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■第11号 2003年09月号 法務省:ICD NEWS

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(2)
(3)

ICD NEWS 第11号 2003. 9 1

巻頭言

海外協力事業に参加して思うこと

神戸大学名誉教授

日本学士院会員

弁護士

河 本 一 郎

1

,一般の日本の学者と同

く,研究者に成

立てのこ

,専

,外国の書物を読

こと

始めた。ことに,私

,京都大学の法学部

上柳克郎先生の

ミナールを経て,

大学院の特別研究生に採用さ

,大隅健一郎先生の指導下に入ったの

,早速大隅

先生を訪

て,手形・小

手法の研究をしたいと申し上

た。そうした

,大隅先生

手形・小

手法の研究に凝

固まって

,広く有価証券法の研究をせ

。 と

った。し

も, 日本の本

読ま

くていい

イツの本を読め。 と言わ

た。

,その教えを守って,手形・小

手法

く,株券

も対象にして研究を始

めた。その過程

,株券を喪失した場合の除権判決の問題

あった。当時,

日本経済の目覚ましい復興とともに,大量の株券

発行さ

,その流通過程に

いて,し

盗難・紛失

起こ

,除権判決の申立て

相継い

,その法

関係

明確

あった。この制度

イツ

母国

あるの

,もっ

京大の図書館に潜

イツの文献を読みあさった。し

し,

うも,除権判決に関する新しい研究

イツ

いことに気

付いた。

。つま

,今の

イツ

,株券を

め国債や社債

といった資本市場

発行さ

る有価証券

,ほと

特別の銀行に集中して寄託さ

いて,そこ

保管さ

たままの状態

,帳簿上の口座の振

のみ

権利の移転

いて,証券

現物

流通すること

,ほと

い。

証券

喪失することも

い。

喪失

,除権判決も要

い。

そこ

,私

,この制度を実地に研究し

うと思って,昭和」6年

年弱

イツに留

学して,有価証券振

決済制度の理論と実務の研究をした。その成果

わず

株券

保管振

昭和59年

5

月15日

の成立に役立った。

この

うに,私

,現役としての学者の間に抱いた外国法に対する関心といえ

,日本

のもの

少し

も優

た法

制度

び法理論を研究して,自分の知識を高め,日本の

制度を少し

も良くしたいということ

あった。ほと

の日本の法

学者の関心

そう

あったし,いまもそう

あると思う。そう

ると,研究対象

,必然的に,欧米の

制度の研究に限定さ

てくる。

,私

,そ

以外の国々の法

制度の研究をし

思ったこと

い。まして,社会主義制度の下にあった各国の法

,全

(4)

その私

アジア諸国の法

に関わる

うに

ったの

,財団法人国際民事法センターの

評議員に選

ある。私

,最初に直接参加したの

,第

回中日民商法セミナ

1997年10月「「日

あった。その際,私に割

当て

た題目

, 日本の仲介業

Brokerage

に関する諸法

の概要 ということ

あった。日本側の他の報告

, ヶ月

章先生の

日本近代法制度構築の歴史

と野村好弘教授の

日本契約法の総則的諸問題

あった。中国側

,許驊氏の

中国社会主義市場経済体系の確立とその考え方

及び許

善達氏の

'94中国の財政・税制改革について

あった。

セミナーとして

そ統一のと

い各題目

ある。ことに,私の題目

最初

のためにこの

報告をするの

いまま,とに

く,商法

の仲立人,問屋,代理商に始ま

,証券会社,商品取引員,金融先物取引業者,短資業者,

旅行業者等々ず

っと並べて,文字

概説した。後

,中国側のコメンテーター

随分い

あるの

。 という

コメントを述べた

,そ

以上の突

っ込

討論

った。

次い

,私

参加したの

,「001年

9

5

日の第

6

回中日民商事法セミナー

あった。

このと

の題目

, 政府と企業との分離及び関係法

あった。この題目をみたと

こそ,日中両国の共通の大問題

と思った。日本側

の報告

,神田

樹教授

業活動の自由と規制 ,塩野宏教授

公的企業の役割 ,

田耕

日本国有鉄道の民営

化の経緯と関係法令

,いず

も企業の民営化の方向に視線を定めた優

た報告

あった。私

,セミナーの総括を命

た。

に対し,中国側

,干

氏 法に基

く政府と国有企業の関係の確定 ,許驊氏

政府機構改革,部門職責権限並びに部門組織法 ,張

林氏 中国中央政府組織機構の設

置 ,甘蔵春氏

社会主義市場経済と政府行為の転換

の報告書

提出さ

た。

総括を仰せつ

った私として,両方の報告を読み比べてみて,日中両国の報告の基本線

食い違っていることに気付いた。日本側

,官営

必要最低限にと

め,他

民営化に

もっていこうとするのに対し,中国側

,市場経済と

いえ,社会主義

冠として付いて

いる以上,基幹産業,重要産業

国有

いくという。この国有企業を市場

のチャンピオ

ンに

るに

うす

というの

中国側の

テー

ある。こ

み合わ

い。し

し,その問題

,そ

自体わ

にも面白い問題

ある

,何

分にも質疑討論の時間

い上,社会主義

共産党一党独裁

という政治体制に

る問題

ある

けに,議論するにも限界

ある。私

,総括の中

, 国有企業をそのまま

市場に

けるチャンピオンに

立て上

た例

,人類史上

いの

,偉大

実験

として中国の成

を祈る。 と述べた。

要するに,企業に関する法

というもの

,政治の影響を受けやすいもの

あることを

(5)

