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rilsan fine powder catalogues

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Academic year: 2018

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(1)

Rilsan

®

Fine Powders

(2)

リルサン®・ファイン・パウダーは、ポリアミド11からなる熱可塑性樹脂粉体塗料であり、高い防錆効果を付与するのみ ならず、安全性、耐久性、強度・摺動性に優れた塗膜を形成します。

Rilsan® Fine Powders

ポリアミド11とは?

植物由来

ポリアミド11は、「ひまし油」を原料と

する100%植物由来のポリアミド。

(社)日本有機資源協会より、バイオマス

プラスチックとして認定されています。

1

2

3

長い歴史

ポリアミド11は第二次世界大戦をはさん

でフランスで開発され、1947年に商業生

産を開始。その後まもなく、コーティン

グ用途の実用化が始まりました。 古くて新しい素材です。

優れた特性

ポリアミド11は、他のポリアミドには見

られない優れた特性を示します。

特に結晶化速度が速く、結晶化度も高い

のが特徴で、非常に優れた特性を有する

塗膜を形成します。

No.000000 No. 050203 No.000000No. 050203

Michel Genas (仏) ポリアミド11を1938年に発明

(3)

PA11とPA12は何が異なるのか?

アルケマは世界で唯一PA11とPA12 の両方を製造・販売しています。

1)結晶性が異なる

右の二つの写真は、PA11とPA12の 偏光顕微鏡写真です。

うろこ状に見えるのが、球晶とい われる結晶構造です。左側のPA11 は、大きさの揃った規則的な環状 の球晶構造が観察されるのに対し て、右側のPA12では中央に大きく 成長した球晶が観察されるように 粗雑な形状をしています。 また、結晶化する速度はPA11のほ うがPA12よりも4倍も速い実験結 果が得られています。

この球晶構造の違いは、さまざま な特性の差に反映され、結晶化速 度の差は、粉体塗装工程における 固化挙動の違いを生じます。

2)ポリマー原料が異なる

PA11は「ひまし油」を原料とする 植物由来のポリマーであるのに対 し、PA12は「ブタジエン」を原料 とする石油由来のポリマーです。

PA11:規則的な環状の球晶構造 PA12:やや粗大な球晶構造

3)樹脂特性が異なる

PA11はPA12と比較して以下の特性 に優れています。

・ ・ 柔軟性

・ 低温衝撃性 ・

・ 耐熱性、耐熱劣化性 ・

・ 耐薬品性 ・

・ ガス及び燃料バリア性 ・

・ 耐屈曲疲労性 ・

・ 耐磨耗性

一方で、PA12はPA11よりも ・

・ 低比重 ・

・ 低吸水率

という点でわずかに優位です。

4)粉体塗料としての違い

P A 1 1 は 、 結 晶 化 ・ 固 化 の 挙 動 が 非 常 に シ ャ ー プ で あ り 、 熱 容 量 の 大 き い 金 属 部 品 の コ ー テ ィ ン グ に 好 適 で 、 表 面 光 沢 に 優 れ た 塗膜を形成します。

一 方 で 、 P A 1 2 は 固 化 の 挙 動 が P A 1 1 よ り も 遅 い た め 、 光 沢 の あ る 塗 膜 を 得 る た め に 、 水 に つ け る な ど の 急 冷 を 必 要 と す る こ と があります。

ま た 、 粉 体 塗 装 に お い て も 塗 膜 の 特 性 は 、 樹 脂 特 性 の 違 い を 反 映します。

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

Déformation (%) C o n tr a in te ( M P a ) PA12 PA11

グラフ1:引張特性の比較 PA11の方が延性的

0 10 20 30 40

AMN AMV AECHV AESN

- 40°C +20°C Impact strength KJ/m²

(notched) PA 12 0 10 20 30 40

BMF BMN BMV BMHV BESHV

- 40°C +20°C Impact strength KJ/m²

(notched)

PA 11

No Break

BESN

分子量大

分子量大

グラフ2:分子量と衝撃特性(室温・低温)の比較

豆知識

・P A 1 1 の 原 料 の ひ ま し 油 は 、 ト ウ ゴ マ の 種 を 搾 る こ と で 5 0 % 程

度の高収率で得られる。

・トウゴマの主要生産地は、インドのグジャラート州を中心と

するインド半島の西側地域。米などの食用食物が育たない痩

せ た 土 地 で あ っ て も 、 よ く 育 ち 、 5 毛 作 な ど 多 毛 作 が 可 能 。

貴重な現金収入源となっている。

・トウゴマは非食用。ひまし油は下剤として日本薬局方に収載

(4)

金属か?プラスチックか? 素材の選択に困ることはありませんか? 金属の一番の欠点は、腐食性があることです。

リルサン®・ファイン・パウダーは、優れた耐腐食性を付与し、ナイロンの持つ優れた機能と意匠性を実現します。

Rilsan

®

Coaing System

リルサン

®

・コーティング

リルサン

®

・ファイン・パウダーについて

   ・・

基本原料

฀・ポリアミド11(PA11)

   ・・

平均粒径

฀・30mm・~・130mm・(用途・塗装方法により選択)

   ・・

シャープな溶融・固化挙動

฀・融点:186-190℃。結晶化速度が速く、良光沢の塗膜外観

   ・・

優れた二次加工性

฀・切削加工が容易(精密な塗膜厚の調整が可能) ฀・折り曲げ・衝撃による塗膜割れが少ない ฀・塗装後の染色が可能

 

 

 

 

 

 

 

 

Particle size distribution of Rilsan T Nat B

0 2 4 6 8 10 12 14 16

0 100 200 300 400 500 600

Particle size (µm)

V

o

lu

m

e

%

T Nat B

リルサン

®

・コーティング・システム

リルサン®・トップコート

プライマーがトップコー

トと基材を接着し、トッ

プコートが損傷して基材

が露出しても防錆力を維

持する。

被塗物(化成処理・or・ブラスト処理)

コーティングとは、防錆を必要とする金属表面にポリアミ ド樹脂の被膜を形成することです。

被塗物の材質、形状、及び必要とする塗膜の性質によっ て、塗装方法を選択します。

฀・流動浸漬法 ฀・静電塗装法

฀・ミニコート法(無接点コーティング法) ฀・その他(ホット・スプレー法など)

前処理工程では、リルサン®との表面密着力を高め、耐腐食

(5)

塗装方法による塗膜厚

流動浸漬法

ホットスプレー法

ミニコート法

静電塗装法(ESグレード)

静電塗装法(ESYグレード)

