• 検索結果がありません。

isyou design senryaku

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "isyou design senryaku"

Copied!
23
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成18年度

意匠出願動向調査報告書

デザインの開発・管理・保護・出願戦略

に関する調査

(要約版)

<目次>

1.企業におけるデザイン開発… … … … 1 2.国内企業におけるデザイン管理・保護・出願戦略… 6 3.海外企業におけるデザイン管理・保護・出願戦略…13 4.国内外企業における模倣品対策… … … …14 5.望ましいデザイン開発、管理・保護体制… … … … …20

平成19年3月

特 許 庁

(2)

1. 企業におけるデザイン開発

1.1 デザイン開発体制とアウトーシング

社内のデザイン開発体制が小規模な企業の多くでは外部デザイナーの活用が少な いこと、逆に社内のデザイン開発体制が充実している企業では外部デザイナーの 活用も活発なのが一般的な傾向である。

1 社内デザイン開発体制

(例:10∼30は「10人以上30人未満」を意味する) 外部デザイナー等

0 ∼3 3∼ 10

10∼ 30

30∼ 50

50∼ 100

100∼ 300

300∼ 無回答 総計

0 2 1 4 7

∼3 9 5 5 2 21

3∼ 10

9 2 8 4 2 25

10∼ 30

9 5 7 1 3 25

30∼ 50

3 4 2 2 1 2 14

50∼ 100

1 1 1 2 5

100∼ 300

1 3 1 2 7

300∼ 1 1 2

無回答 14 14

総計 34 17 27 11 1 2 1 27 120

出所:アンケート

(3)

産業分類に関わらず,多くの企業でデザイン開発のアウトソーシングが進んでい る。

1 デザイン開発のアウトソーシングの利用状況

(数値は各産業分類の企業数。「全体」は全産業分類の単純計)

4 5

7 5

6 7 4 2

8 4 4

1 57

1 5

3 5

4 6 4

3

9 7

8

1 56

1 2 2

1 1 2 5

3

2 3

2 0 24

0% 20% 40% 60% 80% 100%

M:基礎製品 L:土木建築 K:産業機械 J :一般機械 H:電気通信 G:運輸運搬 F :事務販売 E :趣味運動 D:住宅設備 C :生活用品 B :衣服身回 A :食品嗜好 全体

デザイン開発サイル(単位:月)

ほとんど行っていない きどき行っている 行っている

中小企業で経営トップが製品デザインにも携わっているケースがあった。自社で 完結するのではなく,外部のデザイン事務所などを有効活用している。

アウトソーシングをする際に、すべてを委託するのではなく、内部で開発する部

(4)

1.2 開発期間と開発スケジュール

デザインの開発開始から製品発売までの期間はたいていの産業分野で約1年。

開発期間の長短にかかわらず、意匠出願は、製品発売の3か月∼5か月前。

デザインの最終決定から製品発売までの期間が短く、上記期間が取れない場合は、 デザインの最終決定前に意匠出願をするケースも。

現在の平均審査期間である6か月に対しては、肯定的な意見が多い。 図 2 開発期間の長さ

12.0 10.7 9.3

13.9 13.2 10.4

18.4 10.7

11.5 11.8 9.2

11.2 7.0

11.8

3.0 5.0

6.1

8.7 10.2 6.5

14.5 7.5

6.5

9.0 4.9

7.1 2.0

7.9

1.0

4.4 5.1

9.0 9.0 4.5

13.7 6.0

6.4 6.8 4.5

7.3 5.0

6.9

0 5 10 15 20

N:その他 M:基礎製品 L:土木建築 K:産業機械 J :一般機械 H:電気通信 G:運輸運搬 F :事務販売 E :趣味運動 D:住宅設備 C :生活用品 B :衣服身回 A :食品嗜好 全体

デザイ開発サイル(単位:月)

デザイン開発の開始∼製品発売 デザイ開発の開始∼意匠出願

デザイン開発の開始∼デザイの最終決定

(5)

