• 検索結果がありません。

第1意見書 過去の発言等/沖縄県

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "第1意見書 過去の発言等/沖縄県"

Copied!
38
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1

第 1 意 見 書

平 成

27

10

21

(2)

2

目 次

第 1 意 見 の 趣 旨 . . . 4

第 2 審 査 請 求 ・ 執 行 停 止 申 立 て が 適 格 を 欠 き 不 適 法 で あ る こ と . . . 4

1 は じ め に . . . 4

2 行 審 法 及 び 地 自 法 は 国 に 審 査 請 求 等 の 適 格 を 本 来 許 容 し て い な い

と 解 す べ き こ と . . . 5

⑴ 行 審 法 は 私 人 の 救 済 を 目 的 と す る 手 続 で あ る こ と . . . 5

⑵ 地 方 自 治 保 障 と い う 観 点 か ら も 国 の 審 査 請 求 等 の 適 格 は 本 来 否 定

さ れ る べ き こ と . . . 6

⑶ 国 の 審 査 請 求 等 に は 客 観 性 ・ 公 正 性 が 認 め ら れ な い こ と . . . 11

⑷ 地 自 法 第 1 1 章 の 諸 制 度 に よ る 解 決 が 可 能 な こ と . . . 1 2

⑸ 小 括 . . . 1 3

3 「 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る 公 有 水 面 埋 立 」 は 「 固 有 の

資 格 」 に 基 づ く も の で あ る こ と . . . 1 4

( 1 ) 公 有 水 面 埋 立 承 認 出 願 は 国 の み が な し 得 る こ と . . . 1 4

⑵ 実 質 的 に 考 察 し て も 「 固 有 の 資 格 」 に 基 づ く こ と は 明 ら か で あ る

こ と . . . 1 9

4 小 括 . . . 2 9

第 2 執 行 停 止 の 要 件 が 認 め ら れ な い こ と . . . 3 1

1 重 大 な 損 害 を 避 け る た め 緊 急 の 必 要 性 が 無 い こ と . . . 3 1 ( 1 ) 執 行 停 止 申 立 書 に お け る 主 張 . . . 3 1 ( 2 ) 行 政 不 服 審 査 制 度 の 対 象 と な る 内 容 で は な い こ と . . . 3 2 ( 3 ) 国 が 直 ち に 行 う べ き こ と . . . 3 2 ( 4 ) 審 査 請 求 に 対 す る 裁 決 が 速 や か に な さ れ る べ き こ と . . . 3 5

(3)

3

( 2 ) 本 件 埋 立 に よ り 失 わ れ る 公 益 . . . 3 6 ( 3 ) 小 括 . . . 3 7

3 本 案 に つ い て 理 由 が な い こ と ( 本 件 埋 立 承 認 取 消 は 適 法 で あ る こ と )

(4)

4

第 1 意 見 の 趣 旨

本 件 執 行 停 止 申 立 て を 却 下 す る 。

と の 決 定 を 求 め る 。

第 2 審 査 請 求 ・ 執 行 停 止 申 立 て が 適 格 を 欠 き 不 適 法 で あ る こ と

1 は じ め に

地 方 自 治 法 ( 以 下 、「 地 自 法 」 と い う 。) 第 2 5 5 条 の 2 に よ る

法 定 受 託 事 務 に 係 る 処 分 に 対 す る 行 政 不 服 審 査 法 ( 以 下 、「 行

審 法 」 と い う 。) に よ る 審 査 請 求 及 び 執 行 停 止 申 立 ( 以 下 、 両

者 を あ わ せ て「 審 査 請 求 等 」と い う 。)に つ い て 、現 行 法 に は 、

国 の 審 査 請 求 等 の 適 格 を 否 定 す る 明 文 規 定 は 存 し な い 。

し か し 、行 政 不 服 審 査 制 度 は 、私 人 の 個 別 的 な 権 利 利 益 の 簡

易 迅 速 な 救 済 を 制 度 趣 旨 と す る も の で あ り 、こ の 制 度 趣 旨 よ り 、

本 来 国 に は 請 求 等 適 格 が 認 め ら れ な い も の と 言 う べ き で あ り 、

例 外 的 に 、私 人 と ま っ た く 同 様 の 立 場 で 個 別 の 権 利 義 務 が 侵 害

さ れ た 場 合 、 す な わ ち 「 固 有 の 資 格 」( 一 般 私 人 の 立 ち え な い

立 場 )に 基 づ か な い 場 合 に の み 、審 査 請 求 等 の 適 格 が 認 め ら れ

(5)

5

沖 縄 防 衛 局 は 、 平 成 2 5 年 3 月 2 2 日 、 沖 縄 県 に 対 し 、 沖 縄 県

名 護 市 辺 野 古 の 辺 野 古 崎 地 区 及 び こ れ に 隣 接 す る 水 域 等 を 埋

立 対 象 地 と す る 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る 公 有 水

面 埋 立 承 認 出 願 ( 以 下 、「 本 件 埋 立 承 認 出 願 」 と い う 。) を 行 っ

た も の で あ る が 、 本 件 埋 立 承 認 出 願 は 、 国 が 、 私 人 と ま っ た く

同 じ 立 場 で 申 請 を し た も の で は な い 。す な わ ち 、「 固 有 の 資 格 」

に 基 づ い て 出 願 さ れ た こ と は 明 ら か で あ り 、審 査 請 求 等 の 適 格

は 認 め ら れ な い も の で あ る 。

2 行 審 法 及 び 地 自 法 は 国 に 審 査 請 求 等 の 適 格 を 本 来 許 容 し て

い な い と 解 す べ き こ と

⑴ 行 審 法 は 私 人 の 救 済 を 目 的 と す る 手 続 で あ る こ と

行 審 法 は 、「 公 権 力 の 行 使 に 当 た る 行 為 に 関 し 、 国 民 に 対

し て 広 く 行 政 庁 に 対 す る 不 服 申 立 て の み ち を 開 く こ と に よ

っ て 、 簡 易 迅 速 な 手 続 に よ る 国 民 の 権 利 利 益 の 救 済 を 図 る 」

こ と を 目 的 と し て い る ( 第 1 条 )。

す な わ ち 、 行 政 不 服 審 査 は 、 行 政 作 用 に よ り 、 個 別 の 権 利

利 益 の 侵 害 を 受 け た 私 人 を 救 済 す る た め の 制 度 で あ っ て 、外

(6)

6

ま た 、行 政 主 体 間 の 紛 争 解 決 を 制 度 の 対 象 と す る も の で は な

い 。

個 別 的 な 権 利 利 益 を 侵 害 さ れ た 私 人 の 簡 易 ・ 迅 速 な 救 済 と

い う 制 度 趣 旨 よ り 、本 来 国 が 審 査 請 求 等 の 適 格 を 有 し な い こ

と は 当 然 で あ る 。

「 固 有 の 資 格 」 に 基 づ か な い と し て 、 国 が 私 人 と 同 視 さ れ

て 審 査 請 求 等 の 適 格 が 認 め ら れ る の は 例 外 的 な も の と い う

べ き で あ る か ら 、そ の 判 断 は 厳 格 に な さ れ な け れ ば な ら な い 。

⑵ 地 方 自 治 保 障 と い う 観 点 か ら も 国 の 審 査 請 求 等 の 適 格 は

本 来 否 定 さ れ る べ き こ と

ア 地 方 分 権 推 進 委 員 会 の 基 本 方 針

地 自 法 第 2 5 5 条 の 2 は 、 平 成 1 1 年 の 地 方 分 権 一 括 法 に

よ る 地 自 法 改 正 に よ る 地 方 公 共 団 体 の 事 務 の 区 分 の 再 構

成 等 が 行 わ れ た こ と に 伴 い 設 け ら れ た も の で あ る 。

地 方 分 権 一 括 法 に よ る 地 自 法 改 正 は 、 地 方 分 権 推 進 法 に

基 づ い て 設 置 さ れ た 地 方 分 権 推 進 委 員 会 の 報 告 、 勧 告 を 尊

重 し て 制 定 さ れ た も の で あ る が 、 そ の 基 本 的 な 考 え 方 は 、

(7)

7

の 関 係 と し 、 両 者 の 調 整 は 最 終 的 に は 司 法 的 判 断 に よ る と

い う も の で あ る 。

イ 平 成 8 年 3 月 2 9 日 中 間 報 告

す な わ ち 、 地 方 分 権 推 進 委 員 会 の 平 成 8 年 3 月 2 9 日 付

中 間 報 告 に お い て は 、 機 関 委 任 事 務 に つ い て 「 1 . 主 務 大

臣 が 包 括 的 か つ 権 力 的 な 指 揮 監 督 権 を も つ こ と に よ り 、 国

と 地 方 公 共 団 体 と を 上 下 ・ 主 従 の 関 係 に 置 い て い る 。 2 .

