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産業振興局 平成18年3月30日 堺市監査委員公表 第15号 堺市

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(1)

Ⅸ 産業振興局

1 地域総合整備資金貸付金

(1)制度の概要

地域総合整備資金貸付制度(通称ふるさと融資)は、総務省が創設した制度であり、 地方公共団体が金融機関等と共同して地域振興に資する民間事業活動等を支援し、活 力と魅力ある地域づくりの推進に寄与するため、民間事業者等に対し、地域総合整備 財団の支援を得て、貸付業務を行う制度である。この制度では、民間金融機関等の確 実な連帯保証人を付すことが義務付けられるが、無利子である。対象事業は、地方公 共団体が策定した地域振興民間能力活用事業計画に位置づけられた事業とされ、地域 の振興及び活性化につながるあらゆる分野の民間事業が含まれる。

この制度では、融資対象事業の必要金額の 80%以上は金融機関等による協調融資、 20%以内がふるさと融資となる。貸付方法としては、地域総合整備財団の審査の結果 に基づいて地方公共団体が融資を行うものであるが、地方公共団体は地域総合整備財 団と業務委託契約を締結し、貸付け及び回収の業務は地域総合整備財団が行っている。

なお、貸付原資は地方債で調達されるが、利子の 75%は地方交付税措置される。

(制度の仕組み)

( 注) 財団法人地域総合整備財団は、地方自治の充実強化のため、地方公共団体との緊密な連携の下に、 民間能力を活用した地域の総合的な振興及び整備に資する業務を行うとともに、地方公共団体が実 施する長期資金の融資業務を支援することにより、地域における民間事業活動等の積極的展開を図 り、もって活力と魅力ある地域づくりの推進に寄与することを目的として設立された財団法人であ る。

協調融資 地域総合整備財団

金融機関等

民間事業者 地方公共団体

貸付け 償還

金銭消費貸借契約 貸付事務委託契約

連帯保証契約

(2)

市においても、この制度を導入すべく、平成 11 年 4 月に堺市地域総合整備資金貸付 要綱が制定されている。

貸付申請及び貸付実績は、以下の 1 件のみであり、平成 16 年度においては、債権管 理業務のみが行われている。

貸付けの対象事業

堺・緑のミュージアム「ハーベストの丘」事業

事業目的:南部丘陵地域の自然環境を活かして、都市住民が農 業文化や自然にふれ、楽しむ場を提供する。

農産物の生産、加工、流通を一体化させた都市型農 業 の 展 開 に よ り 農 業 所 得 の 拡 大 と 雇 用 の 創 出 を 図 る。

運営法人:堺農業公園株式会社(以下、堺農業公園㈱という。) (出資割合:堺市70% J A 堺市15% 民間15%) 株式会社堺ファーム(以下、㈱堺ファームという。) (出資割合:民間98% 堺市1% J A 堺市1%) 事 業 費:約100億円(うち国庫補助対象事業費17.6億円)

(堺市 約50億円 ㈱堺ファーム 約50億円) 貸付けの相手先 ㈱堺ファーム (資本金 1億円)

貸付額 600,000千円

融資日 平成12年3月30日 償還方法

平成14年10月25日を第1回とし、平成26年4月25日まで 半年ごとに各25,000千円を分割返済

(2)根拠法令等

堺市地域総合整備資金貸付要綱

堺市地域総合整備資金貸付審査委員会要綱

(3)所管部署

産業振興局 農政部 農水産課

(4)貸付金の全般的状況

【表Ⅸ−1】直近 3 年間の状況 (単位:千円)

新規貸付 期末残高

年度 期首残高

件数 金額

回収

件数 金額

(3)

【表Ⅸ−2】直近 3 年間の回収状況 (単位:千円)

年度 調定額 収入済額 収入未済額 回収率

平成14年度 25,000 25,000 − 100.0% 平成15年度 50,000 50,000 − 100.0% 平成16年度 50,000 50,000 − 100.0%

(5)実施した監査の手続

① 貸付要綱が総務省の制度と整合して制定されているか、制定に関して市長の決裁が あるかを検証した。

② 貸付実行業務については、借入申込書のほか借入申請書類、審査に関する書類、貸 付決定通知書等関係書類を閲覧し、堺市地域総合整備資金貸付要綱及び堺市地域総合 整備資金貸付審査委員会要綱に準拠して審査及び貸付決定が行われているかを検討し た。

