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途上国における初等教育普及問題

伊倉・植村・近藤・田中・湯浅・三義 1. 概要 - マクロデータから分かった初等教育の現状(担当:田中)

20009月ニューヨークで行われた国連ミレニアムサミットにて掲げられた国際社会共 通の問題を解決させる為に設定された目標、通称「ミレニアム開発目標(以下MGDs)」と呼 ばれるものの中から私達は「初等教育の完全普及の達成」にフォーカスを当てる、それに あたりまず前提として初等教育の必要性を論じ、その後このレポートの流れをまとめる。

なぜ初等教育がなされるべきなのかその理由は大きく分けて2つある。まず1つ目に識字 率の改善である、その理由は字が読めることにより収入の多い仕事へ就くことが出来るし、 自らの法的立場やそれを行使する能力が付き将来の活躍の幅が広がるのである。(1)12つ 目は経済発展であり、世界銀行の調査では、初等教育を4年間受けた農民は教育を全く受 けてない農民と比べ8.7%高い農業生産性が見られたと言うデータがある。(※2)そういった 理由から初等教育の完全普及が重要視され、MDGsにおいても項目の1つとして盛り込まれ たのである。

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上図1を見るとわかるように2000年のMGDs以降、低所得者層の数値がそれまで横ば いで推移し続けてきた状態が急激に改善され始めた事がわかる、一見するとMDGsの達成 が目前のように思われるがそこには依然として様々な問題が存在する、このレポートにお いてはジェンダーによる差別、児童労働の存在、3T(Teacher, Text book, Teaching room) 不足、子供兵の問題を挙げる。そしてそれらに対する政府およびNGO、国際機関で行われ ている解決へ向けての取り組みを紹介し、そこから見えてきた課題を踏まえ、新しい政策 (1)アマルティア・セン「人間の安全保障」

(2)広田政一著「教育と経済発展」http://home.hiroshima-u.ac.jp/cice/hirota.PDF 0

20 40 60 80 100

1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010

所得別初等学校入学率

低所得国 高所得国 世界

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の提言を行う。そして最終的にMDGsに定められた「2015年までに全ての子どもが男女の 区別なく初等教育の全課程を修了できるようにする。」というゴールへの到達のためにす べき事、そこから見えてきた結論を導きだす。

2.児童労働(担当:植村)

児童労働の定義は就業最低年齢を定めたILO138条と、最悪の形態の児童労働条約182条 によって規定されおり、「心身の健康な成長と健康を妨げる有害活教育の機会を奪う労働」 をしている者を指す。

① 児童労働の推移と実態

ILO(国際労働機関)の調べによると(図1)、ミレニアム開発目標の始まった 2000 年は 児童労働者数が24600万人だったのが2008年には21500万人と全体で13%減少し た。初等教育を受ける年齢である「514歳」の数は8年間で18%減少した。

また地域別の児童労働者数の割合(図2)は2004年からの4年間でサハラ以南アフリカを 除いて削減することができた。しかし先にも述べたように、サハラ以南アフリカでは2%上 昇し約5800万人となり4人に1人の子供が労働をしている計算となる。児童労働者の絶対 数ではアジア太平洋地域が最も多く約9600万人と推計され、8人に1人の割合となってい る。部門別で見れば、途上国の産業構造を反映して70%が農業に従事している。続いてサ ービス業、卸売業、製造業となっている。

② 児童労働の原因

児童労働が生まれる要因は様々なことが考えられる。中でも最大の原因が貧困である。貧 困世帯は子供が労働で得た収入を家計の足しにしている場合が多い。その為教育を受ける 機会が奪われ、大人になってからも得られる期待収入は低くなってしまう。また教育に価 値を見い出せない親がその子供を働かせるため、貧困が世代を超えて繰り返される悪循環 を引き起こす。そして災害や紛争、国ごとの文化的要因、さらには縫い物に適した小さな 手を持つ子供ならではの特殊性など多くのことが複雑に絡んで生じている。

③ 児童労働削減に向けて

ILO は「児童労働撤廃国際計画」という技術プログラムを策定し、その国の政府や使用者 団体、NGOなどと協定を結び技術協力を行なっている。バングラディッシュでの「児童労 働の監視と社会復帰」を特徴とするプログラムでは子供を使用していた工場を大幅に削減 することに成功した。また、国際NGOは各国の利害関係にとらわれず柔軟に活動できる点 で機動的な取り組みが行われている。CARE という団体は教育機会を提供するため、施設 の設置、教員の研修、文房具の配布などを行い多くの子どもが就学することができた。