知 事 、 市 町 村 長 に 、 地 方 公 共 団 体 の 代 表 者 と し て の 役 割 と

国 の 地 方 行 政 機 関 と し て の 役 割 と の 二 重 の 役 割 を 負 わ せ

て い る こ と か ら 、 地 方 公 共 団 体 の 代 表 者 と し て の 役 割 に 徹

し き れ な い 。 3 . 国 と 地 方 公 共 団 体 と の 間 で 行 政 責 任 の 所

在 が 不 明 確 に な り 、 住 民 に わ か り に く い だ け で は な く 、 地

域 の 行 政 に 住 民 の 意 向 を 十 分 に 反 映 さ せ る こ と も で き な

い 仕 組 み に な っ て い る 。4 .機 関 委 任 事 務 の 執 行 に つ い て 、

国 が 一 般 的 な 指 揮 監 督 権 に 基 づ い て 瑣 末 な 関 与 を 行 う こ

と に よ り 、 地 方 公 共 団 体 は 、 地 域 の 実 情 に 即 し て 裁 量 的 判

(8)

8

報 告 、 協 議 、 申 請 、 許 認 可 、 承 認 等 の 事 務 を 負 担 す る こ と

と な り 、多 大 な 時 間 と コ ス ト の 浪 費 を 強 い ら れ て い る 。5 .

機 関 委 任 事 務 制 度 に よ り 、 都 道 府 県 知 事 が 各 省 庁 に 代 わ っ

て 縦 割 り で 市 町 村 長 を 広 く 指 揮 監 督 す る 結 果 、 国 ・ 都 道

府 県 ・ 市 町 村 の 縦 割 り の 上 下 ・ 主 従 関 係 に よ る 硬 直 的 な 行

政 シ ス テ ム が 全 国 画 一 的 に 構 築 さ れ 、 地 域 に お け る 総 合 行

政 の 妨 げ と な っ て い る 。」 と い う 弊 害 が あ る こ と か ら 、「 地

方 分 権 推 進 法 の 趣 旨 に 即 し て 、 国 と 地 方 公 共 団 体 と の 関 係

を 抜 本 的 に 見 直 し 、 地 方 自 治 の 本 旨 を 基 本 と す る 対 等 ・ 協

力 の 関 係 と す る 行 政 シ ス テ ム に 転 換 さ せ る た め に は 、 こ の

際 機 関 委 任 事 務 制 度 そ の も の を 廃 止 す る 決 断 を す べ き 」 と

機 関 委 任 事 務 を 廃 止 す べ き と し 、 国 と 地 方 公 共 団 体 と 調 整

に つ い て は 「 国 と 地 方 公 共 団 体 と の 役 割 分 担 を 明 確 に す る

こ と に よ り 、 両 者 の 間 の 調 整 は 基 本 的 に は 国 が 優 越 的 な 地

位 に 立 つ 行 政 統 制 に よ る の で は な く 、 公 正 か つ 透 明 な 立 法

統 制 ・ 司 法 統 制 に で き る だ け 委 ね る こ と と す べ き 」 と し 司

(9)

9

ウ 平 成 9 年 1 0 月 9 日 付 第 4 次 勧 告

ま た 、 平 成 9 年 1 0 月 9 日 付 第 4 次 勧 告 に お い て は 、 国

と 地 方 公 共 団 体 と の 間 の 係 争 処 理 の 仕 組 に つ い て 、「 機 関

委 任 事 務 制 度 を 廃 止 し 、 国 と 地 方 公 共 団 体 の 新 し い 関 係 を

構 築 す る こ と に 伴 い 、 対 等 ・ 協 力 を 基 本 と す る 国 と 地 方 公

共 団 体 と の 間 で 万 が 一 係 争 が 生 じ た 場 合 に は 、 国 が 優 越 的

な 立 場 に 立 つ こ と を 前 提 と し た 方 法 に よ り そ の 解 決 を 図

る の で は な く 、 国 と 地 方 公 共 団 体 の 新 し い 関 係 に ふ さ わ し

い 仕 組 み に よ っ て 係 争 を 処 理 す る こ と が 必 要 と な る 。 こ の

仕 組 み は 、 地 方 公 共 団 体 に 対 す る 国 の 関 与 の 適 正 の 確 保 を

手 続 面 か ら 担 保 す る も の で あ る と 同 時 に 、 地 方 公 共 団 体 が

処 理 す る 事 務 の 執 行 段 階 に お け る 国 ・ 地 方 公 共 団 体 間 の 権

限 配 分 を 確 定 す る と い う 意 義 を も 有 す る も の で あ る か ら 、

対 等 ・ 協 力 の 関 係 に あ る 国 と 地 方 の 間 に 立 ち 、 公 平 ・ 中 立

に そ の 任 務 を 果 た す 審 判 者 と し て の 第 三 者 機 関 が 組 み 込

ま れ て い る も の で あ る こ と が 必 要 で あ る 。 そ し て 、 こ の 第

(10)

10

か ら 信 頼 さ れ る 、 権 威 の あ る 存 在 で な け れ ば な ら な い 。 さ

ら に 、 行 政 内 部 で ど う し て も 係 争 の 解 決 が 図 ら れ な い と き

は 、 法 律 上 の 争 い に つ い て 最 終 的 な 判 定 を 下 す こ と を 任 と

し て い る 司 法 機 関 の 判 断 を 仰 ぐ 道 が 用 意 さ れ て い る こ と

も 必 要 で あ る 。」 と さ れ て い た 。 こ の 報 告 、 勧 告 を 最 大 限

に 尊 重 し て 、 地 方 分 権 一 括 法 に よ る 地 自 法 の 改 正 が な さ れ 、

地 自 法 第 1 1 章 ( 国 と 普 通 地 方 公 共 団 体 と の 関 係 に つ い て

は 地 自 法 第 2 4 5 条 な い し 第 2 5 2 条 ) の 規 定 が 設 け ら れ て も

の で あ る 。

エ 小 括

以 上 の 経 緯 よ り す る と 、 法 定 受 託 事 務 に つ い て 、 各 大 臣

等 に 対 す る 審 査 請 求 等 を 認 め る こ と は 、 国 と 地 方 公 共 団 体

を 対 等 ・ 協 力 関 係 と す る 平 成 1 1 年 の 地 自 法 改 正 の 理 念 に

適 合 し な い こ と に な る 。 実 際 、 地 自 法 2 5 5 条 の 2 に つ い て

は 、「 地 方 自 治 の 本 旨 の 観 点 か ら 見 直 さ れ る べ き 制 度 で あ

る 」( 塩 野 宏 「 行 政 法 Ⅲ ( 第 4 版 )」 2 4 6 頁 ) と の 疑 問 が 示

(11)

11

そ れ に も か か わ ら ず 、 法 定 受 託 事 務 に つ い て 審 査 請 求 等

を す る こ と が で き る と し た の は 、 私 人 の 権 利 利 益 の 保 護 を

重 視 し た た め で あ る ( 佐 藤 文 敏 「 地 方 分 権 一 括 法 の 成 立 と

地 方 自 治 法 の 改 正 ( 三 )」 自 治 研 究 7 6 . 2 . 9 8 )。

法 定 受 託 事 務 に つ い て 審 査 請 求 等 を 認 め る こ と に は 厳

し い 批 判 が あ り 、「 加 害 者 は 、 国 家 ・ 公 共 団 体 な の で あ る

か ら 、 被 害 者 た る 私 人 の 簡 易 迅 速 な 救 済 手 続 を 設 け て お く

必 要 性 」( 塩 野 宏 「 行 政 法 Ⅱ ( 第 5 版 補 訂 版 )」 9 頁 ) が 高

い と い う 点 で か ろ う じ て 制 度 の 合 理 性 が 認 め ら れ て い る

こ と よ り す れ ば 、 地 自 法 第 2 5 5 条 の 2 に 基 づ く 審 査 請 求 等

に つ い て 、「 固 有 の 資 格 」 に 基 づ か な い と し て 国 に 適 格 が

認 め ら れ る の は 、 行 政 作 用 に よ っ て 個 別 の 権 利 利 益 を 侵 害

さ れ て 簡 易 迅 速 な 救 済 の 必 要 性 の 高 い 純 然 た る 私 人 と ま

っ た く 同 様 に 評 価 さ れ る 場 合 に 厳 格 に 限 定 さ れ な け れ ば

な ら な い も の と 言 う べ き で あ る 。

⑶ 国 の 審 査 請 求 等 に は 客 観 性 ・ 公 正 性 が 認 め ら れ な い こ と

(12)

