」. 分の能力を活用して積極的に取り組めるクリエイティブ. が演奏のためのヒントとなり得ることは既に述べてきた。. な仕事であること」 「特に教員は(中略)自分の専門性. つまり「モデル」によって示されたガイドラインに沿って. を教育学のジャンルに活用する」。. 演奏すれば、まとまった演奏、正しい音楽理論に基づく. 筆者が注目する即興演奏は、もともと幅広い音楽ジャ. 演奏がし易くなると言える。即興演奏は創作 (音楽づくり). ンルで行なわれている演奏習慣で、きわめて音楽の専. の分野に下位区分される場合が多いが、その演奏実践. 門性が高く、一般教育に持ち込むにはあまりにも高度で. においては創作能力と共に演奏能力も必要不可欠であ. ある、とする見方もあるだろう。しかしながら、このよ. る。 「モデル」に従って演奏することが演奏そのものを. うな教育デザインの目指すところを意識した場合、それ. 円滑にすると同時に、ある程度の制限の中で即座にまと. ぞれの教員が自らの専門性を活かし十分に活用すること. まった演奏が要求されることで、演奏の技能を鍛えるト. こそが、クリエイティブな教育デザインに結び付くので. レーニングにも適したものであると筆者は考えている。. はないだろうか。小川の述べる「カリキュラム開発」の. (3)自ら創作し自ら演奏する能力の育成は、 (1)及び. 部分に、例えば即興演奏を置いた場合、即興演奏を中. (2)を統合したものと考えて良い。即興演奏が音楽科. 心として、音楽の原理と学校における実践との往還がは. 教育デザイン研究 第3号 73.

(9) 即興演奏を基盤とした音楽科教育デザイン. かれるのではないだろうか。そしてその実現に一歩でも 近づけるために、先ほどの三つの理念がその基本となる と筆者は確信している。 教育デザインという観点からみた時何よりも大事なの は、教科の中の数ある指導事項をこなそうとすることよ りも、 「カリキュラム開発」の部分で強みとなるキーワー ドを設定することである。教員が自らの専門性を発揮 するために必要なキーワードが、個々の「教育デザイン」 に資するものであるなら、カリキュラムの中に位置付け、 吟味しながら指導に活用していくべきである。そして音 楽教育学を専門とする立場から、今後の研究では即興 演奏が具体的にどのように理論と実践を結びつけられる かについて、実践例やカリキュラム開発に取り組んでい きたいと考えている。 注 (1)小川昌文(2011) 「評価――教育学研究科改組にあたっ て――」『教育デザイン研究』2, p. 58. (2)音楽科における〔共通事項〕とは、「音楽を形づくって いる要素や要素同士の関連を知覚し、それらの働きが 生み出す特質や雰囲気を感受すること、音楽に関する 用語や記号などについて音楽活動を通して理解するこ と」として、平成 20 年改訂の学習指導要領から示され た。この〔共通事項〕は、表現及び鑑賞に関する能力 を育成する上で共通に必要となるもので、各活動にお いて十分な指導が行なわれるべきであるとされている。 (3)〔共通事項〕において示される「音楽を形づくっている 要素」とは、具体的には音色、リズム、速度、旋律、 テクスチュア、強弱、形式、構成などが挙げられている。 (4)「特集 いま、 『音楽をつくって表現』する活動は……」 『教 育音楽』小学版 2002 年7月 音楽之友社 . (5)坪能由紀子(2004) 「創造的音楽学習」 『日本音楽教育 事典』音楽之友社 , p. 535. (6)この実践は静岡県立大東町立大坂小学校(現掛川市立 大坂小学校)の竹内ちさ子教諭によって、小学校高学 年の児童を対象に指導された事例である。 (7)山本文茂『モノドラマ合唱のすすめ――音楽教育の新 たな構築に向けて――』p. 16. (8)「バックミュージック」の中の一要素である「バックサ ウンド」とは、「モノドラマ合唱」における「語り」の 内容に従って子どもたちが自由に選んで奏でる音の響 きのことである。山本はこの「バックサウンド」につ いて、 「特定のリズムパターンを持ち込まないで、 『語り』 のイメージや雰囲気をかもし出すような持続音のスタ イルを取るほうがよいだろう」としている。またこれ らの「バックサウンド」と並んで演奏されるのが、他 の要素を包括する「バックミュージック」、すなわちリ ズム、メロディー、ハーモニー等の要素がはっきり認 識できる音楽である。 (9) こ の 実 践 は 神 奈 川 県 横 浜 市 立 大 岡 小 学 校 に お い て、. 74. 1995 年に行なわれた事例である。 (10) 「特集 いま、 『音楽をつくって表現』する活動は……」 『教 育音楽』小学版 2002 年7月 音楽之友社 . (11)島崎篤子『即興表現』「日本音楽教育事典」pp.539540. (12)Nettl, Bruno.(2001). “Improvisation.”In Sadie, Stanley(ed.), The New Grove Dictionary of Musical Instrument 2nd. ed. Vol.12. London: Macmillan Publishers. p.96. (13)同掲書 p.96. (14)同掲書 pp. 128-129. (15)星野圭朗(1979) 『オルフ・シュールベルク理論とそ の実際 日本語を出発点として』全音楽譜出版社 , p. 5. (16)三宅晶子(2011)「教育デザインへの取り組み――3 面マルチ画像を活用した能のテキストの魅力――」『教 育デザイン研究』2, p. 43. 参考文献 ・論文・研究報告 小川昌文(2000)「音楽科教育における『実践』の本質― ―芸術(音楽)教育実践学の基礎理念の確立を目指して― ―」『芸術教育実践学』2, pp.12-18. 小川昌文(2011)「評価――教育学研究科改組にあたって ――」『教育デザイン研究』2, pp. 58-64. 筒石賢昭(1997)「“ 創造的音楽学習 ” と子どもの成長」 『シリーズ 音楽と教育② 音楽の発見-「ミューズ的表現」』 pp.58-70. 三宅晶子(2011)「教育デザインへの取り組み――3面マ ルチ画像を活用した能のテキストの魅力――」『教育デザ イン研究』2, pp.43-48. ・単行本 小原光一 他編(1993) 『ソナーレ音楽科教育実践講座 第7 巻 ひびきをつくる』ニチブン . ペインター , ジョン・アストン , ピーター(1982)『音楽の 語るもの 原点からの創造的音楽学習』(Paynter, John and Aston, Peter. Sund and Silence. 1970)山本文茂・坪能由紀 子・橋都みどり訳 , 音楽之友社 . 星野圭朗(1979) 『オルフ・シュールベルク理論とその実 際 日本語を出発点として』全音楽譜出版社 . 松本恒敏・山本文茂(1986) 『創造的音楽学習の試み―― この音でいいかな?――』音楽之友社 . 山本文茂(2000) 『モノドラマ合唱のすすめ――音楽教育 の新たな構築に向けて――』音楽之友社 . ・事典項目 島崎篤子(2004) 「即興表現」『日本音楽教育事典』音楽之 友社 , pp. 539-541. 坪能由紀子(2004) 「創造的音楽学習」 『日本音楽教育事典』 音楽之友社 , pp. 535-539. ・教育雑誌 「特集 いま、『音楽をつくって表現』する活動は……」 『教 育音楽』小学版 2002 年7月 音楽之友社 ..

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参照

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