1
-第1章
計画策定の背景と基本的な事項
1.背景と目的
近年、都市化や少子高齢化を背景に、核家族化や近隣関係の希薄化が進み、子どもと
子育てを取り巻く環境が大きく変化した。
これらを背景に、乳幼児と触れ合う機会がないまま親になることや、地域の子どもを
めぐるネットワークの弱体化によって、親の育児不安や負担感が高まるなどの状況が生
じている。また、子どもの遊びや自由時間の過ごし方も変化し、外での集団遊びの減少
や自然体験をはじめとする実体験の絶対的な不足が子どもたちの体力やコミュニケー
ション能力にも影響を与えている。さらに、児童虐待、青少年犯罪の低年齢化、いじめ、
ひきこもり、不登校など、子どもをめぐる様々な問題が深刻化している。
家庭や地域における子育て力の低下は著しい状況となってきているといえる。
一方、武蔵野市の人口構成は、少子高齢化の傾向がますます進むとともに、世帯数は
引き続き増えつづけると予測される。(第四期基本構想の「市勢と将来展望」を参照。)
このような状況の中で、次代を担う子どもたちの幸せを第一に考え、家庭や地域の子
育て力が高まるよう多様な施策を行うことにより、親や地域が子育てに喜びを実感でき
るようにしていかなければならない。
市ではこれまで第三期長期計画第二次調整計画と併せて策定された「子育てプラン武
蔵野(地域児童育成実施計画)」(平成 12 年 12 月策定)に基づき、地域子ども館「あそ
べえ」や子育てSOS支援センターの設置、公立保育園改革の実施、保育サービスや自
然体験事業の充実など、総合的に子ども施策を推進してきた。
このたび平成 17 年度を初年度とする第四期基本構想・長期計画が策定されたことを
受け、これに基づき子ども施策を総合的に推進し、次代を担う子どもと子育て家庭に対
する支援策のより一層の充実を図っていくため、本計画を策定した。
2. 計画の位置づけと対象
本計画「子どもプラン武蔵野」は、第四期長期計画の分野別アクションプラン(実施
計画)として策定したもので、平成 15 年 7 月に施行された次世代育成支援対策推進法
に基づく市町村行動計画と一体的に策定したものである。
子ども関連施策の領域は多岐にわたることから、本計画では、第四期長期計画の「子
ども・教育」分野にとどまらず、「福祉・健康」や「緑・環境・市民生活」などの分野
であっても、子どもに関連するすべての施策・事業を計画に取り込むとともに、長期計
2 -3.計画の期間
計画の期間は、平成 17 年度を初年度とする平成 21 年度までの5か年とする。
なお、平成 20 年に行われる第四期長期計画のローリング(第四期長期計画調整計画)
の結果をふまえ、平成 21 年度に本計画の見直しを行い、平成 22 年度から平成 26 年度
までの第三次「子どもプラン武蔵野」の策定を改めて行うこととする。
4.計画の進め方
① 子ども関連施策の領域は多岐にわたりその内容は多様であるので、その実施にあた
っては、多様な主体による事業が家庭・地域・職域のそれぞれにおいて積極的に行
われるように、市民や関係機関と連携して取り組みを推進していく。
② 子ども施策は、関連する分野が連携して着実に取り組む必要があるため、庁内の子
ども施策推進本部(参考資料参照)によって本計画の進行管理を行い、その実施状
況を公表する。
③ 子ども関連施策の推進は国や東京都がそれぞれの役割を積極的に果たすことが不
可欠であるので、国や都に対して必要な提言を行っていく。
④ 限られた財源を効果的・効率的に活用していくため、行政が行うべき事業領域の見
直し、受益と負担のバランスの適正化、既存の資源の有効活用などを図りながら計
画を推進していく。
5.計画策定の経緯
平成 13 年度を初年度とする「子育てプラン武蔵野」は、「『子育ては楽し』委員会提
言」(平成 11 年3月)と「武蔵野市地域児童育成基本計画」(平成 12 年3月)に基づき、
第三期長期計画第二次調整計画の実施計画として平成 12 年 12 月に策定した、本計画に
おいてもこれらの計画・提言の考え方を継承した。
本計画の策定にあたっては、上位計画である第四期基本構想・長期計画の考え方と施
策の体系を本計画の柱として据えるとともに、平成13 年以降に策定・報告がなされた
公立保育園改革計画等の各種計画、学校教育のあり方検討委員会や子ども自然体験委員
会等の委員会等からの報告、各種アンケート調査結果等(参考資料の「子ども施策関係
の計画・報告等」を参照)をふまえ策定を行った。
計画のとりまとめは市長を本部長とする子ども施策推進本部の幹事会の部課長を中
心に構成する地域児童育成実施計画改定委員会を設置して行った。
平成 17 年2月には「素案」を市民に公開し、寄せられた市民意見(参考資料参照)