また、金銭消費貸借契約書、地域総合整備資金貸付事務委託契約証書、支払命令書 等関係書類を閲覧及び照合し、適切に貸付けが実行されたことを検証した。

③ 債権管理業務については、平成 16 年度における回収 50, 000 千円について収入金調 定伺書、領収済通知書及び債権整理簿を閲覧及び照合し、約定どおりに回収され、適 切に記帳されていることを検証した。

また、平成 16 年度の㈱堺ファームの決算報告書及び㈱堺ファームから提出される民 間金融機関等からの借入金の償還状況報告書を閲覧し、今後も約定どおりの回収が可 能であることを確認した。

④ 事業の目的に合致する効果が上がっているかを担当者に質問し、貸付対象事業と判 断したことが有効であったかを検討した。

(6)監査の結果及び意見

① 民間事業者の選定過程について

㈱堺ファームに貸付けを行うにあたっては、堺市地域総合整備資金貸付審査委員 会要綱に基づき、貸付対象事業としての適合性が審査されており、審査結果につい ても問題ないものと判断した。貸付決定に際しても、決裁権限者である市長の決裁 があり問題ない。また、堺・緑のミュージアム「ハーベストの丘」事業を展開する にあたり、民間事業者のノウハウ、経営企画力などを活用することにも問題はない と考えられる。

(4)

業者を対象に、事業展開の可能性や業務提携の考え方についてヒアリングを行って 評価した結果、株式会社ファームが適当と判断している内部資料の提示を受けたの みである。この資料における判断結果を受けて、株式会社ファームを選定すること について決裁を受けたとの説明を受けたが、起案等の決裁書類は提示されなかった。 公共性の高いプロジェクトであり、少なくとも貸付期間については、選定過程及び 選定理由を明確に説明できるよう決裁書類を保管しておくべきであったと考える。

② 回収可能性について

平成 16 年度の㈱堺ファームの決算報告書を閲覧する限り、利益は計上されており、 他の金融機関からの借入金も約定どおりに返済され、平成 17 年度における貸付金の 回収も約定どおり行われている。しかし、貸付申請時に提出された事業計画におけ る利益と比較すると、実績は大きく下回っている。既に述べたように、貸付けに際 しては、銀行保証が付いているため、資金繰りが悪化したとしても、貸付金が回収 不能となることはない。

ただし、堺・緑のミュージアム「ハーベストの丘」事業を継続していくという観 点からみると、㈱堺ファームの保有する部分の土地及び建物は金融機関の協調融資 の担保に供されており、仮に担保権が行使された場合には当初の事業目的どおりに 利用できなくなる可能性がある。当該土地は、市が売却したものであるが、転用さ れることを防ぐため、売買契約の締結に際し、再売買の条項を設けている。この条 項は、㈱堺ファームが抵当権を設定している金融機関に対する借入債務の返済を怠 った場合や、経営が破綻した場合等には、時価(ただし、当初売買価額を下限とす る。)により買戻すというものである。

今後、㈱堺ファームの財政状態が悪化したとしても、貸付けの回収可能性を確保 するために、追加貸付けや補助金等の支援を行わないこと、市の外郭団体である堺 農業公園㈱との取引を通じた間接的な支援も行わないとの説明を受けている。これ らの状況からみれば、貸付けの回収不能あるいは追加的コストは発生しないとはい え、上記の再売買の条項の履行を余儀なくされれば、資金負担が生じるので、㈱堺 ファームの事業及び収支状況について注視し、状況に応じた対策を協議し、講じて いく必要がある。

③ 事業の効果について

事業の目的は、既に述べたとおりであるが、㈱堺ファームの平成 17 年 7 月 1 日の 従業員数は、市民 134 人を含む 176 人であり、雇用創出には一定の効果が上がって いる。

(5)

特に兼業農家における農業所得の拡大に貢献している。

これらの効果は、堺農業公園㈱と㈱堺ファームが共同で生み出したものであるが、 特に集客は、民間事業者のノウハウの活用による部分が多く、民間事業者と共同で 事業を運営すること及び貸付対象事業と判断したことは有効であったと考えられる。

なお、入場者数は平成 16 年度は 436 千人であり、開園した平成 12 年度の 966 千 人から大幅に減少しているが、平成 16 年度末には、入園者増加に向けて、㈱堺ファ ームの資金負担で観覧車が設置される等の施策が講じられている。

上記のほかに、特記すべき事項は発見されなかった。

2 中小企業融資制度

(1)制度の概要

市内中小企業者の振興、育成を図るための市の融資制度であり、中小企業者が金融 機関から融資を受ける場合、その借入債務を財団法人堺市中小企業振興会(市による 全額出資)又は大阪府中小企業信用保証協会が保証することにより、物的人的担保の 不足を補い、また有利な条件での金融機関からの借入を容易にすることにより、これ ら中小企業者の金融の円滑化を図り、その健全な発展を助成するものである。なお、 当該貸付制度のうち堺市中小企業協同組合振興資金融資については、信用保証はなく、 市は融資の申込みの受付及び審査並びに決定等に関する事務を商工組合中央金庫に委 託している。

