「核燃料サイクル」の現実から
「エネルギー基本計画」を検証する
シンポジウム 予定質問集
2014年 5 月 16 日版 阻止ネット
阿部知子衆議院議員の紹介で 5/8 に開催した事前ヒアリングでの質疑応答とその後に戴いた回答書 をありがとうございました。
今回(5/21)開催いたします標記シンポジウムでは、その質疑と回答を踏まえ、日本原燃(株)から も情報提供いただいたことから、以下のように質問を整理いたしました。口頭での説明をまとめてい ますので、表中データなどに誤りがあるかもしれません。もし、お気づきの点があれば、ご指摘くだ さい。
なお、シンポジウム会場では、30 分間の質問への回答時間と、その後の 55 分間の質疑応答を予定 いたしております。多数の参加者の理解を促進するために、できるだけ文書もしくは図表を付して、 ご回答いただけますようにお願いします。
日本原燃(株)六ヶ所再処理工場の全景(2010 年北から撮影、上が南で正門。写真 同社HPより)
Google地図では、
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1. 核燃料サイクルで扱う燃料の組成(資源エネルギー庁、原子力規制庁)
下図の核燃料サイクルにおいて、各段階で扱う燃料の組成についての下表の空欄を補ってください。
【新設問】
工程 核燃料 U235 U238 Pu 死の灰 備考
採鉱 ウラン鉱石 0.3~0.7% - -
製錬 天然ウラン 0.7% 99.3% - - イエローケーキ 濃縮 濃縮ウラン 3~5% 95~
97 - -
成型加工 ウラン燃料 3~5% 95~
97 - -
表面線量率 0.01mSv/h 程度 軽水炉発電 使用済み燃料 1% 95% 1% 3% 3%濃縮ウラン燃料を使って、
30GWD/tU の発熱後の場合
再処理 ウラン製品 1% 99% U 1gあたり
18,500Bq以下 製品の使用計画なし ウラン・プル
トニウム製品 50% 50% Pu 1444,000Bqgあたり以下
ガラス固化体 その他廃棄物 MOX加工 プルサーマル
用 MOX 燃料 91~96 4~9%
Pu 1gあたり
444,000Bq以下 表面線量率 1~10mSv/h 程 度
高速増殖炉用
MOX燃料 79~84 16~21 Pu 1444,000Bqgあたり以下
プルサーマル 使用済み燃料 再処理工場は未着工
高速増殖炉 使用済み燃料 再処理計画は未着工
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2. 日本の核燃料の保有量(資源エネルギー庁、原子力規制庁)
国内外に日本が所有する核燃料の総量把握は、エネルギー行政を進めるための一番の基礎資料です。 2012年 12 月 31 日現在の日本(日本の企業等を含む)が所有する核燃料の種類と量(トン単位)、 その所在(国外を含む)について、5/8 事前ヒアリングの回答として 2 つの公開資料を示してくださり ありがとうございました。これをこちらで整理したものを示します。
・下の表の空欄の部分について、統計資料をお示しください。
・それぞれの核燃料の市場取引価格の例をお示しください。
・IAEA の資料で国内の再処理施設が3カ所となっています。東海村と六ヶ所村の他にあるのでしょう か。
【5/8 事前ヒアリング質問番号 1.2、1.3】
【原子力規制庁から回答していただいた資料の原典】
・IAEA による「2012 年版保障措置声明」の公表及び我が国における保障措置活動の実施結果
http://www.nsr.go.jp/activity/hoshousochi/news/20130710_sir.html
・我が国のプルトニウム管理状況(2013 年 9 月 11 日内閣府原子力政策担当室)
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2013/siryo34/siryo1.pdf
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②原子炉等規制法上の規制区分別内訳(2012 年 12 月 31 日現在、( )内は 2011 年 12 月 31 日現在)