(mm)

・80・100・120・150・ 180・ 250・ 300・ 500・ 600

グレードと用途

グレード

プロセス

特徴

用途

T

流動浸漬法

฀・濡れ性が良好 ฀・柔軟性に優れる ฀・耐衝撃性が良好

฀・異物による表面への影響が出やすい

฀・食器洗浄カゴ ฀・ワイヤー状製品

T・AC

流動浸漬法

฀・濡れ性が良好 ฀・柔軟性に優れる ฀・耐衝撃性が良好

฀・異物による表面への影響が少ない

฀・一般用途 ฀・ワイヤー状製品 ฀・自動車用途

T・BHV・

BHV・RX

流動浸漬法

฀・良切削加工性 ฀・低クリープ ฀・機械強度の向上 ฀・厚膜加工性

฀・シャフト ฀・ローラー

T・WHITE

T・MAC

流動浸漬法

฀・柔軟性に優れる ฀・耐衝撃性が良好

฀・エッジ・カバー性が良好 ฀・良好な耐候性

฀・水道管・パイプ等 ฀・フランジ・バルブ等 ฀・重防食用途

฀・表面装飾用途 ฀・自動車用途

ES

静電塗装法

฀・柔軟性に優れる ฀・耐熱性が良好 ฀・二次加工性が良好 ฀・耐変形性

฀・良好な耐候性

฀・ドアレール ฀・自動車用途 ฀・表面装飾用途 ฀・一般用途 ฀・ファスナー

ESY

静電塗装法

ESグレードの特徴に加えて ・

+ 塗装プロセスの自由度が高い ・

+ エッジ・カバー性が良好

฀・一般用途 ฀・表面装飾用途 ฀・ファスナー ฀・自動車用途

MC

ミニコート法

฀・無接点塗装 ฀・高い生産性 ฀・染色性に優れる

(6)

Powder and Coaing properies

性状・塗膜特性

一 般 特 性

融点 ISO・11357 186・-・190・℃

ビカット軟化点 ISO・306 181・℃

密度(比重):20・℃ ISO・1183

ナチュラルグレード:・1.04・g/cm 3

白色・黒色・着色グレード:1.065・-・1.25・g/cm 3

平衡・飽和吸水率

20℃、湿度65%・・0.9・-・1.1・%・(グレードによる) 20℃、水中  ・1.6・-・1.9・%・(グレードによる) 沸騰水中・・・・・・・2.4・-・3.0・%・(グレードによる)

機 械 特 性

ナチュラル色(無着色)グレード

引張弾性率 ISO・527 1000・-・1200・MPa

引張降伏強度 ISO・527 40・-・45・MPa

引張降伏伸度 ISO・527 18・-・24・%

引張破断強度 ISO・527 39・-・47・MPa

引張破断伸度 ISO・527 >・200・%

曲げ弾性率 ISO・178・(23℃) 1100・-・1200・MPa

ショアD硬度 ISO・868・(20℃) 70・-・85

シャルピー衝撃強度・(ノッチ無し) ISO・179・1eU・(23℃) No・break

塗 膜 の 電 気 的 特 性

表面電気抵抗 (20℃、65%RH、500V) ASTM・D・257 2.4・x・10

14

・W

誘電率

102・Hz 106・Hz

3.9 3.1

体積固有抵抗 (20℃、65%RH、500V) ASTM・D・257 10

14

・-・10

16

・W・cm

誘電正接 (20℃、65%RH、1000Hz) 0.05

耐トラッキング性 DIN・53-480 Grade・KA3c

絶縁耐力

 静電塗装   膜厚 ・・・・±100・mm  流動浸漬塗装 膜厚 350・-・450・mm

ASTM・D・149 55・-・90・kV/mm 30・-・36・kV/mm

絶縁破壊強度

 塗装膜厚の依存性:ナチュラルグレード  (20℃、65%RH)

200・mm 430・mm 700・mm 900・mm

(7)

塗 膜 特 性

ぺルソー振子硬度(Persoz・pendulum):・20℃ ISO1522 200・-・280

表面硬度:20℃、10秒負荷 DIN・53-456 80・N/mm

2

スクラッチ(引掻き)耐性 ISO1518 59・N

鉛筆硬度 ECCA・T4 B

ショア硬度 ASTM・D・732 35・-・42・N/mm

2

衝撃強度

 静電塗装   膜厚 100・mm  流動浸漬塗装 膜厚 350・mm

ASTM・G14 ISO・6277・ ISO・3678

>・2・J >・19・J >・2.5・J

耐摩耗性

 テーバー磨耗:CS・17、荷重1kg  1000サイクル後の重量減少量

ISO・9352 15・mg

摩擦係数(黒色グレード)  最大静止摩擦係数  動摩擦係数

NFT・54-112・(8) 0.15・-・0.3 0.05・-・0.2

柔軟性

 コニカル・マンドレル(Conical・Mandrel)屈曲試験

ISO・6860 >・35・%

比熱 2.09・kJ/kg・K

熱伝導率:50・-・170・℃ 0.29・W/m・K

融解潜熱 83.7・kJ/kg

難燃性・

 3・mm以上の膜厚とし、被塗装体の影響を受けない  状態で評価

ASTM・D635

自己消火性

(炎を当てれば燃えるものの、火 元がなくなればひとりでに火が消 える)

沸騰水耐性

 2000時間後、気泡・表面変化を生じないこと

ISO・1521 塗膜密着性良好

屋外耐候性

 3年間 米国フロリダ屋外暴露

ASTM・D・1235 塗膜密着性良好

耐塩水性 10年相当以上の耐腐食性付与

塩水噴霧試験  2000時間

ISO・9227

(WIS4-52-01準拠)

腐食;1・mm未満

塗 膜 の 屋 外 耐 候 性

・ ポリエステル塗膜・ リルサン®・コーティング塗膜 屋外に4年間暴露した(フランス)塗装品に切り込みをいれ、

塗膜の密着強度を評価しようとしたところ、ポリエステル の塗膜は容易に壊れてしまうのに対し、リルサン®・コーテ

ィング

*

は良好な密着強度を保持し、十分な塗膜強度を維持 し、かつ表面外観も良好で光沢を維持していた。

(8)

リルサン®・コーティングは、アルカリ、無機塩、溶剤や有機酸に対 し、高い 耐性を示 しま す が 、・ 無機酸、フェノール、または特定の塩化物溶液と接触する可能性のある場合には注意が必要です。

