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第 5 意 見 書
平 成
27
年
10
月
21
日
2
目 次
第 1 「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 ナ ル コ ト 」 の 意 義 ... 5
第 2 埋 立 て に よ り 得 ら れ る 利 益 ( 埋 立 て の 必 要 性 ) ... 7
1 埋 立 て の 目 的 ( 用 途 ) は 海 兵 隊 航 空 基 地 新 設 で あ る こ と ... 7
(1) 「 埋 立 の 必 要 性 」 の 位 置 づ け ... 7
(2) 埋 立 必 要 理 由 書 に お け る 説 明 ... 8
(3) 本 件 に お け る 検 討 対 象 ... 11
2 「 一 体 的 運 用 の 必 要 性 」「 地 理 的 に 優 位 で あ る こ と 」 な ど の 説 明 に つ い て ... 12
(1) 埋 立 必 要 理 由 書 に は 海 兵 隊 の 機 能 等 か ら の 具 体 的 根 拠 が な ん ら 示 さ れ て い な い こ と ... 12
(2) 海 兵 隊 の 特 性 ・ 機 能 に つ い て ... 14
(3) 「 沖 縄 は 戦 略 的 な 観 点 か ら も 地 理 的 優 位 性 を 有 し て い る 」と の 埋 立 必 要 理 由 に 実 証 的 根 拠 は な い こ と ... 39
3 在 日 米 軍 全 体 の プ レ ゼ ン ス な い し 抑 止 力 の 維 持 と い う 説 明 に つ い て ... 58
(1) 本 項 に お い て 述 べ る こ と ... 58
(2) 埋 立 必 要 理 由 書 に い う 「 抑 止 力 」 が 無 内 容 で あ る こ と ... 61
(3) 普 天 間 飛 行 場 以 外 の 米 軍 基 地 、自 衛 隊 の 基 地 が 存 在 し て い る こ と ... 66
(4) 小 括 ... 70
4 前 知 事 が 理 解 を 示 し て い た と い う 主 張 の 欺 瞞 性 に つ い て ... 70
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(2) 防 衛 大 臣 の 回 答 自 体 が 無 内 容 若 し く は 欺 瞞 的 な も の で あ る こ と
... 73
(3) 小 括 ... 77
5 「 埋 立 て の 必 要 性 」 に つ い て の ま と め ... 78
(1) 埋 立 て に よ っ て 得 ら れ る 利 益 は 相 対 的 に 高 度 と は 言 え な い こ と ... 78
(2) 都 道 府 県 知 事 は 、抑 止 力 論 な ど の 必 要 性 ・ 公 共 性 の 内 容 ・ 程 度 を 審 査 で き る こ と ... 79
6 「 埋 立 て の 必 要 性 」 に 関 す る 第 三 者 委 員 会 の 検 証 結 果 ... 83
(1) 埋 立 の 動 機 に つ い て ... 83
(2) 埋 立 の 必 要 性 に つ い て ... 84
7 「 埋 立 て の 必 要 性 」 に つ い て の 審 査 の 実 態 ... 95
(1) 審 査 の 経 緯 ... 95
(2) 「 埋 立 て の 必 要 性 」 に 関 す る 審 査 ... 96
8 「 埋 立 て の 必 要 性 」 に 関 す る 審 査 基 準 の 適 合 性 判 断 の 瑕 疵 ... 97
9 「 本 件 埋 立 に よ り 得 ら れ る 利 益 」 の 結 論 に つ い て ... 97
第 3 本 件 埋 立 の 遂 行 に よ り 失 わ れ る 利 益 ( 生 ず る 不 利 益 ) ... 99
1 米 軍 基 地 の 過 重 負 担 ・ 格 差 の 固 定 化 と い う 不 利 益 ... 99
(1) 沖 縄 へ の 米 軍 基 地 の 過 重 負 担 ・ 格 差 が 形 成 さ れ た 経 緯 ... 99
(2) 米 軍 基 地 の 過 重 負 担 の 実 情 ... 114
(3) 過 重 基 地 負 担・格 差 の 是 正 を 求 め 新 基 地 建 設 に 反 対 す る 県 民 世 論 ... 180
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(2) 沖 縄 県 や 名 護 市 の 環 境 保 護 等 の 施 策 の 阻 害 要 因 と な る こ と に よ
る 不 利 益 ... 200
(3) 航 空 機 騒 音 等 の 不 利 益 ... 203
(4) 自 然 環 境 に お け る 不 利 益 ... 216
3 1 号 要 件 に つ い て 審 査 基 準 へ の 適 合 性 判 断 の 誤 り ... 286
(1) 審 査 基 準 ... 286
(2) 審 査 項 目 ① に つ い て ... 286
(3) 審 査 項 目 ③ ⑤ に つ い て ... 290
(4) 審 査 項 目 ⑦ に つ い て ... 290
4 「 埋 立 て に よ り 失 わ れ る 利 益 ( 生 ず る 不 利 益 )」 の 評 価 ... 292
(1) 沖 縄 県 の 公 益 を 著 し く 侵 害 す る に 至 っ て い る こ と ... 292
(2) 不 利 益 が 利 益 を 上 回 る も の で あ る こ と ... 301
第 4 ま と め ... 302
1 1 号 要 件 を 充 足 し て い な い こ と ... 302
(1) 検 証 結 果 報 告 書 の 第 5 ・ 5(4) ... 302
(2) 検 証 結 果 報 告 書 の 第 8 ... 304
2 1 号 要 件 に 係 る 考 慮 要 素 の 選 択 や 判 断 過 程 の 合 理 性 の 欠 如 ... 305
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第 1 「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 ナ ル コ ト 」 の 意 義
公 有 水 面 埋 立 法 の 第 4 条 1項( 同 法 第 42条 3 項 で 承 認 に 準 用 )は 、 そ の 柱 書 に お い て 「 都 道 府 県 知 事 ハ 埋 立 ノ 免 許 ノ 出 願 左 ノ 各 号 ニ 適 合
ス ト 認 ム ル 場 合 ヲ 除 ク ノ 外 埋 立 ノ 免 許 ヲ 為 ス コ ト ヲ 得 ズ 」 と し 、 第 1
号 は「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 ナ ル コ ト 」と 定 め て い る( 以 下 、「 1 号
要 件 」 と い う 。)。
平 成27年 7 月16日 付 の 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る 公 有 水 面 埋 立 承 認 手 続 に 関 す る 第 三 者 委 員 会「 検 証 結 果 報 告 書 」( 以 下 、「 検
証 結 果 報 告 書 」 と い う 。) は 、 1 号 要 件 の 意 義 に つ い て 、「『 国 土 利 用
上 適 正 且 合 理 的 ナ ル コ ト 』 と い う 要 件 は , ま ず ,『 適 正 且 合 理 的 』 と
い う 用 語 の 意 味 か ら す る と , そ の 関 係 す る 事 象 を 総 合 的 に 考 慮 し て ,
判 断 を 行 う こ と を 意 味 す る と 考 え ら れ る( 中 略 )そ の 具 体 的 な 判 断 の
仕 方 で あ る が ,『 総 合 的 』 な 判 断 を す る た め に は , 相 対 立 す る 利 益 が
存 在 す る 場 合 に 用 い ら れ る 一 般 的 方 法 で あ る 利 益 衡 量 ,す な わ ち 埋 立
て に よ り 得 ら れ る 利 益 と 埋 立 て に よ り 生 ず る 不 利 益 を 比 較 衡 量 し て
判 断 す べ き も の と 考 え ら れ る 。 な お , 同 様 な 判 断 方 法 は , 類 似 の 法 律
の 解 釈 に お い て も 採 用 さ れ て い る 。例 え ば ,土 地 収 用 法 の 事 業 認 定 の
場 合 で あ る 。土 地 収 用 法 は 公 共 の 利 益 と な る 事 業 の た め に 必 要 と さ れ
る 土 地 を 強 制 的 に 取 得 す る と い う 制 度 で あ り 公 有 水 面 埋 立 法 と 類 似
な 性 格 を 有 す る 制 度 で あ る 。こ の 土 地 収 用 法 は ,土 地 収 用 手 続 を 行 う
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こ ろ ,こ の 要 件 は『 そ の 事 業 に 供 さ れ る こ と に よ っ て 得 ら れ る べ き 公
共 の 利 益 』と『 事 業 に 供 さ れ る こ と に よ っ て 失 わ れ る 私 的 な い し 公 共
の 利 益 』 を 比 較 衡 量 し て 判 断 す べ き も の で あ り , そ し て こ の 判 断 は ,
『 総 合 的 な 判 断 と し て 行 わ れ な け れ ば な ら な い 。』 と さ れ て い る ( 小
沢 道 一 「 逐 条 解 説 土 地 収 用 法 ・ 上 」・ 第 二 次 改 訂 版 ・335頁 以 下 )。 こ の よ う な 見 解 は , 多 数 の 判 例 , 学 説 に よ り 支 持 さ れ て お り , 特 に 反 対
す る 考 え 方 は な い 。 ま た , 法 第 4 条 第 1 項 第 1 号 に つ い て ,「 国 土 利
用 上 公 益 に 合 致 す る 適 正 な も の で あ る こ と を 趣 旨 と す る も の で あ り 」,
免 許 権 者 は ,「 国 土 利 用 上 の 観 点 か ら の 当 該 埋 立 の 必 要 性 及 び 公 共 性
の 高 さ と , 当 該 自 然 海 浜 の 保 全 の 重 要 性 あ る い は 当 該 埋 立 自 体 及 び
埋 立 後 の 土 地 利 用 が 周 囲 の 自 然 環 境 に 及 ぼ す 影 響 等 と を 比 較 衡 量 の
