[原著論文]
予算使途に関する学校への権限委譲による「学校の自律性」確立への影響
―S市における「提案型」の導入事例の検討を通して―
木村 栞太*
Impact on establishing "school autonomy" by delegating authority
to schools regarding budget use
― through examination of the "proposal type" introduction case
in S city ―
Kanta KIMURA*
Abstract
The purpose of this paper is to describe the operation status of "proposal type" that supports the establishment of school autonomy by delegation of authority, and to examine its role. The classification of authority delegation to schools that has been implemented so far mainly consists of methods of delegating authority during the budget execution stage and methods of providing supplementary budget. The latter, the “proposal type,” aims not only to distribute the budget at the request of the school, but also to incentivize the school by making a part of it a competitive budget, and to promote the establishment of autonomy.
The survey was conducted from February 2018 to October 2019. As analysis materials, they are used that the website information of the S City Board of Education and elementary and junior high schools and utterance scripts based on interviews with a total of eight investigators who are the staff of the Board of Education, the principal of S City Elementary and Junior High Schools.
As a result of the survey, the proposal type has been continuously implemented in S City since 2008 because of the education policy of the country and the superintendent of education who has an innovative policy preference and persuades the heads of bureaus.
In addition, as a role of “proposal” derived from the operation status of the system, from the perspective of diversity, a mechanism that allows the school to accept budget requests will encourage the principal to set goals based on the current situation of the school, and in addition to playing a role in the development of competence, it was found that the competitive budget is an incentive for motivated faculty members. From the perspective of efficiency, it was also confirmed that the simplification of the clerical procedure brings flexibility to educational practice that is difficult to predict, and expands the possibility. On the other hand, it became clear that challenges remain from the perspective of democracy such as participation of children, parents and local residents and accountability for them.
KEY WORDS : Delegation of authority, School autonomy, School finance, School management
