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平成26年度秋季博士前期課程(修士課程)入学試験問題 過去の入試問題と参考書 雪氷・寒冷圏科学コース 1

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Academic year: 2018

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(1)

北 海 道 大 学 大 学 院 環 境 科 学 院 地 球 圏 科 学 専 攻

平 成 26 年 度 大 学 院 修 士 課 程 入 学 試 験 問 題 ( 秋 季 入 試 )

【 雪 氷 ・ 寒 冷 圏 科 学 コ ー ス 】

専 門 科 目

1問 に つ き 1枚 の 答 案 用 紙 を 使 用 す る こ と .

・ 答 案 用 紙 の 表 に 書 き き れ な い 場 合 は 裏 を 使 用 す る こ と .

・ 答 案 用 紙 に は 問 題 番 号 を 記 入 す る こ と .

平 成 25826

(2)

【 化 学 】 次の問いに答えよ。導出に用いた計算式も答案に示すこと。

問 1.次の分析方法の原理を説明せよ。 (1) 質量分析法

(2) ガスクロマトグラフィー

問 2.次の設問に答えよ。

(1) 硫酸の化学式と構造式を書け。

(2) 硫酸を構成する硫黄の酸化数はいくつか。

(3) 酸素族の元素の水素化合物の中で水は最も低分子であるにもかかわらず、最 も沸点も融点も高い。その理由を、電気陰性度という言葉を用いて説明せよ。 (4) 硫酸が水に溶けやすい理由を説明せよ。

(5) 市販の濃硫酸の質量パーセント濃度は 96%で、その密度は1.84 g/cm3である。 この濃硫酸のモル濃度を求めよ。硫酸の分子量は98とする。

(6) (5)の濃硫酸を水で薄めて 1.0 mol/L 希硫酸 500 mL をつくるには、濃硫酸何 mLが必要か。

問 3. 酸性雨について次の設問に答えよ。

(1) 人間活動の影響を受けない状況下で、雨水は弱酸性を帯びている。それはな ぜか、また pH はどの程度か。

(2) いわゆる酸性雨中には、人間活動に原因すると思われる物質が含まれている。 それは何か、またどのようにして生じたものか。

(3) 酸性雨が土壌に対して及ぼす影響を述べよ。

(3)
(4)

【 気 象 学 】 次の問いに答えよ。ただし、必要な変数や定数等は、適宜定義して 用いること。

1. 次の設問(1) (5)に答えよ。

(1) 飽和水蒸気圧がes で相対湿度がh%)のとき、水蒸気圧を求めよ。 (2) 気圧P水蒸気圧eの湿潤空気中における、乾燥空気の密度 ρd および水蒸

気の密度ρwを求め、水蒸気混合比wを求めよ。ただし、理想気体の気体定 数をR

*

、乾燥空気の平均分子量をMd、水の分子量をMwとする。

(3) 乾燥した空気塊を、気圧PAの地点Aから、気圧PBPB < PA)の地点Bま で断熱的に強制上昇させたとき、空気塊の温度はΔTdだけ低下した。温度 が低下する理由を定性的に説明せよ。

(4) 一方、水蒸気混合比がw0の未飽和湿潤空気を、上と同様に上昇させたとき、 地点B で水蒸気混合比がw1となり、温度がΔTw だけ低下したとする。次 の2つの場合について、ΔTwとΔTdの大小関係を説明せよ 。

w1 = w0 のとき w1 < w0 のとき

(5) 下層大気が湿っているときの方が乾いているときよりも対流雲が発生しや すいのはなぜか説明せよ。ただし、大気の成層はいずれも条件付不安定と する。

2. 次の設問(1) (4)に答えよ。なお、(1)(2)については導出過程も示すこと。 (1) 金星と火星の平均公転半径は、地球の平均公転半径を1とすると、それぞ

れ約0.7および1.5である。地球における太陽定数をS0とするとき、金星と 火星における太陽定数をそれぞれ求めよ。

(2) また、金星と火星の平均日射吸収率は、地球の平均日射吸収率に比べ、そ れぞれ約0.3倍および1.2 倍である。(1) の結果と合わせ、金星と火星それ ぞれの放射平衡温度と地球の放射平衡温度との関係を求めよ。