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3.男女格差改善に向けて(担当:三義)

現在も世界の68ヶ国において初等教育におけるジェンダー格差は改善されておらず、そ の内60ヶ国では女子の方が就学率が低くなっている。なぜ多くの途上国で女子の就学率が 低いのだろうか。親が自分の娘を学校に通わせようとする意思が乏しいこと、家の手伝い(中 でも弟、妹の面倒)を任されていること等が原因として挙げられる。親の意思が乏しい要因 は、途上国社会に深刻な男女差別の問題が存在しているためでもある。それは、学校に行 かせたとしても将来安定した元に就職ができる保障が男子よりも女子の方が少ないからで ある。そのため同じ家族間であっても、親は男子には教育投資をしようとするが、女子に 対してはそのインセンティブが低いのである。女子は将来結婚して他家に行ってしまうか らと養育費を払うのを拒む親も少なくない。

それでは、男女格差を改善していくために実際にどのような取り組みが行われているの だろうか。取り組みのもとになっているのがユネスコ、ユニセフ、世界銀行が中心となり 掲げた「国際女子教育イニシアティブ(UNGEI)」というものである。これは各国政府、国 際機関、援助ドナー、NGO 等のMDGs を達成するためのパートナーを包含するのに大き な役割を果たしている。そこで、実際にアジア最貧国の一つであるネパールで行われた具 体的な事例を紹介する。

2011 年に行われたユニセフのアドボカシー(政策提言)を受けネパール政府が教育改革の 一環として教員規制を修正し、教職の 45%を女性やその他の不利な状況にある人々のため に確保した。また教育省も、女子が学校に通う前提条件となることの多い、女子用トイレ の設置に多くの予算を振り分けることに同意した。これに伴い全国的に見て、男子と女子 も使うのに適した手洗い場やトイレが十分に整った学校の割合は、この1年でだけで34% から45%に上昇した。

一方で、MDGs達成のための課題も世界にはまだ残されている。例えば南スーダンでは、 教師の多くがボランティアで、教師の確保や教育の質の改善が求められている。女性教師 の積極的な採用もさらに進めていく必要がある。冒頭にも述べたが、男女格差の改善が進 んでいない国は依然多い。共通の枠組みの中で各国に対応した対策を講じていくためには、

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UNGEIにおける個々の主体がより一層の連携を図っていくことが必要不可欠なのである。

4.3T問題

初等教育の就学率を妨げている要因として、3T不足や途中で学校を辞めてしまうといっ た問題がある。前者の3T不足の問題は、人口増加が顕著であるアジア・アフリカの発展 途上国において特に起こっている。ここでは、フィリピンを例にとって二つの問題を述べ ていきたい。

はじめに、フィリピンの教育制度について話しておく。現在フィリピンでは、初等教育 6 年、中等教育4年、高等教育4年の644制であり、義務教育は初等教育の6年間であ る。授業は無料で就学率は90%と高く、発展途上国としては法制度的にも整備されている。 一方で、人口増加に伴う教室や教科書の不足、教員不足などによる基礎学力の低下、貧困 などによる生徒中退の増加など、実に多くの課題も抱えている。

では、第一に3T不足の問題について言及する。人口増加が続く中、教育省によると公立 学校では,教師の数が約44,000 人不足している。また,教室も昨年約6,000 の教室を 建設したにも関わらず,なお25,000室以上が必要という厳しい状況である。教育省で は 1 クラスを 56 人以下にし,図書室や実験室などを活用しているものの,それでもまだ 足りず野外授業を行っている状況である。また,教科書は1 冊につき生徒8 人という,ほ とんど教科書をまともに見ることができない。

第二に中退に関する問題を説明する。義務教育で授業料は無償とはいえ、制服代や備品 購入のための寄付などの出費があり、家庭の収入が安定して確保できない場合や親が失業 した場合などには、通学をあきらめなければならなくなってしまう。現在、フィリピンの 就学率は小学校96%、中学校65%に対して、卒業率は小学校68%、中学校50%しかない。 つまり、小学校に入学して卒業する割合は10人に7人、中学校では2人に1人という状況 だ。