ICD NEWS 第11号 2003. 9 」

4

その後,法務省法務総合研究所の国際協力部

大阪に移って

,ラオ

,ベトナ

め東南アジアの諸国,さ

ベキ

タンの人々を対象とする研修会

繁に開

うに

,私にも日本の会社法,さ

証券取引法

の講師の依頼

くる

うに

った。とこ

,ここ

,私

戸惑いを感

た。というの

,聞いてみると,

の国々の経済発展の段階

,日本のそ

と比較して余

に違い過

ある。

会社法と

,証券取引法と

いう法

,その経済の発展段階に密接に対応すべ

ものと

して絶えず改正さ

ている。その点

民法と

,民事訴訟法と

,異

るの

ある。

ことに,現在の日本の会社法と

,証券取引法と

,日本経済の高度成長に

役立っ

たものの,その後の長期停滞

日本経済を立ち直

せるに

制度疲労

目立って

たこ

,このとこ

,改正に次

改正

行わ

,いまや極めて膨大にして,精緻

法体系

っている。し

も,その作業

終わったの

い。さ

に,今後数年

けて整備し

ていこうとしているの

ある。この立法作業

,今ま

の改正

も大

く,深く,

,明治時代の原始立法に匹

する

いの大改正

と,私

考えている。

5

自分の足許

,法

改正の激流

奔騰している状態

,し

も経済の発展段階の全く異

る国の人々に日本の会社法について,証券取引法について,講義をするにしても,

いう話をす

いの

,先方

話しを欲しているの

,全く心もと

い。

,私

体験した例

,こ

いの

と思ったの

,ベトナ

の証券取引

法のセミナーのと

のや

ある。同国に証券取引法の

,そ

英文に翻

ているの

,そ

を基にして,逐条的に日本側

,コメントをしていくの

ということに

った。そこ

,証券規制の実務にも精通して

る日本証

券経済研究所理事長関要氏

大蔵省出身,元日本証券業協会副会長

と一緒に,

日間に

わた

,逐条的に検討した。

この方法

,日本側にも,先方の法

状態

く分

る。ある条文についてコメ

ントするに当た

,まず,こち

,こ

ういう意味

と問うこと

る。もと

もと,外国人に日本の法

について話をするのに,相手の国の法

っているの

全く無頓着に一方的にこち

の法

の話をして,そ

終わ

とするほ

効率の

悪いこと

いと思うの

ある。

とも

く,以上の

作業をやったことに

って,相当効果

ったと思う

ある

,そ

,ベトナ

の証券取引法のその後の立法に

うに反映さ

たの

同国

連絡

いの

,残念

ある。

6

以上の私の経験

思うこと

,商法,ことに会社法,証券取引法といった法

,そ

の国の経済の発展段階に密接に適応するもの

ず,

も,こ

の法

政治に

って著しく影響を受けるもの

あることを忘

い。市場経済

,改革

開放

といい

,政治的に

社会主義体制

ある限

,こ

の法

その面

影響を強く受け

るを得

い。した

って,日本の側

という

こと

いし,やっても無駄

ある。結局,先方

自発的に作って

た法

について,

(6)

4

特 集

カンボジア民法草案の起草支援事業に携わっ

地球環境戦略研究機関理事長

名古屋大学名誉教授

森 嶌 昭 夫

1

整備を必要とするカンボジア情勢

カンボジア民法草案の起草に対する国際協力事業団

JICA

の支援事業

,同民事訴訟法

草案起草支援事業とともに,1999年

平成11年

に開始さ

た。周知の

うに,カンボジア

ル・

ト政権成立前とその後も続いた内紛,

ル・

ト政権に対抗する勢力を支援し

てカンボジアに侵攻したベトナ

軍との抗争を経て,国連安全保

理事会のイニ

アテ

の下

1991年11月に パリ平和協定

カンボジア紛争の包括的

解決に関する諸協定

調

印さ

た。この協定に基

いて,選挙に

るカンボジア暫定政権

成立するま

の間,国連

カンボジア暫定行政機構

UNTAC

国内の平和回復と行政機構の整備に当たることと

た。そして,

UNTAC

監視の下,199」年

5

月に制憲議会総選挙

行わ

9

月に

制憲議会

って立憲君主制憲法

採択さ

,この憲法に基

いて

ーク国王

就任した。い

ーク国王の下

カンボジア人に

る国土の復興と政治体制の民主化

進め

ことと

ったわけ

,現実に

, ル・ ト政権下

知識人を含

人材

大量に虐殺さ

また,産業や市場

全く破壊さ

ていたために,カンボジア

独力

政治行政制度・経済制

度を再建すること

不可能

状態にあった。

こうした状況の下

,カンボジア政府

政治経済のすべての面にわたって,国際機関や外

国政府に対して全面的支援を求めた。私

,そ

に当時在籍していた名古屋大学法学部

の学部長として同学部のアジア

平洋法政研究基金の設立準備作業を行って

ていた

,基

行う研究事業計画を立てるため,アジアを中心とする各国の研究者と交流を重

ていた。

そうした中

,1994年

6

月にアジア財団

カンボジア・プノン

開催した法整備支援会

議に招

て出席し,この時期に

けるカンボジア,ベトナ

,ラオ

の法整備の状況と支

援要請について知ること

た。この会議に

駐カンボジア日本大使館

担当官

傍聴

者として出席していた

,この担当官

,イン

国の要望について

十分理解を示し

たものの,法整備支援

ーロッパやアメリカの法技術者

行うもの

,この分野の経験

い日本

直接事業に

わること

無理

という見方をもっていた。私も,個人

として協力すること

とも

く,この時点

日本政府

ODA

公的開発支援

(7)

