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聴覚障害児のための言語教育プログラム考 : 外国人向け日本語教育の手法を利用する意識

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Academic year: 2021

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(1)聴覚 障害児 の ための言語教育 プロ グラ ム考 ―― 外 国人 向 け 日本語 教 育 の手 法 を利用 す る意 義 ――. 河. 野. 美抄 子. 1-2。. 聴覚 口話法. 日本 にお けるろ う教育 は, もと もとは手話法 であ っ. は じめ に. た。 明治 H年 に建 て られた京都盲 唖院が 日本最初 の ろ 聴覚 障害児教育 の現場 には, 日本語 の読 み書 きに苦. う学校 といわれてお り,そ こで は学校独 自に考案 され. 手意識 を持 つ 児童 が少 なか らず存在 す る。彼 らは どの. た「手 まね」 で教育 がな されて いた。 その後 ,大 正 12. よ うな言語教育 を受 けて い るのだ ろ うか。 どう して. 年 に「盲学校及 び聾 唖学校令」 が発布 され,そ れ まで. ,. 日本語 の読 み書 きが苦手 なのだろ うか。本稿 で は,今. 学校 へ通 えなか った聴覚障害児 た ちが,公 立 の ろ う学. までの プログラムの 問題点 を探 り,言 語教育 と して 日. 校 で学 べ るよ うにな った。 ち ょうど この 時期 はアメ リ. 本語 を外 国語 とい う視点 で捉 え指導 してい く,新 しい. カか ら回話法 が導入 されて いた こと もあ り,公 立 の学. 方法 を提案 す る。. 校 で もろ う児 が話 せ るよ うにな るとい う聴覚 口話法 に. 聴覚障害児 には 日本語学習者 との共通点 がある。 よっ. よ って教育 が行 われ たのであ る。先 の京都盲 唖院 も大. て 日本語学習者 に対 して行 われて い る指導法 は共通す. 正 14年 に「京都市 立 聾 唖学校」 と改名 され,聴 覚 口話. る問題点 に対 して効果 を もた らすで あろ う。語彙量 の. 法 での教育 に変 わ って い った。. 少 ない子 どもに語彙指導 を,構 文力 の弱 い子 どもに文. 昭和 に入 ると,当 時 の文部大 臣が 口話教育 を主 とす. 法指導 を行 う ことは重 要 であ る。既存 の プ ロ グラムで. ることを推 奨 したため,ろ う学校 で手話 の使用 が 禁止. 解決 し得 ない問題 に対処す るためには,子 ど もの成長. され るとい う厳 しい 口話教育 とな って い った。 また. を見据 え, 日本語能力 と しての段 階 を踏 まえた プログ ラムを作成 す ることが肝要 とな る。本論 で はその プ ロ. 1)の 発展 も相 ま って,1959年 以 降全 国 に難聴学級 が設置 され,療 育 とい う面 が 強調. グラムの基盤 とな る考 えを述 べ て い く。. され るよ うにな った。 ろ う学校 や難聴学級 では「 障害. ,. オーデ ィオ ロジー (注. を克服 し,知 識や技能を身 につ ける こと」 が 目標 とな っ. 1.聴 覚 障 害 児 教 育 の 既 存 プ ロ グ ラ ム. た。 聴覚 口話法 の基本 は,乳 幼児 の 時期 か ら徹底 した聴. 1-1.新 しいプ ログラムの必要性. 覚主導 の教育 を行 う ことで ある。最適 に調整 された補. 現在 ,聴 覚 障害児教育 の現場 で行 われて いるプ ロ グ. 聴器 を使 って,残 存聴力 を最大 限 に生 か して,聞 こえ. ラムは,聴 覚 口話法 , トー タル・ コ ミュニ ケ ー シ ョン. る子 どもと同様 の言語発達 を 目指す とい うものである。. 日本手話 を用 いたバ イ リンガル教育 であ る。 これ らの. 発音指導 も鏡 で 回形 を確認 した り,ウ エハ ースの小片. プ ログラム は聴覚障害児教育 の歴史 の 中 で互 いに批判. を使 って舌 の位置 を確認 した り,ス トロー を用 いて 呼. し,そ の欠点 を指摘 し合 って いる。 さまざまな外 国語. 気 を調節 した りして行 う。乳児 か らの早期教育 を重視. 教授法 が批 判 の連続 の 中か ら生 まれてきた の と同様 に. し,十 分 に聞 く力 ,話 す力 を育 て,多 くの児童 を一般. 聴覚 口話法 の欠″ 点を補 うために トー タル・ コ ミュニ ケー. の学校 にイ ンテ グ レー シ ョンさせて きた実績 が あ る。. シ ョンが生 まれ,そ れ に対す る批 判 が バ イ リンガル教. しか しなが ら,一 部 の優秀 な児童 を除 いて は,一 般. 育 を発展 させて きた。 しか し,い ずれ の プ ロ グラム に. 的 な学力面 で,多 数 の児童 は高等教育 が受 け られ るま. おいて もなお解決 されない問題点 が あ る。 その 問題点. で に至 らない とい う結果 もある。今 日教育現場 で広 く. を明確 に し,解 決す るためには異 な った視点 の新 しい. 指摘 されて いる「 九歳 の壁」 の 問題 も聴覚 口話法 の 中. プ ロ グラ ムが必 要 であ ろ う。. か ら言 われ始 めた ことで あ り,未 だ解決 の法 を見 出せ. ,. ,. ず にい る。.