1.問題の所在と目的 1-1. 問題の所在 社会の複雑化・多様化によって個々の児童生徒への 対応が公立小中学校(以下,学校)に期待されるなか で,硬直性と画一性を特徴とする学校運営が問題視さ れている.このような問題に対して,学校には自律性 の確立あるいは自律的学校経営が求められている.学 校の自律性の定義として例えば浜田(2007)では, 「個々の学校が,委ねられた裁量権限に基づいて,当 該学校として教育目標を独自に設定し,その効果的実 現のための方策を自ら選択して実施し,その実現状況 を自ら把握・診断しつつ教育活動を継続的に改善して いく組織内作用」(下線筆者)とされている.こうし た定義は,学校に対して組織としての自明性を問い直 すものであるように思われる.確かに学校が組織であ るには,その要件たる活動目的に無自覚ではいられず, 課題解決にむけた取り組みを展開していないならばそ れは組織たりえない(バーナード 1956:67).学校 の自律性という概念は,そうした組織としての要件を 備えない学校の存在が問題として意識されていること の現れであり,さらにはその基底となる裁量権限の重 要性を示唆している. 裁量の一つである予算については,学校に付与され ている権限が限定的であることが問題とされている. 予算は主に児童生徒数等を指標とする学校規模に応じ て機械的に算出され教育委員会(以下,教委)によっ て各学校に配分される.しかし「学校固有の状況や教 育計画を考慮して配当されるわけではないこと,そも そも学校(長)の権限で契約締結,支出が認められる 種類やその金額が非常に制約的であること,(中略) 執行の過程でそれぞれに過不足が生じても容易には調 整が認められないこと」が一般的であるとされる(本 多 2003:172). こうした限定性はミニマムスタンダードに基づく教 育条件を保障する観点からは合理的であるが,予算面 からみた学校の自律性確立に対しては妨げとなってい るとされる(貞広 2008:132).また,学校の抱える 課題や保有する資源のマネジメントの範囲やその時系 列認識が狭められている可能性も指摘されはじめてい る(大野 2016:123-131).そして,その限定性ゆえ 先進事例が生まれない等の教育行政・学校経営の停滞 が生じている.例えば,支出負担行為において校長に 権限が認められず,教委事務局側の事務負担の増大を 招いていることや,決算報告を活用した次年度計画の 作成などにおいて財務会計情報が活用されないために 学校の特色化が阻害されている場合などがその最たる ものである(本多ら 2003). 1-2. 先行研究の検討 予算に関する学校への権限委譲の先行研究としては, これまで権限委譲の必要性や制度設計の視点から主張 がなされてきた(例えば,白石 2008や本多 2003, 本多 2015bなど).また,大規模な質問紙調査による 権限委譲の現状(河野他 2004,竺沙 2004)やその 促進・阻害要因(本多 2015,末冨 2008)が実証的 に明らかにされてきた. 特に,権限委譲の推進は国の教育財政システムが中 央集権的であるか地方分権的であるかということや児 童生徒一人当たりの義務教育費水準に依存しないこと が末冨(2008)における国家間比較によって指摘さ れている.このことは自治体ごとの文脈を抑えながら 権限委譲の経緯を分析する必要性を示唆するものとい える.「わが国で自律的学校経営が期待されながらも 大胆な教育経営改革が実施されない要因は,教育の質 の維持に対する行政側の懸念にあると考えられる」と いった佐藤の見立てとも整合的である(佐藤 1996: 97). このような権限委譲の実態やその促進・阻害要因に 関する研究がある一方で,未だ検討が不十分な問題も 存在する.すなわち,予算面での学校への権限委譲が 学校の自律性確立にどう影響を及ぼすのかという問い である.学校がその裁量を持て余す場面を考えれば, そもそも権限委譲が必ずしも学校の自律性確立に作用 するとは限らない.そのため,どのような仕組みのも とで権限を委譲することが求められるのかということ が問題となる. 予算制度が学校の自律性確立に及ぼす影響を分析し た研究としては,積み上げ方式での配当予算の算出基 礎となる「義務教育学校運営費標準」が学校の自主性 や創意工夫を阻害するものとなっていることを指摘し た新村(1980)や教育委員準公選制度の実施に伴っ て「学校フレーム予算」(後述する総額裁量予算制度 に同じ)を導入した東京都中野区を事例に,当該制度 が「提示されたフレーム(学校予算枠)の範囲内で自 主的に来年度の学校予算の内容となる各項目(節)の 配分計画をたてることを保障」(括弧内は筆者が加筆) していることを考察した小川(1993)が存在するが, そもそも予算の権限を委譲している自治体が少ないと いう限界もあり,これまで盛んに研究が展開されてき
たとはいいがたい1)当該テーマにおける次なる課題は, 少数ながらも全国において萌芽的な取り組みとして展 開してきた事例の質的な分析を積み重ねていくことだ と考えられる. 1-3. 本稿の目的と作業課題 以上より本稿の目的を,予算要望の承認と競争的予 算によって学校の自律性確立を支援する「提案型」の 運用状況を記述した上で,その役割について検討する こととする. 「提案型」の役割について検討する際には,本多ら (2003)で学校への権限委譲が持つ価値とされている, 多様性・効率性・民主性の3つの観点を採用したい. 多様性は,各学校で多様な教育活動や学校運営が展 開されること,効率性は,個々の学校の実情を考慮し ない一律の規制がなくなることで無駄がはぶかれるこ と,民主性は,学校の教職員だけでなく保護者あるい は子どもが学校運営その他の意思決定に関与すること を主に想定した価値である.権限委譲はこれらの価値 を追求することを理念として実施されるものとされる (本多ら 2003:118). 作業課題としては,まず予算の権限委譲に関する政 策の内容とその過程を整理し,次に教育行政実践の事 例として「提案型」がS市でどう受容され運用されて いるのかを素描する.最後に権限委譲がもたらす学校 の自律性確立への影響を多様性,効率性,民主性とい う3つの観点から考察することで「提案型」の役割に ついて論じたい. S市を事例とする理由は,まず当該自治体では国の 教育政策として学校の自律性の問題と権限委譲が推進 され始めた2000年以降から現在に至るまで「提案型」 が実施され続けていることが挙げられる.木村(2020) によれば,「提案型」を導入している自治体は2017年 時点で全体の約10%にとどまっており,S市は本テー マにおける先進事例として位置づけられる. 加えて,S市では当該事業予算の一部が競争的であ る点が挙げられる.学校間格差を抑制しつつ,自律的 学校経営の実現を財政面から支援するには「競争的予 算をあくまでも追加的措置とし,その種類を一定数以 下に絞る」ことが必要とされる(貞広 2008:142). 当該自治体ではまさにそうした追補的措置として,競 争的予算を用いたインセンティブが学校に付与されて いる点が特徴的である.