う え , 諸 般 の 事 情 を 斟 酌 」 す る も の と 判 示 し た 判 例 が 存 在 す る ( 高 松
高 裁 平 成 6 年 6 月 24 日 判 決 ・ 判 例 タ イ ム ス ・851号 80 頁 )」( 検 証 結 果 報 告 書 の 引 用 部 分 は 太 字 で 示 す 。) と し て い る 。
す な わ ち 、「 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 ナ ル コ ト 」と は 、埋 立 て に よ り
生 ず る 利 益 と 埋 立 て に よ り 失 わ れ る 利 益 ( 生 ず る 不 利 益 ) と を 比 較 衡
量 し 、 前 者 が 後 者 を 優 越 す る こ と を 意 味 す る も の で あ り 、 こ れ は 総 合
的 判 断 と し て 行 わ れ な け れ ば な ら な い こ と を 意 味 す る も の と 解 さ れ る 。
裁 判 例 に お い て も 、広 島 地 方 裁 判 所 平 成 21年 10 月 1 日 判 決 は「 知 事 は , 本 件 埋 立 免 許 が 『 国 土 利 用 上 適 正 且 合 理 的 』 で あ る か 否 か を 判
断 す る に 当 た っ て は , 本 件 埋 立 及 び こ れ に 伴 う 架 橋 を 含 む 本 件 事 業 が
○ ○ の 景 観 に 及 ぼ す 影 響 と , 本 件 埋 立 及 び こ れ に 伴 う 架 橋 を 含 む 本 件
事 業 の 必 要 性 及 び 公 共 性 の 高 さ と を 比 較 衡 量 」 し て 合 理 的 に 判 断 す べ
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所 平 成 6 年 6 月 24 日 判 決 は 「 昭 和 四 八 年 の 法 改 正 以 後 、 近 年 に お け る 公 有 水 面 の 埋 立 を 取 り 巻 く 社 会 経 済 環 境 に 即 応 し 、 公 有 水 面 の 適 正
か つ 合 理 的 な 利 用 に 寄 与 す る た め 、 特 に 自 然 環 境 の 保 全 、 利 用 の 適 正
化 等 の 見 地 か ら 、 従 来 以 上 に 環 境 保 全 等 に 留 意 し 、 公 共 の 利 益 に 適 合
す る よ う 慎 重 に 処 理 す る 必 要 が あ る と の 観 点 か ら 、 埋 立 免 許 の 基 準 を
設 け る に 至 っ た ( 中 略 ) そ の 文 言 及 び 事 柄 の 性 質 上 、 当 該 埋 立 が 国 土
利 用 上 公 益 に 合 致 す る 適 正 な も の で あ る こ と を 趣 旨 と す る も の で あ る
か ら 、 免 許 権 者 は 、 特 に 本 件 の よ う に 瀬 戸 内 海 の 自 然 海 浜 を 埋 め 立 て
る 場 合 に お い て は 、 国 土 利 用 上 の 観 点 か ら の 当 該 埋 立 の 必 要 性 及 び 公
共 性 の 高 さ と 、 当 該 自 然 海 浜 の 保 全 の 重 要 性 あ る い は 当 該 埋 立 自 体 及
び 埋 立 後 の 土 地 利 用 が 周 囲 の 自 然 環 境 に 及 ぼ す 影 響 等 と を 比 較 衡 量 の
う え 、 諸 般 の 事 情 を 斟 酌 し て 、 瀬 戸 内 海 に お け る 自 然 海 浜 を で き る だ
け 保 全 す る と い う 瀬 戸 内 法 の 趣 旨 を ふ ま え つ つ 、 合 理 的 ・ 合 目 的 的 に
判 断 す べ き も の 」 と 判 示 し 、 総 合 的 判 断 に よ る 比 較 衡 量 と の 判 断 枠 組
み を 示 し て い る 。
第 2 埋 立 て に よ り 得 ら れ る 利 益 ( 埋 立 て の 必 要 性 )
1 埋 立 て の 目 的 ( 用 途 ) は 海 兵 隊 航 空 基 地 新 設 で あ る こ と (1) 「 埋 立 の 必 要 性 」 の 位 置 づ け
「 埋 立 て の 必 要 性 」 と い う 審 査 事 項 は 、「 規 範 的 ( 不 確 定 ) 要 件
の 判 断 を よ り 透 明 化 す る た め 、 こ の 1 号 要 件 の 法 定 外 判 断 要 素 と し
て『 埋 立 て の 必 要 性 』(『 埋 立 必 要 理 由 書 』)が 実 務 上 」設 定 さ れ て い
る も の と 解 さ れ る ( 阿 波 連 正 一 「 公 有 水 面 埋 立 法 と 土 地 所 有 権 ― 都
道 府 県 知 事 の 埋 立 て 承 認 の 法 的 性 質 論 ― 」289頁 )。
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立 て に よ っ て 得 ら れ る 利 益 」と は 、「 埋 立 て の 必 要 性 」に ほ か な ら な
い 。
(2) 埋 立 必 要 理 由 書 に お け る 説 明
埋 立 必 要 理 由 書 は 、 埋 立 の 動 機 並 び に 必 要 性 に つ い て 、 以 下 の と
お り 説 明 し て い る 。
記
わ が 国 の 周 辺 地 域 に は 、 依 然 と し て 核 戦 力 を 含 む 大 規 模 な 軍 事 力 が
集 中 し て い る と と も に 、 多 数 の 国 が 軍 事 力 を 近 代 化 し 、 軍 事 的 な 活 動
を 活 発 化 さ せ る な ど 、 安 全 保 障 環 境 は 一 層 厳 し さ を 増 し て い る 。
こ う し た 中 、 わ が 国 に 駐 留 す る 米 軍 の プ レ ゼ ン ス は 、 わ が 国 の 防 衛
に 寄 与 す る の み な ら ず ア ジ ア 太 平 洋 地 域 に お け る 不 測 の 事 態 の 発 生 に
対 す る 抑 止 力 と し て 機 能 し て お り 、 極 め て 重 要 で あ る 。
ま た 、 沖 縄 は 南 西 諸 島 の ほ ぼ 中 央 に あ る こ と や わ が 国 の シ ー レ ー ン
に も 近 い な ど 、 わ が 国 の 安 全 保 障 上 、 極 め て 重 要 な 位 置 に あ る と と も
に 、 周 辺 国 か ら 見 る と 、 大 陸 か ら 太 平 洋 に ア ク セ ス す る に せ よ 、 太 平
洋 か ら 大 陸 へ の ア ク セ ス を 拒 否 す る に せ よ 、 戦 略 的 に 重 要 な 位 置 に あ
る 。
こ う し た 地 理 的 な 特 徴 を 有 す る 沖 縄 に 、高 い 機 動 力 と 即 応 性 を 有 し 、
様 々 な 緊 急 事 態 へ の 対 処 を 担 当 す る 米 海 兵 隊 を は じ め と す る 米 軍 が 駐
留 し て い る こ と は 、 わ が 国 の 安 全 の み な ら ず ア ジ ア 太 平 洋 地 域 の 平 和
と 安 定 に 大 き く 寄 与 し て い る 。
普 天 間 飛 行 場 に は 、 米 海 兵 隊 の 第 3 海 兵 機 動 展 開 部 隊 隷 下 の 第 1 海
兵 航 空 団 の う ち 第 3 6 海 兵 航 空 群 な ど の 部 隊 が 駐 留 し 、 ヘ リ な ど に よ
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上 、 極 め て 大 き な 役 割 を 果 た し て い る 。
他 方 で 、 同 飛 行 場 の 周 辺 に 市 街 地 が 近 接 し て お り 、 地 域 の 安 全 、 騒
音 、 交 通 な ど の 問 題 か ら 、 地 域 住 民 か ら 早 期 の 返 還 が 強 く 要 望 さ れ て
お り 、 政 府 と し て も 、 同 飛 行 場 の 固 定 化 は 絶 対 に 避 け る べ き と の 考 え
で あ り 、 同 飛 行 場 の 危 険 性 を 一 刻 も 早 く 除 去 す る こ と は 喫 緊 の 課 題 で
あ る と 考 え て い る 。
わ が 国 の 平 和 と 安 全 を 保 つ た め の 安 全 保 障 体 制 の 確 保 は 、 政 府 の 最
も 重 要 な 施 策 の 一 つ で あ り 、政 府 が 責 任 を も っ て 取 り 組 む 必 要 が あ る 。
日 米 両 政 府 は 、 普 天 間 飛 行 場 の 代 替 施 設 に つ い て 、 以 下 の 観 点 を 含 め
多 角 的 に 検 討 を 行 い 、 総 合 的 に 判 断 し た 結 果 、 移 設 先 は 辺 野 古 と す る
こ と が 唯 一 の 有 効 な 解 決 策 で あ る と の 結 論 に 至 っ た 。
【 国 外 、 県 外 へ の 移 設 が 適 切 で な い こ と に つ い て 】
・ 中 国 の 軍 事 力 の 近 代 化 や 活 動 の 活 発 化 な ど 厳 し さ を 増 す 現 在 の わ が 国
周 辺 の 安 全 保 障 環 境 の 下 、 在 沖 海 兵 隊 を 含 む 在 日 米 軍 全 体 の プ レ ゼ ン
ス や 抑 止 力 を 低 下 さ せ る こ と は で き な い こ と 、特 に 、在 日 米 軍 の 中 で も
唯 一 、地 上 戦 闘 部 隊 を 有 し て い る 在 沖 海 兵 隊 は 抑 止 力 の 一 部 を 構 成 す る
重 要 な 要 素 で あ る こ と
・潜 在 的 紛 争 地 域 に 近 い 又 は 近 す ぎ な い 位 置 が 望 ま し い こ と 、ま た 、沖 縄
は 戦 略 的 な 観 点 か ら も 地 理 的 優 位 性 を 有 し て い る こ と
・米 海 兵 隊 は 、司 令 部 、陸 上・航 空・後 方 支 援 部 隊 を 組 み 合 わ せ て 一 体 的
に 運 用 す る 組 織 構 造 を 有 し 、 平 素 か ら 日 常 的 に 各 構 成 要 素 が 一 体 と な
り 訓 練 を 行 う こ と で 優 れ た 機 動 力・即 応 性 を 保 ち 、武 力 紛 争 か ら 人 道 支
援 、自 然 災 害 対 処 に 至 る ま で 幅 広 い 任 務 に 迅 速 に 対 応 す る 特 性 を 有 し て
