草薙 2016 再現可能性と文芸的プログラミング

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全文

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基礎研第4回年次例会 草薙邦広「文芸的プログラミング」

外国語教育研究における再現可能性と

文芸的プログラミングのすすめ

草薙 邦広

名古屋大学大学院/日本学術振興会

外国語教育メディア学会中部支部外国語教育基礎研究部会第 3 回年次例会 2016/2/27

於 名古屋学院大学白鳥学者

1. はじめに

■歴史的背景(草薙, 2015c; 草薙・川口・田村, in press)

・1960-70 年代〜:「外国語教育研究の科学化」時代

・1980 年代〜:「実験計画法・量的研究」時代

・1990 後半-2000 年代〜:「多変量解析」時代

・2010 年代〜「メソドロジーの見直し」時代

-応用統計学・高度化(e.g., Larson-Hall & Herrington, 2011; 草薙, 2014)

-「統計改革」の浸透(e.g., Plonsky, 2013; 水本・竹内, 2008; Kline, 2004)

+メタ分析の重要視(Norris & Ortega, 2006)

-データサイエンス・ブーム,ビッグデータ・ブーム,ベイズ統計学,人工知能

-教育政策のエビデンス(岩崎,2010; 中室, 2015; 寺沢, 2014)

-構成概念妥当性観の見直し(e.g., Borsboom et al., 2004)

-分析観点の多様化(e.g., リスク分析; 草薙, 2015a, 2015b, in press)

■外国語教育研究法の現在

・メソドロジーの見直しの帰結→「これまでの量的研究は不適切であった」言説の蔓延

-実験計画が不適切であった(e.g., 草薙・水本・竹内, in press)

-エビデンス階層が低い(e.g., 寺沢, 2014, 小学校外国語教育政策について)

-報告の実践が不十分であった(Mizumoto et al., 2014; Plosky, 2013)

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基礎研第4回年次例会 草薙邦広「文芸的プログラミング」

-社会的要請の強大化

・量的研究に関する教育機会の慢性的不足(e.g., Borsboom, 2006; 心理学)

-Loewen et al. (2014)の調査

・質的研究や混合研究法へ向かう層と量的高度化へ向う層の速やかな 2 分化

・今後の展望

2. 再現可能性(reproducibility)とオープン化

■近年,諸科学分野において再現可能性の問題が浮上→「再現可能性の危機」

・再現可能性は現代の科学的方法(scientific method)の要諦のひとつ

・心理学分野

-Open Research Collaboration(2015) in Science

+最大規模のプロジェクト

+心理学におけるトップジャーナル3誌から約100 例の研究を追試

+結果を再現できたのはおよそ半分程度

+効果量はより低くなる傾向がある

-Wicherts et al.(2006)

+大部分の論文の著者はデータを人に渡さない

+第二言語習得研究も同様(Plonsky et al., 2015)

・医学

-同様の傾向(e.g., Bagley & Ellis, 2012)

■オープンソース・オープンコードの動きと再現可能性プロジェクト

“Publish (your data) or (let the data) perish! Why not publish your data too?”

(Wicherts & Bakker, 2012)

・再現可能な研究(reproducible research)の追求

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基礎研第4回年次例会 草薙邦広「文芸的プログラミング」

・諸分野でさまざまなプロジェクトが乱立

・科学全体の風潮へ

・外国語教育研究も例外ではない

・関連諸分野のトップジャーナルの動き

3. では外国語教育研究者の私たちはどうしたらよいのか

■再現可能性を高める一般的な方法

・誤差 = 系統誤差 + 偶然誤差

・高精度,高信頼性化→実験・調査

・エビデンス階層を高める→実験計画の見直し

・適切な統計処理

・データとソースのオープン化

■文芸的プログラミング(literate programming)

・再現可能な研究の枠組みで注目

・Knuth(1984)が提唱したプログラミング・スタイル

・ソースコードとドキュメントを併記し同時に作成する

・人が読む部分(ドキュメント,TeXなど)と機械が読む部分(ソース)を出力する

→論文に研究のデータやそれに関わる計算・統計処理過程をすべて含ませ共有する

→データに由来する部分以外の系統誤差を排除することが可能

→研究過程の自動化

■ツール

・R

-Sweaveパッケージ(TeXや PDF 出力) -knitrパッケージ(TeXや PDF 出力) -hwriteパッケージ(html出力)

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基礎研第4回年次例会 草薙邦広「文芸的プログラミング」

・しかし敷居は高い

■ティーチングポートフォリオとの連携

・ティーチングポートフォリオ

・文芸的プログラミングの自動化の必要性

・高度情報集積型ティーチングポートフォリオエンジン

■耐えない意識改革

・学会,学術誌の改革

・ワークショップ,講習会

4. 結論

主要な参考文献

要項をご覧ください。

その他は,草薙までお問い合わせください。

Mail kusanagi@nagoya-u.jp

Web https://sites.google.com/site/kusanagikuni/home/cv

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