以上の問題点の解決に繋がると考えられる活動を行っているCAREというNGO団体があ る。CARE は以下の活動を打ち出し、5 年間の支援プロジェクトを行っている。(1)学校へ のアクセスが限られた山岳地域の遠隔部において、住民宅の一室やモスクなどのスペース を活用して、85の学習教室を設置する。(2)初等教育就学年齢の子ども約2,550人に教育の 機会を提供する。また、全ての生徒に必要なノートや鉛筆等の文具に加えて、学年ごとの 教科書などの配布を行う。(3)教師への研修を実施教師は教育に熱心な人を地域住民ととも に地域から選出する。しかし、支援活動は全て良いものだということはできない。援助に 頼りすぎによる、自立性を喪失してしまう可能性がある。自分達の国内でどうにかしよう という考えが起こらなくなることが懸念される。そして、長期的なプログラムでない為プ ロジェクトが終了した後のフォローがない。そのため、支援で作り上げた教育制度を維持 することが難しい。これからの課題としては、支援プロジェクトをその当事国の政府と一 緒に作り上げ、プロジェクト終了後も教育体制を維持できるようなアフターケアを考えて

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いく必要があるだろう。

5.子ども兵

(担当:近藤)

ここでは、初等教育を受けない子どもがいる原因を兵士として戦場で戦っているからで あると考える。そこで、子ども兵の実態やその要因、そして、それに対する世界の動きと それに関する問題を述べていく。私は、子どもを兵士にさせない一番の対策は、子どもを 武装集団に取られる前に救うことであると考える。

2013 年現在において、世界には約 30 万人以上の 18 歳未満の子どもが戦地へ赴き、約 50万人以上が軍務に関わっていると言われている。紛争地域でよく見られ、サハラ以南の アフリカ地域で最も多く、全体の40%に至っていると考えられている。男子は兵士となっ て実際に戦闘に加わり、女子は兵士の褒美として宛がわれて妻にされたり、レイプされる 日常を送ったりしている。こうして無理矢理妻にされた女子はChild Motherと呼ばれてい る。

なぜ、大人ではなく子どもが紛争や戦争で活躍してしまっているのか。理由として3つ があげられる。第一に、小型兵器の登場である。小型兵器が登場するまでの武器としては 剣や槍などがあげられ、大型兵器としては戦車や戦闘機などがあげられる。こうした武器 は大きくて重いため、子どもが扱えるようなものではなかった。また、子どもでは戦車や 戦闘機の操縦はできないであろう。しかし、近年登場した銃はそうした観念を覆した。誕 生当初は大きかった銃だが、時代が流れるにつれて小型化・操作の簡素化がされ、遂に子 どもでも扱えるようになってしまったのである。

第二に、大人よりも子どもの方が使い勝手が良いからである。なによりも、身寄りのな い大人を拉致するよりも、身寄りのない子どもを拉致する方が容易である。なぜなら、大 人は社会を見渡しながら生きてきたため、自分が兵士にされて戦場へ行かなければならな くなることが分かるからである。一方、子どもはそうしたことに無知であり、加えて、好 奇心旺盛である。だから、子どもを兵士にしたいと企む集団にとって、これほど容易く洗 脳できる者は存在せず、訓練によって簡単に戦力を調達することができるのである。

第三に、子どもがそうしないと生きていけないという現状がある。親も身寄りもいない 中で生きていく手段として、子ども自らが兵士に志願して働いて生きているのである。つ まり、幼い頃から職業を持たなければ生きていけず、その職業選択のひとつとして兵士が あげられるのである。

兵士にされた子ども達は、洗脳のための麻薬漬け・戦地での殺害、略奪・レイプを日常 的に受けている。だから、次第に「人間」が崩壊し、モラルや自己を失っていくのである。 そうした子ども達を社会復帰させることは難しく、社会やグループの枠組みからも外され てしまうのである。

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こうした中、2000年に『子どもの権利条約選択議定書』が採択された。これは「武力紛 争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書」である。これによ り、子どもの売買・売春・ポルノが禁止された。また、子ども兵も全面的に禁止にされ、 戦争犯罪として位置づけられるようになったのである。しかし、紛争地域では国家政府自 体が子どもを兵士に雇っている問題があるため、採択しても各国家政府に理解されなけれ ば意味がないのである。つまり、国家政府のガバナンスの改善が必要なのである。