ICD NEWS 第11号 2003. 9 5

ベトナ

ける法整備支援

法整備支援について

,私

,先に述べた名古屋大学法学部アジア法政研究基金事業の準

備作業の際にベトナ

の研究者と交流

,その紹介

199「年にベトナ

司法大臣と会見

していた。ベトナ

この当時民法起草作業を本格化して

,その作業の一環として,

イツ,フラン

の法

意見を徴していた

,私も日本民法の原則

ベトナ

民法草

案を評価する作業を依頼さ

た。正直に言って,この当時,日本政府

法整備支援につ

いて積極的

政策を持って

ず,名古屋大学に

いても基金運用のルール

確立してい

い段階

あったの

回にわたるベトナ

司法大臣及び司法省の

タッフとのワーク

ップの費用の相当部分

自己

担をせ

るを得

い状況

あった。

し,法整備支援に当たって,多くの外国の法

専門家

自国の法の制度と技術をその

まま紹介し,導入し

うとしたのに対して,私

社会的基

を異にする西欧の法制度をアジ

アの国に導入しても,そのまま

社会に

いて機能し

いと考えた。その点

,明治期に

ける

国の西欧法導入の経験

参考に

う。外国の法

制度を持ち込

もそ

の社会に受け入

るわけ

い。もち

ベトナ

等の市場経済移行国

,古い非

合理的

慣習とこ

の社会主義の社会秩序

脱して市場経済社会に移行していくため

に立法するの

ある

,市場経済法のルール

社会の現状と食い違うことも少

う。そこ

,ある法的

ルール

解決し

うとする課題

,そしてそのルール

何を目的として設定さ

ているの

を明

にした上

当該ルールの法技術的構成につい

て検討するの

,社会と

離し機能し

い法制度を形式的に導入することに

い。この

考え方を前提として,私

けベトナ

社会の実体

見て,あ

る制度

機能を持ち得るの

という観点

制度の法技術的構成にアプローチし

うとした。こうしたアプローチ

ベトナ

司法省の関係者に高く評価さ

ある。

その後,

日本の

ODA

要望調査の視察団

ベトナ

を訪問した際,

ベトナ

日本の

ODA

る法整備支援の要請

,こ

けと

って1996年

JICA

のベトナ

重要

政策中枢支援

法整備支援

事業

開始さ

た。私

の経緯

日本側の代表とし

てこの事業に参加している

,事業の内容

,日本

の長期専門家の派遣に

る事業の管

理,私法上の諸法

に関する情報の提供 短期専門家派遣に

るセミナーの開催 ,ベトナ

専門家の来日に

る研修,資料等の供

って

,日本側

法務省,最高裁判所,

日本弁護士連合会,学者グループ

支援事業の実際に当たっている。1999年1「月

の第

事業

,1994年施行民法の改正作業を支援して

,「00」年

7

期事業に入っ

ている。

カンボジアに

ける法整備支援事業の開始

ベトナ

ける

JICA

の法整備支援事業開始

,そ

様々

機会にカンボジア政府

日本政府に対して要請して

たカンボジアの法整備支援への道を開くことに

った。1998

年に

ベトナ

の経験のある私を団長とする事前調査団

派遣さ

,カンボジア側の各政

(8)

6

家人材

事実上全部い

,裁判所

の施設も法

制度も壊滅状態

あった

カンボジア政府

,提供さ

る法的支援

すべて受け入

るという方針をと

を得

った。国内経済の復興もすべて外国

の資金に頼

るを得

い状況

あった。

そこ

,アジア開発銀行

ADB

の国際的金融機関

,融資の条件として,例え

,融

資資金を回

するための担保制度,登記制度

の導入を要求し,私法上の諸制度を

体系の下に作っていく

の考慮をすること

く,金融機関にとって使い勝手の良い

制度をいわ

ックに提供し,カンボジア側

融資を受けるためにこ

をそのまま受

け入

るという状況にあった。また,各省

外国の資金援助を受けて外国人の実務家を一定

期間雇い入

,専門分野に関係

く雇入

期間内に異

る分野の法

を起草させると

いう場合もある。例え

,商務省

アメリカの弁護士を雇い入

,契約法や特許法

一年

10近くの分野の異

る法

を起草させている

,この弁護士

簡単

アメリカの参考書

例え

,ナッツ

ェル・

リー

を手本にして英語

起草し,法

英語の

るカンボジア人

クメール語に翻

しているために,クメール語

男性形と女性形の

区別

いにも

ず,男性形

表さ

た場合に

女性形をも含

という規定

ている

の例

ある。

に,基本法の立法に当たっても,起草作業を外国の法

専門家に丸投

するというの

実情

あった。カンボジア司法省

,刑法,刑事訴訟法,民事訴訟法の法案起草をフラン

政府に依頼し,フラン

政府

その作業のすべてを学者に委託した。フラン

の学者

本国

の法

をフラン

法の規定に基

いてフラン

起草して,カンボ

ジア司法省に提出した。し

し,カンボジア司法省にフラン

語を理解

る人材

ほと

く,また,起草したフラン

の学者

カンボジア人

タッフにその内容を説明する機会

ったため,こ

の法

のフラン

語に

る草案

,日本

法整備支援に乗

出す前

にカンボジア司法省に提出さ

ていたものの,クメール語草案の起草作業

ほと

った。そこ

,当時の司法大臣

,民法起草について

の国

も支援を得て

いの

,民法起草について日本に全面的

支援を依頼した。そ

と同時に,フラン

既に民事訴訟法草案を提出していたにも

ず,実体法としての民法を手続法として支

える民事訴訟法についても,日本

支援することを強く要望した。形式的に

,フラン

起草した民事訴訟法草案を引

続いて完成するという形をとる

,実際に

,内容を含めて

最初

新たに起草をしてほしいということ

あった。カンボジアに

ける支援の要望調査

に当たって,民法,民事訴訟法の起草支援のほ

にも,各省

多くの事項について支援要

あった

,カウンターパート

ある司法省に

ける優先

位とまた日本側の能力

て,調査団

,民法,民事訴訟法の起草支援に全力を注

こと

精一杯

あると判断した。

ベトナ

の場合と同

く,カンボジアに対する法整備支援

,重要政策中枢支援

法整備支

援プロジェクト

として位置付け

,1999年

発足した。そこ

,民法草案,民事

訴訟法草案の起草を中心として,起草作業の管理のための長期専門家の派遣,カンボジア法

家の日本に

ける研修,日本

の短期専門家の派遣

も支援内容に組み込ま

た。国

(9)