核燃料物質 の区分注 1 NU天然
ウラン (t)
DU 劣化 ウラン
(t) EU
濃縮ウラン
(加工済み燃料と 使用中燃料を含む)
使用済み燃料 再処理製品
(加工仕掛品を含む)
MOX燃料
(加工仕掛品を含む)
Th トリウ ム
(t)
原子炉等
の規制区分 施設数 U (t) うちU-
235(t)
U (t) うち U- 235(t)
Pu (kg) 回収ウラン (t)
分離
Pu (kg) うち核分裂性 Pu (kg)
Pu (kg) うち 核分裂性 Pu (kg)
製錬 0
(0) - - - - - - - - - -
加工 5
(5)
531 (559)
11,425 (11,39 5)
1,565 (1,690)
64
(69) (-)-
0 (0) 原子炉 81
(81)
473 (476)
3,334 (3,310)
16,743 (16,26 2)
366
(344) 左に含む 約 14,000
左に含 む
139,16 4 (138,7 88)
1,568 (1,568)
1,136 (1,136)
0 (0)
貯蔵 0
(0) - - - - - -
再処理 3
(3)
2 (2)
592 (568)
3,449 (3,398)
32 (32)
30,968 (30,22 8)
4,363 (4,364)
2,846 (2,847)
0 (0) MOX
加工 (1)1 (1,941)1,939 (1,422)1,424
廃棄 0
(0) - - - - - -
使用 209 (208)
120 (120)
238 (241)
49 (49)
1 (1)
3,447
(3,447) 約 400
4 (4)
国際規制物資
使用者注 2 1637(143 7)
0 (0)
0 (0)
0 (0) 国内合計
注 3
1936 (173 5)
1,127 (1,157)
15,590 (15,51 4)
18,357 (18,00 2)
431 (415)
173,58 0 (172,4 63)
5 (5)
海外 34,946 23,277
(34,95 9)
(23,30 8) 市場価格
(万円/t) 約 80
注 1 原子力基本法及び核燃料物質、核原料物質、原子炉及び放射線の定義に関する政令の規定に基づいて区分し、その合計量を記載している。 (数値表記「-」については在庫を保有していない。「0」については 0.5 未満の在庫を保有している。)
注 2 原子炉等規制法第 61 条の 3 第 1 項に基づき核燃料物質の使用の許可を受けた者。 注 3 四捨五入の関係により、合計が一致しない場合がある。
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3. 設計値での放射性廃棄物(原子力規制庁)
六ヶ所再処理工場の設計値での放射性廃棄物の放出量について、ご説明ください。 また、その影響による環境中の放射性物質濃度の変化の推定量について、ご説明ください。
【5/8 事前ヒアリング質問番号 2.1】
4. アクティブ試験での再処理(日本原燃(株)の回答)
これまでのアクティブ試験での使用済み燃料の総処理量と、製品と廃棄物の物質収支について整理 してご説明ください。
【原燃 PR センター 5/10 回答内容】
・毎月の実績を定期的にホームページで数値を公表しています。
・2014 年3月末までのアクティブ試験での処理量は、使用済み燃料 425 tウランで、 ウラン酸化物製品 364 tウラン、ウラン・プルトニウム混合酸化物製品 6656kg、 ガラス固化体 346 本でした。
・2013 年度の大気排出廃棄物は、トリチウム 1400 億 Bq、14C 230億 Bq
・2013 年度の液体排出廃棄物は、トリチウム 580 億 Bq、129I 890億 Bq
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5. アクティブ試験の実績(原子力規制庁)
六ヶ所再処理工場のアクティブ試験による環境中の放射性物質濃度の変化についてご説明ください。