子どもを戦争の世界から救った後は、リハビリテーション施設に連れていかれて治療が 行われる。ここで、怪我や精神のケアやカウセリング・ディスカッションなどが実施され、 紛争によって壊れた心を治していく。また、社会復帰に向けて、食費や医療費の支援、職 業・識字・計算スキルの訓練、ビジネス教育なども執り行われる。しかし、対象が人間の 心や知識などであるため、膨大な資金があればあるほど改善されるわけではなく、多くの 施設があればあるほど改善されるわけでもないのである。加えて、洗脳や壊れた心を治療 するのは難しく、子どもの再教育・社会復帰は至難の業であり、何十年の月日を要するこ ともあるのである。

これより、子どもを兵士にさせないようにする手段が必要であることが考えられる。子 どもを兵士にさせてしまったら、救い出すことに成功しても、そのリハビリや再教育に時 間がかかってしまう。そのために国家政府が動いてほしいのだが、国家政府自体が子ども を兵士にしてしまっている現状がある。最後に行き着くのは家族やコミュニティーであろ う。現場にいるひとりひとりが子ども達を守っていかなければならない。世界各国も放っ ておかず、紛争地域の早期解決など、子どもを兵士にしてしまう原因を無くす努力をしな ければならないと考える。

6,結論・提案(担当:伊倉)

本稿では、MDGsが課題とする、途上国における初等教育の就学率の低さについて (1) 児童労働、(2)ジェンダー問題、(3)3T不足と中退、(4)子供兵の4方向から原因と解決策 を調査した。本節では、これら調査のそれぞれの総括と、そこから考え得る一つの可能 性として奨学金貸与事業の提案を行う。

(1)児童労働の節では、児童労働者数は近年減少傾向にあるがサブサハラアフリカでは 寧ろ増加傾向にあることが示され、児童労働発生の要因として、低い所得水準やそれに 起因する教育に対する意識の低さなどが挙げられた。それらに対するILOと国際NGO の取り組みを紹介した。

(2)ジェンダー問題では、初等教育における男女格差についてまとめ、要因として女性 雇用の条件の悪さを挙げた。また取組として、UNGEIを取り上げた。

(3)3T不足・中退問題では、フィリピンを例にとり、3T不足の現状と中退の多さにつ いて触れたあと、NGO CAREの活動について述べた。

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(4)子供兵では、紛争に兵士として参加する子供の問題を取り上げ、子供が兵士となる 原因について述べた後、子供の紛争参加を抑止する国際的取組と、既に兵士となった子 供のリハビリテーション等を通した社会復帰策についてまとめた。

以上4つの観点から初等教育を見た時に、初等教育普及の妨げとなっている要因を大 きく分けると、貧困、社会的男女差別、紛争である事がわかる。この内、貧困問題によ る初等教育就学率の向上策として、本節では奨学金貸与事業を提案する。奨学金貸与事 業は、名前の通り奨学金を家庭か児童本人に貸与し、卒業後利子付きで返還をさせる物 である。この金利分が収益となる。

奨学金貸与事業は、教育支援自体を営利事業化する事で、支援に頼ることなく自律し た教育システムの実現を図るものである。この奨学金貸与事業の最も独自な点は、この 営利性を持つ点である。政府以外の主体からの支援は期限・予算といった制約を超えて しまえば止まってしまう。これでは恒久的な自律した教育システムとならないため、外 部に頼らずに持続可能な形で教育費を支援する仕組みが必要と考えられる。営利化し資 金を自己調達する仕組みであれば、外部に頼る必要がないため、これが実現可能となる。