ICD NEWS 第11号 2003. 9 7

グループに

って構成さ

ている。

4

カンボジアに

ける法整備支援に考え方と進め方

カンボジア

新しい王国として発足するに当た

,諸外国に伍して激しい競争を繰

る世界経済の中

延びていくに

,少

くとも市場経済の法的基

る民法等の基本

法とそ

を運営

る裁判制度の整備を欠くこと

い。し

し,誠に残念

ことに,

長い内戦を経験したこ

のカンボジアに

,社会の根幹を形成する法

を起草し,そ

を動

すこと

る人材もまた知的インフラも

い。そして,外部

差し伸べ

たこ

の法整備支援事業も,既に述べた

うに,カンボジア社会の現実を踏まえた上

未来

を展望する長期的

視野に立ったものと

言い難い。そこ

,カンボジアに

ける日本の法

整備事業を開始するに当たって,

,民法,民事訴訟法草案の起草作業をカンボジアの

裁判官,司法省の法

専門家と共に協力して進めることに

って,こ

の法

カンボジ

ア社会の中

現実に運用

ることを確

めつつ,同時にこ

の法

運用さ

ることを

期待することとした。

ここ

,私

現実に携わった民法草案の起草作業

,具体的に

うに進め

たの

について紹介することにし

う。民法起草作業グループ

,浦川道

郎,鎌田薫,佐藤恵

,棚村政行,新美育文,能見善久,野村豊弘,松本恒雄,本山敦,山本豊,南敏文,そ

に私の1「名の民法学者

っている。日本の民法典の内容を基準として民法グループのメ

ンバー各人にテー

を割

当て,担当者

内戦前のカンボジアの

ーク法典

の旧規

定を始め,日本,

イツ,フラン

,オランダ

の民法典,場合に

って

,ア

メリカの該当規定を参照し

条文要項を作成し,月ほぼ一回開催さ

る研究会

報告し

て他のメンバー

のコメントを受けた。ここま

学者の通常の研究会とあま

変わ

,この作業の後,メンバー

交代

カンボジアに出張して,カンボジアの裁判

官や司法省専門家の参加を得てその後の起案に反映させること

,他方

カンボジア側

討論を通

て制度の意義や規定の技術的構成を学ぶことに

る。

この

作業の進め方

非常に時間

,支援開始前にカンボジア政府と支援内容

を協議していた段階

,カンボジアの長老法

家の中に

,作業に時間

るの

カンボジア専門家と共同討議をし

討議してもカンボジア法

家に

理解

日本側

け速や

に草案を作成してほしいという意見もあった。し

し,実際

にカンボジア

共同作業をし,また,共同作業の参加者を日本に呼

1

月近く本邦研修

という形

集中的に議論に参加しても

うことに

ってカンボジアの法

家の理解度

飛躍

的に進

うに思わ

る。また,日本側の学者にとっても,共同討議をすることに

って,

制度の在

方について幾つ

の選択肢

ある場合に,カンボジアの社会に受け入

る選

あるの

を知ること

,極めて有意義

あった。この共同討議という方法

各国の法整備支援事業の進め方の中

日本独自のものと言え,今後の法整備支援事業の在

方にとって十分に参照するに足るものと思わ

る。

(10)

8

条文要項を条文の形にまとめ,また,条文要項を作成してい

ったものについても条文

案を作成した。その際,他の国

行った法整備支援

支援国の言語

起草したのに対して,

日本の支援

条文をすべてクメール語にすることとしていた

,西欧の法

用語に対応す

るクメール語

存在し

い場合も多く,1「00条を超える民法典に

いて,最後のクメール語

条文を全部作成する翻

担当者の労苦

予想を

に越えるもの

あった。

5

カンボジア民法典草案に残さ

た問題

先にも述べた

うに,民法典草案起草作業

始まる以前

既にアジア開発銀行

の国

際金融機関

カンボジアに対する融資を開始していた。そ

の金融機関

融資の返済を確

保するため,融資の条件として担保の設定

を要求した。し

し,当時のカンボジアに

担保を規定する一般的

も存在せず,ましてや担保権を公示する登記制度も存在してい

った。そこ

,こ

の金融機関

土地管理に当たる行政府を動

して英米法のトー

ン ・

類似の公示制度を創設させ,こ

に基

いて担保権を設定している。他方

民法草案

抵当権の公示を土地登記簿に記載することとしている。民法草案起草作業に先立

つカンボジア政府との交海

,民法成立の暁に

,民法に先立って創設さ

,民法の

原則と

相容

い制度

廃止することと

っていた

,既に利害関係

存在しているにも

ず,果たしてその

措置を採ること

現実的に

るの

。また, ル・

ト時代の混乱期に無権限

土地を占拠した者の権限を

うする

,現代的

民法

入さ

たとしてもルールをそのまま適用

い社会的実態も残っている。土地所有権の対

抗力を登記に求めるとしても,カンボジアの国内に

実測さ

てい

い土地や境界

不分明

土地

広範囲に存在する。西欧の民法体系

前提としてい

社会的実体と西欧法

のルールの

ャップを

うにす

埋めること

るの

。民法起草という知的作業

を超える問題

残って

,今後議会に

ける法案審議の中

の問題

うに影

響してくるの

に,各省

の権限に基

いて外国人専門家に依頼して,相互に関係

く様々

ルールを導入している実態を

うにして調整する

も問題

ある。

うやく,民法草

司法省に提出さ

,司法省

更に閣僚評議会に持ち込ま

てそこ

の審査を経た後に

議会に上程さ

ることに

っている。日本のカンボジアに対する法整備支援事業

「00」年後

期に入ることに

っている

,第

期に

,議会に

ける民法と民事訴訟法の法

案審議に当たって日本側

司法省をバックアップすることに

っている。

年を超える民法

草案起草作業

一応の区

を迎えている

うに見える

,民法

議会を通過し

の作業

知的

作業に止まってしまうことに

る。

このプロジェクトに携わってこ

た関係者各位のこ

の苦労に対して,プロジェク

(11)

ICD NEWS 第11号 2003. 9 9

カンボジア法整備支援

民 法 作 業 部 会

カンボジア王国民法典草案

「00」年

6

月」0日現在日本語草案

解説

以下

,カンボジア王国民法の日本語草案

,全

9

編1,」0「条

る。

このうち,先に起草

完了した優先

8

分野について

,本誌第

7

「00」.1

に掲載済み

ある

,その後,日本語条文案及びクメール語条文案

すべて完成し,「00」年

4

日に

JICA

カンボジア司法省に引

渡さ

た。

に,民法典草案として,クメール語草案

6

月」0日にカンボジア司法省

閣僚評議

会に提出さ

た。

そこ

,日本語草案の全文を掲載するもの

ある。

,同

6

月」0日にクメール語草案

閣僚評議会へ提出さ

た民事訴訟法典草案につ

(12)

10

カンボジア王国民法典草案

第1編 総則 ··· 1

第「編 人 ··· 1

第1章 自然人 ··· 1

第1節 権利能力 ··· 1

第「節 人格権 ··· 1

第」節 意思能力 ··· 1

第4節 行為能力 ··· 1

第1款 未成年者 ··· 1

第「款 一般被後見人 ··· 「 第」款 被保佐人 ··· 「 第4款 制限能力者の相手方の保護 ··· 」 第5節 所 ··· 」 第6節 不在者の財産管理 び失踪宣告 ··· 」 第1款 不在者の財産管理 ··· 」 第「款 失踪宣告 ··· 」 第7節 同時死亡の推定 ··· 4