12

適 格 を 認 め る こ と に は 重 大 な 問 題 が あ る 。

す な わ ち 、 国 の 審 査 請 求 等 の 適 格 を 認 め る と い う こ と は 、

国 と い う 同 一 の 行 政 主 体 が 、審 査 請 求 等 を し て こ れ に 対 す る

判 断 を す る こ と に な る 。

国 が 一 定 の 行 政 目 的 の 実 現 の た め に し た 行 為 に つ い て 地

方 公 共 団 体 の 行 っ た 処 分 に つ い て 、そ の 地 方 公 共 団 体 に よ る

処 分 の 当 否 を 国 が 判 断 す る な ら ば 、国 の 行 政 目 的 実 現 の た め

に 結 論 あ り き の 偏 頗 な 判 断 が な さ れ る お そ れ が あ る 。

し た が っ て 、国 の 機 関 が そ の 行 為 に よ っ て 実 現 し よ う と し

た 目 的 を 実 質 的 に 踏 ま え て 、私 人 の 個 別 的 な 権 利 義 務 と 同 質

と 言 え る か 否 か が 厳 密 に 検 討 さ れ て な け れ ば な ら な い も の

と 言 う べ き で あ る 。

⑷ 地 自 法 第 1 1 章 の 諸 制 度 に よ る 解 決 が 可 能 な こ と

国 は 本 来 審 査 請 求 等 の 適 格 を 有 し な い と し て も 、国 の 不 服

申 立 の 手 段 を 奪 う こ と に な る も の で は な い 。

す な わ ち 、 平 成 1 1 年 の 地 自 法 改 正 は 、「 対 等 ・ 協 力 を 基 本

(13)

13

に は 、国 が 優 越 的 な 立 場 に 立 つ こ と を 前 提 と し た 方 法 に よ り

そ の 解 決 を 図 る の で は な く 、国 と 地 方 公 共 団 体 の 新 し い 関 係

に ふ さ わ し い 仕 組 み に よ っ て 係 争 を 処 理 す る こ と が 必 要 」と

の 認 識 に 基 づ い て な さ れ た も の で あ る 。

国 と 地 方 公 共 団 体 と の 関 係 に つ い て は 、地 自 法 第 2 4 5 条 な

い し 第 2 5 2 条 の 規 定 に よ っ て 調 整 を 行 う こ と を 予 定 し て い る

も の で あ り 、国 が 地 方 公 共 団 体 の 処 分 に 不 服 が あ る 場 合 に は 、

こ れ ら の 規 定 に よ る 解 決 が 可 能 で あ る1

⑸ 小 括

以 上 の と お り 、 行 政 不 服 審 査 は 、 行 政 作 用 に よ り 個 別 の 権

利 利 益 の 侵 害 を 受 け た 私 人 を 簡 易 迅 速 に 救 済 す る た め の 制

度 で あ る 以 上 、本 来 国 に 審 査 請 求 等 の 適 格 を 認 め る こ と は で

き な い も の で あ っ て 、国 が 個 別 の 権 利 利 益 の 侵 害 を 受 け た 私

人 と ま っ た く 同 じ 立 場 に あ る 場 合 (「 固 有 の 資 格 」 に 基 づ か

な い 場 合 ) に の み 、 例 外 的 に 審 査 請 求 等 の 適 格 が 認 め ら れ る

1 武 田 真 一 郎 「 承 認 取 消 と 今 後 の 展 望 ( 中 )」 沖 縄 タ イ ム ス 平 成 2 7 年 9 月

2 4 日 。岩 礁 破 砕 等 許 可 に 係 る 指 示 に 関 す る 審 査 請 求 ・ 執 行 停 止 申 立 に 関 し て 是 正 の 指 示 等 が 可 能 で あ る こ と を 指 摘 す る も の と し て 、 白 藤 博 行 「 辺 野 古 新 基 地 建 設 問 題 に お け る 国 と 自 治 体 の 関 係 」 法 律 時 報 8 7 巻 11

(14)

14

に す ぎ な い も の で あ る 。

こ の 判 断 は 、 審 査 請 求 者 ・ 執 行 停 止 申 立 人 た る 国 が 、 当 該

行 為 に よ っ て 実 現 し よ う と し た 目 的 を 実 質 的 に 踏 ま え て 、厳

格 に な さ れ る べ き も の で あ る 。

そ し て 、 次 項 に お い て 述 べ る と お り 、 本 件 埋 立 承 認 申 請 が

「 固 有 の 資 格 」 に 基 づ く こ と は 明 ら か で あ る 。

3 「 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る 公 有 水 面 埋 立 」 は 「 固 有 の

資 格 」 に 基 づ く も の で あ る こ と

( 1 ) 公 有 水 面 埋 立 承 認 出 願 は 国 の み が な し 得 る こ と

ア 平 成 2 7 年 3 月 2 3 日 付 け で 沖 縄 県 知 事 が 沖 縄 防 衛 局 長

に し た 岩 礁 破 砕 等 の 許 可 に 関 す る 指 示 に 対 し て 、 平 成 2 7

年 3 月 2 4 日 付 け で 沖 縄 防 衛 局 長 が 農 林 水 産 大 臣 に 提 出 し

た 執 行 停 止 申 立 書 の「 2 沖 縄 防 衛 局 は 執 行 停 止 を 申 立 て

る 資 格 を 有 す る こ と 」 に お い て 、 沖 縄 防 衛 局 長 は 、( 沖 縄

県 漁 業 調 整 規 則 )「3 9 条 第 1 項 は 、 国 の 機 関 や 地 方 公 共 団

体 若 し く は そ の 機 関 で あ る と 一 般 私 人 で あ る と を 問 わ ず

(15)

15

規 定 で あ り 、岩 礁 破 砕 等 の 許 可 を し よ う と す る 者 に 対 し て

一 様 に 適 用 さ れ る 規 制 で あ り 、岩 礁 破 砕 等 の 許 可 を 沖 縄 県

知 事 か ら 得 る に 当 た り 、 当 局 は 、 特 権 的 立 場 あ る い は 優 越

的 地 位 に 基 づ き そ の 固 有 の 資 格 に お い て 処 分 の 名 あ て 人

と な る わ け で は な く 、一 般 私 人 と 同 様 の 立 場 に 立 っ て 処 分

の 名 あ て 人 と な っ た も の で あ る 」 と 主 張 し て い た 。

す な わ ち 、 沖 縄 県 漁 業 調 整 規 則 第 3 9 条 第 1 項 が 、 国 と

私 人 を 分 け て 規 定 し て な い こ と を 奇 貨 と し て 、私 人 と 同 様

の 立 場 と 強 弁 し て い た も の で あ っ た 。

そ し て 、 審 査 庁 農 林 水 産 大 臣 は 、「 審 査 請 求 人 の 申 立 人

の 適 格 に つ い て み て も 、 沖 縄 県 漁 業 調 整 規 則 第 3 9 条 は 、

岩 礁 破 砕 等 を 行 う に 当 た っ て 必 要 な 沖 縄 県 知 事 の 許 可 に

つ い て 、国 が 事 業 者 で あ る 場 合 を 特 に 除 外 し て い な い 。そ

う す る と 、国 が 事 業 者 で あ る 場 合 も 沖 縄 県 知 事 の 許 可 が 必

要 で あ る こ と は 、私 人 が 事 業 者 の 場 合 と 変 わ り は な い と い

う べ き で あ る か ら 、国 に も 申 立 人 の 適 格 が 認 め ら れ る と 解

(16)

16

条 文 上 、私 人 と 国 が 区 別 さ れ て い る か 否 か の み を 判 断 基 準

と し て 、 国 の 申 立 人 と し て の 適 格 を 認 め た 。

同 執 行 停 止 決 定 が 、基 地 建 設 の 目 的 と い う 実 質 に つ い て

な ん ら の 判 断 を し な か っ た こ と は 不 当 で あ る が 、こ の 点 は

さ て お き 、同 執 行 停 止 決 定 を 前 提 と し て も 、法 律 の 規 定 に

お い て 私 人 と 国 が 区 別 さ れ て い る 場 合 に は 、国 が「 固 有 の

資 格 」 に 基 づ く こ と は 当 然 で あ る 。

イ 公 有 水 面 埋 立 法 は 、国 と 私 人 は 明 確 に 区 別 し て 規 定 し て

お り 、私 人 が 事 業 者 で あ る 場 合 と 国 が 事 業 者 で あ る 場 合 を

区 別 し て 、 別 の 条 文 で 規 定 し て い る も の で あ る 。

す な わ ち 、私 人 が 埋 立 事 業 主 体 と な る 場 合 に は 同 法 2 条

に よ り 都 道 府 県 知 事 の「 免 許 」が 必 要 で あ る と 定 め て い る

(「 埋 立 ヲ 為 サ ム ト ス ル 者 ハ 都 道 府 県 知 事 ( 地 方 自 治

法 ( 昭 和 二 十 二 年 法 律 第 六 十 七 号 ) 第 二 百 五 十 二 条 の 十

九 第 一 項 ノ 指 定 都 市 ノ 区 域 内 ニ 於 テ ハ 当 該 指 定 都 市 ノ 長

以 下 同 ジ ) ノ 免 許 ヲ 受 ク ヘ シ 」) の に 対 し 、 国 が 埋 立 事 業

(17)