必ず、アルケマ(京都テクニカルセンター:・075-326-7431)にお問い合わせください。

その際は、ご使用状況の詳細(薬剤・温度・時間など)や問題点を教えていただけるとスムーズです。

Chemical Resistance

耐薬品性

無機アルカリ

飽和水酸化アンモニア水溶液 ○ ○ ○ ○ アンモニア(液体・ガス) ○ ○

石灰塗料 ○ ○ ○ 50%水酸化カリウム水溶液 ○ △ × × 5%水酸化ナトリウム水溶液 ○ ○

10%水酸化ナトリウム水溶液 ○ △ △ 50%水酸化ナトリウム水溶液 ○ △ × ×

無機酸

10%クロム酸 × × × × 1%塩酸 ○ △ × × 10%塩酸 ○ △ × × 硝酸(濃度にかかわらず) × × × × 50%リン酸水溶液 ○ △ × × 1%硫酸 ○ △ △ × 10%硫酸 ○ △ × × 三酸化硫黄(無水硫酸) △ × × ×

無機塩

ミョウバン(硫酸アルミニウム) ○ ○ ○ 硫酸アルミニウム ○ ○ ○ ○ 硝酸アンモニウム ○ ○ ○ 硫酸アンモニウム ○ ○ △ 塩化物(Ba,Ca,Na) ○ ○ ○ ○ ヒ酸カルシウム ○ ○ ○ 硫酸カルシウム ○ ○ △ 硫酸銅 ○ ○ ○ ○ リン酸二アンモニウム ○ ○ △ 50%塩化マグネシウム水溶液 ○ ○ ○ ○ フェロシアン化カリウム ○ ○ ○ 硝酸カリウム ○

1

1

× × 硫酸カリウム ○ ○ ○ ○ 炭酸ナトリウム ○ ○ △ × ケイ酸ナトリウム ○ ○ ○ 硫酸ナトリウム ○ △ △ リン酸三ナトリウム ○ ○ ○ ○

その他の無機化合物

無機系農薬類 ○ ○

漂白剤 △ × × × 臭素、塩素

、フッ素 × × × × 水素 ○ ○ ○ ○ 過酸化水素 (20・Vo/%) ○ △

水銀 ○ ○ ○ ○ 酸素 ○ ○ △ × オゾン △ × × × 過マンガン酸カリウム (5%) × ×

海水 ○ ○ ○ 炭酸水 ○ ○ ○ ○ 硫黄 ○ ○

炭化水素類

アセチレン ○ ○ ○ ○ 脂肪族飽和炭化水素

(メタン、プロパン、ブタン、ヘキサン)

○ ○ ○ ベンゼン ○ ○

2

△ シクロヘキサン ○ ○ △ デカリンG ○ ○ △ HFA・(ヘキサフルオロアセトン) ○

ナフタレン ○ ○ ○ △ スチレン、トルエン、キシレン ○ ○

3

△ △

その他

ビール、ワイン、焼酎、 ○ ジュース、ミルク、マスタード、酢 ○

原油、ハイオク・レギュラーガソリン ○ ○ ○

3

パラフィン、ナフサ、都市ガス ○ ○ ○

3

グリース類 ○ ○ ○ ○ オイル類 ○ ○ ○ ○ DDT(液体・エマルジョン) ○ ○

リンダン(BHCベンゼンヘキサクロリド) ○ ○ 8-キリノール(農薬・消毒液成分) ○ 石鹸液 ○

ステアリン ○ ○ ○ テレピン油 ○ ○ ○

3

(9)

耐薬品性試験条件

 対象薬品と18ヶ月間接触させ、その後の状態を観察  ○:良好、△:限定的、要注意、×:不可

 1:やや黄変が見られる、2:黄変する、3:膨潤する

 *水道水の殺菌に用いられている塩素濃度、及び水道タンク内で発生する可能性のある塩素濃度に対しては十分な耐性 を発揮します。

有機酸・同無水物

酢酸 △ × × × 無水酢酸 △ × × × クエン酸 ○ ○ △ × ギ酸 × × × × 乳酸 ○ ○ ○ △ オレイン酸・ステアリン酸 ○ ○ ○ △ シュウ酸 ○ ○ △ × ピクリン酸 △ × × × 酒石酸(飽和溶液) ○ ○ ○ △ 尿酸 ○ ○ ○ △

その他有機化合物

アネトール ○ 二硫化炭素 ○

3

DAA

(ジアセトンアルコール)

○ ○

3

△ DMF

(N,N-ジメチルホルムアミド)

○ ○ △ 2-クロロエタノール

(エチレンクロロヒドリン)

× × エチレンオキシド

(オキシラン、エポキシエタン)

○ ○ △ × フルフラール ○ ○

3

△ × グルコース(ブドウ糖) ○ ○ ○ ○ テトラエチル鉛

(四エチル鉛、アンチノック剤)

THF(テトラヒドロフラン) ○ ○ △ フェノール類 × × × ×

有機塩基(アルカリ)

(精製)アニリン △ × × × ジエタノールアミン(DEA) ○ ○

3

3

△ (精製)ピリジン △ × × × 尿素 ○ ○ △ △

接触環境温度(℃)・

20・ 40・60・90

エステル・エーテル

酢酸エステル、酢酸塩

(アミル、ブチル、メチル)

○ ○ ○ △ 燐酸エステル・

(ジオクチル、トリブチル、トリクレジル)

○ ○ ○ △ エーテル(ジエチルエーテル) ○

DOP(フタル酸ジオクチル) ○ ○ ○ △ 脂肪酸エステル類 ○ ○ ○ ○ DMS(硫酸ジメチル) ○ △

アルコール類

ベンジルアルコール △ × × ×

ブタノール ○

3

△ × ×

(精製)エタノール ○

3

3

△ (精製)グリセリン ○ ○ △ × エチレングリコール ○ ○ ○ ×

(精製)メタノール ○

3

△ ×

有機ハロゲン化合物

四塩化炭素 × × ブロモメタン(臭化メチル) ○ × クロロメタン(塩化メチル、フロン40) ○ × パークロロエチレン

(含:テトラクロロエチレン)

○ ○ △ トリクロロエタン △ × トリクロロエチレン ○ △

アルデヒド・ケトン類

アルデヒド類

(アセトアルデヒド、ベンズアルデヒ ド、ホルムアルデヒド)

○ △ × (精製)アセトン ○ ○ △ × シクロヘキサノン ○ △ × MEK(メチルエチルケトン) ○ ○ △ × MIBK(メチルイソブチルケトン) ○ ○ △ ×