第「章 法人 ··· 4

第1節 総則 ··· 4

第1款 定義,種類 び設立の原則 ··· 4

第「款 非営利法人の名称 ··· 4

第」款 設立登記 ··· 5

第4款 法人の 所 ··· 5

第5款 外国法人の登記 ··· 5

第6款 法人の管理・運営 ··· 5

第7款 解散 び清算 ··· 6

第「節 社団法人 ··· 8

第1款 有限責任社団法人 ··· 8

第「款 無限責任社団法人 ··· 11

第」節 財団法人 ··· 1「

第」編 物権 ··· 1」

第1章 総則 ··· 1」

第1節 物 ··· 1」

第「節 物権 ··· 14

第」節 物権変動の原則 ··· 14

第「章 所有権 ··· 14

第1節 所有権の内容と限界 ··· 14

第「節 土地に関する相隣関係 ··· 15

第」節 所有権に基 く物権的請求権 ··· 16

第4節 所有権の取得 ··· 16

(13)

ICD NEWS 第11号 2003. 9 11

第「款 動産所有権の取得 ··· 18

第5節 共有 ··· 「0

第6節 互有 ··· 「0

第」章 占有権 ··· 「1

第1節 総則 ··· 「1

第「節 占有保護請求権 ··· 「「 第」節 不動産についての特別の占有者の保護 ··· 「」 第4章 永借権 ··· 「」 第5章 用益権 ··· 「4

第6章 使用権 び居 権 ··· 「5

第7章 地役権 ··· 「6

第1節 総則 ··· 「6

第「節 地役権と時効 ··· 「7

第8章 国,仏教寺院,少数民族その他の共同体の所有権その他の物権 ··· 「8

第9章 土地のコンセッ ョンに って設定さ た権利 ··· 「8

第4編 債務 ··· 「8

第1章 総則 ··· 「8

第1節 債務の発生原因 び諸概念の定義 ··· 「8

第「節 債務の種類 び態様 ··· 「9

第」節 条件・期限・期間 ··· 」0

第1款 条件 ··· 」0

第「款 期限 ··· 」0

第」款 期間 ··· 」0

第「章 意思表示 び契約 ··· 」0

第1節 契約の成立 ··· 」0

第「節 意思表示 び契約の有効性 ··· 」1

第」節 無効 び取消 ··· 」「 第4節 代理 ··· 」」 第5節 第 者のためにする契約 ··· 」4

第」章 契約の履行 ··· 」5

第4章 契約違反に対する救済 ··· 」5

第1節 債務不履行に関する一般規定 ··· 」5

第「節 履行の強制 ··· 」6

第」節 損害賠償 ··· 」6

第4節 契約の解除 ··· 」7

第5章 危険 担 ··· 」8

第6章 第 者に対する債権の効力 ··· 」8

第1節 債権者に る代位 ··· 」8

第「節 詐害行為取消権 ··· 」9

第7章 債務の消滅 ··· 」9

第1節 弁済 ··· 」9

第1款 弁済についての一般原則 ··· 」9

(14)

1「

第」款 弁済の提供・供託 ··· 41

第4款 弁済に る代位 ··· 41

第「節 相殺 ··· 4「

第」節 免除 ··· 4」

第4節 更改 ··· 4」

第5節 混同 ··· 4」

第8章 消滅時効 ··· 4」

第9章 債権譲渡 び債務引受 ··· 45

第1節 債権譲渡 ··· 45

第「節 債務引受 ··· 45

第」節 契約上の地位の譲渡 ··· 46

第5編 各種契約・不法行為等 ··· 46

第1章 売買 ··· 46

第1節 総則 ··· 46

第「節 売買契約の当事者と目的物 ··· 47

第」節 売買契約の効力 ··· 47

第1款 売主の義務 ··· 47

第「款 買主の義務 ··· 50

第4節 買戻権の行使に る売買契約の解消 ··· 51

第「章 交換 ··· 51

第」章 贈 ··· 5「

第4章 消費 借 ··· 5「

第1節 消費 借の意義と成立 ··· 5「

第「節 利息付 消費 借 ··· 5」

第」節 主の 義務 ··· 5」

第4節 借主の返還義務 ··· 54

第5章 賃 借 ··· 54

第1節 総則 ··· 54

第「節 賃 借の効力 ··· 55

第」節 賃 借の終了 ··· 56

第4節 分益賃 借 ··· 56

第6章 使用 借 ··· 57

第7章 委任 ··· 57

第8章 請 ··· 59

第9章 雇用 ··· 60

第10章 寄託 ··· 60

第1節 寄託に関する総則 ··· 60

第「節 混蔵寄託 ··· 6「

第」節 消費寄託 ··· 6「

第4節 係争物寄託 ··· 6「

第11章 組合 ··· 6「

第1「章 終身定期金 ··· 64

(15)

ICD NEWS 第11号 2003. 9 1」

第14章 事務管理 ··· 65

第15章 不当利得 ··· 65

第16章 不法行為 ··· 66

第6編 債務担保 ··· 68

第1章 総則 ··· 68

第「章 留置権 ··· 69

第」章 先取特権 ··· 69

第1節 総則 ··· 69

第「節 一般先取特権 ··· 70

第」節 動産の先取特権 ··· 70

第4節 不動産の先取特権 ··· 71

第5節 先取特権の 位 ··· 71

第6節 先取特権の効力 ··· 71

第4章 質権 ··· 7「

第1節 総則 ··· 7「

第「節 動産質 ··· 7」

第」節 不動産質 ··· 7」

第4節 権利質 ··· 74

第5章 抵当権 ··· 74

第1節 抵当権の意義 ··· 74

第「節 抵当権の成立 ··· 74

第」節 抵当権の効力 ··· 74

第4節 抵当権の実行 ··· 75

第5節 抵当権の処分 ··· 75

第6節 抵当権の消滅 ··· 76

第1款 請求に る消滅 ··· 76

第「款 時効に る消滅 ··· 76

第7節 根抵当権 ··· 76

第6章 譲渡担保権 ··· 78

第1節 譲渡担保権の定義 ··· 78

第「節 譲渡担保権の成立 ··· 79

第」節 譲渡担保権の効力 ··· 79

第4節 譲渡担保権の実行 ··· 79

第7章 保証 ··· 80

第1節 保証の成立 ··· 80

第「節 保証の効力 ··· 80

第」節 求償 ··· 81

第4節 代位 ··· 8「

第8章 連帯債務 ··· 8「

第1節 連帯債務の成立 ··· 8「

第「節 連帯債務者の一人について生 た事項の効力 ··· 8「

第」節 求償 ··· 8」

(16)