(2) 甲南女 子大学大学院論集第. 7)]人 間科学研 究編. 現 在 の公立学校 で は,発 足 当時 の純粋 な聴覚 口話法 を採 る学校 が減 りつつ あ るが,補 聴器 の性能 が上 が っ. (2009年 3月. ). また,そ の他 の コ ミュニ ケー シ ョン手段 と してキ ュー ドス ピーチ (注. 2)や ,読 話 ,日 話 も認 め られている。. た ことや人 工 内耳装用児 の増加傾 向 によ り,再 び聴覚. 特 に 中・ 軽度難聴 児や人工 内耳装用児 には音声言語 も. 口話法 が注 目されて きて い る。人 工 内耳 は装用 した年. 重要 な手段 とな って いる。実 際使用 され る手話 につ い. 齢 によ って聴 き取 りや発語 明瞭度 に差 があ り,装 用 し. て は, 日本手話 が使 え る教 員 が少 ないため,大 多数 の. たか らとい って,聞 こえ る子 ど もと同様 に聞 き,話 す. 学校 で は 日本語対応手話 が使用 されてい る。. ことがで きるよ うにな るわけで はないか らで あ る。. 1-4.バ イ リンガル教育 (バ イ リンガル・ バ イカ ルチ ャー・ アプ ロー チ). 1-3.ト ー タル コ ミュニ ケー シ ョン (TC) 米 国 にお ける TCプ ロ グラ ム は,1960年 代後半 か ら. アメ リカでバ イ リンガル・ バ イカルチ ャー・ アプ ロー. 開始 され,70年 代初期 に大 半 の公立寄宿生聾学校 で採. チが 台 頭 した の は 1980年 代 後半 で あ る。 先 にあ った. 用 された。TCの 定義 は「聴能 ,手 話 ,指 文字 ,ス ピー. TCを 「 同時法 (Sim=Com)を ベ ー スに した 隠れ 口話 法 だ」 と して批判 した。 TCは 第 一 言語 を英語 とと ら. チ,読 話 な どす べ ての コ ミュニ ケ ー シ ョンメデ ィアを とる」 とい うものである。特定 の コ ミュニ ケー シ ョン 0. え,あ くまで も英語獲得 を 目標 と してい るが,一 方 バ イ リンガル・ バ イカルチ ャー 0ア プ ローチ は第 一 言語. スタイル は とらず ,教 科指導時 には聴能 ,手 話 ,指 文. を手 話 (American Sign Languagc:ASL)と し,乳 幼. 字 ,日 話 のいずれか,ま たはそれ らを組 み合 わせ る こ. 児期 の早 い段 階 か らの手話導入 を提 唱 して い る。 この. とにな って いる。. 立 場 において は, この よ うに手話 を第一 言語 と して使. 利用 し,可 能 なあ らゆ る方法 で コ ミュニ ケ ー シ ョンを. 用す る聴覚障害者 ,あ るいはそれ に準ず る人 々の事 を. 日本 で は,1968年 栃木 ろ う学校 で 「 同時法 (TC)」 による教 育 が始 ま った。 全国 の ろ う学校 で は,そ れ ま. 「 ろ う者」 と呼 んで い る。 これ は 自 らを聴 覚 や音 声言. で も聴覚 口話法 による指導法 に限界 を感 じて はいた も. 語 を使 用す る難聴 者 や 中途 失聴者 か ら区別 し,「 ろ う. のの,手 話 は音声・ 書記言語獲得 の妨 げにな るとされ. 文化」 を担 う者 と しての意 味 が込 め られて い る。 この. て きたため,手 話 を使用す る ことはなか った。 栃木 で. アプローチでは,早 期 か ら手話 を使用す ることによ り ,. の試 み は評価 されたが,一 方 ,同 時法 で使用 す る手話. 子 ど も同士 の コ ミュニ ケー シ ョン も可能 とな る。 ろ う. が ろ う者 の 自然言語 で あ る「 日本手話」 で はな く,音. 児 た ちが学習 しやす い視覚言語 を用 い, ことば を通 し. 声 日本語 の文法 に手話単語 を のせ ただ けの「 日本語対. た さま ざまな体験 をす る ことは子 どもた ちに とって 自. 応手話」 で あ り,そ れでは手話 とは言 えない とい う批. 然 な言語環境 とな るわ けであ る。 このアプ ロー チが求. 判 もあ る。. め る もの は,ろ う児 が聴児 と同 じレベルの学力 と読 み. 口話法 の 限界 とい うの は,一 部 の成功例 を除 いて. 書 き能力 を身 につ ける こと,心 理 的 にはろ う児 が社会. ,. 平均 的 に音声・ 書記言語獲得 が思 うよ うに進 まず ,学. 的 にポ ジテ ィブに対応 で きる ことと,社 会 にそれが維. 習 その ものが 困難 にな る児童 が 出 て きた ことを指す。. 持 で きる環境 が あ ることの三 点 で あ る。即 ち,聞 こえ. この 問題 に対応す るため,文 部省 はろ う学校 向 けの言. る人 々の社会 に 同化す るので はな く,ろ う者 と しての. 