1.3 デザイン開発のポイント

デザイン開発のポイントは、よいデザインをつくり、それを権利として保護する というデザイン主体の考え方と、デザイン以外の内面的なオリジナリティ(機能 や品質)を保護するために、外形的なデザインと組み合わせて保護することによ り、内面的なオリジナリティの保護を容易にするというものがある。

1.4 権利帰属

権利帰属について、OEMで製造される製品に対して、製造委託側が権利を持つ場 合、生産受託側が権利を持つ場合、両方で持つ場合の3通りがあるケースがあっ た。権利を取得したところで、それを活用できるかについて、客観的な検討が必 要であろう。

1.5 秘密管理

秘密管理については、国内企業は海外の企業ほど深刻に感じている企業は少ない。 今後は海外企業と同様、人材流動化による情報やノウハウの流出の問題は、深刻 になってくると予想される。

(6)

1.6 デザイン開発によって企業戦略上成功した製品事例

意匠権の活用がもっとも多く、特許権と不正競争防止法がそれに続いている。

意匠権を取得することは、デザイン開発において必要不可欠な権利である。

デザイン保護の具体的な方法は、警告・訴訟・税関への差し止め依頼が主。

成功の内容としては、模倣品の排除・販売差し止め・賠償金の請求のみならず、 ライセンス供与という回答も複数あった。

2 成功した製品事例の件数と活用した産業財産権など 活用した産業財産権など

意 匠 分 類 グループ

意匠権 特許権 商標権 実用新案権 不正競争 防止法

著作権 その他

A 3 2 1 1 1

B 13 9 4 2 2 3 1

C 6 6 1 1

D 6 5 3 3 1 1

E 7 7 3

F 3 2 1

G 2 2

H 7 5 1 2 3 1

J 4 4 1

K 7 2 1 1

L 8 7 3 1 2 1

M 2 2 1 1 1 1

無回答 1 1

総計 69 52 16 11 4 16 5

(7)

2. 国内企業におけるデザイン管理・ 保護・ 出願戦略

2.1 デザイン管理体制

3人未満の小規模な管理体制を取っている企業がほとんどである。

他の産業財産権(商標権,特許権)と合わせた担当になっていることが一般的。

3 デザイン管理体制

(例:10∼30は「10人以上30人未満」を意味する) 外部弁理士等

0 ∼3 3∼10 10∼30 無回答 総計

0 1 1

∼3 23 44 7 11 85

3∼10 6 4 7 1 3 21

10∼ 1 1 2

30∼50

50∼100 1 1 2

無回答 9 9

総計 30 49 14 3 24 120

出所:アンケート

意匠権に関する人材育成の面で工夫している事例が見られる。

知的財産に関する教育として、デザイナーを含めた社員を対象にセミナーを行な う。また、業務の中でデザイナーに対しデザインに対する権利意識を持ってもら うために手段を講じている事例がある。

教育の効果については,必ずしも把握されていない。

(8)

2.2 意匠出願時における意思決定

出願の目的は、防衛的な意味を持つ「(1)他社による模倣品・類似製品対策」がも っとも多い。次いで自社の安心を担保する「(3)他社への侵害性回避」である。

(5)ライセンシング」を目的とした出願はまだごくわずかである。

3 意匠出願の目的

数値は各企業が回答した産業分野数の合計。1企業が複数の産業分野に対して回答していることがある。

7 11

82 119 107

172

176 172

101 64 76

11

0% 20% 40% 60% 80% 100% ( 6) その他

( 5)ライセンシン ( 4)特許権の補完 (3) 他社への侵害性回避 (2) 自社製品のブラ力の強化 ( 1) 他社による模倣品・類似製品対策

はい

出所:アンケート

出願の判断は、「製品化」「オリジナリティ」が主要な条件である。

製品コストや製品価格との関係は、特に見られない。

日本以外の出願国は、中国が多い。以下欧州や米国,東南アジアが続く。中国は 生産国・販売国・模倣発生国いずれにも位置付けられることによる。欧州におい ては,各国特許庁からOHIMへの移行が進んでいる。

権利化の意思決定はデザイン開発部門と知的財産部門の両方で検討して行なう場 合が一般的である。

2.3 出願手続き中における意思決定

デザイン変更に伴う出願の取り下げ自体がないという意見が大半である。

拒絶査定となった場合,多くの企業では反論していくという意見が多い。また、 拒絶査定にあっても,製品デザイン変更を行なわないという意見が見られた。

(9)