14

第5節 複数債務のその他の態様 ··· 84

第7編 親族 ··· 84

第1章 総則 ··· 84

第「章 婚約 ··· 84

第」章 婚姻 ··· 84

第1節 婚姻の成立 ··· 84

第1款 婚姻の要件 ··· 84

第「款 婚姻の無効及び取消 ··· 85

第「節 婚姻の効力 ··· 86

第」節 夫婦財産制 ··· 86

第1款 契約財産制 ··· 86

第「款 法定財産制 ··· 86

第4節 離婚 ··· 87

第1款 離婚原因 ··· 87

第「款 離婚の手続 ··· 87

第4章 親子 ··· 88

第1節 実親子関係 ··· 88

第1款 総則 ··· 88

第「款 実親子関係の決定 ··· 88

第」款 認知 ··· 88

第4款 親子関係不存在確認の訴え ··· 89

第5款 母子関係存在確認の訴え ··· 89

第「節 養子縁組 ··· 90

第1款 完全養子縁組 ··· 90

第「款 単純養子縁組 ··· 91

第5章 親権 ··· 9「

第1節 総則 ··· 9「

第「節 離婚 び認知の場合の親権者の決定 ··· 9「

第」節 親権者の権利 び義務 ··· 9」

第4節 親権者としての権限の停止 び剥奪 ··· 9」

第5節 子の財産を管理する権限 ··· 94

第6節 財産管理の権限の停止 び剥奪 ··· 94

第7節 本章の準用 ··· 95

第6章 後見 ··· 95

第1節 未成年後見 ··· 95

第1款 未成年後見の開始 ··· 95

第「款 未成年後見人 ··· 95

第」款 未成年後見監督人 ··· 95

第4款 未成年後見人の職務 ··· 96

第5款 未成年後見 の開放 ··· 97

第6款 未成年被後見人の子への準用 ··· 98

第「節 一般後見 ··· 98

(17)

ICD NEWS 第11号 2003. 9 15

第「款 一般後見人 ··· 98

第」款 一般後見監督人 ··· 99

第4款 一般後見人の職務 ··· 99

第5款 一般後見の終了 ··· 101

第7章 保佐 ··· 101

第8章 扶養 ··· 10「

第8編 相続 ··· 10「

第1章 総則 ··· 10「

第1節 相続の開始 ··· 10「

第「節 相続の効果 ··· 10「

第」節 相続適格 ··· 10」

第「章 法定相続 ··· 104

第1節 相続人 ··· 104

第「節 配偶者の相続 ··· 104

第」節 相続分の調整 ··· 104

第」章 遺言相続 ··· 105

第1節 遺言能力 ··· 105

第「節 遺言の方式 ··· 105

第」節 遺言事項 ··· 106

第4節 遺言の取消し ··· 107

第5節 遺言の効力 ··· 107

第6節 遺贈 ··· 108

第7節 遺言の執行 ··· 109

第4章 遺留分 ··· 110

第1節 総則 ··· 110

第「節 遺留分減殺の方法 ··· 111

第」節 減殺請求権の消滅 ··· 111

第5章 相続の承認及び放棄 ··· 11「

第1節 総則 ··· 11「

第「節 承認 ··· 11「

第」節 放棄 ··· 11」

第6章 相続財産の管理及び分割 ··· 11」

第1節 相続財産の管理 ··· 11」

第「節 遺産分割 ··· 11」

第」節 債権者間の調整 ··· 114

第4節 限定承認 あった場合の清算等 ··· 114

第7章 相続人の不存在 ··· 115

第8章 相続回復請求 ··· 116

(18)

16

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

第1編 総則

第1条 私法の一般法

この法 ,民事の法 関係に関する一般的 原則を規定するもの ある。財産関係及び家族関 係について特別法に別の定め い限 ,この法

の規定 適用さ る。

第2条 基本理念

この法 ,憲法 定める個人の尊厳,男女の 平等及び財産権の保 の理念を具体化するもの ある。

第3条 私的自 の原則

この法 ,個人の自由 意思を尊重し,法人 を含 私人間の平等対等 法 関係を規定する。 公法人も取引関係に いて 私人とみ す。

第4条 権利濫用の禁

権利といえ も濫用 許さ い。権利 本来 予定さ た保護範囲を超えて濫用さ た場合に , その権利行使の効力 認め い。

第5条 信義誠実の原則

権利の行使及び義務の履行 ,信義に従い誠実

に行わ け い。

第「編 人

第1章 自然人 第1節 権利能力

第6条 権利能力 等の原則

すべての自然人 権利・義務の主体と うる 資格を有する。

第7条 外国人の権利 得の制限

外国人 ,法 ・条約に別段の定め ある場合 に ,一定の権利を取得又 保持すること

い。

第8条 権利能力の始期・終期

自然人 出生に 権利能力を得,死亡に 権利能力を失う。

第9条 胎児

(1) 不法行為時に懐胎さ ていた子 ,後に出 生した場合に ,胎児の間に発生した不法行為に る損害につ 賠償を請求すること る。 (「) 相続開始の時に懐胎さ ていた子 ,後に 出生した場合に ,相続をすること る。 (」) 遺言者の死亡の時に懐胎さ ていた子 , 後に出生した場合に ,遺言の効果を受けること

る。

第「節 人格権

第10条 人格権の意義

人格権と ,生命・身体・健康・自由・氏名・ 名誉・プライバ その他の人格的利益を内容と する権利をいう。

第11条 差 請求権

人格権を違法に侵害さ る そ あると , 又 す に生 た侵害 違法に継続し若しく 繰 返さ る そ あると ,人格権を有する 者 ,その侵害の差し止めを請求すること る。

第12条 侵害行 の結果の除去請求権

人格権を違法に侵害さ た者 ,侵害行為の結 果 残存するために侵害状態 継続していると

,そ 可能 ある に いて,その侵害

行為の結果の除去を請求すること る。

第13条 損害賠償請求権

第11条 差し止め請求権 及び第1「条 侵害行 為の結果の除去請求権 の規定 ,人格的利益を 侵害さ た者 ,不法行為の規定に基 損害賠 償を請求することを妨 い。

