− −33 1 . はじめに 東大阪キャンパスの中央図書館へ異動に なって 3年目となりました。 就職してからずっと医学部キャンパス勤務 だったので、突然の東大阪キャンパスへの 異動には、かなりのとまどいがありました。 キャンパス内の場所や人、業務の何もかもが わからないことだらけでした。異動先である 中央図書館では、レファレンス課に配属され 利用相談カウンターでの業務となりました。 前部署の医学部キャンパス図書館事務課での 業務とは全く違うカウンターで利用者を対象 とする「利用相談」は、慣れるまで日々緊張 の連続でした。それに加え、普段の業務とは 別に WG(ワーキンググループ)の担当を与 えられ、私は右も左もわからないまま貴重書 WG メンバーとなり、瞬く間に 1年が過ぎまし た。そして異動してから 2 年目を迎えた昨年 度に、WG リーダーとして初めて体験した「絵 を楽しむ貴重書展」についてお話します。 まず、WG リーダーとなった年度初めに「来 場者 1,000人超えを目指す!」という大きな目 標をたてました。夢は大きくということでた てた目標でしたが、内心はとても不安でいっ ぱいでした。それでも過去最高の 1,361人来場 という大きな結果を残せました。この結果は、 WG メンバーや図書館職員全員のあらゆる面 でのサポートがあったからこそ残せた数字で す。 2 . テーマを決める 過去の貴重書展に関する資料のどのテーマ を見ても、正直なところ私自身「ピン」とく るものは全くありませんでした。たくさんの 方にご来場いただくには、私のような興味が ない人にも気軽に足を運んでいただけるよう な内容で考えるべきだと思い、このテーマ 「絵を楽しむ貴重書展」に決めました。 3 . 展示資料 近畿大学所蔵の「藤田嗣治の額絵」はとて も見ごたえのあるもので、「見られてよかっ た」「作品を見て感動した」など、アンケー トで感想やご意見をいただきました。昨年は、 藤田嗣治生誕 130 年の記念の年ということも あり、他に挿絵本を数点展示しました。 貴重書展全体では、和書・洋書と併せて約 40点の資料を展示しましたが、毎年、貴重書 展に携わっている WG メンバーは貴重書の事 を熟知しているので、資料選びから準備作業、 毎日の資料展示と後片付けの手順など、とて も感心させられました。それだけでなく貴重 書は、温湿度や光に弱いなど取り扱いにもか なり注意が必要なことも知りました。展示資 料の横に置くキャプション一つにしても WG
「第 23 回 貴重書展」を担当して
中央図書館事務部 レファレンス課岩 見 淳 代
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ポスター− −34 グループ全員で話し合い、長い時間をかけ て作成する大変な作業でしたが、立ち止まり じっくりと読んでくださる来場者の姿をみる と、作成時の苦労など吹き飛んでしまうよう な気持ちになりました。「絵」を楽しんでいた だくという企画なので、本の中にある挿絵は 毎日違うページを開くようにし、何度見に来 ても飽きない新鮮な気持ちで楽しんでいただ けるような環境にしました。実際、「違うペー ジも見たい」と何度も足を運ばれた方がい らっしゃいました。 4 . ミニ講義について 貴重書展開催の中で毎年恒例となっている のが、講師を迎えての「ミニ講義」です。 講義は文芸学部の教員二人に依頼し、「藤田嗣 治の日本」と「楽しくだまされるトリックアー トの世界」のテーマで、それぞれ 44人、59人と たくさんの方にご聴講いただきました。 どちらの先生もこちらから講義の依頼をし たところ快く引き受けていただきました。土 曜、日曜なので学生より一般来場者向けの内 容でお話していただき、講義会場内には人が いっぱいいましたがみなさん静かに真剣に聞 かれており、時には笑いもこぼれるような楽 しいひとときを過ごしていただけたと思いま す。「貴重書展」というイベントがあったから こそ、この素敵なお二人の先生とお話する機 会が出来て、とても光栄に思っております。 5 . 広報(チラシ、ポスター、ノベルティ作成など) 毎年、業者に依頼し作成しているものです が、WG メンバーそれぞれの思いもありデザ イン案がなかなか決まりませんでした。 ノベルティは、計画段階から和紙風素材の クリアファイルと決めておりましたが、どの 絵をデザインに使うか検討するのにかなりの 時間を費やしました。何度も話合いを重ね決 定したデザインで作成したクリアファイルの 出来上がりは素晴らしく、来場者からとても 好評なものとなったので一安心しました。チ ラシは、新聞の折り込み、「オープンキャンパ ス」「ホームカミングデー」「近睦会」のご案 内状等に便乗させていただく、そして学内・ 学外・各部署への配布などさまざまな形で 配りました。中央図書館の HP 掲載や、近大 UNIPA、K-SHARED への配信も頻繁に行い ました。 そしてニュースリリース原稿を作成し配信 したところ、小さな記事でしたが新聞にも取 り上げていただきました。 6 . 最後に このような一連の作業を行う上で知ったこ とですが、「来年も、案内状を送ってほしい」 と言われるリピーターの方がおられるという ことです。今まで貴重書展を担当された方も 準備段階からとても時間のかかる大変な作業 だったと思いますが、このようなリピーター の方の声を励みにがんばってこられたのだと つくづく思いました。もちろん案内状をお送 りし、ご来場いただきました。受付担当時に、 「次も案内状を送ってね」と名前や連絡先を書 いて帰られる方に偶然遭遇できたのは、とて も嬉しい瞬間、感動の瞬間でした。 貴重書展は 20年以上続いているイベントで あり、これからも続いていくこの素晴らしい イベントに一瞬でも携われたことに感謝いた します。 会場の様子