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ライフサイエンス

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(1)

ライフサイエンスに関する特許出願技術動向調査報告

平 成 1 5 年 4 月 2 4 日 特許庁総務部技術調査課

第1章 ライフサイエンス分野の世界の特許出願動向

第1節 調査対象範囲

∼21 世紀はライフサイエンスの時代 生命・健康、食糧、環境に関わる技術∼

20 世紀は「エレクトロニクスの時代」であったと評される。それに対し、21 世紀は「生 命科学即ちライフサイエンスの時代」となるといわれている。20 世紀エレクトロニクス技術 の革命的発展により市民生活は豊かになり、快適な暮らしを手に入れることができるように なった。その一方で医療・高齢化問題、環境問題、食糧問題やエネルギー問題など人類が直 面する課題も浮き彫りになってきている。こうした課題解決のキーとなるのがライフサイエ ンスである。ライフサイエンスは、医薬品、食品、化学品、環境などの幅広い産業分野への 応用が期待される技術分野であり、我が国でも「科学技術基本計画」

1

における重点4分野の 一つとしてあげられている。

ライフサイエンスは人間生活の基本である「生命・健康」、「食糧」、「環境」に深く関わる 技術分野であり、予想もされない新しい技術が登場し、そこから新しい産業が創出される可 能性が高い。経済産業省の予測でも 2001 年には 1. 3 兆円であった我が国のライフサイエンス 分野の市場規模が 2010 年には 25 兆円に拡大し、その時点での世界市場は約 230 兆円に達す ることが見込まれている

※ 1

ライフサイエンス分野の技術開発の重要性は世界各国で共通に認識するところであり、政 策的にも各国でライフサイエンス振興策が打ち出されている。特に米国ではクリントン政権 下 、 1994 年 に 「 バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー 研 究 イ ニ シ ア テ イ ブ ( Bi ot ec hnol ogy f or t he 21s t Cent ur y- t he U. S. Bi ot ec hnol ogy Res ear c h I ni t i at i ve)」を打ち出し、バイオ重視の姿勢を いち早く明らかにし世界をリードするようになった。これに触発されて、欧州では 2002 年に

「欧州バイオ戦略( Li f e s c i enc es and bi ot ec hnol ogy –A st rat egy f or Europe- 」2が制定、 我が国でも 2002 年 12 月に「バイオテクノロジー戦略大綱」

3

が定められた。最近では中国も 著しい躍進を遂げている。

これまでのライフサイエンスの歴史を見てみると、自然界の生物およびその成分を分析し て有用なものを利用する生物化学の時代を経て、1970 年代後半からはそれらを遺伝子レベル で改変して有用物質を創出する遺伝子工学の時代を迎えた。1990 年代後半から 2000 年の初 めにかけては、生命の仕組みを丸ごと理解して活かすためにヒトを始め動植物・微生物の染 色体を構成している DNA の配列を地図にして示そうとするゲノム解析の時代が到来し、現在 ではそれらの遺伝子および遺伝子産物である蛋白質の機能を解析しようとするポスト・ゲノ ム時代に突入している。

※ 1

バイオテクノロジー戦略大綱(内閣府 2002 年)

3

(2)

本調査ではこれまで特許出願技術動向調査で取り上げた「バイオテクノロジー基幹技術」、

「ポスト・ゲノム関連技術」

※ 2

を含め対象技術分野を広くライフサイエンス全般に設定した。

∼ライフサイエンスの技術俯瞰図 遺伝子工学が中核技術∼

本調査においてはライフサイエンスの中核技術である「遺伝子工学技術」や「遺伝子解析 技術」、「発生工学技術」、「蛋白工学技術」、「糖鎖工学技術」、「遺伝子機能解析技術」、「蛋白 質構造解析技術」、「蛋白質機能解析技術」、「糖鎖遺伝子技術」、「ゲノム創薬技術」、「遺伝子 治療・診断技術」、「ナノバイオテクノロジー」、「バイオインフォマティクス」、「細胞」、「微 生物・酵素」、「組換え植物」、「組換え動物」、「バイオ医薬品」、「バイオ化学品」等のライフ サイエンスに含まれる技術について特許出願を中心に技術動向調査を実施した。個々の技術 の相互の関連性、応用分野についてはその関係を俯瞰図(図- 1)に示した。中でも「ゲノム 創薬」、「糖鎖」、「グリーンバイオケミストリー」はライフサイエンスに含まれる多くの技術 が集積した技術であり、また RNAi 技術は今後医療分野への展開が期待される新規な技術であ ることから、いずれもライフサイエンス分野における注目技術として取り上げ、詳細な解析 を行った。