(6)

(制度の仕組み)

金銭消費貸借契約

融資斡旋

資金預託

担保設定 斡旋依頼

保証依頼 信用保証

平成 16 年度においては、13 種類の融資制度があり、各資金別の内容は、下記のと おりである。なお、当該貸付制度はすべて有利子(低利)であり、別途信用保証料を 徴収する。

資 金 名 資 金 使 途

大阪府信用保証協会保証融資

堺市中小企業振興資金融資(無担保) 運転資金、設備資金

堺市環境共生資金融資(無担保) 運 転 資金 、 設備 資 金( 公害防 止 措置 又は環 境 負荷 低減型設備を行う)

商工組合中央金庫融資

堺市中小企業協同組合振興資金融資 運転資金、設備資金、転貸資金

堺市中小企業振興会保証融資

堺市中小企業振興資金融資(有担保) 運転資金、設備資金

堺市環境共生資金融資(有担保) 運 転 資金 、 設備 資 金( 公害防 止 措置 又は環 境 負荷 低減型設備を行う)

堺市企業立地促進資金融資 企業立地に必要な運転資金、設備資金

金銭消費貸借契約

中小企業者 金融機関

大阪府信用保証協会 堺市中小企業振興会

堺市

商工組合中央金庫

(7)

堺 市 中小 企 業情 報 通信 技 術(IT) 活 用 支援 資 金融資(→平成17年度廃止)

運 転 資金 、 設備 資 金( パソコ ン やイ ンター ネ ット を活用し事業改革を図る)

堺市特産品振興資金融資(→平成17年度廃止) 設 備 近代 化 資金 、 新技 術導入 等 振興 会が認 め る資 金

堺市地域商業振興対策資金融資(→平成17年 度廃止)

大 型 店に 対 処、 又 は共 同の環 境 整備 等に必 要 な設 備資金又は運転資金

堺市新事業開拓支援資金融資 新事業開拓に必要な設備資金及び運転資金

堺市創業者支援資金融資 開業に必要な運転資金及び設備資金

堺市中小企業金融環境対応資金融資 運 転 資金 、 設備 資 金、 第二創 業 資金 、既住 借 入金 (振興会保証)の借換資金

堺市産学連携促進資金融資 経 済 産業 省 の補 助 金又 は委託 費 が支 払われ る まで

のつなぎ資金

(2)根拠法令等

堺市中小企業振興資金融資(無担保)要綱 堺市環境共生資金融資(無担保)要綱 堺市中小企業協同組合振興資金融資要綱 堺市中小企業振興会保証融資要綱等

(3)所管部署

産業振興局 商工部

(4)貸付金の全般的状況

① 貸付金(保証)の状況

【表Ⅸ−3】直近 3 年間の状況 (単位:千円)

新規貸付 期末残高

左記のうち、堺市中小 企業振興会保証残高

年度 期首残高

件数 金額

回収

件数 金額 件数 金額

平成14年度 12,168,882 223 4,074,838 4,340,930 951 11,902,790 752 10,614,799

平成15年度 11,902,790 221 3,910,579 4,008,373 959 11,804,996 810 10,922,373

平成16年度 11,804,996 210 3,902,080 3,750,866 973 11,956,210 844 10,969,371

(注)1.回収には、下記の代位弁済実行額を含めている。

(8)

② 代位弁済の状況

【表Ⅸ−4】直近 3 年間の状況 (単位:千円)

代位弁済 期末残高

年度 期首残高

件数 金額

回収 償却

件数 金額

平成14年度 225,725 13 196,226 48,635 27,653 22 345,663 平成15年度 345,663 14 254,690 242,718 12,389 24 345,245 平成16年度 345,245 18 295,451 97,148 − 38 543,548

(注)1.平成 13 年度以前における債権償却処理累計額は、7 件 74, 212 千円である。 (注)2.平成 13 年度以前における堺市損失補償累計額は、3 件 20, 638 千円である。

③ 求償権回収率の状況

【表Ⅸ−5】直近 3 年間の回収状況 (単位:千円)

年度 区分

代位弁済 実行額

回収額 残高 回収率

現年度 196,226 32,936 163,290 16.8% 過年度 225,725 43,351 182,373 7.0% 平成14年度

合計 421,951 76,288 345,663 11.5% 現年度 254,690 147,658 107,031 58.0% 過年度 345,663 107,449 238,214 27.5% 平成15年度