接触環境温度(℃)・

20・40・ 60・90

   ・・

塩水噴霧試験

*

亜鉛メッキ、ポリエステル塗装品、・ リルサン®・ファイン・ パウダー・コーティング品を2000時間の塩水噴霧試験

*

を行 った。

亜 鉛 メ ッ キ は 2 5 0 時 間 で 非 常 に 激 し く 腐 食 し 、 ポ リ エ ス テ ル 塗 装 品 の 腐 食 は 限 定 的 で あ っ た が 塗 膜 が も ろ く な っ て い た。

リルサン®・ファイン・パウダー・コーティング品は、塗膜に

剥離は見られず、良好な耐性を示した。

*ISO9227:・5%・NaCl,・35℃,・pH=7.0・・・

 

 

(10)

リルサン®・ファイン・パウダー・コーティングの優れた特性を引き出すには、適切な前処理が必要です。

塗装の不具合等のお問い合わせの大半は、不適切な前処理に起因しています。

Surface pre-treatments and Primers

前処理

前処理は2段階からなります。

 ① 被塗物の表面を清浄にするステップ  ② プライマー処理

塗膜とワークとの密着性は、前処理の出来に大きく左右 されます。

清浄度が不十分であったり、適切なプライマー処理なし には、様々な環境における期待される性能を発揮するこ とができません。

被塗物の素材や形状、塗布環境に応じて、安定した性能 を発揮する信頼性のあるプライマーの選択が重要です。 ア ル ケ マ は 、 溶 剤 系 プ ラ イ マ ーRilprim®又 は 水 系 プ ラ イ マーPrimgreen®を提供しています。

   ・・

脱脂

まず重要な作業は、被塗物の加工時についた油脂分を除 去することです。除去に必要な溶液はグリースの種類と 金属の種類により、最適なアルカリ、中性、酸性溶液を 選択します。方法はスプレーまたは浸漬です。一般に脱 脂に用いられるトリクロロエチレンやパークロロエチレ ンについてもご使用頂けます。

被塗物が大きい場合や合金で出来ている場合、被塗物の 形状にもよりますが加熱によっても脱脂できます。 被塗物の表面に残るグリースの有無については目視での 確認が効果的です。

   ・・ブラスト

脱脂作業の後、被塗物表面に残る炭化不純物や酸化皮膜 といった塗膜の密着を阻害する物質の除去を行います。 脱脂により清浄になった表面に、以下のいずれかの作業 を行います。

・機械的エッチング(ブラスト)

被塗物の表面に研磨剤をあて研削します。被塗物の素 材によっても最適なブラストメディアは異なります。 鋼 材 に は G 1 7 の 鋼 砕 球 や コ ラ ン ダ ム が 、 ア ル ミ 合 金 に はコランダムが適しています。ブラスト作業に必要な

エアーは乾燥されたオイルフリーのエアーにしてくだ さい。ブラスト処理を終えた被塗物の表面は非常に不 安定ですぐに酸化皮膜ができます。そのため、酸化皮 膜 が で き る 前 ( お よ そ ブ ラ ス ト 処 理 か ら 8 時 間 以 内 ) に次のステップに進めて下さい。次のステップで、金 属表面に錆のような腐蝕の兆候が見られたら、ブラス ト作業をやり直して下さい。

・化学エッチング

強酸性溶液(硫酸、塩酸、リン酸など)のスプレー又は 浸漬により被塗物表面を粗らします。その後洗浄と乾 燥 を し ま す 。 他 の 化 学 処 理 ( 電 着 、 リ ン 酸 処 理 、 ク ロ ムメッキなど)についてもリルサン®・ファイン・パウ ダー・コーティングとの相性は良く、同時にご使用い ただけます。

・表面性の指標

清浄度:Sa=2・1/2(EN・ISO・8501-1)

表面粗度:流動浸漬塗装・ Rz=40~90mm(EN・ISO・4287) ・ 静電塗装・ Rz=20~40mm

プ ラ イ マ ー 処 理 に よ り 、 被 塗 物 と リ ル サ ン®塗 膜 の 間 に 強固な密着性が生じます。アルケマは溶剤系プライマー

Rilprim®と水系Primgreen®を提供しています。

Primgreen®は低VOCであり環境負荷の少ない製品です。

SDS及び現行規制情報に従ってご使用ください。

   ・・流動浸漬塗装用プライマー

Rilprim® P23V40、Primgreen® LAT12035はともに一液タ イプであり、一般的なスプレーガン(圧縮空気、静電ガン 等)でご使用頂けます。スプレー時に通常の温度・湿度環 境では希釈の必要はありません。

浸 漬 で の 塗 布 も 可 能 で す が 、P23V40はM E Kと 1 : 1 に 、LAT12035は 水 と ブ チ ル グ リ コ ー ル の 比 が 6 : 3 : 1 と な るようにあらかじめ希釈してご使用ください。

プライマーはたれや透けのないように、被塗物表面に均 一に塗布することが重要です。架橋後のプライマー膜厚 が 8 ~ 1 2mm ( ス プ レ ー 塗 布 時 の 厚 み は 1 0 0 ~ 1 5 0mm 程 度 ) と

前 処 理 と は ?

前 処 理 プ ロ セ ス

 

 

 

 

プ ラ イ マ ー 処 理

(11)

なるのが理想です。また、加熱を行う前に十分に乾燥さ せてください。十分に乾燥していない場合、発泡などの 塗装表面の不具合が生じます。加熱の過不足に伴うプラ イ マ ー の 架 橋 不 具 合 も 、 次 工 程 の リ ル サ ン®塗 膜 の 密 着 性に大きな影響を及ぼします。架橋の程度はプライマー の色により判別できます。それぞれのプライマーについ て、以下の色を目安にして下さい。

・ RAL・8017・ RAL・8019

LAT12035 LAT12035 P23V40

最適な密着強度を示す架橋条件(時間/温度)は被塗物の 形状、大きさによって異なります。ご使用の装置、被塗 物をご勘案の上決定してください。

グラフ①は6mm厚みの被塗物にPrimgreen® LAT12035を塗 布して、オーブンを用いた場合の加熱条件の例です。

横軸はオーブンの設定温度、縦軸は加熱時間です。 水色で色分けされた部分が、十分な密着性の指標である レベル3以上(NFT・58-112)になります。

Primgreen® LAT12035は最終製品の使用条件として、水 温50℃以下の場合にご使用頂けます。それ以上の温度域 の場合、Rilprim® P23V40をご使用ください。