(3) 太陽放射は紫外線・可視光・近赤外線が主であるのに対し、地球放射は赤 外線が主である。太陽放射と地球放射の波長域が異なる理由を説明せよ。 (4) 日本の地上観測点における日最大日射量は、快晴日でも、太陽定数より20

∼30%程度少ない。その理由の主なものを2つ以上挙げよ。

(5)
(6)

【 水 文 学 】 次の問いに答えよ。

1. 次の6つの用語の中から3つを選択し、それぞれ100字程度で説明せよ。 ただし、数式を用いる場合には、長さによらず1つの式を1字と数えよ。

(1) ハイドログラフ (2) 単位図法

(3) 河川流域における比流量 (4) マニングの粗度係数

(5) ダルシーの法則 (6) 浸透能に関するホートンの式

2. 不飽和な多孔質体の水分保持特性の典型 例を右図に示す。次の文章の空欄[ ① ]

[ ④ ]について以下の設問(1)∼(5)に答えよ。

不飽和領域の水には重力のほかに粒子間に 働く[ ① ] によって重力に逆らって水を保持 しようとする力が働く。この力は毛管水頭、圧 力水頭、毛管吸引圧、マトリックポテンシャル、 表面張力ポテンシャルなどと呼ばれる圧力値で

表され、[ ② ] となる。不飽和領域の水は毛管水頭と重力水頭の和である全水 頭の大きい方から小さい方へ流動する。したがって、この図のような水分保持特 性は不飽和領域での水の流動を知る上で大変重要である。一般に毛管水頭が大き くなる、すなわち、[ ② ] が大きくなると体積含水率は小さくなる。しかし、 吸水過程(体積含水率が増加していく過程)と脱水過程(体積含水率が減少して いく過程)とでは図のような[ ③ ]現象の存在が知られている。つまり、同じ 毛 管 水 頭 値 で も 脱 水 過 程 で 保 持 す る 水 分 量 の 方 が 吸 水 過 程 の そ れ よ り も 常 に

[ ④ ]。

(1) ] に入る適切な用語を述べよ。

(2) ] には「正圧」と「負圧」のどちらが入るか。 (3) ] に入る適切な用語を述べよ。

(4) ] には「多い」と「少ない」のどちらが入るか。

(7)

(5) ] 現象はどのような原因で生じるか。原因に結びつく用語を次の語群 の中から全て選び出せ。

【語群】 飽和透水係数; ヌレの角; 層流; インクビン効果; 粘性係数; 空気の封入

3. 山地の礫床河川のように河道横断面の形状が場所ごとに著しく変化する 河川における流量観測方法のひとつに染料希釈法(または塩流し法)がある。 下の図にその概要を示す。この方法では、上流点Aのやや下流側から一定濃度

C1)の染料含有水を一定流量(Q1)で投入し続ける。十分な攪拌の後、下流 点Bで一定値となった濃度(C2)を測定し、濃度がどれくらい希釈されたかに よって河川流量(Q2)が求められる。このことについて次の設問(1)(2)に答 えよ。

(1) 区間 AB における染料の質量収支式を用いて、Q2C1C2Q1および元々 の濃度(バックグラウンド値、C0)で表せ。

(2) 区間 AB として望ましい距離を決める際、どのようなことを考慮しなければ ならないか。簡潔に述べよ。

(8)

【 第 四 紀 学 】 次の問いに答えよ。

問1.福井県水月湖の年縞堆積物に関する次の文を読んで、設問(1) (3)に答え よ。

最近の地球温暖化や異常気象の頻発を背景に、メディアなどでも気候変動に関 する議論をよく目にするようになった。近年の古気候学は、たとえば氷河期から 後氷期への移行といった大規模な気候変動が、(a) 年の間に起こる場合がある ことを示している。巨大で複雑化した現代社会は、急激すぎる変化には対応する ことができない。(a) 年といった時間スケールで起こる気候変動について理解 することが、現代科学の急務になってきている。こうした現状を踏まえて第四紀 古気候学の分野では、分析の時間分解能と年代決定の精度を高くすることの意義 が、これまでになく強調されるようになった。そのような要求に応えることので きる研究対象として、一年に一枚の縞模様を形成するいわゆる年縞堆積物が注目 されている。