語学習 のための教科書 を作成 した。現場 で はそ の教科. アイデ ンテ ィテ ィを持 ち,ろ う文化 を支 え る者 と して. 書 を使用 した り,相 応す る学年 か ら二 年程度落 と した. 社会 に共生す ることを謳 って い るので あ る。手話使用. 教材 を使用 した りす ることが一般 的 にな って いた。 そ. 者 は少数言語話者 と して対等 に扱 われ るべ きであ ると. の後 1993年 に「 聴覚 障害児 の コ ミュニ ケー シ ョン手段. の主張であ る。. ,. に関す る調査研究協力者会議」 が 文部省 の諮 問機 関 と. 日本 では2008年 春東京 に, 日本手話 による教育 を行. して設 置 され,ろ う学校 で手話 が 禁止 され る ことはな. う,ろ う児 のための私 立 学校 が 開設 された。 それ まで. くな った。 2000年 以降 には, 7割 の ろ う学校 (特 別支. フ リー スクール と して培 った ノウハ ウを もとに,バ イ. 援学校 )が 手話 を導入 し,現 在 は学年対応 の一 般校 と. リンガ ル 0バ イカル チ ャー教育 が行 われてい る。 そ こ. 同 じ教科書 を使用 して い る。 これ によ り,ほ とん どの. では発 声や聞 き取 りはせず ,手 話 を第 一 言語 と して育. ろ う学校 で は TCに よ る教 育 が 行 われてい る こととな. て ることが重視 されてい る。両親 ろ うの家庭 で育 った. る。. ろ う児 の学力 は比 較 的高 い ことは経験 的 に知 られてお. 現状 の TCに お いて は,基 礎 的 な コ ミュニ ケー シ ョ ン手段 は 日本手話 あるいは 日本語対応手話である と し ,. り,第 一 言語 の確 立 が あれば, 日本語習得 が有利 にな るとい う理論 で あ る。 しか し, どの よ うに「 書 き こと.

(3) 河野美抄子 :聴 覚 障害児 のための言語教育 プ ログラム考. ば」 や学習言語 を習得 させ るか に関 しては,ま だ研究. 聞 こえない とい う ことを障害 と捉 え るか,文 化 と捉. 途上 で あ る とも発表 して い る。現在 ,外 国語 と日本語. え るか によ って,言 語習得 における考 え方 は正反対 と. の バ イ リンガル教育研究者 らが,ろ う児 の 日本語習得. な るため議論 は止 まな い。 しか しなが ら,い ずれ に し. 研究 を進 めて い るところで あ る。. て も日本語 の「書 き ことば」 の習得 において,何 らか の 問題 があ る ことには違 いがない。 口話法 か手話法 か. 1‐ 5。. の対 立 とは別 に,言 語教育 とい うと ころか ら見て,必. 聴 覚障害児教育 の今後. 人権 問題 も相 ま って,手 話使用 とい う ことに異論 を. 要 な教育 を考えてい くべ きであろう。今 ,十 分 な コ ミュ. 持 つ識者 は少 な くな って きて いるが,現 状 の多数派 で. ニ ケ ー シ ョン活動 を確保 で きる環境 と,「書 き ことば」. あ る TCで い くのか,あ るいはバ イ リンガ ル教育 で い. の 日本語 を学習す るため の指導法 が望 まれて い る。. くのか,議 論 はなお続 いて い る。増加傾 向 にある人工 内耳装用児 や,新 生児 ス ク リーニ ングによ って超早期. 2。. 日本 語 教 育 的 手 法 の 導 入 意 義. に発見 され る難聴児 には聴覚活用 や発声・ 発音 も重要 であ る。他方 ,ろ う者 の言語 であ る 日本手話 を継承 し て い くこと も大 きな課題 で あ る。教育現場 では 日本語. 2-1.日 本語教育 の実績 外 国人 に対す る 日本語教育 は戦前 か ら行 われて いた. 対応手話 を中心 と した TCが な くて はな らな い もの と. が,戦 後 の経済成長 に伴 い学習者 が増加 した。 その後. な ってい る。全 ての聴覚 障害児 に とって万能 のプ ロ グ. 留学 生 lo万 人計画 の影響 か ら,1983年 以 降国内 にお け. ラムは存在 せず ,個 々の条件 や希望 に合 わせて選択 し. る 日本語教育 が盛 ん にな り,さ まざまな研究 や教材 開. てい くしかな いだ ろ う。. 発 が進 め られた。文法 ,語 彙 ,音 声 な どの各分野 の誤. 近年 アメ リカでは「 この音韻 か らこの単語 がで きて. ,. 用分析 デ ー タ も豊富 に存在す る。具体 的 な指導法研究. い るとい う,音 韻意識 がで きあが って いない子 どもは. も数多 くあ り,教 材 も多様化 して い る。 また,199o年. 読 み書 き も非常 に不得手 であ る」 とい う説 が広 ま り. の入管法改 正 を機 に増加 した 日系南米人 の子 どもた ち. 