合計 600,353 255,107 345,245 40.4% 現年度 295,451 72,469 222,981 24.5% 過年度 345,245 24,679 320,566 7.1% 平成16年度

合計 640,696 97,148 543,548 15.2%

(注)1.現年度、過年度の区分については、財団法人堺市中小企業振興会事業報告書に基づいて いる。

(9)

④ 資金別貸付(保証)状況

【表Ⅸ−6】平成 16 年度資金別貸付状況 (単位:千円)

期末残高 期首残高

新規貸付 (保証)

回収

件数 金額

振興資金融資有担保 218,828 − 84,499 20 134,329

小規模企業資金融資有担保 7,222 − 1,866 2 5,356

環境共生資金融資有担保 − − − 0 −

企業立地促進資金融資 − − − 0 −

情報通信技術活用支援資金融資 − − − 0 −

特産品振興資金融資 − − − 0 −

地域商業振興対策資金融資 49,235 − 2,817 3 46,418

新事業開拓支援資金融資 3,082 − 238 1 2,844

創業者支援資金融資 115,992 − 37,716 18 78,276

創業者支援資金融資無担保 1,720 − 632 2 1,088

金融環境対応資金融資 3,171,851 3,370,770 805,763 320 5,736,858

産学連携促進資金融資 − − − 0 −

地域産業振興緊急対策資金融資 7,215,535 − 2,309,876 463 4,905,659

工場移転資金融資 36,727 − 11,004 1 25,723

工業ニューフロンティア育成資金融資 14,923 − 11,520 1 3,403

不況対策特別支援資金融資 87,258 − 57,841 13 29,417

財団保証計 10,922,373 3,370,770 3,323,772 844 10,969,371

振興資金融資無担保 100,263 26,613 63,439 62 63,437

環境共生資金融資無担保 − − − 0 −

公害防止施設資金融資 798 − 456 1 342

旧美原町中小企業融資制度 − 12,196 853 9 11,343

協会保証計 101,061 38,809 64,748 72 75,122

協同組合振興資金 781,562 492,501 362,346 57 911,717

合計 11,804,996 3,902,080 3,750,866 973 11,956,210

(5)実施した監査の手続

① 保証実行業務については、平成 16 年度の保証について、保証融資申込書、融資調査 書、債務保証付融資承諾書、貸付実行報告書等関係書類を閲覧及び照合し、堺市中小 企業振興会保証融資要綱に準拠して適切に保証の決定及び実施が行われていることを 検証した。また、保証実行に係る審査が適切に実行されていることを確かめた。 ② 保証管理業務については、保証台帳、返済計画書、貸付金返済報告書、返済遅延者

(10)

緯及び現状を担当者に質問し、延滞債権に対する把握、対応について検討した。 ③ 代位弁済実行業務については、事故報告書、代位弁済請求書、代位弁済金領収証等

を閲覧及び照合し、「財団法人堺市中小企業振興会保証融資の代位弁済請求手続につ いて」に準拠して適切に代位弁済の決定及び実施が行われていることを検証した。 ④ 求償権に係る債権管理業務については、代位弁済一覧表、個人別の管理ファイル等

の閲覧及び担当者への質問により、求償権に対する把握、対応について検討し、回収 業務が適切に行われていること及び求償権の債権管理状況を確認した。また、代位弁 済案件調書、保証実行時の融資調査書等を閲覧及び照合のうえ、代位弁済に至った経 緯及び現状を担当者に質問し、代位弁済実行債権の当初の保証行為の妥当性、審査内 容の適切性について検証した。

⑤ 金融機関への資金預託については、預託利率一覧表、預託残高状況表、預入支店別 預託明細、支出負担行為伺書等関係書類を閲覧及び照合し、適切に預託金の決定及び 実施が行われていることを検証した。

(6)監査の結果及び意見

① 保証審査の強化について

中小企業振興会における代位弁済の実行額はここ数年増加傾向にあり、代位弁済 実行に係る求償権については回収不能危険率は一般的に高いものと考えられる。平 成 16 年度に実行された代位弁済については、追加融資後に代位弁済が実行されてい るケースも散見され、保証実行に係る審査の在り方を見直し、代位弁済実行となる ような保証を行わないことが重要である。