年縞堆積物は、・・・・の場合にのみ形成される。長い時代を連続的にカバ ーする年縞堆積物は、世界でも限られた場所からしか見つかっていない。古典的 な例としては、ドイツのアイフェル地方に分布する湖沼群が有名であり、すでに 30年以上におよぶ研究の蓄積がある。ただし、アイフェルの年縞は完新世と晩氷 期においては明瞭であるが、それ以前の時代には発達が悪いようである。また極 地の氷床にも一年一枚の縞模様が刻まれており、年層の計数による精密な年代決 定と高分解能の気候復元がおこなわれている。過去数万年の気候変動について、

b)の記録がいわば標準曲線のような地位を占めているのは周知の通りである。 ベネズエラ沖のカリアコ海盆から得られる堆積物も年縞を持ち、 晩氷期以降の 時代を連続的にカバーしている。カリアコの堆積物は多くの有孔虫遺骸を含んで おり、その(c) から過去の(d) を復元できる。また有孔虫遺骸は放射性炭素

14C)による年代測定が可能である点も重要である。ウッズホール海洋研究所 のKonrad Hughenは、カリアコ海盆の堆積物の年縞を数えることでまず絶対年代 を詳細に決定した上で、数百点におよぶ

14C年代を測定し、14C年代と絶対年代の 対応関係を明らかにした。

14C年代には常に誤差が含まれているため、暦年代へ の補正を必要とする。補正のためのもっとも信頼できる較正曲線は、樹木年輪か ら得ることができるが、年輪の連続したデータは現在でもおよそ(e) 年前まで しか得られていない。カリアコ海盆のデータは、樹木年輪が届かない時代の較正

(9)

曲線の主要な構成要素として、10年近くも世界標準の地位に君臨して一時代を築 いた。

福井県水月湖の年縞堆積物は、まず1991年の試掘によりその存在が確認された。 さらに2年後の1993年、全長73mほどの堆積物コアの採取に成功した。年縞はこ のコアの上部およそ40m(約7万年分)に連続的に発達しており、ここからわが 国における本格的な年縞研究がはじまった。初期の研究の代表例は、北川浩之と Hans van der Plichtによる14C年代較正曲線の延長である。1993年当時、カリアコ海 盆の分析結果はまだ発表されていない。北川とPlichtは年縞を数えることで1993 年コアの時間軸を決定し、さらに300点近い樹木の葉の化石の

14C年代を測定する ことで、較正曲線を一気に(f) 年前まで延長した(Kitagawa and Plicht,1998)。

14C年代測定はおよそ(f)年前が適用限界であるため、較正曲線をこれ以上延長 することには意味がない。

14C年代較正曲線は、多くの研究結果を比較検討しながら統合することにより、 国際標準パッケージとして配布される。もっとも広く用いられているのは(g) と呼ばれるデータセットであり、最近では1998年、2004年、2009年に改訂が行わ れた。だが、水月湖のデータセットはいずれの改訂に際しても(g) には採用さ れていない。一方、カリアコ海盆が(g) の主要な構成要素として確固たる地位 を築いてきたことはすでに述べた。水月湖には、何が足りなかったのだろう。水 月湖の較正曲線は、発表当初から(f) 年前までをカバーしていた。カリアコ海 盆から(f) 年分のデータが報告されるのは、ようやく2004年になってからであ る。また水月湖で年代測定に用いたのは陸上の樹木の葉の化石であり、大気の

14C 濃度を直接反映していた。カリアコ海盆では有孔虫遺骸を用いたため、直接的に は海水中に溶存する二酸化炭素の年代しか得ることができず、仮説に基づいた 補正を必要とした。実は、水月湖の年縞年代には比較的早い段階から疑問が持た れていた。カリアコ海盆をはじめとする他の地域のデータと比較したとき、水月 湖の年縞年代だけが数百年ないし最大で2000年程も若すぎるように見えるので ある。この問題があるため、(g) は水月湖のデータを一貫して保留扱いにして おり、(g) は氷期に関しては大気中の二酸化炭素の年代を直接反映しないとい う問題を抱えたまま現在に至っている。水月湖の年縞年代が若く見える原因とし ては、コアの不連続性、年縞の数え落としという二つの可能性があったが、水月 湖の