第」節 意思能力

第14条 意思能力の欠如

当事者 自己の行為の法的 結果を認識し判断 することの い状態 した行為 取 消すこ

と る。

第15条 行 の定義

本第1章第」節 意思能力 ,第4節 行為能 力 及び第6節 不在者の財産管理及び失踪宣告 の規定に いて行為と ,意思表示並びに契約及 び単独行為をいう。

第4節 行 能力

第16条 制限能力者の意義

制限能力者と ,未成年者,一般被後見人,被 保佐人をいう。

第1款 未成年者

第17条 未成年者の意義

未成年者と 満18年未満の者をいう。

第18条 行 の 消権

未成年者 親権者又 未成年後見人の同意を得

(19)

ICD NEWS 第11号 2003. 9 17

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

ず に し た 行 為 取 消 す こ と る 。 た し,単に権利を得,義務を免 る行為や日常生活

上の行為 この い。

第19条 親権者又 未成年後見人が処分を許 た 産の処分

未成年者 ,親権者又 未成年後見人 目的を 定めて処分を許した財産をその目的の範囲内 処 分すること る。また,親権者又 未成年後 見人 目的を定め い 処分を許した財産を処分 することも る。

第20条 営業を許さ た未成年者

(1) 親権者又 未成年後見人に 一種又 数 種の営業を許さ た未成年者 ,その営業に関し て 成年者と同一の行為能力を有する。 (「) 第1項の場合に いて,未成年者 その営

業を行うこと いこと 判明したと ,

親権者又 未成年後見人 ,その営業の許可を取 消し,又 制限すること る。

第21条 親権解放の要件

(1) 16歳に達した未成年者 独立自活している 場合,裁判所 未成年者の申し立てに ,そ

その未成年者の利益に適うと判断すると ,

親権 の解放を宣告すること る。この場

合,裁判所 親権者に意見を聞 け い。

(「) 婚姻した未成年者 ,裁判所の宣告 しに, 親権 解放さ る。

(」) 第「項の場合に いて ,当事者 後に離 婚しても,親権解放の効果 消滅し い。

第22条 親権解放の効果

親権 解放さ た未成年者 ,成年者と同様 の行為能力を有する。

第23条 未成年者の労働契約

(1) 親権者又 未成年後見人 ,第1050条 財 産管理と代理 又 第1077条 財産管理と代理 の規定に わ ず,未成年者に代わって労働契

約を締結すること い。

(「) 第1項に反する契約 ,未成年者本人に対 して効力を生 い。た し,未成年者本人 こ

を追認した場合 ,この い。

(」) 親権者もしく 未成年後見人又 行政官庁 ,労働契約 未成年者にとって不利 あると認 める場合に いて ,将来に向 ってこ を解除

すること る。

第「款 一般被後見人

第24条 一般後見開始の宣告

(1) 精神上の 害に 自己の行為の法的 結

果を認識し判断する能力を欠く常況にある者につ いて ,裁判所 ,本人,配偶者,四親等内の親 族,未成年後見人,未成年後見監督人,保佐人, 保佐監督人,本人の 所地の属するコミュ ン若 しく サンカットの長,又 検察官の申立てに

一般後見開始の宣告をすること る。た し,申立て あった時に本人 15歳未満のと ,

この い。

(「) 第1項の宣告をする場合に いて,本人 被保佐人 あると ,裁判所 その本人に関す

る保佐開始の宣告を取 消さ け い。

第25条 一般被後見人の意義 一般後見人の選任 一般後見開始の宣告を受けた者を一般被後見人 といい一般後見人の下に置 る。

第26条 行 の 消権

一般被後見人の行為 取 消すこと る。 た し,日常生活上の行為 この限 い。

第27条 一般後見開始の宣告の 消

第「4条 一般後見開始の宣告 に定めた原因 止 と ,裁判所 ,本人,配偶者,四親等 内の親族,後見人,後見監督人,本人の 所地の 属するコミュ ン若しく サンカットの長,又 検察官の申立てに 一般後見開始の宣告を取

消さ け い。

第」款 被保 人

第28条 保 開始の宣告

(1) 精神上の 害に 自己の行為の法的 結 果を認識し判断する能力 著しく不十分 者につ いて ,裁判所 ,本人,配偶者,四親等内の親 族,後見人,後見監督人,本人の 所地の属する コミュ ン若しく サンカットの長,又 検察官 の申立てに 保佐開始の宣告をすること る。

(「) 第1項の宣告をする場合に いて,本人 一般被後見人 あると ,裁判所 その本人に 関する一般後見開始の宣告を取 消さ け

い。

第29条 被保 人の意義 保 人の選任

保佐開始の宣告を受けた者を被保佐人といい保 佐人の下に置 る。

第30条 行 の 消権

被保佐人 保佐人の同意を得 い した以下の 行為 取 消すこと る。た し,日常生活

上の行為 ,この い。

1 元本を受領し又 こ を利用すること 「 借財又 保証をすること

」 不動産その他の重要 財産に関する権利の

(20)

18

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

得喪を目的とする行為をすること 4 訴訟行為をすること

5 贈 をし,又 和解もしく 仲裁契約を結 ぶこと

6 相続の承認若しく 放棄又 遺産の分割を すること

7 贈 若しく 遺贈を拒絶し又 担付の贈 若しく 遺贈を受諾すること

8 新築,改築,増築又 大修繕をすること 9 土地につ 」年,建物につ 「年,動産に つ 6ヶ月を超える期間の賃 借契約を結ぶこと 10 裁判所 ,第「8条 保佐開始の宣告 に掲

た者又 保佐人もしく 保佐監督人の申立てに ,保佐人の同意を要する を特に宣告した行 為

第31条 保 開始の宣告の 消

第「8条 保佐開始の宣告 に定めた原因 止 と ,裁判所 ,本人,配偶者,四親等内の 親族,未成年後見人,未成年後見監督人,保佐 人,保佐監督人,本人の 所地の属するコミュ ン若しく サンカットの長,又 検察官の申立て に 保佐開始の宣告を取 消さ け

い。

第4款 制限能力者の相手方の保 護

第32条 催告権

(1) 制限能力者の相手方 その制限能力者 能 力者と った後一箇月以上の期間内にその取 消 し得る行為を追認する 否 を確答せ と催告す ること る。もし,能力者と ったその制限 能力者 その期間内に確答を発し いと ,そ の行為を追認したものとみ す。