勿論デメリットは多い。第一に、親が拒否もしくは居ない場合に、児童本人に貸与す ることになり、10歳前後の児童に事実上の借金を背負わせてしまう点である。初等教育 であるため、未成年への奨学金貸与となり倫理的に疑問が残る。第二に、返済不履行の 可能性である。返済額は多額で期間が長期に渡るため、コストの面から監視が困難であ る。また、将来的に教育を受けた奨学生が転居する可能性も十分考えられ、その場合マ イクロファイナンスのような地域毎の連帯保証制度が難しくなる。これらの要因により、 逆選択の状態に陥り、事業が成立しなくなる可能性もある。よって地域に縛られない返 済方法を考える必要がある。第三に、事業としての採算性の問題である。まず初等教育 を受けた奨学生が、一定ラインの所得まで到達するかという点で、そもそも事業を始め る段階で非常にリスクの高い投資となる。リスクヘッジの為により多くの奨学生を対象 にする、または厳格な審査を行おうとすると、初期資金が非常に膨大となり、新規参入 が困難となる可能性がある。また、貸与・返還サイクルが長期にわたり、そのコスト回 収の為に利子が高くなる可能性もある。ただし高利子という点については、マイクロフ ァイナンスと同様、法外な高利貸しより安全で経済的であり、直接に大きな問題とはな らないと考えられる。

しかしこのようなデメリットはあるものの、それを踏まえてもメリットが大きい。第 一に、なんといっても教育費の問題が解決し、教育を受けられるようになる児童が大幅 に増える事である。第二に、営利性を持つ事業である為、採算が取れる限り持続可能で ある点である。この外部支援に頼らずとも国内だけで運営可能である点は、この事業の 最も優れた点である。第三に、教育の質の向上効果である。返還には当該児童が卒業後 一定の収入を得るようにする必要がある為、事業者には教育の質を向上させる方向にプ レッシャーがかかる。これにより定期的な視察等、教育機関への監視効果が期待できる。

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第四に、市場形成の可能性である。この事業は、十分な資本と人員さえ揃えば始められ る為、新規参入が可能である。事業者が増加し、市場を形成すれば、競争によるさらな る教育の質の向上も見込める。

以上の奨学金貸与事業の提案は、初等教育就学率上昇の対策案の一つの例であり、現 実の初等教育就学率の低さは、様々な要因が関係し合う複雑な問題である。よって、い かに児童に初等教育を受けさせるかについては更なる議論が必要である。この提案が更 なる議論を喚起することとなる事を期待する。

7.参考文献1

アマルティア・セン「人間の安全保障」

広田政一著「教育と経済発展」http://home.hiroshima-u.ac.jp/cice/hirota.PDF 第3

EFAグローバルモニタリングレポート2012

(http://www.jica.go.jp/activities/issues/education/ku57pq000011uucz-att/GMR201 2_01.pdf)

菅野琴「ネパールにおける女子の基礎教育参加の課題」

(http://www.igs.ocha.ac.jp/igs/IGS_publication/journal/11/jenda_1_kayano.pdf) ユニセフ年次報告2007(http://www.unicef.or.jp/library/pdf/nenji07_3.pdf)

ユニセフ年次報告2011 (http://www.unicef.or.jp/library/pdf/2011/nenji11_all.pdf) 第4

NGO団体 CARE http://www.careintjp.org/

清水静海 「フィリピン理数科教師訓練センタープロジェクト」20025

杉木明子「北部ウガンダにおける紛争と子ども兵士問題―現状と今後の課題―」

『神戸学院法学』第36巻第2号(200612月)

小野圭司「子ども兵士問題の解決に向けて―合理性排除に向けた検討と今後の課題―」

『防衛研究所紀要』第12巻第1号(200912月) 初瀬龍平、香川孝三、堀芳枝、杉木明子、戸田真紀子

「児童労働、ストリート・チルドレン、子ども兵士」『京都女子学園創立100周年(創 始111年)記念-現代社会学部公開講座』(2010626日)

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世界子供白書2012 巻末統計

http://www.unicef.or.jp/library/toukei_2012/m_dat05.pdf World Development Indicators

http://data.worldbank.org/data-catalog/world-development-indicators

図 1 図 2 3. 男女格差改善に向けて ( 担当:三義 ) 現在も世界の 68 ヶ国において初等教育におけるジェンダー格差は改善されておらず、そ の内 60 ヶ国では女子の方が就学率が低くなっている。なぜ多くの途上国で女子の就学率が 低いのだろうか。 親が自分の娘を学校に通わせようとする意思が乏しいこと、 家の手伝い ( 中 でも弟、妹の面倒 ) を任されていること等が原因として挙げられる。親の意思が乏しい要因 は、途上国社会に深刻な男女差別の問題が存在しているためでもある。それは、学校に行 かせたとし

参照

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