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こ と 。例 え ば 、普 天 間 飛 行 場 に 所 属 す る 海 兵 隊 ヘ リ 部 隊 を 、沖 縄 所 在 の
他 の 海 兵 隊 部 隊 か ら 切 り 離 し 、 国 外 、 県 外 に 移 設 す れ ば 、 海 兵 隊 の 持
つ こ う し た 機 動 性 ・ 即 応 性 と い っ た 特 性 ・ 機 能 を 損 な う 懸 念 が あ る こ
と
・普 天 間 飛 行 場 の 危 険 性 を 早 期 に 除 去 す る 必 要 が あ り 、極 力 短 期 間 で 移 設
で き る 案 が 望 ま し い こ と
【 県 内 で は 辺 野 古 へ の 移 設 以 外 に 選 択 肢 が な い こ と に つ い て 】
・ 滑 走 路 を 含 め 、 所 要 の 地 積 が 確 保 で き る こ と
・ 既 存 の 提 供 施 設 ・ 区 域 を 活 用 で き 、 か つ 、 そ の 機 能 を 損 わ な い こ と
・ 海 兵 隊 の ヘ リ 部 隊 と 関 係 す る 海 兵 隊 の 施 設 等 が 近 く に あ る こ と
・ 移 設 先 の 自 然 ・ 生 活 環 境 に 最 大 限 配 慮 で き る こ と
ま た 、 辺 野 古 へ の 移 設 に あ た っ て は 、 空 中 給 油 を 行 う 機 能 や 緊 急 時 に
多 数 の 航 空 機 を 受 け 入 れ る 機 能 は 県 外 へ 移 転 す る こ と と し て お り 、 移
転 後 の 基 地 の 規 模 は 現 在 の 半 分 以 下 と す る な ど 、 着 実 な 負 担 軽 減 を 図
っ て い る と こ ろ で あ る 。
以 上 の と お り 、 政 府 は 、 普 天 間 飛 行 場 の 固 定 化 は あ っ て は な ら な い と
の 立 場 か ら 同 飛 行 場 の 危 険 性 除 去 が 緊 急 の 課 題 と 考 え て い る 。 現 在 の
日 米 合 意 に 基 づ き 、 移 設 を 着 実 に 実 施 す る こ と で 、 在 日 米 軍 の 抑 止 力
を 維 持 し つ つ 、 沖 縄 の 負 担 軽 減 を 実 現 す る こ と に よ り 、 施 設 ・ 区 域 の
安 定 的 な 使 用 を 確 保 し 、わ が 国 の 安 全 の み な ら ず ア ジ ア 太 平 洋 地 域 の
平 和 と 安 定 に 大 き く 寄 与 で き る こ と か ら 、 本 事 業 は 極 め て 必 要 性 が 高
11 (3) 本 件 に お け る 検 討 対 象
本 件 埋 立 承 認 出 願1は 、海 兵 隊 航 空 基 地 の 建 設 を 目 的 と す る も の で
あ り 、 海 兵 隊 航 空 基 地 新 設 の 動 機 は 普 天 間 飛 行 場 の 返 還 に あ る と さ
れ る 。
普 天 間 飛 行 場 が 返 還 さ れ る べ き こ と は 当 然 で あ る が 、 普 天 間 飛 行
場 を 返 還 す る 必 要 が あ る と い う こ と と 、 本 件 埋 立 対 象 地 に 海 兵 隊 航
空 基 地 を 新 設 す る こ と と は 、 次 元 の 異 な る 問 題 で あ り 、 普 天 間 飛 行
場 の 返 還 の 必 要 性 か ら た だ ち に 本 件 埋 立 対 象 地 へ の 海 兵 隊 航 空 基 地
新 設 の 必 要 性 が 導 か れ る も の で は な い 。
あ く ま で 検 討 の 対 象 と な る の は 、 本 件 埋 立 対 象 地 に お け る 海 兵 隊
航 空 基 地 新 設 の 必 要 性 で あ る 。
そ し て 、 埋 立 必 要 理 由 書 は 、 本 件 埋 立 対 象 地 へ の 海 兵 隊 航 空 基 地
新 設 が 必 要 な 理 由 に つ い て 、 普 天 間 飛 行 場 の 国 外 、 県 外 へ の 移 設 が
適 切 で は な い が 、 沖 縄 県 内 へ の 移 設 先 は 辺 野 古 で 以 外 に は な く 、 本
件 埋 立 対 象 地 へ の 海 兵 隊 新 基 地 建 設 が 、 普 天 間 飛 行 場 返 還 の た め の
唯 一 の 選 択 肢 で あ る と し て お り 、 こ の 理 由 の 当 否 こ そ が 、 本 件 に お
け る 検 討 対 象 で あ る 。
そ こ で 、 以 下 、 普 天 間 飛 行 場 の 移 設 に つ い て 、 県 内 移 設 以 外 は 適
切 で は な い と す る 埋 立 必 要 理 由 に つ い て 実 証 的 ・ 合 理 的 根 拠 は 存 し
な い こ と に つ い て 述 べ る こ と と す る 。
な お 、 審 査 請 求 書 ・ 執 行 停 止 申 立 書 に は 、 平 成 23 年 に 防 衛 省 が 発 行 し た 「 在 日 米 軍 ・ 海 兵 隊 の 意 義 及 び 役 割 」 と い う パ ン フ レ ッ ト
( 以 下 「 パ ン フ レ ッ ト 」 と い う 。 ) 及 び 、 こ れ に 対 し て 沖 縄 県 が 行
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っ た 2 回 に わ た る 質 問 及 び こ れ に 対 す る 防 衛 大 臣 の 回 答 が 引 用 さ れ
て お り 、 ま た 、 検 証 結 果 報 告 書 に も 引 用 さ れ て い た た め 、 本 書 面 に
お い て も 必 要 に 応 じ て 引 用 す る 。 以 下 、 本 書 面 に お け る 引 用 の 際 に
は 、 検 証 結 果 報 告 書 の 例 に 従 い 、 平 成 23 年 12 月 19日 付 防 衛 大 臣 一 川 保 夫 の 回 答 を 「 第 1 次 回 答 」 、 平 成 24 年 12 月 11 日 付 防 衛 大 臣 森 本 敏 の 回 答 を 「 第 2 次 回 答 」 と い う 。
2 「 一 体 的 運 用 の 必 要 性 」「 地 理 的 に 優 位 で あ る こ と 」 な ど の 説 明 に つ い て
(1) 埋 立 必 要 理 由 書 に は 海 兵 隊 の 機 能 等 か ら の 具 体 的 根 拠 が な ん ら
示 さ れ て い な い こ と
ア 埋 立 必 要 理 由 書 は 、 海 兵 隊 の 一 体 的 運 用 の 必 要 性 な ど を 挙 げ 、
普 天 間 飛 行 場 を 県 外 等 に 移 設 す れ ば 、 海 兵 隊 の 機 動 性 ・ 即 応 性 と
い っ た 特 性 ・ 機 能 を 損 な う 懸 念 が あ る と し 、 ま た 、 沖 縄 の 地 理 的
優 位 性 を 根 拠 と し て 、 県 外 等 移 設 が 適 切 で な い と す る 。
審 査 請 求 書 ・ 停 止 申 立 書 に お い て も 、 埋 立 必 要 理 由 書 と 同 一 の
主 張 が く り 返 さ れ て い る 。 す な わ ち 、「 沖 縄 に 駐 留 す る 海 兵 隊 部
隊 は 、 米 国 外 に 前 方 展 開 し て い る 唯 一 の 海 兵 機 動 展 開 部 隊 で あ り 、
そ の 隷 下 部 隊 と し て 、第 1 海 兵 航 空 団 が あ る 。普 天 間 飛 行 場 に は 、
米 海 兵 隊 の 第 3 海 兵 機 動 展 開 部 隊 隷 下 の 第 1 海 兵 航 空 団 の う ち
第 3 6 海 兵 航 空 群 な ど の 部 隊 が 駐 留 し 、 ヘ リ な ど に よ る 海 兵 隊 の
航 空 輸 送 の 拠 点 と な っ て お り 、 同 飛 行 場 は 米 海 兵 隊 の 運 用 上 、 極
め て 大 き な 役 割 を 果 た し て い る 」、「 米 海 兵 隊 は 、 司 令 部 、 陸 上 ・
航 空 ・ 後 方 支 援 部 隊 を 組 み 合 わ せ て 一 体 的 に 運 用 す る 組 織 構 造 を
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で 優 れ た 機 動 力 ・ 即 応 性 を 保 ち 、 武 力 紛 争 か ら 人 道 支 援 、 自 然 災
害 対 処 に 至 る ま で 幅 広 い 任 務 に 迅 速 に 対 応 す る 特 性 を 有 し て お
り 、 こ う し た 特 性 や 機 能 を 低 下 さ せ な い よ う に す る こ と が 必 要 で
あ る こ と 。 例 え ば 、 普 天 間 飛 行 場 に 所 属 す る 海 兵 隊 ヘ リ 部 隊 を 、
沖 縄 所 在 の 他 の 海 兵 隊 部 隊 か ら 切 り 離 し 、 国 外 、 県 外 に 移 設 す れ
ば 、 海 兵 隊 の 持 つ こ う し た 機 動 性 ・ 即 応 性 と い っ た 特 性 ・ 機 能 を
損 な う 懸 念 が あ る こ と 」 を 主 張 し て い る 。
し か し 、 普 天 間 飛 行 場 に 駐 留 し て い る 部 隊 が 県 外 等 に 移 駐 す る
こ と に よ っ て な ぜ 海 兵 隊 の 特 性 ・ 機 能 が 損 な わ れ る の か 、 ま た 、
普 天 間 飛 行 場 に 配 備 さ れ た 航 空 部 隊 に と っ て の 沖 縄 配 備 の 必 然
性 に つ い て 、 具 体 的 ・ 実 証 的 な 説 明 は 一 切 な い も の で あ り 、 こ の
よ う な 埋 立 必 要 理 由 書 の 説 明 を も っ て 、「 本 事 業 は 極 め て 必 要 性
が 高 い 」 と 認 め る こ と は で き な い 。
イ 海 兵 隊 の 機 能 等 に つ い て は 、「 抑 止 力 等 の 議 論 を 脇 に お い て 、海
兵 隊 の 機 能 あ る い は 効 能 を 考 え て み る と 、 言 葉 は 悪 い で す が 、 便
利 屋 と い う こ と に な り ま す 。 何 か 困 っ た と き に 、 き め 細 か く 、 規
模 も 大 き い の か ら 小 さ い の 、 軍 事 力 を 直 接 行 使 す る 一 種 乱 暴 な も
の か ら 、ソ フ ト な も の ま で 、い ろ ん な こ と を や れ る と い う こ と が 、