   ・・

静電塗装用プライマー

静電塗装にもPrimgreen® LAT12035をご使用頂けます。 コーティングの前にプライマーを塗布し、乾燥してくだ さい。プライマーの架橋はその後のES,・ESYグレード粉体 の加熱溶融時に行われます。

   ・・

最適なプライマーの選択

被 塗 物 の 素 材 ( 鉄 、 鋳 物 、 S U S 、 A l な ど ) 、 要 求 物 性 、 塗 装法(流動浸漬、静電塗装)に応じて、最適なプライマー を選択してください。プライマー選定など前処理につい て、詳細な情報が必要なときは、アルケマ(京都テクニカ ルセンター:075-326-7431)にお問い合わせください。 弊社が供給するプライマー以外にも市販のプライマーの ご 使 用 が 可 能 な 場 合 が あ り ま す が 、 リ ル サ ン®・ フ ァ イ ン・パウダー・コーティングの塗膜密着性について、サ ポートの対象外となります。

弊社が推奨するプライマーは、  溶剤系プライマーRilprim® または

 水系プライマーPrimgreen®

のみであり、優れた品質のプライマーとして高いご評価 を頂いています。

 

 

 

 

280・ 290・ 300・ 310・ 320・ 330・ 340・ 350・ 360・ 370

80

70

60

50

40

30

20

10

0

● ●

加熱保持時間(分)

オーブンの設定温度(℃) グ ラ フ ① ・Primgreen® LAT12035

の加熱条件と密着性

6 m m 厚 み の ワ ー ク に つ い て 、 オ ー ブ ン か ら 取 り 出 し て 1 分 後 に 流 動 浸 漬 塗 装 した場合の塗膜の密着性評価

NFT 58-112における、密着度レベル3 以上のプロセス領域

不 適 切 な 前 処 理 に 起 因 す る 不 具 合

不具合の内容

プライマー

原因

プライマーの濡れ性が悪い Primgreen® LAT12035 ・ 残存油脂による影響。脱脂工程が不十分。・

さび(錆)の発生 Primgreen® LAT12035

・ プライマーの膜厚が厚すぎる ・

・ プライマー塗装ブースの排気が不十分 ・

・ 被塗物の温度が低すぎる ・

・ 作業環境の温度が低すぎる ・

・ 作業環境の湿度が高すぎる ・

・ 乾燥時間が長すぎる

塗膜厚が不均一 全てのプライマー ・ 被塗物の表面にホコリが付いている・

垂れ・気泡・密着不十分 全てのプライマー

・ プライマーの使用量が多すぎる ・

・ プライマーの撹拌不良 ・

・ プライマーの調整(希釈)不良 ・

・ プライマー膜厚が薄すぎる ・

(12)

流動浸漬法とは、リルサン®・ファイン・パウダーを液体のように流動している状態にして、加熱した被塗物を浸漬し、被 塗物の表面にまんべんなくパウダーを付着させ、被塗物の熱で付着したパウダーが速やかに溶融した後、速やかに固化 することで均一な膜厚のコーティングを得る方法です。

流動浸漬法は、複雑な形状の被塗装体においても、内外面の均一なコーティングを一度の操作で得ることができ、その 塗布効率は100%です。

Fluidized Bed Dipping Process

流動浸漬法

流動浸漬法は塗膜の均一性と再現性に非常に優れた簡便 な塗装方法です。そのため自動化ライン等の導入も容易 です。

流動浸漬法は下記のような場合に適しています。

• 被塗物の肉厚

金属厚みが3mm以上の肉厚な被塗装体に好適。

小径のワイヤー状の場合は、流動浸漬後に後加熱工程 を必要とするときがあります。

• 塗膜厚み

300mm程度の膜厚を期待する場合。

流 動 浸 漬 法 で の リ ル サ ン®・ コ ー テ ィ ン グ 厚 み は 通 常 2 5 0 ~ 5 0 0mm で す 。 非 常 に 熱 容 量 の 大 き な 被 塗 物 の 場 合、浸漬回数を多くすることなどでより厚膜の塗装が 可能です。

• 被塗物のサイズ

被塗物を入れることができ、かつ入れた状態でパウダ ーの流動を確保できる大きさの「流動浸漬槽」を準備 する必要があります。

非 常 に 重 い 、 又 は 非 常 に 長 い 形 状 の 被 塗 物 ( 例 : 水 道 管 な ど の パ イ プ ) で も 、 浸 漬 可 能 な 「 流 動 浸 漬 槽 」 を 用意することで塗装が可能です。ただし、特別な設備 導入を検討する必要があります。

• 被塗物の素材

予備加熱温度に耐え得る素材。

加熱により、素材特性が変化する場合は、流動浸漬法 には適しません。

・・・・・・・流動浸漬槽

流動浸漬槽は多孔板又は帆布で仕切られた上下2つのパー ト か ら 出 来 て お り 、 槽 の 素 材 は S U S や 樹 脂 な ど 腐 蝕 と 劣 化に強いものが適しています。上部にリルサン®・ファイ

ン・パウダーをセットし、下部から粉体の流動に必要なエ アを吹き込みます。エアは常温で吸湿していないものが 適しています。大きな流動槽の場合、ブロワーからのエ ア供給も可能です。流動槽内でリルサン®を使用するとき には槽内温度が60℃を超えないよう注意してください。 槽内温度を一定にするためにウォータージャケットを使 用する場合もあります。

・・・・・・・排気

粉体の飛散や舞い立ちが生じるため、排気設備は流動槽 の付近に設置してください。

・・・・・・・予備加熱

熱風循環炉のご使用を推奨します。(風速:最低6m/s) オーブンは、熱容量の大きな被塗物の場合は330℃までの 昇温、熱容量の小さな被塗物の場合は420℃まで昇温が可 能なものを選定してください。オーブンの性能はメーカ ー各社、またはグレードにより異なりますので、同じ条 件でも同様の塗装が出来ない場合があります。

近年、生産効率を考慮して電磁誘導加熱(IH)方式を導入 するケースが増えています。

塗 装 法 選 択 の 留 意 点

流 動 浸 漬 法 の 設 備

 

 

 

 

 

 

(13)

リルサン®・ファイン・パウダーの取り扱いはSDS及び法令 に基づいて行って下さい。

・・・・・・・表面処理・-・プライマー

流 動 浸 漬 の 前 に 、 被 塗 物 の 表 面 の 洗 浄 、 表 面 粗 さ の 付 与、プライマーなどの前処理が必要となります。「前処 理」ページをご参照ください。

