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-農作物における融雪促進等の当面の技術対策
平 成 3 0 年 3 月 1 2 日
秋田県農作物異常気象対策本部
農 作 物 異 常 気 象 対 策 指 導 班 長
1 水稲
(1)育苗ハウス周辺の融雪対策
○ 3月下旬まで育苗ハウス周辺に雪が残ると想定される場合は、雪割りや融雪剤の散
布により融雪を促進する。
・雪割りにより、雪面に凹凸を作って表面積を大きくし、融雪を進める。
・融雪剤は、籾殻くん炭(30kg/10a)又は、乾燥黒ボク土(80~100kg/10a)を散布する。
○ 積雪により、パイプ等が破損した場合は、融雪後速やかにハウスを補修する。
(2)浸種等
○ 育苗の準備は播種から逆算して行うが、浸種の水温が低い場合は出芽ムラや種子消
毒の効果を低下させるので、浸種水温は10℃以上を確保するよう注意する。
2 小麦
(1)融雪対策
○ 「ネバリゴシ」は、根雪期間が110日を超えると雪腐病の発生が多くなるため、積
極的に融雪対策を実施する。
◎融雪剤の散布
・融雪剤は、ほ場全面に均一に散布せず、すじ状に散布して凹凸を作ると融雪効果
が高い。
・融雪剤は、籾殻くん炭(20kg/10a)、乾燥黒ボク土(80~100kg/10a)、てんろ石灰
(40~60kg/10a)のいずれかを使用し、背負式動散やブロードキャスター等で散布
する。
◎雪割り
・雪面に凹凸を作って表面積を大きくし、融雪を進める。
(2)排水対策等
○ 雪解け水がほ場内に停滞しないよう、明きょや暗きょにより排水対策を徹底する。
○ 生育量が確保できていないほ場では、起生期に窒素追肥を行い、穂数の確保に努め
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-3 園芸関係(野菜・花き)
(1)共通事項
○ 融雪剤の散布や除排雪に努める。また、明きょ等により排水対策を徹底する。
○ 雪解け水により湿害が発生しないよう、ハウスの周囲に明きょ等を施工し、排水対
策を徹底する。
○ ビニールで被覆していないハウスは、融雪が進むにつれてパイプに歪みを生じるこ
とがあるので、ハウス周囲の除排雪に努める。
■主な融雪剤と使用量の目安
融雪効果のある土壌改良資材 10a当たり散布量 備 考
てんろ石灰 40~60kg *水稲育苗ハウスで
BMようりん(粉) 40~60kg は使用しない
アヅミン石灰 20~40kg
粉炭(スーパー炭素) 40~80リットル
(2)野菜
○ 現在は気温変動の激しい時期であることから、ハウスで育苗中の作目(きゅうり、
トマト、すいか、メロン等)では、温度管理に注意する。特に、ハウスの隙間から夜
間に冷気の流入が無いように注意する。
○ ハウスやほ場の準備は、定植時に苗が老化しないよう計画的に行う。
(3)花き
○ 育苗中の幼苗は、冷気による障害が発生しやすいので、ハウスやトンネル内の温度
が急激に低下しないよう注意する。また、かん水用の水温にも注意し、12~13℃以下
の水はかん水しない。
○ トルコギキョウは高温を好む植物であるため、雪解け水がしみ込むハウスや地温が
上がりにくいほ場では、マルチや定植時期を遅らせる等により温度を十分に確保して
から定植する。
○ 宿根草のリンドウや球根越冬のシンテッポウユリは融雪が遅れると萌芽が遅れ、出
荷期に影響を与える場合があるので、融雪剤を散布して融雪を促進する。ただし、リ
ンドウは酸性土壌を好む植物であるため、融雪剤としてアルカリ性の資材(てんろ石
灰等)は使用しない。
4 果樹
○ 除排雪の実施及び融雪剤等の散布により、融雪の促進と雪の沈降による枝折れ被害
の軽減に努める。
○ 樹の周りの雪踏み等をこまめに行い、野鼠等からの食害防止に努めるとともに、被
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-○ 園地を見回り、大枝が裂開した場合はカスガイ・ボルト・支柱等で修復し、癒合・
再生を促進する。
○ 剪定は、発芽期(4月上~中旬)までに実施する。なお、雪害で枝量の30%以上を
失った樹は通常より弱めの剪定とし、徒長枝等を利用して失った枝の再生を図る。
4 畜産
○ 畜舎の早めの雪おろしと畜舎周辺の除排雪に努めるとともに、水道管等の凍結防止
措置を講じる。また、バーンクリーナー等の機械器具についても、点検を実施する。
○ 特にハウス式の畜舎や堆肥処理施設等は、除排雪をこまめに実施し、積雪による倒