日本 で も障害児教育 の分野 でその研究 が進 め られてい. の教育 問題 も多 くの研究者 によ って検討 されつつ ある。. る。 それを受 けて, 日本手話 による早期教育 を推奨 し. 聴覚 障害児 の書 いた文 が外 国人学習者 と近 似 して い る. て きた鳥越 (1999)は 「 実 際 には,今 まで の ろ う学校. こと,バ イ リンガ ル教育 とい う視点で は年少 者 日本語. で は口話 中心 だ ったが, トップダ ウ ン,ボ トム ア ップ. 教育 と同様 の 問題 があ る ことな どか ら,研 究 の進 んだ. の二つ の流 れを合 わせ る ことによ って,手 話導入 を し. 日本語教育 的手法 が聴覚 障害児 の言語 的 な 問題 を解決. なが ら読 み書 き能力 を獲得 してい く方 向 に進 んでい く. で きるので はないだ ろ うか。. ,. ので はな いか。」 と今後 の流 れを予測 して い る。 この 意 味 は, 日本語習得 を トップダウ ン式 に 日本手話 (話 しことば)か ら直接「書 き ことば」 に移行 させ るとい う「 移 行型 バ イ リンガ ル 教育」 (図. 1)で はな く,. 2-2。. 日本語学習者 との共通点. この項 で取 り上 げ るのは,現 象 と して の共通点 で あ. 日. る。両者 に共通 す る「書 き ことば」 上 の文法 的 な誤 り. 語 での話 しことば も学 んだ上 で「 書 き ことば」 に進 む. で は,助 詞 と用言 の活用 の 問題 が 目立 ってい る。助詞. 2)も 必要 であ る. が あ る,用 言 は活用す るとい う知識 はあ るが, どの助. とい う口話法 的 なボ トム ア ップ (図. 詞 が, どの活用形 が正 しい のか判断 で きな い とい う状. ことを示 唆 してい る。. 態 である。以下 の例 は 1か ら 4が 聴覚障害児 (中 高生 ) 日本語 (書 き ことば) 第 二 言語. 日本手話 第 一 言語. で, 5か ら 8が 日本語学習者 であ る。. 聴覚障害児 (図. 1:移 行型 バ イ リンガル). 日ラ 吾 磨彗きことば) ヽ言. (図. しことば). 2:口 話法 的 なボ. 吟 ¨. (話. ︱︱ 胡∃ ﹂ ヽ. 日本手話 1 日本語. 1:こ の体育館 に入 って も暑 いで した。 例 2:バ ス を降 りた ら,雨 を降 って いま した。 例 3:こ れ は うれ しか ったです。言葉 に甘 え させ 例. て一 緒 に食 べ ま した。 例 4:心 の 中 に ドキ ドキ と緊張 しま した。. 日本手話 1 日本語 (話. しことば). あ るバ イ リンガル. 注 3).

(4) 甲南女子大学大学院論集第 7号 日本 語 学 習 者. 5:こ の こ とは大 変 た の しい だ った。 例 6:日 本 りょう りは あま いて お い しいて 例. す きです。 例. 7:家 族 は作 るの時を見 え ることが一 番 お も し ろが った ことだ と思 う。 (家 族 が作 ってい る と こ ろを見た ことが一. 番 お もしろか った と思 う) 例 8:事 実 は私 はサ ッカー を一 番好 きです。. 人間科学研究編 (2009年 3月 ). 12,13の よ うに辞書で調 べ た ことばをその まま用 いて. ,. 不適切 な表現 にな ることが多 い。例 H,14の よ うな言 いたい ことを的確 に表現 で きな いのは両者 に共通 して い る。 概念 はあ るが語彙 がない とい う場合 , 日本語学習者 も上 級 になれ ば 「 賞 味期 限切 れ」 を知 らな くて も. ,. 「 パ ッケ ー ジに書 いて あ る 日にち よ りも後 に食 べ たの で」 とい うよ うに説 明的 に表現 で きるよ うにな る。 し か し,初 級 か ら中級 ではなかなか うま く説 明 がで きな いため,知 っている語 で置 き換 え よ うとす るのである。. この よ うに,類 似 の誤 りを見 る ことがで きる。助詞. ことばの使 い方 とい うと ころを掘 り下 げれ ば, 自動. な どの機能語 や用言 の活用 は意 味 を持 つ単語 とは異 な. 詞 の表現 に問題 が あ るところ も共通 して い る。例 15,. り,使 用状況 か らそ の意 味 が理 解 され るため経験 が必. 16が 聴覚障害児 (中 高 生 )で ,例 17,18が 日本語学習. 要 なのであ るが,聴 覚 障害児 の場合 ,耳 か らの情報 は. 者 で あ る。. 少 な く,多 量 に読 む ことで カバ ー しな ければ身 につ け に くい。. 聴覚 障害児. 一 方 日本語学習者 の場合 は,耳 か らの情報 は入 る も のの,未 習 の単語 や表現 に注意 を奪 われ,残 りに くい。 