・・・・・・・予備加熱条件

予備加熱温度が低すぎると、平滑な塗膜が得られず、高 すぎると、塗膜やプライマーの劣化が生じます。

一 般 的 に 、 被 塗 物 は 様 々 な 形 状 及 び 厚 み を し て い る た め、形状に応じて加熱時間と温度の調整が必要です。 塗装部位の最大及び最小厚みを考慮して、加熱条件を定 めます。

また、予備加熱でプライマーを適正に反応させます。詳 しくは、「前処理」ページをご参照ください。

被塗物の表面温度を均一に(可能であれば280℃~300℃の 範囲で)調整することによりリルサン®・ファイン・パウダ ーを適正にコーティングすることが出来ます。

・・・・・・・マスキング

塗装不要な部位があるときにはキャップやテープなどを 用いてマスキングを行って下さい。

・・・・・・・ハンドリングと補修

流動浸漬方法では、均一な膜厚を得るために、浸漬中及 び浸漬後に被塗物に振動を与える場合があります。その ため冶具やハンガーを被塗物へ取り付けることが必要と なります。塗装が必要な部位へ取り付けなければならな い場合、塗装後にエポキシやポリエステル樹脂による補 修が可能です。

塗 装 不 具 合 と 考 え ら れ る 原 因

不具合の内容

原因

塗膜の密着不良

・ 表面処理が不十分 ・

・ プライマー層の過不足 ・

・ 予熱温度・時間が不適切

気泡の発生

・ 被塗物の脱気不足(特に鋳物) ・

・ プライマー塗膜が厚すぎる ・

・ 浸漬時間が長すぎたために空気を巻き込んでしまった 塊(クラスター)の付着 ・ 流動浸漬槽のパウダーの流動が不十分・

・ 浸漬中の被塗物の動かし方・振動が不十分

黒点、クレーター(はじき)

・ パウダーに異物が混入している ・

・ オーブンから流動浸漬槽までの環境に異物が存在する ・

・ 後加熱オーブンの汚染

黄変

・ 予熱温度が高すぎる・時間が長すぎる ・

・ 浸漬時間が短すぎる ・

・ 後加熱温度が高すぎる・時間が長すぎる

面・ワイヤ交差部のピンホール

・ 浸漬中の被塗物の動かし方・振動が不十分 ・

・ 予熱温度が低すぎる・時間が短すぎる ・

・ 浸漬時間が短すぎる

エッジ部の塗膜厚が薄い・ (エッジ・カバー不具合)

・ 予熱温度が高すぎる ・

・ 浸漬時間が短すぎる ・

・ 後加熱温度が高すぎる・時間が長すぎる ・

・ エッジが鋭利すぎる

光沢不良・パウダー未溶融

・ 予熱温度が低すぎる・時間が短すぎる ・

・ 予熱から浸漬工程までの時間がかかりすぎている ・

・ 浸漬時間が長すぎる ・

・ 浸漬中の被塗物の動かし方・振動が不十分

塗 装 諸 条 件

 

 

 

 

 

 

(14)

静電塗装法とは、リルサン®・ファイン・パウダー粒子を帯電させて、金属被塗物表面に吹き付け、オーブン等での加熱に

より溶融・固化させてリルサン®・コーティングを得る方法です。

Electrostaic Spraying Process

静電塗装法

静電塗装法とは、リルサン®・ファイン・パウダー粒子を帯

電させて、金属被塗物表面に吹き付ける方法です。 帯電方法には、コロナ放電によるコロナ方式と摩擦によ るトリボ方式があります。

アースをとった金属被塗物に荷電させたリルサン®・ファ

イン・パウダーを吹き付けると、静電気力によりパウダー が表面に付着します。吹き付け後、オーブン等で加熱・ 冷 却 す る こ と で 、 リ ル サ ン®・ コ ー テ ィ ン グ が 得 ら れ ま

す。

静電塗装法には、ESまたはESYグレードを使用ください。

得 ら れ る 膜 厚 が 1 5 0mm 以 下 で あ る こ と が 、 静 電 塗 装 法 の 特徴の1つです。

さらに、マスキングが容易であり、自動化も容易です。 静電塗装法は下記の場合に適しています。

฀・被塗物の厚み

肉厚が、6mm以下の場合に適しています。 ฀・塗膜厚み

150mm以下の膜厚が好ましい場合。  ESYグレード:・ 80・~・120mm  ESグレード:・ 100・~・150mm の範囲で膜厚が管理できます。 ฀・被塗物の大きさ制限

塗装可能な大きさに制限はありません。 部分塗装も容易です。

฀・被塗物

導電性と220℃程度の耐熱性を必要とします。

プライマー及びリルサン®・ファイン・パウダーの取り扱い

はSDS及び法令に基づいて行って下さい。

・・・・・・・表面処理・プライマー

被塗物の表面の洗浄、表面粗さの付与、プライマーなど の前処理が必要です。プライマーは被塗物とリルサン®・

ファイン・パウダーの密着性のみならず、防蝕や耐温水性 も向上させます。

ESグレードでは、粉体吹きつけ後の放電によるパウダー の落下を防ぐ目的でも使われます。

合わせて「前処理」ページもご参照ください。

・・・・・・・吹き付け

฀・スプレー吹き付け

E S グ レ ー ド は コ ロ ナ ガ ン ( プ ラ ス 帯 電 推 奨 ) あ る い は トリボガンを使用できます。

コロナタイプの推奨条件は以下の通りです。 ・ 電圧:・ 30・~・40kV

・ 電流:・ 20mA ・ パウダー流速:・ 120g/min

ト リ ボ タ イ プ で も 目 安 の 流 速 は 同 様 で す 。 た だ し 、 装 置 に よ り 最 適 条 件 は 異 な り ま す の で 、 ご 確 認 の う え条件を設定して下さい。

ESYグレードはコロナガン(マイナス帯電のみ)で使用 してください。推奨条件は以下の通りです。

・ 電圧:・ -30・~・-70kV ・ 電流:・ 20mA ・ パウダー流速:・ 120g/min

E S グ レ ー ド は 、 放 電 及 び ふ る い 分 け に よ る 異 物 除 去 な ど を し た 上 で 、 未 使 用 の パ ウ ダ ー と 混 合 す る リ サ イクルが可能です。

一方、ESYグレードはリサイクルを推奨できません。 静電塗装に適した環境は

・ 室温:・ 20±5・℃ ・ 湿度:・ 50・%

で す 。 ク レ ー タ ー な ど の 問 題 が 生 じ な い よ う 、 塗 装 環境は常に清浄に保つことが必要です。

静 電 塗 装 法 の 原 理

塗 装 法 選 択 の 留 意 点

塗 装 諸 条 件

 