2.4 権利取得後における意思決定

意匠権のライセンスについては否定的な意見が大半である。

権利の維持は、「製品本体の販売期間を基本とする考え方」「部品の販売期間を基 本とする考え方」「可能な限り長期に維持するという考え方」のいずれかである。

2.5 意匠権に関する各種制度の利用状況

部分意匠制度・関連意匠制度はほとんどの出願人が利用している

早期審査制度はほとんど利用されない。

秘密意匠制度はデザイン決定から製品発売までの時間を要する特定の産業分野を 除いては、あまり利用されていない。

判定制度は低コストで客観的な結果が得られるという利点を持ち,利用したこと のある企業にとっては評価が高い。

4 意匠権に関する各種制度の利用状況

数値は各企業が回答した産業分野数の合計。1企業が複数の産業分野に対して回答していることがある。

41

163 158 16

128

15 22 162

21 12

10 12

0% 20% 40% 60% 80% 100%

( 4) 秘密意匠制度 ( 3) 関連意匠制度 ( 2) 部分意匠制度 ( 1) 早期審査制度

使う 使わない 不明

出所:アンケート

(10)

2.6 意匠権による効果

意匠権による効果は、「権利化による他社の抑制・牽制」「顧客の安心・利用時の 保証」「模倣品対策」「他社への侵害性回避」「商品ブランドの構築」「技術保護の 補完」。

日本国特許庁への意匠権出願については、効果が高いという意見が多い。

米国・韓国・欧州共同体においても同様に効果が高いという意見が多い。

中国は,効果に否定的な意見が多い半面、高いという評価もある。消極的な評価 や将来の期待にくわえ,最近は積極的な評価も含まれたものか?

5 日本国特許庁への意匠権出願の効果

数値は各企業が回答した産業分野数の合計。1企業が複数の産業分野に対して回答していることがある。 図 6とは異なることに留意。

22 100 42 1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1

(1)高い (2)まあまあ高い (3)あまり高くない (4)低い

出所:アンケート

(11)

6 各国特許庁への意匠権出願の効果

数値は企業数。図 5とは異なることに留意。

1

1 1 1 5 7 4

2 9 4

5

1 2

4 19

33 25 9 27

25

2 0 1

1 10

11 16 8 31

13

0 0 0 0 0 0 1 1 6

3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

英国 欧州共同体 米国 台湾 香港 中国 韓国

(1)高い (2)まあまあ高い (3)あまり高くない (4)低い

出所:アンケート

(12)

2.7 デザイン管理・保護における意匠制度以外の制度の活用状況

意匠権で保護できるのは,外見的なデザインのみである。意匠権以外のデザイン 保護を活用し,より強い権利としている事例が見られる。法律や制度ごとに保護 要件や権利の効力が及ぶ範囲は異なる。各法律や制度を複合的に適用することが 肝要である。

商標権は、更新により半永久的に保持できる権利という点では意匠権より有効で ある。

内部の機能は特許権や実用新案権を用いて,外見的なデザインは意匠権で,内外 両面から押さえることにより強い権利とすることが可能である。逆に特許権の補 完として意匠権を使う事例も。

著作権を用いて保護するためには,日本では条件が限られており,利用されるの は特定の場合に限る。

不正競争防止法は意匠権などの産業財産権がないときに,最も多く使われる手法 である。

グッドデザイン賞などの賞は、受賞したデザインがオリジナルのものであること を第三者から認められることにより,当該デザインに対する他者への牽制になる。 デザインに力を入れている企業であることをアピールできる利点もある。

カタログ寄託は、自社の権利化よりも,他社に権利化をさせないことを主目的と するのであれば有効な手段のひとつである。簡便に利用できる利点がある。

(13)

7 デザイン保護に係る法律の整理

商標法 著作権法

意匠法

意匠】

部分意匠

動的意匠

関連意匠

組物意匠

秘密意匠

標章】

通常商標

立体商標

特許法 実用新案法

差止請求権(侵害行為の停止・予防・その他必要な措置)