17

「 承 認 」 が 必 要 で あ る と 定 め て い る (「 国 ニ 於 テ 埋 立 ヲ 為

サ ム ト ス ル ト キ ハ 当 該 官 庁 都 道 府 県 知 事 ノ 承 認 ヲ 受 ク ヘ

シ 」) も の で あ る 。

公 有 水 面 埋 立 法 は 、私 人 が 事 業 主 体 と な る 場 合 に は 埋 立

の 免 許 申 請 と い う 制 度 を 設 け 、他 方 、国 が 埋 立 の 事 業 主 体

と な る 場 合 に は 埋 立 の 承 認 申 請 と い う 別 個 の 制 度 を 設 け

て い る も の で あ り 、私 人 は 、埋 立 の 承 認 申 請 を 行 う こ と は

で き な い 。す な わ ち 、埋 立 承 認 申 請 者 の 地 位 に 私 人 が 立 つ

こ と は で き ず 、国 の み が 埋 立 承 認 申 請 を な し 得 る も の で あ

る か ら 、「 固 有 の 資 格 」 に 基 づ く こ と は 明 ら か で あ る 。

も っ と も 、「 許 可 」 と 「 承 認 」 は 、 い ず れ も 埋 立 権 を 設

定 す る も の で あ り 、許 可・承 認 の 効 力 が そ の 後 消 滅 し た と

き は 、特 定 の 公 有 水 面 を 埋 め 立 て て 土 地 を 造 成 し 、埋 立 地

の 所 有 権 を 取 得 す る 権 利 を 喪 失 す る こ と に な り 、既 に 行 わ

れ た 埋 立 て は 法 的 根 拠 を 失 っ て 違 法 と な り 、そ の 結 果 、原

状 回 復 義 務 を 負 う も の と 解 す べ き ( 広 島 高 等 裁 判 所 平 成

(18)

18

は 共 通 し て い る 部 分 も あ る( か り に 、こ の 点 が 否 定 さ れ る

な ら ば 、そ の 一 点 の み を と っ て も 、国 は 私 人 と は 異 質 な 特

権 的 立 場 に 立 つ こ と に な り 、「 固 有 の 資 格 」 に 基 づ い て い

る こ と と な る 。し た が っ て 、こ の 点 に つ い て 明 示 的 判 断 を

す る こ と な く 、 執 行 停 止 決 定 を す る こ と は 許 容 さ れ え な

い 。)。

し か し 、公 有 水 面 埋 立 法 は 、私 人 が 事 業 主 体 と な る 場 合

( 免 許 )と 国 が 事 業 主 体 と な る 場 合( 承 認 )に つ い て 、規

律 を 異 に し て い る も の で あ る 。 例 え ば 、 同 法 2 2 条 1 項 は

「 埋 立 ノ 免 許 ヲ 受 ケ タ ル 者 ハ 埋 立 ニ 関 ス ル 工 事 竣 功 シ タ

ル ト キ ハ 遅 滞 ナ ク 都 道 府 県 知 事 ニ 竣 功 認 可 ヲ 申 請 ス ヘ シ 」

と 定 め て 私 人 が 事 業 主 体 と な る 場 合 は 竣 工 認 可 手 続 が 必

要 で あ る と す る の に 対 し 、国 が 埋 立 事 業 主 体 と な る 場 合 は 、

同 法 4 2 条 2 項 で 「 埋 立 ニ 関 ス ル 工 事 竣 功 シ タ ル ト キ ハ 当

該 官 庁 直 ニ 都 道 府 県 知 事 ニ 之 ヲ 通 知 ス ヘ シ 」と し て 、国 の

竣 工 認 可 手 続 は 免 除 さ れ て い る 。ま た 、私 人 が 事 業 主 体 と

(19)

19

立 ニ 関 ス ル 工 事 ノ 著 手 及 工 事 ノ 竣 功 ヲ 都 道 府 県 知 事 ノ 指

定 ス ル 期 間 内 ニ 為 ス ヘ シ 」と 定 め て い る が 、こ の 規 定 は 国

が 事 業 主 体 と な る 場 合 に は 準 用 さ れ て い な い 。 そ の ほ か 、

免 許 料 の 徴 収 に か か る 規 定 や 罰 則 の 規 定 も 国 が 事 業 主 体

と な る 場 合 に は 準 用 さ れ て い な い な ど 、公 有 水 面 埋 立 法 に

お い て 、私 人 が 事 業 主 体 と な る 場 合 と 国 が 事 業 主 体 と な る

場 合 と で 異 な る 扱 い を し 、国 に つ い て は 一 般 私 人 が 立 ち え

な い よ う な 立 場 を 定 め て い る の で あ る か ら 、申 立 人( 審 査

請 求 者 )が「 固 有 の 資 格 」に 基 づ い て 、公 有 水 面 埋 立「 承

認 」 申 請 を 行 っ た も の で あ る こ と は 明 ら か で あ る 。

⑵ 実 質 的 に 考 察 し て も「 固 有 の 資 格 」に 基 づ く こ と は 明 ら か

で あ る こ と

ア 本 件 埋 立 は 条 約 に 基 づ く 義 務 履 行 の た め に 行 う も の で

あ る こ と

「 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る 公 有 水 面 埋 立

承 認 申 請 書 」に は 、「 埋 立 の 動 機 並 び に 必 要 性 」と し て 、「 わ

が 国 の 周 辺 地 域 に は 、 依 然 と し て 核 戦 力 を 含 む 大 規 模 な 軍

(20)

20

し 、 軍 事 的 な 活 動 を 活 発 化 さ せ る な ど 、 安 全 保 障 環 境 は 一

層 厳 し さ を 増 し て い る 。 こ う し た 中 、 わ が 国 に 駐 留 す る 米

軍 の プ レ ゼ ン ス は 、 わ が 国 の 防 衛 に 寄 与 す る の み な ら ず ア

ジ ア 太 平 洋 地 域 に お け る 不 測 の 事 態 の 発 生 に 対 す る 抑 止

力 と し て 機 能 し て お り 、 極 め て 重 要 で あ る 。 ま た 、 沖 縄 は

南 西 諸 島 の ほ ぼ 中 央 に あ る こ と や わ が 国 の シ ー レ ー ン に

も 近 い な ど 、 わ が 国 の 安 全 保 障 上 、 極 め て 重 要 な 位 置 に あ

る と と も に 、 周 辺 国 か ら 見 る と 、 大 陸 か ら 太 平 洋 に ア ク セ

ス す る に せ よ 、 太 平 洋 か ら 大 陸 へ の ア ク セ ス を 拒 否 す る に

せ よ 、 戦 略 的 に 重 要 な 位 置 に あ る 。 こ う し た 地 理 的 な 特 徴

を 有 す る 沖 縄 に 、 高 い 機 動 力 と 即 応 性 を 有 し 、 様 々 な 緊 急

事 態 へ の 対 処 を 担 当 す る 米 海 兵 隊 を は じ め と す る 米 軍 が

駐 留 し て い る こ と は 、 わ が 国 の 安 全 の み な ら ず ア ジ ア 太 平

洋 地 域 の 平 和 と 安 定 に 大 き く 寄 与 し て い る 。 普 天 間 飛 行 場

に は 、 米 海 兵 隊 の 第 3 海 兵 機 動 展 開 部 隊 隷 下 の 第 1 海 兵 航

空 団 の う ち 第 3 6 海 兵 航 空 群 な ど の 部 隊 が 駐 留 し 、 ヘ リ な

(21)

21

は 米 海 兵 隊 の 運 用 上 、 極 め て 大 き な 役 割 を 果 た し て い る 。

他 方 で 、 同 飛 行 場 の 周 辺 に 市 街 地 が 近 接 し て お り 、 地 域 の

安 全 、 騒 音 、 交 通 な ど の 問 題 か ら 、 地 域 住 民 か ら 早 期 の 返

還 が 強 く 要 望 さ れ て お り 、 政 府 と し て も 、 同 飛 行 場 の 固 定

化 は 絶 対 に 避 け る べ き と の 考 え で あ り 、 同 飛 行 場 の 危 険 性

を 一 刻 も 早 く 除 去 す る こ と は 喫 緊 の 課 題 で あ る と 考 え て

い る 。 わ が 国 の 平 和 と 安 全 を 保 つ た め の 安 全 保 障 体 制 の 確

保 は 、 政 府 の 最 も 重 要 な 施 策 の 一 つ で あ り 、 政 府 が 責 任 を

も っ て 取 り 組 む 必 要 が あ る 。 日 米 両 政 府 は 、 普 天 間 飛 行 場

の 代 替 施 設 に つ い て 、 以 下 の 観 点 を 含 め 多 角 的 に 検 討 を 行

い 、 総 合 的 に 判 断 し た 結 果 、 移 設 先 は 辺 野 古 と す る こ と が

唯 一 の 有 効 な 解 決 策 で あ る と の 結 論 に 至 っ た 。」 と さ れ 、

「 埋 立 の 効 果 」 に つ い て は 「 本 埋 立 て を 行 う こ と で 、 普 天

間 飛 行 場 の 代 替 施 設 が 建 設 さ れ 、 日 米 両 政 府 の 喫 緊 の 課 題

と な っ て い る 、 普 天 間 飛 行 場 の 早 期 の 移 設 ・ 返 還 を 実 現 し

て 、 沖 縄 県 の 負 担 軽 減 を 図 る こ と が 可 能 と な る 。 ま た 、 在

(22)