 

(15)

・・・・・・・加熱

฀・オーブンタイプ

静 電 塗 装 後 の 被 塗 物 を 加 熱 す る 際 、 重 要 な ポ イ ン ト は 均 一 な 温 度 と 風 速 で す 。 風 速 が 速 す ぎ る と 、 粉 体 の 落 下 な ど が 起 こ り ま す の で 3 m / s e c 以 下 と な る よ う に注意してください。

連 続 ラ イ ン 化 を お 考 え の 場 合 の オ ー ブ ン は ト ン ネ ル タイプが適しています。

฀・加熱条件

エ ポ キ シ な ど の 熱 硬 化 性 樹 脂 と は 異 な り 、 P A 1 1 ( リ ル サ ン®) は 架 橋 し ま せ ん 。 オ ー ブ ン の 設 定 温 度 で 約 220℃(リルサン®・パウダーの融点:186-190℃)以上で

溶融し、冷却すると塗膜が形成されます。

パ ウ ダ ー が 溶 融 す る ま で に 要 す る 時 間 は 被 塗 物 の 厚 みや形状に依存します。

右図は、被塗物が冷間圧延鋼板であり、オーブンの設定 温度を215℃としたときの、リルサン®・パウダーの溶融に

要する時間を示したものです。

・・・・・・・ホットスプレー

ホットスプレーとは、予熱済みの被塗物にパウダーを吹 き付ける方法です。パウダーは、被塗物の表面に吹き付 けられるとすぐに溶融します。被塗物の厚みが3mm以上あ り、250・ ~・ 600mm程度の厚膜に塗装したいときは、流動 浸漬用のTグレードが適しています。

一方で、要求膜厚が200mm以下で被塗物の厚みが6mm以下 の場合には、ES及びESYグレードが適しています。 被塗物の表面の前処理や予備加熱は、流動浸漬法と同様 で、脱脂、ブラスト、プライマー、予備加熱、パウダー 塗装の順に作業します。パウダーの吹き付けは、荷電を0 に設定すると一般的な静電ガンを使用できます。

併せて「流動浸漬法」「前処理」のページをご参照くだ さい。

 

 

そ の 他 の プ ロ セ ス

 

 

塗 装 不 具 合 と 考 え ら れ る 原 因

不具合の内容

原因

気泡の発生

・ パウダーの過剰塗布 ・

・ 吸湿したパウダーの使用、スプレー装置の湿気過剰 ・

・ 被塗物の脱気不足(特に鋳物) ・

・ プライマーの過剰塗布 ・

・ オーブンの温度が高すぎる

ゆず肌(Orange・peel)

・ 溶融時間が短すぎる、もしくは溶融温度が低すぎる ・

・ スプレー・ガンと被塗装体との距離が近すぎる ・

・ 帯電電圧・帯電強度が強すぎる ・

・ 作業環境の温度が低すぎる

ピンホール ・ 塗装膜厚が薄すぎる(パウダーの流動性が低いか、スプレー時間が不十分)・ ・

・ 被塗物の表面の清浄度が低い

光沢不足・パウダー未溶融 ・ 溶融時間が短すぎる、あるいは溶融温度が低すぎる・

黄変 ・ 溶融温度が高すぎる、あるいは時間が長すぎる・

塗膜の密着不良 ・ 前処理(表面処理)が不十分、あるいはプライマーの過不足・ ・

・ 溶融温度・時間が不十分

パウダーの脱落・剥落

・ パウダーの過剰塗布 ・

・ オーブンの熱風循環が強すぎる ・

・ プライマーが少なすぎる ・

・ 帯電電圧が低すぎる

クレーター・異物 ・ スプレー装置やオーブンでのホコリや他の塗料のコンタミなどの複合汚染・ ●

● ●

● ●

0 1 2 3 4 5 6 7

16

14

12

10

8

6

4

2

オーブン加熱時間(分)

(16)

Automoive applicaions

自動車用途

リルサン®・ファイン・パウダー・コーティングは、その優

れた特性の中でも特に 1.・摺動性・耐摩耗性が良好 2.・ノイズ低減効果がある 3.・耐薬品性・耐熱性に優れる

といった特性が高く認められ、シャフトを中心として幅 広い自動車金属部品のコーティングに適用いただいてい ます。

฀・シャフト・コート

*・ステアリング・コラム・シャフト *・ステアリング中間シャフト

*・プロペラシャフト(ドライブシャフト)・

฀・シート部品

*・シート・スライディング・システム *・シート・スプリング

*・シート・固定器具 *・シートベルト部品・

฀・その他

*・ギアボックス・フォーク *・スライドドア・レール *・バス・電車の手すり等

PA11は、PA12よりも優れた耐摩耗性、耐圧縮強度を有し ています。

リルサン®・ファイン・パウダー・コーティングは、PA11と

しての優れた特性からプロペラシャフト、ステアリング シャフトに広く使用されています。

右のグラフは、鋼製ステアリングシャフトのメス側にコ ーティングを施したときの磨耗重量減を縦軸、ステアリ ングの回転回数を横軸としたときの、コートの有無によ る磨耗量の違いを表したものです。

コーティングにより、無塗装のシャフトと比較して磨耗 量を半分程度に抑えることができます。

適 用 事 例

耐 摩 耗 性

プロペラシャフト・ オス側コート

ステアリングシャフト、 メス側コート

スライドドア・レール・コーティング

単純な防錆塗装にとどまらず、塗装による表面機能性の付与に関心が高まっています。

(17)