図- 1 ライフサイエンス技術俯瞰図

細胞 分析

装置

診断 遺伝子治療

診断 食品

農業 環境・化学品

蛋白質解析技術

ロテオーム)

遺伝子機能解析技術

ゲノム/ 遺伝子解析技術

糖蛋白質)

蛋白質)

ゲノム) 医薬品

グデザイ ンビケム

微生物・酵素

ローン

発生工学

ンス ジェニッ動物

組換え植物

臓器移植

ES 細胞

S NP s 蛋白質立体

構造解析 蛋白質工学

詳細調査項目 再生医療

グリーンバ イオ ケミスト

R NA i

糖 鎖 遺 伝 子 ゲノム 創 薬

技 術

糖 鎖 工 学 技 術

バイオ化学品 バイオ医薬品

ナノバイオテクロジー

※ 2

これまでの特許出願技術動向調査においては、平成 12 年度は「遺伝子組換え技術」を中心に「遺伝子解析技術」「発生 工学技術」等のバイオテクノロジー中核技術である「バイオテクノロジー基幹技術」について調査が行われた。平成 13 年 度には遺伝子の構造解析(ゲノム解析)以降、技術開発が加速されている「遺伝子機能解析」「蛋白質解析技術」「糖鎖 工学技術」「バイオインフォマティクス」やそれらの技術の応用である「ゲノム創薬技術」「遺伝子治療・遺伝子診断技 術」等の技術を含む「ポスト・ゲノム関連技術」について調査が行われた。

(3)

∼ライフサイエンスの技術概要および特許出願件数∼

表- 2 ライフサイエンス関連技術の技術概要

技術名 技術概要 遺伝子工学技術

遺伝子の試験管内組換え技術、遺伝子工学に関するDNA/RNA、ベクター/プラスミド、宿主 等およびその調製、使用(方法)、それにより得られた/そこで使用する新規遺伝子/蛋白

遺伝子解析技術

SNPs 、多型を含む遺伝子の配列等、DNA構造情報を解析する技術、その過程に用いられるバ イオインフォマティクス技術

発生工学技術

分子レベルで発生/分化を研究する発生学の知見に基づく細胞の操作/分化/増殖、その技 術を応用して得られた新規な動物や細胞

蛋白工学技術

蛋白質の構造の一部を人為的に改変して蛋白質の機能を改変する技術、その過程に用いられ るバイオインフォマティクス技術、それにより得られた改変体(遺伝子、蛋白質)

糖鎖工学技術

糖鎖およびその構造/機能解析、糖鎖合成関連遺伝子、糖鎖を修飾することにより蛋白質や 細胞の機能に変化をもたらす技術、それにより得られた糖鎖等、およびその生産

遺伝子機能解析技術 遺伝子機能を実験的に解析する機能解析技術 蛋白質構造解析技術

蛋白質の配列と高次構造を決定する技術、蛋白質の構造/機能をインシリコで解析する技術

(プロテインインフォマティクス)

蛋白質機能解析技術 蛋白質の機能を実験的に解析する技術

糖鎖遺伝子技術 糖鎖の生合成、転移に関与する酵素遺伝子/蛋白質とそれに関連する技術、その利用 ゲノム創薬技術

疾患関連遺伝子の同定技術、得られた新規遺伝子/蛋白質、ポスト・ゲノム関連技術により 医薬のリード化合物を探索、決定、最適化する技術

遺伝子治療・診断技術 遺伝子導入により疾病を治療したり、遺伝情報により診断を行う技術

ナノバイオテクノロジー 分子や細胞の観察、測定、機能解析技術、分子や細胞の操作技術、ナノ構造体作成技術

バイオインフォマティクス

wet の系で得られた遺伝子、蛋白質、糖鎖等のデータより構造/機能に関する情報を得る技 術、上記情報を集積したデータベース、上記データベースより有用な情報を抽出/表示する 技術、上記過程において利用される要素技術