直 接 的 な 効 能 と し て あ り ま す 」2、「 沖 縄 の 海 兵 隊 の 主 力 部 隊 ( 歩
兵 、 砲 兵 、 航 空 ) は 六 ヵ 月 の ロ ー テ ー シ ョ ン で 米 本 国 か ら 派 遣 さ
れ て い ま す 。 二 カ 月 ほ ど 訓 練 し た あ と に 長 崎 県 佐 世 保 に あ る 船 に
乗 り 、 オ ー ス ト ラ リ ア 、 タ イ 、 フ ィ リ ピ ン な ど ア ジ ア 太 平 洋 地 域
2 柳 澤 協 二 ほ か 「 抑 止 力 を 問 う 元 防 衛 高 官 と 防 衛 ス ペ シ ャ リ ス ト 達 と の
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の 国 ぐ に を め ぐ り 、 そ の 国 ぐ に の 軍 隊 と 共 同 訓 練 し 、 互 い の 信 頼
関 係 を 高 め て い き ま す 。 こ れ ら 同 盟 国 の チ ー ム ワ ー ク が 強 い ほ ど 、
敵 対 す る 国 は 手 出 し が し に く い だ ろ う と 考 え ら れ て お り 、 こ れ も
抑 止 効 果 を 向 上 さ せ る 大 切 な 作 業 だ と い わ れ て い ま す … 太 平 洋
地 域 を ぐ る ぐ る と 巡 回 し 、 と き に は 中 東 に も 出 か け て い き ま す 。
と い う わ け で 、 海 兵 隊 の ホ ー ム グ ラ ン ド は ア ジ ア 太 平 洋 な の で す
… 同 盟 国 と の 共 同 訓 練 、 人 道 支 援 、 災 害 救 援 を し っ か り と 担 っ て
い く こ と で 、 ア ジ ア に 安 全 保 障 の 網 を 張 り め ぐ ら す よ う な 活 動 を
お こ な っ て い る わ け で す 」3な ど と さ れ て い る 。
そ こ で 、 以 下 、 海 兵 隊 、 普 天 間 飛 行 場 に 配 備 さ れ た 航 空 部 隊 の
実 態 に 即 し て 、 普 天 間 飛 行 場 の 県 外 移 設 等 に よ っ て 機 能 が 損 な わ
れ る も の で は な い こ と 及 び 普 天 間 飛 行 場 に 駐 留 し て い る 部 隊 が
沖 縄 以 外 に 移 駐 的 な 意 図 す る 地 理 的 必 然 性 が 認 め ら れ な い こ と
に つ い て 、 具 体 的 に 述 べ る こ と と す る 。
(2) 海 兵 隊 の 特 性 ・ 機 能 に つ い て
ア 埋 立 必 要 理 由
埋 立 必 要 理 由 書 及 び 審 査 請 求 書 ・ 執 行 停 止 申 立 書 は 、「 米 海 兵
隊 は 、 司 令 部 、 陸 上 ・ 航 空 ・ 後 方 支 援 部 隊 を 組 み 合 わ せ て 一 体 的
に 運 用 す る 組 織 構 造 を 有 し 、 平 素 か ら 日 常 的 に 各 構 成 要 素 が 一 体
と な り 訓 練 を 行 う こ と で 優 れ た 機 動 力 ・ 即 応 性 を 保 ち 、 武 力 紛 争
か ら 人 道 支 援 、 自 然 災 害 対 処 に 至 る ま で 幅 広 い 任 務 に 迅 速 に 対 応
す る 特 性 を 有 し て お り 、 こ う し た 特 性 や 機 能 を 低 下 さ せ な い よ う
に す る こ と が 必 要 で あ る こ と 。 例 え ば 、 普 天 間 飛 行 場 に 所 属 す る
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海 兵 隊 ヘ リ 部 隊 を 、 沖 縄 所 在 の 他 の 海 兵 隊 部 隊 か ら 切 り 離 し 、 国
外 、 県 外 に 移 設 す れ ば 、 海 兵 隊 の 持 つ こ う し た 機 動 性 ・ 即 応 性 と
い っ た 特 性 ・ 機 能 を 損 な う 懸 念 が あ る こ と 」 と し て い る 。
し か し 、 普 天 間 飛 行 場 の 県 外 移 設 等 に よ っ て 、 な ぜ 特 性 ・ 機 能
が 損 な わ れ る の か に つ い て は 、 具 体 的 ・ 実 証 的 根 拠 は 示 さ れ て お
ら ず 、 こ の よ う な 埋 立 必 要 理 由 書 の 記 載 を も っ て 、「 本 事 業 は 極
め て 必 要 性 が 高 い 」 と 認 め る こ と は で き な い 。
イ 海 兵 隊 の 任 務 部 隊 構 成 に つ い て
上 記 の と お り 、 埋 立 必 要 理 由 は 、「 司 令 部 、 陸 上 ・ 航 空 ・ 後 方
支 援 部 隊 を 組 み 合 わ せ て 一 体 的 に 運 用 す る 組 織 構 造 」 の 特 性 ・ 機
能 の 維 持 を 挙 げ て い る 。
海 兵 隊 の 任 務 は 、 司 令 部 ・ 地 上 戦 闘 部 隊 ・ 航 空 戦 闘 部 隊 ・ 戦 闘
役 務支 援部 隊 で編 成さ れ る海 兵 空地 任務 部隊 ( Marine
Air-Ground Task Force/MAGTF: マ グ タ フ )を 作 戦 ・ 運 用 単 位
と し て 実 施 さ れ る 。MAGTF は 、 編 成 規 模 の 大 き い 順 に ① 海 兵 機
動 展 開 部 隊(Marine Expeditionary Force/MEF:メ フ 、な お「 海
兵 遠 征 軍 」 と も 訳 さ れ る 。)、 ② 海 兵 機 動 展 開 旅 団 (Marine
Expeditionary Brigade/MEB: メ ブ 、 な お 「 海 兵 遠 征 旅 団 」 と も
訳 さ れ る 。) 及 び ③ 海 兵 機 動 展 開 隊 (Marine Expeditionary
Unit/MEU: ミ ュ ー 、な お「 海 兵 遠 征 部 隊 」と も 訳 さ れ る 。)の 3
段 階 が 存 在 す る4。
MEF は 、MAGTFの う ち 最 大 規 模 の 組 織 で 、本 格 戦 争( パ ン フ
4 パ ン フ レ ッ ト 11 頁 、中 矢 潤「 我 が 国 に 必 要 な 水 陸 両 用 作 戦 能 力 と そ の 運
16
レ ッ ト 11 頁 ) へ の 対 処 を 役 割 と し て お り 、 2 万 人 ~ 9 万 人 規 模 の 兵 力 で 編 成 さ れ る 。 米 国 西 海 岸 の カ リ フ ォ ル ニ ア 州 に 第 3 海 兵
機 動 展 開 部 隊 ( ⅠMEF)、 米 国 東 海 岸 の ノ ー ス ・ カ ロ ラ イ ナ 州 に 第 2 海 兵 機 動 展 開 部 隊 ( ⅡMEF)、 沖 縄 を 中 心 に 第 3 海 兵 機 動 展
開 部 隊 ( ⅢMEF) と い っ た 合 計 3 個 の MEF が 配 備 さ れ て い る 。
MEB は 、大 規 模 な 緊 急 事 態( パ ン フ レ ッ ト 11 頁 )に 即 応 す る こ
と を 役 割 と し て お り 、3000 人 ~ 2 万 人 規 模 の 兵 力 で 編 成 さ れ る 。 現 在 、 3 個 の MEB が あ り 、 そ の う ち 1 つ は 沖 縄 に 配 備 と な っ て
い る 。MEU は 、 最 も 小 型 の MAGTF で あ り 、1500 人 ~3000 人
規 模 の 兵 力 で 7 個 編 成 さ れ 、15日 間 の 継 戦 能 力 を 有 し て い る 。 沖 縄 に 駐 留 す る 第 3 海 兵 機 動 展 開 部 隊 ( ⅢMEF: サ ー ド メ フ ) は 、「 主 に 、 地 上 部 隊 の 第 3 海 兵 師 団 、 航 空 部 隊 の 第 1 海 兵 航 空 団 、支 援 部 隊 の 第 3 海 兵 戦 務 支 援 群 で 構 成 さ れ る 。第 3 海 兵 師 団
は 、MEF、MEB、MEU な ど に 海 兵 連 隊 や 砲 兵 、工 兵 部 隊 な ど の
兵 力 を 提 供 す る 母 体 で あ る 。第 1 海 兵 航 空 団 は 、沖 縄 の 普 天 間 飛 行 場 、 キ ャ ン プ ・ フ ォ ス タ ー 、 ハ ワ イ の カ ネ オ ヘ ・ ベ イ 基 地 か ら
成 り 、 戦 闘 ヘ リ や 輸 送 ヘ リ 、 空 中 給 油 機 な ど を 装 備 し 、 航 空 戦 力
を 提 供 し て い る 。 同 じ く 、 沖 縄 に 配 備 さ れ て い る 第 31 海 兵 遠 征 部 隊 (31MEU) は 、 上 記 の 各 部 隊 か ら 、 歩 兵 、 砲 兵 、 工 兵 隊 、 兵 站 、航 空 部 隊 を 集 結 し 、15 日 間 の 作 戦 行 動 に あ た る 。展 開 手 段 と し て は 、 長 崎 ・ 佐 世 保 に 駐 留 す る 強 襲 揚 陸 艦 が 沖 縄 に 来 て そ の
部 隊 を 搭 載 し 、 目 的 地 へ 派 遣 さ れ る 。1,500 ~ 3,000 人 規 模 の
MEU は 、 民 族 ・ 宗 教 紛 争 や テ ロ リ ス ト の 鎮 圧 と い っ た 小 規 模 紛
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た る 任 務 を 遂 行 す る 。 た と え ば 、 海 兵 ヘ リ 中 隊 が 半 年 以 上 イ ラ ク
に 派 遣 さ れ た り 、 韓 国 、 フ ィ リ ピ ン 、 タ イ 、 オ ー ス ト ラ リ ア で 合
同 訓 練 を 行 っ た り 、 台 風 被 災 の 支 援 活 動 の た め に 台 湾 へ 派 遣 さ れ
た り し て い る [U.S. Marine Corps 2010: 258 ─ 260, 宜 野 湾 市 基 地 渉 外 課 2010]。 沖 縄 へ 常 時 駐 留 し て い る と い う よ り 、 ア ジ ア 太 平 洋 地 域 あ る い は 中 東 を 含 む 広 範 な 地 域 を 移 動 対 象 と し 、 積 極
的 に 活 動 し て い る 」5も の で あ る 。
ウ 第 31 海 兵 機 動 展 開 隊 (31MEU) に つ い て
(ア) 中 核 部 隊 は 31MEU で あ る こ と
海 兵 隊 航 空 基 地 を 県 外 等 に 移 設 す る こ と に よ る 機 動 性 ・ 即 応