リルサン®・ファイン・パウダー・コーティングにより、稼

動部の摺動性を向上させることができます。

様々ある自動車用途の中でも、特にプロペラ・シャフト、 ならびにステアリング・シャフトのコーティングに使用 される理由のひとつが、優れた摺動性の付与です。

鋼製ステアリングシャフトのメス側にリルサン®・・コーテ

ィングを施したときの摺動抵抗を測定したのが、右のグ ラフの結果です。明らかに、摺動抵抗を低く抑えること に成功しています。

一 般 的 に ポ リ ア ミ ド は 、 振 動 吸 収 性 に 優 れ る た め 「 静 音」特性を有しています。

リルサン®・ファイン・パウダー・コーティングは、ポリア

ミド特有の静音性を発揮し、金属同士が接触する際に発 生するノイズの低減に効果を発揮します。

右のグラフは、SUSの無塗装品と・ リルサン®・コーティン グした部材同士を摺動させたときに発生するノイズの大 きさを比較したものです。

片側をリルサン®・コートすることにより、顕著なノイズ

低減効果が認められます。

この特性より、スライド・ドアレールやシート部品など、 使用時・動作時に発する金属同士の「きしみ音」を低減 する目的でも、リルサン®・コーティングは使用されてい

ます。

リルサン®・コート被膜は、他の塗膜と比較して、非常に

優れた耐衝撃強度を有します。

右図は、ASTM・ G14における衝撃強度を異なる種類の素材 別に比較したものです。他の素材と比較して、非常に耐 衝撃強度が優れています。

飛び石耐性(耐ブラスト性)も非常に優れており、ルノー 標準法のブラスト耐久試験(D24・ 1702)において、高い性 能を発揮しています。

 試験片:・ ワイヤー形状

     ・ 140・mmの膜厚で・リルサン®・コート  ブラスト剤:・直径4~5・mm

・ 500gのAngular・cast・iron  結果・ 8段階のスケールで示す。 ・ 1が最も優れ、8が最も悪い。

摺 動 性 の 付 与

80 75 70 65 60

0.5・m/s 0.7・m/s

無塗装品

リルサン®・コ ーティング品

ノイズ(dB)

ノ イ ズ 低 減 効 果

耐 衝 撃 強 度

エポキシ

ポリエステル

ポリオレフィン

リルサン®

衝撃強度 (J)

温度 結果

-30℃ Grade・1

23℃ Grade・1

(18)

Industrial / Infrastrustures

一般産業・インフラ用途

リルサン®・ファイン・パウダー・コーティングはその優れ

た特性により、一般産業・インフラ関連の下記の用途で の採用実績があります。

฀・配管設備(パイプ、フランジ、その他部品) *・石油・天然ガス配管設備

*・飲料水配管設備

*・海水配管設備(海水淡水化施設、バラスト設備等) *・その他耐食、耐薬品性が求められる配管設備・

฀・鉄道・道路・橋梁関連設備 *・照明等支持器具類の防錆処理 *・鋼製排水溝

*・制御ボックスの外装塗装・

฀・公共設備 *・手すり等 *・公園ベンチ

*・競技場のベンチ・シート *・街灯

*・フェンス等

あさひ  あ

適 用 事 例

流体配管コーティング

流体配管アクセサリー類

街灯ハウジング・支柱

船舶用液体配管システム 公園ベンチ

フロー・メーター

リルサン®・ファイン・パウダー・コーティングの歴史は、一般産業、インフラ用との発展と共に有りました。

日本では古くから水道鋼管のコーティングに使用されています。・リルサン®・・コーティングの高い機能性と安全性、優

(19)

リルサン®・ファイン・パウダー・コーティングは、世界各

国の飲料水規格に適合しています。

฀・日本;日本水道協会 WSP067 ฀・フランス:ACS認証・(DGS/VS4/N

o

99.217) ฀・イギリス:WRAS認証

฀・ドイツ:KTW・W270認証 ฀・オランダ:KIWA-ATA認証 ฀・米国:NSF61認証

฀・オーストラリア:AS4020認証

日本では

฀・白色:T・White・1482 ฀・グレー:T・Grey・3362・MAC ฀・青色:T・Blue・7174・MAC

の3色が、日本水道協会より認証されています。

リルサン®・ファイン・パウダー・コーティングの塗膜は、

優れた引張伸び特性を有しており、耐衝撃性に優れてい ます。リルサン®・コーティングが施された配管の内面に

砂や石が衝突しても、塗膜の破損は生じません。

右の写真は、

฀・リルサン®・コーティング ฀・ポリエステル・コーティング

の面衝撃試験後の塗膜の状態を撮影したものです。 リルサン®・コーティングは、衝撃による変形やくぼみが

見られますが、右下のポリエステル・コーティングで観 察されるような、亀裂などの損傷は認められません。 高い耐衝撃性を有し、かつ耐アルカリ性も良好なため、 地際塗装などに採用される事例が増えています。

面粗度が非常に小さいことは、リルサン®・コーティング

の特徴の一つです。

し た が っ て 、 流 体 を 流 す と き の エ ネ ル ギ ー 損 失 が 小 さ く、優れたエネルギー効率での運転を可能にします。

右のグラフは、

฀・エポキシ系のコーティング表面 ฀・リルサン®・コーティング表面

の表面粗度の違いを評価したものです。

耐候性が要求される用途には、MACグレードが適していま すが、色により耐候性のレベルが異なります。リルサン ®・コーティングは、PVDFほどの高い耐候性がないため、 用途に応じてリルサン®・コーティングあるいはカイナー・ ®・ コ ー テ ィ ン グ ( P V D F コ ー テ ィ ン グ ) を ご 紹 介 い た し ま

す。

また、高温で水と接触する用途の場合は、加水分解の可 能性があるため、推奨条件温度を60℃としています。類 似のケースについては、直接お問い合わせください。

飲 用 水 規 格 適 合

飲料水規格に適合する、リルサン®・ファイン・パウダー・

コーティングは、高い安全性を有していることから、厨 房・食品用途、製薬製造用途など、安全性が求められる用 途にご使用いただいています。

特に、日本水道協会に認証されている3つのグレードは、 「食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370 号)の第3のDの2合成樹脂製の器具又は容器包装」の分析 試験に合格しています。

その他のグレードも、お客様のご要望に応じて厚生省告 示代370号の試験のサポートをいたしております。

また、ナイロン独自の質感も、リルサン®・コーティング

の特徴です。質感のよさと安全性が評価され、手すり等 のコーティングへの採用が増えています。

リルサン®・コーティング

      ポリエステル・コーティング

(単位:mm)

  上段:エポキシ系のコーティング表面   下段:リルサン®・コーティング表面

高 い 安 全 性 と 質 感

耐 衝 撃 性

表 面 平 滑 性 : 表 面 粗 度

長 期 耐 久 性

リルサン®・コーティングは耐塩水性にも優れます。塩害

対策としても、海水淡水化プラントの配管のコーティン グにも採用実績があります。

海水淡水化プラントでは、非常に高い圧力がパイプ内面 にかかる用途に使用されていますが、過酷な環境であっ ても、優れた密着性を発揮・維持しています。

(20)

アルケマ株式会社

機能性樹脂事業部 〒100-0011・

東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル15F Tel.・03-5251-9917・(代表)

京都テクニカルセンター 〒600-8815

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