S U(スルフォニルウレア)系水稲除草剤抵抗性雑草の発生確認と除草体系 項
事
ホタルイ類が 水稲用一発処理除草剤の主成分であるS U系化合物に対して、抵抗性を有する 雑草の事例が全国で報告されている。
最近、本県においても、一発処理除草剤の連用水田でアゼナ類、 特異的に残草する事例が見られ始めた。
今回、県内主要地点からアゼナ類とホタルイ類を採取しS U抵抗性を検定した 結果、ほとんどのサンプルがS U抵抗性雑草であることを確認したので、その効 率的な除草体系を普及に移す。
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ら ね
S U抵抗性雑草の除草体系
アゼナ類及びホタルイ類が特異的に残草するほ場では、 S U抵抗性の雑草と 判断されるので、以下の除草剤を使用した防除体系を行う。
(1) アゼナ類に有効な成分と除草体系 ア 一発処理剤の体系
プレチラクロール、ピフェノックス、ペントキサゾン、ベンゾフェ ナップ、クロメプロップのいずれかを含む一発処理剤
1
指
ベ
ン
タ
ゾ
ン
を
含
む
中
後
期
剤
クロメブρロ ップ\ピフェノックス、ブρレ
チラクロール、ベンゾフェナップ、ペン I' 、
Ir残草し1
トキサゾンのいずれかを含む一発処理剤|(た場合j
MC P B、 ベ ン タ ゾ ン の い ず れ か を 含 む r
中期剤 初期剤の体系
プレチラクロール、 ピフェノックス、ペ ントキサゾン、ベン ゾフェナップのいず れかを含む初期剤 イ
、皆
王子
(2) ホタルイ類に有効な成分と除草体系 ア 一発処理剤の体系
ブロモブチド、クロメプロップ、ピラゾレート+プレチラクロール 混合剤のいずれかを含む 一発処理剤
奨
ベ
ン
タ
ゾ
ン
を
含
む
中
後
期
剤
ブロモブチド、クロメプロップ、ピラゾト レート+プレチラクロール混合剤のいず れかを含む一発処理剤
MC P B、ベンタゾンのいずれかを含む中 期剤
む
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系
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制
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初
イ 励
内
2 S U抵抗性の検定結果 (1) アゼナ類
県内18市町村から39標本を検定した結果、38標本にS U抵抗性を確認した。 ホタルイ類
県内5 市町村から 5 標本を検定した結果、 4 標本にS U抵抗性を確認した。
月モ,
廿
(2)
ホタルイ類が効果的に防除できる。 S U抵抗性雑草のアゼナ類、
期待される効果
アゼナ類やホタルイ類の発生前が効果的で 1 初期剤、一発処理剤の使用は、
ある。
2 多年生難防除雑草(シズイ、クログワイ等)と混生するほ場では、除草体系 に示した一発処理剤の体系で行う。
3 除草剤の使用に当たって、各成分の使用回数制限を厳守する。 普及上の注意事項
全域 県内 対 象 地 域 栽 培 部
青森県農業試験場 当
担
青森県農業試験場成績概要集
2 平 成13年 度
【根拠となった主要な試験結果]
表1 S U抵抗性アゼナ類・ホタルイ類に対する有効成分と除草効果並びに使用回数
有 効 成 分 アゼナま買 ホタルイ委員 使 用 回 数 制 限
カフェンストロール 。 1 回
クロメフ。ロッフ。 。 。 2 回
シメトリン+MC P B 。 。 ともに2 回
ダイムロン 。※ 2 回
テニルクロール 。 2 回
ナプロアニリド 。 1 回
ピフェノックス 。+ 2 回
ピリアチカルブ 。 2 回
プレチラクロール 。十 。※※ 2 回
ピラゾレート+プレチラクロー
。 。
1 回
ル混合剤 (ピラゾレート)
ブロモブチド 。 1 回
ベ ン ゾ フ ェ ナ ッ プ 。+ 1 回
ベンタゾン 。 。 2 回
ベ ン チ オ カ ー ブ 。 1 回
ペントキサゾン 。+ 2 回
(注) 1 有 効 成 分 の 除 草 効 果 の 判 定 は 、 東 北 農 業 研 究 セ ン タ ー の デ ー タ を 引 用
2 除草効果
。 :アゼナ類・ホタルイ類に比較的効果が安定して高い成分
0 :アゼナ類に発生前∼極初期の処理で有効、発生後は効果不十分、残効性が劣り中期剤や後期
剤の有効剤との体系処理が必要(
O
+は比較的効果が安定している成分) 。 ※ :ホタルイ類に有効だが、含有量 が 低 く 、 効 果 は 不 十 分。※ ※ :ホタルイ類に有効だが、発生深度が深い個体や、多発田では効果不足となりやすい
市 町 村
O
調 査 地 点。
未 調 査 地 点 草 種 ・ : 抵 抗 性 ア ゼ ナ0 :感受性アゼナ
セ
v
:抵抗性タケトアゼナ ・:抵抗性イヌホタルイく〉:感受性タイワンヤマイ
図1 S U抵 抗 性 雑 草 が 確 認 さ れ た 市 町 村 と 草 種 ( 平 成13年 青森農試)
(注) S U抵抗性の検定は、内野ら(東北農業研究センター)の迅速検定法により実施