このような仕組みを具備する 権限委譲の事例は,さらに限られており,そうした取 組が学校の自律性確立にどう作用しうるのかを検証す ることは,一定程度の学術的意義があると考える. 調査は,2018年2月から2019年10月にかけて実施 した.分析材料としてS市教委及び小中学校の各ウェ ブサイト掲載情報の他,教委学校教育課前課長のx氏 (2018年2月27日,2019年3月26日実施),現課長のy 氏(2019年10月7日実施),S市小中学校の元校長a氏 (2018年3月19日実施),現校長b,c,d,e,h氏(2019 年10月7日,21日)への聞き取り調査の結果,S市庁 舎内で実施された次年度予算の要望の場に参与観察者 として同席した際に,筆者が作成したフィールドノー ツ(2018年7月5日作成)に加え,調査時に収集した 資料(S市議会議事録,教委議事録,報道関係資料, 新聞記事,その他公表資料等)を用いる.聞き取り調 査では主に学校教育課課長には制度導入の経緯やその 背景,導入後の取り組み状況について,校長には自校 の教育課程やその取組内容について質問した. 2.予算に関する学校への権限委譲政策の内容 とその過程 予算に関する学校への権限委譲が日本の教育政策上 のイシューとして議論の俎上に乗せられたのは,今か ら20年ほど前のことである.政策文書としては,「教 育行政の地方分権化」や「学校運営への住民参加」を 柱とした1998(平成10)年10月の第16期中央教育審 議会答申「今後の地方教育行政の在り方について」を 皮切りに,処理されるべき事務の担い手として教委と 学校を区別し,その別を学校管理運営規則に定めるこ とが推奨されはじめた.続く「今後の学校の管理運営 の在り方について」(2003年)や「地方分権時代にお ける教育委員会の在り方について」(2005年)等の答 申でも,予算の編成と執行は改革の対象とされた. こうした政策の中で具体化されたのは,校長が学校 経営の責任者としてその職責を全うできるようになる ための権限委譲であった.特に予算に関しては,①学 校の意向を反映した予算が措置されること,②予算項 目の制限がない総枠での校長裁量予算が措置されるこ と,③校長に一定額までの契約を行う権限(専決権) が認められること等の権限体制の変更が求められてい る. これは,教育行政職と学校管理職とのつながりが強 い英米において導入された,アメリカのSchool-based Management(SBM) 政 策 や イ ギ リ ス のLocal Management of schools(LMS)政策の下で学校の「自 律的経営」を志向する潮流を受けた結果といわれてい
る(大脇 2007:174). それでは,上述の政策によって全国の自治体ではど のような取組が展開したのだろうか.結論を先取りす れば,予算に関する学校への権限委譲は,低調な水準 で取り組みが維持されているといえる.例えば「自治 体の学校財務制度の全国的な傾向」が不明であること を問題に,2003年に全国の市教委を対象に調査した 竺沙(2004)では,学校裁量の予算を措置している 市が21.5%と乏しい状況にあることや表1のように消 耗品の購入であっても,その専決権が校長に与えられ ていないといった市が全体のおよそ4割近くに上って おり,権限が与えられていたとしてもおよそ少額の契 約に限られることが明らかにされている. 国際調査TALIS2013でも日本の学校の予算に関す る裁量の水準は低く,参加した34の国・地域の平均 を大きく下回る結果となっており,具体的には「学校 内の予算配分の決定」に校長や学校運営チームなどが 重要な責任を持つか,との質問に対しては参加国平均 82.5%のところ,日本は59.5%に留まっていることが 指摘されている(内山2016:21). 表1.校長の契約行為に係る専決事項の内容(%) 出典:竺沙(2004)より引用. こうした状況は,現在に至るまで依然として変わっ ておらず(木村 2020),政策の形成段階で掲げられ た理念に反し,その実施段階では停滞が生じているの が当該政策の実情といえる.ただし,低調とはいえ権 限委譲が実施されていることも事実ではある2).文科 省による調査3)では,予算の権限委譲の方法に関して 「学校配当予算の総額が予算項目ごとではなく,総枠 として学校に配当される総額裁量予算制度」(以下,「総 額裁量」),「総額裁量予算制度を除き学校配当予算の 執行の一部に学校の裁量を認める措置(流用等)」(以 下,「一部裁量」),「一般の学校配当予算とは別に使途 を特定しない予算を措置」(以下,「特色枠」)「学校が 企画提案した独自の取り組みについて査定し,特別の 予算を措置したりするなどの取り組み」(以下,「提案 型」)の4種類が項目化されている.このうち「総額 裁量」と「一部裁量」が予算の執行段階における権限 を学校に委譲するのに対して,「特色枠」と「提案型」 は追補的な予算措置である. 「総額裁量」と「一部裁量」は,予め項目ごとに上 限が設定された「節」などの費目を越えて予算の流用 を認めるものである.こうした措置は,配当額内では あるが,自由な発想に基づく予算執行を認めることで 学校の自律性確立を支援するものである.しかし,経 常的な予算が増大するわけではないため,ひとたび自 治体の財政状況が悪化し予算全体へのマイナスシーリ ングがかけられると,流用の承認という積極的措置は, 配当予算内での「やりくり」を学校に押しつけるとい った消極的措置に堕してしまう.なお地方自治法に定 められている通り,予算の編成と執行に関する権限は 首長にあり,教委には予算のシーリングを拒む手段は ない.また学校の裁量で執行可能な予算額について管 理職と事務職員の間で認識に齟齬が生じている状況も 報告されており(末冨2016:36),執行段階での権限 委譲は学校の自律性確立にむけた機能を期待し難い側 面が多分に想定される. それに対して「特色枠」と「提案型」では,財政難 により縮減の対象となりやすい制度ではあるものの (河野ら2004:233),予算化されてしまえば,その使 途決定は学校の自由裁量である.もともと特定の教育 課題の解消にむけた予算であることから目的的である. また「特色枠」が教委の問題意識に寄せて事業化され るのに対し,「提案型」は学校における自発的な教育 実践の展開を財政的に裏付けようとする教委の意図が 見出される. 以上の理由から「提案型」は,現行の4つの権限移 譲の中でも,学校の自律性確立を促す制度として適合 的な理念を備えた制度といえる.