細胞

ライフサイエンス分野で用いられる動植物、ヒト細胞/組織、外来遺伝子による修飾を受け た上記細胞、その培養装置

微生物・酵素 微生物、酵素、およびその生物触媒機能を利用して有用物質を製造する技術 組換え植物 遺伝子組換え技術を応用した植物の育種改変、そのための要素技術 組換え動物 遺伝子組換え技術を応用した動物の育種改変、そのための要素技術 バイオ医薬品 バイオ医薬品およびそれを製造するバイオプロセス技術

バイオ化学品 生物的手法による化学品およびその生産技術

図- 3 特許調査対象範囲と特許出願件数

注:

・世界各国に出願された特許出願を優先権主張年が 1991 年∼2000 年を対象に、WPI NDEX( STN) で検索。

・特許出願技術動向調査「バイオテクノロジー基幹技 術」「ポスト・ゲノム関連技術」(特許庁)を参照。

バイオテクロジー基幹技術

ポストゲノム関連技術

ライフサイエンス関連技術

48,288件 18,303件 105,708件 遺 伝 子 解 析

遺 伝 子 工 学

バ イオ化 学 品 バ イオ医 薬 品

1 3 , 4 6 3

6 , 7 4 9

1 , 3 2 3

4 , 1 9 3

1 4 , 5 0 5 8 , 8 0 6

2 7 , 5 3 3

1 , 3 0 6 9 6 2 1 , 8 1 5

2 3 , 1 6 1

3 , 9 6 9

5 1 , 9 1 4

4 5 , 9 4 8

3 , 0 8 0

ゲノム 創 薬

遺 伝 子 治 療

4 3 7 3 , 9 1 2

4 0 , 6 9 2

4 , 3 1 0

(4)

第2節 ライフサイエンス分野の出願動向

1.世界の状況

∼ゲノム関連技術の動向 伸びる中国、立ち後れる日本∼

世界に出願されたライフサイエンス関連技術に関する特許は右肩上がりに増加しており、 1995 年以降増加が加速されている。これをゲノム関連技術

で見ると、1996 年以降の出願件 数の伸びが著しく、2000 年には 1991 年の 4. 7 倍の約 12, 000 件の特許が出願されている。出 願人の国籍別に年平均伸び率を見ると、米国(16%)、欧州(16%)、中国(67%)に対し、 日本は8%でその差は大きく開いている。出願人国籍別 10 年間累積の出願比率でも日本は 16%と米国、欧州に次いで第3位、最近 2000 年では 13%と減少、中国に抜かれ第4位と後 退している。これに対し 1999 年以降中国の伸びが際立っている(図- 4, 5)。

ゲノム関連技術:バイオテクノロジー基幹技術+ポスト・ゲノム関連技術

図- 4 ゲノム関連技術の日米欧出願人国籍別の出願状況( 世界全体)

図- 5 ライフサイエンスの日米欧中出願人国籍別の出願状況(世界全体)

注:・世界各国に出願された特許出願の内、日本、米国、欧州、中国の出願人による 出願を分析。優先権主張年が 1980 年∼2000 年を対象に、WPI NDEX( STN) で検索。 ・年平均伸び率とは 1991 年から 2000 年の伸び率の平均。

出願人国籍別出願比率 1991- 2000年

日本 16%

米国 51% 欧州

20%

その他 5% 中国

8%

2000年 日本 13%

米国 41% 欧州

16% 中国

27%

その他 3% 1991年

日本 24%

米国 52% 欧州

20% 中国

0% その他

4% ゲノム関連技術の出願件数推移

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 優先権主張年

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000

ライ フサ イエ ン ス 全世界 日本 米国 欧州 中国 ハ ゙イ オ 基幹+ホ ゚ス トケ ゙ノム 全世界

1991年

日本 33%

米国 38% 欧州

19% 中国

1% その他

9%

2000年

日本 17%

米国 39% 欧州

18% 中国 20%

その他 6% 1991- 2000年

日本 23%

米国 44% 中国

6% その他

8% 欧州 19%

1991- 2000年の出願件数年平均伸び率

2%

12% 11%

36% 10%

0% 10% 20% 30% 40%

日本 米国 欧州 中国 全世界

年平均伸び率 ライサイエンス関連技術出願件数推移

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000

1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000

優先権主張年

0 5,000 10,000 15,000 20,000

日本 米国 欧州 中国 全世界

出願人国籍:

注:・世界各国に出願された特許出願の内、日本、米国、欧州、中国の 出願人による出願を分析。

・優先権主張年が 1980 年∼2000 年を対象に、WPI NDEX( STN) で検索。 ・年平均伸び率とは 1991 年から 2000 年の伸び率の平均。

1991- 2000年の出願件数年平均伸び率

8%

67%

16% 16% 16%

0% 20% 40% 60% 80% 日本

米国 欧州 中国 全世界

年平均伸び率

(5)

∼外国出願している特許出願(コア出願)の少ない日本 低い PCT 出願の利用率∼ 国際特許出願(PCT 出願)を含む外国出願をコア出願

とし、出願人国籍別に日米欧中の出 願動向を比較した。日本のライフサイエンス分野におけるコア出願比率は増加傾向にあ り

(20%( 1991 年) から 36%( 2000 年) (図- 6))、他の分野と比べても高い(全分野のコア出願 比率は 8. 9%( 1994- 1998 年) (特許庁行政年次報告者 2002 年版))。しかしながら、米、欧に 比べ、依然として内国出願比率が高く、コア出願件数は中国に追いつかれつつある(図- 7, 8)。

コア出願中の PCT 出願比率も増加しているが、(29%( 1991 年) から 71%( 2000 年) )、米、欧、中 と比べると低い値となっている(米 98%、欧 92%、中 99%)。ライフサイエンス分野は特に世界 への発信が期待される分野であり(全分野のコア出願中の PCT 出願比率は 12%( 日本、1994- 1998 年) (特許庁行政年次報告者 2002 年版))、PCT 出願を利用した一層の海外展開が必要である。

出願人が自国以外に外国に向けて出願したものをコア出願としている。出願人がその技術を重要と考えグローバルに権利確 保を求めているもので、質的に高度な特許出願と考えられる。

図- 6 ライフサイエンス分野の出願人国籍別コア出願の比率

日本 米国 欧州 中国

PCT 出願件数( 2000 年) 1, 148 件 6, 345 件 2, 767 件 929 件 コア出願中の PCT 利用率( 2000 年) 71% 98% 92% 99%

図- 7 世界に出願されたライフサイエンス特許におけるコア出願件数推移と年平均伸び率

図- 8 ライフサイエンス・コア出願の日米欧中出願人国籍別出願比率( 世界全体)

注:・世界各国に出願された特許 出願の内、日本、米国、欧 州、中国の出願人が国際出 願或いは海外出願した特許 出願(米国は特許)を分析。 ・優先権主張年が 1991 年∼

2000 年を対象に、 WPI NDEX( STN) で検索。 1991- 2000年

日本 10%

米国 56% 欧州

26% 中国

2% その他

6%

日 本 は 外 国 へ の 出 願 比 率 が 小さい。PCT 出願を利用した より一層の海外展開が 必要。

注:・世界各国に出願されたライフ サイエンス分野の特許出願の 内、日本、米国、欧州、中国 の出願人が国際出願或いは海 外出願した特許出願(米国は 特許)を分析。

・優先権主張年が 1991 年、2000 年を対象に、WPI NDEX( STN) で 検索。

1991∼2000年の出願件数年平均伸び率

10% 15% 12%

48% 14%

0% 20% 40% 60% 日本

米国 欧州 中国 全世界

年平均伸び率 0

1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000

199119921993 19941995 199619971998 19992000 優先権主張年

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000

日本 米国 欧州 中国 世界

国籍: 日本 1991年 2,289件

内国出願 のみ

80%

ア出願 20%

米国 1991年 2,695件

ア出願 70% 内国出願

のみ 30%

欧州 1991年 1,302件

ア出願 81% 内国出願

のみ 19%

中国 1991年 82件 ア出願

10%

内国出願のみ 90%

日本 2000年 3,148件

内国出願 のみ

64%

ア出願 36%

米国 2000年 7,053件

ア出願 90% 内国出願

のみ 10%

欧州 2000年 3,214件

ア出願 86% 内国出願

のみ 14%

中国 2000年 3,620件 ア出願

26%

内国出願のみ 74%

1991年

欧州 30%

米国 53% 日本

13% 中国

0.2% その他

4%

2000年 その他

6% 中国

8%

日本 10%

米国 53% 欧州

23%

(6)