22

体 制 が 強 化 さ れ 、 わ が 国 の 安 全 と 共 に ア ジ ア 太 平 洋 地 域 の

安 全 に も 寄 与 す る こ と が 可 能 と な る 。」 と し て い る 。

す な わ ち 、 本 件 埋 立 は 、 日 本 国 と ア メ リ カ 合 衆 国 と の 間

の 相 互 協 力 及 び 安 全 保 障 条 約 第 6 条 に 基 づ く 施 設 及 び 区

域 並 び に 日 本 国 に お け る 合 衆 国 軍 隊 の 地 位 に 関 す る 協 定

( 以 下 、「 日 米 地 位 協 定 」 と い う 。) の 第 2 条 の 「 施 設 及 び

区 域 」 の 提 供 義 務 の 履 行 の た め に な さ れ る も の で あ る 。

防 衛 局 は 、 外 交 ・ 防 衛 に か か る 条 約 上 の 義 務 の 履 行 と い

う 目 的 を も っ て 、 公 有 水 面 埋 立 法 上 の 埋 立 承 認 手 続 を 経 て 、

一 連 の 基 地 建 設 の た め の 事 業 を 遂 行 し よ う と し て い る も

の で あ り 、 こ れ は 一 般 私 人 が 立 ち え な い 、 ま さ に 国 家 と し

て の 立 場 に お い て な さ れ る 一 連 の 行 為 に ほ か な ら な い 。

ま た 、 埋 立 必 要 理 由 に 示 さ れ た 利 益 は 、 外 交 ・ 防 衛 上 の

一 般 的 公 益 そ の も の で あ っ て 、 行 政 不 服 審 査 制 度 に よ っ て

実 現 さ れ る 私 人 の 個 別 的 権 利 利 益 で は な い 。

以 上 の と お り 、「 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る

(23)

23

と し て な さ れ る も の で あ り 、 ま た 、 埋 立 て に よ る 利 益 は 外

交 ・ 防 衛 上 の 一 般 公 益 で あ っ て 行 政 不 服 審 査 制 度 が 救 済 の

対 象 と す る 私 人 の 個 別 的 な 権 利 利 益 で な い こ と よ り 、「 固

有 の 資 格 」( 一 般 私 人 が 立 ち え な い よ う な 立 場 に あ る 状 態 )

に お い て な さ れ て い る こ と は 明 ら か で あ る 。

イ 現 政 権 の 立 場 ( 平 成 2 2 年 5 月 2 8 日 閣 議 決 定 )

上 記 の と お り 、 本 件 承 認 の 取 得 は ま さ に 、 国 が 国 と し て

の 立 場 に お い て 行 う も の で あ り 、 そ の 目 的 に お い て お よ そ

私 人 と 同 列 の 関 係 で 行 う も の で は あ り 得 な い が 、 こ の こ と

は 、 現 内 閣 の 閣 議 決 定 に 基 づ く 方 針 か ら も 根 拠 付 け る こ と

が 出 来 る 。

い う ま で も な く 、 沖 縄 防 衛 局 は 防 衛 大 臣 の 指 揮 命 令 に 服

し 、 防 衛 大 臣 及 び 国 土 交 通 大 臣 は と も に 内 閣 の 構 成 員 で あ

る 。 そ し て 、 内 閣 は 、 総 理 大 臣 を そ の 「 首 長 」 と し て 組 織

さ れ 、 総 理 大 臣 が 任 免 権 を 有 す る 各 国 務 大 臣 は そ の 統 括 化

に 形 成 さ れ る 行 政 組 織 を 、「 主 任 の 国 務 大 臣 」 と し て 分 担

(24)

24

け て 決 定 し た 方 針 に 基 づ い て 」 一 体 的 に 行 動 す る ( 内 閣 法

第 6 条 )。 つ ま り 、 国 家 行 政 組 織 の 中 に あ っ て 、 防 衛 大 臣

と 国 土 交 通 大 臣 は と も に 内 閣 の 構 成 員 と し て の 一 体 性 を

有 し 、 閣 議 決 定 に 基 づ く 方 向 性 を 同 じ く し て い る 。

そ し て 、「 平 成 2 2 年 5 月 2 8 日 に 日 米 安 全 保 障 協 議 委

員 会 に お い て 承 認 さ れ た 事 項 に 関 す る 当 面 の 政 府 の 取 組

に つ い て 」 と 題 す る 閣 議 決 定 に お い て 、 国 は 、「 日 米 安 全

保 障 条 約 は 署 名 5 0 周 年 を 迎 え た が 、 特 に 最 近 の 北 東 ア ジ

ア の 安 全 保 障 情 勢 に か ん が み れ ば 、 日 米 同 盟 は 、 引 き 続 き

日 本 の 防 衛 の み な ら ず 、 ア ジ ア 太 平 洋 地 域 の 平 和 、 安 全 及

び 繁 栄 に と っ て も 不 可 欠 で あ る 。 こ の よ う な 日 米 同 盟 を 2

1 世 紀 の 新 た な 課 題 に ふ さ わ し い も の と す る こ と が で き

る よ う に 、 幅 広 い 分 野 に お け る 安 全 保 障 協 力 を 推 進 し 、 深

化 さ せ て い か な け れ ば な ら な い 。 同 時 に 、 沖 縄 県 を 含 む 地

元 の 負 担 を 軽 減 し て い く こ と が 重 要 で あ る 。 こ の た め 、 日

米 両 国 政 府 は 、 普 天 間 飛 行 場 を 早 期 に 移 設 ・ 返 還 す る た め

(25)

25

に 隣 接 す る 水 域 に 設 置 す る こ と と し 、 必 要 な 作 業 を 進 め て

い く と と も に 、 日 本 国 内 に お い て 同 盟 の 責 任 を よ り 衡 平 に

分 担 す る こ と が 重 要 で あ る と の 観 点 か ら 、 代 替 の 施 設 に 係

る 進 展 に 従 い 、 沖 縄 県 外 へ の 訓 練 移 転 、 環 境 面 で の 措 置 、

米 軍 と 自 衛 隊 と の 間 の 施 設 の 共 同 使 用 等 の 具 体 的 措 置 を

速 や か に 採 る べ き こ と 等 を 内 容 と す る 日 米 安 全 保 障 協 議

委 員 会 の 共 同 発 表 を 発 出 し た 。」 と 決 定 さ れ 、 現 政 権 は こ

れ を 承 継 し て い る 。

平 成 2 6 年 6 月 1 3 日 に 公 布 ( 施 行 は 公 布 後 2 年 以 内 で あ

り 、 現 時 点 で は 施 行 さ れ て い な い 。) さ れ た 行 政 不 服 審 査

法 の 改 正 法 の 第 1 条 1 項 の 目 的 規 定 に は 、「 簡 易 迅 速 か つ

公 正 な 手 続 」 と 明 記 さ れ 、 手 続 の 公 正 性 が 前 提 で あ る こ と

が 明 ら か に さ れ て い る が 、 こ れ は 創 設 的 な 規 定 で は な く 、

公 正 な 手 続 と い う 当 然 の 事 理 を 、 そ の 重 要 性 に 鑑 み 、 目 的

と し て 明 記 し た も の と 解 さ れ る 。

し か し 、 辺 野 古 移 設 を 「 唯 一 の 解 決 策 」 と し て 一 体 的 方

(26)

26

縄 防 衛 局 」 と 「 公 正 ・ 中 立 な 審 査 庁 た る 国 土 交 通 大 臣 」 と

位 置 付 け て 、 そ の 判 断 の 中 立 性 ・ 公 正 性 を 保 つ こ と は 余 り

に も 無 理 が あ る 。 そ の 意 味 で 、 判 断 権 者 の 公 正 ・ 中 立 と い

う 基 本 的 な 前 提 が 欠 落 し て い る の で あ り 、「 自 作 自 演 」、「 出

来 レ ー ス 」、「 プ レ イ ヤ ー 兼 ジ ャ ッ ジ 」 と い っ た 批 判 を 免 れ

得 な い 。

加 え て 、 沖 縄 防 衛 局 は 、 本 件 承 認 取 消 に ま つ わ る 紛 争 に

つ い て は 、 所 管 の 大 臣 で あ る 国 土 交 通 大 臣 に 勧 告 あ る い は

是 正 の 指 示 等 、 所 管 の 大 臣 の 有 す る 権 限 を 発 動 す る よ う 求

め る こ と で 足 り る こ と は 明 ら か で あ っ て 、 沖 縄 防 衛 局 に 、

私 人 と 同 様 の 意 味 に お け る 権 利 救 済 の 必 要 性 は 全 く な い 。

し た が っ て 、 本 件 承 認 取 消 に 対 す る 執 行 停 止 申 立 は 、 沖

縄 防 衛 局 の 権 利 保 護 の 必 要 性 と い う 観 点 、 判 断 権 者 の 中 立

性 ・ 公 正 性 の い ず れ も 欠 い て お り 、 裁 定 的 関 与 制 度 を 運 用

す る に あ た っ て 必 須 の 要 件 の い ず れ も 欠 如 し て い る の で

あ る か ら 、 到 底 、 国 に 請 求 適 格 は 認 め ら れ な い の で あ る 。

(27)

