THE BFHI INITIATIVE IN NEONATAL UNITS
Proposal From a Nordic and Quebec Working Group
http://www-conference.slu.se/neobfhi2011/BFHI_Initiative.html
Anna-Pia Häggkvist, RN, MSc, IBCLC (Norway) Mette Ness Hansen, RN, Midwife, IBCLC (Norway) Kerstin Hedberg Nyqvist, RN, PhD (Sweden)
Elisabeth Kylberg, nutritionist, PhD, IBCLC (Sweden) Leena Hannula, RN, Midwife, MNSc, PhD (Finland) Katja Koskinen, RN, Midwife, IBCLC (Finland) Aino Ezeonodo, RN, EN, PN, NICN, HC (Finland)
Ragnhild Måstrup, RN, IBCLC, doctoral student (Denmark) Annemi Lyng Frandsen, RN, IBCLC (Denmark)
Laura N. Haiek, MD, MSc (Québec, Canada)
訳者からおことわり: この文書は上記のワーキンググループによる試案で、最終版ではありません。 また翻訳は監訳やピア・レビューを受けておらず、個人的なものです。NICU 部会でのディスカッショ ンが少しでも活発になればと思い、使わせていただきました。再使用や再配布については各個人の責任 の範囲でお願いします。
【目的 Objectives of the adaptation】
WHO/UNICEFの BFHI に基づいて、母乳育児を成功させるための 10 か条を新生児病棟における母乳育 児を保護、推進、支援にも適用を広げ、改案するため
1. 新生児病棟における母乳育児の推進、保護、支援についてのエビデンスを検証する 2. スタンダード(標準的ケア)と規準を作成し適用する
3. 新生児病棟がその規準に従う場合の評価方法を作成する 4. 新しい評価方法の試案を作成する
5. 改案されたスタンダードの適用を推進する
6. この改案の効果について評価する研究を推し進める
【基本原則 Guiding Principles】
1. 母乳育児について医療従事者の母に対する姿勢は、一人一人の母やその母のおかれた
状況に即したものでなくてはならない
Staff attitude to the mother related to breastfeeding must have a focus on the
individual mother and her situation.
2. 家族中心の看護(ケア)や環境を提供する
Provide family centered care and environment.
3. 継続性のある看護(ケア)を確実にする:出産前、周産期、出生後そして退院後
Ensure continuity of care: pre-, peri- and post-natal, and post-discharge care.
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『第9回 IBCLC のための母乳育児カンファレンス NICU部会』 森口・菊池 (2012/2/26)
【ステップ Step】
1. 母乳育児の方針を全ての医療に関わっている人に、常に知らせること
Have a written breastfeeding policy that is routinely communicated to
all health care staff.
1a.病棟として文書化された母乳栄養や新生児の栄養指針があり、そこには 10 箇条、基本原則 (Guiding Principles)、カンガルーケアに関連する基準が含まれている(ただし個別にカンガルーケア指 針があれば含まない)。
1b.栄養指針は WHO コードを準拠することで母乳栄養を保護している。栄養指針は授乳方法に関わら ず「すべての」母に対して必要な支援が受けられるようにする必要がある。HIV 等の理由で母乳哺育を 行わない母に対しては、子どもの栄養方法について相談を受け、その状況にあった選択ができるよう指 導する。栄養指針には「10 箇条」の各条項や要素がどう実行できるのかが含まれている必要がある。
1c.栄養指針は母や子の看護(ケア)に関わるすべての現場医療スタッフが参照できるようになっている。 栄養指針の要点として、10 箇条、基本原則、カンガルーケア基準、WHO コードとそれに関連する WHA決議、HIV 陽性妊婦に対する支援を包括し、妊婦、母(授乳婦)、新生児、小児に関わるあらゆる専 門職の医療従事者に文書や写真で提示されている。
2. 病棟の全医療従事者にその方針で母乳育児をするために必要な知識を教え、技術を
磨くこと
Educate and train all staff in the specific knowledge and skills
necessary to implement this policy.
2a.新生児病棟の全医療従事者は栄養指針をよく知っており、母乳育児に関する基礎知識はもちろん、 より早期の母乳分泌開始や直接哺乳が実現できるよう、母と子が特別な支援を必要としていることを 知っている。
2b.新しい医療従事者が専門(職種)に関係なく教育・トレーニングの機会があり、また継続教育の場が普 段から提供されるように決められている。
2c.母や子の支援に関わる新生児病棟の医療従事者で 6 か月以上勤務している人は、3 つの基本原則と 10箇条、WHO コードとそれに関連する WHA 決議を含んだ、(WHO/UNICEF)20 時間コースに準拠し た知識を習得し、監督下に実地トレーニングが最低 3 時間含まれている。これに加え、新生児病棟の全 医療従事者は普段から継続教育を受けている。
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『第9回 IBCLC のための母乳育児カンファレンス NICU部会』 森口・菊池 (2012/2/26)
3. 入院中の妊婦で、早産児や病気をもつ赤ちゃんを出産する可能性がある人全てに
母乳育児の良い点と母乳分泌についての方法を良く知らせること
Inform hospitalized pregnant women at risk for preterm delivery or
birth of an ill infant about the management of lactation and
breastfeeding and benefits of breastfeeding.