信用回復措置請求権(著作権では名誉回復措置請求権)

刑事責任の追及(※ 著作権侵害のみ親告罪)

商品等表示】

美術の著作物】

発明】

考案】

登録から15年

19年4月1日より20年)

登録から10年

更新により半永久的)

著作者の死後 50年

混同惹起:半永久 形態模倣:3年 出願から

20年・10年

不正競争 防止法

権利付与法

独占排他的権利(絶対的・相対的)を付与)

行為規制法

不正行為を規制)

出願・登録必要 出願・登録不要

※ 上記各法律に基づく保護を受けるためには、当該デザインが各法ごとに定める保護要件を充足することが必要である

登録意匠と同一・ 類似範囲で専用権

同一範囲:専用権 類似範囲:禁止権

特許請求・ 実用新案請求の

範囲で専用権

同一・類似範囲で 依拠性をも 著作物に対する

禁止権

独自創作には及ばず)

混同惹起規制: 同一・類似範囲 形態模倣規制:

実質同一範囲

損害賠償請求権(709)

不当利得返還請求権(703・704)

損害賠償請求権

不競4)

自他識別性

技術的思想に 基づく創作

応用美術のうち,

美術工芸品

純粋美術と同視 る創作物

周知性

商品の形態】

出所:経済産業省・特許庁・文化庁ウェブページ等をもとに株式会社三菱総合研究所作成

(14)

3. 海外企業におけるデザイン管理・ 保護・ 出願戦略

3.1 諸外国の企業における意匠制度の活用状況 以下は代表的な意見である。

将来の市場も想定した上で,販売国,製造国で(意匠を含む)特許をとっている。

意匠に関して,日本で取り下げたものはない。デザインが新しく,特徴的なので, 拒絶されることはない。

デザインを決定してから意匠権出願をするので,その後変更することはない。

審査の有無によって権利の強さや有効性が違うという意識はない。

ライセンスは行っていない。多くの企業で外見を似せることにより機能も同じで あると思わせることがあるため。また、クロスライセンスを行うつもりはない。 クロスライセンスにすると他社との差別化ができなくなる。

製品が販売されていなくても権利は維持する。初期の製品で権利が切れたあとに 類似の製品が現れたことがある。

日本国特許庁の意匠権の権利維持期間が20年に延長されることは歓迎する。ほと んどの権利は20年間維持することになると思う。

日本の部分意匠制度の有効性について検証するためのテストケースとして最近部 分意匠出願を始めた。

日本の関連意匠制度の利用について、20074月以降改正されてからは検討した い。

3.2 各国企業におけるデザイン戦略(開発・管理・保護)の整理 以下は代表的な意見である。

知的財産担当者と特許弁護士との間で緊密な連絡を取っている。権利を取るかと らないか,変更するかなどについて,毎週打ち合わせをしている。開発者・デザ イナーも同席する。

産業財産権をどう取るかの判断に関して,デザイナーは参加していない。デザイ ナーは信頼性のあるよいデザインを作るのが仕事で,産業財産権に関しては知的 財産部の仕事と認識している。

人の流動による情報の流出は防ぎようがない問題である。

意匠権に関しては本国の法律で規定がないので報奨はない。

デザイナー・エンジニアに対する教育は基本的なところを行っている。他社の侵 害にならないように,どういうところに注意を払わなければならないか,どの段 階で知的財産部に相談するかを理解させる。

(15)

4. 国内外企業における模倣品対策

4.1 模倣品対策の概要

デザインに関する紛争の解決プロセスとして、以下の処理手段が設けられている。

①私人間で解決する方法として、判定制度による判定請求と警告状送付の2種類。

②裁判外の手続きで解決する方法として、調停・仲裁・仮処分申立の3種類。

③裁判による解決(侵害訴訟)として、差止請求・損害賠償請求・不当利得返還 請求・信用回復措置請求(著作権では名誉回復措置請求)の4種類。

④刑事責任の追及として告訴。

8 デザインに関する紛争の解決プロセスの例

①私人間で解決

・判定制度(特許庁・日本知的財産仲裁センター)による判断

・警告状の送付

②裁判外の手続きによる解決

・調停,仲裁(裁判所・日本知的財産仲裁センター)

③裁判による解決( 侵害訴訟の提起)

・各種請求(差止,損害賠償,不当利得返還,信用回復etc.)