∼米、欧に席巻される日本特許 米国での特許取得は減少∼

1991 年から 2000 年までに、日本、米国、欧州に出願されたライフサイエンス関連特許出 願件数(米国は特許登録件数)はそれぞれ、45, 828 件、40, 860 件、47, 026 件である。日本 に出願された特許出願においては、内国人による出願が 48%(全分野は 90%)と外国からの 出願が多く、1997 年には外国からの出願が 63%と外国人優位の傾向が一層加速されている。 一方、米国で登録された特許においては内国人による出願が 72%(全分野は 56%)と高い値 で、さらに 1997 年には 76%にまで達し内国人優位が際立っている。米国特許においては内 国人のシェアが上昇した分、日本のシェアは下降しており、ライフサイエンスで最大の市場 となる米国での特許取得が減少している(図- 9)。

図- 9 ライフサイエンスの日本、米国、欧州への特許出願における出願人国籍別出願構成

図- 10 ライフサイエンスの日本、米国、欧州で登録された特許における権利者国籍別特許権取得構成

ライフサイエンス 出願構造 日本:外国人優位

(全分野と反対) 米国:内国人優位

注:

・日本、米国、欧州で取得され た特許の内、日本、米国、欧 州、中国の権利者による特許 を分析。

・年は特許登録された年。

特許権取得年が 1991 年∼2001 年を対象に WPI NDEX( STN) で 検索。

注:・日本、米国、欧州に 出願された特許出願

(米国は特許)の内、 日本、米国、欧州、 中国の出願人による 出願を分析。 ・年は各国への出願年。 ・出願年が 1991 年∼

2000 年を対象に WPI NDEX( STN) で検 索。

全分野の件数は、日 本、米国、欧州特許 庁の年次報告書によ る。

日本での登録 1991- 2001

日本 63% 米国

21% 欧州

16%

その他 0.1% 中国 0.1%

欧州での登録 1991- 2001

日本 17%

米国 43% 欧州

40%

中国 0.2%

その他 0.4%

米国での登録 1991- 2001

欧州 19%

米国 71% 日本

10% 中国

0.2% その他

0.5%

1991年

日本 80% 米国

8% 欧州 11%

その他 1%

1,180件

2001年

日本 54% その他

1%

米国 26% 欧州 19%

中国 0.1%

1,577件

1991年 欧州

20% 日本

16% その他

1%

米国 63% 1,844件

2001年

日本 7% 中国

0.2% 欧州

19%

米国 74% その他

0.5%

7,931件

1991年

米国 日本 27% 欧州

41%

その他 1%

822件

2001年

日本 11% 中国

1%

欧州 44%

米国 44% 1,478件 日本への出願 1991- 2000年

日本 48%

米国 32% 欧州

19% 中国 0.2%

その他 1%

米国での登録 1991- 2000

米国 72% 欧州

18%

日本 9% 中国 0.2%

その他 1%

欧州への出願 1991- 2000年 日本

10%

米国 49% 欧州

39%

中国 0.2%

その他 2%

全分野

内国人 90% 外国人

10%

全分野

内国人 56% 外国人

44%

全分野

内国人 50% 外国人

50%

1991年 欧州

22%

米国 67% 中国

0.2% 日本

11% その他

0%

3,107件

1997年

米国 76% 日本

8% 中国 欧州 0.1% 15%

その他 1%

5,259件 1991年

米国 29% 欧州

19%

その他 0%

日本 52% 中国

0.2%

4,375件

1997年

日本 37%

米国 41% 欧州

21% 中国 0.1%

その他 1%

5,952件

1997年

米国 54% 欧州

36% 中国 0.2%

日本 8% その他

2%

5,836件 1991年

米国 47% 欧州

39%

その他 1% 日本

13% 中国 0.2%

3,105件

(7)

∼ポスト・ゲノム化の動き 加速する米国∼

世界に出願されたライフサイエンス関連特許の内、バイオテクノロジー基幹技術および、 解読したゲノムを応用する技術であるポスト・ゲノム関連技術の年次出願経緯をみると、共 に 2000 年に急激な伸びを示している