現状、調査員による審査が融資調査書に基づき行われているが、審査項目は、事 業内容、営業基盤、損益状況(単年度のみ)、借入金の状況、資金用途、返済原資、 担保状況のみであり、損益予測及び事業計画等についての審査は行われていない。 しかし、このような損益予測及び事業計画等の裏づけのない返済原資がどれだけの 信頼性を持つものかは疑問であり、実際に返済原資を超える貸付けが見受けられ、 また、貸付けを実行した理由が明記されていないもの及び調査書の項目を埋めてい ないにも拘らず決裁されているものも見受けられた。さらに、過去に貸付けを実行 した貸付金の上乗せ又は借換え等、保証実行に係る審査が 2 回目のケースにおいて は、返済原資等の審査項目が減少されており、形式的かつ客観性に欠ける審査内容 となっている。すなわち、調査員は当該保証先の現状等を分析し十分理解している ものの、決定に至るまでの資料を作成及び保存しておらず、融資調査書(2 回目以 降は簡易版)のみ作成している。

(11)

千円との差額およそ 6, 400 千円が貸倒懸念債権となっている等、担保価値に重点を おいた審査のみでは不十分であると思われる。

今後は、保証実行マニュアルの強化を図るとともに、追加融資のケースにおいて も初回審査時から一定期間経過している場合には初回と同様の審査を行う必要があ る。また、毎月の返済予定額からみて回収が確実であるかにも重点を置いた審査と すべきであり、将来キャッシュフローに基づく貸付金額の算定が必要である。さら に、調査員は保証実行に至るまでの資料を作成し、保存する必要がある。

② 回収マニュアルについて

代位弁済実行時のマニュアルとして、「財団法人堺市中小企業振興会保証融資の 代位弁済請求手続について」は作成されているものの、求償権回収に関する事務取 扱要綱等の債権保全のための回収マニュアルが作成されていない。

回収に関する事務取扱要綱等の債権保全のための回収マニュアルを作成し、連帯 保証人への督促、強制執行等の実施に係る判断基準を設け、回収率を高めることが 望まれる。また、今後代位弁済が増加した場合には、債権回収業務を堺市中小企業 振興会で回収チームを編成、もしくは、アウトソーシングして回収業務の強化を図 ることが望まれる。

③ 資金預託について

ア.金融機関に対する資金預託は、融資原資の一部を低利で預託(預入)することに よって金融機関が一定のレートを確保できるようにするためのものである。通常は、 融資総額に応じて預託金を算出するが、堺市中小企業協同組合振興資金融資に係る 預託金は、融資総額に応じて算出されるのではなく、翌一年間の貸付額の予測に基 づく市と商工組合中央金庫の協議により決定される。

平成 16 年度における預託金額は、以下のとおりである。

【表Ⅸ−7】平成 16 年度の資金預託の状況 (単位:千円)

保証又は 貸付金額

預託金額 預託率

金融環境対応資金融資 5,736,858 1,520,000 26.5%

地域産業振興緊急対策資金融資 4,905,659 2,296,000 46.8%

協同組合振興資金 911,717 1,500,000 164.5% その他 401,976 204,000 50.7%

(注)1.預託率は、預託金額を保証又は貸付金額で除して算出している。

(12)

拠せずに適正な預託金額をはるかに上回る金額が預託されている。資金の有効的な 運用を行うためにも、融資総額に応じた預託金の設定を行う必要がある。

イ.資金預託に係る予算と預託金額の状況は、以下のとおりである。

【表Ⅸ−8】資金預託に係る予算と預託金額の状況 (単位:千円)

年度 予算金額 預託金額 予算消化率

平成14年度 7,294,000 6,344,000 87.0% 平成15年度 15,800,000 4,947,000 31.3% 平成16年度 16,000,000 5,520,000 34.5%

(注)1.予算消化率は、預託金額を予算金額で除して算出している。

平成 15 年度より中小企業金融環境対応資金制度が創設され、平成 15 年度及び平 成 16 年度においては、それぞれ 10, 000, 000 千円の予算設定が行われている。しか し、実際の資金預託は平成 15 年度で 376, 000 千円、平成 16 年度で 1, 520, 000 千円 であった。現状では予算と実績が大幅に乖離しているため、今後はより精度の高い 予算設定を行う必要がある。

④ 制度見直しについて

中小企業に係る 13 種類の融資制度において、現在、融資未実現により融資制度が 有効に機能していないものが見受けられる。平成 16 年度に関しては、堺市中小企業 振興会の保証制度で利用のあった制度は金融環境対応資金融資のみであった。

まず、中小企業融資に係る当該融資制度が周知されているかを検証するとともに、 当該融資制度の趣旨並びに管理コスト及び業務負担等を勘案のうえ、融資制度の抜 本的な見直しが必要と考えられる。

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