【5/8 事前ヒアリング質問番号 2.2】
6. 日本原燃(株)の貸借対照表(資源エネルギー庁)
日本原燃(株)の会社概況書に記載の財務諸表等について、ご説明ください。とくに核燃料の価格と再 処理受託費について説明をお願いします。
資源エネルギー庁は、再処理費用の前受金を運転資金に使用することについて許可をする官庁であ るので、日本原燃(株)の財務状況について責任を負っているので、説明を求めます。
・再処理の受託費用は、トン当たりいくら位になる予定ですか。
日本原燃(株)の説明では、「電力会社との役務基本契約にのっとり請求することになります。再処理 に要した費用を賄うことになっており、稼働後 40 年間で 3.2 万トンウラン(3.2 万トンウラン?) の使用済み燃料を再処理して、その費用試算は 11 兆円(12兆円?)とされています。割り算すると、 ウラントンあたり 3 億 7200 万円(3 億 7500 万円?)になります。これを依頼者である電力会社に 請求することになります。」とのことでしたが、資源エネルギー庁としてご確認ください。
・この数年の日本原燃(株)の売り上げは毎年約 3000 億円で、そのほとんどが再処理事業です。実際に 再処理を行っていないにもかかわらず、2 千数百万円の再処理受託前受金が収入となって日本原燃 (株)の経理を支えています。それが 10 年以上に渡って累計し総額 3 兆円を超える額になっていて、 将来実施する再処理費用と相殺されることになるため実質的な負債ですが、これが会社概況書の貸 借対照表内には記載されず、注のところに記載があるだけになっている理由について説明してくだ さい。
【5/8 事前ヒアリング質問番号 1.5】
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7. プルトニウム燃料の利用計画(資源エネルギー庁) プルトニウム燃料の利用計画について、
・1990 年、2000 年、2010 年、現時点での 4 つの時点の計画を列記して、それぞれの進捗状況につ いて原子力委員会の評価結果を説明してください。
・現有するプルトニウムを全量使い切る予定の年はいつですか。
・実際に利用計画は、単なる絵に描いた餅になっているのではないか?検証して報告をください。
【5/8 事前ヒアリング質問番号 1.8】
8. ウラン燃料と MOX 燃料の価格差(資源エネルギー庁)
原発を運転する電力会社にとって、ウラン燃料を使用する場合のランニングコストと、MOX 燃料を 使用する場合のランニングコストは、どのような金額になり、どちらが格安ですか。
原発のランニングコストの試算のなかで、ウラン燃料と MOX 燃料の場合のコスト計算を当然してい るはずなので、資料を探して報告してください。
【5/8 事前ヒアリング質問番号 1.8】
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9. 再処理によるウラン酸化物製品(資源エネルギー庁)
再処理によるウラン酸化物製品は、製品ウラン 1 gあたり 18500Bq 以下の核分裂生成物(死の灰)を 含有しているために取扱いが難しく、ウラン 235 含有量が 1%と天然ウランの 0.7%よりも高品質な のに、核燃料としての利用計画が全くありません。
これは製品ではなくて、実質的には核廃棄物ではありませんか。
【5/8 事前ヒアリング質問番号 1.10】
10. 再処理によるウラン・プルトニウム混合酸化物製品(資源エネルギー庁、原子力規制庁)
MOX燃料は、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを加工して作りますが、そのプルトニウ ムには核分裂生成物(死の灰)が 1 gあたり 444,000Bq 以下の濃度で含まれます。
そのため、普通のウラン燃料の表面線量率が 0.01mSv/h 程度であるのに比べて、MOX 燃料は 1~ 10mSv/h程度もの高い表面線量率があり、核燃料を取り扱う作業者を被曝させます。
・ それでも MOX 燃料を使う価値がありますか?