調停受諾・仲裁判断により解決 両者の合意により解決

和解により解決

判決による終局的解決 侵害行為の発生

(16)

4.2 製品分野別の模倣品発生状況

模倣品の発生は広範な分野にわたっている。

9 産業分野別の模倣品発生状況

0 2 4 6 8 10 12 14

M. 基礎製品 L. 土木建築 K. 産業機械 J . 一般機械 H. 電気通信 G. 運輸運搬 F . 事務販売 E . 趣味運動 D. 住宅設備 C . 生活用品 B . 衣服身回 A . 食品嗜好

模倣品発生件数( 件)

出所:アンケート

一部の業界を除き,全般的には国内企業によるデザインに関する模倣品の生産は 少なくなっている。

最近多いのは,海外で生産された模倣品が日本国内で販売されるケースである。 特にインターネットの普及により,模倣品の市場は全世界に広がっている。

海外では模倣品発生の報告が数多い。特に,中国は,海外での生産基地でもあり, 販売市場でもあることから,さまざまの分野での模倣品の発生が見られる。製品 本体だけでなく,関連製品やパッケージなどでの模倣も見られる。

模倣品は必ずしも有名企業の有名製品だけで発生するのではない。

現在は外見程度の模倣に留まっており,現状では模倣水準は低い。

(17)

4.3 製品発売から模倣品が発生するまでの期間

模倣品の発生する時期として特徴的なのは発売直後に発生する場合と製品発売か ら 2 年を超えて模倣品が発生する場合の両方があることである。製品発売から時 間が経過した後であっても,市場での評価の高い製品を中心に模倣品が発生する 危険が残っていると考えられる。

商品ライフサイクルが短い製品であるにもかかわらず,製品発売後から時間が経 過した製品の模倣品が発生している。

「製品の販売期間」や「部品の販売期間」をベースに意匠権の維持期間を設定す ることが模倣品対策の点から見て問題ないかどうか、権利維持の際には注意が必 要である。

10 製品発売から模倣品が発生するまでの期間

7 9 8 7 8 13

1 1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

∼1か月

∼2か月

∼3か月

∼6か月

∼9か月

∼1年

∼1年半

∼2年 2年超

出所:アンケート

(18)

4 製品分野別の製品発売から模倣品が発生するまでの期間(製品分野別)

∼1 か

∼2 か

∼3 か

∼6 か

∼9 か

∼1 年 ∼1 年

∼2 年 2 年超 総計

A. 食品嗜好 1 1

B. 衣服身回 1 1 1 1 1 1 6

C. 生活用品 2 1 3 1 7

D. 住宅設備 1 1 2 4

E. 趣味運動 2 2 1 1 3 9

F. 事務販売 1 1 2

G. 運輸運搬 3 1 4

H. 電気通信 2 2 1 2 7

J . 一般機械 1 1

K. 産業機械 2 1 5

L. 土木建築 2 2 1 5

M. 基礎製品 1 1 3

総計 1 1 7 9 7 8 13 54

出所:アンケート

4.4 模倣品などの権利侵害への対処内容

意匠権があるときは警告・販売差し止め依頼から訴訟へ、意匠権が切れた製品に 対しては不正競争防止法が対処の中心となる。

第四の方法としてあげた判定制度は、安価で客観的な方法として、利用した企業 からの評価は一般的に高い。緊急性を伴う場合は適用が難しいが、検討の価値は あると考えられる。

最近では,中国においても,訴訟において意匠権が有効に機能する事例が増えて きている。

(19)

4.5 模倣品発生後の社内体制・対策の変化

模倣品発生によって,社内体制が変化したケース、権利侵害対策が変化したケー スが多く見られた。

実際に被害が発生するまでは、コストに見合った効果が出ているのかどうか証明 できないというのが模倣品対策の問題のひとつである。

11 侵害後の社内体制・対策変化の有無

(数字は模倣品発生件数)