初期 はボ トム ア ップ式 の学習 が 中心 とな るため,あ る 程度学習 が進 み,文 法 ルール が 蓄積 され ることによ っ. 例 15:前 を向 いて背 を ま っす ぐのび,腕 と足 をあ げて きちん と歩 きま した。 例 16:男 の先生 は「 ここまでだ よ―. !」. と大声 を. 聞 こえ,あ の 人 の所 まで,走 りま した。. て正 しく使 え るよ うにな ってい くもので あ る。 また, ことばや表現 の使 い方 に も類似す る点がある。 次 の例 9か ら例 Hが 聴覚 障害児 (中 高 生 )で ,例 12か ら例 14が 日本語学習者 であ る。. 日本語 学習者 例 17三 日本 で の留学 生活 が 後 の私 の 人生 を代 わ る と思 います。 例 18:窓 は安全 フェンスが あれ ば, この事故 は発 生 す ることがで きな い と言 った。. 聴覚障害児 例 9:締 め切 りの豆腐 を食 べ た (賞 味期 限切 れ の 豆腐 を食 べ た) 例 10三. 自動詞 は行為 で はな く,現 象 につ いて描写す る場面. そ う… と不満 の ことを答えま した。 (そ う…. で用 い ることが多 く,行 為者 を明確 に しない 日本語 の. と不満 そ うに答え ま した). 文 で は よ く使 われ る。「誰 かが財 布 を落 した」 とは言. 例 H:幼 少 か らの経験 が あ ったか ら後 にな って便 利 にな りま した。. わず ,「 財布 が 落 ちて い る」 と表現 し,「 私 は怒 ってい る」 とは言 わず,「 腹 が立 つ 」 と表現 す る。 ところが 聴覚 障害児 は, 自分 の視点 か らの, 自分 中心 の表現 を. 日本語学習者 例 12:こ の作文 はにわか づ くりですか ら,あ ま り いい作文 で はあ りませ ん。. しが ちで, 自動詞 はあま り使用 しない傾 向 にあ る。 ま た,わ ざわ ざ見えて い る もの を描写す る経験 の少 な さ か ら, 自動詞 と他動詞 の 区別 が つ きに くい。他方 , 日. 例 13 :有 毒 ガ ス を吸入 させ て 殺 しま した。. 本文化 に慣 れて いない 日本語学習者 は,母 語 か ら訳 し. 例 14 :高 校卒業後 ,三 週 間小学校 の勉強 を受 けた. て表現す る ことが 多 く,ま た 自他動詞 の分類 が不完全. (イ. ンター ンを した)け れ ど,教 え方 が嫌. だ ったので,す ぐにや めて しま った。. なため不 自然 にな りやす い。 音韻意識 とい う点か ら見 れ ば,さ らに共通点 が見 ら れ る。 以下 の 例 19と 20が 聴 覚 障害 児 (中 学 生 ),21か. この例 の よ うな表現 は,聞 こえ る子 どもでは 出 て き. ら24が 日本語学習者 であ る。. に くい。「締 め切 り」 を豆腐 には使 わない ことが 感覚 的 にわか って い る し,「 こと」 とは 内容 で あ る ことが わか って い るか らで あ る。 日本語学習者 の場 合 は,例. 聴覚 障害児 例 19:2時 50分 まで の あ いたにのん び りで した。.

(5) 河野美抄子 :聴 覚 障害児 のための言語教育 プ ログラ ム考. 例 20:勉 強 を しま しただ け と少 しだ けま じめがな いです げ とがんば ります。. わゆ る「九歳 の壁」 が越 え られな い とい う状態 の こと で あ る。 子 どもの言語発達 を考 えれば,第 一 言語 の習得 には. ,. 一般的 には家庭を中心 とした場面 の 自然 な コ ミュニ ケー. 日本語学習者 例 21三 いなかの生 活 てあそぶ ど ころ もあま りな い. シ ョンが必要 で あ る。 日常 の 中 の対話 によ って話 しこ. し,か らだはけん きにな るけ ど…。. とばの基 礎 がで きあが る。 そ して学童期 に入 ると,一. 例 22:し ごとは. とて も むずか しかたです 。. 間一 答式 の会話 で はな く,不 特定多数 の人 に向 けて話. 例 23:最 初 は採用 で きるか どがJ心 配 しま した。. した り,場 面 に依存 しない 内容 を持 つ ,岡 本 (1985). 例 24:ゆ うめいな. のい うと ころの「 二 次 的 ことば」 が発達 してい く。教. ところは. ケ ンタ ッキ ー フラ. イ ドチ ー キ ンで す。. 室 において何 かを説 明 しよ うとす るとき,状 況 の文脈 を手 がか りには で きな い ことが らで あれ ば,伝 達 に必. 聴覚 障害児 の場合 ,濁 音 が つ くか どうかの判 断 が難. 要 な ものは全 て言語化 されなければな らない。 この と. しく, 日本語 学習者 ではそれに加えて長音や促音 といっ. き「 一 次 的 ことば」 で は重要視 されなか った助詞 や助. た特殊音素 の有無 が判 断 しに くい。