【5/8 事前ヒアリング質問番号 1.11】
11. 事業者評価の仮想事故(原子力規制庁)
六ヶ所再処理工場の仮想事故を検討したなかで、最も過酷な結果になった事例について、
・ 仮想した事故内容
・ 環境に放出する放射能の種類と量
・ 一般公衆の被曝線量の見積もり
・ 一般公衆の集団線量
【5/8 事前ヒアリング質問番号 2.5】
12. 全国の原発サイトにある使用済み燃料(資源エネルギー庁)
全国の原発サイトや再処理工場、中間貯蔵施設にある使用済み燃料の保管量、保管用プールの容量 と充足率について、ご説明ください。 【5/8 事前ヒアリング質問番号 3.1】
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13. 六ヶ所再処理工場の使用済み燃料プール(原子力規制委員会)
・使用済み燃料プールの水質を保つために常に循環式のフィルターで浄化していますが、トリチウム については捕集していないと考えられます。使用済み燃料の受け入れ開始時から、約 3000 トンの 使用済み燃料を受け入れた現在までの、プール水のトリチウム濃度変化について、ご説明ください。
・この使用済み燃料プールには、約 2300 トンの水がありますが、現在のトリチウム総量として何ベ クレルになりますか。
・想定外の事象により、全量の水が漏れた時の周辺環境の放射能汚染状況について、ご説明ください。
・プールの水の冷却装置が停止した場合、沸騰するまで 20 日間、沸騰して使用済み燃料が露出するま でに更に 100 日間かかると試算されています。しかし、想定外の事象により物理的な配置に変形が くわえられて臨界状態になった場合、冷却能力を保つことができますか。
【5/8 事前ヒアリング質問番号 3.1】
14. 日本原燃(株)の避難計画(原子力規制庁)
東通原発から 30km 圏内にある日本原燃(株)の施設に避難指示があった場合の従業員等の避難計画 について、日本原燃(株)は「保安に必要な人数以外は避難することになっています。」と説明していま す。しかし、周辺の空間線量率が 100μSv/h を超えるような状況になった場合、必要な人員が再処理 工場施設内に留まることができるかどうかについて、ご説明ください。
【5/8 事前ヒアリング質問番号 5.3】
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15. 核燃料サイクル事業の意義(資源エネルギー庁)
核燃料サイクル事業を推進する意義について、電気事業連合会の HP に簡潔な説明が公開されており、 5/8事前ヒアリングのお答えと一致しています。このことについて、
・高速増殖炉(FBR)燃料サイクルの実現見込みはどのようになっていますか。
・軽水炉で MOX 燃料を使用するプルサーマルで節約できるウラン燃料はどのくらいですか。
・使用する計画のない回収ウラン(酸化ウラン製品)は、結局、放射性廃棄物と同様の管理が必要に なるのではありませんか。
・回収したプルトニウムを核燃料として再び原子炉で燃やした場合、その使用済み燃料は再び放射性 廃棄物となるのではありませんか。
・プルトニウムの利用計画は、机上の空論になっていませんか。
【5/8 事前ヒアリング質問番号 1.1】
【電気事業連合会の HP より】
原子燃料サイクルは、原子力発電の特長を生かすものであり、以下の利点があります。
■ 日本のエネルギー・セキュリティを高める
日本はエネルギー自給率が極めて低く、エネルギー資源の約 96%を海外からの輸入に依存しています。ウランも全量を海外からの輸 入に頼っていますが、カナダやオーストラリアなど比較的政情の安定した国から輸入されており、埋蔵量も世界に分散されていること から、石油より供給の安定性にすぐれたエネルギー源です。原子燃料サイクルを確立することで、ウランを輸入する量が減少するため、 供給安定性がさらに強化されます。
■ 高レベル廃棄物の発生量を減少させる
使用済燃料を直接処分する場合(ワンス・スルー)は、使用済燃料全部を高レベル放射性廃棄物として処分しなければなりません。こ れに対し、再処理を行うと、高レベル放射性廃棄物の量を減らすことができ、放射能の影響度合いを 10 分の 1 程度に低減させること が可能となり、放射性廃棄物の処分に関する負担も軽減されます。
■ 余剰プルトニウムをもたない
「原子力の利用は平和利用に限る」とする日本は、余剰のプルトニウムをもたないことを国際的に表明しています。原子力発電によっ て生成されたプルトニウムを再び原子燃料として利用する原子燃料サイクルは、プルトニウムの消費においても非常に大きな意義があ ります。
なお、核物質の核兵器への転用を防止するための国際的な条約として核不拡散条約(NPT)があり、国連の下部組織である国際原子力 機関(IAEA)が、原子力発電所や再処理工場などの原子力施設の査察を実施し、原子力が平和目的以外に利用されていないかを チェックしています。
【資源エネルギー庁 5/8 事前ヒアリング資料】
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