31 20

40 52

0% 20% 40% 60% 80% 100%

( 2) 権利侵害対策 ( 1) 社内体制

変化し 変化しない

出所:アンケート

調査・発見体制は企業により異なる。体力のある企業では現地に調査体制をひい ているケースもあるが,営業担当などの社員が発見するケースもある。一方,中 小企業では自社では調査体制を持たず,消費者からの問い合わせに応じる形で模 倣品を発見するケースもある。

模倣品の発生に対して,大きく分けて「あらゆる模倣品に対して戦う」か「コス トとのバランスを考えて戦うか」という2つの方針が考えられる。

模倣品に対して,自社の権利や利益を守ることはもちろんであるが,消費者を保 護すること,自社に対する消費者からの信頼が模倣品によって失われないという ことも,模倣品対策のひとつの目的である。



(20)

4.6 調査・発見体制

特に中小企業では,自社では調査体制を持つことはコストの問題から難しい。そ の場合は、複数の企業が合同で対処するなどの対策が考えられる。

4.7 模倣品に対する対策・方針

模倣品の発生に対して,大きく分けて「あらゆる模倣品に対して戦う」か「コス トとのバランスを考えて戦うか」という2つの方針が考えられる。

中小企業の場合は対策を取る製品数を絞った上で「あらゆる模倣品に対して戦う」 方針を取るというのがもっとも現実的な解であると考えられる。

(21)

5. 望まし いデザイ ン開発、 管理・ 保護体制

5.1 望ましいデザイン開発、管理・保護戦略の提案

単にコストが安いというだけで海外展開を行なうのは危険である。海外展開すれ ば情報は必ず流出するということを前提とすべきである。

業務提携先の企業の選定には十分な注意を払う必要がある。

知的財産管理体制では,いかに外部リソースを上手く活用するかが重要である。

コアとなる権利(たとえば意匠権)をもとに,さまざまな権利など(商標権,特 許権,実用新案権など)を組み合わせることにより,長く強い権利を維持してい くことが重要である。

5.2 効果的なデザイン管理・保護戦略∼強力な権利を取得するために

(1)デザイン保護には,まず意匠法の活用を。

デザインに関連する法制度の中で、意匠法は最も基本的で、安定かつ強力なデザ イン保護手段である。

部分意匠や関連意匠等、特殊な意匠制度を効率的にもちいて、広範かつ強固な権 利を取得することが可能である。

(22)

12 特殊な意匠制度活用の例(平成1941日以降∼)

登録査定

登録査定

関連意匠出願

登録査定

意匠権        意匠権     意匠権

出願期間) 先願と同時∼ 意匠公報発行の前日

全体意匠出願

部分意匠出願

全体のデザイン(本意匠)のみならず、特徴的な部分(部分意匠)やデザインの バリエーション(関連意匠)を保護するこによって、広範囲で強力な権利網を構築

自社の競争優位性確保・模倣排除

公報発行の 前日まで)

公報発行の 前日まで)

部分意匠出願と同日)

全体意匠出願と同日)

設定登録

公報発行

設定登録

公報発行

設定登録

公報発行

出所:特許庁ウェブページおよび各種既存資料等をもとに株式会社三菱総合研究所作成

(23)

(2) デザインを保護するのは, 意匠権だけではない。 複合的な権利の活用を。

デザインは意匠法のほかにも,関連法によっても保護される可能性がある。

関連法でカバーすることにより、デザインは権利としてより強力なものとなる。

13 複数のデザイン関連法による権利保護のモデルケース

商品化完了 商品発売

出願 登録

不競法2条1項3号

販売日から3年)

意匠権による保護

登録から20年)

商標権による保護

登録から10年、更新可)

著作権による保護

団体名義の場合:公表後50年)

不競法2条1項1号

半永久)

長年の販売実績

積極的な広報活動etc. により商品がひろく浸透

周知性具備)

特許庁に よる審査 出願戦略策定

商品 開発

発売 準備

デザイン公表 デザイン開発︵創作︶

他社のデザイン傾向や 販売動向等把握

先行意匠調査

公知例調査

IPDLの活用

刊行物掲載 プレス発表etc.