。また、その比率でも、2000 年には 60%、31%にな り、中でも、ポスト・ゲノム関連技術の比率が大きくなっている。これを、出願人国籍別に 日、米、欧を比較すると、米国の伸びが著しく(年平均伸び率 27%)、バイオテクノロジー 基幹技術をベースにして広がるポスト・ゲノム関連技術の重要性が読みとれる。

一方、日本においては、ポスト・ゲノム関連技術の伸びは年平均伸び率 19%、ポスト・ゲ ノム関連技術の占める比率が 2000 年で13%と、世界的にポスト・ゲノム化へと技術の広が りが進む中、日本ではそうした広がりが遅れることが懸念される(図- 11)。

バイオテクノロジー基幹技術とポスト・ゲノム関連技術は重複の部分がある。ここで示している数値は重複部分をそれぞれ 含む。

図- 11 日米欧国籍別ライフサイエンス、バイオテクノロジー基幹技術、ポスト・ゲノム関連技術の出 願件数推移(世界全体)

27% 25%

28%

19%

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 日本

米国 欧州 全世界

年平均伸び率

ポスト・ゲノム関連技術の 出願件数年平均伸び率

(1991∼2000 年)

注:・世界各国に出願された特許出願の内、日本、米国、欧州の出願人による出願を分析。 ・優先権主張年が 1991 年∼2000 年を対象に、WPI NDEX( STN) で検索。

出願人国籍:世界全体

0 4,000 8,000 12,000 16,000 20,000

1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000

優先権主張年

ハ ゙イ オ テ ク ノオ ロ ジー 基幹技術 ホ ゚ス トケ ゙ノム 関連技術 サイエンス全体

サイエンス関連特許に占める比率

36% 37%38%

40%41% 47%

53% 55%56%

60%

9%10%10% 11%12%

15% 22%

24% 27%

31%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%

1991 199219931994 19951996 19971998 19992000

優先権主張年

ハ ゙イ オ テ ク ノオ ロ シ ゙ー 基幹技術 ホ ゚ス トケ ゙ノム 関連技術

出願人国籍:日本

13% 4%

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 優先権主張年

ハ ゙イ オ テ クノオ ロ シ ゙ー 基幹技術 ホ ゚ス トケ ゙ノム 関連技術 ポストゲノム比率

イフサイエンス全体

出願人国籍:米国

14%

37%

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000

1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 優先権主張年

ハ ゙イ オ テ クノオ ロ シ ゙ー 基幹技術 ホ ゚ス トケ ゙ノム 関連技術 ポストゲノム比率

フサイエンス全体

出願人国籍:欧州

12%

30%

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 優先権主張年

ハ ゙イ オ テ クノオ ロ シ ゙ー 基幹技術 ホ ゚ス トケ ゙ノム 関連技術 ポストゲノム比率

サイエンス全体

(8)

2.日米欧競争力比較(ライフサイエンスおよびゲノム関連技術)

∼ライフサイエンス特許で優位に立つ米国∼

日本、米国、欧州のライフサイエンス分野における 10 年間の特許出願変化の状況をまと めたのが図- 12 である。ゲノム関連技術の成長率では日本からの出願は9%の伸びを示して いるが、米国、欧州ともに 16%とその差は大きい。出願シェアでは外国出願をしている出願

(コア出願)も含めて米国が半数以上のシェアを占めており米国優位が際だっている。日本 は特許出願シェアでは 16%と欧州と肩を並べているが、コア出願では 10%と低い値で欧州と の差も大きく開いている。日米で登録された特許についての 1991 年と 2000 年の比較におい ては、日本は両地域とも大きくシェアを下げている。一方、米国は、両地域においてシェア を伸ばしており、米国が全ての地域においてシェアで優位にたっている状況となっている。

医薬品市場においても、米国は世界シェアを伸ばしており、日本は減少している(図- 13)。

図- 12 ライフサイエンス特許の変化

出願人 国籍

ゲノム関連技術 成長率

(出願)

ゲノム関連技術 特許出願シェア

(10 年間の累積)

コア出願シェア

(10 年間の累積)