性 及 び 一 体 性 に つ い て 、先 ず 具 体 的 に 検 討 さ れ る べ き は 、第 31 海 兵 機 動 展 開 隊( 以 下 、「31MEU」と い う 。)に つ い て で あ る 。 す な わ ち 、埋 立 必 要 理 由 は 、「 在 日 米 軍 の 中 で も 唯 一 、地 上 戦
闘 部 隊 を 有 し て い る 在 沖 海 兵 隊 は 抑 止 力 の 一 部 を 構 成 す る 重 要
な 要 素 で あ る 」 と し 、 第 1 次 回 答 に も 「 在 沖 海 兵 隊 は 、 在 日 米
軍 の 中 で 唯 一 、 地 上 戦 闘 部 隊 を 有 し て お り 、 抑 止 力 の 一 部 を 構
成 す る 要 素 と し て 重 要 で あ る ○ 沖 縄 に は 、 一 定 の 初 動 対 応 能
力 を 有 す る 海 兵 隊 が 維 持 さ れ 、 ま た 米 軍 の 航 空 輸 送 や 海 上 輸 送
の 能 力 の 向 上 も 検 討 す れ ば 、 在 日 米 軍 の 抑 止 力 は 維 持 さ れ る 」
(20~21頁 )と さ れ 、埋 立 必 要 理 由 書 と 同 様 の 記 載 と な っ て い る 。 そ し て 、 第 1 次 回 答 に あ る 「 一 定 の 初 動 対 処 能 力 を 有 す る
海 兵 隊 」 に つ い て 特 定 す る た め 、 沖 縄 県 が し た 「 『 一 定 の 初 動
5 波 照 間 陽 「 日 本 政 府 に よ る 海 兵 隊 抑 止 力 議 論 の 展 開 と 沖 縄 」 早 稲 田 大 学
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対 応 能 力 を 有 す る 海 兵 隊 』に つ い て 、具 体 的 に ご 説 明 頂 き た い 」
と い う 質 問 に 対 し 、 第 2次 回 答 は 「 今 回 の 部 隊 構 成 の 考 え 方 と し て は 、 沖 縄 に 維 持 さ れ る 一 定 の 初 動 対 処 能 力 の 中 核 部 隊 は 第
31 海 兵 機 動 展 開 隊(31MEU)で あ る 」(19 頁 )と し 、31MEU
が 中 核 部 隊 で あ る と 明 確 に 特 定 さ れ て い る 。
(イ) 機 動 性 ・ 即 応 性 に つ い て
前 記 の と お り 、 埋 立 必 要 理 由 書 は 、 一 体 的 に 運 用 さ れ る 組 織
で あ る 海 兵 隊 の 特 性 ・ 機 能 と し て 、 機 動 性 ・ 即 応 性 を 挙 げ て い
る が 、 普 天 間 飛 行 場 が 県 外 等 を 移 設 す る こ と に よ っ て 、 な ぜ 機
動 性 ・ 即 応 性 が 損 な わ れ る の か と い う こ と に つ い て 、 具 体 的 ・
実 証 的 な 説 明 は な い 。
そ し て 、 以 下 に 述 べ る と お り 、 具 体 的 に 検 討 す る な ら ば 、 普
天 間 飛 行 場 の 県 外 等 移 設 に よ っ て 、 機 動 性 ・ 即 応 性 が 損 な わ れ
る も の で は な い 。
a 水 陸 両 用 即 応 群(ARG)と し て 実 任 務 に 行 う こ と に つ い て
MAGTF は 、 米 海 軍 の 水 陸 両 用 戦 隊 (PHIBRON) に 搭 乗
し て 、 実 任 務 を 行 う こ と に な る 。
水 陸 両 用 戦 隊(PHIBRON)と は 、 水 陸 両 用 作 戦 を 実 施 す る 上 で 、 人 員 及 び 装 備 を 輸 送 す る た め の 戦 術 編 成 で あ り 、 通 常 4 万 ト ン 級 の 水 陸 両 用 強 襲 揚 陸 艦(Amphibious Assault Ship:
LHA、LHD)1 隻 、2 万 ト ン 前 後 の ド ッ ク 型 水 陸 両 用 輸 送 艦
(Amphibious Transport Dock: LPD)1 隻 、1 万 ト ン 級 の ド ッ
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れ 、水 陸 両 用 戦 隊(PHIBRON)に は 1 個 の MEU が 乗 船 す る6。
水 陸 両 用 戦 隊(PHIBRON)と MEU を 合 わ せ た も の が 水 陸
両 用 即 応 群(Amphibious Ready Group/ARG: ア ー グ )で あ
り 、 実 任 務 は ARG と し て 行 わ れ る こ と に な る 。
日 本 に 配 備 さ れ て い る 揚 陸 艦 は 長 崎 県 ・ 佐 世 保 基 地 の 4 隻
で あ り 、 積 載 能 力 は 約 2000名 で あ る 。 す な わ ち 、MEU1 個 分 で あ る 。
沖 縄 に 配 備 さ れ た 第 31海 兵 機 動 展 開 隊(31MEU)が 実 任
務 を 行 う 際 に は 、米 海 軍 の 水 陸 両 用 戦 隊 とARG を 編 成 し て 、 洋 上 に て 実 任 務 を 行 う こ と に な る 。
31MEU の 平 成 21 年 (2009 年 ) の 洋 上 展 開 を み る と 、 1
月 27日 ~ 大 平 洋 訓 練 、 2 月 4 日 ~ 2 月 17日 ま で タ イ 訓 練 、 3 月 25 日 ~ 3 月 31 日 ま で 韓 国 訓 練 、 4 月 16 日 ~ 4 月 30 日 ま で フ ィ リ ピ ン 訓 練 、 7 月 6 日 ~ 7 月 26 日 オ ー ス ト ラ リ ア 訓 練 、 8 月 台 風 被 災 の 支 援 活 動 ( 台 湾 ) 、10月 14 日 ~10 月 20 日 フ ィ リ ピ ン 訓 練 、10 月 14 日 ~10 月 20 日 自 然 災 害 の 支 援 活 動( イ ン ド ネ シ ア ・フ ィ リ ピ ン )、11月 韓 国 訓 練 を 行 っ て い る7。東 日 本 大 震 災 の あ っ た 平 成 23年(2011年 )の 活 動 を み る と 、2 月 7 日 ~ 2 月 19日 タ イ 訓 練 、2 月 27 日 ~ 3 月 2 日 カ ン ボ ジ ア 訓 練 、 3 月 12 日 ~ 4 月 7 日 ト モ ダ チ 作 戦( 東 北 )、7 月11 日 ~ 7 月 29日 オ ー ス ト ラ リ ア 訓 練 、10
6中 矢 潤「 我 が 国 に 必 要 な 水 陸 両 用 作 戦 能 力 と そ の 運 用 上 の 課 題 」海 幹 校 戦
略 研 究2012 年 12月 (2-2)。
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月 9 日 ~10 月 16 日 能 力 検 証 訓 練 ( フ ィ リ ピ ン ) 、10 月 17 日 か ら10月 28日 フ ィ リ ピ ン 訓 練 を 行 っ て い る8。
す な わ ち 、1 年 の う ち の 過 半 の 期 間 は 、我 が 国 の 領 域 外 で 、
洋 上 展 開 を し て い る も の で あ る 。
b 31MEU は 長 崎 県 佐 世 保 基 地 の 第 11 水 陸 両 用 戦 隊 と ARG を 構 成 し て 実 任 務 を 行 う こ と
⒜ 沖 縄 に 配 備 さ れ た 第 31海 兵 機 動 展 開 隊(31MEU)が 実
任 務 を 行 う 際 に は 、 米 海 軍 の 水 陸 両 用 戦 隊 と ARG を 編 成 し て 行 う も の で あ る が 、
し か し 、 沖 縄 に は 、 海 兵 隊 基 地 は 存 在 し て も 、 米 海 軍 の
水 陸 両 用 戦 隊 の 母 港 と な る 海 軍 基 地 は 存 在 し な い 。
揚 陸 艦 は 日 本 本 土 の 長 崎 県 ・ 佐 世 保 基 地 を 母 港 と す る も
の で あ る 。 ま た 、 揚 陸 艦 に 搭 載 さ れ る AV- 8B ハ リ ア ー 戦 闘 機 は 、 山 口 県 ・ 岩 国 飛 行 場 に 配 備 さ れ て い る 。
31MEU が 任 務 を 行 う た め に は 、 長 崎 県 ・ 佐 世 保 基 地 か
ら 揚 陸 艦 が 沖 縄 県 具 志 川 市 の ホ ワ イ ト ・ ビ ー チ に 回 航 さ れ
る の を 待 ち 、 ヘ リ コ プ タ ー 、 装 備 、 兵 員 等 を 搭 載 し 、 そ こ
で よ う や く 実 任 務 地 に 向 か う こ と に な る 。
⒝ 普 天 間 飛 行 場 に 配 備 さ れ た 航 空 機 部 隊 は 、 輸 送 機 を 中 核
と す る も の で あ る 。
普 天 間 飛 行 場 の 平 成 25年 1 月 時 点 で の 常 駐 機 種 は 、 固 定 翼 機 19機(KC-130空 中 給 油 兼 輸 送 機 15機・C-12 作 戦 支 援 機 1 機 、UC-35 3 機 )、ヘ リ コ プ タ ー25機(CH-46E
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中 型 ヘ リ 12機 ・CH-53E 大 型 ヘ リ 5 機 、AH-1W 軽 攻 撃 ヘ リ 5 機 、UH-1Y 指 揮 連 絡 ヘ リ 3 機 )、 垂 直 離 着 陸 機 12機 (MV-22B オ ス プ レ イ 12機 )で あ っ た が 、KC-130空 中 給 油 兼 輸 送 機 15 機 は 、 現 在 で は 、 山 口 県 ・ 岩 国 飛 行 場 に 完 全 に 移 駐 を し て い る 。
CH-46E、・CH-53E は 輸 送 機 で あ り 、CH-46E の 後 継 機
で あ る MV-22Bオ ス プ レ イ も 24名( 最 大 32名 )の 兵 員 を 輸 送 す る こ と が で き る 輸 送 機 で あ る 。 な お 、MV-22B オ ス プ レ イ の キ ャ ビ ン は 、 最 大 幅 1.80 メ ー ト ル 、 最 大 高 1.83 メ ー ト ル で あ る か ら 、 水 陸 両 用 戦 闘 車 、 戦 車 、 装 甲 車 と い
っ た 戦 闘 用 車 両 は も と よ り 、2.5 ト ン 軍 用 ト ラ ッ ク す ら 搭 載 で き な い 。
審 査 請 求 書・執 行 停 止 申 立 書 に も 、「 キ ャ ン プ・シ ュ ワ ブ
に 移 る の は 、『 オ ス プ レ イ な ど の 運 用 機 能 の み 』」 で あ る と