3.S市における「提案型」に関する教育行政実践 本稿では「提案型」を実施しているS市を事例とす る.S市では,予算に関する学校への権限委譲が国策 として推進された2000年以後に「提案型」が導入さ れ現在まで継続して運用されている.また,各校長に は当該制度予算の要望を行うことが認められており, 各学校が抱える教育上の課題の検討と課題に応じた予 算の執行が促されている.このようにS市では,費目 間での流用を柔軟に認めつつ,マイナスシーリングを かけることで予算の節約を促すことが制度上可能とな っている「総額裁量」や「一部裁量」ではなく,各学 校の課題意識に基づいた教育実践の展開を促す仕組み を「提案型」として実装しており,学校の自律性確立 という本稿の問題意識に適合的である. S市は,人口25,000人,学校数12校(うち小学校8校, 中学校4校),児童生徒数2,044人(うち児童1,362人, 生徒682人)と小規模な自治体である(2018年時点). 人口の減少が続いており,観光地としての魅力化によ って市外人口の流入・還流が図られている.また,「郷 土を学び,郷土で学び,郷土を生かし,郷土を育てる 学習」を柱とする教育計画のもと,地域と連携した郷 土愛の涵養が目指されている. 3-1. 「提案型」の導入の経緯と制度設計 S市で「提案型」が導入されたのは2008年である. 2000年頃から国策として「特色ある学校づくり」が 重要視されるようになると,S市では学校運営協議会 の全市的な導入がめざされた.このような教育政策の 転換期において,校長からは予算の不足が課題として 教委に寄せられるようになる.これに対して教育長の 主導で「思いが強ければ,増やせる予算」として学校 経営ビジョンの具現化を支援する体制づくりが目指さ れることになった4). 「提案型」の導入は,ともすれば自治体財政の逼迫 状況を問題とする財務課(首長部局)から無計画な予 算の「ばらまき」と解釈されかねず,新規事業として の導入には反対意見が出ることが予測された.教育長 はこうした課題を克服するために,まず企画を軌道に 乗せることを当面の目標にその事業化にあたっては低 予算での提案を行うとともに,市長への直接の根回し を行ったとされる5).このように当該制度の導入の背 景には,教育長の政策選好が大きく影響を及ぼしてい ることが確認された. 当該制度が導入されると,校長による予算要望を受 け付ける場が,後に詳述する評価機構によって主催さ れた.その機構は,当初,教委事務局職員のみで構成 されたが,制度継続のために,首長部局の課長職職員 や学識経験者等を加えることで,自治体内での当該制 度の有用性の啓発に努めている. このようにS市の「提案型」は地方分権の潮流に沿 う形で展開した学校の「自律」を目指す教育政策を背 景に,教育長の政策選好が直接的な要因となって導入・ 継続されている. 当該事業の目的は「学力向上や心の教育など教育的 な課題解決を図り,児童生徒や保護者にとって魅力あ る学校を作るため,校長先生のマネジメントを支援し, 学校の独自性・主体性を生かした特色ある学校教育の 推進を図る」ことにあるとされる6).これは,S市教 委が掲げる重点目標「生きる力を育む学校教育の推進」 における重点事項「社会の変化に対応した教育の推進」 に位置付けられる7). 当該事業予算は,自治体予算の教育費(款)の教育 総務費(項)のうち教委事務局の裁量予算である事務 局費(目)から編成され,経常経費として配当される 学校予算に加え,別途学校に配当される. 1,500,000円から始まった当該事業予算は,2012年 度には2,000,000円に,2019年度より2,5000,000円に 増額されており,導入に当たって講じられた戦略が機 能した事業展開となっている.これは近隣自治体を中 心に視察が行われる等,これまで当該制度が対外的に 評価されてきたことが,自治体政策の特色化にもつな がっており,その意義が首長部局から認められたこと が要因であるとされる8). 各学校への事業予算の配当方法は2通りに分けられ る.一つは,児童生徒数等の学校規模に応じて機械的 に算定される額を配当するものである.もう一つは, 後に詳述する評価機構が行う事業計画に関する校長の 要望内容を査定した結果に応じて,傾斜的に配当され るものである. 後者の方法で配当される予算は,その獲得に当たっ て限度額内でのゆるやかな競争を想定した制度設計と なっている.また,規模に応じた予算の割合の方がこ の競争的予算よりも大きいとされるが,その具体的な 割合や金額自体は,学校間での競争の激化を防止する 観点から非公表となっている.人的資源等と比べて財 的資源は計量的であり,それゆえ各学校が保有する資 源の差違も明確になる.そうした明示性が競争の激化 に作用する可能性も懸念されるが,これまでのところ, そうした副作用は認識されていないとされる9).さら