14C年代の分布を詳細に検討した最新の研究によれば、原因として重要なの は前者、すなわちコアの不連続性の方であることが明らかになった。だとすると、

(10)

題はほぼ抜本的に解決できる可能性が高いことになる。

水月湖の第二次学術掘削は、以上のような背景から2006年の夏に実施された。 約40日の作業で全長73.2mの連続コアを採取することに成功した。コアは隣接す る4本の掘削孔から深度を重複させて採取され、試料の回収率は100%を達成した。 年縞の計数はコアの年代軸を決定するためのもっとも重要なステップであり、プ ロジェクト全体の質を左右する。このためドイツのポツダム地質学研究所とイギ リスのウェールズ大学がそれぞれ独立した方法で計数を行い、結果を検証しあっ ている。ポツダムでは、試料を樹脂に包埋して薄片を作成し、偏光顕微鏡で観察 することによって一年ごとの層を数えている。ウェールズ大学では、スウェーデ ンのItrax社製蛍光X線スキャナを用いることで元素組成の季節的な変動を検出し ている。分析間隔は60µmを採用したが、水月湖の年縞の厚さは平均0.6mm程度 であるため、これは1年を約10分割することに相当する。

14C年代測定は、樹木の葉の化石600サンプルに対して実施した。年代測定は 2010年の8月にすべて完了し、あとは年縞年代さえ確定すれば、速やかに

14C年代 較正曲線として発表できる段階になっている。また水月湖の1993年コアと2006 年コアは年縞によって対比可能であるため、両者の

14C年代は組み合わせて使う ことができ、その場合の最終的なデータ点数は900に達する。

年縞年代の決定と

14C層序の確立は、実はプロジェクト全体にとっては一里塚 にすぎない。冒頭に述べたとおり、高精度の年代決定は高時間分解能の気候復元 を伴ったときにこそ真価を発揮する。1993年コアの研究では、晩氷期から完新世 にかけて高分解能の花粉分析を実施し、気候変動のタイミングと振幅が地域によ ってどのように異なるかを議論した(Nakagawa et al.,2003; 2006)。2006年コア では同様の研究を、過去7万年すべてについて実施する予定である。また2006年 コアでは花粉分析だけでなく、(i) 分析、(j) 分析、(k) 分析、(l) 分析な ど、他の手法も積極的に導入し、古気候の情報をなるべく多角的に収集している。 年代軸の精度、プロキシの多様性、またカバーする時代の長さにおいて、水月湖 が具体的に目標としているのは(b) の氷床コアである。さらに踏み込んで言う なら、水月湖には詳細な

14

C層序が与えられ、かつ多くの火山灰を含んでいるた め、地域間の対比をする上では(b)よりも応用範囲が広く、対比の精度も高い。 1000年以下の誤差で気候変動のタイミングを比較するような研究は、(b) を比 較対象とした場合には限定的であったが、水月湖を共通のテンプレートとするこ とで飛躍的に前進するであろう。

(中川 毅「水月湖の年縞:過去7万年の標準時計」、日本地球惑星科学連合ニュ

(11)

ースレター、Vol.6、No.4、2010を編集)

(1) (al) に適切な語を入れよ。

(2) 下線① で、年縞堆積物はどんな場合に形成されるか述べよ。

(3) 下線② で、どのような補正が必要か述べよ。

問2.次の設問に答えよ。

(1)A群から3つの語句を選択し、その第四紀学的意味をそれぞれ3 4行程度で 説明せよ。

(2)B群から語句を3つ以上選択し、それらすべてを用いて第四紀に関わる何ら かの事象を、200字以上の文章で説明せよ。

A群】

a)ハインリッヒイベント b)新ドリアス期

c)ブリューヌ/マツヤマ境界 d)マンモス・ステップ e)プレートテクトニクス f)海水準変動

B群】

g)温室効果ガス h)火山灰 i)レス j)δ18O k)アルケノン l)化石

参照

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