3a.入院中の妊婦で、出生後児の NICU 入院が予想される場合は NICU の医療従事者が(産前に)訪問して いる。
3b.妊婦や両親に対して、NICU への入室方法や、児が元気でいるために両親が児と一緒に過ごすことの 重要性について情報提供している。
3c.妊婦や両親と母乳育児についてや、児の状態に応じて母乳哺育や母乳がどう確立されるかについて 話し合う機会が設けられる。話し合いは家族の希望を反映し、以下が含まれている。
・母乳分泌における早期の乳頭刺激の重要性について、それをどう切り抜けるか具体的で特別な情報を 提供
・その児や母にとっての母乳哺育や母乳栄養の利点
・出生後なるべく早くからの皮膚接触の重要性と、児をより早くから直接哺乳することの重要性
・児の哺乳する能力と予想される病状
その情報はそれぞれの母の知識や母乳育児に関する経験を考慮に入れて提供されなくてはならない。 3d.母乳、母乳哺育について、手搾乳や搾乳器のことも含めて文書の情報が用意されている。
3e.妊娠中の女性がもらえる母乳哺育についての情報の要約した書類がある。要約の提供について文書 で規定されている。
4. 早期から長時間、長期にわたる母と子の皮膚接触(カンガルーケア)を根拠のな
い制限なしに促進すること
Encourage early, continuous and prolonged mother-infant skin-to-skiin
contact (Kangaroo Mother Care) without unwarrented restrictions.
4a.出生後なるべく早期、できれば出生直後から KMC を提供できる機会を保証する。 4b.根拠のない制限なしに、一日の中でなるべく長い時間 KMC ができる機会を保証する。 4c.24時間母児同室している母が長時間の KMC をできるよう促進し支援する。
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『第9回 IBCLC のための母乳育児カンファレンス NICU部会』 森口・菊池 (2012/2/26)
5. 母に母乳の分泌開始と維持の方法を教え、赤ちゃんの状態安定だけを条件に早期か
ら直接哺乳できるようにすること
Show mothers how to initiate and maintain lactation and establish
early breastfeeding with infant stability as the only criterion.
5a.すべての母が母乳分泌の開始や維持についての情報、支援、具体的な助けを受けることができる。 母が適切なポジショニングを見つけるよう支援-医療者がハンズオフテクニックを用いて-を受け、お 子さんが一番最初の哺乳から良いラッチができるよう支援され、児がうまく吸啜できているサインにつ いて知ることができる。
5b.手や搾乳器による搾乳についての情報は口頭と文書の両方で提供される。
5c.赤ちゃんの状態が安定していることが早期の直接哺乳開始のただ一つの条件である。(修正週数や 現在の体重ではない)
5d.母乳分泌の確立や維持において困難に直面した母に特別な注意と支援が向けられる。
5e.母乳代用品による補足が必要な児の母に対して人工乳の安全な調乳や哺乳について実演する。
6. 医学的な必要がないのに母乳以外のもの水分、糖水、人工乳を与えないこと※
Give newborn infants no food or drink other than breast milk, unless
medically indicated.
※訳者註:「母乳育児を成功させるための 10 か条」の日本語訳をそのまま使用しています。 6a.医学的適応がない限り、児に母乳以外の食べ物や飲み物を与えない。
6b.母親の母乳が児にとって最適な栄養である認識を尊重しつつ、母乳強化剤やその他添加物の処方に ついて母に情報提供をする。
6c.母乳代用品の販売流通に関する国際基準(WHO コード)に従って人工乳に関する販促品を渡したりグ ループディスカッションを行わない。
6d.母乳育児をしないことを決めたり、母乳育児が不可能あるいは混合栄養をしている母が、人工乳の 調乳や適切な栄養法について個別に相談が受けられ、その栄養法の決定や選択に対し支援を受けられる。
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7. 母と子が 1 日中 24 時間、一緒にいられるようにすること
Enable mothers and infants to remain together 24 hours a day.
7a.病棟として、両親の意に反して児が両親より引き離されないよう配慮する。
7b.両親と児は同室している。それが無理で離れる必要があるときは正当な理由がある。(児の手術や MRI等で母が一緒にいれない、母の疾患・手術・治療、家庭的事情、両親の選択など)
7c.病棟が母や両親が児と同室したいだけ同室を実践する機会を提供する。
8. 早産児や病気をもつ赤ちゃん赤ちゃんが欲しがるときは、欲しがるままの授乳をす
すめること
Encourage demand feeding or, when needed, semi-demand
breastfeeding as a transitional strategy for preterm and ill infants.