に,予算に競争的な性質を持たせることは,その弊害 として子どもの学習権侵害の可能性を生む.この点, 当該予算は各学校に経常的に配当される予算とは別途 に追補的なものとして配当されるものであるだけでな く,その一部は,学校規模に準じた配分方法が採用さ れている.そのため子どもの学習権保障に必要となる 経常経費が要望に対する評価結果等によって損なわれ ることはない.つまり学校間での予算に差異は生じる が教育格差となることはない. 2017年度の事業予算の各学校への配当額は表2の通 りである.児童数180 ~ 190名のD小学校やF小学校 に比べて児童数が50名も少ないA小学校に,より多く の予算が配当されているのは,要望の評価に対する傾 斜配当の結果である. 表2.「提案型」における学校別配当予算額(2017年度) A 小学校(130) 185,000 円 E 小学校(170) 159,000 円 H 中学校(270) 327,000 円 B 小学校(110) 154,000 円 F 小学校(180) 162,000 円 I 中学校(350) 204,500 円 C 小学校(420) 226,500 円 G 小学校(140) 150,000 円 J 中学校(50) 125,000 円 D 小学校(190) 177,000 円 K 小中学校(30) 130,000 円 ※1 括弧内は児童生徒数の概算(2017年5月時点) ※2 配当予算は,2017年度配当予算を提示 ※3 K小中学校は小中連携校 各学校からの要望を受け付ける評価機構は,教育委 員5名(教育長を含む),教委事務局職員(課長職職 員1名),に首長部局から総務課と財政課の課長職職 員,学識経験者等を加えた構成である.また,自治体 職員であれば要望の場の様子を参観することが認めら れており,当該事業の目的や意義が首長部局にも周知 される機会が用意されている. 要望はA+,A,B,Cの4段階で評価される.校長は, 子どもの体験活動,学力向上,学校の特色化の3点の いずれかに関連させた次年度の予算使途と必要となる 予算額を前年度の取組と関連させて要望する.審査は, 競争的予算の配分を行うために実施されるものである. また評価は相対的であるが,その基準は要望内容に偏 りが生じることを防ぐ目的から評価機構の外部には公 表されない. 3-2. 「提案型」の運用状況 当該事業に関わって学校では要望がどう準備され, また配当された予算は各学校の課題解決に向けてどう 活用されているのだろうか.以下では,複数の学校へ の聞き取り調査で得た発話スクリプトをもとに,制度 の運用状況を素描したい.なお,引用における括弧内 の文章は筆者による捕足とする. まず要望の準備にあたっては,校長は学校の課題や 付置状況の把握に努めることから開始しているようで ある.国や県が実施する学力・学習状況調査の結果や 授業時等の子どもや教員の様子,学校が所在する地域 の特性(繁華街までの距離や近隣の農地面積等)の確 認が行われている.また,その過程の一つとして新た に異動してきた校長であれば,前任からの引継ぎが含 まれる. 学校が抱える課題は,児童生徒の様子から浮かび上 がる教育実践上の課題のみならず,教職員の年齢構成 など学校経営上の眼差しからも見出される.校長は, 新たな活動を導入することが教職員の多忙化を招くな ど,学校改革の逆機能として学校運営の質が低下する 事態を予防することも求められている.S市では,人 員が不足気味の学校もあり,教員各人の力量形成を促 すための研修に事業予算が拠出されてもいる. このようにして学校の抱える課題が確認されると, その課題に則した当該年度の学校教育目標やその具現 化に向けた取り組みが構想されていく.この点,当該 制度における要望の準備過程は,校長にとって学校運 営の実践を支援する側面を有する. 例えば,B小学校で校長職2年目を迎えるb校長は, 予算の使途を考えるなかで自校の「学校経営方針を固 める」機会が得られたことや「もしこの事業がなかっ たらこれ(新たな取組)をやっていたかどうか」と教 育実践の発案と当該事業との関連性への言及が見られ た.d校長もまた要望の機会が「自分の色を出しにく い校長」の支援になりうると述べている.このように 当該事業は年度の開始に合わせて教委への予算要望を 校長に求めるなかで,組織の抱える課題に即応した目 的設定が学校経営に必要不可欠であることを予め確認 し続けている. また,予算の一部が競争的であることは,校長や教
職員にインセンティブをもたらしてもいる.A小学校 のa元校長が当該制度について「思いが強ければ予算 を大きくすることができる」ものと評価した点は,制 度の導入にあたって目指された理念が学校管理職に浸 透していることの証左となるだろう.また要望の場に 期待を込めて校長を送り出す教職員の姿が確認される など10),当該事業が校長のみならず教職員の関心事と なってもいる学校も存在している. このようにS市では,当該校における教育課題の把 握と課題解決に向けた目標設定を校長に促す役割を果 たしているといえる. それでは実際に学校の課題や教育目標に基づいて, 各学校は当該事業予算をどう執行しているのだろうか. 表3は2017年度の各小学校の事業内容の一覧である. 教委との協議を経て,学校の魅力化という制度趣旨に 則した取り組みが構想され,学力や体力の向上などの 目的別に計画されている.例えばA小学校では校長主 導で「読書活動の充実」に力点をおいた教育実践が展 開されてきた.子どもの貧困が社会問題化するなかで, この年度のA小学校の課題は,経験格差の是正とされ ている.世帯収入格差など経済的問題が要因となって, 休日の子どもの教育機会に大幅な格差が生じていると いう校長の問題意識に基づいて,芸術鑑賞や文化体験 の機会を積極的に提供する学校経営方針が確立され, その中で読書教育も推進されている11). 一覧ではその一部の取り組みに重なりが見受けられ るが,QUテストに関しては2019年の調査の時点では 既に全市的に教委が事業予算を組み,その取り組みを 展開している.ただし,教委との協議の上,学力向上 に特別の課題を有することが認められた学校では追加 で行うQUテストの経費を当該事業予算から拠出する ことが可能とされている. また缶バッジ等を褒章とする生徒指導も複数の調査 校で確認されたが,これは親しい間柄の校長間でイン フォーマルな情報交換が行われてきたことに起因する. この点,2018年以降は予算要望の場において校長が 他校の要望提出の様子を傍聴することが可能となって おり,新たな取り組みを勤務校に導入するための情報 収集の機会となってもいる.