母語 の音韻弁別 と. 動詞 な どの機能語 が大 きな役割 を担 うのであ る。聴覚. 異 な る種 類 の ものは聴 き取 りに くく,ま た覚 え に くい. 障害 児 と JSL児 童 生 徒 (注. か らで あ る。 聴 覚 障害児 は,「 だ け ど」 の どこに濁音. この「 二 次 的 ことば」 が育 ちに くい とい うことである。. が あるのか聴 き取 る ことは困難 で, しか し, どこか に. JSL児 童生徒 は学校外 において, 自国 で学 ぶ 子 ど も. 濁 点 が あ った とい う視 覚 的 な記 憶 はあ るため,「 た げ. 同様 ,読 み書 きまで学習 しない限 り,第 一 言語 を完全. と」 や「 だ け と」 にな って しま うので あ る。聴覚 障害. に習得す るの は難 しい。他方聴覚 障害児 で は,第 一 言. 児 の 音 韻 的 問題 は , この 濁 音 以 外 に,「 ノ ック」 を. 語 が 日本手話 か音声 日本語 か によ って,そ の習得 の プ. 「 コ ック」 とす るよ うな似 た 日形 の音 を誤 って 覚 えて. ロセス は変 わ るが, 日本語 その ものの経験量 の不足 は. い る こと もあ る。. 4)と の 共通 す るの は. ,. 否 めない現実 が あ る。仮 に,両 者 が状況 的文脈 の 中 で. 以上 24の 例 を挙 げてみたが,そ れぞれ誤 りの原 因 は. 親 しい特定 の人 と会話 を通 して発達 す る「 一 次 的 こと. 異 な って いて も,現 れ る現 象 と して はよ く似 て い るこ. ば」 が獲得 されて い ると しよ う。学童期 に入 ると,学. とがわか る。 このよ うな 日本語学習者 が 苦手 とす ると. 習 を進 め る中で ことば を ことばで説 明す るよ うな経験. ころの指導 に関 して は, 日本語教育 の分野 でかな りの. を通 して,頭 の 中 で ことば を操作 しなが ら,抽 象化 さ. 研究 と教材 が 開発 されてい る。 な らば,そ れ らの手法. れた聞 き手 に伝 わ るよ うに話 した り書 いた りす る「 二. を利用 す れ ばいいので はないか。経験量 に頼 るだ けで. 次 的 ことば」 が発達 す る。 しか しその 時 には正 確 な文. な く,効 果 的 な指導法 と して取 り入 れて い くことを考. 法 と誰 にで も通 じる語彙 が必 要 で あ る。 JSL児 童 で は. え るべ きであろ う。. 第 一 言語 の語彙 が あ って も日本語 の語彙 を持 たない場 合 もあれ ば,文 法 的知識 が不完全 な こと もあ る。聴覚. 2-3。. 年少者 日本語教育 との共通点. 子 どもは, ことばのみな らず ,い ろいろな矢日 識 や技. 障害児 も同様 に, 日に見 え る もの,毎 日使 うもの をわ ざわ ざ言語化す る経験 が少 な く,生 活語彙 ,状 況 を描. 術 を学 び,社 会 に生 きる人 間 と して成長 していかな け. 写 す るため の 自動詞 な どが欠落す る場合 がある。 また. れ ばな らない。大人 の 日本語学習者 と異 な り,成 長 の. 聞 こえ る子 どもが聴覚 か ら自然 に習得す る助詞 や助動. 過程 にあ るため,バ イ リンガル環境 にあ る子 ど もはダ. 詞 が不完全 なままで あ ること も珍 しくない。. ブル リ ミテ ッ ド (セ ミリンガル)に な る危 険を手 んで. ,. しか も,「 一 次 的 ことば」 は単純 に「 二 次 的 ことば」. い る。 ダブル リミテ ッ ドとは,第 一 言語 と第 二 言語 と. に移行 す るので はな く,「 二 次 的 こ とば」 の影 響 を受. の 両方 が年齢 に応 じた レベル に発達 して いない ことを. けなが らなお も「 一 次 的 ことば」 も発達す るとい う。. い う。具体 的 に言 え ば, どち らの言語 で も生活 の場面. 互 いに影響 しあい,い わばスパ イ ラルな構造 を も って. で は大 して 困 らず , コ ミュニ ケー シ ョンは取 れ る もの. ことばが発達 して い くのであ る。成長 とともに, こと. の,読 み書 きが苦手 で,学 習成績 が芳 しくない とい う. ばは深 ま りと広 が りを持 つ よ うにな るのだ。 また,不. 現象 で あ る。聴覚障害児 は 日本手話 を第 一 言語 とす る. 特定多数 の人 に 向 けた言語 活動 は ヴ ィ ゴ ツキーが言 う. バ イ リンガル児童 のみな らず , 日話 で教育 を受 けてい. ところの「 内言」 とも関連す る。 つ ま り「 二 次 的 こと. て も,こ の ダ ブル リ ミテ ッ ド様 にな ることがあ る。 い. ば」 は思考 と しての言語 だ とい う ことで あ る。 JSL児.