日本で登録された 特許のシェア

米国で登録された 特許のシェア

日本

9%

16% 10%

- 26% - 9%

米国

16%

51% 56%

17% 10%

欧州

16%

20% 26%

8% - 1%

ゲノム関連成長率 :1991 年から 2000 年までに世界に出願されたゲノム関連特許の出願人国籍別出願件数の年平均伸び率 ゲノム関連出願シェア :世界に出願された特許出願の国籍別出願比率(優先権主張年 1991 年∼2000 年の累積) コア出願シェア :世界に出願されたコア出願の国籍別出願比率(優先権主張年 1991 年∼2000 年の累積) 日本登録特許シェア:日本で登録された特許の国籍別登録比率(登録年 2001 年と 1991 年を比較)

米国登録特許シェア:米国で登録された特許の国籍別登録比率(登録年 2001 年と 1991 年を比較)

・WPI NDEX( STN) で検索

図- 13 世界の医薬品売り上げにおける日米欧製薬企業のシェア

2000年 2001年 本社国籍 売り上げ(100万$) 売り上げ比率 売り上げ(100万$) 売り上げ比率

日本 21, 296 9% 21, 192 8%

米国 96, 068 41% 123, 154 45%

欧州 116, 424 50% 128, 919 47%

合計 233, 788 100% 252, 073 100%

注:売り上げ比率:医薬品売り上げ米国上位8社、欧州上位 10 社、日本上位 10 社の製薬企業の売り上げの合計を 100 とした。 出典:米国、欧州:各社アニュアルレポート。 日本:有価証券報告書。

2000年

米国 41% 欧州

50%

日本 9%

2001年

米国 45% 欧州

47%

日本 8%

(9)

3.中国における特許出願動向

∼2000 年・中国出願人の出願急増、欧米製薬企業も中国市場に注目∼

中国出願人が中国国内外に出願したライフサイエンス分野における特許出願件数は、1999 年より急激に立ち上がり 2000 年も前年比3倍以上の伸びを示し 3, 000 件を突破した。同様に、 外国出願をしている出願(コア出願)比率も 1999 年には 30%台を突破、この傾向はライフ サイエンス分野に顕著に見られ、出願の大幅増加と相俟って海外での権利確保に対する意識 が高まっていることが窺われる(図- 14, 15)。

欧米主要製薬企業が中国へ出願する特許出願は増え続け、個別企業の全出願件数に対する 中国への出願比率は 2000 年には 40%を越え、中国市場への関心の高さが窺われる(図- 16)。

図- 14 日米欧中の内国人出願におけるライフサイエンス分野の比率(1991, 2000 年)

図- 15 中国出願人のライフサイエンス分野の出願件数とコア出願、PCT 出願(全世界)

注:・世界各国に出願された特許出願の内、中国出願人による出願を分析。 ・優先権主張年が 1991 年∼2000 年を対象に、WPI NDEX( STN) で検索。

図- 16 日米欧主要製薬企業の中国への出願件数

参考】中国出願人全分野の出願件数と コア出願、PCT出願比率(全世界)

ライフサイエンス分野の比率 日本: 0. 8% 中国:16. 1% 中国はライフサイエンス

分野に注力!

注:・日米欧の主要製薬企業が中国に出願した特許出願、および世界に出願した特許出願を分析。 ・公開年が 1991 年∼2001 年を対象に、WPI NDEX( STN) で検索。

82 134

188 186 174 182 204 350

901 3,620

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000

1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 優先権主張年

0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0%

P C T

ライフサ イエン ス 分野 ライフサ イエン ス 分野コア出願 ライフサ イエンス 分野コア出願比率 ライフサ イエン ス 分野PC T 出願比率

社(医薬品・スイス)

0 20 40 60 80 100 120

199119921993199419951996 19971998199920002001 公開年

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

中国への出願件数 中国への出願比率 日本への出願比率

社(医薬品・日本)

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

19911992199319941995199619971998199920002001 公開年

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

中国への出願件数 中国への出願比率 欧州への出願比率

B社(医薬品・米国)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

199119921993199419951996 19971998199920002001 公開年

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

中国への出願件数 中国への出願比率 日本への出願比率

6,797 9,392

11,168 10,252

9,180 7,882

10,239 12,438

14,603 22,520

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000

1991199219931994199519961997199819992000 優先権主張年

0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0%

全分野 全分野のコア出願

全分野のコア出願比率 全分野のPC T 出願比率 日本(1991年)