(「) 制限能力者 ま 能力者に ってい いと にその親権者,後見人又 保佐人にその権限内 の行為につ 第1項の催告をした ,その期間内 に確答を発し ったと も,同様とする。 (」) 被保佐人に対して 第1項の期間内に保佐

人の追認を得るべ を催告すること る。

その期間内に追認を得た の通知を発し った と ,その行為を取消したものとみ す。

第33条 制限能力者の詐術

制限能力者 能力者 あると信 させるため詐 術を用いたと ,その行為を取消すこと

い。

第5節 所

第34条 所の意義

各人の生活の本拠をもって 所とする。

第35条 居所

生活の本拠不明の場合 ,居所をもって 所と み す。

第36条 カンボジアに 所を有 い場合 カンボジアに 所を有し い者 ,カンボジア 人 あると外国人 あるとを問わず,カンボジア に ける居所をもってその 所とみ す。た し,準拠法を 所地法とする場合 この

い。

第6節 在者の 産管理及び失踪宣 告

第1款 在者の 産管理

第37条 裁 所による 産管理人の選任

従来の 所又 居所を去って容易に帰来する見 込みの い者 ,その財産の管理人を置 っ たと ,裁判所 利害関係人,本人の 所地の 属するコミュ ン若しく サンカットの長,又 検察官の申立てに ,財産管理人の選任その他 その財産の管理につ 必要 処分を命ずること

る。本人の不在中管理人の権限 消滅したと も同様とする。

第38条 産管理命 の 消

第」7条 裁判所に る財産管理人の選任 の場 合に いて,不在者本人 後日に至 管理人を置 いたと ,裁判所 管理人,利害関係人,本人 の 所地の属するコミュ ン若しく サンカット の長,又 検察官の申立てに その命令を取消

すこと る。

第39条 管理人の改任

不在者 管理人を置いた場合に いて,不在者 の生死不明のと ,裁判所 利害関係人,本人 の 所地の属するコミュ ン若しく サンカット の長,又 検察官の申立てに 管理人を改任す

ること る。

第40条 産管理人の権限

(1) 選任さ た管理人 第」6」条 代理権の範 囲 第「項の定める行為を行う権限を有する。こ 以外の行為を必要とすると ,裁判所の許可

を得て行うこと る。

(「) 不在者の生死不明の場合に いて,その管 理人 不在者の定めていた権限を越える行為を必 要とすると も,裁判所の許可を得て行うこと

る。

第「款 失踪宣告

第41条 失踪宣告の要件

(1) 不在者の生死 5年間不明のと ,裁判

(21)

ICD NEWS 第11号 2003. 9 19

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

所 配偶者,推定相続人,受遺者,保険金受取人, 親権者,後見人,父母その他失踪宣告 さ るこ とにつ 法 上重要 利害関係を有する者の申立

てに ,失踪の宣告をすること る。

(「) 戦地に臨 者,沈没した船舶中に在った 者,その他死亡の原因と うる危難に遭遇した 者の生死 ,戦争の止 後,船舶の沈没した後, 又 その他の危難の去った後,1年間不明のと も,第1項と同様とする。

第42条 公示催告

失踪を宣告するに ,公示催告の手続 を経

け い。

第43条 失踪宣告の効果

第41条 失踪宣告の要件 第1項の規定に 失踪宣告 さ たと 同規定の期間満了時 , 同条第「項の規定に 失踪宣告 さ たと 危難の去った時 ,失踪者 ,従来の 所又 居所を中心とする,こ の時点ま の法 関係 につ ,死亡したものとみ して扱わ る。

第44条 失踪者 還時の処理

(1) 失踪者の生存すること又 第4」条 失踪宣 告の効果 第1項所定の時と異 る時に死亡した ことの証明 あると ,裁判所 本人又 利害 関係人の申立てに 失踪の宣告を取消さ け

い。

(「) 失踪宣告の効果に 失踪者 直接財産 を得た者 その取消に 権利を失う。た し, 失踪宣告 事実に反していることを財産取得当時 知 った取得者 ,現に利益を受ける限度 のみその財産を返還する義務を う。

(」) 失踪の宣告後その取消前に失踪宣告を信頼 して行った行為 ,失踪宣告の取消に その効 力を 右さ い。

(4) 失踪宣告を受けた者の配偶者 再婚した後 に,その失踪宣告 取消さ た場合に ,前婚 , 再婚の成立に 解消する。

第7節 同時死亡の推定

第45条 同時死亡の推定

死亡した数人中その一人 他の者の死亡後

生存したこと 明 いと ,こ の者

同時に死亡したものと推定する。

第「章 法人 第1節 総則

第1款 定義,種類及び設立の原 則

第46条 法人の定義,種類及び設立の原則 (1) この法 に いて,社員を構成員とする団 体に独立した権利義務の主体としての地位 え たものを社団法人といい,拠出財産に独立し た権利義務の主体としての地位 え たもの を財団法人という。

(「) この法 に いて,営利を目的とし い法 人を非営利法人といい,営利を目的とする法人を 営利法人という。 ,非営利法人の内,とくに 公益を目的とするものを公益法人という。 (」) この法 に いて,社員 その拠出した財 産の限度 法人の債務について責任を う社団法 人を有限責任社団法人といい,社員 その一般財 産をもって法人の債務について責任を う社団法 人を無限責任社団法人という。

(4) 法人 ,他の社団法人の無限責任を う社

員と ること い。

(5) 非営利法人 ,この法 又 その他の法令 に って設立すること る。

(6) 営利法人 ,別に定める法 に従って設立

すること る。

第「款 非営利法人の 称

第47条 非営利法人の 称

(1) 社団法人又 財団法人 いもの ,その 名称に いて,社団法人又 財団法人という語を

使用すること い。

(「) 有限責任社団法人 ,その名称の中に,有 限責任社団法人 あることを,また,無限責任社 団法人 ,無限責任社団法人 あることを示す表

示をし け い。

第48条 外国法人

(1) この法 に いて,外国の法 に準拠して 設立さ た法人を外国法人という。

(「) 外国法人 ,国,国の行政区画及び商事会 社を除くほ ,法人として認め い。た し, カンボジアの法 又 条約に って許さ たもの

,法人として認め る。

(」) 第「項 法人として認め た外国法人 , 同種のカンボジアの法 に準拠して設立さ た法 人と同様の私法上の権利を有する。た し,外国 人 享有 い権利又 法 もしく 条約に って特別の規定のある場合 ,その限 い。

参照

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