このように,その価値が 認められた取り組みについては,学校間での波及が生 じている. 表3.2017年度の各小学校の事業内容一覧 事業内容等 A 小 ① Hy-QU テスト ②地域連携協議会の実施,蛍再生事業,地域交流,幼稚園児との交流 ③家庭と連携した読書活動推進,夏季休業中の外部指導者による補充指導,新聞を活用した読解・表現力の育成 B 小 ①出張科学実験ショー,学習環境 UD 化,読書活動推進 ②「出し汁は命のスープ」講演会,体育大会実施による体力向上 ③満足型学級づくり,平和学習講和,三校合同宿泊学習 C 小 ①老人会との交流(昔遊び,昔話),園児との交流,野菜栽培と料理づくり,合鴨によるコメ作り,和紙作り等 ② Q-U テスト,掲示用額,花の栽培 ③帯タイム,補充指導 ④小・小連携:貸切バス代の補助 D 小 ①授業研究会,漢字・英語検定受験料補助,小学生新聞購読 ②平和学習,栽培活動,農業体験,昔遊び,新入学児童との交流 ③ Q-U テスト ④その他:研究紀要,校内各種コンテスト,学生ボランティア旅費 E 小 ①講師招聘による授業研究(算数科),小学生新聞,図書館整備,漢字検定 ②農地借用料・謝礼,ゲストティーチャー謝礼,野菜苗・肥料代 ③平和学習,人権集会,講師謝礼等 F 小 ①基礎的・基本的な知識技能習得,小中合同授業研究における,授業力向上,日本語検定料補助 ②先進校視察,小中一貫教育講師謝礼,フラワー大作戦材料費,職業体験活動参加費補助等 G 小 ①『学び合い』による授業実践,学習規律の確立,家庭学習の習慣化,ICT 利活用推進 ②学級づくり,ソーシャルスキルの参考図書 ③体験活動,町内5年生宿泊交流活動,環境整備・栽培活動,読書活動の充実 ④夢を語る講演会 ※ 匿名性を保持するために一部を加筆修正した. 校長の来歴も学校での新たな取り組みの導入に影響 を及ぼしている.例えば,2018年度から2年間,県 教委の学力向上の研究指定校であったE小学校では, 中学校籍であるe校長が新たに着任したことで,算数
検定の受検が進められるようになった. 中学校ちゅうのは『十五の春を泣かせたらいかん』 といって,やっぱりそこ(高校受験)の緊張感があ るわけですよね.…(中略)…合格通知をもらうこ との達成感を少しでも味わってという風に思ったか ら(検定を導入した) このようなe校長の発言の裏には,学校が「田舎」 に所在しており進学時に受検をする文化が存在しない こと等,勉学に関する「刺激」がないことや,初等教 育における経験は「楽しさ」が基本にあるべきではあ るが,将来的に訪れる「高校受験」を意識しないわけ にもいかないといった問題意識がある.これは30年 を超える中学校教員としてのe校長の勤務経験がもた らしたアイデア創出といえる. 以上のように,学校の付置状況を抑えながら,その 課題解決に紐づけた予算執行計画を組むことで,S市 の校長はアイデア創出を通じた学校運営に取り組んで いる. ただし,このような効果が認められる一方で留意し たいことは,アイデア創出の営みが校長にある種の「き つさ」をもたらしていることである.調査で確認され たのは,例年踏襲の計画では「また一緒じゃないか」 と学校関係者に思われるのではないかとの「プレッシ ャー」を校長が感じていることである.この点,学校 では予算委員会等の組織化や子ども・保護者・地域住 民等の参加を通じた事業予算の検討はなされていない ようであった12). 事業予算の執行手続きに関しては,経常経費の執行 に比べて簡素化されている.契約に係る権限は原則と して校長が有しているため,各学校は領収書および通 帳の写しを保管・整理し,年度末に報告書と同時に提 出するだけでよい. 年度が始まり各学校への事業予算の配当額が示達さ れると,各学校での予算執行が可能となる.各校で展 開される執行戦略にはばらつきがある.対極的な事例 として,C小学校では2019年度の事業予算246,000円 のうち,38,955円(約16%)がQ-Uテストに,34,016 円(約14%)が検定関係に13),32,848円(約13%)が 道徳の参考図書のために拠出されている.このように c校長はC小学校の児童の学力向上のみならず,教職 員への研修など多角的に学校の抱える課題にアプロー チするために,一件当たりの拠出額を抑える戦略を採 用している.これに対して,H中学校では「めったに 呼べないような人を呼んで講演をしてもらったり,授 業を見てもらって講評してもらったり,そういうこと に『ドーン』と(予算を)使いたい」とのh校長との 発言が表すように,C小学校とは対極的である.具体 的には,H中学校では,人権同和教育において大阪か ら落語家を招聘し,講師に支払われる交通・宿泊費を 含めた謝礼の内,6万円を当該事業予算から拠出して いる.これはC小学校の一活動当たりの平均額が2~ 3万円であることと比べると予算執行の志向性は,主 に校長の考え方に沿って学校間でばらつきが生じてい ることが分かる. ただし,「各学年当該事業予算に期待して学年行事 を組んでいる学年もあるので,そこに支払わなければ ならないという状況もある」14)ため,必ずしも校長 の一存で予算の使途が決定されているわけではなく, 教職員からの要望に応じて「すり合わせ」が必要とな る場合もあり,予算執行における校長の方針のみなら ず,その決定方法にも学校間でのばらつきが認められ る. 4.「提案型」の学校の自律性確立における役割 では学校の自律性に求められる価値として多様性, 効率性,民主性の観点から「提案型」はどのような役 割を果たしているといえるだろうか. まず多様性の観点からは,各学校に予算要望の機会 等を与える「提案型」が,学校経営計画の立案過程に おいて自校の課題を検討し,その結果を踏まえた目標 設定を促すことで,学校運営の質向上に寄与している 点が指摘できる.