4 研究計画書の書き方
4.1 研究計画書の性質
1. プロポーザルである（論文とは違う） 2. 今後の自分の研究に使用する
4.2 研究計画書の要件
1. 問題がハッキリしているか
（a） 何をするのか。何が問題か（キーイシューは何か）
（b） 消費税問題とはなにか、介護保険の何が問題か、年金改革の意味は？、医療費問題の何をやるのか 2. 研究分野にかかわる先行研究がサーベイされているか
（a） どうしてサーベイが必要か i. 研究の効率性と責任
A. 富士山の５合目まではバスで行ける B. 新薬が出ているのに我流の治療で良いのか ii. 芸術作品と学術研究の違い
iii. 先行研究がない？
A. もし(本当に)なければ、参考となる違う研究もリサーチしてあるか？ B. もし(本当に)なければ、本当にやる価値のある研究か？
C. 先行研究から入って行けばよい
（b） サーベイはどうやるか
i. ただ紹介（羅列）するのではない
ii. どこまでが明らかになっていて、どこが明らかになっていないか iii. 積極的に結果を引用する（原典にあたる、孫引き禁止）
A. どのような方法で、 B. 何を明らかにし、
C. その結果、経済学的にどのような意味づけがあるか D. どのような未解決の課題があるのか
iv. その研究が自分の研究のどのような点で意味があるか、どの点が使えるのか。 v. その上で自分の研究をどう位置づけるのか。
3. 自分の研究計画を述べる「どのような家を建てたいか」ではない、「どのようにしてそのような家を建て
るか」が計画
（a） この研究のコア、核、イシューは何か（何が出来れば出来るのか）
（b） 自分の研究の方法・プロセスが具体的に記載されているか
（c） 自分の研究のオリジナリティはなにか
9
（d） 本当に出来るのか（外的要因）
（e）自分にやれる能力、経験があるのか
（f）少しやってみた… モデルハウスのないメーカーに発注できるか
4.3 研究計画書の構成
1. イントロダクション
（a） 研究の目的… はじめにしっかり述べる（行き先表示のないバスに乗れるか）
（b） 具体的に述べる… 後の自分への道しるべとなる
（c） 間口は小さく… 守るべきゴールは小さい方がよい
i. 「望ましい高齢者福祉のグランドデザインについて明らかにすることである」 ii. 「自治体の老人福祉支出が家庭内の高齢者ケアを減らすことを明らかにする」 i. 「少子化時代における子育て支援のあり方について明らかにすることである」 ii. 「保育施設の増加が出生率を増加させることを統計的に明らかにすることである」
i. 「持続可能な医療保険システムのために公立病院の果たすべき役割について明らかにする」 ii. 「同じ治療であれば、公立病院のほうが医療費が小さくなることを証明する」
2. 研究の背景… 研究計画に必要不可欠な内容に厳選する 3. これまでの研究
（a） 先行研究
（b） 自分の研究（準備状況）
4. 研究の方法… 常にこれまでのストーリーの延長上で述べる 5. 予備的分析… 荒唐無稽でないことを証明しておく
6. 参考文献（研究計画書を書くのに図書館に行かないの！？）
7. 付属資料
10