8a.母乳栄養の指針において、直接哺乳への変更は決められた修正週数や体重ではなく、早産児の能力 や状態安定から時間授乳や経管栄養をいつ卒業できるかを知ることで決定する。
8b.時間授乳から自律哺乳への変更、経管栄養から直接哺乳への変更について、病棟としての方針を持 つ。
8c.一回量や回数が決められた時間授乳から部分的な自律哺乳への変更は、時間授乳が必要な医学的適 応がなく、児が少し直接哺乳できるようになったら行う。
8d.直接哺乳を確立しほかの授乳方法で与える母乳の量を減らしていく方法を母に提示し、どの方法を 選ぶかにあたっても母が関わるように促す。
8e.児の欲しがるサインやステート(behavioral state)が観察できるように母を支援する。
8f.医学的適応がない限りは、毎回の直接授乳毎にほかの授乳方法で母乳をルチーンで与えるようにしな い。
8g.薬を与えたり計画的な処置やケアは、直接哺乳を極力妨げないように行う。
『第9回 IBCLC のための母乳育児カンファレンス NICU部会』 森口・菊池 (2012/2/26)
9. 直接哺乳が十分に確立するまでは哺乳瓶以外の方法で授乳し、おしゃぶりやニップ
ルシールドは正当な理由があるときのみ使用すること
Use alternatives to bottle feeding at least until breastfeeding is well
established and only use pacifiers and nipple shields for justifiable
reasons.
9a.医療者は正当な理由*1 がない限り、母乳栄養児に哺乳瓶を使用しない。
9b.直接哺乳が確立しておらず医学的に補足が必要な場合、医療者は哺乳瓶以外で安全な授乳方法を選 択し、両親に対し推奨し教える。
9c.おしゃぶりの使用は、児の痛みやストレス、不隠を和らげるといった正当な理由がない限り避ける こと。
9d.おしゃぶりをどのように使えば母乳育児(成功)にとって影響が最小限になるか、両親に情報提供する。 9e.ニップルシールドは正当な理由*2 がある場合に正しい方法で使用する。
*1 情報提供した上での母の希望、解剖学的・神経学的問題、退院が近くなっても母乳栄養のみにでき ないとき
*2 母と子のペアが適切な母乳育児支援を受けて、何度かやってみても児がラッチできないとき
10.両親に母乳育児が退院後も継続できるよう調整し、退院後母乳育児支援に関する
サービスやグループの利用が確実にできるようにすること
Prepare parents for continued breastfeeding and ensure access to
support services/groups after hospital discharge.
10a.退院後母乳育児のピアサポートをどこで受けられるかの情報を、口頭と書面で提供する。
10b.退院後母乳育児支援を受けられる赤ちゃん外来やそれに準じた体制があればその情報を、口頭と書 面で提供する。
10c.施設として母や両親のための母乳育児支援グループやネットワークの設立を支援し、一緒に活動す る。
10d.退院日は家族や地域保健(health care support system)と連携をとって計画する。
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10e.医療者は母と子が退院後 1 週間以内に自施設で、あるいは哺乳の評価や必要な支援ができる熟練し た母乳育児支援者がいれば地域で診察を受けられるように促し、的確な紹介制度や適切な再診時期につ いて説明できる。
『第9回 IBCLC のための母乳育児カンファレンス NICU部会』 森口・菊池 (2012/2/26)
資料
母乳育児を成功させるための 10 か条 Ten Steps to Successful Breastfeeding
1. 母乳育児の方針を全ての医療に関わっている人に、常に知らせること
Have a written breastfeeding policy that is routinely communicated to all health care staff. 2. 全ての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えること
Train all health care staff in skills necessary to implement this policy. 3. 全ての妊婦に母乳育児の良い点とその方法を良く知らせること
Inform all pregnant women about the benefits and management of breastfeeding. 4. 母親が分娩後 30 分以内に母乳を飲ませられるように援助をすること
Help mothers initiate breastfeeding within half an hour of birth.
5. 母親に授乳の指導を充分にし、もし、赤ちゃんから離れることがあっても母乳の分泌を維持する方 法を教えてあげること
Show mothers how to breastfeed, and how to maintain lactation even if they should be separated from their infants.
6. 医学的な必要がないのに母乳以外のもの水分、糖水、人工乳を与えないこと
Give newborn infants no food or drink other than breast milk, unless medically indicated. 7. 母子同室にすること。赤ちゃんと母親が 1 日中 24 時間、一緒にいられるようにすること
Practise rooming-in - that is, allow mothers and infants to remain together - 24 hours a day. 8. 赤ちゃんが欲しがるときは、欲しがるままの授乳をすすめること
Encourage breastfeeding on demand.
9. 母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと
Give no artificial teats or pacifiers (also called dummies or soothers) to breastfeeding infants.
10. 母乳育児のための支援グル-プ作って援助し、退院する母親に、このようなグル-プを紹介する こと
Foster the establishment of breastfeeding support groups and refer mothers to them on discharge from the hospital or clinic.
http://jalc-net.jp/FAQ_ANS.html
http://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_hospital.html http://www.unicef.org/newsline/tenstps.htm