(6) 甲南女子大学大学 院論 集第 7号. 人間科学研究編 (2009年 3月. ). 童 と聴覚 障害児 は「 一 次 的 ことば」 の確 立 も危 う く、. 取 ることも,意 図す ることを表現す ることもで きな い。. さ らに「 二 次 的 ことば」 が育 ちに くく, この ことが. そればか りか,思 考力 も伸 びないのであ る。基本 的 な. ,. 思考 力 の伸長 を妨 げ,ダ ブル リ ミテ ッ ドの状態 を生 む. 文法 や語 彙 の指導 を行 いなが ら, さまざまな知 識 が学. のであ る。. べ るよ うに教科指導 を進 めて い けな ければな らない。. 両者 と も学校 で, コ ミュニ ケー シ ョン面 の 問題 が強. 正 確 な 日本語 を身 につ け,適 切 な表現 がで きるだけ. 調 され るあま り,自 分 の ことばで もの ごとを認知 し. の語彙 を増 や し,思 考 の道具 と して 日本語 を使 え るよ. 思考 し,表 現す るため の言語 を育 て るとい う意識 が薄. うにす る教 育 を考 えね ばな らない。成長 の過程 におい. くな って しま う。 それ はなぜ なのか,そ れ は どうな る. て社会 的,学 術 的 に興味 を引 きそ うな題材 を用 い,学. のか と 自分 の 中 で疑 間を解決 した り,次 の ことを予測. 年相応 の学力 を保証す べ きであ る。 そのためには,語. した りす ることばを育 てなければ,教 科学習 が次第 に. 彙 や文法 の 力 が弱 い児童 には,内 容 はその ままでや さ. 困難 にな る。 梶 田 (2008)は 思 考 力 を つ け る た め に. しい語彙 や文法 で書 かれた「 リライ ト教材」 を使 う こ. 「 文章 や発言 の 筋道 を きちん と読 み 取 る こと,筋 道 を. と,文 法力 の強化 な どに 日本語教育 的手法 を利用 して. ,. 通 した発表がで きる こと,論 理的な文章が書 ける こと」. 文 を書 く指導 をす ることは,聴 覚 障害児 の言語能力 を. が必 要 だ と し,「 同時 に拡散 的思考 の 力 を つ け るため. 高 め,学 力 を伸 ばす の に有効 であろ うと考 え られ る。. に,一 つの言葉 な り概念 か らどの くらい多 くの ことを 思 い浮 か べ るか, ここまでの 資料 な り記述 な りを延長. 2-4。. 国語教育 と日本語教 育. して どの よ うに考 え るか,一 見異 な った ものの 間 の類. 2-2で 述 べ た よ うな語彙 や文法 の 問題 は, 日本語教. 似性 に どの よ うに気 づ くか, とい った活動 の積 み重ね. 育 が最 も得意 とす る分 野 で あ る。 国語教育 は文法 的 な. が大 切 にな るで あろ う。」 と述 べ てい る。. 練習 よ りも,文 章 か ら心 情 を読 み取 った り,豊 かな表. 森 (2008)は ,そ. の思考 の道具 と して の働 きが「教. 現 を身 につ けた りす る ことに主 眼が置 かれてい る。 し. 科学習 で獲得 した知識 を 日常場面 での さま ざまな問題. か し,用 言 の活用や助詞使用 に問題 が あ る子 どもは. 解決 に活用 した り,教 科学習 の意味 や価値 を見 出 した. 日本語 を第 一 言語 と して習得 して い るとは言 えず , 日. りす るの に不可欠 な メタ認 知 の 働 きを支 えて い る」 と. 本語 を第 二 言語 とす る視 点 で 指導 す る必 要 が あ る。心. し, ことばが「 コ ミュニ ケー シ ョンの道具」 か ら「思. 情理解 や豊 かな表現 を 目指す ことと平行 して, 日本語. 考 の道具」 へ と機能 してい くことを説 明 してい る。. の文法定着 と適切 な語彙使用 のための指導 も必要 なの. さ らに,荻 野 (2008)も 「 二 次 的 ことば」 の獲得 が 「現前 の文脈 か ら離 れて , 自己設計 に基 づ く言 葉 を使 う こ とがで きるよ うにな り」,そ れが「読 み書 き. (リ. ,. で あ る。 日本語教授法 の利用 としては,例 えば,オ ーデ ィオ・ リンガ ル法 の パ ター ンプラクテ ィスは基本 的 な文法 や. テ ラシー)の 基礎 ともな る ものであ る」 と して,そ の. 語彙 を経験 と して練 習 させ ることができる。TPR(ト ー. 重要性 を訴 えてい る。 さ らに,書 き言葉 によ って文 や. タル・ フ ィ ジカル・ レスポ ンス)法 は体 を使 って表現. 文章 を作 るためには,プ ラ ンニ ング,モ ニ タ リング. す るので,子 ども向 けの指導 がで きる。翻訳法 は手話. 読 み返 しの下位過程 を反復す ることが必要で あ り, こ. な どの視覚言語 を「 書 き ことば」 の 日本語 に結 びつ け. の よ うな 自覚的 な過程 によ って よ り内省 が深 め られ る. る ことに応用 で きる。十分 に コ ミュニ ケ ー シ ョンを と. よ うにな る。 さ らに書 くことによ って, 自分 の表現 と. りつ つ ,そ の 話 を 「 書 き こ とば」 につ な げ る こ と. 意 図 のずれを意識化 し, これ によ って 自分 の意 図を再. 「 書 き ことば」 独特 の 表現 を覚 え る ことな ど,外 国語. 確認 した り,よ り明確 な もの に した りす ると述 べ て い. と しての 日本語教育 の現場 で行 って いることが使 え る. る。 すなわ ち,「 書 き ことば」 は「書 き ことば」 によ っ. 場面 は少 な くな い。. ,. ,. 2-3で 述 べ た ダ ブル リ ミテ ッ ドの 問題 につ いて は. て習得 が進 む ものなので ある。. ,. 学校 で は 日本語 を通 して学 ばな ければな らない こと. 年少者 第 二 言語教育 の分野 にそれを解決す る方法 があ. が実 に多 くある。児童期 の語彙 は読 書 を通 じて増加 す. る。 バ イ リンガル教 育 の理論 か らは,BIcs(基 本 的. るが, 日本語 で書 かれた もの を読 むためには語彙以外. 対人 コ ミュニ ケ ー シ ョン能力 )と. に も統語 の知識 ,メ タ的な知識 も必要 とな る。 しか も. 的言語能力 )と い う概念 に基 づ いて,生 活言語 と学習. その知 識 は読 む ことで さ らに強化 され るとい う ことで. 言語 とを 区別 しつつ ,教 育 プ ログラム を考 え ることが. あ るか ら,「 書 き こ とば」 の習得 が いか に重 要 かが わ. で きる。現在 多 くの研究者 によ って,子 供 向 けの 日本. か ろ う。不確 かな文法 や不十分 な語彙 で は正 確 に読 み. 語教材 や教室活 動 が 開発 されて い るところであ る。. ,. CALP(認 知 的学 問.