学校ごとに異なる課題への応答とし て種々のアイデアが創出されるならば,それは理論的 には学校間での実践の差異となって現れる.このよう に「提案型」は学校経営の多様化に向けた変化をもた らす役割を果たしているといえるだろう.また,校長 が機会の提供という側面に「提案型」の意義を見出し ていたように,当該制度は校長の実務内容に直接的な 変化をもたらすことで,学校運営に関する力量形成に 影響を及ぼしている. また「提案型」の予算の一部が競争的であることは, 校長や教職員の要望提出時のインセンティブとなって いる実態が調査から確認された.特に意欲のある教職 員にとって当該予算は,アイデアの実現における障壁 の一つとして,予算の問題を取り除く手段となりうる. このことから予算が競争的であることは,アイデアを 有する学校ほど,魅力的な制度として認識されること
になるだろう.この点,要望に対して積極的であるこ とが必ずしも要望の質向上をもたらすわけではないと 考えられるが,アイデアの実現に向けた選択肢として 競争的予算が存在していることが,アイデア創出を促 すよう機能することは考えられるだろう.つまり予算 が競争的であることは,学校の多様化を促進する機能 を内在させている. ただし,この点に関わっては表3にみたように各学 校での取組の独自性をその実態から観測することはで きなかった.これは創出されたアイデアが学校を越え て波及していることが要因であるように思われる.ア イデア創出を通じた学校の多様化と同時に学校間での アイデアの平準化が発生しているのである.このため, 結果として学校間での取り組みに一定程度の類似性が 生じるのであるが,その類似性は「提案型」の多様化 に向けた影響を否定するものとはいえない.この点, QUテストが教委によって事業化されたように,S市 では「提案型」をあくまでその目的である「学校の魅 力化」に向けた制度となるよう調整がなされている. 見方を変えれば,このような実態は,学校の特色化の 延長線上に教育行政の特色化を見出すことができるよ うに思われる. 一方で,学校におけるアイデア創出の営みに関して は,民主性の観点からは課題が残されている.すなわ ち,子ども・保護者・地域住民など教職員以外の多様 な主体が当該事業に関するアイデア創出や事業評価に 参画することができていない点である.学校の自律性 確立の観点からは,当該予算の一部を保護者会等の予 算と抱き合わせて執行するといった現状から,学校運 営協議会等の場を活用した多様な主体による協議や評 価へとその取り組みを展開していくことが期待される. また当該制度では,予算執行に伴う手続きが簡素化 されており,効率性の観点からもその効果が確認され る.第一に,予算執行に伴う事務作業の縮減である. 学校予算の執行事務は一般的に,教委による確認によ って手続きの適切性を保障する場合が多い.伝票確認 などの業務がその最たるものである.しかし,特に多 数の学校を設置・管理する教委であれば,この確認業 務は膨大となり,目的に対する手段として非効率なも のとなる.当該制度予算に限られるが,そうした事務 作業が縮減されている点は効率性の観点から教職員の 負担を減らしている. この点に関わって,第二に,学校における臨機応変 な予算執行の促進が挙げられる.行政サービスの実現 においては,目的達成の過程でその正当性を担保する ための種々の証明が求められる.しかし,教育という 不確定要素を多分に含む営みにおいては,計画を順守 することでかえって実態を無視した取り組みに堕して しまうこともあるだろう.このように,目的実現の過 程における煩雑な証明は障壁となる場合がある. 当該制度では,予算執行上の手続きが簡略化されて おり,目的を実現する上での最短ルートが採用可能と なる.このような選択が可能となるのは,本制度が目 的の実現そのものを理念として,そのための仕組みを 実装させたものであるからだ. 教育が予測困難であることに鑑みれば,予算執行の 煩雑さは,迅速な意思決定を留保させ,予算活用の意 欲を減退させるだけでなく,奉仕的な教員のみに負担 が偏った教材の「提供」を横行させる.事務の煩雑さ からこれまで断念されてきた潜在的な教育活動の実現 可能性が「提案型」の導入によって広がっていること が「提案型」特有の効果として指摘されるのである. ただし,そうした効率性とトレードオフの関係にあ るのが,民主性の観点から求められる説明責任の課題 であることは否めない.例えば,専門性や役割の違い からもたらされる職員間での意思疎通の困難さが「提 案型」の本来的な趣旨に則さない予算執行を招いてい る可能性も指摘されよう.このように自由裁量予算の 存在は,その使い勝手の良さと裏腹に説明責任を度外 視した執行の誘因となりかねない点に課題が残されて いる. 5.成果と課題 以上本稿では,「提案型」に着目し,自律的学校経 営を保障する仕組みとして当該制度の運用状況を記述 するとともに,その役割について検討した.その結果, 「提案型」の運用状況に加えて,事業予算に関する要 望を求め,また予算の一部を競争的な条件で配当する 「提案型」の仕組みによって,多様性と効率性を追求 する方向で学校の自律性確立が促されていることが明 らかになった. 本稿は事例の質的な分析を通じて得られた知見であ る.今後は,権限委譲が学校の自律性確立に影響を及 ぼす変数としてどれほどの決定力を有するのか,とい った問題に計量的な調査を通じてアプローチするなか でより一般化に開かれた知見を析出することが課題と なる.
