駒場ミクロ 宿題3
2009 年 12 月 6 日
解答がアップされていましても、授業のノートや奥野先生の教科書などを参考にしながらとりあえず解答を 見ずに解いてみて下さい。間違いやミスがありましたら、[email protected]までご連絡ください。
1 部分均衡分析
今年の夏の総選挙において民主党がマニフェストで「最低賃金の全国平均1000円を目指す」と公約して以 来、最低賃金に関する議論が多くなっています。ここでは最低賃金引き上げが経済厚生にどのような影響を 与えるか、簡単な労働市場の部分均衡モデルを用いて分析してみましょう。
1.1 労働市場
労働市場で供給される財は「労働力」です。これは、労働者によって供給され、企業によって需要されるた め、例えば通常の「リンゴ」などの財とは需要者と供給者が逆になっています。
賃金をp円として、市場供給曲線が
X =p 2
で与えられているとします。X は賃金がp円のとき働きたい労働者の人数を表します。 市場需要曲線は
X = 1200 − p
で表されているとします。Xは企業が雇用したい労働者の人数です。
さて、縦軸にpを、横軸にX をとった上で市場供給曲線と市場需要曲線ををグラフに描いてみましょう。 このとき、市場均衡において企業に雇用される労働者の数(就業者数)は何人でしょうか?このときの賃金は いくらになるでしょうか?また、この経済で失業者の数は何人でしょうか?ここでは、失業者とは現在の賃 金のもとで働く意思はあるが働くことのできない人と定義します。
1.2 経済厚生
市場均衡における、消費者余剰、生産者余剰、総余剰を計算してみてください。
1.3 最低賃金が低い場合
2009年12月現在、最低賃金の全国平均は713円です。この経済でも同様に最低賃金713円を課されてお
り、企業は713円以下で労働者を雇ってはいけないとします。この場合、市場均衡における、就業者数、賃 金、失業者数はどのようになりますか?
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1.4 最低賃金を引き上げた場合
政府が政策を変更し、最低賃金を1000円に引き上げたとします。この場合、市場均衡における、就業者 数、賃金、失業者数はどのように変化するでしょうか?また、消費者余剰、生産者余剰、総余剰はどう変化す るでしょうか?
1.5 所得税を導入した場合
政府が最低賃金を導入するのではなく、所得税を導入したと考えましょう。ここでは極端に労働者の所得 の60%が税金で徴収されるとします。この場合、市場均衡における、就業者数、賃金、失業者数はどのよう に変化するでしょうか?また、消費者余剰、生産者余剰、政府の税収、総余剰はどのようになるでしょうか?
2 一般均衡分析:準線形効用関数の場合
2.1 準線形効用関数
この経済に財が2種類あり、それぞれの消費量をxとmとした場合に、効用関数u(x, m)が以下のように 表されるとします。
u(x, m) = v(x) + m
v(x)は何か一般の関数です。このような効用関数を準線形効用関数と呼びます。経済学的には、xは分析対
象の財、mはその他の財を購入するための貨幣を表していると考えます。例えばリンゴを消費する場合を考 えますと、リンゴばかり消費していると飽きてくるので限界効用は逓減しますが、mが増えた場合にはその 他の色々な財を購入するわけで、限界効用は逓減しないと考えられますので、線形にすることができるわけ です。
さて、ある消費者が以下のような準線形効用関数を持っているとします。 u(x, m) = log(x) + m
xはリンゴの消費量、mは貨幣の量とします。予算制約を以下のように設定します。
px+ m = w
pは分析対象の財の価格を表し、wは所得を表します。ここでは貨幣の価格は1に基準化していますが、こ
のような財をニュメレール(numeraire)と呼びます。さて、この消費者の最適化問題を解き、リンゴの最適 な消費量を求めて下さい。
2.2 準線形効用関数と所得効果
さて、前の問題で求めた解をよく見て下さい。もし所得wが増加した場合には、リンゴの消費量はどのよ うに変化するでしょうか?
2.3 準線形効用関数の場合のワルラス均衡
AさんとBさんの2人がいる場合の交換経済を考えます。初期にAさんは貨幣を12単位持っていますが、
リンゴは持っていません。Bさんはリンゴを5単位持っていますが、貨幣は持っていません。Aさんの効用 関数は、uA(xA, mA) = √xA+ mA、Bさんの効用関数はuB(xB, mB) = 2√xB+ mBであったとします。
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(1)リンゴの価格をp、貨幣をニュメレールとして、AさんとBさんの効用最大化問題を定式化して下さ い。
(2) Aさんの効用最大化問題を解き、リンゴと貨幣それぞれの最適消費計画を求めて下さい。これは、価格
がpのときにリンゴと貨幣をそれぞれいくら需要するかをそれぞれ決める計画でありますから、つまりpの 関数になります。
(3) Bさんの効用最大化問題を解き、リンゴと貨幣それぞれの最適消費計画を求めて下さい。
(4)ワルラス均衡を求めて下さい。(つまり、ワルラス均衡における価格pとAさんのリンゴと貨幣それぞ れの消費量、Bさんのリンゴと貨幣それぞれの消費量を求めてください。)
2.4 パレート効率性と契約曲線
前の問題におけるAさんとBさんの効用関数、また経済全体の資源制約を前提にした上で、この経済にお けるパレート効率的な資源配分の組みを求めてみましょう。
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