27

な し え な い こ と

日 米 両 政 府 は 平 成 2 6 年 6 月 2 0 日 の 日 米 合 同 委 員 会 で 、

米 軍 普 天 間 飛 行 場 移 設 先 と な る 名 護 市 辺 野 古 沖 で 、普 天 間

飛 行 場 の 代 替 施 設 の 工 事 完 了 の 日 ま で 常 時 立 ち 入 り 禁 止

と な る 臨 時 制 限 区 域 を 設 定 す る と と も に 、日 米 地 位 協 定 に

基 づ き 代 替 施 設 建 設 の た め 日 本 政 府 が 同 区 域 を 共 同 使 用

す る こ と( F A C 6 0 0 9 キ ャ ン プ ・ シ ュ ワ ブ の 水 域 の 使 用 条 件

の 変 更 及 び 一 部 水 域 の 共 同 使 用 に つ い て )、 普 天 間 飛 行 場

代 替 施 設 建 設 事 業 の 実 施 に 伴 い 、キ ャ ン プ・シ ュ ワ ブ 内 の

作 業 ヤ ー ド を 整 備 す る た め に 必 要 な 工 事 の 実 施 ( F A C 6 0 09

キ ャ ン プ・シ ュ ワ ブ の 施 設 の 整 備 に 係 る 事 業 の 実 施 に つ い

て ) を 合 意 し た 。

そ し て 、同 年 7 月 1 日 の 閣 議 に お い て 、「『 日 米 地 位 協 定 』

第 2 条 に 基 づ く ,米 軍 使 用 施 設・区 域 の 共 同 使 用 等 に つ い

て ,御 決 定 を お 願 い し ま す 。今 回 の 案 件 は ,沖 縄 防 衛 局 が

普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 の た め ,キ ャ ン プ・シ ャ ワ ブ の

(28)

28

説 明 し 、「『 日 本 国 と ア メ リ カ 合 衆 国 と の 間 の 相 互 協 力 及 び

安 全 保 障 条 約 第 六 条 に 基 づ く 地 位 に 関 す る 協 定 』第 2 条 に

基 づ く 施 設 及 び 区 域 の 共 同 使 用 ,使 用 条 件 変 更 及 び 追 加 提

供 に つ い て 」を 閣 議 決 定 し 、同 月 2 日 に 防 衛 大 臣 が 告 示( 防

衛 省 告 示 第 1 2 3 号 ) し た 。

「 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 」の た め に 、第 一 制 限

区 域 の 設 定 を 日 米 合 同 委 員 会 に お い て 日 米 両 国 間 で 合 意

を し 、こ の 日 米 合 意 に 基 づ い て 閣 議 決 定 し 、防 衛 省 告 示 を

し て い る も の で あ り 、こ れ は 、ま さ に 私 人 は 絶 対 に 行 う こ

と の で き な い 埋 立 事 業 で あ る こ と を 示 し て い る も の に ほ

か な ら な い 。

エ 執 行 停 止 申 立 書・審 査 請 求 書 に お け る 申 立 人( 審 査 請 求

者 ) の 主 張

執 行 停 止 申 立 書 ・ 審 査 請 求 書 に お い て 、申 立 人( 審 査 請

求 者 )沖 縄 防 衛 局 長 は 、埋 立 て の 必 要 性 及 び 公 共 性 と し て 、

「 本 件 埋 立 て に よ り 、普 天 間 飛 行 場 周 辺 に 旧 住 す る 住 民 等

(29)

29

る と い う 利 益 が 大 き い こ と や 、同 飛 行 場 の 辺 野 古 へ の 移 設

と い う 日 米 間 の 合 意 を 実 現 す る こ と に よ り 、日 米 間 の 信 頼

関 係 は も と よ り 、日 米 同 盟 を 堅 持 す る こ と に な り 、外 交 ・

国 防 上 の 利 益 が 非 常 に 大 き い こ と や 、さ ら に 、宜 野 湾 市 に

よ る 効 率 的 な ま ち づ く り の 進 展 及 び 多 大 な 経 済 的 効 果 の

創 出 と い う 利 益 が 得 ら れ る こ と か ら 、本 件 埋 立 て の 必 要 性

及 び 公 共 性 は 高 い 」( 執 行 停 止 申 立 書 7 頁 、 審 査 請 求 書 7

頁 ) と 主 張 し て い る 。

こ こ で 主 張 さ れ て い る の は 、ま さ に 一 般 公 益 そ の も の で

あ り 、行 政 不 服 審 査 制 度 の 保 護 の 対 象 で あ る 私 人 の 個 別 的

な 権 利 利 益 と は ま っ た く 異 質 な も の で あ り 、行 政 不 服 審 査

制 度 の 対 象 と な る も の で は な い 。

本 件 埋 立 承 認 出 願 は 、行 政 が「 固 有 の 資 格 」に 基 づ い て

行 っ た も の で あ る こ と は 、執 行 停 止 申 立 書・審 査 請 求 書 に

お け る 主 張 か ら も 明 ら か で あ る 。

4 小 括

(30)

30

益 の 救 済 を 目 的 と す る も の で あ り 、国 は 私 人 と 同 一 の 立 場 に 立

つ 場 合 (「 固 有 の 資 格 」 に 基 づ か な い 場 合 ) で な け れ ば 、 審 査

請 求 等 の 適 格 を 有 し な い も の で あ る 。

し か る に 、公 有 水 面 埋 立 法 は 、私 人 が 事 業 主 体 と な る「 免 許 」

と 国 が 事 業 主 体 と な る「 承 認 」を 明 確 に 区 別 し て 規 律 し て い る

の で あ る か ら 、私 人 が「 承 認 」申 請 を す る こ と は 不 可 能 で あ り 、

本 件 公 有 水 面 埋 立 承 認 出 願 が「 固 有 の 資 格 」に 基 づ く こ と は 客

観 的 ・ 形 式 的 に も 明 ら か で あ る 。

ま た 、 実 質 的 に 検 討 し て も 、 本 件 埋 立 承 認 出 願 は 、 外 交 ・ 防

衛 上 と い う 一 般 公 益 の た め 、条 約 上 の 義 務 の 履 行 の た め の 一 連

の 手 続 と し て な さ れ た も の で あ り 、そ の 目 的 は 閣 議 決 定 を さ れ

て い る も の で あ る 。ま た 、本 件 埋 立 な ど 基 地 建 設 事 業 を 実 施 す

る た め に 日 米 合 同 委 員 会 合 意 、閣 議 決 定 、防 衛 大 臣 告 示 に よ っ

て 臨 時 制 限 区 域 の 設 定 が な さ れ て い る が こ れ は 一 般 私 人 は 行

う こ と が で き ず 国 の み が な し う る も の で あ り 、沖 縄 防 衛 局 に よ

る 本 件 埋 立 承 認 出 願 が「 固 有 の 資 格 」に 基 づ く こ と は あ ま り に

(31)