謝辞 この研究は,S市教育委員会事務局及び校長による 調査協力及び2019年度戸部眞紀財団の助成により遂 行されたものである.この場を借りて深く御礼申し上 げる. 注釈 1 木村(2017)でも,総額裁量予算を導入した自 治体の実践を分析しているが,観測可能であった 現象の限定性から,その考察の範囲は財務の効率 化や教委―学校間での関係性の改善などに留まり, 「学校の自律性」への影響を明らかにするにはい たっていない. 2 2005年の中教審答申「地方分権時代における教 育委員会の在り方について」では,「学校の企画 や提案に基づいた予算の配分や,使途を特定せず 総枠内で予算の使途を校長にゆだねる裁量的経費 の措置など,学校裁量の拡大が進んでいる」と, 取り組みの進捗が肯定的に評価されている一方で, 同年の同答申「新しい時代の義務教育を創造する」 では「予算面で,(中略)学校裁量の拡大を更に 進めることが必要である.このため学校の設置者 である教育委員会においては教育委員会規則の改 善や学校予算の配分方法の工夫などを一層進める ことが求められる」として取組の更なる推進の必 要性が主張されている. 3 文部科学省は,2018年9月に全都道府県・政令都 市(67),市町村教委(1,718;特別区,広域連 合及び共同設置の教委を含み,一部事務組合を含 まない)を対象に学校裁量予算の取組状況を「教 育委員会の現状に関する調査(平成29年度間)」 と題して毎年調査している(最終アクセス日: 2020年3月19日http://www.mext.go.jp/a_menu/ c h i h o u / _ _ i c s F i l e s / a f i e l d f i le/2019/01/07/1411790_01_1.pdfより.) 4 x元課長への聞き取り調査より. 5 x元課長への聞き取り調査より. 6 S市(2016)「平成28年度 主要な施策の成果説 明書」より. 7 S市教育委員会総務課(2017)「平成29年度S市教 育施策実施計画」より. 8 x元課長への聞き取り調査より. 9 x元課長への聞き取り調査より. 10 x元校長への聞き取り調査より. 11 a元課長への聞き取り調査より. 12 d校長への聞き取り調査より. 13 5,6年生の漢字検定補助23,000円に,漢字・算数 検定の問題集11,016円が加えられた金額となる. 14 h校長への聞き取り調査より. 引用・参考文献 1)大野裕己(2016)「視点3:予算・財務を通じた 学校経営ビジョンの共有と実現」末冨芳編『予算・ 財務で学校マネジメントが変わる』学事出版, pp.123-131. 2)大脇康弘(2007)「大学院におけるスクールリー ダー教育の創造」『時代の転換と学校経営改革― 学 校 の ガ バ ナ ン ス と マ ネ ジ メ ン ト 』 学 文 社, pp.173-185. 3)小川正人(1992)「地方自治体の教育予算編成に 関する一考察」『教育行政学研究』第7巻,pp.85-115. 4)木村栞太(2020)「市町村教育委員会による学校 予算の権限委譲の実態とその年次変化」『飛梅論 集』第20巻,pp.33-47. 5)木村栞太(2017)「学校裁量予算制度がもたらす 学校財務への影響に関する一考察」『九州教育学 会研究紀要』第44巻,pp.87-94. 6)河野和清/千々布敏弥(2004)「第11章 学校予 算と自律的学校経営」河野和清編『地方分権下に おける自律的学校経営の構築に関する総合的研 究』多賀出版,pp.125-148. 7)貞広斎子(2008)「対学校特定補助金(categorical fund)の功罪に関する研究」『教育制度学研究』 第15号,pp.35-45. 8)佐藤博志(1996)「オーストラリア首都直轄区の 学校評価に関する考察」『日本教育経営学会紀要』 第38号,pp.88-99. 9)白石裕(2008)『分権・生涯学習時代の教育財政』 京都大学学術出版会. 10)新村洋史(1980)「学校運営費の実態と学校財政 の民主的確立」『東京大学教育行政学研究室紀要』 第1号,pp.12-25. 11)末冨芳編(2016)『予算・財務で学校マネジメン トが変わる』学事出版,pp.123-131. 12)末冨芳(2008)「義務教育財政の比較分析」『日 本教育行政学会年報』第36巻,pp.208-211. 13)竺沙知章(2004)「学校財務制度の実態と問題点」 『兵庫教育大学研究紀要 第1分冊 学校教育,幼年教 育,教育臨床,障害児教育』第24巻,pp.27-38.
14)浜田博文(2007)『「学校の自律性」と校長の新 たな役割』一藝社. 15)本多正人(2015a)「政策変容としての学校財務 の再構築 : 前橋市の事例を中心に」『国立教育政 策研究所紀要』第144号,pp.93-109. 16)本多正人(2015b)『公立学校財務の制度・政策 と実務』学事出版. 17)本多正人(2003)「公立学校の財務・会計と学校 の自律性」『国立教育政策研究所紀要』第132号, pp.171-185. 18)本多正人/青木栄一(2003)「公立学校の財務・ 会計システムの改革」『日本教育行政学会年報』 第29号,pp.118-129. 19)C.I.バーナード(1956)『経営者の役割』ダイヤ モンド社. 20)S市(2016)「平成28年度 主要な施策の成果説 明書」. 21)S市教育委員会教育総務課(2017)「平成29年度 S市教育施策実施計画」. Received date 2020年12月2日 Accepted date 2021年1月22日