さ れ て お り 、 具 体 的 に 検 討 さ れ な け れ ば な ら な い の は 、
MV-22Bオ ス プ レ イ な ど の 輸 送 機 の 機 能 で あ る 。
輸 送 機 の 主 任 務 と は 、 揚 陸 艦 か ら 陸 上 へ の 輸 送 ( 揚 陸 )
で あ る 。 森 本 敏 元 防 衛 大 臣 の 大 臣 退 任 後 の 著 書 「 オ ス プ レ
イ の 謎 。そ の 真 実 」77 頁 に も「 普 天 間 基 地 に 配 備 さ れ る オ ス プ レ イ を 装 備 し た 2 個 飛 行 隊 ( V M M ) の 主 任 務 は 、 強
襲 揚 陸 艦 に 搭 載 さ れ て 空 母 機 動 部 隊 と と も に 行 動 し 、 強 襲
着 上 陸 ・ 捜 索 救 難 ・ 人 道 支 援 ・ 在 外 民 間 人 救 出 活 動 ・ 災 害
22
な お 、 長 い 間 、 航 空 輸 送 部 隊 の 中 核 で あ っ た CH-46E の 作 戦 行 動 半 径 は 12 名 搭 乗 時 で 約 140 キ ロ メ ー ト ル で あ る が9、沖 縄 島 を 起 点 と す る と 宮 古 島 で す ら 行 動 半 径 外 と い
う こ と に な り 、 強 襲 揚 陸 艦 に 搭 載 し な け れ ば 任 務 を 行 え な
い こ と は 明 ら か で あ っ た10。な お 、M V -22オ ス プ レ イ は 輸 送 機 で あ り 、 対 空 砲 火 な ど の 攻 撃 に 対 し て は 脆 弱 で あ る
た め 、 戦 闘 地 域 で の 上 陸 は 、 戦 闘 ヘ リ や 攻 撃 機 に よ る 支 援
が 必 要 と な る 。 強 襲 上 陸 支 援 任 務 に 運 用 さ れ る の が 戦 闘 ヘ
リ A H - 1 で あ る が11、 そ の 航 続 距 離 は CH-46E と 比 較 し て も は る か に 短 い12。 な お 、 普 天 間 飛 行 場 配 備 部 隊 と と
も に 揚 陸 艦 に 搭 載 さ れ る AV- 8 ハ リ ア ー 攻 撃 機 は 山 口
県 ・ 岩 国 基 地 に 配 備 さ れ て い る 。
以 上 の と お り 、 普 天 間 飛 行 場 に 配 備 さ れ た 航 空 部 隊 は 、
強 襲 揚 陸 艦 に 搭 載 さ れ て 、 艦 船 か ら の 輸 送 及 び 強 襲 揚 陸 に
対 す る 支 援 を 行 う こ と を 任 務 と し て い る も の で あ る 。
⒞ 普 天 間 飛 行 場 に 配 備 さ れ た 航 空 部 隊 は 、31MEU を 編 成 し 、 強 襲 揚 陸 艦 に 搭 載 さ れ て 、 任 務 を 行 う も の で あ る が 、
9 防 衛 省 「 M V - 2 2 オ ス プ レ イ ー 米 海 兵 隊 の 最 新 鋭 の 航 空 機 ― 」 3 頁 10 宮 城 康 博 ・ 屋 良 朝 博 「 普 天 間 を 封 鎖 し た 4 日 間 」〔 屋 良 朝 博 〕100 頁 は 、
「CH46を 海 兵 隊 は ず っ と 使 い 続 け て い ま し た 。 こ の 間 、 沖 縄 に 駐 留 す る 最 大 兵 力 、 日 本 駐 留 の 半 数 超 を 占 め る 海 兵 隊 の 行 動 半 径 は 、 何 と 沖 縄 本 島
の 周 辺 だ っ た と い う 事 実 に は の け ぞ っ て し ま い ま す 。 何 度 も 繰 り 返 し で す
が 、 佐 世 保 の 艦 船 に 乗 っ て ア ジ ア 太 平 洋 地 域 を 巡 回 す る の で 、 沖 縄 に 海 兵
隊 を 置 け ば 『 抑 止 力 』 と い う の は 実 に と ん ち ん か ん な 議 論 な わ け で す 」 と
指 摘 し て い る 。
11 稲 垣 浩 「 世 界 最 強 の 軍 隊 ア メ リ カ 海 兵 隊 」262 頁 。
23
31MEU が 作 戦 行 動 す る 場 合 は 、 長 崎 県 ・ 佐 世 保 基 地 か ら
沖 縄 に 揚 陸 艦 が 回 航 さ れ 、 そ こ で 普 天 間 飛 行 場 の 輸 送 ヘ リ
部 隊 ( 航 空 部 隊 ) 、 陸 上 部 隊 、 後 方 支 援 部 隊 な ど か ら 編 成
さ れ た31MEU を 搭 乗 さ せ て 目 的 地 に 向 か う こ と に な る か ら 、 沖 縄 を 出 港 す る ま で に は 一 定 の 日 数 を 要 す る こ と に な
る 。 佐 世 保 の 揚 陸 艦 が 沖 縄 を 出 港 す る ま で に 要 す る 時 間 に
つ い て は 、 「 米 海 軍 に よ れ ば 、 佐 世 保 を 緊 急 出 港 し た 揚 陸
艦 は 、三 一 時 間 の 速 さ で 沖 縄 に 到 着 で き る と い う 。た だ し 、
司 令 部 か ら 佐 世 保 の 揚 陸 艦 指 揮 官 に 出 撃 命 令 が 発 出 さ れ
た と し て も 、 揚 陸 艦 は す ぐ に 港 か ら 出 航 す る こ と は で き な
い 。 佐 世 保 を 出 港 す る の に 要 す る 準 備 時 間 ( 乗 員 や 物 資 の
積 込 み 所 要 ) は 、 四 八 時 間 は 要 す る と さ れ る 。 ま た 沖 縄 に
到 着 し た 揚 陸 艦 に 第 31 海 兵 遠 征 隊 の マ リ ー ン や 兵 器 類 を 搭 載 す る に は 、 二 四 時 間 か ら 四 八 時 間 を 要 す る 」 と さ れ る
13。
以 上 の と お り 、 沖 縄 か ら 海 兵 隊 が 展 開 す る た め に は 、 揚
陸 艦 の 母 港 で あ る 長 崎 県 ・ 佐 世 保 基 地 か ら 回 航 し た 揚 陸 艦
が 沖 縄 に 到 着 し て 出 港 準 備 が 整 う こ と を 待 た な け れ ば な
ら な い も の で あ る 。
揚 陸 艦 の 母 港 が 沖 縄 に な い こ と よ り す れ ば 、 沖 縄 か ら 海
兵 隊 航 空 基 地 を 移 設 す れ ば 、 機 動 力 ・ 即 応 性 が 失 わ れ る と
す る こ と に は 、 客 観 的 ・ 実 証 的 な 根 拠 は 認 め え な い 。
24
c 洋 上 展 開 を し て い る 際 の 緊 急 出 撃 に つ い て
31MEU は 、 演 習 な ど の た め 我 が 国 の 領 域 外 に お い て 洋 上
展 開 を し て い る 期 間 が 一 年 の う ち の 半 分 以 上 を 占 め て い る が 、
洋 上 展 開 を し て い る 際 に 緊 急 に 出 撃 す る 場 合 に は 、 ど こ か ら
乗 船 し た の か は 関 係 が な い も の で あ る か ら 、 こ の 点 か ら も 沖
縄 に 海 兵 隊 航 空 基 地 を 置 く こ と は 必 然 と は い え な い 。
東 北 大 震 災 に お け る 「 ト モ ダ チ 作 戦 」 に は 、31MEU と 佐 世 保 の 第11水 陸 両 用 戦 隊 と で 構 成 さ れ るARGも 参 加 し て い る( 以 下 、ト モ ダ チ 作 戦 に 参 加 し たARG を「 エ セ ッ ク ス ARG」 と い う 。 ) 。 東 日 本 大 震 災 が 発 生 し た 2011 年 ( 平 成 23 年 ) 3 月 11 日 、 エ セ ッ ク ス ARG は 、 カ ン ボ ジ ア で 演 習 を 終 え 、
31MEU を 搭 載 し た 強 襲 揚 陸 艦 エ セ ッ ク ス は マ レ ー シ ア に 寄
港 し 、 ド ッ グ 型 揚 陸 艦 2 隻 は イ ン ド ネ シ ア 沖 を 航 行 し て い た
が 、 エ セ ッ ク ス は 大 震 災 発 生 か ら 24 時 間 以 内 に 日 本 に 向 け て 出 港 し て 日 本 海 で ド ッ グ 型 揚 陸 艦 と 合 同 し た 。 そ し て 、 エ
セ ッ ク ス ARG は 同 月 17 日 に は 秋 田 沿 岸 に 到 着 し 、 同 月 22 日 に 青 森 県 の 八 戸 沖 か ら ヘ リ コ プ タ ー に よ る 救 援 物 資 輸 送 を
始 め て い る 。 マ レ ー シ ア 、 イ ン ド ネ シ ア か ら 6 日 で 秋 田 沖 に
到 着 し た こ と は ARG の 高 い 海 上 機 動 性 を 示 し た も の と い え る が 、 こ れ は ど の 地 域 か ら ヘ リ コ プ タ ー や 兵 員 等 を 搭 載 し た
か と い う こ と と は 関 係 の な い こ と で あ る 。
25
員 約 300 名 を 搭 載 し 、 青 森 へ の 輸 送 支 援 を 行 っ て い る14。 こ の 揚 陸 艦 の 機 動 性 よ り し て も 、 日 本 本 土 に 海 兵 隊 航 空 基 地 が
存 し た と し て も 佐 世 保 基 地 の 第 11 水 陸 両 用 戦 隊 に 搭 乗 す る う え で 機 動 性 ・ 即 時 性 に か け る こ と に は な ら な い こ と は 明 ら
か と い う べ き で あ る 。
(ウ) 一 体 性 に つ い て
a 日 本 本 土 の 揚 陸 艦 母 港 と 沖 縄 は 地 理 的 に 離 れ て い る こ と
前 述 し た と お り 、31MEU は 、第 11水 陸 両 用 戦 隊 の 揚 陸 艦 に 搭 乗 し 、ARG と し て 一 体 化 し て 実 任 務 を 行 う も の で あ る が 、 第 11 水 陸 両 用 戦 隊 の 母 港 は 日 本 本 土 の 長 崎 県 ・ 佐 世 保 基 地 で あ り 、 地 理 的 に は 海 を 挟 ん で 離 れ て い る も の で あ る 。
海 兵 航 空 団 の 部 隊 の う ち 、 輸 送 機 で あ る CH-53E 及 び
MV-22Bオ ス プ レ イ 、AH-1W 軽 攻 撃 ヘ リ 、UH-1Y指 揮 連 絡
ヘ リ は 普 天 間 飛 行 場 に 配 備 さ れ て い る が 、 攻 撃 機 で あ る
F/A-18 ホ ー ネ ッ ト 及 び AV-8B ハ リ ア ー 、 空 中 給 油 機 で あ る
KC-130Jは 山 口 県・岩 国 飛 行 場 に 配 備 さ れ て お り 、航 空 機 部