31

審 査 請 求 人・執 行 停 止 申 立 人 に は 審 査 請 求 等 の 適 格 は 認 め ら

れ ず 、本 件 執 行 停 止 申 立 て は 不 適 法 で あ る か ら 、却 下 さ れ な け

れ ば な ら な い2

第 2 執 行 停 止 の 要 件 が 認 め ら れ な い こ と

1 重 大 な 損 害 を 避 け る た め 緊 急 の 必 要 性 が 無 い こ と ( 1 ) 執 行 停 止 申 立 書 に お け る 主 張

審 査 請 求 人・執 行 停 止 申 立 人 は 、本 件 埋 立 承 認 取 消 に よ り 、

「 普 天 間 移 設 事 業 の 工 程 の 大 幅 な 遅 延 及 び 一 時 中 止 を 余 儀

な く さ れ 、普 天 間 飛 行 場 周 辺 に お け る 航 空 機 等 に よ る 事 故 等

に 対 す る 危 険 性 及 び 騒 音 等 の 被 害 の 一 日 も 早 い 除 去 が 遅 れ

る こ と に な り 、万 が 一 、事 故 等 が 生 起 す れ ば 、同 飛 行 場 周 辺

に 居 住 す る 住 民 等 の 生 命 、身 体 及 び 財 産 に 甚 大 な 被 害 を 及 ぼ

す こ と に な り 、当 該 住 民 等 の 生 命 、身 体 及 び 財 産 に 係 る 安 全

を 確 保 し 、 生 活 環 境 を 保 全 す る こ と が で き な く な る こ と や 、

同 飛 行 場 の「 2 0 2 2 年( 平 成 3 4 年 度 )又 は そ の 後 に 変 換 」

が 大 幅 に 遅 延 し 、日 米 間 に お い て 確 認 さ れ た 普 天 間 移 設 事 業

に 係 る ス ケ ジ ュ ー ル の 見 直 し が 必 至 と な り 、米 国 と の 信 頼 関

係 は も と よ り 、日 米 同 盟 に 悪 影 響 を 及 ぼ す 可 能 性 が あ り 、外

交・防 衛 上 重 大 な 不 利 益 を 生 じ る こ と に な る な ど 、重 大 な 損

害 が 生 じ 、か つ 、こ れ ら を 避 け る た め 緊 急 の 必 要 性 が 明 ら か

2 武 田 真 一 郎「 承 認 取 消 と 今 後 の 展 望 」平 成 2 7 年 9 月 2 3 日 沖 縄 タ イ ム ス 。

岩 礁 破 砕 許 可 等 に 係 る 指 示 に 関 す る 審 査 請 求 ・ 執 行 停 止 に つ い て 沖 縄 防 衛 局 が 「 固 有 の 資 格 」 を 有 す る と す る も の と し て 、 白 藤 博 行 「 辺 野 古 新 基 地 建 設 問 題 に お け る 国 と 自 治 体 の 関 係 」 法 律 時 報 8 7 巻 11 号 、 徳 田 博 人 「 辺 野 古 新 基 地 建 設 の 阻 止 と 沖 縄 防 衛 局 の 審 査 請 求 問 題 」 季 刊 自 治 と 分 権 6 0

号 、 神 野 健 二 「 辺 野 古 新 基 地 建 設 問 題 の 展 開 と 基 地 建 設 の 利 益 」 法 律 時 報

(32)

32

に 認 め ら れ る 」 と し て い る 。

( 2 ) 行 政 不 服 審 査 制 度 の 対 象 と な る 内 容 で は な い こ と

審 査 請 求 人・執 行 停 止 申 立 人 が 主 張 す る 上 記 内 容 は 、私 人

の 個 別 的 な 権 利 利 益 で は な く 、 一 般 公 益 そ の も の で あ る 。

行 政 不 服 審 査 法 は 、私 人 の 個 別 的 な 権 利 利 益 を 救 済 す る 制

度 で あ っ て 、一 般 公 益 を 保 護 す る 制 度 で は な い か ら 、行 政 不

服 審 査 法 に お い て 一 般 公 益 を 根 拠 に 執 行 停 止 を 認 め る こ と

は 許 容 さ れ な い も の で あ る 。

ま た 、そ も そ も「 外 交 ・ 防 衛 」は 国 土 交 通 省 が 所 掌 す る も

の で は な い 。国 土 交 通 省 設 置 法 第 3 条 は「 国 土 交 通 省 は 、国

土 の 総 合 的 か つ 体 系 的 な 利 用 、開 発 及 び 保 全 、そ の た め の 社

会 資 本 の 整 合 的 な 整 備 、交 通 政 策 の 推 進 、観 光 立 国 の 実 現 に

向 け た 施 策 の 推 進 、気 象 業 務 の 健 全 な 発 達 並 び に 海 上 の 安 全

及 び 治 安 の 確 保 を 図 る こ と を 任 務 と す る 」と 定 め 、同 法 第 4

条 に 示 さ れ た 1 2 8 の 所 掌 事 務 に も 、 当 然 の こ と な が ら 、「 外

交 ・ 防 衛 」 は 含 ま れ て い な い 。「 外 交 ・ 防 衛 上 の 重 大 な 不 利

益 」を 国 土 交 通 大 臣 が 判 断 を す る こ と に 根 拠 は な い も の で あ

る 。

( 3 ) 国 が 直 ち に 行 う べ き こ と

ア 申 立 人 は 、 普 天 間 飛 行 場 の 周 辺 の 危 険 の 除 去 を い う が 、

そ も そ も 5 年 以 内 の 普 天 間 飛 行 場 の 運 用 停 止 と い う 約 束

を 国 が 守 る な ら ば 、工 事 竣 工 前 に 危 険 性 は 除 去 さ れ て い な

け れ ば な ら な い も の で あ り 、工 事 が 遅 れ る か ら 普 天 間 飛 行

場 の 周 辺 の 危 険 の 除 去 が 遅 れ る こ と に は な ら な い 。

国 が な す べ き こ と は 、5 年 以 内 の 運 用 停 止 を 実 現 す る こ

(33)

33

イ ま た 、普 天 間 飛 行 場 周 辺 の 基 地 被 害 に 関 し て は 、国 が 違

法 に 対 応 を 怠 っ て い る も の で あ る 。

(ア) 平 成 8 年 3 月 2 8 日 、 嘉 手 納 飛 行 場 及 び 普 天 間 飛 行 場

の 航 空 機 騒 音 を 軽 減 す る た め 、 日 米 合 同 委 員 会 に お い て 、

「 嘉 手 納 飛 行 場 及 び 普 天 間 飛 行 場 に お け る 航 空 機 騒 音

規 制 措 置 に 関 す る 合 同 委 員 会 合 意 」 ( 以 下 、 「 平 成 8 年

騒 音 防 止 協 定 」 と い う 。 ) に お い て 「 場 周 経 路 は 、 で き

る 限 り 学 校 病 院 を 含 む 人 口 稠 密 地 域 上 空 を 避 け る よ う

設 定 す る 。 」 こ と 等 が 合 意 さ れ た 。

喫 緊 の 課 題 は 、 こ の 合 意 の 順 守 で あ る が 、 平 成 8 年 騒

音 防 止 協 定 か ら 2 0 年 近 く が 過 ぎ よ う と す る 現 在 に 至 っ

て も な お 、 国 は 米 軍 に こ れ を 遵 守 さ せ る た め に 実 効 的 な

措 置 を 採 る こ と な く 今 も な お 、 基 地 被 害 を 蔓 延 さ せ て い

る こ と を 端 的 に 物 語 っ て い る 。

第 1 次 普 天 間 爆 音 訴 訟 控 訴 審 判 決 ( 福 岡 高 等 裁 判 所 那

覇 支 部 平 成 2 2 年 7 月 2 9 日 判 決 ) に お い て は 、 「 平 成 8

年 規 制 措 置 は 、 事 実 上 、 形 骸 化 し て い る と 言 っ て も 過 言

で は な い 。 」( 注 下 線 は 処 分 庁 )と 判 示 し 、 国 が 米 国 に 対

し て な ん ら 実 効 的 な 対 応 を し て こ な か っ た こ と を 断 罪 し

て い る 。

(イ) さ ら に 、M V - 2 2 オ ス プ レ イ に 関 し て も 、 日 米 合 同 委

員 会 の 合 意 は 実 効 性 が な く 、国 は 米 国 、米 軍 に 対 し て は

毅 然 と し た 対 応 を し な い 。

か か る M V - 2 2 オ ス プ レ イ の 配 備 に つ い て は 強 い 反 対

が 示 さ れ る な か 、 平 成 2 4 年 9 月 、 日 米 合 同 委 員 会 に お

(34)

34

す る 合 同 委 員 会 合 意 」 ( 以 下 、 「 平 成 2 4 年 合 意 」 と い

う 。 ) が 締 結 さ れ 、 平 成 8 年 騒 音 防 止 協 定 の 内 容 を 再 確

認 す る と と も に 、M V - 2 2 オ ス プ レ イ の 運 用 に つ い て も 飛

行 モ ー ド を 制 限 す る こ と な ど が 合 意 さ れ た 。

し か し な が ら 、 こ の 合 意 も 平 成 8 年 合 意 と 同 じ く 、 国

が 何 ら 騒 音 の 発 生 を 回 避 す る た め に 実 効 性 あ る 措 置 と な

っ て い な い こ と が 露 呈 し た 。 す な わ ち 、 平 成 2 4 年 1 0 月

1 日 か ら 同 年 1 1 月 3 0 日 ま で の M V - 2 2 オ ス プ レ イ に 関

す る 目 視 状 況 に よ れ ば 合 意 の 趣 旨 に 反 す る 飛 行 は 3 1 8 件

認 め ら れ 、 さ ら に 、 平 成 2 5 年 の 調 査 に お い て は 、 同 じ

く 合 意 の 内 容 に 反 す る 飛 行 が 3 3 6 件 確 認 さ れ 、 平 成 2 4

年 の 調 査 よ り も 更 に 増 加 し て い る ほ か , 名 護 市 に お い て

も 、 配 備 直 後 か ら 国 立 沖 縄 工 業 高 等 専 門 学 校 ( 以 下 「 沖

縄 高 専 」と い う 。)裏 及 び 周 辺 着 陸 帯 に 離 着 陸 す る た め 、

沖 縄 高 専 、 久 辺 小 学 校 、 久 辺 中 学 校 及 び 児 童 養 護 施 設 な

ご み の 上 空 を 離 着 陸 モ ー ド で 飛 行 し 、 辺 野 古 集 落 上 空 を

旋 回 す る の が 幾 度 と な く 目 撃 さ れ て い る 。

こ の 様 な 、 平 成 2 4 年 合 意 の 内 容 を 無 視 す る 運 用 に 対

し て 当 時 の 沖 縄 県 知 事 仲 井 眞 弘 多 は 、 平 成 2 4 年 に 、 そ

の 飛 行 経 路 ・ モ ー ド 等 の 検 証 を 沖 縄 防 衛 局 長 に 要 請 し た

が ( 知 基 第 8 5 5 号 「 オ ス プ レ イ に 関 す る 確 認 に つ い

て 」 ) 、 防 衛 局 の 対 応 は 「 明 確 な 違 反 は 見 つ か ら な い 」

と い う も の で あ り 、 多 数 の 目 視 情 報 に も か か わ ら ず 、 何

ら 具 体 的 な 方 策 を 示 し て い な い 。

(ウ) 以 上 の と お り 、 国 は こ れ ま で 、 米 国 、 米 軍 に 対 し て 、

(35)