335,933件

その他 99.3%

ラ イ フサ イ エ ンス 0.7%

米国(1991年) 87,955件

その他 97%

ラ イ フサ イ エ ンス 3%

欧州(1991年) 27,103件

ライ フ サ イエ ン ス 4.8%

その他 95.2%

中国(1991年) 6,797件

ラ イ フサ イ エン ス 1.2%

その他 98.8%

日本(2000年) 387,364件

その他 99.2%

ライフ サ イ エン ス 0.8%

米国(2000年) 164,795件

ラ イ フサ イ エン ス 4.3%

その他 95.7%

欧州(2000年) 49,760件

ライフ サ イ エン ス 6.5%

その他 93.5%

中国(2000年) 22,520件

ラ イ フサ イエン ス 16.1%

その他 83.9%

(10)

¸¸ コラム(1) −中国のバイオテクノロジー、ヒト c DNA の上海、イネゲノムの北京− ¸¸

1.ヒト c DNA 関連特許

中国からのライフサイエンス関連特許出願に関しては、その大半が Mao Yumi n(毛裕民)、Xi e Yi

(謝穀)の両氏を発明者とするものである。両氏は上海・復旦大学の研究者であると同時に、大規模 ゲノム解析、ゲノム創薬、DNA チップ、バイオインフォマティクス等を手がける複数のバイオテクノ ロジー・ベンチャー企業群を傘下に擁する Uni t ed Gene Hol di ngs 社を設立し、幅広くバイオビジネス にも参入している。両氏による出願はヒト c DNA をクレームする遺伝子・蛋白質に限られており、その 他の発明者による出願は医薬、遺伝子・蛋白質がほぼ同数であった(表- 17)。ヒト c DNA 関連特許出願 のうち PCT 出願(中国語)されており、その内日米欧のいずれかに移行しているものは 2002 年 12 月 時点で2件であった。①は、大規模かつ全面的な c DNA クローニング/塩基配列決定という基盤技術に 関するものであり、②はその結果取得された新規ヒト遺伝子に関する発明である(表- 18)。

表- 17 発明者が Mao、Xi e 氏およびそれ以外の出願の内容

分野 Mao、Xi e その他の出願人

医薬・医療 1 17

遺伝子・蛋白質・遺伝子組換え 879 19

分析・診断 - 9

その他 2 2

注:2000 年以降中国の出願人が PCT 出願した特許。WPI NDEX( STN) で検索。

表- 18 上海バイオベンチャー出願の海外公開特許

発明の名称 出願人 特許番号 優先権日

サ フ ゙ ト ラ ク シ ョ ン を 繰 り 返 す こ と に よ り 大規模の c DNA クローニングとシーケンシング を行う方法

Shanghai Bi oor i gi n Gene Devel opment Co. Lt d.

特表 2002- 537821

(WO 2000052200 に対応)

19990226

Novel pol ypept i de – human SHC pr ot ei n 43 and pol ynuc l eot i de enc odi ng i t

Bi owi ndow Gene Devel opment I nc . Shanghai

EP 1251178A

(WO 2001046441 に対応)

19991222

2.イネゲノム関連特許

中国は日本を中心とする国際イネゲノム解読プロジェクトに参加する一方、独自に長粒種(Or yz a s at i va L. s s p. i ndi c a)のゲノム解読を行ってきた。解読の主体は北京の中国科学院 Bei j i ng Genomi cs I ns t i t ut e/Cent er of Genomi c s and Bi oi nf or mat i c s

4

であり、dr af t s equenc e は 2002 年に発表され

(Sc i enc e, vol . 296( 2002) , 79- 92)、データベースも公開されている

5

。この中国独自のイネゲノムプ ロジェクトの成果(イネ由来 c DNA 等)が、特許出願されているかを調査したところ、プロジェクトに 参加している浙江大学(Zhej i ang Uni ver s i t y)からイネ c DNA 搭載の DNA チップ(CN 1364935 等)が 出願されているが、現時点(2003 年2月末)ではプロジェクトに由来すると思われる集中的な特許出 願は認められなかった。

3. 精華大学

同じく北京の精華大学(Ts i nghua Uni ver s i t y)もライフサイエンスに力を入れているが、同大学 からのライフサイエンス出願は、1991- 2000 年で 45 件、うち医薬・医療が 15 件、遺伝子・蛋白質・ 組換えが 10 件、分析・診断が8件、その他が 12 件で特定分野に集中しての出願傾向は見られなかっ た。

参照

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