隊 は 分 散 配 備 さ れ て い る も の で あ る 。
し た が っ て 、 沖 縄 県 外 に 海 兵 隊 航 空 基 地 を 移 設 す る こ と に
よ り 、 一 体 性 が 損 な わ れ る と い う 関 係 に は そ も そ も な い 。
b 訓 練 に つ い て
(a) 埋 立 必 要 理 由 は 、「 平 素 か ら 日 常 的 に 各 構 成 要 素 が 一 体
と な り 訓 練 を 行 う こ と で 優 れ た 機 動 力 ・ 即 応 性 を 保 」 つ と
14下 平 拓 哉 「 東 日 本 大 震 災 に お け る 日 米 共 同 作 戦 」 海 幹 校 戦 略 研 究 2011
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し て い る が 、 沖 縄 に 海 兵 隊 航 空 基 地 を 置 か な け れ ば 一 体 性
が 保 た れ な い と す る こ と に 具 体 的 ・ 実 証 的 な 根 拠 は 存 し な
い も の で あ る 。
(b) 31MEU を 構 成 す る 主 力 部 隊 は 、 米 国 か ら 沖 縄 に 交 代 で
配 備 さ れ る UDP 派 遣(Unit Deployment Program の 略 で
部 隊 交 代 計 画 を 意 味 す る 。 ) で あ る 。
パ ン フ レ ッ ト 12頁 に は 、米 本 土 で 約 6 か 月 の 編 成 解 除・ 展 開 準 備 、 錬 成 の た め の 訓 練 ⇒ 日 本 ( 沖 縄 ) で の 約 6 か 月
の 練 度 維 持 の た め の 訓 練 ⇒ 洋 上 で の 約 6 か 月 の 即 応 体 制
と い う ロ ー テ ー シ ョ ン が 示 さ れ て い る 。第 2 次 回 答 は 、「 パ ン フ レ ッ ト 12 頁 に 示 し て い る 6 か 月 毎 の 異 動 は 、 海 兵 隊 の 部 隊 展 開 計 画 の(UDP)の ロ ー テ ー シ ョ ン の 一 例 を 示 し た も の で あ る 。 例 え ば 、 沖 縄 の 第 4 海 兵 連 隊 の 歩 兵 部 隊 は
UDP部 隊 で あ る と 承 知 し て い る と こ ろ 、こ の 部 隊 の 駐 留 規
模 は 年 間 を 通 し て 変 わ ら な い が 、 そ の 人 員 は 6 か 月 毎 に ロ
ー テ ー シ ョ ン で 入 れ 替 わ っ て い る も の と 認 識 し て い る 」 と
し て い る 。
沖 縄 にUDP派 遣 さ れ る 陸 上 と 航 空 の 海 兵 隊 戦 闘 部 隊 は 、
基 本 的 に 18か 月 / 半 年 区 切 り の 3 段 階( 展 開 後 、展 開 前 、
展 開 の サ イ ク ル で 回 る ) の 期 間 に よ っ て 展 開 任 務 を 行 っ て
い る15。
第 1 段 階 の 展 開 後 期 間 と は 、 洋 上 で の 展 開 ( 実 任 務 ) 終
了 か ら 米 国 本 土 で 約 6 カ 月 に わ た っ て 実 施 す る 訓 練 期 間
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を 指 す 。 第 1 段 階 は 、 「 部 隊 は 、 実 任 務 の 展 開 を 終 了 し た
後 、 な お 1 か 月 間 は 有 事 に 備 え て 即 応 体 制 を 維 持 す る 。 そ
の 後 に 、 部 隊 編 成 を 解 除 し 、 各 部 隊 が そ れ ぞ れ 錬 成 の た め
の 訓 練 を 実 施 す る 。 こ の な か で 各 部 隊 は 、 米 本 土 の 広 大 な
演 習 場 を 使 い 、 沖 縄 の 狭 い 演 習 場 で は 不 可 能 な 総 合 的 な 訓
練 に 習 熟 す る 」 と さ れ る16。 な お 、 沖 縄 で は 「 砲 兵 や 戦 車
が 最 大 射 程 で 射 撃 訓 練 を 実 施 し た り 、 大 隊 規 模 を 超 え る 諸
兵 種 連 合 部 隊 が 制 限 な く 機 動 訓 練 を 行 う た め の 広 大 な 演
習 場 を 確 保 で き な い … し た が っ て UDP の 指 定 部 隊 は 、 派 遣 さ れ る 前 に 予 め 広 大 な 本 国 の 演 習 場 で 必 要 な 訓 練 を 熟
し て か ら 沖 縄 に 来 て い る 」17と さ れ る 。
次 の 第 2 段 階 の 展 開 前 期 間 で は 、 「 学 校 教 育 や 練 度 維 持
の た め の 訓 練 を 行 う 。 仮 に こ の 期 間 の 後 半 で 沖 縄 に 派 遣
( 前 方 展 開 ) さ れ た 部 隊 は 、 沖 縄 県 内 の 演 習 場 に お い て 、
射 撃 、 警 戒 、 潜 入 、 襲 撃 等 の 小 部 隊 に よ る 訓 練 の み に と ど
め て お く 。 本 格 演 習 は 、 日 本 本 土 の キ ャ ン プ 富 士 に 移 動 し
て か ら 近 隣 に あ る 富 士 演 習 場 等 を 利 用 し て 、 砲 兵 部 隊 の 機
動 訓 練 や 榴 弾 砲 の 制 限 の か け ら れ た 射 撃 訓 練 を 行 う 」 と さ
れ る18。
第 3 段 階 の 展 開 期 で は 、 「 沖 縄 の 演 習 場 で の 訓 練 を 受 け
た 部 隊 が 、佐 世 保 か ら 沖 縄 に 回 航 さ れ て く る 第 7艦 隊 第 11
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揚 陸 隊 の 揚 陸 艦 に 乗 船 す る 。そ し て 、洋 上 で の 即 応 態 勢( 多
国 籍 間 演 習 や 実 任 務 ) に 移 行 す る 」 と さ れ る19。 な お 、
31MEU と 第 11 水 陸 両 用 戦 隊 で 構 成 さ れ る ARG は 、 6 カ
月 間 常 時 洋 上 待 機 を す る の で は な く 、必 要 な 都 度 、ARG を 編 成 し て 洋 上 展 開 を す る が 、 「 た と え ば 、 海 兵 ヘ リ 中 隊 が
半 年 以 上 イ ラ ク に 派 遣 さ れ た り 、韓 国 、フ ィ リ ピ ン 、タ イ 、
オ ー ス ト ラ リ ア で 合 同 訓 練 を 行 っ た り 、 台 風 被 災 の 支 援 活
動 の た め に 台 湾 へ 派 遣 さ れ た り し て い る [U.S. Marine
Corps 2010: 258 ─ 260, 宜 野 湾 市 基 地 渉 外 課 2010]。沖
縄 へ 常 時 駐 留 し て い る と い う よ り 、 ア ジ ア 太 平 洋 地 域 あ る
い は 中 東 を 含 む 広 範 な 地 域 を 移 動 対 象 と し 、 積 極 的 に 活 動
し て い る 」20も の で あ る 。
(c)前 述 の と お り 、31MEU の 実 任 務 は 、長 崎 県 佐 世 保 基 地 の 第11水 陸 両 用 戦 隊 と 一 体 と し てARGを 構 成 し て 行 わ れ る も の で あ る 。
ARG を 構 成 し て の 演 習 は 、 洋 上 で 行 わ れ る も の で あ り 、
海 兵 隊 航 空 基 地 が 沖 縄 に 所 在 し な け れ ば 一 体 性 を 維 持 で
き な い と す る こ と に 、 実 証 的 根 拠 は な い 。
(d) 以 上 述 べ た と お り 、統 合 的 な 演 習 は 沖 縄 で 行 わ れ て い る
も の で は な い 。
31MEU は 海 軍 の 第 11水 陸 両 用 戦 隊 と ARG を 編 成 す る
19 河 津 幸 英 「 図 説 ア メ リ カ 海 兵 隊 の す べ て 」410 頁 。
20 波 照 間 陽「 日 本 政 府 に よ る 海 兵 隊 抑 止 力 議 論 の 展 開 と 沖 縄 」早 稲 田 大 学
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が 、 第 11 水 陸 両 用 戦 隊 は 日 本 本 土 の 長 崎 県 ・ 佐 世 保 基 地 を 母 港 と す る も の で あ り 、 洋 上 展 開 し て い な い 時 期 に は 、
ARG と し て の 訓 練 を 行 う こ と は で き な い 。
ま た 、 広 大 な 演 習 場 の な い 沖 縄 で は 輸 送 ヘ リ が 装 甲 車 な
ど の 大 型 貨 物 を 吊 り 下 げ て 飛 行 す る 訓 練 を す る こ と も で
き ず 、 米 本 土 の 訓 練 で 培 わ れ た 練 度 を 維 持 す る た め の 総 合
的 訓 練 へ の 支 障 が あ る と の 指 摘 が 、 海 兵 隊 員 や 軍 事 評 論 家
ら か ら な さ れ て い る 。
た と え ば 、 海 兵 隊 向 け 専 門 誌 も 現 役 海 兵 隊 員 が 「 司 令 部
(command element)、航 空 戦 闘 部(aviation combat
element) 及 び 海 兵 遠 征 部 隊 役 務 支 援 群 (MEU service
support group)は 沖 縄 に 配 置 さ れ て い る が 、揚 陸 即 応 は
日 本 本 土 に 、 ま た 、 大 隊 上 陸 チ ー ム (BLT) は キ ャ ン プ ・ ベ ン ド ル ト ン に 配 置 さ れ て お り 、 統 合 演 習 を 行 う の は 不 可
能 」 ( ジ ェ イ ・ ジ ョ ー ダ ー 米 海 兵 隊 2 等 軍 曹 「 マ リ ン ・ コ ー ・ ガ ゼ ッ ト 」96.12 月 号 ) と 指 摘 し 、 ま た 、 軍 事 評 論 家 の 田 岡 俊 二 氏 は 沖 縄 に お け る 海 兵 隊 の 演 習 の 環 境 に つ い
て 「 輸 送 ヘ リ が 装 甲 車 な ど 大 型 貨 物 を 吊 り 下 げ て 飛 ぶ 訓 練
は 禁 止 さ れ て い る 」( 田 岡 俊 次 「AERA」96.9.16) と 指 摘 し て い る 。
ま た 、 そ も そ も UDP 派 遣 で あ り 、 兵 員 は 常 に 入 れ 替 わ っ て い る も の で あ る 。