35

て お ら ず 、国 の 無 策 、無 関 心 と 米 国 に 対 す る 怯 懦 に よ っ

て 騒 音 被 害 の 蔓 延 を 許 し て い る 状 況 が 続 い て い る 。

こ の 様 な 状 況 に お い て 、 辺 野 古 に 新 基 地 を 建 設 す る

こ と は 、 基 地 被 害 を 沖 縄 県 内 で た ら い 回 し を し 、 新 基

地 周 辺 の 集 落 の 住 民 に 対 し て 新 た な 危 険 を 生 じ さ せ 、

か つ 、 そ れ を 永 続 さ せ る こ と に ほ か な ら な い 。

( 4 ) 審 査 請 求 に 対 す る 裁 決 が 速 や か に な さ れ る べ き こ と

申 立 人 は 、 執 行 停 止 が 認 め ら れ な け れ ば 普 天 間 飛 行 場 の

閉 鎖 が 遅 延 し 、 普 天 間 飛 行 場 周 辺 の 住 民 の 被 害 の 除 去 が 遅

滞 す る と 主 張 す る 。

本 件 埋 立 承 認 か ら 2 年 近 く を 経 過 し て い る が 、 事 前 協

議 も 整 っ て い な い も の で あ り 、そ も そ も 現 時 点 に お い て 、

直 ち に 本 体 工 事 に 着 工 で き る 状 況 に は な い 。

処 分 庁 は 、 弁 明 書 の 提 出 期 限 を 待 つ こ と な く 、 執 行 停

止 に 対 す る 意 見 書 の 提 出 と 同 時 に 、 審 査 請 求 に 対 す る 弁

明 書 を 提 出 し 、 弁 明 書 で 主 張 は 尽 き て い る の で 直 ち に 裁

決 を す る こ と を 求 め て い る 。

執 行 停 止 に 対 す る 判 断 が で き る の で あ る な ら ば 、 審 査

請 求 に 対 す る 判 断 も 直 ち に な し う る は ず で あ る 。

申 立 人 の 意 見 は 、 執 行 停 止 決 定 は 即 時 に な さ れ 、 審 査

請 求 は 判 断 を し な い ま ま 長 期 に わ た っ て 、 い わ ば 塩 漬 け

に す る こ と を 前 提 に し た も の と い う べ き で あ る が 、 そ も

(36)

36

2 執 行 停 止 に よ り 公 共 の 福 祉 に 重 大 な 影 響 を 及 ぼ す こ と ( 1 ) 埋 立 て の 必 要 性

本 件 埋 立 て は 、海 兵 隊 航 空 基 地 の 建 設 を 目 的 と す る も の で

あ り 、海 兵 隊 航 空 基 地 新 設 の 動 機 は 普 天 間 飛 行 場 の 返 還 に あ

る と さ れ る 。

国 は 、本 件 埋 立 承 認 取 消 に よ り 、普 天 間 飛 行 場 の 返 還 が 阻

害 さ れ る こ と 、日 米 両 国 間 の 信 頼 関 係 へ の 悪 影 響 と い う 不 利

益 を 被 る と 主 張 す る 。

し か し な が ら 、 普 天 間 飛 行 場 の 返 還 と い う 点 に つ い て は 、

沖 縄 へ の 米 軍 、 海 兵 隊 の 駐 留 を 前 提 と し て も 、 海 兵 隊 航 空 基

地 を 沖 縄 に 置 か な け れ ば な ら な い と い う 地 理 的 必 然 性 は 認

め ら れ ず 、普 天 間 飛 行 場 を 県 内 に し か 移 設 で き な い と い う 地

理 的 ・ 軍 事 的 根 拠 は 存 し な い も の で あ る こ と は 、 同 時 に 提 出

す る 第 2 意 見 書 及 び 第 5 意 見 書 に お い て 詳 述 す る と お り で

あ る 。

日 米 両 国 間 の 信 頼 関 係 へ の 悪 影 響 と い う 点 に つ い て は 、そ

も そ も 極 め て 漠 然 と し た 主 張 で あ る が 、普 天 間 飛 行 場 の 移 設

計 画 に あ た っ て 、 県 外 も し く は 国 外 移 設 の 可 能 性 を 排 し て 、

辺 野 古 移 設 が 唯 一 の 解 決 策 と し て 移 設 計 画 を 進 め て き た 結

果 、 本 件 承 認 が 取 り 消 さ れ 、 日 米 両 国 間 の 信 頼 関 係 を 悪 化 さ

せ る と す れ ば 、 そ れ は と り も 直 さ ず 、 県 外 国 外 移 設 に 向 け た

努 力 を 怠 っ た 国 の 責 任 に よ る も の と い う 他 な い 。

( 2 ) 本 件 埋 立 に よ り 失 わ れ る 公 益

本 件 事 業 実 施 区 域 で あ る 辺 野 古 崎 ・ 大 浦 湾 地 区 に は 、 豊 か

で 貴 重 な 自 然 環 境 と 良 好 な 生 活 環 境 が 残 さ れ て い る こ と は 、

(37)

37

り で あ る 。

自 然 環 境 は 、一 度 消 失 す る と い く ら 巨 額 の 資 金 を 投 資 し た

と し て も 、 人 工 的 に は 再 生 不 可 能 で あ る 。 自 然 環 境 が 、 か か

る 不 可 逆 的 性 質 を 有 し て い る と い う の は 重 要 で あ る 。

こ の よ う な 、豊 か で 貴 重 な 自 然 環 境 と 良 好 な 生 活 環 境 を 破

壊 し て 新 基 地 を 建 設 し 、沖 縄 の 過 重 な 基 地 負 担 を さ ら に 将 来

に わ た っ て 固 定 化 す る 不 利 益 は 看 過 で き な い も の で あ り 、本

件 承 認 を 維 持 す る こ と に よ る 公 益 上 の 不 利 益 は 甚 大 で あ る 。

環 境 へ の 十 分 な 配 慮 が な さ れ て い な い 状 況 に お い て 埋 立

を 行 う こ と で 、事 業 実 施 区 域 の 環 境 が 回 復 不 可 能 な 被 害 を 蒙

る 結 果 は 、公 益 に 著 し く 反 す る も の と 言 わ な け れ ば な ら な い 。

( 3 ) 小 括

執 行 停 止 に よ っ て 本 件 埋 立 が 強 行 さ れ る な ら ば 、公 益 上 の

不 利 益 は 、再 生 不 可 能 な 不 可 逆 的 側 面 を 有 す る と い う 点 に お

い て 前 記 の 通 り 甚 大 で あ る の に 対 し 、こ れ を 取 り 消 す 不 利 益

は 、上 記 の 範 囲 に と ど ま る も の で あ っ て 、両 者 を 比 較 す れ ば 、

本 件 承 認 を 取 り 消 す こ と な く 放 置 す る こ と は 、公 共 の 福 祉 の

要 請 に 照 ら し て 著 し く 不 当 で あ る と い わ ね ば な ら な い 。

3 本 案 に つ い て 理 由 が な い こ と( 本 件 埋 立 承 認 取 消 は 適 法 で あ る こ と )

同 時 に 提 出 す る 第 2 意 見 書 な い し 第 5 意 見 書 に お い て 詳 述

す る と お り 、本 件 埋 立 承 認 に は 瑕 疵 が あ り 、瑕 疵 あ る 承 認 を 放

置 す る こ と は 著 し く 公 共 の 福 祉 に 反 す る も の で あ る か ら 、沖 縄

(38)

38

も の で あ る 。

第 3 結 語

参照

関連したドキュメント

論点 概要 見直しの方向性(案) ご意見等.

1 

学校の PC などにソフトのインストールを禁じていることがある そのため絵本を内蔵した iPad

、「新たに特例輸入者となつた者については」とあるのは「新たに申告納税

その 2-1(方法A) 原則の方法 A

明治 20 年代後半頃から日本商人と諸外国との直貿易が増え始め、大正期に入ると、そ れが商館貿易を上回るようになった (注

後見登記等に関する法律第 10 条第 1

[r]