(7) 河野美抄子 :聴 覚障害児 のための言語教育 プ ログラ ム考. 具体 的 な教科 の指導方法 ,視 覚 に訴 え る教材 や教室. のみな らず語彙 や文法 ,ひ いて は抽象概念 の獲得 にま. 活動 , 日本語力 を測 るテス ト,教 科書 の リライ ト版 な. で及 ぶ。 これ らの諸 問題 を どの よ うに解決す るのか も. ど,年 少者 日本語教 育 の研究者 た ちが 関わ ってい る範. プログラムの 中 に盛 り込 んでいかねばな らないだろ う。. 囲 は狭 くはな く,研 究者 も増加 中 であ る。 ここには国. 新 しいプ ロ グラ ム は,今 まで の聴覚 口話法 や バ イ リン. 語 の分野 にはない ヒン トが数 多 くあ る。 この分野 は開. ガル教育 と対 立す る もの で はな く,そ れ らの 問題解決. 発途上 で あ るため決定 的 な ものは まだないが, これか. のために作成 され る もの とな る。 この プ ログラ ムが教. らに期待 が膨 らむ ところで あ る。. 育現場 に新 しい風 を吹 き込 み,聴 覚 障害児 の読 み書 き. 教科書 が読 め るだ けの統語力 と語彙力 が あ る ことが. 能力 向上 の一 助 にな る ことを願 って い る。. 前提 で,そ の学年 の教科書 が作 られてい るが,そ の力 が十分 で はない とすれ ば, どうすれ ばよい のか。 その 説 明 が理 解 で きる ことが前提 で,そ の学年 の教科 内容. ,王. 1. が決 め られていのが,理 解力 や思 考力 が十分 で はない とすれ ば, どうすれ ばよい のか。 これ は,国 語 とい う. 補償及 び コ ミュニ ケ ー シ ョンを扱 う学 問的領域。. 2. 教科 の 中 だ けで解決 で きる問題 で はない。言語能力 と. ろ とは 区別 し,全 人格 的 な 向上 を 目指 した言 語教育 と しての 日標 を掲 げな けれ ばな らないであろ う。. 3。. キ ュー ドス ピー チ :語 音 の 母 音 部 を示 す 口型 と,子 音 部 を示 す手 指 サ イ ン (キ ュー)の 組 み合 わせ で 日本. 思考力 との 関係 を理解 し,効 率 よ く伸長 させて い くプ ロ グラ ム を組 む こ と も重要 で あ る。 国語 が 目指す とこ. オ ー デ ィオ ロ ジー :聴 能 学。 聴 覚 障害 の あ る子 ど も に成 人 にお け る聴 覚 管 理・ 補 聴 器 。人 工 内耳 等 の 聴 覚. 語 を表す方法。. 3. この理 論 に よ る第一 言 語 と第 二 言 語 が どれ に対応 す るのか は確定 されていない。. 4 JSL児 童生徒. 引用文献. お わ りに 荻野 美佐 子. 聴覚 障害児 のための新 しい言 語 プ ロ グラ ム を作成す るためには,外 国人 向 けの 日本語教 育 の手法 は有効 で. 『 児童心理』金子書房 2008。 9 「聴 覚 障害児 の手話 と 日本語 の獲得」『 日本型 第 二 言 語 教育 を求 めて 』 トー タル コ ミュニ ケ ー シ ョン トー タル コ ミュニ ケ ー シ ョ ン研 究会. 研 究 大 会報 告 書. 据 え,言 語能力 しての 目標 を定 め ることが重 要 である。 に,い つ ,何 を, どの よ うに指導 してい くのか,教 科 学習 の進度 も考慮 にいれ,考 えて いかね ばな らない。 聴覚障害 の言語習得 に対 す る影響 は少 な くな く,音 韻. 「 言 葉 の力 は どの よ うに発達 して い くか」. 鳥越 隆士. あろ う。 しか し,そ れだ けで はな く子 どもの成長 を見 聴覚障害児 の 日本語 の読 み書 き能力 を向上 させ るため. :Japanese as a Second Languageの 略。. 日本語 を母語 と しな い児童生徒 の こと。. 1999. 森. 篤嗣. 「 学校 教育 にお ける「語彙」 の教育」『 日本語. 学』 明治書 院 2008。 9 森. 敏昭. 「思考 と言葉 のカ ーメ タ認知 の育成法」『 児童. 心理』金子書房 2008。 9.

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高等教育機関の日本語教育に関しては、まず、その代表となる「ドイツ語圏大学日本語 教育研究会( Japanisch an Hochschulen :以下 JaH ) 」 2 を紹介する。