以 上 の と お り 、 海 兵 隊 航 空 基 地 を 沖 縄 に 置 く こ と は 、 日
30
1 つ の 戦 闘 部 隊 と し て 訓 練 を す る 機 会 を 奪 う こ と に な る
な ど の 問 題 が あ る と の 指 摘 が な さ れ て い る も の で あ り 、 沖
縄 に 海 兵 隊 航 空 基 地 を 置 か な い こ と に よ っ て 一 体 性 が 保
た れ な い と す る 実 証 的 根 拠 は 存 し な い も の で あ る 。
エ 第 3 海 兵 機 動 展 開 部 隊 ( ⅢMEF) に つ い て
(ア) 海 兵 隊 等 の 配 備 状 況
a 沖 縄 に 現 に 駐 留 し て い る 兵 力 の み で 編 成 で き るMAGTFは
MEU の み で あ り 、MEF を 構 成 す る 兵 力 は 駐 留 し て い な い 。
こ の こ と は 、 第 2 次 回 答 に お い て も 、 「31MEU の 能 力 を 超 え る 規 模 の 事 態 に 対 し て は 、 ハ ワ イ や グ ア ム 等 か ら 陸 上 部 隊
等 が 展 開 し て く る こ と に な る 」 (19頁 ) と 明 記 さ れ て い る 。 b ⅢMEF は 、 沖 縄 県 う る ま 市 所 在 の キ ャ ン プ ・ コ ー ト ニ ー
に 司 令 部 を 置 い て い る が 、 兵 力 は 、 国 外 も 含 め て 分 散 配 置 さ
れ て い る 。
前 泊 博 盛 「 沖 縄 と 米 軍 基 地 」181 頁 に よ れ ば21、 「 第 3 海 兵 遠 征 軍 は 、沖 縄 県 う る ま 市 キ ャ ン プ・コ ー ト ニ ー を 拠 点 に 、
第 3 海 兵 師 団( キ ャ ン プ・コ ー ト ニ ー )、第 1 海 兵 航 空 団( 沖
縄 県 北 谷 町 キ ャ ン プ ・ 瑞 慶 覧 ) 、 第 3 海 兵 兵 站 群 ( 沖 縄 県 浦
添 市 キ ャ ン プ ・ キ ン ザ ー = 牧 港 補 給 基 地 ) な ど で 構 成 さ れ て
い ま す … 第 3 海 兵 遠 征 軍 の 主 力 部 隊 は ハ ワ イ に い る 第 3 海 兵
連 隊 、 普 天 間 飛 行 場 の 移 設 先 と し て 注 目 さ れ て い る 沖 縄 本 島
北 部 の 『 キ ャ ン プ ・ シ ュ ワ ブ 』 に 駐 留 す る 第 4 海 兵 連 隊 と 砲
21 「 第 3 海 兵 遠 征 軍 」 は ⅢMEF、「 第 31 海 兵 遠 征 部 隊 」 は 31MEU で あ
31
兵 の 第 12 海 兵 連 隊 、 そ し て 第 31 海 兵 遠 征 部 隊 で 、 第 31 海 兵 遠 征 部 隊 は 非 戦 闘 員 の 救 出 作 戦 や 航 空 機 、 兵 士 の 戦 術 的 回
収 、 イ ラ ク や ア フ ガ ン な ど 遠 距 離 の 強 襲 揚 陸 作 戦 な ど の 特 殊
任 務 を 含 む 多 種 多 様 な 任 務 を 担 う 部 隊 と さ れ て い ま す 。 第 3
海 兵 遠 征 軍 の 下 に あ る 第 1 海 兵 航 空 団 の 第36海 兵 航 空 群 が 、 普 天 間 飛 行 場 を 拠 点 と す る ヘ リ コ プ タ ー と 空 中 給 油 機 を 中 核
と す る 部 隊 で す 。 同 じ く 第 1 海 兵 航 空 団 の 下 で 、 戦 闘 機 を 中
核 と す る 部 隊 が 第 12 海 兵 航 空 群 で 、 こ れ は 山 口 県 の 岩 国 基 地 を 拠 点 に し て い ま す 。 大 型 ヘ リ を 中 核 と す る 第 24 海 兵 航 空 群 が 、 ハ ワ イ を 拠 点 に し て い ま す 。 第 3 海 兵 兵 站 群 は 、 整
備 、補 給 、輸 送 、医 療 、工 兵 支 援 な ど を 主 任 務 と す る 部 隊 で 、
拠 点 の キ ン ザ ー に は 、 在 沖 米 軍 の 食 料 な ど 補 給 物 資 が 貯 蔵 ・
管 理 さ れ て い ま す 」 と さ れ 、 第 3 海 兵 兵 站 群 に つ い て 在 日 海
兵 隊 HP で は 「 沖 縄 、 ハ ワ イ 、 日 本 本 土 に 点 在 す る 隷 下 部 隊 に 所 属 す る 約 6,800 名 の 海 兵 隊 員 と 海 軍 兵 か ら 成 り 、 戦 闘 兵 站 連 隊 、 後 方 支 援 、 物 資 供 給 、 整 備 、 土 木 工 事 、 医 療 、 歯 科
治 療 を 行 う 大 隊 で 構 成 さ れ て い ま す 」 と さ れ て い る 。
な お 、 標 準 的 な MEF の 定 員 は 約 5 万 人 で あ る が 、 ⅢMEF の 定 員 は 合 計 で 約 3 万 人 で あ り 、 約 6 割 に す ぎ な い 。 米 本 土
に 所 在 す る 2 個 の MEF が ほ ぼ 完 全 編 成 で あ る の に 対 し 、 Ⅲ
MEF は 主 要 部 隊 の 3 分 の 1 が 欠 け て い る こ と に な る 。 し た
32
れ ば 、 完 全 な 形 と な ら な い22。
以 上 の と お り 、 ⅢMEF が 沖 縄 に 配 備 さ れ て い る と い っ て も 、 司 令 部 ・ 陸 上 ・ 航 空 ・ 後 方 支 援 部 隊 は 、 海 外 も 含 め て 分
散 配 置 さ れ て い る も の で あ り 、 分 散 配 置 が 海 兵 隊 の 一 体 性 を
損 な う も の で な い 。 さ ら に 、 ⅢMEF は 主 要 部 隊 の 約 3 分 の 1 が 欠 け て お り 、 米 本 土 か ら の 増 援 を 得 て 完 全 な 形 と な る こ
と に な る 。こ の 分 散 配 置 等 が 可 能 で あ る こ と に つ い て は 、「 分
散 配 置 が な ぜ 可 能 な の か は 、 有 事 に お け る 部 隊 運 用 を 理 解 す
る 必 要 が あ る 。 現 在 太 平 洋 地 域 の 海 兵 隊 は 、 沖 縄 と ハ ワ イ に
ほ ぼ 同 じ 規 模 の 地 上・航 空・後 方 支 援 部 隊 が 配 置 さ れ て い る 。
そ し て 、 山 口 県 岩 国 基 地 に は 戦 闘 機 部 隊 が あ る 。 こ れ ら を 統
合 す る 司 令 部 が 沖 縄 に あ る 。 こ の 配 置 ・ 運 用 で 、 仮 に フ ィ リ
ピ ン へ 作 戦 展 開 す る 事 態 が 起 き た と す る 。 沖 縄 か ら 海 兵 隊 の
地 上 、 航 空 、 後 方 支 援 の 各 部 隊 が 現 地 に 急 行 す る 。 ハ ワ イ か
ら も 部 隊 を 急 派 す る 。 規 模 に よ っ て は カ リ フ ォ ル ニ ア か ら も
増 派 さ れ る 。 そ し て 沖 縄 の 司 令 部 が 現 地 で 各 部 隊 と 合 流 し 、
統 合 指 揮 す る 。 こ の よ う に 海 兵 隊 は 『 現 地 集 合 型 』 の 運 用 を
採 用 し て い る た め 、ど こ へ で も 迅 速 な 対 応 が 可 能 で あ る 」23と
の 説 明 も な さ れ て い る 。
c ま た 、MEU の 規 模 を 超 え る 海 兵 隊 が 紛 争 地 域 に 展 開 す る た め の 輸 送 手 段 と い う 点 か ら も 、MEU の 任 務 を 超 え る 大 規
22 山 口 昇「 日 本 に と っ て 米 海 兵 隊 の 意 義 と は 何 か ? 」谷 内 正 太 郎 編『 日 本
の 安 全 保 障 と 防 衛 政 策 』214 頁 参 照 。
23 屋 良 朝 博「 基 地 問 題 の 実 相 と 構 造 」島 袋 純 ・ 阿 部 裕 己 編『 沖 縄 が 問 う 日
33
模 紛 争 へ の 海 兵 隊 の 投 入 と い う 事 態 へ の 対 応 と い う こ と は 、
海 兵 隊 航 空 基 地 が 沖 縄 で な け れ ば な ら な い こ と の 根 拠 に は な
り え な い 。
す な わ ち 、 在 日 米 軍 の 揚 陸 艦 は 長 崎 県 ・ 佐 世 保 基 地 の4 隻 で あ り 、搭 載 可 能 兵 員 数 は 約 2000人 、す な わ ち MEU1 個 分 に す ぎ な い 。
マ イ ク ・ モ チ ヅ キ ( ジ ョ ー ジ ・ ワ シ ン ト ン 大 学 教 授 ) 、 マ
イ ケ ル・オ ハ ン ロ ン( ブ ル ッ キ ン グ ス 研 究 所 上 席 研 究 員 )「 沖
縄 と 太 平 洋 に お け る 米 海 兵 隊 の 将 来 」 沖 縄 県 知 事 公 室 地 域 安
全 政 策 課 調 査 ・ 研 究 班 編 『 変 化 す る 日 米 同 盟 と 沖 縄 の 役 割 』
か ら 引 用 す る と 、 「 海 兵 隊 が 地 域 の 有 事 に ど の よ う に 対 応 す
る か を 考 え る こ と が 重 要 で あ る 。 た と え ば 、 朝 鮮 半 島 で 再 び
紛 争 が 起 こ っ た と し て 、 そ の 勃 発 時 点 で 、 沖 縄 に 1 万 5,000 名 の 海 兵 隊 員 が い る と 仮 定 し よ う 。 海 兵 隊 員 は ど う や っ て 朝
鮮 半 島 に 赴 く の か ( 中 略 ) 海 兵 隊 が 車 両 や ヘ リ コ プ タ ー を 含
め 、 そ の 装 備 の 多 く ま た は す べ て を 携 え て 朝 鮮 半 島 に 赴 く と
な れ ば 、 こ と は は る か に 複 雑 で あ る 。 こ の 場 合 、 空 輸 は 非 現
実 的 で あ る ( 重 い 装 備 を 運 搬 で き る 飛 行 機 は 台 数 が 比 較 的 少
な く 、そ の 少 な い 飛 行 機 を1 万 5,000 名 の 海 兵 隊 の 移 動 に 限 ら ず 多 く の 目 的 の た め に 使 用 し な け れ ば な ら な い た め ) 。 ま
た 、 日 本 に 現 在 停 泊 し て い る 米 軍 揚 艦 は わ ず か 4隻 ( 九 州 の 佐 世 保 ) に す ぎ ず 、 そ れ ら を 合 わ せ た 積 載 能 力 は 海 兵 隊 員 約
2,000名 ( 第31 海 兵 遠 征 軍 の 人 員 数 ) 分 で あ る 。 こ の た め 、