更新 更新

意匠7か月 商標6.6か月

10年ごとの更新に より半永久的な

権利保護可能

※ 実際には,デザイン全体の意匠

本意匠)のみならず,部分意匠や 関連意匠等も活用して,広範かつ 強力な権利の取得を目指す

※ 工業製品のデザインは著作権の保護対象とならないので注意が必要 模倣品の

発生に対処

権利の帰属

権利範囲の設定

出願スケジュール

部分意匠や関連 意匠等の活用etc.

審査期間中

保護の空白期間) は不競法でカバー

出所:各種既存資料等をもとに株式会社三菱総合研究所作成

(3)どの国・地域で意匠権を取るかの判断を。

日本で意匠権を取ることを念頭におくべきである。

商品の生産・販売国,模倣品の発生の多い国・地域を次に考慮すべきである。

特に中国は,生産拠点であり,巨大市場であり,模倣品の発生が多いのに加え,

図   6 各国特許庁への意匠権出願の効果 数値は企業数。図  5とは異なることに留意。  1 111574294 5 12419332592725 2 011101116831130000001163 0% 20% 40% 60% 80% 100%ドイツイタリアフランス英国欧州共同体米国台湾香港中国韓国 (1)高い (2)まあまあ高い(3)あまり高く ない(4)低い 出所:アンケート
図   7 デザイ ン保護に係る法律の整理 商標法 著作権法意匠法 【 意匠】 ・ 部分意匠 ・ 動的意匠 ・ 関連意匠 ・ 組物意匠 ・ 秘密意匠 【 標章】・ 通常商標・立体商標 特許法 実用新案法 ・ 差止請求権( 侵害行為の停止・ 予防・ その他必要な措置) ・ 信用回復措置請求権( 著作権では名誉回復措置請求権) ・ 刑事責任の追及( ※ 著作権侵害のみ親告罪) 【 商品等表示】【美術の著作物】【発明】【考案】登録から15年(19年4月1日より20年)登録から10年(更新により半永久的)著作者の死
表   4 製品分野別の製品発売から 模倣品が発生するまでの期間( 製品分野別) ∼1 か 月  ∼2 か月  ∼3 か月  ∼6 か月  ∼9 か月  ∼1 年  ∼1 年半  ∼2 年  2 年超  総計  A
図   12 特殊な意匠制度活用の例(平成 19 年 4 月 1 日以降∼) 登録査定 登録査定 関連意匠出願 登録査定意匠権       意匠権         意匠権( 出願期間)先願と同時∼ 意匠公報発行の前日全体意匠出願部分意匠出願 全体のデザイ ン( 本意匠) のみなら ず、 特徴的な部分( 部分意匠) やデザイ ンの バリ エーショ ン( 関連意匠) を保護するこ と によっ て、 広範囲で強力な権利網を構築 ↓ 自社の競争優位性確保・ 模倣排除(公報発行の前日まで) ( 公報発行の前日まで)(

参照

関連したドキュメント

・「SBT (科学と整合した目標) 」参加企業 が所有する制度対象事業所の 割合:約1割. ・「TCFD

当面の間 (メタネーション等の技術の実用化が期待される2030年頃まで) は、本制度において

析の視角について付言しておくことが必要であろう︒各国の状況に対する比較法的視点からの分析は︑直ちに国際法

石川県の製造業における製造品出荷額等は、平成 17 年工業統計では、全体の 24,913 億円の うち、機械 (注 2) が 15,310 億円(構成比 61.5%)、食品 (注 3) が

※ CMB 解析や PMF 解析で分類されなかった濃度はその他とした。 CMB

総売上高 に対して 0.65 〜 1.65 %の負担が課 せられる。 輸入品 に対する社会統合 計画分 担金( PIS )の税率は 2015 年 5 月に 1.65 %から 2.1

 講義後の時点において、性感染症に対する知識をもっと早く習得しておきたかったと思うか、その場

多くは現在においても否定的である。 ノミヅク・ロスと物理的 イギリスにあっては製品 また,生命自体・財産に しかし,